JP4118357B2 - Ampアルキルエステル誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はAMPアルキルエステル誘導体の製造方法およびAMPアルキルエステル誘導体を有効成分とする分化誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
AMP(アデノシン一リン酸)がリン酸二つと結合してATP(アデノシン三リン酸)となり、細胞内情報伝達系の一端を担う蛋白質リン酸化反応の基質となったり、AMP自体が3',5'−環状エステルである、cAMP(cyclic AMP)になり生体内のホルモン作用の仲介に働くことが知られていることから、そのAMPアナログを合成しようとした。その際、酵母などに外からAMPをあたえても、細胞内に取り込まれないため、長鎖のアルキル基を結合させることで外から与えても細胞内に取り込まれるようなAMPの誘導体の合成を試みた。
【0003】
AMPのリン酸基に疎水性の強い長鎖のアルキル基を結合させ、細胞膜透過性を向上させたAMP誘導体(AMPC8、AMPC12、AMPC16)を合成した。これらのAMP誘導体について、分化誘導活性を調べたところ、優れた分化誘導活性を有することが判明した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものである。
【0004】
AMPの誘導体の合成については、TMP(チミジン一リン酸)のリン酸基にグルコースの六位炭素の水酸基が結合したリン酸2−エステル化合物と長鎖のハロゲン化アルキルの求核置換反応を用いてリン酸3−エステル化合物を合成する反応が知られているが、本発明の製造方法は1段階で反応が終了するという非常に簡便なものである。
【0005】
当初AMP誘導体を合成するためにDCC(dicyclohexylcarbodiimido)を縮合剤として用いて、AMPと直鎖高級アルコール(オクタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール)を反応させていた。この方法で合成を行うとAMP誘導体も合成されてくるが、同時に極性の良く似た副生成物も生じることが判明し、合成はできるが精製に数段階のステップを必要とし手間が掛かかる。そこでDCCなどの縮合剤を用いずにAMPのリン酸基にアルキル基を結合できる方法を検索し、ハロゲン化アルキルの反応を用いるようになった。この反応の利点は、極性の良く似た副生成物が生じにくいことである。
【0006】
分化誘導活性については、1988年に、腫瘍細胞が前骨髄球の段階で分化が停止した急性前骨髄球性白血病に対して、オールトランスレチノイン酸が緩解をもたらしたと報告され(Huangら、Blood,72, 567-572(1988))、またビタミンD3の生理活性代謝物である1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェノールがヒト・リンパ腫培養細胞系において分化誘導作用を有するとの報告がある(Olssonら、Cancer Res.,43(12pt1),5862-5867(1983))。さらに、マウス骨髄球性白血病の培養細胞系を用いて、ゲラニル・ファルネソール(3,7,11,15,19−ペンタメチル−2,6,10,14,18−エイコサペンタエン−1−オール)が分化誘導作用を有することが報告された(石倉ら、Leukemia Res.,8(5),843-852(1984))。さらに、ブファリン(Bufalin)がヒト白血病細胞の培養細胞系であるHL60、U937およびML1において分化誘導作用を示したことが報告された(Zhangら、Biochem.Biopys.Res.Commun.,178(2),686-693(1991)およびCancer Res.52(17),4634-4641(1992))。なおまた、上記以外にも分化誘導作用を有する化合物として、シトシン・アラビノシド(Ara-C)(Baccaraniら、Br.J.Haematol.,42,485-487(1979))、アクラシノマインA(Morinら、Cancer Res.,44,2807-2812(1991))、インターフェロン−α(森屋ら、臨床血液32,170-172(1991))、五環式トリテルペノイド化合物(特開平4−500209号(1992))、植物活性配糖体であるコレチニンC(特開平1−149133(1992))、ブファジェノリド型分化誘導剤(特開平5−201868号(1993))、26,27−ジメチル−△22−1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(特開平6−179622号(1994))、ゲラニル・ゲラニルアセトン(6,10,14,18−テトラメチル−5,9,13,17−ノナデカテトラエン−2−オン)(特開平6−192073号(1994))、ビタミンD−22−フェニルスルホン誘導体(特開平7−48343号(1995))などが報告された。しかし、AMP誘導体に細胞分化誘導活性があるとの報告は未だなされていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、式I:
【化3】
[式中、Rは炭素数4〜20の直鎖または分枝状アルキルである]
で示されるAMPアルキルエステル誘導体の製造方法であって、有機溶媒中1−ブロモアルカンとAMPを反応させることを特徴とする方法である。好ましくは、この方法は(C4H9)4N+の存在下で行われる。
【0008】
本発明の第2の態様は、式I:
【化4】
[式中、Rは炭素数4〜20の直鎖または分枝状アルキルである]
で示されるAMPアルキルエステル誘導体を有効成分とする分化誘導剤であり、好ましくは、Rが、オクチル、ドデシルまたはヘキサデシルである。
なお、本発明のAMPアルキルエステル誘導体には一般に生体内において実質的に同様の生理活性または薬理活性を発揮するもの、例えば、本発明の化合物の誘導体および医薬的に許容される塩、付加塩、水和物などは本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
炭素数4〜20の直鎖または分枝状アルキルは、具体的には、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシルなどの直鎖またはゲラニル、ファルネシルなどの分枝状のアルキルをいう。好ましくはヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルであり、より好ましくは、オクチル、ドデシルまたはヘキサデシルであり、最も好ましくは、それらの直鎖状のものである。
【0010】
本発明のAMPアルキルエステル誘導体は一般にAMP(アデノシン 5'−モノホスフェート)を(C4H9)4N+溶液(TBA;テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に溶解し、中和、脱水、乾固した後、有機溶媒中種々のハロゲン化アルキルを反応させて得られる。
【0011】
有機溶媒の例としては、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、などの極性溶媒またはアセトニトリルなどの透電率の高い不活性溶媒を挙げることができ、好ましくは、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルであり、最も好ましくは、ジメチルアセトアミドである。
【0012】
上記の反応は、AMPをエチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル第4級アンモニウムヒドロキシドの水溶液に溶解し、中和、脱水、乾固してAMPとテトラ低級アルキルアンモニウム塩を形成させて行う。
【0013】
また、上記の反応は60℃〜100℃、好ましくは、70℃〜90℃、最も好ましくは、約80℃にて行う。
【0014】
反応時間は2〜18時間であり、反応時間が長くなると目的生成物も増加するが副産物も増加してくる。従って、好ましくは、2〜6時間である。より好ましくは、約4時間である。
【0015】
ハロゲン化アルキルのハロゲンとしては、ふっ素、塩素、臭素およびよう素が含まれる。好ましくは臭素またはよう素であり、最も好ましくは、臭素である。
【0016】
例えば、AMPC8、AMPC12およびAMPC16はAMP(アデノシン 5'−モノホスフェート)をテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解し、ジメチルアセトアミド中で1−ブロモオクタン(C8)、1−ブロモドデカン(C12)、1−ブロモヘキサデカン(C16)などを反応させて得られる。これらの化合物の単離精製操作を下記に示す。
【化5】
【0017】
単離精製したAMPC8、AMPC12及びAMPC16について種々の機器分析を用い、その構造決定を行った。始めに1H、13CNMRにより、AMPのリン酸基に長鎖のアルキル基がエステル結合したものであることが決定された。次に元素分析を行ったところ、それぞれのAMP誘導体について、一水和物の形をとったときの理論値が非常に実測値と相同性があったため先の構造を強く支持するものであると考察された。これらの機器分析により決定されたAMPC8、AMPC12及びAMPC16についての構造を下記に示す。
【化6】
【0018】
【実施例】
実施例1
AMP誘導体(AMPC8)の合成
AMP(アデノシン 5'−モノホスフェート;800μmol:278mg)を(C4H9)4N+溶液(TBA;テトラブチルアンモニウム40%水溶液;1.6mmol:900μl)に溶解し、中和した。減圧下に脱水し、デシケーター中、P2O5存在下で乾固した。生じたAMPテトラブチルアンモニウム塩を1−ブロモオクタン(4.0mmol;800μl)とともに溶媒のジメチルアセトアミド(10ml)に溶解し、80℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液にC6H14/(CH3)2CO(1:1、v/v)の溶液を約60ml加え、アンモニアでpHを8に調節し、−20℃で一晩放置した。生じた沈澱を遠心分離で集め、同溶液でさらに2回洗浄することによってジメチルアセトアミドおよび1−ブロモオクタンを可及的に除去した。沈澱をCHCl3/MeOH(90:10)の溶液に溶解し、同溶液で十分に平衡化したシリカゲルカラム(Wakogel(登録商標)C200)によるクロマトグラフィーに供した。カラムを同溶液150ml程度で洗浄し、次いで、溶媒中のMeOH濃度をCHCl3/MeOH(85:15、80:20、75:25、70:30、60:40)と段階的に上げていき副生成物と目的物を分離した。CHCl3/MeOH(70:30)の画分を集め、ロータリーエバポレーターを用いて減圧乾燥した結果、白色の粉末が得られた。その粉末を50%MeOHに溶解し、その溶液中に陰イオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)IR−120)を加えて脱塩した。この溶液を減圧下に乾燥した結果、白色の粉末としてAMPC8が得られた。AMPC8の収率は16.5%であった。
【0019】
元素分析値(1水和物として)
計算値: C;45.28 H;6.70 N;14.67
測定値: C;47.31 H;7.68 N;14.07
1H NMR(DMSO−d6,ppm):8.39(s,adenine ring 2−H);5.91(d,J=5.5,1'−CH);4.57(t,J=5.2,2’−CH);4.23(br,J=4.9,3'−CH);4.03(br,J=3.7,4'−CH);3.87(m,2H,5'−CH);3.64(q,2H,J=6.7,CH2−O−P);1.21−1.24(CH2);0.83(t,3H,J=6.7,CH3)
13C NMRの測定値を表1に示す。
【0020】
実施例2
AMPC12の合成
1−ブロモオクタン800μlを用いる代わりに、1−ブロモドデカン1ml(4.0mmol)を用いて、実施例1と同様にして行った。AMPC12の収率は17.5%であった。
【0021】
元素分析値(1水和物として)
計算値: C;49.53 H;7.50 N;13.13
測定値: C;50.31 H;7.51 N;11.89
1H NMR(DMSO−d6,ppm):8.38(s,adenine ring 2−H);5.92(d,J=5.2,1'−CH);4.57(t,J=5.2,2’−CH);4.23(brt,J=4.9,3'−CH);4.03(brq,J=3.7,4'−CH);3.87(m,2H,5'−CH);3.65(q,2H,J=6.7,CH2−O−P);1.21−1.24(CH2);0.85(t,3H,J=6.7,CH3)
13C NMRの測定値を表1に示す。
【0022】
実施例3
AMPC16の合成
1−ブロモオクタン800μlを用いる代わりに、1−ブロモヘキサデカン1.22ml(4.0mmol)を用いて、実施例1と同様にして行った。AMPC16の収率は20.7%であった。
【0023】
元素分析値(1水和物として)
計算値: C;52.97 H;8.15 N;11.88
測定値: C;52.51 H;8.53 N;12.26
1H NMRの測定値を図1に示す。
13C NMRのチャートを図2に示す。
13C NMRの測定値を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
薬理学的実験
アデノシン一リン酸(AMP)のリン酸基に疎水性の強い長鎖のアルキル基を結合させることで、細胞膜透過性を向上させたAMP誘導体(AMPC8、AMPC12、AMPC16)について、細胞障害性及び分化誘導活性を調べた。
材料
1.細胞
ヒト骨髄性白血病細胞(HL−60)
2.薬剤
AMPC8、AMPC12、AMPC16
3.主な試薬及び機器
1)RPMI1640培地(ギブコ製)
2)牛胎児血清(FCS)(和光純薬製)
3)アラマブルー(岩城硝子製)
4)ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)(和光純薬製)
5)ホルボール12−ミリスタート13−アセタート(TPA)(和光純薬製)
6)ジメチルスルホキシド(DMSO)(和光純薬製)
7)サイトフロー2300(Fluorescence Measurement System)(ミリポア製)
【0026】
測定方法
1.細胞毒性
1)HL−60細胞を10%FCSを含むRPMI1640培地で培養後、96ウェルマイクロプレートに1×104細胞/mlの濃度で200μlずつ播種し、CO2インキュベーター(5%CO2、37℃)で3日間前培養した。
2)AMP誘導体は、DMSOにて20mg/mlの濃度に溶解し、冷蔵保存していたものをメタノールで希釈し、1ウェルあたり5μl添加した。メタノールのみを同様に添加したウェルをコントロールとした。
3)CO2インキュベーターで3日間培養した。
4)アラマブルーを1ウェルあたり20μl添加し、CO2インキュベーター内に3時間放置した。
5)サイトフロー2300により、励起波長530nm、蛍光波長590nmにて蛍光を測定した。コントロールウェルの蛍光強度を100とした時の薬剤を添加したウェルの蛍光強度の比を細胞の生存率(%)とした。
【0027】
2.分化誘導活性
HL−60細胞の分化誘導の主なマーカーとしては、形態、貧食能、NBT還元能、エステラーゼ活性などが知られている。今回の実験では、これらのうち、形態とNBT還元能を指標とした。NBTは、分化した細胞において、主としてスーパーオキシド産生オキシダーゼの作用により、NADPH由来の水素を受容した難溶性青紫色のホルマザンとなり、酵素活性の発現した細胞の部位に沈着し、顕微鏡下で観察が可能となる。
なお、今回の実験では、HL−60細胞の分化誘導剤(陽性コントロール)としてDMSOを用いたが、DMSOは、HL−60細胞を顆粒球様細胞へと分化誘導することが知られている。
1)細胞毒性の測定と同じ条件で、HL−60細胞を96ウェルマイクロプレートで3日間前培養した。
2)AMP誘導体をメタノールで希釈し、1ウェルあたり5μl添加した。陽性コントロールとして、DMSOを180mMの濃度となるように、また、陰性コントロールとしてメタノールを5μl添加した。
3)CO2インキュベーターで4〜5日培養後、顕微鏡で形態の変化を観察した。
4)細胞を懸濁してエッペンドルフチューブに移し、1,000rpm、2分間の遠心分離を行い、上清を除去した。RPMI1640培地1mlに再懸濁し、遠心分離後、上清を除去した。この操作を2回繰り返し、細胞を洗浄した。
5)1mg/mlNBT、0.1μg/mlTPAを含む20%FCS添加RPMI1640培地0.5mlに細胞を懸濁し、37℃で30分間反応させた。
6)遠心分離で細胞を回収し、少量のPBSに懸濁したものをスライドガラス上で十分乾燥させた。
7)スライドガラスをメタノールに2〜3分浸して細胞を固定し、顕微鏡下で青紫色に染まった細胞数を計測して、NBT還元能とした。
【0028】
結果
1.細胞毒性
結果を図3に示した。これらの化合物のIC50(μg/ml)は、それぞれ、AMPC8:320.6、AMPC12:184.3およびAMPC16:58.2であった。
AMP誘導体のHL−60細胞に対する毒性は低く、AMPC8は200μg/ml以下、AMPC12は150μg/ml以下、AMPC16は25μg/ml以下の濃度で100%の生存率を示した。アルキル基の長鎖が長いほど毒性が増大する傾向が見られた。
【0029】
2.分化誘導活性
結果を下記の表に示した。DMSOを180mM添加した陽性コントロールでは、NBT還元能陽性細胞数は84.5%あった。AMPC8を添加した時のNBT還元能陽性細胞数は、薬物濃度50〜150μg/mlの範囲において薬物濃度の上昇に伴って増加し、150μg/mlの濃度では93.5%となり、この付近の濃度においてAMPC8が分化誘導活性を持つことが示された。AMPC12では75〜150μg/mlの濃度において42.5〜81.1%の細胞が、AMPC16では30〜50μg/mlの濃度において57.4〜71.7%の細胞がNBT還元活性を有しており、AMPC12、AMPC16もHL−60細胞に対する分化誘導活性を持つことが示された。
【0030】
【表2】
【0031】
AMP誘導体がHL−60細胞に対して分化誘導活性を示す薬物濃度は、アルキル基の長鎖が短い誘導体、即ち、HL−60細胞に対する毒性が低いものほど高く、活性を示す濃度の範囲も広くなる傾向にあった。また、AMP誘導体のED50値を比較したところ、AMPC8:84.7μg/ml、AMPC12:78.1μg/mlおよびAMPC16:28.8μg/mlであった。
AMP誘導体の添加によりNBT還元活性を示した細胞の形態は、陽性コントロール同様、未処理の細胞に比較して変化が認められた。
【0032】
以上のように、AMPC8、AMPC12、AMPC16は、ヒト骨髄性白血病細胞HL−60を顆粒球様細胞へと分化誘導する活性を有することが判明した。更に、AMP及びアデノシンについても同様の方法で分化誘導活性の有無を検討した。その結果、AMPでは、50μg/mlの濃度で最大値となり25.8%の細胞が、アデノシンでは、200μg/mlの濃度で最大値となり16.7%の細胞がNBT還元活性を示した。しかし、その値は、AMP誘導体に比較してかなり低いものであったことから、AMPのリン酸基に長鎖のアルキル基を導入することで、HL−60細胞に対する分化誘導活性が付与されるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AMPC16の1H NMRの帰属を示す図である。
【図2】 AMPC16の13C NMRのチャートである。
【図3】 HL−60細胞の生存率に対するAMP誘導体の効果を示す折れ線グラフである。
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