JP5457870B2 - 締結装置 - Google Patents

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本発明は、ワークをボルトなどの締付具で締結するために、該締付具を保持するソケットを回転駆動するナットランナを備える締結装置に関する。
締付具によりワークが締結される場合、該締付具を保持するソケットを回転駆動するナットランナを備える締結装置では、ナットランナがソケットを介して締付具を回転させて締付具をワークに締め付けることで、ワークが締付具で締結される。
そして、このような締結装置として、複数のソケットを1つの共通のナットランナで順次回転駆動して各ソケットに保持された締付具を締め付けることができるように、締付具を保持するソケットを有する複数のソケット体を支持するホルダと、回転中心線を中心に回転することでソケットを回転駆動して締付具をワークに締め付ける回転係合部を有する1つのナットランナと、基台に支持されると共に回転係合部を前記回転中心線に平行な進退方向に移動させるランナ移動用駆動部材と、ソケット体が1つずつ回転係合部と係合可能な位置に移動するようにホルダを駆動するホルダ用駆動部材とを備える締結装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)
実開平4−42332号公報
ナットランナの回転係合部の回転中心線に平行な方向である進退方向に延びている複数のソケット体を支持するホルダには、それら複数のソケット体の重量により、ホルダ用駆動部材におけるホルダとの結合部を中心に、該ホルダを傾倒させるモーメント(以下、「傾倒モーメント」という。)が作用する。
例えば、各ソケット体の重心がホルダよりも前進方向(進退方向においてワークに近づく方向である。)寄りに位置する場合には、ホルダを前倒れに傾倒させる傾倒モーメントが作用して、ホルダに傾倒が発生することがある。さらに、ホルダがスラスト軸受により回転可能に支持されている場合には、傾倒モーメントは、該スラスト軸受に偏摩耗を発生させて、ホルダの傾倒の度合いが大きくなることがある。
そして、ホルダの傾倒が発生すると、ナットランナの回転係合部とソケット体との係合が円滑に行われなくなることや、締付具(例えば、ボルト)を保持するソケットを回転駆動するナットランナの回転係合部の回転中心線に対してワークのワーク側締付部(例えば、ネジ孔またはナット)の位置がずれることになるために、締付具とワーク側締付部との合致が困難になることがあり、締結装置による作業効率の低下を招来する。
さらに、各ソケット体がホルダから前進方向に延びている長さが長いほど、傾倒モーメントは大きくなり、しかもホルダの傾倒に起因するソケットに保持された締付具とワーク側締付部との間の位置ズレが大きくなって、締付具とワーク側締付部との合致は一層困難になる。
また、ホルダおよびホルダ用駆動部材を備えるソケット支持機構がナットランナに支持される構造では、ホルダとランナ移動用駆動部材との間にホルダ用駆動部材が介在するために、ランナ移動用駆動部材におけるソケット支持機構との結合部からホルダおよびソケット体が進退方向で大きく離隔することになる結果、前記結合部に作用する傾倒モーメントが大きくなって、ホルダの傾倒が発生し易くなり、傾倒の度合いも大きくなる。しかも、ホルダおよびホルダ用駆動部材を備えるソケット支持機構を一緒に移動させるランナ移動用駆動部材の駆動力を大きくする必要があるので、ランナ移動用駆動部材が大型化する。
また、複数のソケット体のうちの1つのソケット体がワークとの当接時に後退方向(進退方向においてワークから遠ざかる方向である。)に後退する場合には、ワークと当接していない残りのソケット体は、ワークと当接しているソケット体よりも前進方向に突出した位置にあることにより、ワークと干渉を回避する必要がある。このため、ワーク側締付部の周辺形状に依存して、ワークの種類によっては、締結装置を使用できないことがある。
さらに、異なる種類の締付具が使用される場合には、同一の締付具を保持するソケットを有する複数のソケット体を支持するホルダを備える締結装置を交換する必要がある。しかしながら、締付具の形状または種類に対応した別々の締結装置を用意する場合には、コスト高および保管スペースの増加を招来する。また、締結装置の全体を交換する場合には、交換に手間がかかるので、締結作業の効率が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ナットランナの回転係合部を進退方向に移動させるナットランナを利用することにより、ホルダの傾倒を発生させる傾倒モーメントを減少させて、複数のソケット体を支持するホルダおよびナットランナを備える締結装置による作業効率の向上および締結装置の小型・軽量化を図ることを目的とする。
そして、本発明は、さらに、締結装置の使用範囲の拡大を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、基台(10)と、締付具(4)を保持するソケット(31)をそれぞれ有する複数のソケット体(30)を支持するホルダ(21)を備えるソケット支持機構(20)と、回転中心線(Ln)を中心に回転すると共に前記ソケット(31)を回転駆動して前記締付具(4)をワーク(2)のワーク側締付部(2c)に締め付ける回転係合部(54)を有する1つのナットランナ(50)と、前記基台(10)に支持されると共に前記回転係合部(54)を前記回転中心線(Ln)に平行な進退方向に移動させるランナ移動用駆動部材(60)とを備える締結装置において、前記ソケット支持機構(20)は、前記基台(10)に支持されると共に前記回転係合部(54)との係合が可能な作動可能位置まで前記各ソケット体(30)が移動するように前記ホルダ(21)を駆動するホルダ用駆動部材(22)を備え、前記ランナ移動用駆動部材(60)は、前記回転係合部(54)が前記進退方向において前記ワーク(2)に近づく前進方向に移動することにより、前記回転係合部(54)と前記作動可能位置にある前記ソケット体(30A)とが互いに係合した係合状態となるように、および、前記回転係合部(54)が前記進退方向において前記ワーク(2)から遠ざかる後退方向に移動することにより、前記回転係合部(54)と前記ソケット体(30)とが互いの係合が解除された係合解除状態になるように、前記回転係合部(54)を駆動し、前記回転係合部(54)は、前記係合状態にあるとき前記ソケット(31A)を回転駆動し、前記ランナ移動用駆動部材(60)は、前記係合状態にある前記回転係合部(54)を前記前進方向に移動させることにより、前記ソケット体(30A)を前記ホルダ(21)に対して前進方向に移動させて前記締付具(4)を前記ワーク側締付部(2c)に当接させ、前記回転係合部(54)は、前記ホルダ用駆動部材(22)における前記ホルダ(21)との結合部に対して特定位置に配置され、前記特定位置は、前記係合解除状態にある前記複数の前記ソケット体(30)の重量により前記結合部を中心とした前記ホルダ(21)の傾倒を生じさせるモーメント(M)を、前記ランナ移動用駆動部材(60)が前記係合状態の前記回転係合部(54)を前進方向に移動させる駆動力により減少させる位置である締結装置である。
これによれば、ナットランナの回転係合部との係合解除状態にある複数のソケット体の重量によりホルダの傾倒を生じさせるモーメントである傾倒モーメントは、ランナ移動用駆動部材が作動可能位置のソケット体と係合状態にある回転係合部を前進方向に移動させる駆動力により減少するので、ホルダの傾倒を矯正または傾倒の度合いを低減できる。この結果、回転係合部およびソケットの回転中心線上からのワーク側締付部の位置ズレを小さくできることから、ソケットに保持された締付具とワーク側締付部とを合致させることが容易になるので、締付具の締付作業への移行が効率よく行われて、締結装置による締結作業の効率が向上する。
また、回転係合部をソケット体との係合状態および係合解除状態にするため、およびソケット体に保持された締付具をワーク側締付部に当接させるために、ランナ移動用駆動部材は、回転係合部を進退方向に移動させると共に、該回転係合部を介してソケット体をホルダに対して前進方向に移動させればよいので、複数のソケット体が支持されたホルダおよびホルダ用駆動部材を一緒に進退方向または前進方向に駆動する場合に比べて、ランナ移動用駆動部材の駆動力を小さくできる。この結果、ランナ移動用駆動部材を小型・軽量化でき、ひいては締結装置を小型・軽量化できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の締結装置において、前記係合状態にある前記ソケット体(30A)は、前記ランナ移動用駆動部材(60)に駆動されて、前記係合解除状態にある前記ソケット体(30B)よりも前進した位置に移動するものである。
これによれば、ホルダに支持された複数のソケット体のうちで、回転係合部と係合状態にあるソケット体のみが、係合解除状態にある残りのソケット体よりも前進方向に突出するため、係合解除状態のソケット体とワークとの干渉の回避が容易である。この結果、締結装置を使用する際のワークの形状による制約が減少して、締結装置の使用範囲を拡大できる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の締結装置において、前記ソケット支持機構(20)は、前記係合解除状態にある前記ソケット体(30)を前記後退方向で最も後退した位置である初期位置に移動させる戻し用弾発部材(28)を備え、前記ランナ移動用駆動部材(60)により駆動されて移動する前記回転係合部(54)は、前記係合状態にある前記ソケット体(30A)を、前記弾発部材(28)の弾発力に抗して前記前進方向に移動させるものである。
これによれば、回転係合部は、係合状態にあるソケット体を、弾発部材の弾発力に抗して前進方向に移動させるので、傾倒モーメントを減少させるためのランナ移動用駆動部材による駆動力は、弾発部材の弾発力の形でホルダに作用する。この結果、弾発部材の弾発係数を変更するなどすることで、弾発部材により、傾倒モーメントを減少させる駆動力の大きさの調整が容易になる。
また、前進方向に移動する回転係合部に対して、ソケット体が弾発部材の弾発力で後退方向に付勢されていることから、弾発部材の弾発力を利用してソケット体を回転係合部に係合させることができるので、締付具が当接するワーク側締付部からの反力を利用することなく、したがって回転係合部とソケット体とが係合する際にワークに荷重をかけることなく、回転係合部とソケット体とを係合状態にすることができる。この結果、回転係合部とソケット体との係合がワークとは無関係に行われるので、剛性が低いワークに対しても締結装置を使用することが可能になって、締結装置の使用範囲を拡大できる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の締結装置において、前記ソケット体(30)は、前記回転係合部(54)と前記係合状態および前記係合解除状態になる第1伝達部材(34a)と、前記第1伝達部材(34a)と一体に回転すると共に前記第1伝達部材(34a)に対して前記進退方向に移動可能な第2伝達部材(34b)と、前記第1伝達部材(34a)と前記第2伝達部材(34b)の間に配置された緩衝用弾性部材(37)とを備え、前記回転伝達部材(34)は、前記回転係合部(54)と係合可能な第1伝達部材(34a)と、前記第1伝達部材(34a)と一体に回転すると共に前記第1伝達部材(34a)に対して前記進退方向に移動可能な第2伝達部材(34b)とから構成され、前記ソケット(31)は前記第2伝達部材(34b)に設けられ、前記第2伝達部材(34b)は、前記締付具(4)が前記ワーク側締付部(2c)に当接したとき、前記弾性部材(37)を変形させて前記第1伝達部材(34a)に対して前記後退方向に移動可能であるものである。
これによれば、ソケットに保持された締付具がワーク側締付部に当接したとき、緩衝部材が変形することにより、締付具とワーク側締付部との当接状態を維持しながら、ボルトがワークに加える衝撃を極力小さくできるので、該ワークの変形の発生を防止できる。この結果、剛性が低いワークに対しても締結装置を使用することが可能になって、締結装置の使用範囲を拡大できる。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の締結装置において、前記各ソケット体(30)は、前記回転係合部(54)と前記係合状態および前記係合解除状態になる同一構造の回転伝達部材(34)を備え、前記回転伝達部材(34)には、前記締付具(4)の形状または種類に応じて異なる前記ソケット(31)が着脱可能であるものである。
これによれば、1つのホルダに支持される複数のソケット体のソケットにそれぞれ保持される複数の締付具が同一である場合または異なる場合にも、必要となる締付具の種類に応じて、回転係合部と係合可能な回転伝達部材を交換することなく、ソケットのみを交換すればよい。この結果、ソケット体が保持する締付具を簡単に変更できるので、締結装置による締結作業の効率が向上して、生産性を向上させることができる。
本発明によれば、ナットランナの回転係合部を進退方向に移動させるナットランナを利用することにより、ホルダの傾倒を発生させる傾倒モーメントを減少させて、複数のソケット体を支持するホルダおよびナットランナを備える締結装置による作業効率の向上および締結装置の小型・軽量化が可能になる。
そして、本発明によれば、さらに、締結装置の使用範囲の拡大が可能になる。
本発明の実施形態を示し、本発明が適用された締結装置の斜視図である。 図1の締結装置がボルトを保持したときの平面図である。 図2の前進端側(ワーク側)から見た側面図である。 図3のIV−IV線での部分断面図である。 図1の締結装置のソケット体がワークに当接したときの図であり、図4の要部拡大図に相当する図である。 図1の締結装置のソケット体の要部斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された締結装置1は、車両の製造ラインで使用され、ワーク2(図5参照)としての車両において、その構成部品同士を締結するために使用される。
図1〜図4を参照すると、締結用ロボット3のアーム3a(図4参照)に着脱可能に取り付けられる締結装置1は、該締結装置1を支持する移動可能な支持部材としてのアーム3aに挿通孔11aに挿通される複数のボルト(図示されず)で取り付けられて固定される取付部11を有する基台10と、複数である所定数のソケット体30、ここでは3つのソケット体30と、それら全てのソケット体30を支持する1つの板状のホルダ21を備えるソケット支持機構20と、回転中心線Lnを中心に回転すると共に各ソケット体30を通じて締付具としてのネジ部品であるボルト4を締め付ける1つの回転軸54を有する1つのナットランナ50と、基台10に移動可動に支持されると共に回転軸54を回転中心線Lnに平行な進退方向に移動させるランナ移動用駆動部材60とを備える。
ここで、ロボット3、および、締結装置1のランナ移動用駆動部材60のエアシリンダ61、ソケット支持機構20の電動モータ23aおよびナットランナ50の電動モータ52(図4参照)は、コンピュータを備える制御装置(図示されず)により締結作業に必要な作動が制御される。
回転軸54は、各ソケット体30のソケット31を回転駆動し、該ソケット31が保持するボルト4を、ワーク2に設けられた1または複数の、ここでは3以上のワーク側締付部2c(図5参照)に締め付ける。図5に示されるワーク側締付部2cの一例としてのネジ孔形成部2dは、車体の部品2aと部品2bとを締結するために部品2aに設けられ、ネジ孔形成部2dに形成されたネジ孔2eにボルト4がねじ込まれる。
なお、実施形態において、上下方向は鉛直方向であり、回転中心線Lnは、上下方向と直交する平面である水平面に平行、したがって水平方向に平行であり、進退方向は水平方向である。
また、前進方向は、進退方向においてワーク2のワーク側締付部2cに近づく方向であるとし、後退方向は、前進方向とは反対方向で、進退方向においてワーク側締付部2cから遠ざかる方向であるとする。
図1〜図4に示されるように、基台10は、取付部11のほかに、該取付部11が固定されると共に回転中心線Ln(図4参照)に直交する方向に延びている平板状の第1ベース12と、第1ベース12に固定される共に進退方向に延びている第2ベース13とを有する。進退方向でホルダ21と対向して配置される第1ベース12には、ホルダ21を駆動するホルダ用駆動部材22が固定されて支持される。
進退方向で第1ベース12寄りの端部で第1ベース12に固定される第2ベース13には、ランナ移動用駆動部材60が固定されて支持され、さらにランナ移動用駆動部材60のスライド台62を進退方向に平行に移動可能に案内する案内部材としての上下方向に離隔した1対の案内レール13a(図2参照)が設けられる。可動支持部材としてのスライド台62には、ナットランナ50が固定されて支持される。
ナットランナ50は、アクチュエータとしての電動モータ52および減速機構53(図4参照)を有する本体部51と、電動モータ52により減速機構53を介して回転駆動される回転係合部としての回転軸54とを備える。本体部51は、その前部においてスライド台62に固定される。回転軸54の先端部は、各ソケット体30におけるソケット側係合部としての嵌合部35に嵌合することで係合するランナ側係合部としての嵌合部55を構成する。また、回転軸54において、進退方向で該嵌合部55に隣接する基部は、両嵌合部35,55が嵌合している係合状態においてソケット体30の回転伝達軸34の端部(嵌合部35の端部でもある。)に当接する当接部56を構成する。
ランナ移動用駆動部材60は、第2ベース13の後端部に取り付けられたアクチュエータとしてのエアシリンダ61と、スライド台62と、エアシリンダ61とスライド台62とを一体に連結する連結部材63とを有する。
ナットランナ50がエアシリンダ61により駆動されない休止位置(図2,図4に示される位置である。)を占めるとき、回転軸54は、第1ベース12に設けられた貫通孔12a(図4参照)内に位置して、第1ベース12を貫通している。ナットランナ50が前記休止位置を占め、かつ各ソケット体30が後記する初期位置を占めるとき、両嵌合部35,55は、進退方向で所定距離の空隙Gが形成されるように離隔している。
このように、ナットランナ50は、したがって回転軸54は、エアシリンダ61により、連結部材63と、案内レール13aに案内されて移動するスライド台62とを介して駆動されて、前記休止位置から前進方向に平行に移動し、また前進方向に前進した位置から後退方向に平行に移動して最も後退した位置である前記休止位置まで戻る。
このため、エアシリンダ61は、回転軸54が前進方向に移動することにより、後記作動可能位置にある1つのソケット体30である作動ソケット体30Aと回転軸54とが互いに係合した係合状態(以下、単に「係合状態」という。)になるように、および、回転軸54が後退方向に移動することにより、作動ソケット体30Aを含む各ソケット体30と回転軸54とが互いの係合が解除された係合解除状態(以下、単に「係合解除状態」という。)になるように、回転軸54を進退方向に駆動する。そして、回転軸54は、係合状態にあるときソケット31を回転駆動する。
図1,図2,図4を参照すると、前記所定数のソケット体30を支持すると共にホルダ21に支持された全てのソケット体30を1つずつナットランナ50の回転軸54と係合可能な作動可能位置に移動させるソケット支持機構20は、前記所定数としての3つのソケット体30に共通のホルダ21のほかに、ホルダ用駆動部材22と、係合解除状態にあるソケット体30を後退方向で最も後退した位置である初期位置に移動させる戻し用の弾発部材としてのバネである戻しバネ28とを備える。
ホルダ用駆動部材22は、回転軸54の嵌合部55との係合が可能な前記作動可能位置まで各ソケット体30が移動するようにホルダ21を駆動して回転させる。圧縮コイルバネからなる戻しバネ28は、ソケット体30の外筒33の外周側に配置される。
ここで、前記作動可能位置は、設計上、回転中心線Lnと、ソケット31の回転中心線Lsとが一致する位置である。また、ホルダ21は、進退方向で回転軸54およびソケット31の間に配置される。
図1,図3,図4,図5を参照すると、各ソケット体30は、ボルト4を保持するナットランナ50により回転駆動されるソケット31と、該ソケット31をホルダ21に支持させるためのソケット取付体32とを有する。
ソケット取付体32は、ホルダ21に設けられた支承部としての円筒状の案内筒29に摺動可能に嵌合する基部としての円筒状の外筒33と、該外筒33に回転可能に支持される回転伝達部材としての回転伝達軸34と、外筒33の内周側に配置されて回転伝達軸34を回転可能に支持する軸受36a,36bと、回転伝達軸34の外周側に配置された緩衝部材としての緩衝用弾性部材である緩衝バネ37とを有する。
ソケット31は回転伝達軸34と一体に回転するように回転伝達軸34に、結合手段としてのネジ結合により固定される。そして、各ソケット体30において、ソケット31以外の構成部材であるソケット取付体32は、全てのソケット体30に関して同一構造を有する共通の構成部材であり、全てのソケット体30において互換性がある。
外筒33は、案内筒29内で、回転伝達軸34の第1伝達軸34aと共に一体に進退方向に平行に往復動可能である。
戻しバネ28は、進退方向で案内筒29および外筒33との間に配置されて、その弾発力であるバネ力により進退方向に移動可能なソケット体30を後退方向に付勢して、後退方向で最も後退した位置である初期位置に移動させる。
図6を併せて参照すると、この初期位置は、ホルダ21に設けられた1対の板状の当接部41(図3参照)に、外筒33に設けられた1対の後退側ストッパ42が当接することにより規定される。該1対のストッパ42は、外筒33の外周面に回転中心線Lnを挟んで対向して設けられた1対の切欠き部44の前進方向側の段部44aにより構成される。後退側ストッパ42により、進退方向での第1伝達軸34aと回転軸54と間の空隙Gの前記所定距離が設定される。
また、各切欠き部44の後退方向側の段部44bは、進退方向で対向する当接部41と当接することにより、前進方向で最も前進した位置である最大前進位置を規定する前進側ストッパ43を構成する。
図4,図5を参照すると、回転伝達軸34は、回転軸54と係合可能な第1伝達部材としての第1伝達軸34aと、セレーション結合部(またはスプライン結合部)34cにより該第1伝達軸34aと結合される第2伝達部材としての第2伝達軸34bとから構成される。セレーション結合部(またはスプライン結合部)34cは、第2伝達軸34bが、第1伝達軸34aに対して相対的に進退方向に摺動しながら移動する一方で該第1伝達軸34aと一体に回転することを可能とする軸結合部である。
第1伝達軸34aには、回転軸54の凸部である嵌合部55が係合する凹部である嵌合部35が、進退方向で嵌合部55と対向して設けられる。嵌合部55および嵌合部35の凹空間の、回転中心線Lnに直交する平面での断面形状は、正多角形としての正六角形である。なお、嵌合部35は、第1伝達軸34aと一体成形されているが、別の例として、第1伝達軸34aとは別個の部材により構成されて、該第1伝達軸34aと一体に回転するように一体化されてもよい。
第1,第2伝達軸34a,34bの回転中心線は、設計上、ソケット31の回転中心線Lsに一致する。
軸受36a,36bは、外筒33と第1伝達軸34aとの間に配置される玉軸受からなるラジアル軸受である第1軸受36aと、外筒33と第2伝達軸34bとの間に配置されるニードル軸受からなるラジアル軸受である第2軸受36bとから構成される。第1軸受36aは、進退方向における位置で、戻しバネ28と嵌合部35との間に配置される。
各軸受36a,36bおよび摺動部であるセレーション結合部34cは潤滑剤により潤滑されていてもよく、例えばソケット体30の外部から潤滑油が供給されてもよい。また、第1,第2軸受36a,36bは滑り軸受であってもよい。
圧縮コイルバネからなる緩衝バネ37は、進退方向で第1,第2軸受36a,36bの間であって、第1伝達軸34aの外周側で、該第1伝達軸34aの後部と第2伝達軸34bの後端部との間に配置されて、第1伝達軸34aに対して第2伝達軸34bを前進方向に付勢する。緩衝バネ37の弾性係数としてのバネ定数は戻しバネ28のバネ定数よりも小さく設定されている。緩衝バネ37には、ソケット31に保持されたボルト4がワーク2に向かって移動してワーク側締付部2c(図5参照)と当接したときに、緩衝バネ37がワーク2に加える付勢力であるバネ力が小さくなるバネが使用されて、緩衝バネ37によるワーク2の変形を防止できる。
第2伝達軸34bと一体に回転するソケット31は、第2伝達軸34bと一体に回転するように着脱可能に接続された接続体としての接続軸31aと、接続軸31aと一体に回転するように接続軸31aに着脱可能に結合されたソケット先端部である保持部31bとを有する。3つの接続軸31aの、進退方向での長さは同一である一方、この実施形態での3つの保持部31bは、規格が互いに異なり、したがって形状が異なる3つのボルト4をそれぞれ保持する。
なお、ホルダ21に支持された前記所定数のソケット体30に保持される締付具は、この例のように同種類の締付具としてのボルト4において、全てが互いに形状の異なる場合のほかに、2つ以上が同一の形状であってもよく、またボルト4とは異なる種類の締付具(例えば、ナット)であってもよい。
また、保持部31bは、ボルト4の保持安定性を高めるために、保持部材を有していてもよい。そして、ボルト4が磁性材料で形成されている場合、該保持部材は磁石である。
図3を併せて参照すると、3つのソケット体30は、ホルダ中心線Lhを中心とする周方向で等間隔に配置される。そして、ホルダ21に支持された状態で、全てのソケット体30の、進退方向での長さは同一であり、第2伝達軸34bに接続された状態の全てのソケット31の、進退方向での長さは同一である。このため、ホルダ21に支持されて係合解除状態にある全てのソケット取付体32の位置は、進退方向で同一である。
そして、回転伝達軸34に対して、接続軸31aが結合構造としてのネジ構造により着脱可能であることで、同一のワーク2における複数の被締付部またはワーク2の種類などにより、複数のソケット体30に、異種の複数の締付具(例えば、ボルト4およびナット)、または、同種の締付具であって規格が異なるために形状が異なる複数の締付具、または、2以上の同一の締付具を保持させる必要がある場合など、ソケット体30に保持される締付具の形状または種類に対して、ソケット取付体32の構造を変更することなく、ソケット31の交換により、具体的には接続軸31aおよび保持部31bの交換または保持部31bのみの交換により、容易に対応できる。
図1〜図5を参照すると、ホルダ用駆動部材22は、アクチュエータとしての電動モータ23aおよび該電動モータ23aの回転軸の回転速度を減速する減速機構23bを備える本体部23と、本体部23により駆動されて回転する回転軸24と、該回転軸24とホルダ21とを連結してホルダ21を駆動する駆動軸25と、第1ベース12に固定されて設けられて駆動軸25を収納する収納筒26と、収納筒26と駆動軸25との間に配置されて駆動軸25を回転可能に支持する軸受27とを有する。
駆動軸25および収納筒26は、進退方向で第1ベース12とホルダ21との間に形成された空間に配置される。なお、収納筒26および外筒33は、軽量化のために合成樹脂により形成されてもよい。
駆動軸25の先端部は、ホルダ用駆動部材22におけるホルダ21との結合部25aとして、複数のボルト5によりホルダ21に結合されて固定される。
駆動軸25の回転中心線Laは、設計上、ホルダ21の回転中心線であるホルダ中心線Lhでもあり、かつ回転中心線Ln,Lsに平行である。
全てのソケット体30が初期位置を占めるとき、ホルダ21には、各ソケット体30において、ホルダ21に対して前進方向側に位置する前進側部分の重量が作用し、該重量は、ホルダ21に対して後退方向側に位置する後退側部分の重量よりも大きい。このため、ホルダ21には、係合解除状態にあると共にホルダ21に支持される全てのソケット体30の重量により、結合部25aまたは回転中心線Laまたはホルダ中心線Lhを中心に前倒れによる傾倒を生じさせるモーメント(すなわち、傾倒モーメント)Mが作用する。この傾倒モーメントMは、図5において、結合部25aまたは両中心線La,Lhを中心とした時計方向のモーメントである。
そして、傾倒モーメントMを減少させるために、回転軸54は、結合部25aに対して特定位置に配置される。該特定位置は、傾倒モーメントMを、エアシリンダ61が、嵌合部55にてソケット体30の嵌合部35と係合状態にある回転軸54を前進方向に移動させる駆動力により減少させる位置であり、ここでは結合部25aおよびホルダ中心線Lhよりも下方の位置である。
そして、前記特定位置は、回転中心線Lnが、結合部25aおよびホルダ中心線Lhよりも下方に位置し、かつ、作動ソケット体30Aが、ホルダ中心線Lhを含むと共に上下方向に平行な特定平面Pを交わる位置にあるときの位置であり、より好ましくは回転中心線Lnが特定平面P上にほぼ位置するときの位置である。
また、傾倒モーメントMを減少させるこの駆動力は、ホルダ21に傾倒が生じている場合は、該傾倒を矯正し、または傾倒の度合いを減少させ、ホルダ21に傾倒が生じていない場合は、傾倒モーメントMとは反対方向の反モーメントによるホルダ21の傾倒を生じさせない大きさに設定される。
ここで、「ほぼ」とは、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むと共に、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
また、エアシリンダ61の駆動力は、回転軸54を通じて第1伝達軸34aおよび外筒33に作用し、戻しバネ28を圧縮して変形させながら、回転軸54と係合状態にある第1伝達軸34aを有するソケット体30を、戻しバネ28のバネ力に抗して前進方向に移動させる。このため、傾倒モーメントMを減少させるためのエアシリンダ61による駆動力は、変形する戻しバネ28のバネ力の形でホルダ21に作用するので、戻しバネ28の弾発係数であるバネ定数を変更することによりホルダ21に作用する傾倒モーメントMを減少させる駆動力の大きさを調整できる。例えば、バネ定数が小さい(または大きい)戻しバネ28を使用することにより、ソケット体30を一定の移動量だけ移動させるときに、小さな(または大きな)駆動力をホルダ21に加えることになるので、傾倒モーメントMの大きさ(または、ホルダ21の傾倒の度合い)に応じて、駆動力が過大または過小となることなく、不足ホルダ21の傾倒が矯正されるような適度の大きさにすることが可能になる。
図4,図5を参照して、締結装置1による締結方法を含めて締結装置1の作動を説明する。
ロボット3によりボルト4の供給を受ける受給位置に位置決めされた締結装置1に対して、ボルト4を供給する供給用ロボット(図示されず)により、各ソケット体30のソケット31に適合する所定のボルト4が供給されて、該ボルト4が各ソケット31の保持部31bに保持される。
次いで、搬送装置により所定の締結作業位置に位置決めされたワーク2に対応して、ロボット3により締結装置1が締結作業位置に位置決めされる。
締結装置1が締結作業位置にあるとき、回転軸54は、結合部25aよりも下方に位置し、具体的にはホルダ中心線Lhと回転中心線Lnとが特定平面P(図3参照)上にほぼ位置する。
この状態で、ホルダ用駆動部材22の電動モータ23aが作動してホルダ21が回転駆動され、3つのソケット体30の1つが作動ソケット体30Aとして前記作動可能位置を占める。このとき、回転軸54の嵌合部55と作動ソケット体30の嵌合部35とが回転中心線Ln上で対向する位置にある。
次いで、ランナ移動用駆動部材60のエアシリンダ61が作動して休止位置にあるナットランナ50を前進方向に移動させて、本体部51と一体に前進する回転軸54が、嵌合部55において作動ソケット体30Aの嵌合部35と嵌合する。そして、両嵌合部35,55が係合した係合状態で、エアシリンダ61は、ナットランナ50を介して作動ソケット体30Aを駆動して、回転軸54および該回転軸54の当接部56に当接する回転伝達軸34を前進方向に移動させることで、戻しバネ28を圧縮しながら作動ソケット体30Aを前進方向に移動させる。
この前進方向への移動により、図5に示されるように、作動ソケット体30Aのソケット31の保持部31bは、係合解除状態にあるソケット体30のソケット31の保持部31bよりも前進した位置に移動し、前記制御装置により予め設定された位置において、作動ソケット体30Aの保持部31bに保持されたボルト4がワーク2のワーク側締付部2cに当接したとき、エアシリンダ61の作動が停止する。このとき、作動ソケット体30Aの保持部31bが残りのソケット体30である非作動ソケット体(または待機ソケット体)30Bの保持部31bよりも前進方向に突出した状態にある。
この間、回転軸54が作動ソケット体30を前進方向に駆動するとき、回転軸54は、傾倒モーメントMを減少させる駆動力を作動ソケット体30を介してホルダ21に作用させるので、ボルト4とワーク側締付部2cとは互いに回転中心線Ls上に位置して、ボルト4およびワーク側締付部2cの中心線(ここでは、ネジ孔2eの中心線)がほぼ合致する。
さらに、第1,第2伝達軸34a,34bがセレーション結合部34cで結合されていることにより、ボルト4とワーク側締付部2cとの当接時に、第1伝達軸34aに対して第2伝達軸34bおよびソケット31が緩衝バネ37のバネ力に抗して後退方向に移動することが可能であることから、ボルト4とワーク2のワーク側締付部2cとの当接に起因する衝撃が緩和される。
次いで、ナットランナ50の電動モータ52が作動して、回転軸54が回転し、回転伝達軸34およびソケット31が回転軸54と一体に回転し、ボルト4がワーク側締付部2cに、締め付けられる(または、螺合する)。
その後、前記制御装置により、ナットランナ50の締付トルクが検出されて、ボルト4の締付が終了したと判定されると、電動モータ52が停止して、エアシリンダ61により駆動された回転軸54が後退方向に移動する過程で、戻しバネ28の付勢力により作動ソケット体30が初期位置に戻り、次いで、ナットランナ50の回転軸54の嵌合部55と作動ソケット体30の第1伝達軸34aの嵌合部35とが係合解除状態になった後、ナットランナ50が前記休止位置に戻る。
その後、締結装置1がロボット3により別の締結作業位置に位置決めされる一方、締結装置1では、ボルト4を保持している非作動ソケット体30Bが作動可能位置を占めるように、電動モータ23aがホルダ21を回転させた後、該非作動ソケット体30Bが新たに作動ソケット体30Aとして、前記した一連の工程と同様の工程で、ワーク2において異なるワーク側締付部にボルト4が締め付けられ、以後、同様の締結作業が繰り返される。
そして、締結装置1が保持するボルト4が全て使用された後、前記供給用ロボットにより、各ソケット体30のソケット31に新たにボルト4が供給されて、締結装置1による締結作業が終了するまで同様の工程が行われる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
締結装置1のソケット支持機構20は、基台10に支持されると共に回転係合部である回転軸54との係合が可能な作動可能位置まで各ソケット体30が移動するようにホルダ21を駆動するホルダ用駆動部材22を備え、ランナ移動用駆動部材60は、係合状態にある回転軸54を前進方向に移動させることにより、ソケット体30をホルダ21に対して前進方向に移動させてボルト4をワーク側締付部2cに当接させ、ナットランナ50の回転軸54は、ホルダ用駆動部材22におけるホルダ21との結合部25aに対して特定位置に配置され、前記特定位置は、係合解除状態にある全てのソケット体30の重量により結合部25aを中心としたホルダ21の傾倒を生じさせる傾倒モーメントMを、ランナ移動用駆動部材60が係合状態の回転軸54を前進方向に移動させる駆動力により減少させる位置である。
この構造により、ホルダ21に支持される全てのソケット体30の重量によりホルダ21の傾倒を生じさせる傾倒モーメントMは、ランナ移動用駆動部材60が作動ソケット体30と係合状態にある回転軸54を前進方向に移動させる駆動力により減少するので、ホルダ21の傾倒を矯正または傾倒の度合いを低減できる。この結果、回転軸54およびソケット31の回転中心線Ls上からのワーク側締付部2cの位置ズレを小さくできることから、ソケット31に保持されたボルト4とワーク側締付部2cとを合致させることが容易になるので、ボルト4の締付作業への移行が効率よく行われて、締結装置1による締結作業の効率が向上する。
また、回転軸54をソケット体30との係合状態および係合解除状態にするため、およびソケット体30に保持された締付具であるボルト4をワーク側締付部2cであるワーク側締付部2cに当接させるために、ランナ移動用駆動部材60は、回転軸54を進退方向に移動させると共に、該回転軸54を介してソケット体30をホルダ21に対して前進方向に移動させればよいので、複数のソケット体30が支持されたホルダ21およびホルダ用駆動部材22を一緒に進退方向または前進方向に駆動する場合に比べて、ランナ移動用駆動部材60の駆動力を小さくできる。この結果、ランナ移動用駆動部材60を小型・軽量化でき、ひいては締結装置1を小型・軽量化できる。
係合状態にあるソケット体30である作動ソケット体30は、エアシリンダ61により駆動されて、係合解除状態にあるソケット体30である非作動ソケット体30Bよりも前進した位置に移動し、したがって作動ソケット体30の保持部31bが非作動ソケット体30Bの保持部31bよりも前進した位置を占めることにより、ホルダ21に支持された複数のソケット体30のうちで、回転軸54と係合状態にある作動ソケット体30のみが、係合解除状態にある残りのソケット体30である非作動ソケット体30Bよりも前進方向に突出するため、非作動ソケット体30Bまたは該非作動ソケット体30Bに保持されたボルト4とワーク2との干渉の回避が容易である。この結果、締結装置1を使用する際のワーク2の形状による制約が減少して、締結装置1の使用範囲を拡大できる。
ソケット支持機構20は、係合解除状態にあるソケット体30を後退方向で最も後退した位置である初期位置に移動させる戻しバネ28を備え、エアシリンダ61により駆動されて移動する回転係合部である回転軸54は、作動ソケット体30Aを、戻しバネ28のバネ力に抗して前進方向に移動させることにより、回転軸54は、作動ソケット体30Aを戻しバネ28のバネ力に抗して前進方向に移動させるので、傾倒モーメントMを減少させるためのエアシリンダ61による駆動力は、戻しバネ28のバネ力の形でホルダ21に作用する。この結果、戻しバネ28のバネ定数を変更するなどすることで、戻しバネ28により、傾倒モーメントMを減少させる駆動力の大きさの調整が容易になる。
また、前進方向に移動する回転軸54に対して、回転伝達軸34が戻しバネ28のバネ力で後退方向に付勢されていることから、戻しバネ28のバネ力を利用して回転伝達軸34を回転軸54に係合させることができるので、ボルト4が当接するワーク側締付部2cが設けられたワーク2からの反力を利用することなく、したがって回転軸54とソケット体30とが係合する際にワーク2に荷重をかけることなく、回転軸54とソケット体30とを係合状態にすることができる。この結果、回転軸54とソケット体30との係合がワーク2とは無関係に行われるので、剛性が低いワーク2またはワーク側締付部2cに対しても締結装置1を使用することが可能になって、締結装置1の使用範囲を拡大できる。
ソケット体30は、回転軸54と係合状態および係合解除状態になる回転伝達軸34と、緩衝バネ37とを備え、回転伝達軸34は、回転軸54と係合可能な第1伝達軸34aと、第1伝達軸34aと一体に回転すると共に第1伝達軸34aに対して進退方向に移動可能な第2伝達軸34bとから構成され、ソケット31は第2伝達軸34bに設けられ、第2伝達軸34bは、ボルト4がワーク側締付部2cに当接したとき、緩衝バネ37を変形させて第1伝達軸34aに対して後退方向に移動可能である。
この構造により、ソケット31に保持されたボルト4がワーク側締付部2cに当接したとき、緩衝部材が変形することにより、ボルト4とワーク側締付部2cとの当接状態を維持しながら、ボルト4がワーク2に加える衝撃を極力小さくできるので、該ワーク2の変形の発生を防止できる。この結果、剛性が低いワーク2またはワーク側締付部2cに対しても締結装置1を使用することが可能になって、締結装置1の使用範囲を拡大できる。
各ソケット体30は、回転軸54と係合状態および係合解除状態になる同一構造の回転伝達軸34を備え、各回転伝達軸34には、締付具の形状または種類に応じて異なる構造のソケット31が着脱可能であることにより、1つのホルダ21に保持される複数のソケット体30のソケット31にそれぞれ保持される複数の締付具が2以上が同一であるか、または全て互いに異なる場合にも、必要となる締付具の形状または種類に応じて、回転軸54と係合可能な回転伝達軸34を交換することなく、ソケット31のみを交換すればよい。この結果、ソケット体30が保持する締付具を簡単に変更できるので、締結装置1による締結作業の効率が向上して、生産性を向上させることができる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
締付具はネジ部品であるナットであり、ワーク側締付部はボルトであってもよい。
所定数は、2または4以上の整数であってもよい。
取付部11が取り付けられる前記支持部材は、ロボット以外の部材であってもよい。
回転中心線Ln,Ls,Laおよび進退方向は、水平面に対して傾斜していてもよい。
ホルダ21の傾倒は、前倒れ以外の傾倒でもよく、例えば、図5において反時計方向に傾倒する後倒れでもよい。この場合、前記特定位置は、結合部25aおよびホルダ中心線Lhよりも上方の位置であり、好ましくは、回転中心線Lnが、結合位置およびホルダ中心線Lhよりも上方に位置し、かつ前記特定平面P上にほぼ位置するときの位置である。
ホルダ用駆動部材は、ホルダを、上下方向に往復動させるもの、または上下方向に往復動および回動させるものであってもよい。
ホルダ21に支持される複数のソケット体30において、少なくとも1つのソケット体30が進退方向での長さが異なる接続軸31aを有していてもよく、その場合には、全てのソケット体30が係合解除状態にあるとき、少なくとも1つのソケット体30の保持部31bの、前進方向での位置が異なる。
各駆動部のアクチュエータとして、電磁気式、油圧式などの液圧式など、任意の構造のアクチュエータを使用することができる。
1 締結装置
2 ワーク
10 基台
20 ソケット支持機構
21 ホルダ
22 ホルダ用駆動部材
28 戻しバネ
30 ソケット体
31 ソケット
34 回転伝達軸
37 緩衝バ
50 ナットランナ
60 ランナ移動用駆動部材
Ln 回転中心線
Lh ホルダ中心線
M モーメン

Claims (5)

  1. 基台と、締付具を保持するソケットをそれぞれ有する複数のソケット体を支持するホルダを備えるソケット支持機構と、回転中心線を中心に回転すると共に前記ソケットを回転駆動して前記締付具をワークのワーク側締付部に締め付ける回転係合部を有する1つのナットランナと、前記基台に支持されると共に前記回転係合部を前記回転中心線に平行な進退方向に移動させるランナ移動用駆動部材とを備える締結装置において、
    前記ソケット支持機構は、前記基台に支持されると共に前記回転係合部との係合が可能な作動可能位置まで前記各ソケット体が移動するように前記ホルダを駆動するホルダ用駆動部材を備え、
    前記ランナ移動用駆動部材は、前記回転係合部が前記進退方向において前記ワークに近づく前進方向に移動することにより、前記回転係合部と前記作動可能位置にある前記ソケット体とが互いに係合した係合状態となるように、および、前記回転係合部が前記進退方向において前記ワークから遠ざかる後退方向に移動することにより、前記回転係合部と前記ソケット体とが互いの係合が解除された係合解除状態になるように、前記回転係合部を駆動し、
    前記回転係合部は、前記係合状態にあるとき前記ソケットを回転駆動し、
    前記ランナ移動用駆動部材は、前記係合状態にある前記回転係合部を前記前進方向に移動させることにより、前記ソケット体を前記ホルダに対して前進方向に移動させて前記締付具を前記ワーク側締付部に当接させ、
    前記回転係合部は、前記ホルダ用駆動部材における前記ホルダとの結合部に対して特定位置に配置され、
    前記特定位置は、前記係合解除状態にある前記複数の前記ソケット体の重量により前記結合部を中心とした前記ホルダの傾倒を生じさせるモーメントを、前記ランナ移動用駆動部材が前記係合状態の前記回転係合部を前進方向に移動させる駆動力により減少させる位置であることを特徴とする締結装置。
  2. 前記係合状態にある前記ソケット体は、前記ランナ移動用駆動部材に駆動されて、前記係合解除状態にある前記ソケット体よりも前進した位置に移動することを特徴とする請求項1記載の締結装置。
  3. 前記ソケット支持機構は、前記係合解除状態にある前記ソケット体を前記後退方向で最も後退した位置である初期位置に移動させる戻し用弾発部材を備え、
    前記ランナ移動用駆動部材により駆動されて移動する前記回転係合部は、前記係合状態にある前記ソケット体を、前記弾発部材の弾発力に抗して前記前進方向に移動させることを特徴とする請求項1または2記載の締結装置。
  4. 前記ソケット体は、前記回転係合部と前記係合状態および前記係合解除状態になる第1伝達部材と、前記第1伝達部材と一体に回転すると共に前記第1伝達部材に対して前記進退方向に移動可能な第2伝達部材と、前記第1伝達部材と前記第2伝達部材の間に配置された緩衝用弾性部材とを備え、
    前記ソケットは前記第2伝達部材に設けられ、
    前記第2伝達部材は、前記締付具が前記ワーク側締付部に当接したとき、前記緩衝用弾性部材を変形させて前記第1伝達部材に対して前記後退方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の締結装置。
  5. 前記各ソケット体は、前記回転係合部と前記係合状態および前記係合解除状態になる同一構造の回転伝達部材を備え、
    前記回転伝達部材には、前記締付具の形状または種類に応じて異なる前記ソケットが着脱可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の締結装置。
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