JP4117516B2 - 濃縮方法および濃縮装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも中和反応において発生した中和熱を利用した中和反応生成液の濃縮方法およびその濃縮装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
反応の進行中に発生した反応熱を有効に活用して該反応の反応液乃至反応生成液を加熱して濃縮することが知られている。
たとえば、特開昭47−42715号公報には、ジアミン・ジカルボン酸塩の水溶液に同種のジカルボン酸を溶解し、得られた溶液に同種のジアミンを添加して、ジアミン・ジカルボン酸塩の水溶液である反応液乃至反応生成液をこれに新たに添加されたジカルボン酸とジアミンとの反応によって発生した反応熱で加熱して濃縮してジアミン・ジカルボン酸塩の結晶を晶出せしめるジアミン・ジカルボン酸塩の結晶化法が記載されている。
【0003】
また、特開昭52−111986号公報には、含水率が比較的高いアクリル酸水溶液に苛性ソーダを添加してアクリル酸を重合、中和してポリアクリル酸ソダを製造する方法において、前記の重合、中和で発生した重合熱および中和熱を反応系の昇温および濃縮に利用することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
同様にして、従来、中和反応においても、中和反応で発生した中和熱でこの反応系における反応液乃至は反応生成液を濃縮している。すなわち、たとえば、中和反応槽内に設置された間接式熱交換器により、中和熱で加熱された反応液乃至は反応生成液と熱媒とを熱交換せしめて、加熱された熱媒を中和反応槽外に設けられた蒸発缶の熱源とし、この蒸発缶によって中和反応槽から導かれた反応液乃至反応生成液を濃縮する方法および中和反応槽と該中和反応槽外に設けられた自己蒸発式結晶缶とを接続し、該自己蒸発式結晶缶において自己が持っている中和熱で反応液乃至反応生成液を濃縮して塩を晶出せしめるとともに母液を冷却し、冷却された母液を中和反応槽に循環せしめる方法などがある。
【0005】
しかしながら、これらの従来の方法では、中和熱の発生量は大きいが、このような濃縮において、中和熱は反応液乃至反応生成液から、たとえば、中和反応で生成せしめられた塩の結晶のほぼ全量を晶出せしめる程度に濃縮するには不十分であり、また、中和熱は一回しか利用されていない。
さらに、前記の熱媒を使用する方法は間接的な方法であって、そのために中和熱の利用率が一層低下する。
【0006】
さらにまた、工業的に中和反応は廃酸および/または廃アルカリの処理に使用されることが多いが、廃酸および廃アルカリ溶液にはそれぞれ多量の不純物が含有されているのが一般であり、製品結晶に不純物が混入してその純度を低下せしめる場合が多く、このような場合には目的製品結晶の回収率を犠牲にして目的製品結晶の純度低下の防止が図られていた。
本発明者らは、前記のような従来の中和反応で発生した中和熱による反応液乃至は反応生成液の濃縮におて、中和熱を有効に活用してその利用率を向上せしめ、好ましくは、目的製品結晶の回収率を犠牲にすることなく目的製品結晶の純度の低下を防止すべく、鋭意、研鑚を重ねた結果、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中和反応によって得られた塩を含有する中和液の濃縮方法に関するものである。すなわち、中和反応によって塩を製造するに際して、少なくとも中和工程と濃縮工程とを有し、該中和工程において酸とアルカリとの中和により塩を生成せしめ、該塩を含有する中和液を少なくとも該中和工程で発生した中和熱で加熱して水蒸気を発生せしめ、かつ、塩の結晶を晶出せしめて塩結晶含有中和濃縮液となし、該塩結晶含有中和濃縮液から塩の結晶を分離し、分離された塩の結晶を溶媒で溶解せしめて塩溶液となし、前記中和工程で発生せしめた水蒸気を熱源として該濃縮工程において前記塩溶液を被濃縮液として前記中和工程におけるよりも低い圧力下で濃縮することを特徴とする濃縮方法でる。
【0008】
、本発明は、中和反応によって得られた塩を含有する中和液の濃縮装置に関するものである。すなわち、中和反応によって塩を生成せしめ該塩を含有する中和液を少なくとも中和熱で加熱して水蒸気を発生せしめ塩の結晶を生成せしめ塩結晶含有中和濃縮液を得る中和・晶出槽、該中和・晶出槽からの塩結晶含有中和濃縮液から塩の結晶を分離する固液分離手段および該固液分離手段によって分離された塩の結晶を溶媒で溶解して塩溶液を得る結晶溶解槽および前記中和・晶出槽で発生せしめられた水蒸気を熱源として該結晶溶解槽からの塩溶液を被濃縮液として前記中和・晶出槽におけるよりも低い圧力下で濃縮する濃縮槽が連設せしめられ、該濃縮槽は前記中和・晶出槽と水蒸気送給管ならびに塩結晶含有中和濃縮液送給管、固液分離手段、結晶排出管、結晶溶解槽および被濃縮液送給管によって接続せしめられてなることを特徴とする濃縮装置でる。
【0009】
明の実施の形態】
本発明において、中和反応に付される酸およびアルカリのそれぞれは工業的には種々の化学物質製造プロセスから廃出せしめられた廃酸および廃アルカリであるが、それぞれはその純度が実験試薬乃至工業原料程度の酸およびアルカリであることを妨げない。酸として、該酸の酸性塩などの酸性物質を随伴している酸であってもよい。
酸としては、中和反応において中和熱とともに希釈熱を発生することから硫酸が好ましく、多量の希釈熱を発生することから高濃度の硫酸が特に好ましい。
【0010】
廃酸の代表例として、合成染料などの各種化学物質製造プロセスから排出され硫酸を含有する廃液、メタクリル酸メチル製造プロセスから排出され硫酸とともに硫酸水素アンモニウムを含有する廃液などを挙げることができる。
【0011】
中和工程において中和反応に付される酸およびアルカリが、それぞれ不純物を随伴する酸およびアルカリである場合には、前記の本発明の濃縮方法により、目的製品結晶の回収率を犠牲にすることなく目的製品結晶の純度の低下を防止して目的製品結晶を効率よく得ることができる。
【0012】
記の濃縮工程からの母液および塩結晶含有中和濃縮液からの母液のそれぞれは、所望により、中和工程および濃縮工程のそれぞれにおける液体のスラリー濃度を調整するため中和工程または濃縮工程に循環せしめることができ、しかも好ましい。
【0013】
本発明の濃縮方法において、中和工程における塩結晶含有中和濃縮液の濃縮の程度(以下 濃縮率 と記すこともある)は任意とされる。
濃縮工程において、各被濃縮液は、通常、塩の結晶の殆ど全部が晶出せしめられるまで濃縮されるが、塩の一部が晶出せしめられた少量の結晶を含有するスラリ乃至濃厚な塩溶液にまで濃縮されてもよい。
濃縮工程における濃縮は、通常は、好適には、一段で行われるが、複数段で行うことを妨げない。
【0014】
本発明の濃縮方法における中和工程における温度および圧力などの操作条件および濃縮工程における圧力などの操作条件は、原料の酸およびアルカリの濃度、含水率、中和液の所望の濃縮率に応じて、適宜、選定される。
【0015】
本発明の濃縮装置において、槽類、手段および機器はそれ自体公知のものでよい。和・晶出槽として、中和・晶出槽における所望の濃縮率に応じて濃縮缶または結晶缶が使用される。結晶缶としては、オスロタイプ結晶缶、強制循環タイプ結晶缶およびマグマタイプ結晶缶などのそれぞれが好ましい。
中和・晶出槽には、運転開始時の中和反応初期における熱を供給し、さらに、中和反応の経過中における熱を補給するために加熱手段が付設されている。この加熱手段としては、たとえば、水蒸気のような熱媒などを熱源とする熱交換器が好ましい。しかしながら、加熱手段として、電熱を熱源とするシーズヒータなどを使用することもできる。
【0016】
濃縮槽として、濃縮槽における圧力に耐え得るものであればよく特に制限はないが、所望の濃縮率に応じて濃縮缶または結晶缶が使用される。結晶缶としては、オスロタイプ結晶缶、強制循環タイプ結晶缶およびマグマタイプ結晶缶などのそれぞれが好ましい。
【0017】
濃縮槽における水蒸気による加熱には濃縮槽の内部および/または外部のそれぞれに装着された熱交換器が好適に使用される。
中和・晶出槽および濃縮槽のそれぞれの内部に装着される熱交換器の代表例としては、多管式熱交換器、コイル式熱交換器、二重管熱交換器、平板熱交換器、スパイラル熱交換器およびカスケード式熱交換器などがある。また、中和・晶出槽および濃縮槽のそれぞれの外部に装着される熱交換器としては、通常は、ジャケットが好適に使用される。
濃縮槽内を減圧するための減圧装置として、スチームエジェクターおよび水封式真空ポンプなどのそれぞれが好ましい。
【0018】
中和・晶出槽と濃縮槽とで多重効用缶が形成せしめられている。濃縮槽は、通常は、好適には1槽として中和・晶出槽とともに二重効用缶を形成せしめるが、中和・晶出槽に複数の濃縮槽を直列に連設せしめて多重効用缶を形成せしめることもできる。
【0019】
中和・晶出槽と濃縮槽との間に介在せしめられる固液分離手段としては遠心分離機が好ましいが、濾過機を使用することもできる。遠心分離機および濾過機はそれぞれ連続式のものであることが好ましい。遠心分離機としては、それぞれ連続式の押出し分離機およびコニカル分離機が特に好ましい。
縮槽で晶出せしめられた塩の結晶を製品として回収するための固液分離手段としては、遠心分離機および濾過機が好ましいが、その他の固液分離手段を使用することもできる。遠心分離機および濾過機はそれぞれ連続式であるものが好ましい。
【0020】
中和・晶出槽からの塩結晶含有中和濃縮液および濃縮槽で濃縮された濃縮液のそれぞれから結晶を分離するための固液分離手段での負荷を軽減せしめるために、該固液分離手段の上流側に、たとえば、液体サイクロンのような固液分離手段を予備的に付設することが好ましい。
【0021】
各槽間には、所望により、ポンプを介在せしめることができる。
また、所望により前記の各固液分離手段からの母液のそれぞれを中和・晶出槽および/または濃縮槽に循環せしめるために、前記の各固分離液手段と中和・晶出槽または濃縮槽とを管を介して接続せしめることができる。
【0022】
【実施例】
本発の濃縮装置を図面を使用してさらに具体的に説明する。本発明の濃縮装置は図示された濃縮装置に限定されるものではないことは言うまでもない。
お、図面は本発明の濃縮装置の原理を示すためのものであって、寸法および相対的な大きさなどは正確に表わされていない。
1は本発明の濃縮装置の代表例のフローシートである。
図1に示された本発明の濃縮装置において、中和・晶出4に濃縮槽 2が連設せしめられている。中和・晶出4には酸供給管11およびアルカリ供給管12がそれぞれ接続されている。さらに中和・晶出4内には多管式熱交換器13が設けられており、この多管式熱交換器13には水蒸気供給管131およびドレーン排出管132がそれぞれ接続せしめられている。
【0023】
濃縮槽2と中和・晶出4とは被濃縮液送給管21および水蒸気送給管22のそれぞれによって互いに接続せしめられている。被濃縮液送給管21にはポンプ211が介在せしめられている。また、濃縮槽2内には多管式熱交換器23が設けられており、多管式熱交換器23には水蒸気送給管22およびドレーン排出管231がそれぞれ接続せしめられている。中和・晶出4と濃縮槽 2とで二重効用缶が形成せしめられている。
【0024】
濃縮槽2の頂部は減圧管24を介して最終的にスチームエジェクタ25に接続せしめられている。減圧管24には凝縮器241が介在せしめられている。凝縮器241には冷却水供給管2411および冷却水排出管2412ならびに凝縮液排出管2413および気体排出管2414がそれぞれ接続せしめられている。凝縮器241は気体排出管2414を介してスチームエジェクタ25と接続せしめられている。スチームエジェクタ25には水蒸気供給管251およびドレーン排出管252がそれぞれ接続せしめられている。凝縮液排出管2413とドレーン排出管252とは互いに接続せしめられている。
【0025】
濃縮槽2の底部は濃縮液送給管26を介して遠心分離機3に接続せしめられている。濃縮液送給管26にはポンプ261が介在せしめられている。
遠心分離機3には結晶排出管31および母液排出管32がそれぞれ接続せしめられている。また、母液排出管32は母液貯槽321に接続せしめられている。
【0026】
記中和・晶出槽4と濃縮槽2との間に、中和・晶出槽 4で得られた塩結晶含有中和濃縮液を塩の結晶と母液(以下 中和母液 と記す)とに分離する遠心分離機51ならびに該遠心分離機51で分離された塩の結晶を溶媒に溶解せしめて塩溶液とする結晶溶解槽52および該遠心分離機51で分離された中和母液を貯留せしめる中和母液貯槽53が介在せしめられ、前記結晶溶解槽52が濃縮槽 2に接続せしめられ、中和母液貯槽53が中和・晶出槽4および中和母液排液管533のそれぞれに接続せしめられており、母液貯槽321が濃縮槽2および中和母液貯槽53のそれぞれに接続せしめられている。
【0027】
和・晶出槽4と遠心分離機51とは塩結晶含有中和濃縮液送給管41で接続されており、該塩結晶含有中和濃縮液送給管41にはポンプ411が介在せしめられている。
遠心分離機51には結晶排出管511および中和母液排出管512がそれぞれ接続せしめられている。遠心分離機51は結晶排出管511を介して結晶溶解槽52に接続せしめられている。結晶溶解槽52には溶媒である水を供給する水供給管521が接続せしめられている。
【0028】
また、結晶溶解槽52はポンプ211を介して被濃縮液供給管21により濃縮槽2に接続せしめられている。他方、遠心分離機51は中和母液排出管512によって中和母液貯槽53に接続せしめられている。
中和母液貯槽53は中和母液送出管531を介してポンプ5311に接続せしめられている。ポンプ5311の吐出管は中和母液循環管532と中和母液排液管533とに分岐せしめられている。しかして、ポンプ5311は、中和母液循環管532を介して中和・晶出槽4に接続せしめられ、他方で中和母液排液管533に接続せしめられている。母液貯槽321は母液排出管3213を介してポンプ32131に接続せしめられている。ポンプ32131の吐出管は母液第一循環管3214と母液第二循環管3215とに分岐せしめられている。しかして、ポンプ32131は、母液第一循環管3214を介して濃縮槽 2に接続せしめられ、他方、母液第二循環管3215を介して中和母液貯槽53に接続せしめられている。
【0029】
図1に示された本発明の濃縮装置において、中和・晶出4に酸供給管11およびアルカリ供給管12から酸およびアルカリがそれぞれ供給される。中和・晶出4内の多管式熱交換器13に水蒸気供給管131から水蒸気が供給され、水蒸気は多管式熱交換器13内で凝縮しドレーン排出管132から排出せしめられ、多管式熱交換器13は中和・晶出4内の液を加熱・濃縮する。水蒸気供給管131からの多管式熱交換器13への水蒸気供給量は前記濃縮液送給管26で送給される濃縮液の所望のスラリー濃度に応じて調節される。
中和・晶出4に供給された酸およびアルカリは互いに混合せしめられ、加熱下で中和反応に付され、中和熱を発生し、さらに酸が高濃度で硫酸を含有する場合には希釈熱を発生する。少なくとも中和・晶出4で発生した中和熱および希釈熱によって中和液は濃縮されて塩結晶含有中和濃縮液とされ、かつ、水蒸気が発生せしめられる。
【0030】
中和・晶出槽4において希釈熱および中和熱によって濃縮されて析出せしめられた塩の結晶を多量に含有する塩結晶含有中和濃縮液が、中和・晶出槽 4から排出せしめられ、ポンプ411によって塩結晶含有中和濃縮液送給管41を経由して遠心分離機51に送られ、塩の結晶と中和母液とに分離される。遠心分離機51において分離された塩の結晶は結晶排出管511により結晶溶解槽52に送られる。結晶溶解槽52において塩の結晶は水供給管521から供給された溶媒である水に溶解せしめられ塩溶液とされる。塩溶液は結晶溶解槽52から被濃縮液としてポンプ211によって被濃縮液供給管21を経由して濃縮槽2に送られて濃縮される。
【0031】
他方、遠心分離機51において分離された中和母液は中和母液排出管512を経由して中和母液貯槽53に貯留せしめられる。中和母液貯槽53に貯留せしめられた中和母液は、中和母液送出管531から排出せしめられ、所望に応じて、ポンプ5311によって中和母液循環管532を経由して中和・晶出槽 4に循環せしめられおよび/または中和母液排液管533を経由して系外へ排出せしめられる。
【0032】
中和・晶出槽4で発生せしめられた水蒸気は水蒸気供給管22を経由して濃縮槽2内の多管式熱交換器23に供給され、水蒸気は多管式熱交換器23内で凝縮しドレーン排出管231から排出せしめられ、多管式熱交換器23は濃縮槽2内の液を加熱する。
【0033】
濃縮槽2の内部は、その頂部から凝縮器241を経由してスチームエジェクタ25によって吸引されることにより、中和・晶出4内よりも低圧とされる。凝縮器241内は冷却水供給管2411から供給された冷却水で冷却され、冷却排水は冷却水排出管2412から排出せしめられる。スチームエジェクタ25は水蒸気供給管251から供給された水蒸気によって減圧され、水蒸気は凝縮してドレーン排出管252から排出せしめられる。
【0034】
濃縮槽2内の水蒸気を含有する気体は吸引されて減圧管24を経由して凝縮器241に至り、凝縮器241において冷却されて水蒸気は凝縮せしめられて凝縮液排出管2413から排出せしめられ、他方、非凝縮性の気体は気体排出管2414を経由してスチームエジェクタ25に吸引され、ここでのドレーンと混合されてドレーン排出管 252 から排出せしめられる。ドレーン排出管252から排出せしめられた気体を含有するドレーンは凝縮器241からの凝縮液とともに凝縮液排出管2413から系外に排出せしめられる。
【0035】
中和・晶出4内よりも低圧にされた濃縮槽 2に供給された被濃縮液である塩液は多管式熱交換器23で加熱され水蒸気が発生せしめられて濃縮され、塩の結晶が晶出せしめられる。塩の結晶を含有する濃縮液はポンプ261によって濃縮液送給管26を経由して遠心分離機 3に供給され、結晶と母液とに分離される。遠心分離機3で分離された結晶は結晶排出管31から系外に排出せしめられ、他方、遠心分離機3で分離された母液は母液排出管32を経由して母液貯槽 321 に送られる。
母液貯槽321から母液排出管3213によって母液が排出せしめられ、該母液は、ポンプ32131によって、所望により、母液第一循環管3214を経由して濃縮槽 2へ循環せしめられおよび/または母液第二循環管3215を経由して中和母液貯槽53へ循環せしめられる。
【0036】
本発明の濃縮方法を実施例によってさらに詳細に具体的に説明する。本発明の濃縮方法はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に示された本発明の濃縮装置を使用して、メタクリル酸メチル製造プロセスから排出せしめられ、硫酸水素ナトリウムおよび硫酸を含有する廃液とアンモニアとを混合して硫安の結晶を得るための水蒸気の使用量について検討した。
【0037】
組成が硫酸水素ナトリウム45重量%、硫酸15重量%、有機物5重量%および水35重量%のメタクリル酸メチル製造プロセスからの廃液8.9トン/時間と、アンモニア1.1トン/時間とを混合して濃縮し、窒素含有率20.5%(硫安純度96.5%に相当)の硫安の結晶6.6トン/時間を得た場合の水蒸気の使用量について検討した。
中和・晶出槽において熱源として供給された水蒸気の圧力を1.8kgf/m3G、液温120℃、圧力を大気圧とし、濃縮槽において液温80℃、圧力234Torrとした。また、結晶溶解槽への水の供給量を6.3トン/時間とした。この場合に、中和・晶出槽において熱源として供給された水蒸気の使用量は4.6トン/時間であった。
【0038】
これに対して、濃縮槽において液温110℃、圧力を大気圧とした以外は前記と同様にして行った場合に、中和・晶出槽において熱源とされた水蒸気の使用量は8.0トン/時間であった。
この結果から、前記のように濃縮槽において中和・晶出槽におけるよりも低圧とされた本発明の濃縮方法の場合には、濃縮槽において中和・晶出槽におけると同じ圧力とした場合に比して水蒸気の使用量は約60%に低減せしめられ、本発明の濃縮方法によって水蒸気の使用量の大幅な節減が可能となることを示している。
【0039】
【発明の効果】
本発明によって、中和反応における中和液の濃縮において、濃縮に必要とされる水蒸気の使用量を大幅に節減することが可能となり、さらには純度の高い塩の結晶が容易に、かつ、効率よく得られる。
【図面の簡単な説明】
図1本発明の濃縮装置の代表例のフローシートである。
【符号の説明】
11 酸供給管
12 アルカリ供給管
13 多管式熱交換器
131 水蒸気供給管
132 ドレーン排出管
2 濃縮槽
21 被濃縮液送給管
211 ポンプ
22 水蒸気送給管
23 多管式熱交換器
231 ドレーン排出管
24 減圧管
241 凝縮器
2411 冷却水供給管
2412 冷却水排出管
2413 凝縮液排出管
2414 気体排出管
25 スチームエジェクタ
251 水蒸気供給管
252 ドレーン排出管
26 濃縮液送給管
261 ポンプ
3 遠心分離機
31 結晶排出管
32 母液排出管
321 母液貯槽
3213 母液排出管
32131 ポンプ
3214 母液第一循環管
3215 母液第二循環管
4 中和・晶出槽
41 塩結晶含有中和濃縮液送給管
411 ポンプ
51 遠心分離機
511 結晶排出管
512 中和母液排出管
52 結晶溶解槽
521 水供給管
53 中和母液貯槽
531 中和母液送出管
5311 ポンプ
532 中和母液循環管
533 中和母液排液管

Claims (2)

  1. 中和反応によって塩を製造するに際して、少なくとも中和工程と濃縮工程とを有し、該中和工程において酸とアルカリとの中和により塩を生成せしめ該塩を含有する中和液を少なくとも該中和工程で発生した中和熱で加熱して水蒸気を発生せしめ、かつ、塩の結晶を晶出せしめて塩結晶含有中和濃縮液となし、該塩結晶含有中和濃縮液から塩の結晶を分離し、分離された塩の結晶を溶媒で溶解せしめて塩溶液となし、前記中和工程で発生せしめた水蒸気を熱源として該濃縮工程において前記塩溶液を被濃縮液として前記中和工程におけるよりも低い圧力下で濃縮することを特徴とする濃縮方法。
  2. 中和反応によって塩を生成せしめ該塩を含有する中和液を少なくとも中和熱で加熱して水蒸気を発生せしめ塩の結晶を晶出せしめて塩結晶含有中和濃縮液を得る中和・晶出槽、該中和・晶出槽からの塩結晶含有中和濃縮液から塩の結晶を分離する固液分離手段および該固液分離手段よって分離された塩の結晶を溶媒で溶解して塩溶液を得る結晶溶解槽および前記中和・晶出槽で発生せしめられた水蒸気を熱源として該結晶溶解槽からの塩溶液を被濃縮液として前記中和・晶出槽におけるよりも低い圧力下で濃縮する濃縮槽が連設せしめられ、該濃縮槽は、前記中和・晶出槽と水蒸気送給管ならびに塩結晶含有中和濃縮液送給管、固液分離手段、結晶排出管、結晶溶解槽および被濃縮液送給管によって接続せしめられてなることを特徴とする濃縮装置。
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