JP4117338B1 - 真空貼り合わせ装置及び真空貼り合わせ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空貼り合わせ装置の運転過程で粘着部材の粘着力を復活させる。
【解決手段】 粘着部材3と対向する保持板2の表面2aに放電電極5を設けると共に、これら粘着部材3の粘着表面3aと放電電極5に電圧を印加する印加手段6と、この印加手段6を作動制御する制御手段7とを備え、この制御手段7は、板状ワークA,Bが保持されておらず粘着表面3aと放電電極5の間に適宜間隔Dが空いた非接触状態で、上記印加手段6を作動させて、これら粘着部材3と放電電極5との間にプラズマ放電を発生させることにより、該粘着表面3aがプラズマエッチングされてその粘着力が再生する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレー(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)やフレキシブルディスプレイなどのフラットパネルディスプレーの製造過程において、CFガラスやTFTガラスなどのガラス製基板か又はPES(Poly-Ether-Sulphone)などのプラスチックフィルムなどからなる合成樹脂製基板などの板状ワークを着脱自在に保持して貼り合わせる真空貼り合わせ装置、及び真空貼り合わせ方法に関する。
詳しくは、対向する一対の保持板の一方又は両方に粘着部材を設け、二枚の板状ワークを着脱自在に保持して互いに重ね合わせる真空貼り合わせ装置、及び真空貼り合わせ方法に関する。
従来、この種の真空貼り合わせ装置として、上下保持板の基板保持面のどちらか一方又は両方に、基板の裏面と対向して粘着保持する粘着部材を接着すると共に、この粘着部材の粘着表面に粘着保持された基板へ向けて該基板保持面側から押圧する剥離手段を設け、閉空間内で粘着部材の粘着表面で基板が部分的に粘着保持され、更に上記剥離手段で各粘着表面と基板との部分的な粘着箇所近くを押圧して強制的に引き離すことにより、夫々の押圧力が各粘着箇所に直接作用して、基板が無理なく剥離されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−351961号公報(第5−7頁、図1−2)
しかし乍ら、このような従来の真空貼り合わせ装置では、粘着部材の粘着表面で基板などの板状ワークを粘着保持するが、このような粘着保持を繰り返し行っていると、粘着材料の酸化による変成や閉空間内を飛散する物質が該粘着表面に付着することによって、使用中に粘着性能が徐々に低下することがある。
特に、酸化による酸素の付着や、液晶ディスプレーの製造に用いられる液晶から揮発したフッ素を含む成分が粘着部材の粘着表面と反応し易いことが分かっており、これらは通常、アルコールなどで拭取っただけでは取除くことができないが、トルエンを含む溶剤などで拭き取れば、粘着表面の極薄層と共にこれらの変成成分が除去されて、粘着力が元の状態に復活することが分かっている。
しかし、このような強い溶剤は、人体に悪影響を与える心配があるため、作業としてはあまり好ましくなく、また、溶剤などで拭き取る作業の間は、生産を停止しなければならないという問題があった。
更に、液晶ディスプレーの大型化につれて、粘着部材の粘着表面を拭き取る面積も大きくなり、拭き取りにかかるメンテナンス時間が大きくなるばかりでなく、使用する薬品の量も多くなり、コスト的にも嵩んでしまうという問題もあった。
また最近、粘着力を低下させる主なる原因として、フルオロカーボンによる影響が大きいことが実験的に分かってきている。
その発生原因としては、液晶材料の中に多く含まれるフッ素原子が、真空中で遊離基となって粘着部材の粘着表面に付着し、これら活性の高いフッ素と粘着表面とが化学反応を起こすことによってフルオロカーボンが粘着表面に生成される。
このように生成されたフルオロカーボンも、トルエンを含む溶剤などで拭き取ることはできるものの、人体に悪影響を与える心配があると共に手間がかかる点では同様であった。
本発明のうち第一の発明は、真空貼り合わせ装置の運転過程で粘着部材の粘着力を復活させることを目的としたものである。
第二の発明は、第一の発明の目的に加えて、既存の装置を利用して僅かな改造のみで粘着部材の粘着力を復活させることを目的としたものである。
第三の発明は、第一の発明の目的に加えて、既存の装置に組み込まれた静電チャックを利用して粘着部材の粘着力を復活させることを目的としたものである。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明または第三の発明の目的に加えて、粘着部材の粘着力を自動的に復活維持することを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明のうち第一の発明は、粘着部材と対向する保持板の表面に放電電極を設けると共に、これら粘着部材が設けられる保持板と放電電極とに電圧を印加する印加手段と、この印加手段を作動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記粘着部材と放電電極との間に板状ワークが無く適宜間隔を空けた非接触状態で、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電が発生して上記粘着部材の粘着表面と衝突するように上記印加手段を作動させたことを特徴とするものである。
第二の発明は、第一の発明の構成に、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁層を介して前記放電電極を設け、これら保持板の一方と放電電極に前記印加手段で電圧を印加した構成を加えたことを特徴とする。
第三の発明は、第一の発明の構成に、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁材料からなる誘電層とその内部に埋設された電極からなる静電チャックを設け、これら静電チャックの電極と粘着部材が設けられる保持板の一方に前記印加手段で電圧を印加した構成を加えたことを特徴とする。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明または第三の発明の構成に、前記制御手段は、真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して前記印加手段を定期的に作動させるように構成した構成を加えたことを特徴とする。
第五の発明は、対向する一対の保持板の一方又は両方に設けられる粘着部材により、二枚の板状ワークを着脱自在に保持し、これら板状ワークを閉空間の内部で互いに重ね合わせる真空貼り合わせ方法において、前記保持板前記板状ワークが保持されていない状態で、前記粘着部材が設けられる保持板から、この粘着部材と対向する保持板の表面に設けられた放電電極までの間隔を所定の寸法に保つと共に、前記閉空間の内部を所定の真空度に保ち、その後、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電を発生して、該粘着表面の粘着力を再生させることを特徴とする真空貼り合わせ方法である。
本発明のうち第一の発明は、粘着部材と対向する保持板の表面に放電電極を設けると共に、これら粘着部材が設けられる保持板と放電電極とに電圧を印加する印加手段と、この印加手段を作動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記粘着部材と放電電極との間に板状ワークが無く適宜間隔を空けた非接触状態で、これら粘着部材の保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電が発生するように上記印加手段を作動させることにより、該粘着表面がエッチングされてその粘着力が再生する。
従って、真空貼り合わせ装置の運転過程で粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、トルエンを含む溶剤などで拭き取ることで粘着力を復活させる従来のものに比べ、人体に悪影響を与える心配がなく安全であると共に、生産を停止して拭き取り作業を行うよりも短時間でしかも簡単に行え、メンテナンスコストの大幅な低減化が図れる。
第二の発明は、第一の発明の効果に加えて、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁層を介して前記放電電極を設け、これら保持板の一方と放電電極に前記印加手段で電圧を印加することにより、該粘着部材が設けられる保持板の一方と、絶縁層を介して絶縁した放電電極との間にプラズマ放電が発生して、粘着表面がエッチングされその粘着力が再生する。
従って、既存の装置を利用して僅かな改造のみで粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、既存の装置への組み込みが容易であり、僅かなコストでプラズマ放電による粘着力の再生ができる。
第三の発明は、第一の発明の効果に加えて、前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁材料からなる誘電層とその内部に埋設された電極からなる静電チャックを設け、これら静電チャックの電極と粘着部材が設けられる保持板の一方に前記印加手段で電圧を印加することにより、通常運転時には静電チャックが板状ワークを吸着保持するために使用され、粘着表面の粘着力を再生する必要がある時には印加手段で上記静電チャックの電極と粘着部材に電圧を印加することにより、静電チャックの電極が放電電極として利用され、この電極と該粘着部材が設けられる保持板の一方との間にプラズマ放電が発生して、粘着表面がエッチングされる。
従って、既存の装置に組み込まれた静電チャックを利用して粘着部材の粘着力を復活させることができる。
その結果、最小コストでプラズマ放電による粘着力の再生ができる。
第四の発明は、第一の発明、第二の発明または第三の発明の効果に加えて、前記制御手段によって前記印加手段を真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して定期的に作動させることにより、粘着表面の粘着力が低下する頃に、この粘着表面と放電電極との間にプラズマ放電が発生して該粘着表面がエッチングされ、その度に粘着力が再生される。
従って、粘着部材の粘着力を自動的に復活維持することができる。
その結果、粘着力の低下を考慮することなく安心して運転できる。
本発明の真空貼り合わせ装置の実施形態は、図1〜図4に示す如く、板状ワークA,Bとして液晶ディスプレー(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)やフレキシブルディスプレイのパネルに用いられるガラス基板を、粘着又は静電吸着若しくは真空吸着やそれらの組み合わせなどのワーク保持手段により夫々着脱自在に保持して貼り合わせる場合を示す。
この真空貼り合わせ装置は、図1(a)〜(c)に示す如く、開閉可能なチャンバなどからなる閉空間Sの内部に、例えば金属やセラミックスなどの剛体で撓み変形しない厚さの平板状に形成された定盤からなる上下一対の保持板1,2を配置し、これら上下保持板1,2の平行に対向する略平滑な表面1a,2aに、二枚の基板A,Bを夫々着脱自在に保持させ、それらを囲む上記閉空間S内が所定の真空度に達してから、基板A,B同士のXYθ方向(水平方向)への位置合わせと重ね合わせが順次行われると共に、両基板A,Bの間を所定のギャップとなるように調整して貼り合わせ工程が完了する。
詳しく説明すれば、これら上下保持板1,2の表面1a,2aには、粘着部材3又は静電チャック若しくは真空吸引チャックやそれらの組み合わせなどからなるワーク保持手段が配備され、これらワーク保持手段によって二枚の基板A,Bを夫々表面1a,2aと接触するように保持する。
このワーク保持状態で、上下保持板1,2のどちらか一方又は両方を昇降手段EでZ方向(上下方向)へ相対的に接近する方向へ移動させ、それとは別の駆動手段(図示せず)によりXYθ方向へ相対的に調整移動させて、基板A,B同士の粗合わせ及び微合わせが順次行われる。
更に、これと略同時に、上記閉空間Sと配管接続される内圧調整手段Vで該閉空間S内が所定の真空度になるまで減圧される。
その後、上述した基板A,B同士の重ね合わせ方法と両者間のギャップ形成方法の一例としては、上方の保持板1から上基板Aを強制的に剥離して、下基板B上に塗布した環状のシール材Cへ瞬間的に圧着することにより、両者間に液晶を封止して重ね合わせ、その後、上記内圧調整手段Vで閉空間S内の雰囲気を大気圧に戻すことにより、これら封止された両基板A,Bの内外に生じる気圧差で、両基板A,Bの間が所定のギャップまで加圧されるようにする。
また、上記ギャップ形成方法の他の例としては、基板A,Bが保持されたまま上下保持板1,2のどちらか一方又は両方を上記昇降手段EでZ方向へ相対的に接近移動させることにより、両者間に環状のシール材Cで液晶を封止して重ね合わせ、その後、そのまま更に接近移動させて加圧することで、これら封止された両基板A,Bの間が所定のギャップになるまで押圧される。
その後、このような両基板A,Bの貼り合わせ工程が完了した後は、上下保持板1,2のどちらか一方又は両方を上記昇降手段EでZ方向へ相対的に離隔する方向へ移動させてから、それら表面1a,2aのどちらか一方から基板A,Bを剥離して閉空間Sの外へ搬出している。
そして、本発明の真空貼り合わせ装置では、図2〜図4に示す如く、上下保持板1,2の表面1a,2aのどちらか一方又は両方に、前記ワーク保持手段として粘着部材3と剥離手段4を設け、この粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と対向する他方の表面には放電電極5を設けると共に、これら粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5に適量の電圧を印加する印加手段6と、この印加手段6に電気的に接続して夫々を作動制御する制御手段7を備えている。
上記粘着部材3は、例えばブチルゴム、フッ素ゴム、感光性樹脂、アクリル系やシリコン系などの粘着材料からなる粘着シートであり、その具体例として裏面が上下保持板1,2の表面1a,2aのどちらか一方又は両方に対し、直接接触させて配置するか又は絶縁性材料からなる絶縁層(図示せず)を介して固定することにより、粘着表面3aを基板A,Bと対向するように配置する。
その他の例として、該粘着部材3の裏面を後述する剥離手段4の基板側表面に固定して、その粘着表面3aが基板A,Bと対向するように配置することも可能である。
この剥離手段4は、上記粘着部材3の粘着表面3aに粘着保持された基板A,Bの一方又は両方を該粘着表面3aから強制的に剥がして隔離するものである。
その具体例としては、例えばステンレスなどの弾性変形可能な金属製の薄膜やゴムやエンジニアリング‐プラスチックなどの合成樹脂製のダイヤフラムからなる可動膜4aを、上記粘着表面3aと交差する方向へ往復動自在に支持し、この可動膜4aを挟んでその一次側空間に供給される気圧と二次側の閉空間Sとの圧力差やアクチュエータなどで該可動膜4aを往復動させることにより、図示例のように上保持板1に固定された粘着表面3aから基板Aを強制的に押し剥がすか、或いは可動膜4aの基板側表面に固定された粘着部材3を基板A,Bから引き剥がす。
その他の例として可動膜4aに代えてリフトピンなどの押圧部を粘着表面3aと交差する方向へ往復動自在に設けることも可能である。
これら粘着部材3及び剥離手段4は、両者を接近させて組となるようにユニット化し、基板A,Bの一方又は両方に対して分散配置することが好ましく、図示例ではスペースの関係上、2組しか配置していないが、基板A,Bの大きさに対応して基板A,Bを移動不能に粘着保持可能な数だけ配置されている。
上記放電電極5は、上述するように固定配置された粘着部材3と対向する上下保持板1,2の表面1a,2aのどちらか一方又は両方に、後述する絶縁性材料からなる絶縁層9を介して配置したり、絶縁体や誘電体の中に埋め込んで配置したり、該表面1a,2aに直接的に配置するなど、いろいろな配置方法がある。
また、この放電電極5の配置位置としては、該表面1a,2aの全体に配置しても良いし、若しくは粘着部材3と対向する箇所のみに部分的に配置しても良い。
上記印加手段6は、例えば直流電源や高周波電源などの電源8と、上記粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方及び放電電極5と電気的に接続されるスイッチからなり、後述する制御手段7の作動に基づいて該電源8から、該粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5へ直流電流や適宜周波数の交流電流を供給して、必要量の電圧が印加されるように構成している。
上記制御手段7は、上記印加手段6及び上述した昇降手段Eや内圧調整手段Vなどの必要な手段と夫々電気的に接続したコントローラーであり、後述する粘着力再生条件を満たしたかどうかを判断し、この接粘着力再生条件を満たした時点で、上記印加手段6を作動させて上記粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5に必要量の電圧を印加することにより、これら粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5との間に例えば直流(DC)プラズマや高周波プラズマ又はマイクロ波プラズマなどのプラズマ放電を発生させて該粘着表面3aがエッチングされるようにしている。
この制御手段7の粘着力再生条件とは、第1に上下保持板1,2の表面1a,2aに基板A,Bが保持されていないこと、第2に粘着部材3及びそれが設けられる保持板1,2の一方と放電電極5の間に適宜間隔が空いていること、第3に粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5の周囲の前記閉空間Sが真空状態に近いことである。
つまり、この印加手段6の作動時には、上記粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方から放電電極5までの間隔Dと、前記閉空間Sの内部圧力(真空度)を、パッシェン(Paschen)の法則及びその関係をグラフに示したパッシェン曲線に基づいてプラズマ放電(火花放電)が発生し易い雰囲気に保つことが好ましい。
また、この印加手段6の作動タイミングは、上記制御手段7によって真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して定期的に自動制御することが好ましい。
このようなプラズマ放電発生装置の具体例としては、図2及び図3に示す如く、上下保持板1,2のどちらか一方の表面に粘着部材3を配置し、また他方の表面には、絶縁層9を介して放電電極5を設け、上記印加手段6で該粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方に−電位を印加すると共に放電電極5には+電位を印加することにより、該粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と、絶縁層9を介して絶縁された放電電極5との間にプラズマ放電を発生させることが好ましい。
更に、上記絶縁層9に代えて図4に示す如く、絶縁材料からなる誘電層9′とその内部に埋設された電極5′からなる静電チャック10を設け、上記印加手段6でこの電極5′に+電位を印加すると共に上記粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方に−電位を印加することにより、これら電極5′と粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方との間にプラズマ放電を発生させることも可能である。
また、その以外の例として図示しないが、保持板1,2のどちらか一方に絶縁層を介して粘着部材3を固定し、他方の表面に放電電極5を直接接触させて配置し、これら粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5に上記印加手段6で電圧を印加することで、該粘着部材3が設けられる保持板1,2の一方と放電電極5との間にプラズマ放電を発生させることも可能である。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図2に示す如く、前記上保持板1の表面1aのみに前記粘着部材3及び剥離手段4を複数組夫々分散配置し、下保持板2の表面2a全体に絶縁層9を介してシート状の放電電極5を積層させ、前記制御手段7に基づく前記印加手段6の作動で、前記電源8から該上保持板1に−電位を夫々印加すると共に、シート状放電電極5に+電位を印加することにより、複数の粘着部材3が分散配置された上保持板1とシート状放電電極5の全面との間にプラズマ放電を発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにした場合を示している。
詳しく説明すれば、この制御手段7は、上記印加手段6以外に、上下保持板1,2をZ方向(上下方向)へ相対的に接近又は離隔する方向へ移動させる前記昇降手段Eと、閉空間S内を減圧又は加圧する前記内圧調整手段Vと電気的に接続して夫々を作動制御しており、上保持板1の表面1aから下保持板2の放電電極5までの間隔Dを約6mm以上に設定すると共に、その周囲の閉空間Sの内部圧力(真空度)を約1000Pa以下、好ましくは数百Paに設定することで、プラズマ放電が発生し易い雰囲気に保ちながら、上記印加手段6を作動させるように制御している。
必要に応じて上下保持板1,2の表面1a,2aに基板A,Bが保持されているかどうかを検出するための検出手段(図示せず)を設け、この検出手段と上記制御手段7を電気的に接続して、上下保持板1,2の表面1a,2aに基板A,Bが保持されていない時のみ、上記印加手段6を作動させるように制御することも可能である。
図2に示す例では、上保持板1の少なくとも表面1aを例えばアルミニウムなどの導電材料で形成し、この表面1aには複数の凹部1bを夫々適宜間隔毎に凹設し、これら凹部1bに対して上記粘着部材3が一体化された導電材料からなる環状の台座3bを夫々嵌入させて取り付けることにより、上保持板1の表面1aから各粘着部材3の粘着表面3aを僅かに突出させるか又は略同一平面状に配置させると共に、これら環状台座3b同士を該表面1aの導電材料と夫々電気的に接続している。
更に、前記剥離手段4として、可動膜4aの外周部を上記環状台座3bに固定配置し、その一次側の内部空間1cと二次側の閉空間Sとの圧力差で該可動膜4aを閉空間Sへ向けて突出変形させることにより、上記粘着表面3aから上基板Aの表面が強制的に押し剥がされるようにしている。
また図2に示す例では、前記電源8として直流電源を用いることにより、複数の粘着部材3が分散配置された上保持板1とシート状放電電極5の全面との間に直流(DC)プラズマを発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにしている。
その他の例として図示しないが、上記直流電源に代えて高周波電源を用いることにより、複数の粘着部材3が分散配置された上保持板1とシート状放電電極5の全面との間に高周波プラズマを発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにすることも可能である。
次に、斯かる真空貼り合わせ装置の作動及び作用効果について説明する。
先ず、図2に示す如く、前記上下保持板1,2の表面1a,2aに基板A,Bが保持されていない状態で、前記制御手段7により上保持板1の表面1aから放電電極5までの間隔Dが適宜寸法に保たれると共に、前記閉空間Sの内部圧力(真空度)が適宜気圧に保たれ、このように粘着力再生条件が満たされると、該制御手段7は印加手段6を作動させて、前記電源8の直流電源から上保持板1に−電位が印加されると共に放電電極5に+電位を印加される。
それにより、各粘着部材3が分散配置された上保持板1と、絶縁層9で絶縁されたシート状放電電極5の全面との間に直流(DC)プラズマか又は高周波プラズマが発生し、各粘着部材3近くに発生した負の自己バイアス電圧により、プラズマから生成されたイオンを加速して、全ての粘着部材3の粘着表面3aに衝突させ、その衝撃によりエッチング(反応性イオンエッチング)され、該粘着表面3aに付着した酸化物や飛散物質やフッ素を含む変成成分やフルオロカーボンなどが削り取られて、その粘着力が再生する。
実験によれば、新品の状態では粘着部材3の粘着表面3aが5000gf程度の粘着力になるように設計されたものを用い、粘着力が2780gfまで低下したところで、閉空間Sの真空度を約1000Pa、直流300Vにて1mAの直流高電圧を印加しつつ、10分間を処理した後、粘着力の測定をした結果、約5000gf近くまで粘着力が戻ったことを確認できた。
しかも、この粘着力は大気中で3日間放置した後に測定しても低下しないことも確認できた。
この実験結果から、上保持板1から各粘着部材3を取り外してトルエンを含む溶剤などで拭き取る手作業を行わなくても、真空貼り合わせ装置の運転過程において少なくとも基板A,Bが保持されておらず各粘着表面3aと放電電極5の間に適宜間隔が空いた非接触状態で印加手段6を作動すれば、各粘着部材3の粘着力を復活できることが実証された。
更に、前記制御手段7によって前記印加手段6の作動タイミングを、真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して定期的に自動制御した場合には、各粘着部材3の粘着力を自動的に復活維持できるという利点がある。
この実施例2は、図3に示す如く、前記下保持板2の表面2a全体に絶縁層9を積層して、この絶縁層9の表面で各粘着部材3と夫々対向する箇所のみ、シート状の放電電極5を部分的に積層し、前記制御手段7に基づく前記印加手段6の作動で前記電源8から、各放電電極5に+電位を夫々印加すると共に、各粘着部材3が分散配置された上保持板1に−電位を夫々印加することにより、分散して相互に対向する各粘着部材3近くの上保持板1と各放電電極5との間だけにプラズマ放電を夫々発生させた構成が、前記図2に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図2に示した実施例1と同じものである。
図3に示す例の場合には、前記電源8として高周波電源を用い、整合器8′を介して電気的に接続することにより、各粘着部材3近くの上保持板1と各放電電極5との間だけに高周波プラズマを夫々発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにしている。
その他の例として図示しないが、上記高周波電源に代えて直流電源を用いることにより、各粘着部材3近くの上保持板1と各放電電極5との間だけに直流(DC)プラズマを発生させて、各粘着表面3aがエッチングされるようにすることも可能である。
従って、図3に示す実施例2は、上述した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて、各放電電極5の配置箇所だけに放電が部分的に発生するため、下保持板2の表面2a全体に絶縁層9を介して積層されるシート状放電電極5の全面に亘り放電が発生する実施例1に比べて、放電効率が向上してその分だけ各粘着表面3aの粘着力の再生効率がアップするという利点がある。
また、高周波電源を用いて高周波プラズマを発生させた場合には、直流(DC)プラズマを発生させるものに比べ、安定性に優れるという利点もある。
この実施例3は、図4に示す如く、前記下保持板2の表面2a全体に、絶縁材料からなる誘電層9′とその内部に埋設された電極5′からなる静電チャック10を積層して設け、前記制御手段7に基づく前記印加手段6の作動で前記電源8から、これら電極5′に+電位を夫々印加すると共に、各粘着部材3が分散配置された上保持板1に−電位を夫々印加することにより、各粘着部材3が分散配置された上保持板1と各電極5′との間にプラズマ放電を夫々発生させた構成が、前記図2に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図2に示した実施例1と同じものである。
この実施例3では、プラズマ放電を発生させる電極5′が、静電チャック10表面の絶縁材料からなる誘電層9′で覆われているため、前記印加手段6の作動で直流電源から直流電圧を印加してもプラズマ放電が発生しない。
この場合には、高周波電源などの電源8を用いることでプラズマを発生させている。
更に、図4に示す例の場合には、前記静電チャック10として同一平面上に一対の電極が配列された双極型の静電チャックを使用し、これら電極5′に異なる極性の電圧を印加した時には、静電吸着により下基板Bを吸着保持し、またプラズマ放電の発生時には上記電極5′への回路を接続して同じ極性とするようにしている。
その他の例として図示しないが、静電チャック10として双極型静電チャック以外の静電チャックを使用することも可能である。
従って、図4に示す実施例3は、通常運転時には上記静電チャック10が下基板Bを吸着保持するために使用され、各粘着表面3aの粘着力を再生する必要がある時には、該静電チャック10の電極5′を放電電極5として使用すれば、これら電極5′と各粘着部材3が分散配置された上保持板1との間にプラズマ放電を発生して各粘着表面3aがエッチングされ、それにより真空貼り合わせ装置に組み込まれた静電チャック10をそのまま利用して各粘着部材3の粘着力を復活できるという利点がある。
尚、本発明の真空貼り合わせ装置が、板状ワークA,Bとして液晶ディスプレー(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)やフレキシブルディスプレイのパネルに用いられるガラス基板を着脱自在に保持して貼り合わせる場合を示したが、これに限定されず、板状ワークA,Bが例えばPES(Poly-Ether-Sulphone)などのプラスチックフィルムなどからなる合成樹脂製基板であっても良い。
更に、上保持板1の表面1aのみに粘着部材3及び剥離手段4を配置し、下保持板2の表面2aに絶縁層9を介してシート状の放電電極5を積層したが、これに限定されず、図示しないが下保持板2の表面2aに粘着部材3及び剥離手段4を配置し、上保持板1の表面1aに絶縁層9を介してシート状の放電電極5を積層しても良い。
従って、このような場合でも、上述した実施例と同様な作用効果が得られる。
本発明の真空貼り合わせ装置の概略を示す縦断正面図であり、その貼り合わせ工程を(a)〜(c)に示している。 本発明の真空貼り合わせ装置の一実施例を示す放電時における縦断正面図である。 本発明の真空貼り合わせ装置の他の実施例を示す放電時における縦断正面図である。 本発明の真空貼り合わせ装置の他の実施例を示す放電時における縦断正面図である。
符号の説明
A ワーク(上基板) B ワーク(下基板)
D 間隔 1 保持板(上保持板)
1a 表面 2 保持板(下保持板)
2 表面 3 粘着部材
3a 粘着面 5 放電電極
5′ 電極 6 印加手段
7 制御手段 8 電源
9 絶縁層 9′ 誘電層
10 静電チャック

Claims (5)

  1. 対向する一対の保持板の一方又は両方に粘着部材を設け、二枚の板状ワークを着脱自在に保持して互いに重ね合わせる真空貼り合わせ装置において、
    前記粘着部材と対向する保持板の表面に放電電極を設けると共に、これら粘着部材が設けられる保持板と放電電極とに電圧を印加する印加手段と、この印加手段を作動制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記粘着部材と放電電極との間に前記板状ワークが無く適宜間隔を空けた非接触状態で、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電が発生して上記粘着部材の粘着表面と衝突するように上記印加手段を作動させたことを特徴とする真空貼り合わせ装置。
  2. 前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁層を介して前記放電電極を設け、これら保持板の一方と放電電極に前記印加手段で電圧を印加した請求項1記載の真空貼り合わせ装置。
  3. 前記保持板のどちらか一方に前記粘着部材を設け、他方の表面に絶縁材料からなる誘電層とその内部に埋設された電極からなる静電チャックを設け、これら静電チャックの電極と粘着部材が設けられる保持板の一方に前記印加手段で電圧を印加した請求項1記載の真空貼り合わせ装置。
  4. 前記制御手段は、真空貼り合わせ装置の稼働時間に対応して前記印加手段を定期的に作動させるように構成した請求項1、2または3記載の真空貼り合わせ装置。
  5. 対向する一対の保持板の一方又は両方に設けられる粘着部材により、二枚の板状ワークを着脱自在に保持し、これら板状ワークを閉空間の内部で互いに重ね合わせる真空貼り合わせ方法において、
    前記保持板前記板状ワークが保持されていない状態で、前記粘着部材が設けられる保持板から、この粘着部材と対向する保持板の表面に設けられた放電電極までの間隔を所定の寸法に保つと共に、前記閉空間の内部を所定の真空度に保ち、その後、これら保持板と放電電極とに亘りプラズマ放電を発生して、該粘着表面の粘着力を再生させることを特徴とする真空貼り合わせ方法。
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