JP4117428B2 - ゴルフボ−ル - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明はゴルフボ−ルに係わり、特にボ−ルのいかなる位置で打撃してもキャリ−、キャリ−とランとのト−タルの飛距離、仰角において、一定の特性を得ることが出来る、高性能ゴルフボ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボ−ルにおいて、ディンプル配列やディンプル形状(直径、深さ、断面形状等)は、ゴルフボ−ルの飛び性能に大きな影響を与えるため、従来からゴルフボ−ル表面に多数のディンプルを均等に、且つ密に配列させる配列法が種々提案されている。このようなディンプル配列法としては、従来、正多面体配列、及び半球をその中心より1〜6等分割する方法等が知られている。
【0003】
しかしながら、ゴルフボ−ルは、互いに2等分に分割された割型を分割可能に接合することにより、内部に球状キャビティを形成した成形用金型によって成形され軸対称に成型加工するため、両割型のキャビティ内の頂点間を結んだ線に相当するポ−ル軸回りについては真円度が高くなり、一方、割型の接合面に相当する大円線で囲まれた面上に存在する軸の回りについては、真円度が低くなる傾向がある。そのため、従来のゴルフボ−ルは、その真円度の違いから、ショット位置の違いにより飛び性能に差が生じる場合があり、ル−ルによって特別の場合以外はボ−ルを動かすことが出来ず、あるがままの状態でボ−ルを打撃しなければならないゴルフボ−ル競技にあっては、上記飛び性能のバラツキは大きな問題となる。
【0004】
即ち、ゴルフボ−ルを打撃すると、クラブの番手によって回転数は異なるものの、何れも所謂バックスピンが生じ、この場合図3(A)、(B)に示したように、ボ−ルの打撃箇所によってゴルフボールaの大円線b上に、互いに対向する2点c c、及び中心点dの3点を結ぶ直線eを回転軸とするバックスピンを生じるようにボ−ルaを打撃fする、所謂ポ−ル打撃(A図)と、ボ−ルaの大円線bを円周線とする円形平面gと直交し、かつボ−ルaの中心dを通る直線hを回転軸とするバックスピンを生じるようにボ−ルaを打撃iする所謂シ−ム打撃(B図)とに大別されるが、上述したように上記ポ−ル打ち(A図)の場合は回転軸eの回りが真円でないため、余計な揚力や抗力を受けやすく、一方シ−ム打ち(B図)の場合は回転軸hの回りが真円に近いため、ゴルフボ−ルに余計な揚力や抗力が生じることがなく、そのため単にポ−ル打ちとシ−ム打ちとでディンプルの効果が等しくなるように設計した場合には、ポ−ル打ちの方が真円度の乱れによりディンプルの効果が大きくなり、ゴルフボ−ルに余計な揚力や抗力が生じ、シ−ム打ちした場合とは飛び性能が異なることとなり、ショット箇所による飛び性能にバラツキがしょうじることとなる。
【0005】
一方、ゴルフボ−ルの表面には、そのボ−ルの商標名、図形、ボ−ルナンバ−等を表すマ−クが表示される。このマ−ク表示は、ディンプルを具備したボ−ル表面上の任意位置に、転写テ−プを用い熱転写によって行われる。発明者等が種々検討したところによると、マ−ク表示がなされた部分は、マ−ク材料の厚み分ディンプルの容積が減少し、それによってゴルフボ−ルのシンメトリ−性が損なわれ、マ−ク材料の厚みといえども無視できないことが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記問題点に鑑みなされたもので、ポ−ル打ちとシ−ム打ちとで実質上同じ弾道が得られ、ショット箇所により飛び性能にバラツキを生じることのない、シンメトリ−性に優れたゴルフボ−ルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、球面上全体に亘って複数種類の直径を有するディンプルを多数具えたゴルフボ−ルにおいて、このボール上のゴルフボール成形時の割型接合面に相当する大円線を挟んで、その大円線を赤道とした場合、南北緯度が45度以上であって両極を中心とする両極区域内のみに、転写テ−プによる熱転写マ−クを具備したことを特徴とするゴルフボ−ルを提供する。上記熱転写マ−クを具えたディンプルはその容積が5〜15%減少していることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において熱転写マ−クの配置位置は、ゴルフボ−ル成形時の割型接合面に相当する大円線、即ち赤道線を挟んで、南北45度以上の両極を中心とする区域が好ましい。
両極区域内に配置するマ−クは、互いに同一であることが好ましいが、異なるマ−クであっても差し支えない。
熱転写マ−クはゴルフボ−ル表面上の、陸部、ディンプル位置に関係なく熱転写によってマ−キングが施されるが、施されたマ−クの厚みは、熱転写時において加えられる押圧の関係により、陸部5では比較的薄くなる一方、ディンプル位置においては厚くなり、特に最深部で最大となる傾向がある。その結果、マ−クを具備したディンプル部分は、容積がその分減少するため、ポ−ル打ちの際、ディンプルの効果が抑制されることとなって、シ−ム打ちとの差が殆ど消滅し、それによって、本発明の目的とするゴルフボ−ルの、飛びのシンメトリ−性が有利に改善されるのである。
【0009】
【実施例】
以下図面に基づき説明する。
図1は、本発明における1実施例を示すゴルフボ−ルの平面図、そして図2は、図1におけるディンプル部分の断面拡大図である。
図1においてゴルフボ−ル1 は、その表面全体にディンプル2 を具備し、北極3 を中心に熱転写マ−ク4 を具える。この実施例においては、ディンプル2 につき直径が複数種類(4種)用い、ボ−ルの表面全体に均等に配列されている。
一方、マ−ク4 は、符号4−1の部分につき、商標名を主体とする表示であり、また符号4- 2および符号4- 3の部分は、それぞれボ−ルナンバ−及び図形の表示である。
【0010】
マ−ク4 はゴルフボ−ル製造時において、ボ−ルの両極部に転写テ−プを挟み、押圧パッドを用いて高圧下にマ−クが熱転写される。そのためマ−ク(材料)につき陸部5における厚みt G よりもディンプル2 の、特に底における厚みtDの方が大となる傾向がある。
【0011】
本発明によるゴルフボ−ルのシンメトリ−性を確かめるため、図1示すように、両極区域に各々同一の熱転写マ−ク4 を配置した実施例と、同じ熱転写マ−ク4を一対、ゴルフボ−ルの赤道線において180度異なる位置に配置した比較例との間で実打テストを行った。供試ボ−ル及びテスト方法については、実施例、比較例共次の通りである。
【0012】
供試ボ−ルはツ−ピ−スソリッド構造でラ−ジサイズ、その外表面に直径2.35、3.2、3.5、及び4.0mmの4種類のディンプルを、合計400個均等に配列したものよりなる。
テスト方法としては、ロボットにより1w(ドライバ−)を用いて、ヘッドスピ−ド45m/sでポ−ル打ちした場合と、シ−ム打ちした場合の飛距離の差(キャリ−差)を各5回測定し、それらの平均値をもって評価値とした。その結果、比較例は飛距離差が2.5mであったのに対し、実施例は1.5mと、明確な改善効果が現れた。
【0013】
【発明の効果】
このように、本発明になるゴルフボ−ルは、球面上全体に亘って多数のディンプルを具え、そのボール上の両極区域内に、転写テ−プによる熱転写マ−クを具備したことによって、ゴルフボ−ルの、飛びのシンメトリ−性が有利に改善されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施例を示すゴルフボ−ルの平面図。
【図2】図1におけるディンプル部分の断面拡大図。
【図3】ゴルフボールをショットする場合の打撃方向を説明する説明図であり、(A)はゴルフボ−ルのポ−ル打ちを示す図であり、(B)ゴルフボ−ルのシ−ム打ちを示す図。
【符号の説明】
1 ゴルフボ−ル
2 ディンプル
3 極
4 マ−ク
Claims (6)
- 球面上全体に亘って複数種類の直径を有するディンプルを多数具えたゴルフボ−ルにおいて、このボール上のゴルフボール成形時の割型接合面に相当する大円線を挟んで、その大円線を赤道とした場合、南北緯度が45度以上であって両極を中心とする両極区域内のみに、転写テ−プによる熱転写マ−クを具備したことを特徴とするゴルフボ−ル。
- 上記熱転写マ−クを具えたディンプルはその容積が5〜15%減少していることを特徴とする請求項1記載のゴルフボ−ル。
- 上記両極区域内に、互いに同一の熱転写マークが施された請求項1又は2記載のゴルフボ−ル。
- 上記熱転写マークが、商標名、図形、ボールナンバーを示したものである請求項1、2又は3記載のゴルフボール。
- 上記ディンプルとして、直径の異なる4種類のディンプルを配置する請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 上記ゴルフボールが、ツーピースゴルフボールである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
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JP2000210395A JP2000210395A (ja) | 2000-08-02 |
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ID=11894814
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JP01565799A Expired - Fee Related JP4117428B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | ゴルフボ−ル |
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JP (1) | JP4117428B2 (ja) |
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1999
- 1999-01-25 JP JP01565799A patent/JP4117428B2/ja not_active Expired - Fee Related
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