JP4118053B2 - 2段式送り装置 - Google Patents

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JP4118053B2
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B1/00Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen
    • B30B1/18Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen by screw means

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,モータの駆動力により送りネジを回転させて,この送りネジに螺合されたケースを2段階に移動させる2段式送り装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば,モータを使用した加圧装置においては,モータによって回転する送りネジによって,これに螺合されたケースを移動させて,モータの回転力を推力に変換して上記ケースにより加圧を行う。この際,通常,加圧を行う部位は上記加圧装置とは距離が離れており,加圧を行うまでの間の移動時間においては,上記モータの容量(パワー)は上記ケースを移動させるために消費される。
【0003】
【解決しようとする課題】
ところで,上記ケースにより加圧を行うまでの間の移動時間は,直接加圧の作業を行わない無駄な時間である。そのため,この無駄な時間を短くするためには,例えば,上記モータの回転数又は上記送りネジのリードピッチ(送りピッチ)を大きくして上記ケースの移動速度を上げる必要がある。
一方で,上記ケースによる加圧力を大きく得ようとするときには,例えば,上記モータの回転数又は上記送りネジのリードピッチを小さくして上記ケースの推力を大きくする必要がある。
【0004】
しかしながら,上記ケースの移動速度は,一般に上記ケースの推力に反比例する。そのため,上記移動速度及び推力の両者を大きくするためには,大きな容量のモータを選定する必要がある。
なお,高速移動及び高推力を実現するために,上記モータをサーボモータにするか,上記モータにインバータを取り付けたりして,モータの回転数を制御する方法が考えられる。しかしながら,このような方法においては,サーボ又はインバータ等の電気的手段を上記加圧装置に新たに追加する必要があり,上記加圧装置の電気的な制御を複雑にしてしまう。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,電気的手段を用いず,かつモータの容量を大きくすることなく,高速移動及び高推力を実現することができる2段式送り装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
第1の発明は,モータの駆動力により回転すると共に被係合部を有する第1送りネジと,
該第1送りネジに螺合された第1ナット部を有すると共に上記被係合部に係合する係合部を有しており,上記第1送りネジが回転した際に,上記第1ナット部の螺合により上記第1送りネジに対して移動可能であると共に上記第1送りネジと一体的に回転可能である第1ケースと,
該第1ケースに固定されて該第1ケースと一体的に回転すると共に上記第1送りネジと異なるリードピッチを有する第2送りネジと,
該第2送りネジに螺合された第2ナット部を有しており,上記第2送りネジが回転した際に,上記第2ナット部の螺合により上記第2送りネジに対して移動可能であると共に上記第2送りネジに対して回転が固定された第2ケースと,
上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止める回転止め手段と
上記第1ケースの移動及び回転を案内する第1ガイドとを備えており,
上記第1ケースは円形断面を有していると共に上記第1ガイドは上記第1ケースを挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケースは上記第1ガイドに対して移動及び回転が可能であり,
上記被係合部と上記係合部とが係合していないときに,上記回転止め手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止めると共に,上記第1ナット部の螺合により上記第1ケース及び上記第2ケースを上記第1送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第1段目の移動動作を行い,
上記被係合部と上記係合部とが係合しているときに,上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させて,上記第2ケースを上記第2送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第2段目の移動動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置にある(請求項1)。
【0007】
本発明は,送りネジと,ナット部を有するケースとを1セット備えた1段式送り装置に対して,さらに送りネジと,ナット部を有するケースとを追加して2段式送り装置としたものである。以下に,本発明の2段式送り装置の動作につき説明すると共に,これにより得られる作用効果につき説明する。
【0008】
なお,以降の説明において,前進方向とは,上記第2ケースが上記第1送りネジより離れる方向をいい,後退方向とは,上記第2ケースが上記第1送りネジに近づく方向をいう。また,上記第2ケースの前進動作とは,上記第2ケースが上記第1送りネジより離れる動作をいい,後退動作とは,上記第2ケースが上記第1送りネジに近づく動作をいう。
【0009】
本発明の2段式送り装置は,上記のごとく上記被係合部を設けた第1送りネジ,上記第1ナット部及び係合部を有する第1ケース,この第1ケースに設けた第2送りネジ,上記第2ナット部を有する第2ケース及び上記回転止め手段を備えている。
そして,上記モータにより上記第1送りネジを回転させた際,上記被係合部と上記係合部とが係合しているか否かによって,上記第1ケースが,上記第1ネジに対して移動するか上記第1送りネジと一体的に回転するかが決定される。
【0010】
すなわち,上記モータにより上記第1送りネジを回転させた際,例えば,上記被係合部と上記係合部とが係合していないときは,上記回転止め手段により上記第1ケースの上記第1送りネジに対する回転止めが行われて上記第1ケースを上記第1送りネジに対して移動させる。このとき,上記第1ケースに固定された第2送りネジ及びこの第2送りネジに螺合された第2ケースも同時に上記第1送りネジに対して移動する。こうして,上記第2ケースの第1段目の移動動作が行われる。
【0011】
そして,上記第1ケースが移動して上記被係合部と上記係合部とが係合したときは,上記回転止め手段による回転止めが開放されて上記第1ケースが上記第1送りネジと一体的に回転する。このとき,上記第1ケースに固定された上記第2送りネジが回転し,上記第2ケースが上記第2送りネジに対して移動する。こうして,上記第2ケースの第2段目の移動動作が行われる。
【0012】
ここに注目すべきことは,上記第2送りネジは,上記第1送りネジとは異なるリードピッチを有していることである。そして,上記2段式送り装置を導入する用途に合わせて,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジのリードピッチを決定することによって,上記第2ケースの高速移動と低速移動との2段階の移動動作を実現することができる。
【0013】
すなわち,例えば,上記第2送りネジのリードピッチを上記第1送りネジのリードピッチよりも小さくした場合には,上記第2段目の移動動作における第2ケースの移動は,上記第1段目の移動動作における第2ケースの移動に比べて,小さな速度で行われることになる。一方で,上記第2段目の移動動作における第2ケースが出力する推力は,上記第1段目の移動動作における第2ケースが出力する推力に比べて大きな推力を発揮することができる。
【0014】
また,逆の見方をすれば,上記第1段目の移動動作における第2ケースの移動は,上記第2段目の移動動作における第2ケースの移動に比べて,大きな速度で行うことができる。一方で,上記第1段目の移動動作における第2ケースが出力する推力は,上記第2段目の移動動作における第2ケースが出力する推力に比べて小さくなる。
【0015】
そして,本発明の2段式送り装置を,例えば,上記第2ケースを前進方向に移動させる際に加圧を行う加圧装置として使用する場合には,上記第1段目の移動動作を上記第2ケースが加圧の対象となるワークに近づくまでの移動時に用い,上記第2段目の移動動作を上記第2ケースが加圧の対象となるワークを実際に加圧する加圧時に用いることができる。これにより,移動時の際には上記第2ケースの高速移動及び低推力を実現し,加圧時の際には上記第2ケースの低速移動及び高推力を実現することができる。
【0016】
このように,異なるリードピッチを有する2種類の送りネジを組み合わせることによって,上記第2ケースにおいて,2段階の移動速度及び推力を実現させることができる。そのため,モータの容量を大きくしなくても,上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。
【0017】
また,本発明によれば,サーボ又はインバータ等の電気的手段を用いることなく,機械的な構造によって上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。そのため,上記2段式送り装置の電気的な制御を複雑にすることがない。
それ故,本発明によれば,電気的手段を用いず,かつモータの容量を大きくすることなく,上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。
【0018】
第2の発明は,モータの駆動力により回転する第1送りネジと,
該第1送りネジに螺合された第1ナット部を有しており,上記第1送りネジが回転した際に,上記第1ナット部の螺合により上記第1送りネジに対して移動可能であると共に上記第1送りネジと一体的に回転可能である第1ケースと,
該第1ケースに固定されて該第1ケースと一体的に回転が可能で,上記第1送りネジと異なるリードピッチを有すると共に被係合部を有する第2送りネジと,
該第2送りネジに螺合された第2ナット部を有すると共に上記被係合部に係合する係合部を有しており,上記第2送りネジが回転した際に,上記第2ナット部の螺合により上記第2送りネジに対して移動可能であると共に上記第2送りネジに対して回転が固定された第2ケースと,
上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させる一体化手段と
上記第1ケースの移動及び回転を案内する第1ガイドとを備えており,
上記第1ケースは円形断面を有していると共に上記第1ガイドは上記第1ケースを挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケースは上記第1ガイドに対して移動及び回転が可能であり,
上記被係合部と上記係合部とが係合していないときに,上記一体化手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させて,上記第2ケースを上記第2送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第1段目の移動動作を行い,
上記被係合部と上記係合部とが係合しているときに,上記第1送りネジを上記第1ケースに対して回転させて,上記第1ナット部の螺合により上記第1ケース及び上記第2ケースを上記第1送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第2段目の移動動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置にある(請求項6)。
【0019】
本発明もまた,送りネジと,ナット部を有するケースとを1セット備えた1段式送り装置に対して,さらに送りネジと,ナット部を有するケースとを追加して2段式送り装置としたものである。以下に,本発明の2段式送り装置の動作につき説明すると共に,これにより得られる作用効果につき説明する。
本発明の2段式送り装置は,上記のごとく上記第1送りネジ,上記第1ナット部を有する第1ケース,この第1ケースに固定すると共に被係合部を有する第2送りネジ,上記係合部及び第2ナット部を有する第2ケース並びに上記一体化手段を備えている。
【0020】
そして,上記モータにより上記第1送りネジを回転させた際,上記被係合部と上記係合部とが係合しているか否かによって,上記第1ケースが,上記第1送りネジに対して移動するか上記第1送りネジと一体的に回転するかが決定される。
すなわち,上記モータにより上記第1送りネジを回転させた際,例えば,上記被係合部と上記係合部とが係合していないときは,上記一体化手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させて,上記第2ケースを上記第2送りネジに対して移動させる。こうして,上記第2ケースの第1段目の移動動作が行われる。
【0021】
そして,上記第2ケースが移動して上記被係合部と上記係合部とが係合したときは,上記一体化手段による一体化が開放されて上記第1ケースが上記第1送りネジに対して移動する。このとき,上記第1ケースに固定された第2送りネジ及びこの第2送りネジに螺合された第2ケースも同時に上記第1送りネジに対して移動する。こうして,上記第2ケースの第2段目の移動動作が行われる。
【0022】
ここに注目すべきことは,上記第2送りネジは,上記第1送りネジとは異なるリードピッチを有していることである。そして,上記2段式送り装置を導入する用途に合わせて,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジのリードピッチを決定することによって,上記第2ケースの高速移動と低速移動との2段階の移動動作を実現することができる。
そして,本発明の2段式送り装置においても,上記発明と同様にして,モータの容量を大きくしなくても,上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。
【0023】
また,本発明によっても,サーボ又はインバータ等の電気的手段を用いることなく,機械的な構造によって上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。そのため,上記2段式送り装置の電気的な制御を複雑にすることがない。
それ故,本発明によっても,電気的手段を用いず,かつモータの容量を大きくすることなく,上記第2ケースの高速移動及び高推力を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1及び第2の発明において,上記2段式送り装置は,加圧の対象とするワークに加圧を行うためのプレス装置における加圧ユニットとして用いることができる。また,この他にも,上記2段式送り装置は,圧入用ワークを他のワークに対して圧入を行うための圧入装置における圧入ユニットとして用いることができ,また,かしめ用ワークを変形させて他のワークにかしめるためのかしめ装置におけるかしめユニットとして用いることもできる。
上記いずれの場合においても,上記2段式送り装置は,油圧を使用した加圧装置等に比べて,小型でメンテナンス等にも優れたユニットとして構成することができる。
【0025】
また,上記2段式送り装置によれば,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジの長さを用途に合わせて設定することにより,上記第2ケースの2段階の移動距離をそれぞれ最適に設定することができる。
また,上記第1ナット部又は上記第2ナット部の少なくとも一方には,それぞれ上記第1送りネジ又は上記第2送りネジの外周面と対向する内周面に複数のボールを保持して上記第1送りネジ又は上記第2送りネジに螺合されたボールネジナットとすることができる。そして,上記第1送りネジ又は上記第2送りネジの少なくとも一方は,上記ボールネジナットに螺合させるボールネジとすることができる。この場合,上記ボールネジナットは,上記複数のボールの転がりを伴って上記ボールネジに対して移動することができる。
【0026】
上記モータは,種々の減速手段を介して上記第1送りネジに取り付けられていることができる。例えば,上記減速手段としては,モータの出力軸と第1送りネジの端部にそれぞれ直径の異なるプーリを取り付けて,これらのプーリの間をベルトで連結して形成することができる。また,上記減速手段は,上記プーリ及びベルトの替りにチェーン及びスプロケット又は一対のギヤを用いて形成しても勿論よい。
【0027】
また,上記第1の発明において,上記2段式送り装置は,上記被係合部を上記第1送りネジの先端部に設けることにより,上記第1ケースが前進端に移動した際に上記被係合部と上記係合部とが係合するよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合,上記第1ケースが前進端に移動した後に,上記係合が行われるように,上記被係合部及び上記係合部を容易に設けることができる。そして,これにより,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による上記第2ケースの第1段目の前進動作により,上記第1ケースが上記前進端に移動した後に,上記被係合部と上記係合部とが係合して,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による上記第2ケースの第2段目の前進動作が行われる。
【0028】
なお,上記第1送りネジの先端部とは,この第1送りネジにおいて上記モータからの駆動力を受けない側の端部をいう。
また,上記第1ケースが前進端まで移動した状態とは,上記第1ケースが上記第1送りネジの先端部まで送り出された状態をいう。また,上記第1ケースが後退端まで移動した状態とは,上記第1ケースが上記第1送りネジにおいて上記モータからの駆動力を受ける側の端部に最も近づいた状態をいう。
【0029】
また,上記第2ケースが前進端まで移動した状態とは,上記第2ケースが,上記第2送りネジにおいて上記第1ケースに固定されていない側の端部まで送り出された状態をいう。また,上記第2ケースが後退端まで移動した状態とは,上記第2ケースが,上記第2送りネジにおいて上記第1ケースに固定されている側の端部に最も近づいた状態をいう。
【0030】
また,上記回転止め手段は,上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗を上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくして構成することが好ましい(請求項3)。
この場合,特別な装置等を設けることなく,簡単な構造で容易に上記回転止め手段を形成することができる。
【0031】
また,この場合,上記被係合部と係合部とが係合していないときに,上記第1送りネジを回転させた際,上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗が上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きいため,上記第1送りネジと上記第1ナット部とが先に相対的移動を始める。そのため,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による上記第2ケースの第1段目の移動動作が行われた後に,上記被係合部と上記係合部とが係合して,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による上記第2ケースの第2段目の移動動作が行われる。
【0032】
また,上記第2送りネジは,上記第1送りネジよりも小さなリードピッチを有しており,上記第1段目の移動動作によって,上記第2ケースが加圧の対象となるワークに近づくまでの移動動作を行い,上記第2段目の移動動作によって,上記第2ケースが上記ワークを加圧する加圧動作を行うよう構成することが好ましい(請求項4)。
この場合,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による第2段目の移動動作における上記第2ケースの移動速度は,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による第1段目の移動動作における上記第2ケースの移動速度よりも小さな速度とすることができる。
【0033】
そのため,上記第1段目の移動動作の際に上記第2ケースの高速移動及び低推力を実現し,上記第2段目の移動動作の際に上記第2ケースの低速移動及び高推力を実現することができる。
また,この場合,上記第1段目の移動動作を行った後に上記第2段目の移動動作が行われるよう上記2段式送り装置を構成した場合には,上記第2ケースは,高速移動を行った後に高推力を出力することができる。
【0034】
また,上記2段式送り装置は,上記第1ケースが後退端に移動した際に,該第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させる一体化手段を有していることが好ましい(請求項5)。
この場合,上記第2ケースの後退動作を行うときにおいて,上記第1ケースが後退端に移動した後に,上記一体化手段により,上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させて,これらを一体的に回転させることができる。
【0035】
より具体的には,この場合,上記第1ケース及び第2ケースがそれぞれ前進端にある状態からそれぞれ後退端に移動する際に,まずは上記回転止め手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転が止められ,上記第1ケースが上記第1送りネジに対して後退端に移動して上記第2ケースを後退させる後退動作が行われる。その後,上記一体化手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させて,上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させ,上記第2送りネジが回転して上記第2ケースをさらに後退させる後退動作が行われる。
【0036】
また,上記第2の発明において,上記2段式送り装置は,上記被係合部を上記第2送りネジの先端部に設けることにより,上記第2ケースが前進端に移動した際に上記被係合部と上記係合部とが係合するよう構成することが好ましい(請求項7)。
【0037】
この場合,上記第2ケースが前進端に移動した後に,上記係合が行われるように,上記被係合部及び上記係合部を容易に設けることができる。そして,これにより,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による上記第2ケースの第1段目の前進動作により,上記第2ケースが上記前進端に移動した後に,上記被係合部と上記係合部とが係合して,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による上記第2ケースの第2段目の前進動作が行われる。
なお,上記第2送りネジの先端部とは,上記第2送りネジにおいて上記第1ケースに固定されていない側の端部をいう。
【0038】
また,上記一体化手段は,上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗を上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくして構成することが好ましい(請求項8)。
この場合,特別な装置等を設けることなく,簡単な構造で容易に上記一体化手段を形成することができる。
【0039】
また,この場合,上記被係合部と係合部とが係合していないときに,上記第1送りネジを回転させた際,上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗が上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きいため,上記第2送りネジと上記第2ナット部とが先に相対的移動を始める。そのため,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による上記第2ケースの第1段目の移動動作が行われた後に,上記被係合部と上記係合部とが係合して,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による上記第2ケースの第2段目の移動動作が行われる。
【0040】
また,上記第2送りネジは,上記第1送りネジよりも大きなリードピッチを有しており,上記第1段目の移動動作によって,上記第2ケースが加圧の対象となるワークに近づくまでの移動動作を行い,上記第2段目の移動動作によって,上記第2ケースが上記ワークを加圧する加圧動作を行うよう構成することが好ましい(請求項9)。
この場合,上記第1ケースの上記第1送りネジに対する移動による第2段目の移動動作における上記第2ケースの移動速度は,上記第1ケースの上記第1送りネジとの一体的な回転による第1段目の移動動作における上記第2ケースの移動速度よりも大きな速度とすることができる。
【0041】
そのため,上記第1段目の移動動作の際に上記第2ケースの高速移動及び低推力を実現し,上記第2段目の移動動作の際に上記第2ケースの低速移動及び高推力を実現することができる。
また,この場合,上記第1段目の移動動作を行った後に上記第2段目の移動動作が行われるよう上記2段式送り装置を構成した場合には,上記第2ケースは,高速移動を行った後に高推力を出力することができる。
【0042】
また,上記2段式送り装置は,上記第2ケースが後退端に移動した際に,上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止める回転止め手段を有していることが好ましい(請求項10)。
この場合,上記第2ケースの後退動作を行うときにおいて,上記第2ケースが後退端に移動した後に,上記回転止め手段により,上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止めることができる。
【0043】
より具体的には,この場合,上記第1ケース及び第2ケースがそれぞれ前進端にある状態からそれぞれ後退端に移動する際に,まずは上記一体化手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとが一体的に回転し,上記第2ケースが上記第2送りネジに対して後退端に移動して上記第2ケースを後退させる後退動作が行われる。その後,上記回転止め手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止めて,上記第1ケースを上記第1送りネジに対して移動させ,上記第2ケースをさらに後退させる第2段目の後退動作が行われる。
【0044】
また,上記第1及び第2の発明において,上記2段式送り装置は,上記第1ケースの移動及び回転を案内する第1ガイドを有している
これにより,上記第1ケースは上記第1ガイドに案内されて安定した移動及び回転を行うことができる。そのため,上記第2ケースの移動位置の精度を向上させることができる。
【0045】
また,上記第1及び第2の発明において,上記第1ケースは円形断面を有していると共に上記第1ガイドは上記第1ケースを挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケースは上記第1ガイドに対して移動及び回転が可能である
これにより,上記第1ケースは第1ガイドに対して容易に移動及び回転を行うことができ,容易に上記第2ケースの移動位置の精度を向上させることができる。
また,上記第1の発明において,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジは,ボールネジであり,上記第1ケースにおける上記第1ナット部及び上記第2ケースにおける上記第2ナット部は,上記ボールネジの外周面と対向する内周面に複数のボールを保持して上記ボールネジに螺合されたボールネジナットであり,上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズを,上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズよりも大きくすること,又は上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧を,上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧よりも大きくすることによって,上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗を上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくすることが好ましい(請求項11)。
また,上記第2の発明において,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジは,ボールネジであり,上記第1ケースにおける上記第1ナット部及び上記第2ケースにおける上記第2ナット部は,上記ボールネジの外周面と対向する内周面に複数のボールを保持して上記ボールネジに螺合されたボールネジナットであり,上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズを,上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズよりも大きくすること,又は上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧を,上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧よりも大きくすることによって,上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗を上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくすることが好ましい(請求項12)。
【0046】
また,上記2段式送り装置は上記第2ケースの移動を案内する第2ガイドを有しており,上記第2ケースは上記第2ガイドによって回転が固定されていることが好ましい(請求項13)。
この場合,上記第2ガイドによって,上記第2ケースの移動を容易に案内することができると共に,上記第2ケースの回転を容易に止めることができる。また,上記第2ガイドによって上記第2ケースの移動位置の精度を向上させることができる。
また,上記第1ケースは,前進方向の側に位置する底部と,該底部より円筒状に立設した側壁部とを有しており,上記第2送りネジは,上記第1送りネジと同一軸心を形成する状態で,上記第1ケースの上記底部に固定することが好ましい(請求項14)。
【0047】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例につき説明する。
(実施例1)
図1〜図5に示すごとく,本例の2段式送り装置1は,送りネジと,ナット部を有するケースとを1セット備えた1段式送り装置に対して,さらに送りネジと,ナット部を有するケースとを追加して構成したものである。
すなわち,本例の2段式送り装置1は,以下の第1送りネジ2,第1ケース3,第2送りネジ4,第2ケース5及び回転止め手段61を有している。
【0048】
図1に示すごとく,上記第1送りネジ2は,モータ7の駆動力により回転すると共に被係合部21を有している。また,上記第1ケース3は,上記第1送りネジ2に螺合された第1ナット部31を有すると共に上記被係合部21に係合する係合部311を有している。そして,第1ケース3は,上記第1送りネジ2が回転した際に,上記第1ナット部31の螺合により上記第1送りネジ2に対して移動可能であると共に上記第1送りネジ2と一体的に回転可能であるよう構成されている。
【0049】
また,上記第2送りネジ4は,上記第1ケース3に固定されてこの第1ケース3と一体的に回転すると共に上記第1送りネジ2と異なるリードピッチ(送りピッチ)を有している。
また,上記第2ケース5は,上記第2送りネジ4に螺合された第2ナット部51を有している。そして,第2ケース5は,上記第2送りネジ4が回転した際に,上記第2ナット部51の螺合により上記第2送りネジ4に対して移動可能であるよう構成されている。また,第2ケース5は,上記第2送りネジ4に対して回転が固定されている。
また,上記回転止め手段61は,上記第1ケース3と上記第1送りネジ2との一体的な回転を止めるよう構成されている。
【0050】
上記2段式送り装置1は,上記被係合部21と上記係合部311とが係合していないときに(図1参照),上記回転止め手段61により上記第1ケース3と上記第1送りネジ2との一体的な回転を止めると共に,上記第1ナット部31の螺合により上記第1ケース3及び上記第2ケース5を上記第1送りネジ2に対して移動させて(図2参照),上記第2ケース5の第1段目の移動動作を行うよう構成されている。
また,上記2段式送り装置1は,上記被係合部21と上記係合部311とが係合しているときに(図2参照),上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体的に回転させて,上記第2ケース5を上記第2送りネジ4に対して移動させて(図3参照),上記第2ケース5の第2段目の移動動作を行うよう構成されている。
【0051】
以下に,これを詳説する。
図1に示すごとく,本例において,前進方向とは,上記第2ケース5が上記第1送りネジ2より離れる方向をいい,後退方向とは,上記第2ケース5が上記第1送りネジ2に近づく方向をいう。また,上記第2ケース5の前進動作とは,上記第2ケース5が上記第1送りネジ2より離れる動作をいい,後退動作とは,上記第2ケース5が上記第1送りネジ2に近づく動作をいう。
【0052】
また,上記第1ケース3が前進端まで移動した状態とは,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2の先端部205,すなわち第1送りネジ2において上記モータ7からの駆動力を受けない側の前進側端部205まで送り出された状態をいう。また,上記第1ケース3が後退端まで移動した状態とは,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2において上記モータ7からの駆動力を受ける側の後退側端部206に最も近づいた状態をいう。
【0053】
また,上記第2ケース5が前進端まで移動した状態とは,上記第2ケース5が上記第2送りネジ4の先端部405,すなわち上記第2送りネジ4において上記第1ケース3に固定されていない側の前進側端部405まで送り出された状態をいう。また,上記第2ケース5が後退端まで移動した状態とは,上記第2ケース5が,上記第2送りネジ4において上記第1ケース3に固定されている側の後退側端部406に最も近づいた状態をいう。
【0054】
本例の2段式送り装置1は,上記第2ケース5を前進方向に移動させる際に加圧を行う加圧装置として使用する。そして,本例においては,上記第2送りネジ4は,上記第1送りネジ2よりも小さなリードピッチを有している。そのため,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2との一体的な回転による第2段目の移動動作における上記第2ケース5の移動は,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2に対する移動による第1段目の移動動作における上記第2ケース5の移動よりも小さな速度で行われる。
【0055】
そして,本例では,上記第1段目の移動動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワーク(図示略)に近づくまでの移動時に用い,上記第2段目の移動動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークを実際に加圧する加圧時に用いる。
また,本例では,上記第1送りネジ2の長さを上記第2送りネジ4の長さよりも長くしており,上記第1段目の移動動作における上記第2ケース5の移動ストロークが,上記第2段目の移動動作における上記第2ケース5の移動ストロークよりも長くなるよう設定している。
【0056】
上記第1ガイド81には,上記2段式送り装置1を加圧装置のフレーム80に取り付けるためのフランジ部84と,上記第1送りネジ2を軸受821を介して回転自在に支持する回転支持部82と,この回転支持部82と上記モータ7とを連結する連結プレート83とが固定されている。
【0057】
また,本例では,上記モータ7は,ベルト73と一対のプーリ71,72とによる減速手段を介して上記第1送りネジ2に駆動力を伝達するよう構成してある。より具体的には,モータ7の出力軸に直径の小さな第1プーリ71を取り付けると共に上記第1送りネジ2の端部に上記第1プーリ71よりも直径の大きな第2プーリ72を取り付けて,これらの間をベルト73で連結している。こうして,上記モータ7の回転数を減速させて上記第1送りネジ2を回転させるようになっている。
【0058】
また,上記モータ7は正回転及び逆回転が可能になっており,上記第1送りネジ2は,モータ7によって正回転をしたときには上記第1ケース3を前進方向に送り出し,上記モータ7によって逆回転をしたときには上記第1ケース3を後退方向に戻すようになっている。
【0059】
また,上記回転止め手段61は,上記第2送りネジ4と上記第2ナット部51との間の摩擦抵抗を上記第1送りネジ2と上記第1ナット部31との間の摩擦抵抗よりも大きくすることにより構成してある。これにより,上記被係合部21と上記係合部311とが係合していないときに,上記第1送りネジ2が回転した際に,上記第1ケース3と上記第1送りネジ2との一体的な回転を止めて,上記第1ケース3を上記第1送りネジ2に対して移動させることができる。
【0060】
また,本例では,上記第1ナット部31及び上記第2ナット部51は,それぞれ上記第1送りネジ2又は上記第2送りネジ4の外周面208,408と対向する内周面308,508に複数のボールを保持して上記第1送りネジ2又は上記第2送りネジ4に螺合されたボールネジナットである。そして,これらのボールネジナットはそれぞれ上記第1ケース3及び第2ケース5に固定されている。
【0061】
上記ボールネジナットによれば,上記摩擦抵抗を主に転がり抵抗によるものとすることができ,この摩擦抵抗を小さくすることができる。
また,上記第1送りネジ2及び上記第2送りネジ4は,上記各ボールネジナットを螺合させるボールネジである。
【0062】
本例では,上記第2ナット部51に使用するボールを標準的なサイズのものよりも大きいサイズのものにして,上記第2送りネジ4と上記第2ナット部51との間の摩擦抵抗が上記第1送りネジ2と上記第1ナット部31との間の摩擦抵抗よりも大きい状態を形成している。
なお,この他にも,上記第2ナット部51におけるボールに加わる予圧を標準的な値よりも大きくすることにより,上記と同様の状態を形成することもできる。
【0063】
本例の2段式送り装置1は,上記第1ケース3の移動及び回転を案内する第1ガイド81を有している。本例では,この第1ガイド81は上記第1ケース3を挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケース3は円形断面を有している。また,第1ケース3は,上記前進方向の側に位置する底部32とこの底部32より立設した側壁部33とによる円筒状の形状を有している。そして,上記側壁部33の内部には中空部331が形成してある。そして,上記第1ナット部31は,上記第1ケース3の中空部331にその一部を配置するようにして,この第1ケース3に固定されている。
こうして,上記第1ケース3は上記第1ガイド81に対して移動及び回転が可能になっており,上記第1ケース3は上記第1ガイド81に案内されて安定した移動及び回転を行うことができる。
【0064】
また,上記被係合部21は,第1送りネジ2の先端部205に設けてある。また,上記第1送りネジ2は,その上記後退側端部206が上記回転支持部82に支えられている。
そして,上記被係合部21及び上記第1送りネジ2の先端部205を含む部分は,上記第1ケース3における中空部331の内部に配置されている。
【0065】
上記被係合部21は,上記後退方向に位置する後退側面202に,上記第1ナット部31において,上記係合部311として上記前進方向に位置する前進側面301に形成したロック爪312に当接する被ロック爪211を有している。
上記ロック爪312は,上記第1送りネジ2の正回転により上記第1ケース3が前進端に移動したときに上記被ロック爪211と当接するようになっており(図2参照),上記第1送りネジ2の逆回転により上記第1ケース3が後退したときに上記被ロック爪211との当接が離れるようになっている(図4参照)。このようにして,上記被係合部21と上記係合部311との間における係合及び係合の解除が行われるようになっている。
【0066】
また,上記のようにして,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2に対する移動による上記第2ケース5の第1段目の前進動作により,上記第1ケース3が上記前進端に移動した後に,上記被係合部21と上記係合部311とが係合して(図2参照),上記第1ケース3の上記第1送りネジ2との一体的な回転による上記第2ケース5の第2段目の前進動作が行われるようになっている(図3参照)。
【0067】
また,上記2段式送り装置1は,上記第1ケース3が後退端に移動した際に(図4参照),この第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体化させる一体化手段62を有している。本例では,この一体化手段62は,合成樹脂製のストッパー621と上記被係合部21とを係合させることによって構成されている。
すなわち,上記ストッパー621は,上記第1ケース3の底部32における後退側面(中空部331側の面)321に設けてあり,上記第1ケース3が後退したときに,上記被係合部21の前進側面201と当接する。
【0068】
そして,この当接を行ったとき,上記第1送りネジ2の逆回転により,上記第1ケース3がさらに後退しようとする力が上記ストッパー621と上記被係合部21の前進側面201との間の摩擦力として働いて,第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体化させて回転させることができる。
【0069】
上記第2送りネジ4は,上記第1送りネジ2と同じ方向にネジが切ってある。そして,例えば,上記モータ7の正回転を受けて上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とが一体的に回転したときには,上記第2ケース5を前進させるようになっている。また,上記第2送りネジ4は,上記第1ケース3の底部32に固定されている。
【0070】
また,図5に示すごとく,上記2段式送り装置1は上記第2ケース5の移動を案内する第2ガイド85を有しており,上記第2ケース5は上記第2ガイド85によって回転が固定されている。
すなわち,本例では,上記第2ガイド85は,上記第1ガイド81に固定した複数のスライドケース851に対してそれぞれシャフト852を挿入配置し,このシャフト852の一方の端部を上記第2ケース5に取り付けて形成している。また,上記スライドケース851には,上記シャフト852の外周面854と対向する内周面853に複数のボールを保持して形成されたボールブッシュを使用している。
【0071】
また,上記第2送りネジ4の先端部405には,上記第2ケース5が前進したときに(図3参照),この第2ケース5に当接して,第2ケース5が上記第2送りネジ4から外れてしまうことを防止する外れ防止部41が設けてある。なお,本例では,上記外れ防止部41は,上記第2ケース5に設けた第2ナット部51に当接する。
【0072】
また,図1に示すごとく,上記第2ケース5もまた,上記第1ケース3と同様に中空部531を有している。そして,上記第2ナット部51は,その一部を上記中空部531に配置するようにして,上記第2ケース5に固定されている。
そして,上記外れ防止部41及び上記第2送りネジ5の先端部405を含む部分は,上記第2ケース5における中空部531の内部に配置されている。
【0073】
次に,上記2段式送り装置1による移動及び加圧の動作,及びこれらの動作によって奏される作用効果につき説明する。
ここで,図1に示すごとく,上記第1ケース3及び上記第2ケース5のいずれもが上記後退端に戻っており,上記第2ケース5が最も後退した位置を原位置とする。
【0074】
本例では,上記のごとく,上記2段式送り装置1は加圧装置として用いる。そして,加圧の対象となるワーク(図示略)を治具(図示略)にセットした後に,上記2段式送り装置1を動作させる。
すなわち,まず,上記ワークのセットを行った後,上記モータ7を正回転させて,上記一対のプーリ71,72及び上記ベルト73を介して上記第1送りネジ2を正回転させる。
【0075】
このとき,上記被係合部21と係合部311とが係合していないので,上記第1ケース3は,上記第1送りネジ2と一体的に回転するか,上記第1ナット部31の上記第1送りネジ2との螺合により上記前進方向に前進しようとする。
ここで,本例では,上記のごとく,上記回転止め手段61として,上記第2ナット部51と上記第2送りネジ4との間の摩擦係数を,上記第1ナット部31と上記第1送りネジ2との間の摩擦係数よりも大きくしている。
【0076】
そのため,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2に対する回転止めが行われて,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2に対して前進する。このとき,上記第1ケース3に固定された第2送りネジ4及びこの第2送りネジ4に螺合された第2ケース5も同時に上記第1送りネジ2に対して前進する。こうして,上記第2ケース5の第1段目の前進動作が行われる(図2参照)。
【0077】
次いで,図2に示すごとく,上記第1ケース3が上記前進端まで前進したときには,上記第1送りネジ2に設けた上記被係合部21と上記第1ケース3の第1ナット部31とが係合する。このとき,この係合により上記回転止め手段61による回転止めが開放されて,すなわちこの係合により上記モータ7によるトルクが上記第2ナット部51と上記第2送りネジ4との間の摩擦抵抗に打ち勝って,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2と共に一体的に正回転する。
そして,このとき,上記第1ケース3に固定された上記第2送りネジ4が正回転し,上記第2ケース5が上記第2送りネジ4に対して前進する。こうして,上記第2ケース5の第2段目の前進動作が行われる(図3参照)。そして,この第2段目の前進動作の際に,上記ワークの加圧を行う。
【0078】
次いで,図3に示すごとく,上記ワークの加圧を行った後には,上記モータ7を逆回転させて,上記一対のプーリ71,72及び上記ベルト73を介して上記第1送りネジ2を逆回転させる。そして,上記回転止め手段61により上記第1ケース3の上記第1送りネジ2に対する回転止めが行われて,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2に対して後退する。
このとき,上記第1ケース3に固定された第2送りネジ4及びこの第2送りネジ4に螺合された第2ケース5も同時に上記第1送りネジ2に対して後退する。こうして,上記第2ケース5の第1段目の後退動作が行われる(図4参照)。
【0079】
次いで,図4に示すごとく,上記第1ケース3が上記後退端まで後退したときには,上記第1ケース3の底部32に設けたストッパー621が,上記第1送りネジ2の先端部205に設けた上記被係合部21の前進側面201に当接する。
そして,上記一体化手段62として,上記ストッパー621と上記被係合部21の前進側面201との間に摩擦力が働き,上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とが一体化される。そして,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2と共に一体的に逆回転する。
【0080】
このとき,上記第1ケース3に固定された上記第2送りネジ4が逆回転し,上記第2ケース5が上記第2送りネジ4に対して後退する。こうして,上記第2ケース5の第2段目の後退動作が行われ,上記第2ケース5が上記原位置に復帰する(図1参照)。
【0081】
本例では,上記のごとく,上記第2送りネジ4は,上記第1送りネジ2よりも小さなリードピッチを有している。そのため,上記第2段目の前進動作における第2ケース5の前進は,上記第1段目の前進動作における第2ケース5の前進に比べて,小さな速度で行われることになる。一方で,上記第2段目の前進動作における第2ケース5が出力する推力は,上記第1段目の前進動作における第2ケース5が出力する推力に比べて大きな推力を発揮することができる。
【0082】
また,逆の見方をすれば,上記第1段目の前進動作における第2ケース5の前進は,上記第2段目の前進動作における第2ケース5の前進に比べて,大きな速度で行うことができる。一方で,上記第1段目の前進動作における第2ケース5が出力する推力は,上記第2段目の前進動作における第2ケース5が出力する推力に比べて小さくなる。
【0083】
そして,上記2段式送り装置1を上記加圧装置として使用する際に,上記第1段目の前進動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークに近づくまでの移動時に用い,上記第2段目の前進動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークを実際に加圧する加圧時に用いることができる。これにより,移動時の際には上記第2ケース5の高速移動及び低推力を実現し,加圧時の際には上記第2ケース5の低速移動及び高推力を実現することができる。
【0084】
このように,異なるリードピッチを有する2種類の送りネジを組み合わせることによって,上記第2ケース5において,2段階の移動速度及び推力を実現させることができる。そのため,モータ7の容量を大きくしなくても,上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。
【0085】
また,本例の2段式送り装置1によれば,サーボ又はインバータ等の電気的手段を用いることなく,機械的な構造によって上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。そのため,上記2段式送り装置1の電気的な制御を複雑にすることがない。
それ故,本例の2段式送り装置1によれば,電気的手段を用いず,かつモータ7の容量を大きくすることなく,上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。
【0086】
(実施例2)
図6〜図9に示すごとく,本例の2段式送り装置1は,上記実施例1に記載の2段式送り装置1に比べて,上記第2ケース5の第1段目の移動動作を上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体的に回転させたときに行い,上記第2ケース5の第2段目の移動動作を上記第1ケース3を上記第1送りネジ2に対して移動させたときに行うものである。
そして,図6に示すごとく,本例においては,上記被係合部21を上記第1送りネジ2に設けるのではなく,上記第2送りネジ4に設けて被係合部45とし,また,上記係合部311を上記第1ケース3に設けるのではなく上記第2ケース5に設けて係合部511としている。
【0087】
すなわち,本例の第1送りネジ2は,モータ7の駆動力により回転するよう構成されている。また,本例の第1ケース3は,上記第1送りネジ2に螺合された第1ナット部31を有している。そして,第1ケース3は,上記第1送りネジ2が回転した際に,上記第1ナット部31の螺合により上記第1送りネジ2に対して移動可能であると共に上記第1送りネジ2と一体的に回転可能であるよう構成されている。
【0088】
また,本例の第2送りネジ4は,上記第1ケース3に固定されてこの第1ケース3と一体的に回転が可能であるよう構成されており,上記第1送りネジ2と異なるリードピッチを有すると共に上記被係合部45を有している。
また,本例の第2ケース5は,上記第2送りネジ4に螺合された第2ナット部51を有すると共に上記被係合部45に係合する上記係合部511を有している。そして,第2ケース5は,上記第2送りネジ4が回転した際に,上記第2ナット部51の螺合により上記第2送りネジ4に対して移動可能であるよう構成されている。また,第2ケース5は,上記第2送りネジ4に対して回転が固定されている。
また,本例の一体化手段65は,上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体化させるよう構成されている。
【0089】
本例の2段式送り装置1は,上記被係合部45と上記係合部511とが係合していないときに(図6参照),上記一体化手段62により上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体的に回転させて,上記第2ケース5を上記第2送りネジ4に対して移動させて(図7参照),上記第2ケース5の第1段目の移動動作を行うよう構成されている。
また,本例の2段式送り装置1は,上記被係合部45と上記係合部511とが係合しているときに(図7参照),上記第1送りネジ2を上記第1ケース3に対して回転させて,上記第1ナット部31の螺合により上記第1ケース3及び上記第2ケース5を上記第1送りネジ2に対して移動させて(図8参照),上記第2ケース5の第2段目の移動動作を行うよう構成されている。
【0090】
以下に,これを詳説する。
本例においても,前進方向及び後退方向,並びに上記第2ケース5の前進動作及び後退動作についての定義は上記実施例1と同様である。また,上記第1ケース3の前進端及び後退端,並びに上記第2ケース5の前進端及び後退端についての定義についても上記実施例1と同様である。
【0091】
図6に示すごとく,本例の2段式送り装置1もまた,上記第2ケース5を前進方向に移動させる際に加圧を行う加圧装置として使用する。そして,本例においては,上記第2送りネジ4は,上記第1送りネジ2よりも大きなリードピッチを有している。そのため,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2に対する移動による第2段目の移動動作における上記第2ケース5の移動は,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2との一体的な回転による第1段目の移動動作における上記第2ケース5の移動よりも小さな速度で行われる。
【0092】
そして,本例においても,上記第1段目の移動動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワーク(図示略)に近づくまでの移動時に用い,上記第2段目の移動動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークを実際に加圧する加圧時に用いる。
また,本例では,上記第2送りネジ4の長さを上記第1送りネジ2の長さよりも長くしており,上記第1段目の移動動作における上記第2ケース5の移動ストロークが,上記第2段目の移動動作における上記第2ケース5の移動ストロークよりも長くなるよう設定している。
【0093】
また,上記一体化手段65は,上記第1送りネジ2と上記第1ナット部31との間の摩擦抵抗を上記第2送りネジ4と上記第2ナット部51との間の摩擦抵抗よりも大きくすることにより構成してある。これにより,上記被係合部45と上記係合部511とが係合していないときに,上記第1送りネジ2が回転した際に,上記第1ケース3と上記第1送りネジ2とを一体化して,上記第1ケース3を上記第1送りネジ2と一体的に回転させることができる。
【0094】
本例では,上記第1ナット部31に使用するボールを標準的なサイズのものよりも大きいサイズのものにして,上記第1送りネジ2と上記第2ナット部31との間の摩擦抵抗が上記第2送りネジ4と上記第2ナット部51との間の摩擦抵抗よりも大きい状態を形成している。
なお,この他にも,上記第1ナット部31におけるボールに加わる予圧を標準的な値よりも大きくすることにより,上記と同様の状態を形成することもできる。
【0095】
また,上記第2送りネジ4に設けた被係合部45は,第2送りネジ4の先端部405に設けてある。
上記被係合部45は,その上記後退方向に位置する後退側面402に,上記第2ナット部51において,上記係合部511として上記前進方向に位置する前進側面501に形成したロック爪512に当接する被ロック爪451を有している。
【0096】
上記ロック爪512は,上記第2送りネジ4の正回転により上記第2ケース5が前進端に移動したときに上記被ロック爪451と当接するようになっており(図7参照),上記第2送りネジ4の逆回転により上記第2ケース5が後退したときに上記被ロック爪451との当接が離れるようになっている(図9参照)。このように,上記被係合部45と上記係合部511との間における係合及び係合の解除が行われるようになっている。
【0097】
また,上記のようにして,上記第1ケース3の上記第1送りネジ2との一体的な回転による上記第2ケース5の第1段目の前進動作により,上記第2ケース5が上記前進端に移動した後に(図7参照),上記被係合部45と上記係合部511とが係合して,上記第2ケース5の上記第2送りネジ4に対する移動による上記第2ケース5の第2段目の前進動作が行われるようになっている(図8参照)。
【0098】
また,上記2段式送り装置1は,上記第2ケース5が後退端に移動した際に(図9参照),上記第1ケース3と上記第1送りネジ2との一体的な回転を止める回転止め手段66を有している。本例では,この回転止め手段66は,上記第1ケース3に設けた合成樹脂製のストッパー661と上記第2ケース5における後退側面502とを係合させることによって構成されている。
すなわち,上記ストッパー661は,上記第1ケース3の底部32における前進側面325に設けてあり,上記第2ケース5が後退したときに,上記後退側面502と当接する。
【0099】
そして,この当接のとき,上記第1送りネジ2の逆回転により,上記第1ケース3が上記第1送りネジ2と一体的にさらに回転しようとする力が上記ストッパー661と上記第2ケース5の後退側面502との間の摩擦力として働いて,第1ケース3と上記第2ケース5とを一体化させて,これらを上記第1送りネジ2に対して後退させることができる。
【0100】
また,図6に示すごとく,上記第1送りネジ2の先端部205には,上記第1ケース3が前進したときにこの第1ケース3に当接して,第1ケース3が上記第1送りネジ2から外れてしまうことを防止する外れ防止部25が設けてある。なお,本例では,上記外れ防止部25は,上記第1ケース3に設けた第1ナット部31に当接する。
その他の構成は上記実施例1と同様である。
【0101】
本例の2段式送り装置1による移動及び加圧の動作については,上記一体化手段65及び上記回転止め手段66に伴う動作が異なることを除いて,上記実施例1の2段式送り装置1と同様である。
【0102】
本例では,上記のごとく,上記第2送りネジ4は,上記第1送りネジ2よりも大きなリードピッチを有している。そして,上記第1段目の前進動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークに近づくまでの移動時に用い,上記第2段目の前進動作を上記第2ケース5が加圧の対象となるワークを実際に加圧する加圧時に用いることができる。これにより,移動時の際には上記第2ケース5の高速移動及び低推力を実現し,加圧時の際には上記第2ケース5の低速移動及び高推力を実現することができる。
【0103】
そのため,上記実施例1の2段式送り装置1と同様にして,大きな容量のモータ7を使用することなく,上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。
また,本例の2段式送り装置1によっても,サーボ又はインバータ等の電気的手段を用いることなく,機械的な構造によって上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。そのため,上記2段式送り装置1の電気的な制御を複雑にすることがない。
【0104】
それ故,本例の2段式送り装置1によっても,電気的手段を用いず,かつモータ7の容量を大きくすることなく,上記第2ケース5の高速移動及び高推力を実現することができる。
その他,上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0105】
(実施例3)
本例においては,上記実施例1に示した2段式送り装置1(発明品)の性能について,従来の1段式送り装置(比較品,図示略)の性能と比較を行った。
表1に,上記発明品と上記比較品とについて,上記第1段目の前進動作(移動時)と上記第2段目の前進動作(加圧時)とにおける移動速度(mm/s)及び推力(kN)の計算値の一例を示す。
【0106】
【表1】
Figure 0004118053
【0107】
同表に示すごとく,上記比較品については,500(W)の容量のモータを使用したとき,上記第1段目の前進動作において,移動速度は200(mm/s),推力は5(kN)となる。また,上記比較品については,上記第2段目の前進動作においても同じであり,移動速度は200(mm/s),推力は5(kN)となる。
【0108】
上記発明品については,200(W)の容量のモータを使用したとき,上記第1段目の前進動作において,移動速度は450(mm/s),推力は1.8(kN)となる。また,上記発明品については,上記第2段目の前進動作において,移動速度は150(mm/s),推力は5.6(kN)となる。
【0109】
このように,上記発明品においては,200(W)の容量のモータという上記比較品のモータよりも小さな容量のモータを使用することによっても,上記比較品と同等の推力を上記第2段目の前進動作(加圧時)で実現できることがわかる。また,上記発明品の上記第1段目の前進動作(移動時)における移動速度は,小さな容量のモータを使用しているにも拘わらず,上記比較品よりも大きな移動速度を実現していることがわかる。
それ故,上記2段式送り装置1(発明品)によれば,移動時の際には高速移動を実現し,加圧時の際には高推力を実現できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,2段式送り装置を示す断面説明図。
【図2】実施例1における,第1段目の前進動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【図3】実施例1における,第2段目の前進動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【図4】実施例1における,第1段目の後退動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【図5】実施例1における,2段式送り装置における第2ガイドの構造を示す断面説明図。
【図6】実施例2における,2段式送り装置を示す断面説明図。
【図7】実施例2における,第1段目の前進動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【図8】実施例2における,第2段目の前進動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【図9】実施例2における,第1段目の後退動作を行った状態の2段式送り装置を示す断面説明図。
【符号の説明】
1...2段式送り装置,
2...第1送りネジ,
205...先端部,
21...被係合部,
3...第1ケース,
31...第1ナット部,
311...係合部,
4...第2送りネジ,
405...先端部,
45...被係合部,
5...第2ケース,
51...第2ナット部,
511...係合部,
61...回転止め手段,
62...一体化手段,
65...一体化手段,
66...回転止め手段,
7...モータ,
81...第1ガイド,
85...第2ガイド,

Claims (14)

  1. モータの駆動力により回転すると共に被係合部を有する第1送りネジと,
    該第1送りネジに螺合された第1ナット部を有すると共に上記被係合部に係合する係合部を有しており,上記第1送りネジが回転した際に,上記第1ナット部の螺合により上記第1送りネジに対して移動可能であると共に上記第1送りネジと一体的に回転可能である第1ケースと,
    該第1ケースに固定されて該第1ケースと一体的に回転すると共に上記第1送りネジと異なるリードピッチを有する第2送りネジと,
    該第2送りネジに螺合された第2ナット部を有しており,上記第2送りネジが回転した際に,上記第2ナット部の螺合により上記第2送りネジに対して移動可能であると共に上記第2送りネジに対して回転が固定された第2ケースと,
    上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止める回転止め手段と
    上記第1ケースの移動及び回転を案内する第1ガイドとを備えており,
    上記第1ケースは円形断面を有していると共に上記第1ガイドは上記第1ケースを挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケースは上記第1ガイドに対して移動及び回転が可能であり,
    上記被係合部と上記係合部とが係合していないときに,上記回転止め手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止めると共に,上記第1ナット部の螺合により上記第1ケース及び上記第2ケースを上記第1送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第1段目の移動動作を行い,
    上記被係合部と上記係合部とが係合しているときに,上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させて,上記第2ケースを上記第2送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第2段目の移動動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  2. 請求項1において,上記2段式送り装置は,上記被係合部を上記第1送りネジの先端部に設けることにより,上記第1ケースが前進端に移動した際に上記被係合部と上記係合部とが係合するよう構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  3. 請求項1又は2において,上記回転止め手段は,上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗を上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくして構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記第2送りネジは,上記第1送りネジよりも小さなリードピッチを有しており,
    上記第1段目の移動動作によって,上記第2ケースが加圧の対象となるワークに近づくまでの移動動作を行い,上記第2段目の移動動作によって,上記第2ケースが上記ワークを加圧する加圧動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において,上記2段式送り装置は,上記第1ケースが後退端に移動した際に,該第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させる一体化手段を有していることを特徴とする2段式送り装置。
  6. モータの駆動力により回転する第1送りネジと,
    該第1送りネジに螺合された第1ナット部を有しており,上記第1送りネジが回転した際に,上記第1ナット部の螺合により上記第1送りネジに対して移動可能であると共に上記第1送りネジと一体的に回転可能である第1ケースと,
    該第1ケースに固定されて該第1ケースと一体的に回転が可能で,上記第1送りネジと異なるリードピッチを有すると共に被係合部を有する第2送りネジと,
    該第2送りネジに螺合された第2ナット部を有すると共に上記被係合部に係合する係合部を有しており,上記第2送りネジが回転した際に,上記第2ナット部の螺合により上記第2送りネジに対して移動可能であると共に上記第2送りネジに対して回転が固定された第2ケースと,
    上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体化させる一体化手段と
    上記第1ケースの移動及び回転を案内する第1ガイドとを備えており,
    上記第1ケースは円形断面を有していると共に上記第1ガイドは上記第1ケースを挿入配置する円形穴を有しており,上記第1ケースは上記第1ガイドに対して移動及び回転が可能であり,
    上記被係合部と上記係合部とが係合していないときに,上記一体化手段により上記第1ケースと上記第1送りネジとを一体的に回転させて,上記第2ケースを上記第2送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第1段目の移動動作を行い,
    上記被係合部と上記係合部とが係合しているときに,上記第1送りネジを上記第1ケースに対して回転させて,上記第1ナット部の螺合により上記第1ケース及び上記第2ケースを上記第1送りネジに対して移動させて,上記第2ケースの第2段目の移動動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  7. 請求項6において,上記2段式送り装置は,上記被係合部を上記第2送りネジの先端部に設けることにより,上記第2ケースが前進端に移動した際に上記被係合部と上記係合部とが係合するよう構成されていることを特徴とする2段式送り装置。
  8. 請求項6又は7において,上記一体化手段は,上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗を上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくして構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項において,上記第2送りネジは,上記第1送りネジよりも大きなリードピッチを有しており,
    上記第1段目の移動動作によって,上記第2ケースが加圧の対象となるワークに近づくまでの移動動作を行い,上記第2段目の移動動作によって,上記第2ケースが上記ワークを加圧する加圧動作を行うよう構成したことを特徴とする2段式送り装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項において,上記2段式送り装置は,上記第2ケースが後退端に移動した際に,上記第1ケースと上記第1送りネジとの一体的な回転を止める回転止め手段を有していることを特徴とする2段式送り装置。
  11. 請求項3において,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジは,ボールネジであり,
    上記第1ケースにおける上記第1ナット部及び上記第2ケースにおける上記第2ナット部は,上記ボールネジの外周面と対向する内周面に複数のボールを保持して上記ボールネジに螺合されたボールネジナットであり,
    上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズを,上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズよりも大きくすること,又は上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧を,上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧よりも大きくすることによって,上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗を上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくしたことを特徴とする2段式送り装置。
  12. 請求項8において,上記第1送りネジ及び上記第2送りネジは,ボールネジであり,
    上記第1ケースにおける上記第1ナット部及び上記第2ケースにおける上記第2ナット部は,上記ボールネジの外周面と対向する内周面に複数のボールを保持して上記ボールネジに螺合されたボールネジナットであり,
    上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズを,上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールのサイズよりも大きくすること,又は上記第1ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧を,上記第2ナット部を構成するボールネジナットにおけるボールに加わる予圧よりも大きくすることによって,上記第1送りネジと上記第1ナット部との間の摩擦抵抗を上記第2送りネジと上記第2ナット部との間の摩擦抵抗よりも大きくしたことを特徴とする2段式送り装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項において,上記2段式送り装置は上記第2ケースの移動を案内する第2ガイドを有しており,上記第2ケースは上記第2ガイドによって回転が固定されていることを特徴とする2段式送り装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項において,上記第1ケースは,前進方向の側に位置する底部と,該底部より円筒状に立設した側壁部とを有しており,
    上記第2送りネジは,上記第1送りネジと同一軸心を形成する状態で,上記第1ケースの上記底部に固定してあることを特徴とする2段式送り装置。
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