JP4118731B2 - 音声損失制御方法、音声損失制御装置、音声損失制御プログラム - Google Patents

音声損失制御方法、音声損失制御装置、音声損失制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカとマイクロホンを用いる拡声通話における、ハウリング防止のための音声損失制御方法、音声損失制御装置、音声損失制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
拡声通話時に、受話信号路および送話信号路に可変損失回路を設け、音響的なフィードバックゲインを下げることによりハウリングを防ぐ方法がある。受話信号路および送話信号路にける可変損失回路の最も簡単な動作例を、図4の構成において説明する。
図4に示す10は従来の音声損失制御装置を示す。従来の音声損失制御装置10では受話信号入力端子11から入力された受話信号及び音響収音手段2から入力された収音信号は受話信号入力手段101および収音信号入力手段104よりそれぞれ、受話可変損失手段102および送話可変損失手段105により損失を受け、再生信号出力手段103は再生信号を音響再生手段1に出力し、送話信号出力手段106は送信信号を送話信号出力端子12に出力する。
【0003】
ここで、レベル比較/割当判定手段107により、受話信号と収音信号の大きさを比較し、受話信号が収音信号より大きいときは送話信号路に一定の損失を与え、収音信号が受話信号より大きいときは、受話信号路に一定の損失を与えるように、レベル比較/割当判定手段107は受話可変損失手段102と送話可変損失手段105が受話信号路および送話信号路に与えるべき損失を制御している。このとき、受話信号がスピーカから再生されマイクロホンに回り込んでしまった場合、実際に送信すべき収音信号は存在しない場合でも、回り込んだエコーの存在によって、収音信号が受話信号よりも大きいと判定されてしまう場合がある。このとき、受話信号路に大きな損失が挿入され受話信号が聞こえなくなってしまう現象が、受話ブロッキングとして知られている。この受話ブロッキングを防ぐことを目的として「特許文献1」が提案されている。
【0004】
受話ブロッキングの直後、受話の音量が低減し、従ってエコーの量も低減されるが、このとき受話信号が継続的に存在していれば、再び、この低減されたエコーよりも受話信号が大きいと判定され、送話信号路側に損失挿入が切り替わる。
「特許文献1」では、この損失挿入が交互に切り替わる現象に着目し、一定回数の損失挿入の切り替わり後に、受話信号、送話信号の大小判定の基準を初期化し、判定の誤りを回避している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−225954号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
「特許文献1」による方法では、実際に数回の損失挿入の切り替わりは避けられず、音声品質が低下する欠点がある。本発明の目的は損失挿入の交互の切り替わりを発生させずに受話ブロッキングを回避し、通話品質の優れた音声損失制御方法、音声損失制御装置、音声損失制御プログラムを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
無音状態、受話状態、又は送話状態と判定された場合、その判定結果の信頼度は、同時通話状態と判定された判定結果の信頼度より高い。これは、同時通話状態と判定されるプロセスにおいて、送話信号に存在していると判定された音声信号が、送信すべき音声信号なのか、受話信号の回り込みによるエコー信号なのかの区別が含まれていない可能性があるためである。また、エコー信号の影響を考慮した上で、同時通話状態と判定されていたとしても、エコーの大きさ、すなわち、スピーカおよびマイクロホン間の音響結合の大きさによらず、一定の信頼度を保つことは、一般に困難である。しかし、逆に、受話ブロッキングの発生する状態は、この同時通話状態のみと考えることができ、従来の技術で述べたように受話信号と収音信号の大小比較よりも、受話ブロッキングの発生する可能性のある状態(条件)を限定し、絞り込むことで受話ブロッキングの発生を解消することができる。
【0008】
このため、この発明では受話ブロッキングが発生し易い条件を検出することができる通話状態判定手段及び損失総量決定手段とを設け、この通話状態検出手段及び損失総量決定手段が受話ブロッキングが発生し易い状態を検出した場合に、受話ブロッキングの発生を効果的に抑制する損失量を受話側及び送話側に配分する点を特徴とするものである。
【0009】
この発明の前提となる音声損失制御方法は、受話信号入力処理と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失処理と、可変損失を受けた受話信号を出力する再生信号出力処理と、収音信号入力処理と、収音信号に可変損失を与える送話可変損失処理と、可変損失を受けた収音信号を出力する送話信号出力処理とを実行する音声損失制御方法において、受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、受話信号および収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定処理と、可変損失を受けた受話信号と収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、受話可変損失処理および送話可変損失処理が与えるべき損失の総量を、音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定処理と、通話状態判定処理が判定した状態と損失総量の大きさに応じて受話可変損失処理および送話可変損失処理で受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定処理とを含む音声損失制御方法である。
【0010】
この発明の請求項では上記の前提となる音声損失制御方法の送受話損失配分決定処理において、通話状態判定処理が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より大きい場合、受話可変損失処理が与える損失量を送話可変損失処理が与える損失量よりも小さくなるよう配分し、通話状態判定処理が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より小さい場合、受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも大きくなるよう配分する音声損失制御方法を提案する。
【0011】
この発明の請求項では上記の前提となる音声損失制御方法の送受話損失配分決定処理において、通話状態判定処理が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より大きい場合、受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも小さくなるよう配分し、通話状態判定処理が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より小さい場合、受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも大きくなるように配分する音声損失制御方法を提案する。
【0012】
この発明の前提となる音声損失制御装置は受話信号入力手段と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失手段と、可変損失を受けた受話信号を出力する再生信号出力手段と、収音信号入力手段と、収音信号に可変損失に可変損失を与える送話可変損失手段と、可変損失を受けた収音信号を出力する送話信号出力手段とを有する音声損失制御装置において、受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、受話信号および収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定手段と、可変損失を受けた受話信号と収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、受話可変損失手段および送話可変損失手段が与えるべき損失の総量を、音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定手段と、通話状態判定手段が判定した状態と損失総量の大きさに応じて受話可変損失手段および送話可変損失手段が受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定手段とを有する音声損失制御装置である。
【0013】
この発明の請求項では上記の前提となる音声損失制御装置の送受話損失配分決定手段において、通話状態判定手段が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より大きい場合、受話可変損失手段が与える損失量を送話可変損失手段が与える損失量よりも小さくなるよう配分し、通話状態判定手段が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より小さい場合、受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を送話可変損失手段が送話信号路に与える損失量よりも大きくなるよう配分する音声損失制御装置を提案する。
【0014】
この発明の請求項では上記の前提となる音声損失制御装置の送受話損失配分決定手段において、通話状態判定手段が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より大きい場合、受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を送話可変損失手段が送話信号路に与える損失量よりも小さくなるよう配分し、通話状態判定手段が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定された閾値より小さい場合、受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を受話可変手段が送話信号路に与える損失量より大きくなるように配分する音声損失制御装置を提案する。
【0015】
この発明の請求項ではコンピュータが解読可能な符号列によって記述され、コンピュータに請求項1乃至記載の音声損失制御方法の少なくとも一つを実行させる音声損失制御プログラムを提案する。
作用
この発明によれば通話状態判定手段は、受話信号、収音信号の大きさの他、音響再生手段及び音響収音手段との間の音響結合などを参照し、通話状態を判定する。また、別に設けられる損失総量決定手段との連携により、受話ブロッキングの発生の可能性の高い条件をさらに絞り込むことができる。
【0016】
すなわち、損失総量決定手段では、ハウリングを発生させないために受話信号路か送話信号路に挿入すべき損失の必要な総量を決定する。この損失総量は、音響再生手段および音響収音手段との間の音響結合量に比例させることが、理に適っている。先にも述べたように、音響結合量が小さい場合は、エコーの影響が小さくなるため、同時通話状態と判定された場合であっても、エコーが送信すべき音声信号と誤判定される可能性が減少する。
【0017】
これらの条件をまとめると、受話ブロッキングの発生確率が高いのは、同時通話状態、かつ、損失総量の大きいときである。従って、この発明による損失配分決定手段では、従来の技術で説明したレベル/割当判定手段と異なり、通話状態判定手段と損失総量決定手段の情報に基づき、受話可変損失手段および送話可変損失手段が受話信号路および送話信号路に与えるべき損失を制御している。損失総量の大小は、ある閾値(例えば、+10dB)を設定して、この閾値との比較により判定できる。この条件が満足された場合においては、受話ブロッキングを回避するために、常に損失は送話信号路側に大きく配分する。配分は、最も極端な例として受話信号路に0dB、送話信号路に損失総量である10dBなどと配分してもよいし、また、通話に支障のない範囲で受話信号路に3dB、送話信号路に7dBなどと受話信号路にも多少の損失を与えてもよい。
【0018】
また、同時通話状態、かつ、損失総量の小さいときは、受話ブロッキングの発生する可能性が低いと考え、例えば、損失の配分を受話信号路側に大きくする。この条件下では、真の同時通話(受話、送話の双方向で発話がある)状態である可能性が高いから、送話信号路の損失を小さくすることで、通信相手に確実に、送話音声を伝えられるようにでき、通信相手がハンドセットやヘッドセットを利用していた場合にも有効となる。
従って、この発明によれば受話ブロッキングの発生確率が高い条件を、同時通話状態かつ、損失総量の大きさいときに絞り込んで、受話ブロッキングが発生しない損失制御を他の状態、条件に影響を与えず実行できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明による音声損失制御装置の一実施例を示す。この音声損失制御装置を音声損失制御方法と共に以下に説明する。
図1に示す100はこの発明による音声損失制御装置を示す。この発明による音声損失制御装置100は受話信号入力端子11と、送話信号出力端子12を具備し、受話信号入力端子11に入力された受話信号は受話信号入力手段101に入力され、必要に応じて例えば所定時間分のデータ蓄積処理が行なわれる。受話信号入力手段101から出力された受話信号は受話可変損失手段102で損失配分決定手段110から与えられる損失配分制御信号により、受話信号に所定の損失を与える。所定の損失が与えられた受話信号は再生信号出力手段103で音声再生のための処理が施され、再生信号を出力する。再生信号は例えばスピーカのような音響再生手段1に入力され、受話信号に対応した音響を再生する。
【0020】
一方、送話者3が発話した音声は例えばマイクロホンのような音響収音手段2で収音信号に変換される。収音信号は収音信号入力手段104で必要に応じて例えば所望の時間分のデータの蓄積処理が施され、送話可変損失手段105に入力される。送話可変損失手段105では損失配分決定手段110から与えられる損失配分制御信号により、収音信号に所定の損失が与えられる。所定の損失が与えられた収音信号は送話信号出力手段106で伝送のための処理が施され、送話信号出力端子12から送話信号として出力される。
この発明の特徴とする構成はこのような音声損失制御装置100において、通話状態判定手段108と、損失総量決定手段111と、損失配分決定手段110とを設けた構成として点である。
【0021】
損失総量決定手段111は受話信号路および送話信号路の双方に与える損失量の総量を決定する。損失総量の決定方法は先にも説明したように、音響再生手段1と音響収音手段2との音響結合量に比例して決定することができる。音響結合量の測定方法は再生信号のレベルから収音信号のレベルを差し引くことにより測定することができる。損失配分決定手段110には予め損失総量の閾値を設定する。損失総量の閾値としては例えば+10dB等とすることができる。
【0022】
この発明では損失総量決定手段111が測定した損失総量と損失配分決定手段110に設定した損失量の閾値とを比較し、測定した損失総量が設定した損失量の閾値より大きいか、小さいかの条件と、通話状態判定手段108の判定結果に応じて損失配分決定手段110は損失総量決定手段111が決定した損失総量を配分し、受話可変損失手段102と送話可変損失手段105に損失量を与える構成とするものである。
【0023】
つまり、通話状態判定手段108が受話状態と判定した場合には損失配分決定手段110は送話信号路側に配置した送話可変損失手段105に損失総量決定手段111が決定した損失総量を損失量として与える。また、送話状態と判定した場合には受話信号路に配置した受話可変損失手段102に損失総量決定手段111が決定した損失総量を損失量として与える。
【0024】
この発明の特徴は通話状態判定手段108が同時通話状態および無音状態と判定した場合の損失制御方法にある。つまり、通話状態判定手段108が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量決定手段111が測定した損失総量が指定された閾値より大きい場合は、損失配分決定手段110は受話可変損失手段102が受話信号路に与える損失量を、可変損失手段105が送話信号路に与える損失量よりも小さくなるように損失総量決定手段111が決定した損失総量を配分する。
【0025】
このように、測定した損失総量が大きく、つまり、音響再生手段1と音響収音手段2との音響結合が大きい状態で、同時通話状態が検出された場合に受話信号路に与える損失量を送話信号路に与える損失量より小さくなるように配分することにより、受話信号が完全に絞られること無く聞こえる状態に維持されながら送話信号路は受話信号路の損失より大きい損失が与えられ、送り出し側の利得が絞られ、これによりハウリングの発生が抑えられる。つまり、受話ブロッキングの発生を回避しながらハウリングの発生を抑えることができる。
【0026】
一方、通話状態測定手段108が同時通話状態と判定し、かつ、損失総量が指定した閾値より小さい場合は、損失配分決定手段110は受話可変損失手段102が受話信号に与える損失量を、通話可変損失手段105が送話信号路に与える損失量よりも大きくなるように損失総量決定手段111が決定した損失総量を配分する。
【0027】
この場合には音響再生手段1と音響収音手段2との結合量が小さいから、元々ハウリングの発生が起き難い状態であり、然も受話信号路側の損失量を送話側の損失量より大きい状態に損失量を配分したから、受話側の利得が絞られ、ハウリングの発生は抑えれる。然も音響再生手段1と音響収音手段2との結合量が小さいことから、受話信号路に与える損失は受話信号を完全に絞る程大きくなくて済むため、受話ブロッキングを防ぐことができる。
また、この場合、送話信号路の損失を小さくすることで通信相手に確実に送話音声を伝えることができ、通信相手がハンドセットや、ベッドセットを利用していた場合には有効となる。
【0028】
この発明では更に、通話状態判定手段108が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定した閾値より大きい場合は、損失配分決定手段110は受話可変損失手段102が受話信号路に与える損失量を、送話可変損失手段105が損失信号路に与える損失量よりも小さくなるように損失総量決定手段111が決定した損失総量を配分する。
この配分制御によれば元々無音状態でハウリングの発生率が低いため、受話信号路側の損失量を小さく設定してもハウリングの発生を抑えることができ、然も受話信号路の利得を高めることにより、通信相手からのわずかな音声も聞き取れることができる。従って、受話ブロッキングを発生させることなくハウリングの発生を抑えることができる。
【0029】
また、通話状態判定手段108が無音状態と判定し、かつ、損失総量が指定した閾値より小さい場合は、受話可変損失手段102が受話信号路に与える損失量を送話可変損失手段105が送話信号路に与える損失量よりも大きくなるように損失総量決定手段111が決定した損失総量を配分する。
この場合には元々通話状態が無音で然も音響再生手段1と音響収音手段2との結合量も小さいことから、ハウリングの発生率は低い。従って、この場合も、受話信号路に与える損失量を音声信号を完全に絞るまで大きくなるように制御しなくてもハウリングの発生を抑えることができる。つまり、受話ブロッキングの発生とハウリングの発生を抑えることができる。然も、送話信号路の損失量を小さく設定することにより通信相手に確実に送話音声伝えることができる。また、通信相手の部屋の騒音を伝えやすくなり、通信回線が接続されていることを確認しやすくなる。
【0030】
図2に本発明の他の実施例を示す。この実施例では音声損失制御装置100と音響再生手段1および音響収音手段2との間にエコー消去手段200を挿入した場合を示す。エコー消去手段200を介挿した場合には、エコー消去動作により音響再生手段1と音響収音手段2との間の結合量が変動する現象が発生するが、この場合においても、損失総量決定手段111において、エコー消去手段200によるエコー消去量も含めて音響結合量を推定することにより、適切な損失量を与えることができる。その他の構成および動作は図1の場合と同じであるから、ここでは以上の詳細説明は省略する。
尚、上述では受話信号および送話信号が1チャンネルの信号の場合を例示して説明したが、多チャンネルの信号であっても本発明を適用し、損失制御が可能である。
【0031】
以上説明した音声損失制御方法および音声損失制御装置はコンピュータが解読可能な符号列によって記述されたプログラムをコンピュータに実行させて実現される。
図3にコンピュータによりこの発明による音声損失制御装置100を構成した構成概念図を示す。コンピュータは一般的によく知られているように、中央演算処理装置(CPU)21と、コンピュータの立上げおよび立下げ等を制御する基本プログラム等を格納した読出専用メモリ(ROM)22と、プログラム、およびデータ等を格納する書き込み、読み出し可能なメモリ(RAM)23と、入力ポート24および出力ポート25とを具備して構成される。
【0032】
書き込み、読み出し可能なメモリ23には受話信号入力手段101を構成するための受話信号入力処理プログラム23Aと、受話可変損失手段102を構成するための受話可変損失処理プログラム23Bと、再生信号出力103を構成するための再生信号出力処理プログラム23Cと、収音信号入力手段104を構成するための収音信号入力処理プログラム23Dと、送話可変損失手段105を構成するための送話可変損失処理プログラム23Eと、送話信号出力手段106を構成するための送話信号出力処理プログラム23Fと、通話状態判定手段108を構成するための通話状態判定処理プログラム23Gと、損失配分決定手段110を構成するための損失配分決定処理プログラム23Hと、損失総量決定処理手段109を構成するための損失総量決定処理プログラム23Iとがインストールされている状態を示す。入力ポート24には受話信号入力端子11と音響収音手段2が接続され、出力ポート25には音響再生手段1と送話信号出力端子12が接続される。
【0033】
各処理プログラム23A〜23Iが中央演算処理装置21により解読され、これらのプログラムを実行することにより図1を用いて説明した音声損失制御動作を実行することができる。
各処理プログラム23A〜23Iはコンピュータが読み取り可能な例えば磁気ディスク或はCD−ROMのような記録媒体に記録され、記録媒体からコンピュータにインストールするか又は、通信回線を通じてコンピュータにインストールされる。
【0034】
【発明の効果】
本発明装置を利用することにより、ハウリング回避のための損失総量が大きい場合と小さい場合とにおいて、同時通話状態での損失制御規制を変えることができ、通話品質へ影響を最小限としながら、受話ブロッキングを回避することができる。また、本発明は、エコー消去手段との組み合わせにも有効である。エコー消去手段のエコー消去性能は時間とともに変化する。従って、本発明装置で測定する見かけ上の音響結合も時間とともに変化し、損失総量の大きさの変化により、逐次、損失制御規則を対応させることができ、通話品質を向上できる。また、受話信号、送話信号が多チャンネルの信号であっても、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による音声損失制御装置の一実施例を説明するためのブロック図。
【図2】この発明の変形実施例を説明するためのブロック図。
【図3】この発明による音声損失制御装置をコンピュータで実現した場合の構成概念図。
【図4】従来の技術を説明するためのブロック図。
【符号の説明】
1 音響再生手段 103 再生信号出力手段
2 音響収音手段 104 収音信号入力手段
3 送話者 105 送話可変損失手段
11 受話信号入力端子 106 送話信号出力手段
12 送話信号出力端子 108 通話状態判定手段
100 音声損失制御装置 110 損失配分決定手段
101 受話信号入力手段 111 損失総量決定手段
102 受話可変損失手段

Claims (5)

  1. 受話信号入力処理と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失処理と、前記可変損失を受けた前記受話信号を出力する再生信号出力処理と、収音信号入力処理と、収音信号に可変損失を与える送話可変損失処理と、前記可変損失を受けた前記収音信号を出力する送話信号出力処理とを実行する音声損失制御方法において、
    前記受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、前記収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、前記受話信号および前記収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定処理と、
    前記可変損失を受けた前記受話信号と前記収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、前記受話可変損失処理および前記送話可変損失処理が与えるべき損失の総量を、前記音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定処理と、
    前記通話状態判定処理が判定した状態と前記損失総量の大きさに応じて前記受話可変損失処理および前記送話可変損失処理で受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定処理とを含み、
    前記損失配分決定処理は、
    前記通話状態判定処理が同時通話状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より大きい場合、前記受話可変損失処理が与える損失量を前記送話可変損失処理が与える損失量よりも小さくなるよう配分し、前記通話状態判定処理が同時通話状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より小さい場合、前記受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を前記送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも大きくなるよう配分することを特徴とする音声損失制御方法。
  2. 受話信号入力処理と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失処理と、前記可変損失を受けた前記受話信号を出力する再生信号出力処理と、収音信号入力処理と、収音信号に可変損失を与える送話可変損失処理と、前記可変損失を受けた前記収音信号を出力する送話信号出力処理とを実行する音声損失制御方法において、
    前記受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、前記収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、前記受話信号および前記収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定処理と、
    前記可変損失を受けた前記受話信号と前記収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、前記受話可変損失処理および前記送話可変損失処理が与えるべき損失の総量を、前記音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定処理と、
    前記通話状態判定処理が判定した状態と前記損失総量の大きさに応じて前記受話可変損失処理および前記送話可変損失処理で受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定処理とを含み、
    前記損失配分決定処理は、
    前記通話状態判定処理が無音状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より大きい場合、前記受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を前記送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも小さくなるよう配分し、前記通話状態判定処理が無音状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より小さい場合、前記受話可変損失処理で受話信号路に与える損失量を前記送話可変損失処理で送話信号路に与える損失量よりも大きくなるように配分することを特徴とする音声損失制御方法。
  3. 受話信号入力手段と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失手段と、前記可変損失を受けた前記受話信号を出力する再生信号出力手段と、収音信号入力手段と、収音信号に可変損失を与える送話可変損失手段と、前記可変損失を受けた前記収音信号を出力する送話信号出力手段と、を有する音声損失制御装置において、
    前記受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、前記収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、前記受話信号および前記収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定手段と、
    前記可変損失を受けた前記受話信号と前記収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、前記受話可変損失手段および前記送話可変損失手段が与えるべき損失の総量を、前記 音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定手段と、
    前記通話状態判定手段が判定した状態と前記損失総量の大きさに応じて前記受話可変損失手段および前記送話可変損失手段が受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定手段とを有し、
    前記損失配分決定手段は、
    前記通話状態判定手段が同時通話状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より大きい場合、前記受話可変損失手段が与える損失量を前記送話可変損失手段が与える損失量よりも小さくなるよう配分し、前記通話状態判定手段が同時通話状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より小さい場合、前記受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を前記送話可変損失手段が送話信号路に与える損失量よりも大きくなるよう配分することを特徴とする音声損失制御装置。
  4. 受話信号入力手段と、入力された受話信号に可変損失を与える受話可変損失手段と、前記可変損失を受けた前記受話信号を出力する再生信号出力手段と、収音信号入力手段と、収音信号に可変損失を与える送話可変損失手段と、前記可変損失を受けた前記収音信号を出力する送話信号出力手段と、を有する音声損失制御装置において、
    前記受話信号に受信すべき音声信号が含まれ、かつ、前記収音信号に送信すべき音声信号が含まれる同時通話状態と、前記受話信号および前記収音信号のいずれにも音声信号の含まれない無音状態とを判定可能な通話状態判定手段と、
    前記可変損失を受けた前記受話信号と前記収音信号とのレベル差により音響結合量を求め、前記受話可変損失手段および前記送話可変損失手段が与えるべき損失の総量を、前記音響結合量が大きいほど大きな値として決定する損失総量決定手段と、
    前記通話状態判定手段が判定した状態と前記損失総量の大きさに応じて前記受話可変損失手段および前記送話可変損失手段が受話信号路および送話信号路に与える損失量の配分を決定する損失配分決定手段とを有し、
    前記損失配分決定手段は、
    前記通話状態判定手段が無音状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より大きい場合、前記受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を前記送話可変損失手段が送話信号路に与える損失量よりも小さくなるよう配分し、前記通話状態判定手段が無音状態と判定し、かつ、前記損失総量が指定された閾値より小さい場合、前記受話可変損失手段が受話信号路に与える損失量を前記受話可変手段が送話信号路に与える損失量より大きくなるように配分することを特徴とする音声損失制御装置。
  5. コンピュータが解読可能な符号列によって記述され、コンピュータに前記請求項1乃至2記載の音声損失制御方法の少なくとも一つを実行させる音声損失制御プログラム。
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