JP4117674B2 - 電池の製造方法および電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノマー,可塑剤および電解質塩を含むモノマー溶液を介して正極と負極とを対向配置させた組立体を外装部材の内部に封入したのち、モノマーを重合させて電解質を形成する電池の製造方法およびそれにより得られる電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder),携帯電話あるいは携帯用コンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、それらの小型化および軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池の研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものとして注目されており、とりわけ、薄型で折り曲げ可能な形状の自由度が高いものの研究開発が活発に進められている。このような形状の自由度が高い電池には、高分子化合物にリチウム塩を溶かし込んだ高分子固体電解質や,高分子化合物にリチウム塩および可塑剤を保持させたゲル状の電解質などの固体状の電解質が用いられる。中でも、ゲル状の電解質は、可塑剤を保持しているために高分子固体電解質に比べて活物質との接触性やイオン導電率に優れており、また、液体状の電解質に比べて漏液が起こりにくいという特徴を有しているので、注目を浴びている。
【0003】
このゲル状の電解質を作製する方法としては、例えば、モノマーを含む溶液(以下、「モノマー溶液」という。)を、重合開始剤を用いて重合させてゲル化する方法、または高分子化合物と可塑剤と電解質塩とを希釈溶媒を用いて混合しキャストしたのち希釈溶剤を揮発させることによりゲル化させる方法(キャスト法)がある。中でも、モノマー溶液を重合させる方法は、キャスト法に比べて、コーターや乾燥炉の必要がなく、作製が比較的簡便なため、盛んに研究されている。
【0004】
この重合により得られる電解質は、例えば 電極を巻回した電池に用いる場合、電極を巻回する前に、電極上にモノマー溶液を塗布したのち、紫外線(UV;ultraviolet )を照射したり加熱することにより作製される。もしくは、電極を巻回して巻回電極体を作製し、その巻回電極体の内部にモノマー溶液を注入し、それを外装部材の内部に封入したのち、加熱することにより作製される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外装部材の内部に封入したのち、モノマー溶液を重合させて電解質を作製すると、電極と電解質との間に隙間が形成され、電池特性、特にサイクル特性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池の製造方法および電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電池の製造方法は、外形が偏平状であると共に、モノマー,可塑剤および電解質塩を含むモノマー溶液を介して正極と負極とを対向配置させた組立体を、ラミネートフィルムにより構成された外装部材の内部に封入したのち、モノマーを重合させて電解質を形成する電池を製造するものであって、モノマーを重合させる時に、または、モノマーを重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力を加えるものである。
【0008】
本発明による電池は、外形が偏平状であると共に、単官能モノマー,多官能モノマー,可塑剤および電解質塩を含むモノマー溶液を介して正極と負極とを対向配置させた組立体を、ラミネートフィルムにより構成された外装部材の内部に封入したのち、モノマーを重合させて電解質を形成することにより得られた電池であって、モノマーを重合させる時に、または、モノマーを重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力が加えられたものである。
【0009】
本発明による電池の製造方法では、モノマーを重合させる時に、または、モノマーを重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力が加えられる。よって、電解質が正極および負極に密着する。
【0010】
本発明による電池では、モノマーを重合させる時に、または、モノマーを重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力が加えられているので、電解質が正極および負極に密着している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池を表すものである。なお、図1では、外装部材30の一部を切り欠き、電池素子20の一部を露出して表している。この二次電池は、正極リード11および負極リード12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入した構成を有しており、後述する製造方法により得られたものである。
【0013】
正極リード11および負極リード12は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード11および負極リード12は、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどによりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。外装部材30は、防湿性を有するものであればよく、例えば、ナイロンフィルムと、アルミニウム箔と、ポリプロピレンフィルムあるいはポリエチレンフィルムとをこの順に積層し張り合わせてなる3層構造のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30の外縁部は融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード11および負極リード12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料により構成されている。
【0014】
図2は、図1に示した電池素子20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。電池素子20は、正極21と負極22とを電解質を含浸させたセパレータ23を介して対向配置し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ24により保護されている。
【0015】
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21aの両面あるいは片面に正極合剤層21bが設けられた構造を有している。正極集電体21aには、長手方向における一方の端部に正極合剤層21bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に正極リード11が取り付けられている。正極集電体21aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0016】
正極合剤層21bは、例えば、正極活物質として、軽金属であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてカーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤およびポリ(ビニリデンフルオロライド)などの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、金属酸化物,金属硫化物あるいは特定の高分子化合物が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。金属酸化物としては、リチウムを含有しないV2 O5 、あるいはリチウムを含有するリチウム複合酸化物が挙げられ、金属硫化物としては、TiS2 あるいはMoS2 などが挙げられ、高分子化合物としては、ポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。また、これらのリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料の他にもNbSe2 なども用いることができる。
【0017】
中でも、リチウム複合酸化物は、高電圧を発生することが可能であり,エネルギー密度を高くすることができるので好ましい。このリチウム複合酸化物としては、例えば、化学式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるものが挙げられる。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属、特にコバルト(Co),ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種が好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。化学式Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 、LiNiO2 、LiNiy Co1-y O2 (式中、yは0<y<1である.)あるいはLiMn2 O4 などが挙げられる。
【0018】
負極22は、例えば、正極21と同様に、対向する一対の面を有する負極集電体22aの両面あるいは片面に負極合剤層22bが設けられた構造を有している。負極集電体22aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0019】
負極合剤層22bは、例えば、負極活物質として、軽金属であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリ(ビニリデンフルオロライド)などの結着剤を含んでいてもよい。なお、本明細書において軽金属の吸蔵・離脱というのは、軽金属イオンがそのイオン性を失うことなく電気化学的に吸蔵・離脱されることを言う。これは、吸蔵された軽金属が完全なイオン状態で存在する場合のみならず、完全なイオン状態とは言えない状態で存在する場合も含む。これらに該当する場合としては、例えば、黒鉛に対する軽金属イオンの電気化学的なインタカレーション反応による吸蔵が挙げられる。また、金属間化合物を含む合金への軽金属の吸蔵、あるいは合金の形成による軽金属の吸蔵も挙げることができる。
【0020】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、例えば、熱分解炭素類,コークス類,黒鉛類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
【0021】
リチウムを吸臓および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物も挙げられる。なお、合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。
【0022】
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム(Y)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表されるものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、s、t、u、p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧0、p>0、q>0、r≧0である。
【0023】
中でも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
【0024】
このような合金あるいは化合物について具体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgSb、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Mg2 Sn、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 N4 、Si2 N2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSiOあるいはLiSnOなどがある。
【0025】
なお、この二次電池は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の量がリチウムを吸蔵・離脱可能な正極材料に対して相対的に多く、それにより負極22の容量が正極21の容量よりも大きく、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないように構成されていてもよく、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料が、リチウムを吸蔵・離脱可能な正極材料に対して相対的に少なく、それにより負極22の容量が正極21の容量よりも小さく、充電の途中においてリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属が析出するように構成されていてもよい。充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しない場合は、リチウムイオン二次電池であり、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料のみが、負極活物質として機能し、負極22の容量が、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分により表される。また、充電の途中においてリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属が析出する場合は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とリチウム金属との両方が負極活物質として機能し、負極22の容量が、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される。このように、負極22の容量が、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにすれば、リチウムイオン二次電池よりも高いエネルギー密度を得ることができ、好ましい。
【0026】
セパレータ23は、例えば、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0027】
セパレータ23に含浸された電解質は、例えば、高分子化合物に、可塑剤と、電解質塩であるリチウム塩とが保持されたいわゆるゲル状である。この電解質は、詳細は後述するが、モノマー,可塑剤およびリチウム塩を含む電解質の前駆体であるモノマー溶液を圧力を加えながら重合させることにより、またはモノマー溶液を重合させたのちに圧力を加えることにより得られたものである。
【0028】
高分子化合物は、電解質の形状を保持し、機械的強度を確保するためのものであり、イオン伝導性を有していても、有していなくてもよい。このような高分子化合物としては、例えば、エステル系高分子化合物,エーテル系高分子化合物あるいはフッ素系高分子化合物などが挙げられ、モノマ−を重合開始剤を用いて重合させることにより形成されたものが用いられる。
【0029】
モノマーとしては、ビニル基あるいはその誘導体を有するものが挙げられる。具体的には、メタクリル酸エステル,アクリル酸エステル,アクリロニトリルあるいはメタクリロニトリルなどの単官能モノマー,またはジメタクリル酸エステル,トリメタクリル酸エステル,ジアクリル酸エステルあるいはトリアクリル酸エステルなど重合性官能基を1分子中に2つ以上もつ多官能モノマーが挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。特に、単官能モノマーと多官能モノマーとを混合して用いる、または多官能モノマーを単独または2種類以上混合して用いれば、電解質の機械的強度を高くすることができ、好ましい。
【0030】
重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド類,パーオキシカーボネート類,パーオキシエステル類,パーオキシケタール類,ジアルキルパーオキサイド類,ハイドロパーオキサイド類あるいはアゾ化合物類など種々のラジカル重合開始剤を用いることができ、これらのうちのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
可塑剤は、電解質の柔軟性を高めることに加えて、リチウム塩を溶解する機能を有している。可塑剤としては、例えば、酢酸エステル,酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどのエステル類、ジエチルエーテルあるいはジメチルエーテルなどのエーテル類、またはプロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ジエチルカーボネートあるいはジメチルカーボネートなどの炭酸エステル類が挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。
【0032】
なお、電解質における高分子化合物の濃度は、例えば、3質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましい。また、電解質における可塑剤の濃度は、10質量%以上97質量%以下の範囲内であることが好ましい。可塑剤の濃度が高く、高分子化合物の濃度が低すぎると、イオン伝導度は高くなるものの機械的強度が確保できなくなってしまい、逆に、可塑剤の濃度が低く、高分子化合物の濃度が高すぎると、機械的強度は高くなるもののイオン伝導度が低くなってしまうからである。
【0033】
リチウム塩としては、例えば、LiPF6 ,LiBF4 ,LiAsF6 ,LiClO4 ,LiCF3 SO3 ,LiN(SO2 CF3 )2 ,LiC(SO2 CF3 )3 ,LiAlCl4 あるいはLiSiF6 などが望ましく、特に、酸化安定性の点からはLiPF6 あるいはLiBF4 が望ましい。なお、これらリチウム塩の可塑剤中における濃度は,0.1mol/dm3 〜3.0mol/dm3 であることが好ましく,0.5mol/dm3 〜2.0mol/dm3 であればより好ましい。
【0034】
この二次電池は例えば次のようにして製造することができる。
【0035】
図3は、本実施の形態に係る二次電池の製造方法を表す流れ図である。最初に、正極21を作製する。具体的には、まず、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーを作製する。
【0036】
正極合剤スラリーを作製したのち、例えば、この正極合剤スラリーを正極集電体21aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極合剤層21bを形成する。このとき、正極集電体21aの一端部には正極合剤スラリーを塗布せず、端部を露呈させる。
【0037】
正極21を作製したのち、例えば、負極22を作製する。具体的には、まず、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーを作製する。
【0038】
負極合剤スラリーを作製したのち、例えば、この負極合剤スラリーを負極集電体22aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極合剤層22bを形成し負極22を作製する。このとき、負極集電体22aの一端部には負極合剤スラリーを塗布せず、端部を露呈させる。
【0039】
なお、正極21および負極22を作製する際には、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないように、負極22の容量を正極21の容量よりも大きくするか、または充電の途中においてリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属が析出するように、負極22の容量を正極21の容量よりも小さくする。
【0040】
正極21および負極22を作製したのち、例えば、セパレータ23,正極21,セパレータ23,負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ24を例えば接着して、巻回電極体を形成する(ステップS101)。巻回電極体を形成したのち、フィルム状の1枚の外装部材30を折り曲げて、巻回電極体をその外装部材30で挟み(ステップS102)、一辺を除く外周縁部を熱融着して外装部材30を袋状とする。その際、正極リード11および負極リード12を外装部材30の開口部に挟み込むと共に、正極リード11および負極リード12と外装部材30との間に例えばポリオレフィンよりなる密着フィルム31を挿入し、外装部材30の開口部から正極リード11および負極リード12を導出させる。
【0041】
次いで、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部にモノマー溶液を注入したのち、減圧下で所定の時間保存してモノマー溶液を含浸させ、組立体を形成する(ステップS103)。なお、モノマー溶液は、高分子化合物に可塑剤および電解質塩が保持されたゲル状の電解質の前駆体であり、加熱によりモノマーが重合され高分子化合物となることによりゲル化されるものである。このモノマー溶液は、例えば、モノマー,可塑剤,電解質塩であるリチウム塩および重合開始剤を混合することにより作製される。続いて、開口部を減圧下で熱融着することにより、組立体を外装部材30の内部に封入する(ステップS104)。
【0042】
組立体を外装部材30中に封入したのち、例えば、図4に示したように、一軸方向に圧力Pを加えながら、組立体を所定の温度に加熱してモノマーをラジカル重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質を形成する(ステップS105)。また、組立体を所定の温度に加熱してモノマーをラジカル重合させたのち、組立体に例えば一軸方向に、圧力Pを加えて、ゲル状の電解質を形成してもよい(ステップS106)。圧力Pを加えるのは、セパレータ23に含浸されたゲル状の電解質を正極21および負極22に密着させるためである。なお、その際、圧力は5MPa以上40MPa以下とすることが好ましい。5MPa未満では十分な効果が得られず、40MPaよりも大きいとセパレータ23が破れ、内部短絡が生じてしまう虞があるからである。また、加熱温度(重合温度)は、95℃以下とすることが好ましい。95℃よりも高くすると、電池に損傷を与える虞があるからである。以上の工程により二次電池が完成する。
【0043】
このように本実施の形態によれば、モノマー溶液を重合させる時に、または、モノマー溶液を重合させたのちに、5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加えようにしたので、電解質を正極21および負極22に密着させることができ、サイクル特性を向上させることができる。
【0044】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について図1〜図4を参照して詳細に説明する。
【0045】
(実施例1−1〜1−3)
充電時に負極22にリチウムが析出しないリチウムイオン二次電池を作製した。
【0046】
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLi2 CO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成して、正極材料として、コバルト酸リチウム(LiCoO2 )を得た。続いて、このコバルト酸リチウム85質量部と導電剤である黒鉛5質量部と結着剤であるポリ(ビニリデンフルオロライド)10質量部とを混合して正極合剤を調整した。次いで、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとしたのち、厚み20μmの帯状アルミニウム箔よりなる正極集電体21aの片面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極21を作製した。
【0047】
また、負極材料である黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリ(ビニリデンフルオロライド)10質量部とを混合して負極合剤を調整した。続いて、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22aの片面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極22を作製した。なお、正極21および負極22を作製する際には、充電時に、負極22にリチウムが析出しないように、電池電圧が4.2Vになるときの負極22に対する正極21の容量、すなわち(正極21の容量)/(負極22の容量)が95/100となるように調整した。
【0048】
正極21および負極22を作製したのち、例えば、厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜よりなるセパレータ23を用意し、セパレータ23,正極21,セパレータ23,負極22を順次積層して積層体とし、この積層体を巻回して巻回電極体を形成した(図3;ステップS101参照)。次いで、例えば、厚み25μmのナイロンフィルムと、厚み40μmのアルミニウム箔と、厚み30μmのポリプロピレンフィルムとが積層されてなる防湿性の外装部材30を1枚用意し、ポリプロピレンフィルムが内側となるように外装部材30を折り曲げて、巻回電極体をその外装部材30で挟み(図3;ステップS102参照)、一辺を除く外周縁部を熱融着して外装部材30を袋状とした。その際、外装部材30の開口部に正極リード11および負極リード12を挟み込むと共に、正極リード11および負極リード12と外装部材30との間に例えばポリオレフィンよりなる密着フィルム31を挿入し、外装部材30の開口部から正極リード11および負極リード12を導出させた。
【0049】
次いで、開口部から巻回電極体の内部にモノマー溶液を注入したのち、減圧下で10分間保存してモノマー溶液を正極21,負極22およびセパレータ23に含浸させ、組立体を形成した(図3;ステップS103参照)。モノマー溶液には、モノマーであるメトキシジエチレングリコールメタクリレート5質量%およびポリエチレングリコールジメタクリレート5質量%と、可塑剤である炭酸エチレン45質量%およびジエチルカーボネート45質量%とを混合した混合溶媒中に,電解質塩であるLiPF6 とラジカル重合開始剤であるビス(4−t ーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(BCHPC)とを溶解させたものを用いた。なお、LiPF6 はモノマー溶液全体に対して1mol/dm3 の濃度となるように混合し、BCHPCはモノマー1molに対して15mmolの割合で混合した。
【0050】
次いで、余剰なモノマー溶液を組立体から取り除いたのち、開口部を減圧下で熱融着することにより、組立体を外装部材30の内部に封入した(図3;ステップS104参照)。組立体を外装部材30の内部に封入したのち、例えば、30分間、一軸方向に圧力Pを加えながら、組立体を75℃に加熱してモノマー溶液を重合させた(図3;ステップS105参照)。その際、圧力Pを実施例1−1〜1−3で表1に示したように変化させた。以上の工程により、二次電池を得た。
【0051】
【表1】
【0052】
得られた二次電池について、充放電試験を行い、初回放電容量,100サイクル後の放電容量および内部短絡の発生率を調べた。それらの結果を表1に示す。なお、表1における初回放電容量および100サイクル後の放電容量は、内部短絡が発生していない二次電池の平均値である。初回放電容量は、まず、23℃の環境下で、120mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのちに充電時間の総計が10時間に達するまで4.2Vで充電するという定電流定電圧放電を行い、引き続き、開回路状態で所定時間放置したのち、120mAの定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで定電流放電(5時間率放電)を行うことにより得た。また、100サイクル目の放電容量は、初回放電容量を求めたのち、上述の条件で充放電を100サイクル繰り返すことにより得た。更に、内部短絡の発生率は、測定数を各実施例とも20個とし、20個に対する内部短絡数の百分率とした。
【0053】
実施例1−1〜1−3に対する比較例1−1,1−2として、圧力を表1に示したように変えたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。比較例1−1,1−2についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、充放電試験を行い、初回放電容量,100サイクル後の放電容量および内部短絡の発生率を調べた。それらの結果を表1に合わせて示す。
【0054】
表1から分かるように、4MPaの圧力を加えた比較例1−1では、初回放電容量は603mAhと高かったものの、100サイクル後の放電容量は471mAhと低かった。また、45MPaの圧力を加えた比較例1−2では、初回放電容量は600mAh、100サイクル後の放電容量は555mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高かったものの、内部短絡が発生した。比較例1−2の二次電池を分解して観察したところ、セパレータが破れていた。すなわち、内部短絡は、圧力が高すぎるためにセパレータが破れてしまったことに起因していると考えられる。これに対して、実施例1−1〜1−3では、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高く、内部短絡も発生しなかった。
【0055】
すなわち、リチウムイオン二次電池において、モノマー溶液を重合させる時に、5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加えれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0056】
(実施例1−4〜1−6)
モノマー溶液を重合させる時に圧力Pを加えずに、モノマー溶液を重合させたのちに一軸方向に圧力Pを加えたことを除き(図3;ステップS106参照)、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。その際、圧力Pを実施例1−4〜1−6で表2に示したように変化させた。また、実施例1−4〜1−6に対する比較例1−3,1−4として、圧力を表2に示したように変えたことを除き、他は実施例1−4〜1−6と同様にして二次電池を作製した。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例1−4〜1−6および比較例1−3,1−4についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、初回放電容量,100サイクル後の放電容量および内部短絡の発生率を調べた。それらの結果を表2に示す。
【0059】
表2から分かるように、4MPaの圧力を加えた比較例1−3では、初回放電容量が461mAh、100サイクル後の放電容量が333mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に低かった。また、45MPaの圧力を加えた比較例1−4では、初回放電容量は604mAh、100サイクル後の放電容量は549mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高かったものの、内部短絡が発生した。これに対して、実施例1−4〜1−6では、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高く、内部短絡も発生しなかった。
【0060】
すなわち、リチウムイオン二次電池において、モノマー溶液を重合させたのちに5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加えれば、モノマー溶液を重合させる時に5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加える場合と同様に、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0061】
(実施例2−1〜2−3)
充電時に負極22にリチウムが析出し、負極22の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和で表される二次電池を作製した。その際、正極集電体21aの両面に正極合剤層21bを形成すると共に、負極集電体22aの両面に負極合剤層22bを形成した。また、負極合剤スラリーの塗布量を減らし、電池電圧が4.2Vになるときの負極22に対する正極21の容量、すなわち(正極21の容量)/(負極22の容量)が100/90となるように調整した。その他は、実施例1−1〜1−3と同様にした。モノマー溶液を重合させるときに加える圧力は、実施例2−1〜2−3で表3に示したように変化させた。
【0062】
【表3】
【0063】
また、実施例2−1〜2−3に対する比較例2−1,2−2として、圧力を表3に示したように変えたことを除き、他は実施例2−1〜2−3と同様にして二次電池を作製した。
【0064】
実施例2−1〜2−3および比較例2−1,2−2についても、実施例1−1〜1−3と同様にして、初回放電容量,100サイクル後の放電容量および内部短絡の発生率を調べた。それらの結果を表3に示す。
【0065】
表3から分かるように、4MPaの圧力を加えた比較例2−1では、初回放電容量は602mAhと高かったものの、100サイクル後の放電容量は421mAhと低かった。また、45MPaの圧力を加えた比較例2−2では、初回放電容量は599mAh、100サイクル後の放電容量は501mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高かったものの、内部短絡が発生した。これに対して、実施例2−1〜2−3では、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高く、内部短絡も発生しなかった。
【0066】
すなわち、負極22の容量がリチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池においてモノマー溶液を重合させる時に、5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加えれば、リチウムイオン二次電池と同様に、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0067】
(実施例2−4〜2−6)
モノマー溶液を重合させる時に圧力を加えずに、モノマー溶液を重合させたのちに一軸方向に圧力Pを加えたことを除き、他は実施例2−1〜2−3と同様にして二次電池を作製した。その際、圧力Pは実施例2−4〜2−6で表4に示したように変化させた。また、実施例2−4〜2−6に対する比較例2−3,2−4として、圧力を表4に示したように変えたことを除き、他は実施例2−4〜2−6と同様にして二次電池を作製した。
【0068】
【表4】
【0069】
実施例2−4〜2−6および比較例2−3,2−4についても、実施例2−1〜2−3と同様にして、初回放電容量,100サイクル後の放電容量および内部短絡の発生率を調べた。それらの結果を表4に示す。
【0070】
表4から分かるように、4MPaの圧力を加えた比較例2−3では、初回放電容量が456mAh、100サイクル後の放電容量が298mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に低かった。また、45MPaの圧力を加えた比較例2−4では、初回放電容量は606mAh、100サイクル後の放電容量は500mAhと、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高かったものの、内部短絡が発生した。これに対して、実施例2−4〜2−6では、初回放電容量および100サイクル後の放電容量共に高く、内部短絡も発生しなかった。
【0071】
すなわち、負極22の容量が、リチウムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶解による容量成分とを含み、かつその和により表される二次電池において、モノマー溶液を重合させたのちに5MPa以上40MPa以下の圧力Pを加えれば、リチウムイオン二次電池と同様に、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
【0072】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、軽金属としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、軽金属を吸蔵および離脱することが可能な負極材料、正極材料、可塑剤、あるいは電解質塩などは、その軽金属に応じて選択される。但し、軽金属としてリチウムまたはリチウムを含む合金を用いるようにすれば、現在実用化されているリチウムイオン二次電池との電圧互換性が高いので好ましい。なお、軽金属としてリチウムを含む合金を用いる場合には、電解質中にリチウムと合金を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成してもよく、また、負極にリチウムと合金を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態および実施例では、モノマー溶液を重合させる時に、または、モノマー溶液を重合させたのちに、一軸方向に圧力Pを加えるようにしたが、静水圧を加えるようにしてもよい。
【0074】
更に、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22をセパレータ23を介して積層し巻回した巻回電極体の内部に、モノマー溶液を注入して組立体を形成するようにしたが、例えば、セパレータにモノマー溶液を含浸させたのち、正極および負極をセパレータを介して積層し巻回して組立体を形成するようにしてもよい。
【0075】
加えて、上記実施の形態および実施例では、組立体をナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリプロピレンフィルムあるいはポリエチレンフィルムを積層し張り合わせてなる3層構造のフィルムよりなる外装部材30の内部に封入するようにしたが、他のラミネートフィルムよりなる外装部材の内部に封入するようにしてもよい。
【0076】
更にまた、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22を巻回するようにしたが、正極および負極を折り畳んだりあるいは積み重ねてもよい。
【0077】
加えてまた、上記実施の形態および実施例では、1枚の外装部材30を折り曲げて外周縁部を密着させ、組立体を封入するようにしたが、2枚の外装部材を張り合わせてその内部に組立体を封入するなど、他の方法により封入するようにしてもよい。
【0078】
更にまた、上記実施の形態および実施例では、二次電池を製造する場合について説明したが、本発明は、一次電池を製造する際にも適用することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電池の製造方法によれば、モノマー溶液を重合させる時に、または、モノマー溶液を重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力を加えようにしたので、電解質を正極および負極に密着させることができ、サイクル特性を向上させることができる。
【0080】
また、請求項5または請求項6に記載の電池によれば、モノマー溶液に単官能モノマーおよび多官能モノマーを含め、このモノマー溶液を重合させる時に、または、このモノマー溶液を重合させたのちに、外装部材の正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力を加えられているので、電解質が正極および負極に密着している。よって、優れたサイクル特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の製造方法を用いて製造する二次電池の斜視図である。
【図2】図1に示した電池素子のII−II線に沿った断面構造を表す断面図である。
【図3】図1および図2に示した二次電池の製造方法を表す流れ図である。
【図4】電池素子に圧力を加える工程を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
11…正極リード、12…負極リード、20…電池素子、21…正極、21a…正極集電体、21b…正極合剤層、22…負極、22a…負極集電体、22b…負極合剤層、23…セパレータ、24…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム、P…圧力
Claims (6)
- 外形が偏平状であると共に、モノマー,可塑剤および電解質塩を含むモノマー溶液を介して正極と負極とを対向配置させた組立体を、ラミネートフィルムにより構成された外装部材の内部に封入したのち、前記モノマーを重合させて電解質を形成する電池の製造方法であって、
前記モノマーを重合させる時に、または、前記モノマーを重合させたのちに、前記外装部材の前記正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力を加える
ことを特徴とする電池の製造方法。 - 前記組立体は前記正極および負極を含む巻回構造を有し、前記圧力を前記外装部材の前記正極と負極との対向面積が最大となる面に対して一軸方向に加える
ことを特徴とする請求項1記載の電池の製造方法。 - 軽金属を吸蔵および離脱することが可能な負極材料を用いて、前記負極を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の電池の製造方法。 - 充電時に前記負極に軽金属が析出するように、前記正極の容量と前記負極の容量とを調整する
ことを特徴とする請求項3記載の電池の製造方法。 - 外形が偏平状であると共に、単官能モノマー,多官能モノマー,可塑剤および電解質塩を含むモノマー溶液を介して正極と負極とを対向配置させた組立体を、ラミネートフィルムにより構成された外装部材の内部に封入したのち、前記モノマーを重合させて電解質を形成することにより得られた電池であって、
前記モノマーを重合させる時に、または、前記モノマーを重合させたのちに、前記外装部材の前記正極と負極とが対向する方向の面に、5MPa以上40MPa以下の圧力が加えられたことを特徴とする電池。 - 前記電解質は、更に、重合開始剤を含む
ことを特徴とする請求項5記載の電池。
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