JP4116857B2 - 溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管 - Google Patents

溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、米国石油協会(API)規格でX80〜X100の高強度と優れた変形能および溶接部(溶接金属および溶接熱影響部(HAZ))靭性を有する鋼管及び鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原油・天然ガスを長距離輸送するパイプラインに使用するラインパイプは、(1)高圧下による輸送効率の向上や、(2)薄肉化による現地での溶接効率向上のため、ますます高張力化する傾向にある。これまでにAPI規格でX80までのラインパイプが実用化されているが、さらに高強度のラインパイプに対するニーズがでてきた。現在、X100の高強度ラインパイプはX80級ラインパイプの製造法(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)を基本に検討されているが、これらのラインパイプは低温靭性、特にHAZ靭性の点で問題を抱えており、これらを克服した画期的な高強度鋼管が望まれている。さらに、永久凍土あるいは地震の多発する地域に敷設するパイプラインにおいて、凍土の一部が融解と凍結を繰り返すことおよび地震によりパイプライン自体に歪が加わり、延性亀裂の発生を防止できる変形能の大きい、安全性に優れた鋼管が望まれている。
【0003】
低合金鋼のHAZ靭性は、(1)結晶粒のサイズ、(2)高炭素島状マルテンサイト(M*)、上部ベイナイト(Bu)などの硬化相の分散状態、(3)粒界脆化の有無、(4)元素のミクロ偏析など種々の冶金学的要因に支配される。なかでも、HAZの結晶粒のサイズは低温靭性に大きな影響を与えることが知られており、HAZ組織を微細化する数多くの技術が開発実用化されている。
【0004】
例えば、TiNを微細に分散させ、490MPa級高張力鋼の大入熱溶接時のHAZ靭性を改善する手段がある(例えば、非特許文献3)。しかし、これらの析出物は溶融線近傍においては1400℃以上の高温にさらされるため大部分が粗大化或いは溶解し、HAZ組織が粗大化してHAZ靭性が劣化するという欠点を有する。
【0005】
この問題に対して、鋼中にTi酸化物を微細分散させて、溶接時のHAZにおいて粒内アシキュラーフェライト(以下IGFと呼ぶ)を生成させることにより溶融線近傍のHAZ組織が微細化され、HAZ靭性を改善する技術がある(例えば、特許文献1及び2)。
【0006】
しかしながら、X80以上の高強度になるとTi酸化物からIGFの生成だけでは組織を十分に微細化することができず、HAZ靭性が劣化するため、X80以上の高強度鋼のHAZ靭性の改善が強く望まれている。
【0007】
一方、変形能に関して、面積分率で10〜50%の下部ベイナイトを含有する対座屈特性に優れた鋼管(例えば、特許文献3)、また、平均アスペクト比が2〜15である島状マルテンサイトを面積分率で2〜15%含有する耐座屈特性に優れた鋼管も知られている(例えば、特許文献4)。しかしながらいずれの鋼管も、鋼管母材の耐局部座屈性を向上させることだけを目的としたものであり、溶接金属部を含む鋼管全体の変形能に関するものではない。
【0008】
【非特許文献1】
NKK技報 No.138(1992)、pp.24〜31
【非特許文献2】
The 7th offshore Mechanics Arctic Engineering(1988),volume V,pp.179〜185
【非特許文献3】
「鉄と鋼」(昭和54年6月発行、第65巻第8号1232頁)
【特許文献1】
特開昭63−210235号公報
【特許文献2】
特開平1−15321号公報
【特許文献3】
特開平11−279700号公報
【特許文献4】
特開平11−343542号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好なHAZ靭性および優れた変形能を有するX80以上の高強度鋼管を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0012】
) 質量%で、
C:0.044〜0.1%、
Si:0.6%以下、
Mn:0.8〜2.5%、
P:0.015%以下、
S:0.001〜0.005%、
Nb:0.005〜0.05%、
Ti:0.005〜0.03%、
Al:0.001〜0.005%以下、
Mg:0.0001〜0.005%、
N:0.001〜0.006%、
O:0.001〜0.006%
を含有し、さらに
Ni:0.1〜1.0%、
Cu:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.0005〜0.005%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+Vで定義されるPb値が2.5〜3.5の範囲にあり、MgとAlからなる酸化物を内包する0.01〜0.5μmのTiNが10000個/mm2以上含有し、かつ酸化物と硫化物が複合した形態で0.3質量%以上のMnを含有する0.5〜10μmの粒子が10個/mm2以上含有する母材と
C:0.035〜0.10%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.5〜2.2%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Nb:0.005〜0.1%、
Ti:0.005〜0.03%、
B:0.0003〜0.002%、
Al:0.05%以下、
N:0.001〜0.01%、
O:0.015〜0.05%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ
Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
で定義されるPw値が0.15〜0.3の範囲にある溶接金属部を有し、溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0013】
) 前記溶接金属が、さらに
Ni:0.1〜2.5%、
Cu:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.5%、
Mo:0.1〜1.5%、
V:0.01〜0.1%、
Ca:0.001〜0.005%
のうち1種または2種以上を含有していることを特徴とする上記(1)に記載の溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0014】
上記(1)または(2)に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0015】
(4) 上記(1)または(2)に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織がマルテンサイトを2〜15%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0016】
上記(1)または(2)に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0017】
上記(1)または(2)に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織がマルテンサイトを2〜15%、かつ残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0018】
上記(1)または(2)に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%、マルテンサイトを2〜15%、かつ残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の高強度鋼管について詳細に説明する。
【0022】
本発明の特徴は、低C―Nb−Ti系を基本にMg、NおよびO量を厳格に制限し、かつMgとAlからなる酸化物を内包する微細な炭窒化物、および酸化物と硫化物からなる複合物とを含有させた母材部と低C-Mn-Ti-B系の溶接金属部から構成される鋼管において、良好なHAZ靭性と高い一様伸びを有する高強度鋼管にある。
【0023】
低合金鋼の低温靱性は、(1)結晶粒のサイズ、(2)MAや上部ベイナイト(Bu)などの硬化相の分散状態など種々の冶金学的要因に支配される。なかでもHAZの結晶粒のサイズおよびMA は低温靱性に大きな影響を与えることが知られている。
【0024】
高強度鋼管のHAZにおいて、靭性に有害なMAが多量に生成するためにHAZ靱性が劣化する傾向にある。靭性に有害なMAの悪影響を排除するためにはHAZの結晶粒を徹底的に微細化しなければならない。そこで、HAZにおけるオーステナイト(γ)粒の粗大化を抑制する技術とともに、γ粒内からIGFを生成させる技術の複合効果により、HAZの結晶粒を微細化し、HAZ靭性を著しく改善できることを見出し、本発明に至った。
【0025】
すなわち、Mgの添加によりMgとAlからなる酸化物を内包する微細なTiNなどの炭窒化物を鋼中に生成させることによりHAZにおけるγ粒の粗大化を抑制すること、およびMg、Mn、Sを含む酸化物・析出物からIGFを生成することにより結晶粒を微細化でき、HAZ靱性を向上させることが可能である。MgとAlからなる酸化物を内包する微細なTiNなどの炭窒化物およびMg、Mn、Sを含む酸化物・析出物は高温でも化学的に安定で溶解しないため、γ粒の粗大化抑制効果およびIGFの生成効果が維持される。
【0026】
そこで、溶融線近傍の1400℃以上に加熱されるHAZにおいても化学的に安定な微細な酸化物をピンニング粒子として用いること、および0.5μm以上の酸化物・硫化物をIGFの生成核として用いることにより、HAZ組織を徹底的に微細化する方法を検討した。
【0027】
この結果、まず、微量のMgとAlを含有させることにより、0.01〜0.05μmの微細な(Mg、Al)酸化物が多量に生成することを見出した。0.01〜0.5μmのTiNがこの微細な(Mg、Al)酸化物を核として複合析出するため、1400℃以上の高温においても優れたγ粒のピンニング効果を維持できることを明らかにした。この時、鋼中に含有する0.01〜0.5μmのTiNが10000個/mm未満の場合には、γ粒の粗大化抑制効果が不十分となり、良好なHAZ靱性を得ることができない。そこで、MgとAlから成る酸化物を内包する0.01〜0.5μmのTiNを10000個/mm2以上含有させる必要がある。さらに、このTiNを生成させるためには0.0001%以上のMgを添加する必要がある。Mg添加量が多すぎるとMg系酸化物が増加し、低温靱性を劣化させるのでその上限を0.005%に限定した。さらに、TiNの核となる微細な(Mg、Al)酸化物を生成させるためには、微量のAlを含有させる必要がある。しかしながら、Alの添加により、粗大なアルミナのクラスターが生成し、低温靱性に悪影響を与える。このため、Alの含有量を0.001〜0.005%に限定した。0.001%以上のAl量であれば、微細な(Mg、Al)酸化物を生成させることができる。
【0028】
つぎに、IGF生成の核となる酸化物・硫化物の必要な要件として、酸化物・硫化物の複合体の個数、サイズおよび組成を制御することにより溶融線近傍のHAZにおいてもIGFが生成し、HAZ組織が微細化され、HAZ靭性が改善されることを見出した。
【0029】
まず、IGFの生成核となる酸化物・硫化物の複合体の個数は少なくとも10個/mm2以上必要である。IGF変態核が10個/mm2未満ではHAZ組織の微細化が不十分となり良好なHAZ靭性は得られない。
【0030】
また、IGFの変態核として機能するためには、0.5μm以上の大きさが必要である。0.5μm未満ではIGF変態核として十分に機能せず、HAZ組織の微細化効果が得られない。一方、10μmを超える酸化物・硫化物の複合体の場合、脆性破壊の発生点となるため、良好なHAZ靭性が得られない。
【0031】
さらに、IGFの変態核として機能するためには、0.3質量%以上のMnを含有する必要がある。本発明では、1400℃以上の高温においてγ粒のピンニングに有効な微細な粒子を生成させるために、Mnよりも脱酸力の強いMg、Al、Tiを含有するので、酸化物の中にMnを含有させることは難しい。そこで、Mnを含む硫化物を酸化物上に複合析出させる必要がある。酸化物・硫化物の複合体におけるMn量が0.3質量%未満の場合、十分なIGF生成機能が得られず、HAZ組織は微細化しない。
【0032】
鋼の強度を上昇させるためには、必然的に合金元素の添加量を増加させる必要があるが、HAZ靭性は劣化する。そこで、HAZ靭性を大きく損なうことなく、目標とする強度を得るために合金元素の適正な添加量について検討した結果、Pb値で定義される値を所定の範囲に限定することにより、強度を確保することができることを見出した。また溶接金属部の合金元素添加量についても、Pw値で定義される値を所定の範囲に限定することにより溶接金属の靭性を大きく損なうことなく、目標とする強度を満足できることが判明した。
【0033】
地震多発地域や永久凍土に敷設されるパイプラインには歪が負荷される。この場合、従来は鋼管の母材部に対してだけ高い一様伸びが求められていた。しかしながら、パイプライン全体の変形からみると、最も変形能の小さい溶接金属部がパイプライン全体の変形能に影響をおよぼす。そこで、X80〜X100級鋼管においては、溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であれば、パイプライン全体として十分な変形能が得られることが判明した。
【0034】
一方、母材部の一様伸びを増加させるためには、20μm以下のフェライトを5〜50%含有すること、マルテンサイトを2〜15%含有すること、残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することが必要である。鋼板の製造法として、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了し、700〜850℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で400℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷することにより、高強度と高一様伸びを両立する鋼板が得られることを見出し、本発明に至った。
【0035】
すなわち、本発明の特徴は、鋼管母材として、低C−Nb−Ti-Mg系成分を適用するに際し、目標とする強度を確保するために、合金元素添加量をPb値で定義される適正な範囲に限定すること、および溶接金属として、靭性の劣化を損なうことなく目標とする強度を満足させるために、合金元素添加量をPwで定義される適正な範囲に限定すること、さらにパイプライン全体として優れた変形能を確保するために溶接金属部の管軸方向の引張試験の一様伸びを3%以上にすること、母材部で大きな一様伸びを得るために母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有すること、マルテンサイトを2〜15%含有すること、残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することにある。
【0036】
以下に、鋼管母材の成分限定理由について説明する。
【0037】
Cは母材とHAZの強度、靭性および高い一様伸びを確保するために、0.044%以上の添加が必要である。しかし、0.1%を超えると母材およびHAZの靭性が低下するとともに溶接性が劣化するので、0.1%を上限の値とした。
【0038】
目標とするX80〜X100の強度を満足させるためには、合金元素の添加量の適正化が必要である。すなわち、Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+Vの式で定義されるPb値を2.5〜3.5の範囲にしなければならない。Pb値が2.5未満では目標とするX80以上の強度が確保できない。また、Pb値が3.5を超えるとM*の生成が顕著となり、HAZ靭性が劣化する。このためPb値の範囲を2.5〜3.5に限定した。
【0039】
Siは脱酸や強度向上のため添加する元素であるが、多く添加すると現地溶接性、HAZ靭性を劣化させるので、上限を0.6%とした。鋼の脱酸はTiのみでも十分であり、Siは必ずしも添加する必要はない。
【0040】
Mnは強度、低温靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は0.8%である。しかし、Mnが多すぎると鋼の焼入性が増加して現地溶接性、HAZ靭性を劣化させるだけでなく、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、低温靭性も劣化させるので上限を2.5%とした。
【0041】
本発明において、不可避的不純物であるP量を0.015%以下とする。この主たる理由は母材及びHAZの低温靭性をより一層向上させるためである。P量の低減は連続鋳造スラブの中心偏析を低減させて、粒界破壊を防止し低温靭性を向上させる。
【0042】
Sは本発明において重要な元素である。IGF変態核として酸化物上に硫化物を複合析出させるためには0.001%以上含有しなければならない。しかし、Sが0.005%を超えると母材およびHAZの靭性が劣化するので、0.005%を上限の値とする。
【0043】
Nbは制御圧延時にνの再結晶を抑制して結晶粒を微細化するだけでなく、析出硬化や焼入性の増大にも寄与し、鋼を強靭化する作用を有し、本発明において必須の元素である。この効果を得るためには最低0.005%のNbが必要である。しかしながら、Nb量が多すぎるとHAZ靭性が劣化するので、その上限の値を0.05%に限定した。
【0044】
Tiは微細なTiNを形成し、スラブ再加熱時及びHAZのν粒の粗大化を抑制して、ミクロ組織を微細化して、母材及びHAZの低温靭性を改善し、本発明において必須の元素である。この効果を発揮させるためには、0.005%以上の添加が必要である。また、多すぎるとTiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性を劣化させるので、その上限の値を0.03%に限定した。
NはTiNを形成し、スラブ再加熱時及びHAZのν粒の粗大化を抑制して母材、HAZの低温靭性を向上させる。このために必要な最小量は0.001%である。しかし、N量が多すぎるとスラブ表面疵や固溶NによるHAZ靭性の劣化の原因となるので、その上限の値は0.006%に抑える必要がある。
【0045】
Oは、超微細な(Mg、Al)酸化物を形成して、HAZのγ粒の粗大化抑制効果を発揮すると同時に、0.5μm〜10μmのMg含有酸化物を形成してHAZにおいてIGF変態核として機能する。これらの機能を発揮させるためには、0.001%以上のOが必要である。Oが0.001%未満の場合、10000個/mm2以上の超微細酸化物や10個/mm2以上の0.5〜10μm酸化物を確保することが困難である。しかし、Oが0.006%を超えると10μmを超える粗大な酸化物が生成し、母材やHAZにおいて脆性破壊の発生点となるため、0.005%を上限の値とした。
【0046】
つぎにNi、Cu、Cr、Mo、V、Caを添加する理由について説明する。これらの元素の1種または2種以上を添加する主たる目的は本発明鋼の特徴を損なうことなく、強度・低温靭性などの特性の向上をはかるためである。したがってその添加量は自ら制限されるべき性質のものである。
【0047】
Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、低温靭性を向上させるが、0.1%未満では効果が薄く、1.0%を超えるの添加は溶接性に好ましくないためにその上限の値を1.0%とした。
【0048】
CuはNiとほぼ同様の効果を有すると共に耐食性、耐水素誘起割れ性などにも効果があり、0.1%以上の添加が必要である。しかし、過剰に添加すると析出硬化により母材、HAZ靭性劣化や熱間圧延時にCu−クラックが発生するために、その上限の値を1.0%とした。
【0049】
Crは母材、溶接部の強度を増加させる効果があり、0.1%以上の添加が必要である。しかし、多すぎると現地溶接性やHAZ靭性を著しく劣化させる。このためCr量の上限は1.0%とした。
【0050】
Moは母材及び溶接部の強度を上昇させる元素であるが、1.0%を超えるとCrと同様に母材、HAZ靭性及び溶接性を劣化させる。また、0.1%未満の添加ではその効果が薄い。
【0051】
Vは、ほぼNbと同様の効果を有するが、その効果はNbに比較して格段に弱い。その効果を発揮させるためには0.01%以上の添加が必要である。また、上限は現地溶接性、HAZ靭性の点から0.1%まで許容できる。
【0052】
Caは硫化物(MnS)の携帯を制御し、低温靭性を向上(シャルピー試験における吸収エネルギーの増加など)させるほか、耐サワー性の向上にも著しい効果を発揮する。0.0005%未満ではその効果が薄く、また0.005%を超えて添加するとCaO−CaSが大量に生成してクラスター、大型介在物となり、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性にも悪影響を及ぼす。このためCa添加量を0.0005〜0.005%に制限した。
【0053】
つぎに溶接金属の成分限定理由について説明する。
【0054】
溶接金属の高温割れを防止するために、C量は0.035%以上必要である。0.035%未満では溶接後、凝固する過程でδ凝固が起こり、高温割れが発生するためである。しかしながら、C量が0.1%を超えると、溶接金属の低温靭性が劣化するために、その上限の値を0.1%とした。
【0055】
Siは脱酸や強度向上のため添加する元素であるが、多く添加すると低温靭性や現地溶接性を劣化させるので、上限を0.6%とした。
【0056】
Mnは強度、低温靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は1.0%である。しかし、Mnが多すぎると鋼の焼入性が増加して低温靭性や現地溶接性を劣化させるので、上限を2.2%とした。
【0057】
Nbは鋼を強靭化する作用を有し、0.005%以上必要である。しかし、Nbを0.1%超添加すると現地溶接性や低温靭性に悪影響をもたらすので、その上限を0.1%とした。
【0058】
Ti添加は微細なTiNを形成し、低温靭性を改善する。このようなTiNの効果を発現させるためには、最低0.005%のTi添加が必要である。しかし、Ti量が多すぎるとTiNの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性が劣化するので、その上限は0.03%に限定しなければならない。
【0059】
Bは極微量で鋼の焼入性を飛躍的に高める元素である。このような効果を得るためには、Bは最低でも0.0003%必要である。一方、過剰に添加すると、低温靭性を劣化させるだけでなく、かえってBの焼入性向上効果を消失せしめることもあるので、その上限を0.002%とした。
【0060】
Alは、通常脱酸元素として効果を有する。しかし、Al量が0.05%を超えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を害するので、上限を0.05%とした。
【0061】
NはTiNを形成して低温靭性を向上させる。このために必要な最小量は0.001%である。しかし、多すぎると低温靭性を劣化させるので、その上限は0.01%に抑える必要がある。
【0062】
Oは溶接金属中において酸化物を形成し、粒内変態フェライトの核として作用し、組織の微細化に効果がある。しかし、多すぎると溶接金属の低温靭性が劣化すると共に、スラグ巻きこみなどの溶接欠陥を起こす。このため、O量の下限を0.015%、上限を0.05%とした。
【0063】
さらに本発明では、不純物元素であるP、S量をそれぞれ0.015%以下、0.005%以下とする。この主たる理由は低温靭性をより一層向上させるためである。P量の低減は粒界破壊を防止し、低温靭性を向上させる。また、S量の低減はMnSを低減して、延靭性を向上させる効果がある。
【0064】
つぎにNi、Cu、Cr、Mo、V、Caを添加する理由について説明する。
【0065】
基本となる成分にさらに、必要に応じてこれらの元素を添加する主たる目的は本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、溶接金属の強度・低温靭性などの特性の向上をはかるためである。したがって、その添加量は自ら制限されるべき性質のものである。
【0066】
Niを添加する目的は、低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく、強度を上昇させるためである。しかし、添加量が多すぎると経済性だけでなく、低温靭性などを劣化させるので、その上限を2.5%、下限を0.1%とした。
【0067】
CuはNiと同様に低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく、強度を上昇させる。しかし、過剰に添加すると低温靭性が劣化するので、その上限を1.0%とした。Cuの下限0.1%は添加による材質上の効果が顕著になる最小値である。
【0068】
Crは強度を増加させるが、多すぎると低温靭性や現地溶接性を著しく劣化させる。このため、Cr量の上限を1.5%、下限を0.1%とした。
【0069】
Moを添加する理由は、鋼の焼入性を向上させるためである。この効果を得るためには、Moは最低0.1%必要である。しかし、過剰なMo添加は低温靭性、現地溶接性を劣化させるので、その上限を1.5%とした。
【0070】
Vは、ほぼNbと同様の効果を有するが、その効果はNbに比較して弱い。Vは歪誘起析出し、強度を上昇させる。下限は0.01%、その上限は現地溶接性、低温靭性の観点から0.1%まで許容できる。
【0071】
Caは硫化物(MnS)の形態を制御し、低温靭性を向上(シャルピー試験における吸収エネルギーの増加など)させる。しかし、Ca量が0.001%未満では実用上効果がなく、また0.005%を超えて添加するとCaO−CaSが大量に発生して、溶接欠陥を発生させる。このためCa添加量を0.001〜0.005%に限定した。
【0072】
さらに、溶接金属部においてX80〜X100の強度を満足させるためには、合金元素添加量の適正化が必要である。すなわちPw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nbで定義されるPw値を0.15〜0.3の範囲に制限しなければならない。Pw値が0.15未満ではX80以上の溶接部強度が確保できない。また、Pw値が0.30を超えるとM*の生成が顕著となり、靭性が劣化すると共に、低温割れが発生する。このためPw値の範囲を0.15〜0.3に限定した。
【0073】
つぎに高い変形能を得るための限定理由について以下に述べる。
【0074】
地震多発地域や永久凍土に敷設されるパイプラインにおいて歪が負荷される場合、母材部の変形能ばかりでなく、溶接金属部の変形能も重要な因子であることが判明した。X80〜X100級鋼管においては、溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であれば、延性亀裂の発生が防止できる。
【0075】
母材の一様伸びを大きくするためには20μm以下のフェライトを5〜50%含有すること、マルテンサイトを2〜15%含有すること、残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することが必要である。
【0076】
フェライト粒径が20μmを超えると母材の靭性が著しく低下するので、フェライト粒径の上限の値は20μmである。フェライト分率が5%未満の場合、一様伸びの向上効果が得られず、50%を超えると十分な強度が得られないため、フェライト分率の含有量を5〜50%に限定した。
【0077】
マルテンサイト分率が2%未満の場合、一様伸びの向上効果が得られず、15%を超えると低温靭性が劣化するため、マルテンサイト分率の含有量を5〜15%に限定した。
【0078】
残留オーステナイト(γ)分率が2%未満の場合、一様伸びの向上効果が得られず、12%を超えると十分な強度が得られないため、残留オーステナイト(γ)分率の含有量を2〜12%に限定した。
【0079】
鋼板の製造法として、鋳片を1000〜1200℃に加熱した後、950℃以下での圧下率を50%以上とし、700〜850℃の温度範囲で圧延を終了した後、700〜850℃の温度範囲から2℃/秒以上の冷却速度で400℃以下の任意の温度まで冷却することが好ましい。
【0080】
まず、再加熱温度を1000〜1200℃の範囲にしたのは、再加熱温度はNb析出物を固溶させ、圧延中の組織を微細化し、優れた低温靭性を得るために1000℃以上としなければならない。しかし、再加熱温度が1200℃を超えると、ν粒が著しく粗大化し、圧延によっても完全に微細化できないため、優れた低温靭性が得られない。このため再加熱温度の上限を1200℃とした。
【0081】
さらに950℃以下の累積圧下率を50%以上、圧延終了温度を700〜850℃としたのは、再結晶域圧延で微細化したν粒を低温圧延によって延伸化し、結晶粒の徹底的な微細化をはかって低温靭性を改善するためである。累積圧下率が50%未満ではν組織の延伸化が不十分で、微細な結晶粒が得られない。また、圧延終了温度が850℃超では、例えば累積圧下率が50%以上でも微細な結晶粒は達成できない。また、圧延温度が低すぎると過度のν/α2相域圧延となり、低温靭性が劣化するので、圧延終了温度の下限を700℃とした。
【0082】
圧延後、鋼板を加速冷却する。加速冷却は、低温靭性を損なわずに強度の増加及びミクロ組織の制御に基づく一様伸びの向上を可能にする。加速冷却の条件としては、圧延後700〜850℃の温度範囲から冷却速度2℃/秒以上で400℃以下の任意の温度まで冷却し、その後空冷しなければならない。冷却を開始する温度が850℃を超えると、一様伸びが低下する。また、冷却を開始する温度が700℃未満の場合、十分な強度が得られない。したがって、冷却を開始する温度範囲を700〜850℃にすることが好ましい。また、冷却速度が小さすぎたり、冷却停止温度が高すぎると加速冷却の効果が十分に得られず、十分な強度を得ることができない。
【0083】
本発明は厚板ミルに適用することが最も好ましいが、ホットコイルにも適用できる(この場合、圧延冷却後の鋼板は巻き取られ、冷却される)。また、この方法で製造した鋼板は低温靭性に優れているので、寒冷地におけるパイプラインのほか圧力容器などにも適用できる。
【0084】
【実施例】
本発明の実施例について述べる。転炉−連続鋳造法で種々の鋼成分の鋼片から製造された鋼板を用いて、鋼管を製造し、諸性質を調査した。鋼管溶接部の特性は内外面の1層のSAW(サブマージドアーク溶接)を実施した後、鋼板1/2t部より採取したシャルピー試験片を用いて評価した。ノッチ位置は溶接金属中央及びHAZ(内面溶接と外面溶接の溶接金属が交わる点から1mm)とした。また、引張試験は直径12.7mm、ゲージレングス50.8mmの丸棒引張試験片を使用した。試験の条件、結果を第1表−1〜3に示す。第1表−1は、鋼管母材と溶接金属の化学成分を示し、第1表−2に酸化物の個数、鋼板製造条件および組織を示し、そして、第1表−3に鋼管母材の機械的性質、鋼管溶接部の機械的性質を示した。表から明らかなように、本発明の鋼管は優れた強度(YS、TS)、一様伸び(uEl)、低温靭性、溶接部靭性を有する。これに対して比較鋼は化学成分や具備すべき条件が適切でなく、いずれかの特性が劣る。
【0085】
鋼9はC量が少ないため、母材の強度がX80を満足しない。鋼10はS量が少ないため、HAZ靭性が劣る。鋼11は母材のAl量が少ないため、HAZ靭性が劣る。鋼12は母材のAl量が多いため、HAZ靭性が劣る。鋼13は母材のMg量が少ないため、HAZ靭性が劣る。鋼14は母材のMg量が多いため、母材の靭性が劣る。鋼15は母材のPb値が低すぎるため、目標の強度を満足しない。鋼16は母材のPb値が高すぎるため、HAZ靭性が劣る。鋼17は溶接金属のC量が少ないため、溶接金属の高温割れが発生する。鋼18は溶接金属のC量が多すぎるため、溶接金属の低温靭性が劣る。鋼19は溶接金属のPw値が低すぎるため、溶接部の強度が低い。鋼20は溶接金属のPw値が高すぎるため、溶接金属の靭性が劣る。鋼21はMgとAlからなる酸化物を内包する0.01〜0.5μmのTiN、すなわちピン止め粒子の個数が少ないため、HAZ靭性が劣る。鋼22は酸化物と硫化物が複合した形態で0.3質量%以上のMnを含有する0.5〜10μmの粒子、すなわちIGF変態核の個数が少ないため、HAZ靭性が劣る。鋼23は20μm以下のフェライト分率が5%未満であるために十分な一様伸びが得られない。鋼24は20μm以下のフェライト分率が50%を超えるために十分な強度が得られない。
【0086】
鋼25はマルテンサイト量が少なく、十分な一様伸びが得られない。鋼26はマルテンサイト量が多すぎるため、母材の低温靭性が劣化する。鋼27は残留γ量が少ないため十分な一様伸びが得られない、鋼28は残留γ量が多すぎるために十分な強度が得られない。鋼29はスラブ再加熱温度が1000℃以下であるために十分な低温靭性が得られない。鋼30はスラブ再加熱温度が1200℃を超えるために優れた低温靭性が得られない。鋼31は950℃以下の圧下量が50%未満であるために良好な低温靭性が得られない。鋼32は圧延終了温度が850℃を超えるために良好な低温靭性が得られない。鋼33は圧延終了温度が700℃未満であるために良好な低温靭性が得られない。鋼34は冷却開始温度が850℃を超えるために良好な一様伸びが得られない。鋼35は冷却開始温度が700℃未満であるために十分な強度が得られない。鋼36は冷却停止温度が400℃を超えるために十分な強度が得られない。鋼37は冷却速度が小さいために十分な強度が得られない。
【0087】
【表1】
Figure 0004116857
【0088】
【表2】
Figure 0004116857
【0089】
【表3】
Figure 0004116857
【0090】
【表4】
Figure 0004116857
【0091】
【表5】
Figure 0004116857
【0092】
【表6】
Figure 0004116857
【0093】
【表7】
Figure 0004116857
【0094】
【表8】
Figure 0004116857
【0095】
【発明の効果】
本発明によるHAZ靭性に優れ、高い変形能を有する高強度鋼管(API規格X80〜X100)をパイプラインに採用することにより、パイプラインの安全性が著しく向上すると共に、輸送効率が飛躍的に改善された。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.044〜0.1%、
    Si:0.6%以下、
    Mn:0.8〜2.5%、
    P:0.015%以下、
    S:0.001〜0.005%、
    Nb:0.005〜0.05%、
    Ti:0.005〜0.03%、
    Al:0.001〜0.005%以下、
    Mg:0.0001〜0.005%、
    N:0.001〜0.006%、
    O:0.001〜0.006%
    を含有し、さらに
    Ni:0.1〜1.0%、
    Cu:0.1〜1.0%、
    Cr:0.1〜1.0%、
    Mo:0.1〜1.0%、
    V:0.01〜0.1%、
    Ca:0.0005〜0.005%
    の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
    Pb=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+Vで定義されるPb値が2.5〜3.5の範囲にあり、MgとAlからなる酸化物を内包する0.01〜0.5μmのTiNが10000個/mm2以上含有し、かつ酸化物と硫化物が複合した形態で0.3質量%以上のMnを含有する0.5〜10μmの粒子が10個/mm2以上含有する母材と
    C:0.035〜0.10%、
    Si:0.6%以下、
    Mn:1.5〜2.2%、
    P:0.015%以下、
    S:0.005%以下、
    Nb:0.005〜0.1%、
    Ti:0.005〜0.03%、
    B:0.0003〜0.002%、
    Al:0.05%以下、
    N:0.001〜0.01%、
    O:0.015〜0.05%
    を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ
    Pw=C+0.11Si+0.03Mn+0.02Ni+0.04Cr+0.07Mo+1.46Nb
    で定義されるPw値が0.15〜0.3の範囲にある溶接金属部を有し、溶接金属部の管軸方向の引張試験における一様伸びが3%以上であることを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  2. 前記溶接金属が、さらに
    Ni:0.1〜2.5%、
    Cu:0.1〜1.0%、
    Cr:0.1〜1.5%、
    Mo:0.1〜1.5%、
    V:0.01〜0.1%、
    Ca:0.001〜0.005%
    のうち1種または2種以上を含有していることを特徴とする請求項1に記載の溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  3. 請求項1または2に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  4. 請求項1または2に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織がマルテンサイトを2〜15%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  5. 請求項1または2に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  6. 請求項1または2に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織がマルテンサイトを2〜15%、かつ残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
  7. 請求項1または2に記載の鋼管において、さらに母材部の金属組織が粒径20μm以下のフェライトを5〜50%、マルテンサイトを2〜15%、かつ残留オーステナイト(γ)を2〜12%含有することを特徴とする溶接部靭性および変形能に優れた高強度鋼管。
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