JP4117338B1 - 真空貼り合わせ装置及び真空貼り合わせ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粘着部材3と対向する保持板2の表面2aに放電電極5を設けると共に、これら粘着部材3の粘着表面3aと放電電極5に電圧を印加する印加手段6と、この印加手段6を作動制御する制御手段7とを備え、この制御手段7は、板状ワークA,Bが保持されておらず粘着表面3aと放電電極5の間に適宜間隔Dが空いた非接触状態で、上記印加手段6を作動させて、これら粘着部材3と放電電極5との間にプラズマ放電を発生させることにより、該粘着表面3aがプラズマエッチングされてその粘着力が再生する。
【選択図】 図2
Description
詳しくは、対向する一対の保持板の一方又は両方に粘着部材を設け、二枚の板状ワークを着脱自在に保持して互いに重ね合わせる真空貼り合わせ装置、及び真空貼り合わせ方法に関する。
特に、酸化による酸素の付着や、液晶ディスプレーの製造に用いられる液晶から揮発したフッ素を含む成分が粘着部材の粘着表面と反応し易いことが分かっており、これらは通常、アルコールなどで拭取っただけでは取除くことができないが、トルエンを含む溶剤などで拭き取れば、粘着表面の極薄層と共にこれらの変成成分が除去されて、粘着力が元の状態に復活することが分かっている。
しかし、このような強い溶剤は、人体に悪影響を与える心配があるため、作業としてはあまり好ましくなく、また、溶剤などで拭き取る作業の間は、生産を停止しなければならないという問題があった。
更に、液晶ディスプレーの大型化につれて、粘着部材の粘着表面を拭き取る面積も大きくなり、拭き取りにかかるメンテナンス時間が大きくなるばかりでなく、使用する薬品の量も多くなり、コスト的にも嵩んでしまうという問題もあった。
また最近、粘着力を低下させる主なる原因として、フルオロカーボンによる影響が大きいことが実験的に分かってきている。
その発生原因としては、液晶材料の中に多く含まれるフッ素原子が、真空中で遊離基となって粘着部材の粘着表面に付着し、これら活性の高いフッ素と粘着表面とが化学反応を起こすことによってフルオロカーボンが粘着表面に生成される。
このように生成されたフルオロカーボンも、トルエンを含む溶剤などで拭き取ることはできるものの、人体に悪影響を与える心配があると共に手間がかかる点では同様であった。
第二の発明は、第一の発明の目的に加えて、既存の装置を利用して僅かな改造のみで粘着部材の粘着力を復活させることを目的としたものである。
第三の発明は、第一の発明の目的に加えて、既存の装置に組み込まれた静電チャックを利用して粘着部材の粘着力を復活させることを目的としたものである。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明または第三の発明の目的に加えて、粘着部材の粘着力を自動的に復活維持することを目的としたものである。
第二の発明は、第一の発明の構成に、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁層を介して前記放電電極を設け、これら保持板の一方と放電電極に前記印加手段で電圧を印加した構成を加えたことを特徴とする。
第三の発明は、第一の発明の構成に、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁材料からなる誘電層とその内部に埋設された電極からなる静電チャックを設け、これら静電チャックの電極と粘着部材が設けられる保持板の一方に前記印加手段で電圧を印加した構成を加えたことを特徴とする。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明または第三の発明の構成に、前記制御手段は、真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して前記印加手段を定期的に作動させるように構成した構成を加えたことを特徴とする。
第五の発明は、対向する一対の保持板の一方又は両方に設けられる粘着部材により、二枚の板状ワークを着脱自在に保持し、これら板状ワークを閉空間の内部で互いに重ね合わせる真空貼り合わせ方法において、前記保持板に前記板状ワークが保持されていない状態で、前記粘着部材が設けられる保持板から、この粘着部材と対向する保持板の表面に設けられた放電電極までの間隔を所定の寸法に保つと共に、前記閉空間の内部を所定の真空度に保ち、その後、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電を発生して、該粘着表面の粘着力を再生させることを特徴とする真空貼り合わせ方法である。
従って、真空貼り合わせ装置の運転過程で粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、トルエンを含む溶剤などで拭き取ることで粘着力を復活させる従来のものに比べ、人体に悪影響を与える心配がなく安全であると共に、生産を停止して拭き取り作業を行うよりも短時間でしかも簡単に行え、メンテナンスコストの大幅な低減化が図れる。
従って、既存の装置を利用して僅かな改造のみで粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、既存の装置への組み込みが容易であり、僅かなコストでプラズマ放電による粘着力の再生ができる。
従って、既存の装置に組み込まれた静電チャックを利用して粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、最小コストでプラズマ放電による粘着力の再生ができる。
従って、粘着部材の粘着力を自動的に復活維持することができる。
その結果、粘着力の低下を考慮することなく安心して運転できる。
このワーク保持状態で、上下保持板1,2のどちらか一方又は両方を昇降手段EでZ方向(上下方向)へ相対的に接近する方向へ移動させ、それとは別の駆動手段(図示せず)によりXYθ方向へ相対的に調整移動させて、基板A,B同士の粗合わせ及び微合わせが順次行われる。
更に、これと略同時に、上記閉空間Sと配管接続される内圧調整手段Vで該閉空間S内が所定の真空度になるまで減圧される。
その他の例として、該粘着部材3の裏面を後述する剥離手段4の基板側表面に固定して、その粘着表面3aが基板A,Bと対向するように配置することも可能である。
その具体例としては、例えばステンレスなどの弾性変形可能な金属製の薄膜やゴムやエンジニアリング‐プラスチックなどの合成樹脂製のダイヤフラムからなる可動膜4aを、上記粘着表面3aと交差する方向へ往復動自在に支持し、この可動膜4aを挟んでその一次側空間に供給される気圧と二次側の閉空間Sとの圧力差やアクチュエータなどで該可動膜4aを往復動させることにより、図示例のように上保持板1に固定された粘着表面3aから基板Aを強制的に押し剥がすか、或いは可動膜4aの基板側表面に固定された粘着部材3を基板A,Bから引き剥がす。
その他の例として可動膜4aに代えてリフトピンなどの押圧部を粘着表面3aと交差する方向へ往復動自在に設けることも可能である。
また、この放電電極5の配置位置としては、該表面1a,2aの全体に配置しても良いし、若しくは粘着部材3と対向する箇所のみに部分的に配置しても良い。
また、この印加手段6の作動タイミングは、上記制御手段7によって真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して定期的に自動制御することが好ましい。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
その他の例として図示しないが、上記直流電源に代えて高周波電源を用いることにより、複数の粘着部材3が分散配置された上保持板1とシート状放電電極5の全面との間に高周波プラズマを発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにすることも可能である。
先ず、図2に示す如く、前記上下保持板1,2の表面1a,2aに基板A,Bが保持されていない状態で、前記制御手段7により上保持板1の表面1aから放電電極5までの間隔Dが適宜寸法に保たれると共に、前記閉空間Sの内部圧力(真空度)が適宜気圧に保たれ、このように粘着力再生条件が満たされると、該制御手段7は印加手段6を作動させて、前記電源8の直流電源から上保持板1に−電位が印加されると共に放電電極5に+電位を印加される。
しかも、この粘着力は大気中で3日間放置した後に測定しても低下しないことも確認できた。
その他の例として図示しないが、上記高周波電源に代えて直流電源を用いることにより、各粘着部材3近くの上保持板1と各放電電極5との間だけに直流(DC)プラズマを発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにすることも可能である。
また、高周波電源を用いて高周波プラズマを発生させた場合には、直流(DC)プラズマを発生させるものに比べ、安定性に優れるという利点もある。
この場合には、高周波電源などの電源8を用いることでプラズマを発生させている。
その他の例として図示しないが、静電チャック10として双極型静電チャック以外の静電チャックを使用することも可能である。
更に、上保持板1の表面1aのみに粘着部材3及び剥離手段4を配置し、下保持板2の表面2aに絶縁層9を介してシート状の放電電極5を積層したが、これに限定されず、図示しないが下保持板2の表面2aに粘着部材3及び剥離手段4を配置し、上保持板1の表面1aに絶縁層9を介してシート状の放電電極5を積層しても良い。
従って、このような場合でも、上述した実施例と同様な作用効果が得られる。
D 間隔 1 保持板(上保持板)
1a 表面 2 保持板(下保持板)
2 表面 3 粘着部材
3a 粘着面 5 放電電極
5′ 電極 6 印加手段
7 制御手段 8 電源
9 絶縁層 9′ 誘電層
10 静電チャック
Claims (5)
- 対向する一対の保持板の一方又は両方に粘着部材を設け、二枚の板状ワークを着脱自在に保持して互いに重ね合わせる真空貼り合わせ装置において、
前記粘着部材と対向する保持板の表面に放電電極を設けると共に、これら粘着部材が設けられる保持板と放電電極とに電圧を印加する印加手段と、この印加手段を作動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記粘着部材と放電電極との間に前記板状ワークが無く適宜間隔を空けた非接触状態で、これら保持板と放電電極とに亘り、プラズマ放電が発生して上記粘着部材の粘着表面と衝突するように上記印加手段を作動させたことを特徴とする真空貼り合わせ装置。 - 前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁層を介して前記放電電極を設け、これら保持板の一方と放電電極に前記印加手段で電圧を印加した請求項1記載の真空貼り合わせ装置。
- 前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁材料からなる誘電層とその内部に埋設された電極からなる静電チャックを設け、これら静電チャックの電極と粘着部材が設けられる保持板の一方に前記印加手段で電圧を印加した請求項1記載の真空貼り合わせ装置。
- 前記制御手段は、真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して前記印加手段を定期的に作動させるように構成した請求項1、2または3記載の真空貼り合わせ装置。
- 対向する一対の保持板の一方又は両方に設けられる粘着部材により、二枚の板状ワークを着脱自在に保持し、これら板状ワークを閉空間の内部で互いに重ね合わせる真空貼り合わせ方法において、
前記保持板に前記板状ワークが保持されていない状態で、前記粘着部材が設けられる保持板から、この粘着部材と対向する保持板の表面に設けられた放電電極までの間隔を所定の寸法に保つと共に、前記閉空間の内部を所定の真空度に保ち、その後、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電を発生して、該粘着表面の粘着力を再生させることを特徴とする真空貼り合わせ方法。
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JP2007287285A JP4117338B1 (ja) | 2007-11-05 | 2007-11-05 | 真空貼り合わせ装置及び真空貼り合わせ方法 |
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