JP4116532B2 - 2両連結乗用中間傾斜電動モノレール - Google Patents

2両連結乗用中間傾斜電動モノレール Download PDF

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Description

この発明は、丘陵地にある住宅地などの傾斜の多い道に設けられ高齢者や介助者が座坐しあるいは車椅子ごとに乗車して坂道を安楽に通行することができる4人乗りの2両連結乗用中間傾斜電動モノレールに関する。神戸、尾道、長崎などでは海からすぐに丘陵が続き丘陵の途中から頂上にかけて住宅が立ち並んでいる。風光は明媚であるが歩行者にとっては必ずしも好都合でない。自動車で上り下りできない狭く傾斜のきつい道の両側にも家屋がある。広くて古い家屋には老人が住んでいることも多い。
傾斜の強い細い道を毎日歩いて上り下りするのは年老いた者にとってつらいものである。足腰が弱り車椅子で通行することを余儀なくされることもある。介護者が車椅子を押して傾斜地の細径を往来すると一層介護者の疲労をつのらせる。古い住宅地は道が細くて自動車が通らないこともある。坂道が階段になっている場合は車椅子の通行はさらに難しい。車椅子のお世話にならない老人であっても毎日、急坂を上り下りするのは気が滅入ることである。
エスカレータを設置すれば急坂を昇降するのは楽になる。しかしそれは極めて高コストの乗り物である。短い距離をつなぐものでも建設費は膨大である。市町村が容易に負担できるものではない。
本発明者は丘陵地の多い近郊住宅地において全く新しい通行手段として乗用モノレールを提案したい。モノレールはエスカレータよりもずっと少ない投資によって設置できる。エスカレータのように頻繁な保守点検は不要であるという利点がある。
電動モノレールの技術が次第に熟してきた。電動であれば様々な制御を行う自由度が生ずる。本発明は新規な電動乗用モノレールの乗用台車を水平に保持するような機構に関するものである。レールが傾斜しているので台車も同じように傾斜するというのが普通のモノレールである。しかし車椅子に座っているとか足腰の弱い老齢者が乗車するのだから台車は水平に保持したい、という要望も強い。
それで本発明は台車を常時水平になるようにする。その時に一層の工夫をしたい。前端の軸を中心にして後端を持ち上げるのではなく、中間に軸を設け中間軸まわりに台車を走行車架にたいして回転させる。前半分では台車が沈む。後半分では台車が持ち上がる。平均としての高さは殆ど変わらず重心が上がらない。重心が持ち上がらないから安定性に優れる。本発明はそのような電動乗用モノレールを与える。ここで台車の前とか後ろというのは、レールが高い方が前、低い方が後ろとして定義する。山側が前、麓側が後ろである。前端というのは山側の端、後端というのは麓側の端である。
モノレールといっても本発明が対象にするのは極めて小規模で低速で小人数用の乗り物である。本発明におけるモノレールの概念を初めにハッキリしておこう。乗用モノレールといえば浜松町と羽田の間のモノレールを思い浮かべるであろう。それは高架の上に設けた水平の道の上を大量の乗客を載せて走行する有料の都市交通手段である。平坦な道路とタイヤが用いられ摩擦力に頼って動くのでほんの弱い傾斜地ですら上り下りすることはできない。
本発明はそのような通勤客を大量に載せるための都市交通手段としてのモノレールではない。徒歩の代替手段としての4人乗りの2両連結電動の乗用モノレールである。大量交通手段のモノレールとは規模だけでなく、レールが違う。台車も違う。ラック・ピニオンで動くという特性でも違う。
そのような小型乗用モノレールは未だ実現していない。高齢者が増加してゆくにしたがって小型乗用モノレールは通行手段として極めて有用であろう。
もともと本出願人のモノレールは単軌条運搬車と呼ばれた。レ−ルは角型断面の筒体1本で側方にラックが溶接されている。駆動はエンジン駆動である。駆動車両には駆動ピニオンが付いておりラックと噛み合っている。45度の急勾配でも安全に上り下りできるものである。山岳地帯での農作業、林業において、農産物、肥料、木材などの運搬に用いられた。無人の運搬車であった。初期のものは200kg程度の荷物搭載量であった。土木用になると1tの土石セメントなどを運搬するものもある。
速度は遅くて人間の歩行速度よりも遅い。しかしそのような丘陵、山岳の道無き道をなんなく走行できるし小型だから有用な運搬手段である。山岳地であるとレ−ル敷設の自由度が高いので傾斜を一定にするとか彎曲をどうするかということは比較的自由に決めることができる。
単軌条運搬車は荷物運搬が目的で無人が原則であった。その内に林業の現場まで作業員を運ぶための手段としても用いられるようになった。レ−ルの強度を増強し耐荷重性を高めた。動力車と台車を分離して単軌条運搬車を大型化した。
山間僻地に設けられる単軌条運搬車は電力線を引くことができない。ガソリン(潤滑油を含んだ混合油)を燃料として携行しエンジンで駆動する動力車が用いられた。電気が使えないので細かい制御を行う装置などを搭載できない。
始点での発進は、人手によるレバー切り換え、キースイッチ操作などによって行う。終点での停止は地中に立てたストッパが動力車から垂下して自動停止レバーを叩くことによって行う。電気を使わず純機械的な構成になっていた。本出願人は荷物搬送用の無電気単軌条運搬車を数多く発明している。多すぎるのでここでは荷物用の単軌条運搬車の従来例は挙げない。
市街地で乗用小型の単軌条運搬車とする場合は電力線を引くことができる。電気を使う事ができるから市街地での乗用のモノレールは様々の機能を与えることができる。
住宅地での歩行の代替手段として本発明者によって提案されたモノレールとしては次のようなものがある。
特許文献1は都市近郊における交通手段として初めて提案されたものである。1本レ−ルを空中に架設して空中レ−ルに電動動力車を取り付け、これに乗用台車を懸垂させたものである。空中架設レールから台車を懸架しているから安定感がある。レールを保持する支柱や梁の構造が肥大化する。傾斜地では台車も同じ角度だけ傾斜する。傾斜補正の機構はない。
特許文献2も都市近郊の住宅地で狭い坂道に設けて歩行代替通行手段とする事を目指す。レ−ルは空中でなく地上低く設ける。その方がレ−ル敷設コストが低いからである。狭い曲がりくねった道でも敷設できるように横レ−ル受の取り付け構造に工夫がなされている。これも傾斜地ではレールと同じ角度だけ台車も傾斜する。傾斜を緩和し水平に近づける機構は存在しない。
特許文献3も都市近郊住宅街で狭い坂道に設置し歩行者の補助を目指すものであるが、車椅子を載せることができるようにしてある。レールが傾斜していても台車は水平を保持できるように、台車枠と走行車架枠を前端の軸で枢結し、モータで車架にそって前後に動くアームで台車枠中間部を持ち上げて台車が水平になるようにする。
本発明に最も近いものはこれである。これはしかし前端に軸があって台車を前端軸周りに持ち上げるので、台車の前後長が大きい場合は台車の隆起高さが大きくなり不安定になるという問題がある。それにアームには必ず下向きの大きい荷重がかかっており、それがモータに対する大きい負担となる。
もっと古いもので一人乗りの小型単軌条運搬車で機械的に水平を維持するようにしたものもある。いずれも本出願人によるものである。
特許文献4は動力車の上に一人乗りの座席を付け、後ろに荷物運搬車を連結したものである。レ−ルの傾斜角が変動すると座席が前後に傾くので、座席の上へ伸びるアームを設けアームの上にピンを付けピンによって椅子を吊り下げている。椅子の下には鋸歯をもつ円弧状ラックを付け、ラックの歯に下からプランジャがはまりこむようになっている。椅子が前後に傾くとプランジャを後退させ椅子を自由に懸架した状態にする。椅子は重力の方向に垂下され傾斜を自動的に修正するから、その位置で再びプランジャをラックに噛み合わせる。そのようにして椅子(座席)の傾きを修正する。ブランコ型と呼ぶことができよう。
特許文献5も動力車の上に一人乗りの座席を付け後ろに荷物運搬車を連結したものである。レ−ルの傾斜角が変動すると座席が前後に傾く事を問題にする。しかし椅子の上にアームを付けるブランコ型だと重心が上がり装置としても大がかりになる。そこで動力車の上に円弧状の短いガイドレールを固定し、椅子の下には前後2対のガイドローラを付けガイドローラが円弧状のガイドレールの上を転動するようにする。プランジャで位置を仮固定するのは前記と同様である。円弧状のガイドレールの上をガイドローラが転動するから実質的にブランコと同様の角度修正ができるはずである。
特許文献6も動力車の上に一人乗りの座席を付け後ろに荷物運搬車を連結したものである。レ−ルの傾斜角が変動すると座席が前後に傾く事を問題にする。しかし椅子の上にアームを付けるブランコ型だと重心が上がり装置としても大がかりになる。そこで(4)とは反対に動力車の上にガイドローラを二つ前後に設け、椅子の下に円弧状の短いガイドレールを固定し、椅子の下には前後2対のガイドローラを付けガイドローラがガイドレールの上を前後回動するようにする。プランジャで位置を仮固定するのは前記と同様である。円弧状のガイドレールの上をガイドローラが転動するから実質的にブランコと同様の角度修正ができるはずである。
特願2000−343045「乗用懸垂型単軌条運搬車」(特開2002−145054)
特願2001−253921「地上型乗用単軌条運搬車」(特開2003−63382)
特願2001−337312「傾斜角制御電動モノレール」(特開2003−137088)
特公平1−24099号(特願昭58−166843号)
特公平1−24661号(特願昭58−166844号)
特公平1−24662号(特願昭58−183800号)
傾斜の多い住宅地の細径を高齢の人や身体機能の不自由な人が通行する困難を一部軽減するための無料短距離乗用のモノレールを提供したい。エスカレータは乗降に便利で清潔であり誰でも容易に利用できて優れたものであるが敷設の費用は莫大であり維持管理費も嵩む。既存の道は狭く傾斜がきついのであるから本出願人が開発製造してきた実績ある単軌条運搬車は最適の通行手段である。
さらに定員2人や定員4人でなくて、最大8人乗りのものを提供したい。モノレールはレールが角型1本レールによって荷重を支えるので横幅が限られる。ために横には2人を越えて載せることはできない。前後方向に延ばすと水平にすることが難しいので、8人定員となると2両に分ける必要がある。モノレールはレールに分岐がなく1本しかない。2両にして独立に運行させると衝突する可能性もある。衝突が起こらないようにしなければならない。
単軌条運搬車はレ−ルの上に走行装置があり、その上に台車枠が付くのでレ−ルの傾斜と台車の傾斜は等しい。地形によるがレールの傾斜は大きく30度にも達することがある。そのような傾斜地でもなんなく走行できるのは単軌条運搬車の優れたところであるが、乗客にとってはあまり気持ちの良いものではない。
下向き座席が下向きに傾くのは危険である。そうすると座席は上向きにしか設けることができない。上向き座席で最大傾斜の時に水平になるように座席を床に対し斜めに設ける。台車が水平の時は後ろ向きに傾いた座席となる。
上向き座席だけだと乗客定数を増やすことができない。横並び2人がけ座席はできるが、対向4人がけの座席は設けられない。だから下向き座席も設置できるようにしたい。それに老齢者や車椅子が乗るとすると台車が傾くのは好ましくない。そこで座席でなく台車の全体をレールの傾斜を打ち消すように持ち上げて常に水平に保持したいものである。
本発明は、住宅地に設けられる小型乗用モノレールにおいて台車の床を常に水平に維持できるようなモノレールを提供することを第1の目的とする。それは上記の本出願人の手になる特許文献3の特開2003−137088に初めて問題にされた課題である。これは走行車架枠と台車枠とを前端(傾斜側)で回転主軸によって枢結し、台車枠にアームの先端を枢支し、走行車架にはモータによってボール螺子軸を回転させ、それに螺合する螺子によってアーム他端を引き戻し台車枠を押し上げるようになっていた。レールの傾斜は傾斜センサによって検出する。傾斜角Υに応じてモータの回転量を調整してアームを立てて傾斜角を増やしたり、アームを寝かせて傾斜角を減らしたりする。
これは確かに水平を維持するようにできるのであるが、傾斜角が大きいときにアームによる台車枠の持ち上げ量が大きくなるから重心が上がる。レールがきつく傾いているときに台車の重心が上がるという事は2重に不安定性を与えるということになる。たとえば台車の前後方向の中心から回転軸までの距離を1.2mとして、回転軸廻りに35度台車を持ち上げたとすると、台車の重心は69cmも上がってしまう。重心はそれですむが、台車の後端は140cmも車架から浮いてしまうので不安定性は倍加される。
そういう不安定性の他にモータにかかる荷重がΥ=0(水平)とΥ=30度(傾斜)のときで大きく異なるという問題がある。Υ=0の近傍でのアームの傾角が小さいのでモータ負荷が大きくなる。つまりモータの回転角と傾斜角θの関係が著しく非線形であって水平に近いときにモータ回転に対する傾斜角の変動が大きくて一様な負荷とならない。前端を中心にして台車枠を持ち上げるからアームには必ず押圧力がかかる。だからモータには常に引っ張り力がかかる。動力学的にも最良のものとは言えない。
本発明は台車枠を、走行車架に対して傾斜させたときにおいて台車が不安定にならないようにした水平維持可能なモノレールを提供することを第2の目的とする。さらに本発明は、アームに働く力を著しく軽減した水平維持乗用モノレールを提供すことが第3の目的である。
2両連結の乗用電動モノレールであって、それぞれの車両は走行装置、台車を備え、レ−ルを走行する走行装置には走行装置枠を設け、車椅子収納スペース、座席、床、屋根などを有する台車は台車枠に取り付け、走行装置枠と台車枠を前後方向に中間のある部位で回転軸によって枢結し、走行装置枠に対しては前後に移動できる下移動枢軸を設け、角度調整モータによって正逆に回転するボールネジのナットに下枢軸を結合し、台車枠の回転軸より後方に上固定枢軸を設け、上固定枢軸と下移動枢軸を角度調整アームによって連結し、ボールネジを正逆に回転させて下移動枢軸の前後位置を変え、台車枠と走行装置枠のなす挟角θを変動させるようにする。
レールの傾斜角Υはレールにそって測定しレールの全ての走行距離位置での傾斜角を記憶させ、走行距離は回転センサによって測定し各々の位置に於けるレール傾斜角Υを求め台車枠に対して走行装置枠の挟角θをその部位のレール傾斜角Υに等しくなるように、モータに正逆回転の信号を送りボールネジを回転させて台車枠を水平に保持する。さらに傾斜角が大きいときは角度調整モータの速度を速め、傾斜角が小さいときは角度調整モータの速度を遅くするようにする。
前後の車両は連結棒で繋ぐが連結棒は懸垂力、押圧力を伝えない。離隔・近接を検出するセンサを備える。離隔しすぎると前車の速度を落とすか後車の速度を速め、近接しすぎると、前車の速度を増やすか後車の速度を落とすようにして前後の車が適正な距離を維持できるようにする。
傾斜角Υを傾斜センサによって実際に求めてもよいが、本発明は傾斜センサを使って常時傾斜角を測定しない。モノレールの場合は、好都合なことにレ−ルは分岐がなくて短い。だから道の傾斜角Υが始点または終点からの経路sの関数として決まってくる。傾斜センサを設置して試運転をすることによってモノレールのレ−ルの始点、終点からの距離sの関数として傾斜角Υ(s)が求められる。
台車枠と走行車架枠の挟角θが傾斜角Υになれば(θ=Υ)台車枠が水平になる。台車を水平に保持するための挟角θの変化θ(s)が一旦わかれば、それを傾斜角Υ(s)として制御盤に記憶させ、sのときにはそれにふさわしい挟角θ(s)を出力するようにすることもできる。
(1)本発明は、4人乗りまたは車椅子乗者と介護者1名と更に2人が乗車できる台車2両を連結した電動モノレールを与える。乗車可能な人数を増やしたのでそれだけ交通機関としてより便利になる。また横並び座席2人乗りのものより前後方向に大きくなる。
(2)老齢者や車椅子乗者、介護者を載せるのであるから台車が傾くのは不安感を抱かせる。車両が傾斜する場合は前向き(上り側)の座席しか設置できない。本発明は、レールの傾斜角に応じて台車を走行装置に対し反対側に傾斜させるので常に台車が水平を維持できる。モータ、ボールネジ、ナット、下移動枢軸の連動によって、アーム下端を前後移動させ台車を任意の傾斜角に把持する。ボールネジを右回転しナットを引き寄せるとアームが下がり傾斜角は小さくなる。ボールネジを左回転しナットを押し遠ざけると傾斜角が大きくなる。
(3)前端に回転軸を設けてクランク機構で台車を持ち上げるようにした特許文献3の場合は大型化したときに不安定性が増す。折角台車を水平にしても台車がレールからことさら高くなるのでは危険であるし揺れも大きく不安定であって好ましくない。2人乗りで前後長さが短い場合はそれでもよいが4人乗りで前後長が大きいと不安定性はより顕著になる。
そうではなくて本発明は、台車の前端でなく、中間点を回転軸によって支持する。だから、傾斜角が増えても台車の重心は上がらず常に安定感がある。実際に安定であって傾斜角が大きくても横揺れが激しくならない。そのために台車の前中間下部に窪みを設けている。窪みに走行装置枠が進入して台車の傾きを可能にする。
(4)安定性だけでなく、台車中間支持の利益はまだ他にもある。特許文献3のように前端部を枢結したものだと台車には常に下向きの重力がかかるから、ボールネジ、モータやアームには強い力がかかる。角度を変更するときにモータには巨大な推力が必要になる。また角度を一定に維持しているときでもアームやボールネジには強い力が常に掛かることにになる。それはアーム、ボールネジ、軸受、などの故障や不全を引き起こす可能性がある。
本発明の場合は、中間軸で支持するから、水平に維持している状態で台車は前後方向にバランスしている。だから台車枠に働く回転モーメントMはごくわずかである。モータ、ボールネジ、ナット、アームに働く力fは回転モーメントMに比例する。前後荷重の打ち消しのため、モータ、ボールネジ、ナット、アームに働く力は小さいものである。それでモータ、アーム、ボールネジなどに必要な定格を小さいものにできる。また力に抗してアームを下げたり上げたりするのではないから抵抗が小さい。傾斜維持機構の故障が起こりにくい。保守点検の手数も減少する。
(5)その代わり、台車回転軸周りの回転モーメントMが正か負か決まらず変動するから回転軸周りのがたつきが発生する可能性もある。それを防ぐためショックアブソーバを設けて回転に抵抗を付与し、がたつき振動を押さえるようにしている。
(6)レールの傾斜角Υが分からなければ、走行装置・台車角θをΥ=θとなるよう制御することができない。レールの傾斜角Υは傾斜角センサによって時々刻々測定することもできる。しかし、そうすると傾斜角センサを設けなければならず、台車に設けた傾斜角センサを水平に維持するというような制御になる。傾斜角センサには測定誤差があるし誤動作という可能性もある。それに振動や衝撃によってセンサの測定に誤差が生ずることもある。
本発明は傾斜角センサを用いて傾斜角制御するのではない。傾斜角はレールの始端からの距離sの関数として初めに測定しておき、その後は初期測定の傾斜角Υを経路sの関数Υ(s)として与える。モノレールは分岐がないし駆動ピニオンとラックには滑りがないので、駆動ピニオンの回転数を積算すると経路sが分かる。そのときのレール傾斜角Υ(s)がわかるから、それに台車・走行装置の傾角θを等しくするようにθ=Υ制御する。電動動力車の駆動ピニオンのE軸反対側に設けた回転検出体によって駆動ピニオンの回転数(正逆の符号を含め)がわかるので、それを積算する。回転検出体は4つの突起を持ち、それの接近を近接センサで感受して突起の通過を数える。突起が4つ通過すると駆動ピニオンが1回転したということであり、正逆の符号を含めレールに沿った経路sが求められる。突起は4つとは限らない。突起の数を増やすと経路sの決定の精度が増える。
(7)経路sが分かると、その場所でのレールの傾斜角Υ(s)がわかる。それに挟角θを等しくするように制御しなければならない。しかしアームで台車枠を持ち上がるようにしているのでナット変位xと傾斜角θの間に線形性がない。そこで本発明は、インバータを用いて、θが小さい部分ではモータの周波数fを下げておきθが大きい部分ではモータの周波数fを上げる。モータ回転速度は周波数に比例するのであるから、インバータによってモータの回転速度自体を変動させることができる。モータのインバータ制御によって、時間tと傾斜角θの変動の割合dθ/dtを大体リニヤにすることができる。
(8)傾斜センサがないと、目標値θと現在のθとを比較して逐次制御するという通常の制御(たとえばPID制御)ができない。本発明ではモータの回転数をモニタし、それを積算する回転検出器をモータの近傍に設けている。モータ回転数を符号を含めて積算するので時時刻刻のナット移動量xが常にわかる。それはθと一義的に関係づけられているから傾斜角θの現在値θ(t)がわかる。だから駆動ピニオン側の回転計測によって求められた経路sからわかるΥ(s)と比較してθの制御(θ→Υ)をすることができる。
(9)モノレールの経路長sは、たとえば動力車のE軸(駆動ピニオン軸)に設けた検出体によって検出する。たとえば検出体には4つの突起があるから、駆動ピニオンの1/4回転まで検出できる。駆動ピニオンのピッチ(PCD)を112mmφとすると、ピッチ円の周囲はπ×112mm=351.68mmとなる。4つの突起があり、突起が近接センサを横切る時にパルスを一つ発生するから、1パルス当たりのモノレールの移動距離は351.68/4=87.92mmである。逆に1m当たりのパルス数は11.3740個である。
始点が決まっているから、パルス数を数えれば経路sがわかる。たとえば始点から50mの部位では50m/87.92mm=568.7パルスとなる。つまり始点から数えて、568.7パルス目が50mの位置だということである。レールは1本で分岐がないし駆動ピニオン・ラックには滑りがないから、始点からの経路距離sはパルス数Mによって計算でき表示できる。
レールの傾斜角Υ(s)も初めに経路sの関数として傾斜角を測定し、それをメモリに記憶させておけば、その後は傾斜角を計らなくても経路sの関数Υ(s)として正確に与えられる。そのようにした方が振動や衝撃、ノイズによる傾斜角測定の誤差がないので好都合である。
(10)台車・走行装置の挟角θはナット・下移動枢軸の移動量xによって決まる。モータ回転数は回転検出装置で常に検出しているので、それによってθがわかる。ボールネジ回転を監視する回転検出器は4つの突起をもち一回転で4パルスを発生する。ボールネジのピッチは10mmであり、それが4パルスを生じるのであるから、1パルスは2.5mmの変位に対応する。たとえばθ=27゜の場合、θ=0゜から、Δx=261.533mmだけ進んだ所に対応する。それはつまり261.533mm/2.5mm=104.6パルスである。だからθ=0の位置から数えて104.6パルスの時が27゜だということである。パルス数とθはリニヤでないがパルス数Mとθを一義的に関係づけることができる。
(11)本発明は4人定員の台車2台で、それを連結しているので8人乗車できる。車椅子を置く場合は車椅子と介護者1名更に2名が乗車できる。もしも8人定員で1台のモノレールを製作するとすると車体や走行装置が大型になる。前後長が長くなるから水平に持ち上げるとなると持ち上げに必要な機構が大型化するし、重量が増えコストを大きく押し上げる。経済的に不利であって好ましくない。また全長の長い台車を水平へ持ち上げると持ち上げた高さが大きくなり不安定になる。本発明は2車両にしているから、そのような難点がない。
(12)2台の車両を連結棒で連結している。それは前後の車両が著しく離隔したり、異常接近して衝突したりするのを防ぐためである。しかし連結棒には牽引力が働かない。前後の動力車は独立の駆動力で同一速度で進行する。だから連結棒で前車両が後車両を牽引したり、後車両が前車両を押し上げるのではない。が、それだけだと発進、停止のときに前後の車両の速度が違うために突き合ったり引き合ったりして衝撃を与えたりする。
そのような不調和を防ぐために、連結棒にセンサを取り付けて、前後車両の間の速度相違を測定する。そして遅い方のモータの周波数を3Hz上げる。あるいは速い方の周波数を3Hz下げる。ゆきすぎると更に刻みを減らして速度を増減する。そのような調整によって前後の車両の速度を揃えるのである。そのようにすると前後の車両の速度が等しくなるから連結棒にかかる力は0となるのである。
図面によって本発明の2両連結中間軸傾斜電動モノレールを説明する。図1は水平状態にある乗用モノレール全体の右側面図である。ここは水平であるが右が高く左が低い地形であり、図1において右側が前方、左側が後方として説明する。図2は1両分の平面図である。図3は正面図(後端面)である。
2両連結乗用モノレール1は下部の走行装置2と上部の台車3とよりなる。レール4は角型の筒状のレールである。60mm×60mm×3.2mmtである。レール4の側面にはラック8が溶接される。ラック付きレール4の直下にはガイドレール5がある。ガイドレール5とレール4は上下一体になるように組み合わされている。レール4、ガイドレール5は3m単位で突き合わされており突き合わせ部分で短い支柱6によって保持される。
レールと地面の隔たりは僅かである。支柱6の下方には正方形状板である沈下防止板7が設けられる。沈下防止板7は地面の上に置かれ打ち込みパイプ9によって固定される。支柱6は沈下防止板7によって保持される。支柱の高さは沈下防止板7に溶接された円筒ハブの螺子を緩めてまたねじ込むことによって調節できる。
レール4の側面はラック8が溶接される。ラック8は鋼鉄の四角棒に歯切りしたものである。ラックの歯は下向きになっている。
上方の台車3は床板10、側板12、12、前板13、後板14、屋根15などの外殻部をもつ。台車3の床面10の上にはハネ上げ式椅子16が前後2対設けられる。4人がけの乗用台車である。それが2両連結されているから定員は8人である。台車3の内部には操作盤17が設けられる。それは停止、発進などを指示するスイッチなどを有する。台車の後部には制御盤18がある。これはモータ、インバータ、傾斜角制御回路などの電気的な制御部分を全て含んでいる。台車3の上半部は窓19となっている。
台車3の床板10より下には傾斜した横カバー20がある。これが前で持ち上がり、後ろで下がっているのは、レールが傾斜したときにレールとカバーが平行になるようにするためである。床板10、前板13の中心部の一部が窪み21となっており、そこへ走行装置2の一部が侵入できるようになっている。
一方の側面には、両開き扉22が設けられる。ここから乗客が出入りする。2両連結であるから、前と後ろの車両は連結棒23によって連結される。走行装置の枠に継ぎ手24、24があって、連結棒23がこれらの継ぎ手24、24をつないでいる。台車が傾いても連結棒23は傾かない。また連結棒23には引っ張り力や押しつけ力は殆ど働かない。前後の車両がそれぞれ駆動力をもっており、ほぼ等しい速度で走行するようになっているからである。この点については後に述べる。
レール4とガイドレール5は呂の字形の断面を持つ複数の継ぎ板26によって結合される。下車輪をレールに当てるため、レール4の下面両端が少し開いている必要がある。そのため継ぎ板26の厚みが制限される。継ぎ板26は上下のレールに溶接され上下のレールを一体化させる。上下にレールを組み合わせるので上下方向の力に対する剛性が高まる。重いモノレールを支えることができる。3m単位でレールが製造されるが上下レール間に継ぎ手26の他に、両端に連結プレート27が溶接される。連結プレート27を対向させ螺子28を通しナットで締めると隣接レールが一体化される。
図3の正面図において、走行装置2の下に駆動ピニオン25がラック8に噛み合っているのが見える。さらに左下方に給電機構90が見える。
図4はレールが傾斜しているときの2両連結モノレール1の様子を示す。走行装置2はレールに沿って傾斜しているがその上の台車3、3は水平である。中心台車の前方は下がり、後方は上がっている。台車が単なる箱であるとレールが床板を擦るようになるが、前方の一部が窪み21となっているので、レールが窪み21の中に侵入し、レールと台車外壁は非接触である。
横カバー20を除去した状態を図3は描いているので、走行装置2の電動動力車30が見える。電動動力車30は1つの車両の前後に1基ずつ設けられる。だから合計で4つの電動動力車30がある。電動動力車30はアルミ合金製のフレーム31の中に上下車輪や、動力伝達機構、制動装置、駆動ピニオンなどを設けたものである。
電磁ブレーキ32は、電気入力があると開いており、電気入力が切れると制動が働くようになっている。さらに異常な速度が出たときに急停止する非常停止ブレーキもある。これら走行停止装置は本発明の新規な特徴ある点ではないので、これ以上説明しない。
フレーム31の上には左右換向可能な継ぎ手29があり、それによって走行装置枠33にフレーム31が取り付けられる。走行装置枠33にはモータ取り付けフレーム34によって角度調節モータ35が水平方向に固定される。これは台車を傾斜させ、ある角度に維持するためのモータである。
角度調節モータ35は走行装置枠33に平行に伸びる長いボールネジ36を回転させる。ボールネジ36に螺合するナットには下枢軸を介して2本の角度調節アーム37の下端が固定される。2本の角度調節アーム37の上端は台車床板10の左右側方の角度調節アーム先端軸受38によって回転可能に支持される。台車枠(床板10の枠)と、走行装置枠33の間にはショックアブソーバ39が設けられる。これは台車枠の回転運動に抵抗を与えることによってガタツキや衝撃が発生しないようにしている。
台車枠の前後方向中間部と走行装置枠の前後方向中間部が枢結されている。中間点で枢結する、これが重要なところである。中間点で枢結するから重心が中間点のほぼ直上にあり常にバランスがとれている。前端を中心にすれば台車が持ち上がりすぎて重心が上がり不安定になる。ところが本発明では中間点同士で枢結するので台車の重心と走行枠の重心との距離は殆ど変わらない。
そのために特別の工夫が必要である。台車の前端中央下部に窪みを設け走行枠が侵入できる余地を作っておく。これが第一に必要な工夫点である。台車前端中央下部の窪みは深く、レールや車輪、フレームの一部がここに侵入する。それだけの窪みが前端床を抉って設けられる。だから前端側は水平面積が不足するので車椅子を置くスペースに当てることができない。前側は固定椅子を設ける。この椅子はハネ上げ式椅子であるが、床面より一段高い所に脚部が固定されている。台車前方下面において床面が隆起しているから窪みをとることができる。
そのように前方下部の床面を一部犠牲にする。窪みが必要なので、それはやむをえない。それは台車の面積をやや減らすという欠点はあるが作りつけの椅子をそこに設けておけば椅子の下はどのみち不要な空間なのであるから大して不都合だというわけでない。
もう一つの工夫は、台車枠と走行装置枠の挟角を自在に変えるためのアームとボールネジの関係である。台車枠、走行装置枠の枢結点が後方へ寄るので、ボールネジの可動範囲をアームより後方に設けるのは難しくなる。そこでボールネジの可動範囲をアームよりも前方に割り当てる。そうなると特許文献3のようにモータがボールネジを引っ張る時に台車が上がるのではなくて、モータがボールネジを押し出すときに台車が上がるということになる。特許文献3と、ボールネジとアームの関係が逆になる。しかしそれは必ずしも不都合ということでない。そうでなくてむしろモータにかかる非線形性が緩和されてモータの負担が軽減されるという利点をもたらす。そのような点は力学的なもので容易に説明できない。後ほど構造の全体を述べてから詳しく述べよう。
上の台車枠と下の走行装置枠をそれぞれの中間点で枢結するため、走行装置枠33の前後方向中間部には三角形の台車支持軸取り付けプレート40が固定される。台車床枠の前後方向中心位置には台車支持プレート41が固定される。それは台車支持軸受42を内部に保持する。これは回転軸48を回転自在に支持するものである。プレート40、41、軸受42、回転軸48によって、台車の中間部が、走行装置の中間部に回転自在に枢結されたことになる。
図5、6のようにモータ35の出力軸はカプリング43を介してボールネジ36につながる。内側の走行装置枠の横桟49にはボールネジ支持用軸受取付プレート45が設けられる。ボールネジ支持軸受取付プレート45、45から継ぎ軸を介して中央部にボールネジ支持ブロック46が設けられる。これはモータ35によって回転駆動されるボールネジ36の基端を回転自在に保持する支持ブロックである。
図5は走行装置枠の平面図、図6は走行装置枠の側面図、図7はボールネジ支持ブロック46付近の図5でのA−A断面図、図8は角度調整ナット47付近の図5でのB−B断面図である。これらによって走行装置枠33の構造を述べる。前で左右に延びる前枠51、左側方で前後に延びる左枠52、後ろで左右に延びる後枠53、右側方で前後に延びる右枠54によって長方形のを外枠を形成している。これらはいずれも矩形断面の鉄角材である。
左枠52の内側に長手桟55が前後方向に延長するよう設けられる。長手桟55と左枠52の間には横桟56、57が前後に設けられる。
右枠54の内側に長手桟62が前後方向に延長するよう設けられる。長手桟55、長手桟62の間には横方向の桟が5本取り付けられる。後ろから順に後桟58、後桟59、中桟67、前桟60、前桟61である。
右側でも同様であり、右枠54と長手桟62の間には横桟63、横桟64が溶接固定されている。さらに後枠53と後桟59の間には後基台70が設けられる。先述の後桟58は基台70の上に当て後基台70を補強するものである。同様に前枠51と前桟60の間には前基台72がある。前桟61は基台72の中間部に溶接され基台を補強する。後基台70、前基台72はその直下に電動動力車30を取り付ける部分である。だから堅牢であることが必要である。走行装置枠33はそのように外枠と縦横の桟と基台とからなる。
走行装置枠33はそのように、下方には動力車(フレーム、車輪、ピニオン、モータ)が取り付けられ、上には中間回転軸機構を通じて台車を回転可能に保持し、アーム、モータ35、ボールネジ、上下の枢軸によって台車と走行装置の傾斜角を任意に調整できるようにしている。走行装置枠33の下方の前後には動力車が付くから開いた空間は中央部にしか存在しない。中央の余裕のある部分の空間を傾斜角可変機構(アーム、モータ、ボールネジ)のために有効に利用する。動力車内部の走行のためのモータと、傾斜角可変機構のモータ35は別のものである。混同してはならない。
ボールネジ回転用のモータ35は減速器つき正逆回転可能なモータである。交流モータであるから速度調節はやや難しい。モータ35は前後方向に延びるボールネジ36を正逆に回転する。ボールネジ36の中途に角度調整ナット47が螺合する。角度調整ナット47には横方向に延びる下移動枢軸69が固定される。下移動枢軸69の両端には角度調節ローラ80、80(図7)があって長手桟55、62の直下に設けられたコの字形断面の角度調整ガイド83の中を前後に転動するようになっている。下移動枢軸69の左右角度調節ローラ80、80のすぐ内側に角度調整ナット用軸受82があって内輪は下移動枢軸69に固定され、外輪は左右のアーム37、37の下端に固定されている。
アーム37、37の上端は斜め上にある上固定枢軸68に固着されている。上固定枢軸68の両端は、台車(床10)枠のアーム先端軸受38によって回転可能に支持される。回転軸48、下移動枢軸69、上固定枢軸68によって作る三角形が力の三角形であり、これが台車の傾斜角を決定する三角形である。回転軸48の中心をR、上固定枢軸68の中心をP、下移動枢軸69の中心をQとすると、RQPが前記の力の三角形だとみなすことができる。
モータがボールネジを正逆に回転させると角度調整ナット47が前に移動するかあるいは後ろに移動する。それによって下移動枢軸69が前後に随動する。その両端に回転自在に取り付けたアーム37、37の下端も前後に移動する。それによって、台車枠が昇降する。それは台車枠33の回転軸48まわりの回転となる。回転すると走行装置枠の挟角θが変動する。だから台車の傾斜角が調節される。
さて角度調節モータ35の合計の回転数Mを積算していく必要がある。初期状態を合わせておけば、モータの回転数は、ボールネジの全回転数と同じことである。右廻りを正とし左廻りを負とすると、符号をつけて回転数を積算するとナットの位置が分かる。ボールネジのピッチをpとする。ボールネジがm回転するとボールネジに螺合する角度調整ナット47はmpだけ移動する。
だから下移動枢軸69(Q)の軸にそった移動量xはx=mp+定数という関係にある。中央回転軸48(R)と上固定枢軸68(P)の距離PRは一定である。アーム37の長さが上固定枢軸68(P)と下移動枢軸69(Q)の距離PQであるが、それは一定値である。だから力の三角形RPQにおいて、PRとPQが一定であり、QRだけが変数となる。QRの変化によって台車枠と走行装置枠の挟角θが変わる。
ボールネジ(モータ)回転数を監視するための装置がボールネジ回転検出センサ73である。それはボールネジ36の根元に取り付けられた星形の回転検出ボス74と近接して設けられる。回転検出ボス74とセンサ73の組み合わせは何で合っても良いのである。たとえば回転検出ボス74が永久磁石で、センサ73ガホール素子であってもよい。また回転検出ボス74が鏡面と粗面の交代する面でセンサが発光素子と受光素子の組み合わせとして反射光を検出するものであってもよい。
図9は回転検出ボスの拡大図である。それは円盤状で4つの凸部85と4つの凹部84をもつ。さらにボールネジに固定されるためのネジ86を備える。これは4つの突起を周面に保有するから、1/4回転の精度でボールネジの回転量Mを求めることができる。絶対値でなくて正逆の区別をして回転数を勘定する。そのようにボールネジ回転検出ボス74とボールネジ回転検出センサ73によってボールネジの全回転数Mを常時求める。それは下移動枢軸69(Q)の位置を示すことになる。
下移動枢軸69には上向きにセンサドグ75が取り付けられる。それは下移動枢軸69の水平移動に随伴し下移動枢軸の移動範囲を限定するためのものである。走行装置枠33の長手枠62の中央より少し後ろよりに下限センサ76が設けられる。長手桟62のより後方に上限センサ77が設置される。センサドグ75は下限センサ76と上限センサ77の間を下移動枢軸69とともに移動する。
角度調整移動ナット47が後退しアーム37が下がりセンサドグ75が後退し下限センサ76に当たると、それは停止信号を出しモータ35の回転を止める。それ以上アーム37は下降しない。反対に角度調整ナット47が前進してアーム37が上がりセンサドグ75が上限センサ77に当たると、センサ77は停止信号を出しモータ35の回転を止める。
そのように下移動枢軸69の移動範囲を限定するためにドグ75、上限センサ77、下限センサ76がある。つまりアームの回転角ΨをΨ≧Ψ≧Ψとする。Ψは上限センサにドグ75が接触したときのアーム回転角であり、Ψは下限センサにドグ75が接触したときのアームの回転角である。
しかしボールネジ36の回転数Mはボールネジ回転検出センサ73で検出しているから、そのMの値から、上限M、下限Mの限定を与えることができる。それによってM≧M≧Mと範囲を限定できる。だから上限センサ77、下限センサ76はその正常の範囲を越えたときに非常停止用としてもよい。つまり上限センサの感受する回転数M’、下限センサの感受する回転数M’をM’>M≧M≧M>M’とすればよい。そうすると正常運転時は上限センサ77も下限センサ76も働かないということになる。
図10は走行装置枠がθだけ傾斜し台車枠が水平である場合の走行装置枠台車の関係を示す図である。図4の傾斜状態に対応するものである。台車と走行装置枠は中央の固定支点Rにおいて台車支持プレート41、台車支持軸受42、回転軸48等によって回転可能に支持される。
二点鎖線で台車3を示す。前中央に窪み21があり、走行装置枠の前方62、51は窪み21の中へ入り込んでいる。台車前下方中央部に窪み21があるからそのような傾きが可能となる。窪み21のため床板10の一部が盛り上がり、その上にハネ上げ式椅子16が設けられることになる。後方の床板10はもっと下の方にあるから支柱を立てて椅子16を設けるようになっている。後方床板10には隆起がないから車椅子をこの部分に載せることができる。
走行装置枠33の前後の基台70、72には動力車30が取り付けられるが図10では省略している。前後に動力車のスペースがあるから、ブレーキ付きモータ35は枠の中央より少し前方にギヤドモータ取り付けフレーム34によって固定される。前方に延びるボールネジ36の先端に角度調整ナット47が押しやられている。ナット47の位置に下移動枢軸69(Q)があり、アーム37の下端がこれによって枢支される。
アーム37の上端は台車枠の移動支点(P)、上固定枢軸68、角度調整アーム先端軸受38などによって、台車枠に枢結される。台車枠と走行装置枠の間には旋回運動に抵抗を与え衝撃力を緩和するショックアブソーバ39がある。力の三角形はPQRである。PQ、PRは一定で、RQがモータ35によって変動する。既に述べたように、中間部を回転軸48で支持するから、アームの台車枠取り付け部位P(68)が後ろへよるので、ボールネジナットが先端にあるときにアームが立ち、ボールネジナットが根元近くにあるときアームが寝るということになる。
つまり角PQRが鈍角である。それは本出願人が以前に発明した従来特許文献3(角PQRが鋭角)とは反対の関係である。これは従来特許文献3よりも力の変動を少なくする作用があり、かえって好ましいことである。それは後に述べる。図10はナット47、下移動枢軸69が前進位置にありアームが走行装置枠に対して立っている状態を示すが、その状態からナット47、下移動枢軸69を後退させるとアーム37が寝て行くので、台車の傾斜角θが減少してゆく。
ナット47、下移動枢軸69がモータ側の近接位置へ移動するとアーム37が寝て、台車枠と走行装置枠が平行になる。ナット47、下移動枢軸69がモータ最近接位置になるとθは負になる。それは経路によるが逆向きに傾斜する部分が一部に含まれる経路の場合はθが負の領域も作っておかなくてはならない。
図11は動力車とレールの部分だけを示す正面図であり、図12は動力車・レールの側面図である。沈下防止板7は中央に穴があり、そこにパイプ87が溶接してある。パイプ87に支柱6を挿入し適当な高さになるようにしてボルトを締めて固定する。沈下防止板7は地面の上に打ち込みパイプ9によって固定される。横方向に伸びるレール受けパイプ88の両端には円筒89、89が溶接される。円筒89、89の高さを調節してボルトを締めてレール受けを固定する。レール受け88はレール4、5を保持する他、給電線も保持する役目を持っている。
給電機構90は地上側と動力車側のものがある。地上側(固定側)ではレール受け88から垂直に立てられた支持柱91、その上に横方向に伸びるように設けられる給電線保持材92、給電線保持材92によって下向きに設けられるトロリーダクト93、トロリーダクト93の内部に設けられる5本の給電線よりなるトロリー94等よりなる。5本の給電線のうち3本が電力線であり、2本は信号線である。
動力車側の給電機構90は、図12にも現れるように、5本のトロリー94に摺接する舟形の5つの集電シュー95と、集電シュー95を上下揺動可能に支持する5つの集電アーム96と集電アーム96を弾性的に持ち上げるスプリング97、集電シュー95から延びる電線コード98、集電アーム96、スプリング97の他端を保持するブラケット99などよりなる。トロリー94は三相交流を流す電流線と2本の信号線からなる。集電シュー95も3つは電力用で2つは信号用である。集電シュー95は下からトロリー94に接触しながら滑ってゆく。
電線コード98の端子には制御盤からの電線が接続されているのであるが図示を略した。集電機構をフレーム31に対して支持する機構は、ブラケット99を固定する角溝つき対ブロック200と、対ブロック200によって挟まれた突き出し棒201、突き出し棒201の端に溶接された継ぎ棒202、継ぎ棒202のフランジ203に螺子で固定されフレーム31に固定される横板204とよりなる。
電力は、前後4つの駆動用の電動動力車のモータに供給される。また台車傾斜用のモータにも供給される。さらに制御盤において直流に変換されて制御回路の電源ともなる。
左右の支柱6によってその中間水平の支持されるレール受けパイプ88の上に跨台座205が固定される。跨台座205の上にはブロック206、207がボルト210によって固定される。
フレームはアルミ合金であり3層の構造となっている。それは前後の上車輪、下車輪、駆動ピニオンなどを軸受、軸とともに保持し、電動機、ブレーキ等をも保持する機能がある。フレームから下向きに左右前後に4つのガイドローラ208、209が片持ち支持されている。ガイドローラ208、209はガイドレール5の左右に接触転動する。ガイドローラは遊輪であって駆動力はないが左右の揺れ、転倒を防ぐ。
フレームはレールの上前後に2本の長車軸、レールの下前後に4本の短車軸を持っている。上レール4はラック8が右側面(図11)に下向きに溶接され、駆動ピニオン25がそれに噛み合っている。上レ−ル4の上には中間溝のある糸巻き形両鍔付きの前後ふたつの上車輪220がのっている。上車輪220の軸は両持ちされる。これが荷重を受ける車輪である。中間部に浅い溝があるのは左右の揺れで摩耗したときに中間部が肥大した鼓形に変形するのを防ぐためである。
レール左下の隅は前後二つの下部車輪222が接触している。下部車輪222は短軸によって片持ちされる。レール右下の隅は駆動ピニオンと下部車輪が接触している。いずれも短い軸で片持ちされる。右下隅は下車輪を前後二つ設けることが難しいから、前は遊輪の下車輪221、後ろは駆動ピニオン25の内側に設けた遊輪の下車輪となっているのである。
図11においてフレーム31の左に突出しているのがブレーキ付き電動機223である。その駆動力が、減速機構を通じて右側の駆動ピニオンを回転させる。トロリー機構92、94のすぐ上にあるが数cmの隙間があるから電動機223はトロリーに接触しない。フレーム31の右側側面に突出しているのが電磁ブレ−キ32である。電動機223と電磁ブレ−キ32をバランス良く配置してある。
フレーム31は、上方にある回転継ぎ手29によって走行装置枠の基台70、72に水平方向回転可能な条件で結合される。継ぎ手29の上に横棒224があり、横棒224の円形断面の両端部が軸受225に支持される。軸受225はボルト226によって基台70に固定される。
上車輪軸230、232は偏心軸である。上車輪軸230、232の端部には複数の止め穴をもつ調節プレート233、234が取り付けられる。調節プレートを廻すと上車輪の上下高さが僅かに変化する。上下車輪とレールの隙間を最適な値に調節して調節プレートの止め穴に螺子を差し込んで調節プレートを固定する。
下後ろの車軸は駆動ピニオンの車軸であるがこれに回転検出部236が設けられる。それは駆動ピニオンの回転数を数えるものである。回転数を示すパルス信号は出力コード237によって制御盤に伝達される。ラック・ピニオンの噛み合いによって動力車が動くから滑りがない。回転数に駆動ピニオンのピッチ円周を掛けたものが走行距離である。たとえば駆動ピニオンのPCD(ピッチ円直径)を112mmとすると、ピッチ円周はπ×112mm=351.68mmとなる。
それに始点からの回転数Mをかけると、始点からの距離(経路長)sとなる。回転数というのは正負の符号を含めて積算したものである。前進の場合は相加え、後退の場合は引いてゆく。この例では、s=351.68Mとなる。始点からの走行距離(経路)sは常に計算されており、傾斜角Υをsの関数Υ(s)として常時求める。
図13によってフレーム内部の車輪、軸、軸受などの構造を説明する。回転自在の継ぎ手29によって動力車フレームと走行装置枠の基台が接続されるのであるが、継ぎ手29は横棒224と一体であるT型軸240と軸受よりなる。T型軸240は円筒部242と細径部243を有する。
T型軸240、242、243が、円筒状の立て軸受244の内部へ挿入されて、両者の間にテーパーローラーベアリング245、246が上下に設けられる。荷重を受けるためにアンギュラ軸受が用いられる。
フレーム31はAフレーム247、Bフレーム248、Cフレーム249の3つの板部材を結合したものである。ボルト252によって、Bフレーム248に立て軸受244が結合される。ボルト253によってCフレーム249と立て軸受244が結合される。
上車軸232は先ほども述べたように偏心軸である。中央部の太い部分が偏心しておりその部分に4つの軸受256、257、258、259の内輪が固定され、外輪に上車輪220が取り付けられる。重い荷重がかかるので4つの軸受を並列に用いている。
図13において、上車軸232の右側の小径部261はA、Bフレーム247、248の穴を貫いている。先端の角型部260は調整プレート234の角穴を貫く。調整プレート234は適当な穴にボルト250が挿通されAフレームに止められている。さらに先端の雄螺子部262にはナット263が螺合している。
上車軸232の左側の小径部264はCフレーム249の穴を貫く。左端の雄螺子部265にはボルト266が緊締される。下車輪222、221は軸の位置が変わらない。下車輪・上車輪の距離はレール(60mm×60mm×3.2mm)の高さとほぼ等しくなければならない。ギャップを調節するために上車輪を上下させる。そのために偏心軸とし調整プレート234によって高さを変える。
強い荷重が掛かる上車軸を偏心させるよりも荷重が掛からない下車軸を偏心させる方が荷重の点では無理がない筈である。しかし下車軸は駆動ピニオンと同軸になり、駆動ピニオンの軸(E軸)は歯車減速機構の終端軸であり、それをずらせるということは難しい。そのためにやむをえず上車軸を上下させてレールと車輪とのギャップの調節をしているのである。
図11のように左側にブレーキ付き電動機223があり、その駆動力がモータ軸(A軸)によって右側のフレーム248、247の内部に設けられている動力伝達減速機構に入力される。つまりフレーム247、248はミッションケースとなっている。小歯車と大歯車を組み合わせた3段〜4段の歯車減速機構がフレーム247、248の間の内部空間にある。その減速器空間部分は封止され潤滑油が満たされたオイル溜め300となっている。減速器空間にはB軸、C軸、D軸などの大小歯車が取り付けられた軸と軸受があり歯車が存在する。
ここではこれらの減速機構、歯車、軸は省略して最終段の大歯車270とそれとスプライン(廻り止め)契合するE軸272だけを図示した。E軸272は直径が異なる幾つかの部分をもつ軸である。中間部でE軸272は軸受274、275によってBフレームの穴に回転自在に保持される。左端の小径部では軸受276を介して遊輪である下車輪221が回転可能に支持される。その他の上車輪、下車輪ともに全て遊輪であって、軸受によって軸に取り付けられる。
下車輪221のすぐ内側においてE軸272にはスプラインが切られており、そこへ駆動ピニオン25が挿入固定されている。駆動ピニオン25はE軸272と固結されているから同一回転をする。駆動ピニオン25と下車輪221は同軸である。
しかし同一回転するのではない。下車輪221は遊輪でありレールの下端左部分に接触し動力車が浮き上がるのを防ぐ。下車輪の接触部における線速度はモノレールの速度Vと等しい。また駆動ピニオンのラックとの接触部におけるピッチ線(一点鎖線で示す)での線速度はVである。ところが下車輪221と駆動ピニオン25では半径が違う。線速度が同一で半径が異なるから、回転角速度が異なる。しかしそれは僅かな相違である。それに側面に接している下車輪221はベアリング276を設けているため回転可能であるから、それは問題でない。
E軸272はBフレーム248、Aフレーム247においてオイルシール278、279によって封止される。それはフレーム247、248の内部のオイル溜め300のオイルを保持するためである。
E軸272の右端には回転検出部236が設けられる。それは駆動ピニオンの回転を検出するためのものである。図14は回転検出部236の図13におけるA−A断面図である。
E軸272の右端290は細径のスプラインとなっており、それに円形十字の十字コマ292が固定される。十字コマ292には4つの凹部293と4つの凸部294を有する。その下方には近接センサ295がΓ型金具296によって上向きに保持される。Γ型金具296はボルト297によってAフレーム247側面に固定される。膨出三角形状の回転検出部ケース298はボルト299によってAフレーム247側面に固定される。
近接センサ295は、電気的、磁気的、電磁的または光学的な手段によって凸部294の接近を検出する。凸部294が通過する瞬間に一つのパルスを出すようになっている。駆動ピニオンが1周するごとに4つパルスが出る。パルスの数を数えると、始点あるいは終点からの走行距離がわかる。駆動ピニオンのPCD(pitch circle diameter)にπ/4を掛け、パルス数をかけたものが走行距離である。前進あるいは後進の別は制御盤で認識しているから回転数(パルス数)の符号は制御盤で付与する。符号も含めて積算し経路長sを知ることができる。
Cフレーム249の下車輪穴には下車軸282が差し込んである。下車軸282の内側軸285には軸受286を介し、下車輪222が回転自在に保持される。下車輪222はレール4の下左端を押さえる。下車軸282の外端の雄螺子部283にはナット284がねじ込まれており下車軸を堅固に保持する。
Bフレーム248の下面には雌螺穴302が縦方向に穿孔してある。それにローラ軸303の上端の雄螺子304をねじ込む。細径部305には6角形のボス306を嵌込む。ローラ軸303の太径部には軸受307、308の内輪(インナーレース)を差し込みカラー309で止める。軸受の外輪にはガイドローラ208を押し込む。リングカラー310によって外輪を抜け止めする。
Cフレーム249の下端にも雌螺穴320が切ってある。それにローラ軸322の雄螺子部323を螺合固定する。細径部324には6角形のボス325がはめこんである。ローラ軸322の大径部には軸受326、327があり、ガイドローラ209を回転可能に保持している。軸受326、327の内輪はカラー328で、外輪はカラー329で抜け止めする。ガイドローラ208、209は下レ−ルの側面を転動することにより横方向の力を受けてモノレールの安定な姿勢を保つ。
本発明のモノレールは、2両連結であり、連結棒で前後の車両を連結している。この連結棒23は、通常の連結器とは違う。牽引力や押圧力を伝える作用がこの連結棒にはない。そうでなくてこれは2両の車両の距離のセンサなのである。前後2両の車両はいずれも前後2台の動力車をもつので独立に駆動力を発揮できる。
同一の速度で走行するようにするので間隔は一定の筈であるが、交流の電動機をインバータ制御するから周波数の誤差が発生することもある。また交流電動機には負荷によって滑りがある。さらに始動・停車のときは速度を連続的に昇降するから両車の速度を等しくできない。そのようなわけで前後の車両の速度が微妙に違うということもある。そこで連結棒は前後車両の離隔接近を検知してそれを補正する作用を持たせる。物理的に牽引力・押圧力を伝達しない。
図15は連結棒の断面図である。連結棒23は、円筒状の鞘筒332の中に検出ロッド333を挿入したものである。ロッド333の端部はコ型金具334尾部に溶接されている。コ型金具334は連結軸339を保持している。連結軸339に前車の継ぎ手24の継ぎ片がボルト340によって結合される。
ロッド333を鞘筒332の中で進退させるために前摺動受け環345、後摺動受け環346が鞘筒332に固定される。前後摺動受け環の距離Lがロッドの可動範囲を与える。ロッド333の適当な部位に検出ブロック344が固定される。鞘筒332の壁面には3つの位置センサA349、センサB347、センサC348がACBの順に設けられる。検出ブロック344はこれら3つのセンサに対向する。3つのセンサは検出ブロック344の位置を検出できる。
たとえば検出ブロック344が左端センサAの近傍にあるときの状態をセンサAは近接信号を出すが、B、Cは無反応である。検出ブロック344が中間センサCの近傍にあれば、センサCだけが近接信号を出すが、B、Aは無信号である。そのようにして、ロッドの縮退(センサA)、適正(センサC)、伸長(センサB)の3つのケースを区別することができる。
センサの動作原理の種類は、電気的、磁気的、電磁的、光学的なものどれであってもよい。縮退した状態で前摺動受け環345にコ型金具334が接触するものとすれば、検出ブロック344とコ型金具背面の距離はストロークLに等しくする。
右を前車、左を後車として説明する。ロッドが縮退していると、それはセンサAの信号でわかる。前車が遅すぎ後車が速すぎということである。その場合は前車の電動機駆動交流の周波数を3Hz増やす。通常は60Hzであるから3Hz増やすと回転速度が増えるので前車が増速される。すると前車は後者からよけい離隔し検出ブロック344が中間センサC348の位置へゆく。それは正常なのでその周波数を維持する。
反対にセンサBが近接状態を検出した場合は、ロッドが延びすぎているということである。その場合は前車の電動機駆動周波数を3Hz減らす。3Hzでは行き過ぎるという場合は、2Hz増減したり、1ヘルツ増減したりする。そのようにして、両車の速度を一致させる。速度の一致は検出ブロックが中間センサCに対向していることで検出される。
図16は発進時の速度変化を示す図である。図17は停止時の速度変化を示す図である。スムーズに発進停止するのが望ましいので、立ち挙げに3秒掛けている。速度を3秒間で所定の速度まで連続的に増やす。停止のときも同様で3秒前から徐々に減速してゆきショックのないように緩やかに停車する。
その3秒間は上のようなセンサA、B、Cの信号によって電動機周波数を増減するというような制御ができない。だから速度に違いがあるとそれを修正できない。それでかなり広いストロークLを鞘筒332とロッド333の間に付与しているのである。
連結棒を設けずに一定速度で二つの車両を動かしてみたところ長時間の運転によって両車が大きく離れたり、接近したりすることがわかった。4つの電動機があってその駆動周波数を一定にして運転しても、負荷状態が違い滑りが違うし電動機性能にもバラツキがあるから速度が微妙に違う。それで独立走行させると異常離隔、異常近接ということがおこり好ましくない。そこで本発明は連結棒を用いて両車の関係を常にモニタして間隔を適切なものに保持するようにしている。
図18に本発明で台車を持ち上げるために用いている角度調整リンクの概略図を示す。台車・走行装置枠を中間部で回転可能に結合する回転軸中心がR点である。Pが台車枠に結合された上固定枢軸の中心である。水平線PUは台車枠を示す。台車枠は常に水平に維持されるべきなので、ここでも水平に描いている。点Rから台車枠PUに下した垂線の足がUである。Q点がアーム下端下移動枢軸の中心である。
ボールネジ軌跡をVQSによって示す。ボールネジ軌跡線に回転軸中心Rから下した垂線の足がS点である。S点がボールネジによって前後に移動するナット・下移動枢軸の基準位置である。ボールネジ線は走行装置枠線と平行である。だから上の水平線と走行装置枠線の挟角θが傾斜角である。
U、R、Pは台車枠に取った固定点である。URは鉛直線である。その延長上にN点をとる。回転軸Rよりアーム上端上固定枢軸Pは少し上にあるから鉛直方向にUR=Lの差ができる。ここでURはL=80mm(定数)である。水平距離PUはPU=L=650mm(定数)である。回転軸Rと上固定枢軸Pの距離はPR=654.9046mm(=B:定数)である。
R、Sは走行装置枠にとった固定点である。回転軸Rとボールネジの軌跡は上下方向に離隔しているから距離RSが生ずる。RS=L=187.5mm(定数)である。
QPはアームの上固定枢軸・下移動枢軸間の距離であって一定値をとる。QP=570mm(=A;定数)。SQがボールネジ上における下移動枢軸Qと基準位置Sの距離でこれが変数である。だからSQ=xとする。xが減るとアームが寝て来るから挟角θは減る。xが増えるとアームが立ち上がり挟角θは増える。
角度の関係がやや複雑である。∠URP=θとする。これは一定角度である。∠PRQ=θとする。これが変数となる。∠QRS=θとする。これも変数となる。∠RQS=θとする。それはθの余角(合わせて90度)をなす。傾斜角は台車枠を水平にしたとき走行装置枠の水平からの傾きである。だから∠NRSが傾斜角θである。
θ=θ+θ+θ−180゜ (1)
=tan−1(L/L)+θ+θ−180゜
である。あるいは、θの変わりにθ(=90゜−θ)を用いて、
θ=θ+θ−θ−90゜ (2)
=tan−1(L/L)+θ−θ−90゜
というように書くことができる。θはtanθ=L/Lであるから定数であってL、Lの値を決めれば正確な値を求めることができる。
θ=tan−1(L/L)=tan−1(650/80)=82.983゜(3)
である。これを(2)に代入すると、
θ=θ−θ−7.0165゜ (4)
となる。下移動枢軸位置Qを変動させて(x=QS)傾斜角θの変化を調べる。xの変数として、θとθの二つがあるので計算が複雑になる。xからθを計算することはできる。しかし反対にθからxを解析的に計算できない。
力の三角形PQRにおいて、PQ=A(定数)、RP=B(定数)、QR=C(変数)とする。
Aはアームの上下枢軸の距離PQである。ここではA=570mmとしている。BはB=(L +L 1/2によって計算できる。L=650mm、L=80mmの場合、B=654.9046mmである。C=(L +x1/2である。θは余弦定理によって決まる。
=B+C−2BCcosθ (5)
であるから、
Figure 0004116532
tanθ=x/Lによってθを計算できる。xの方がLより大きいので近似計算する場合は収束性が悪い。だから余角のθをtanθ=L/xによってつまりθ=tan−1(L/x)によって計算するようにしてもよい。
これらを(4)に代入すると、xとθの関係式を得る。
Figure 0004116532
これは正確な式でありxからθを一義的に決定する事ができる(表1)。しかし逆に解くことができない。θからxを求めることはできない。
A=570mm、B=654.9046mm、L=187.5mmとして、xの範囲(ボールネジの基準位置からナット・下移動枢軸の距離範囲)を130mm〜470mmとして、10mm刻みにxの値を与えて、傾斜角θを計算した。
Figure 0004116532
これはEXCELを使えば容易に計算できる。その結果を表1に示す。
Figure 0004116532
1〜35は番号、2欄〜5欄のL=650mm、L=80mm、L=187.5mm、A(アーム長さ)=570mmというのは図に与えた定数である。6欄が変数xの値を示す。130mmから470mmまで10mmごとの値を与えている。10mmごとに計算したのは、ボールネジのピッチがp=10mmだからである。が、刻みは任意に変更してもよい。7欄がxの値をいれて(10)式などによって計算した傾斜角θの値(度)である。8欄はθ=0からの移動量である。
x→θの計算はできるが、θ→xの計算ができないのであるが表にしてみると、θ→xの関係もわかってくる。
x=130mmでθ=−3.761゜である。
x=140mmでθ=−1.465゜、x=150mmでθ=+0.713である。内挿することによって、x=146.667mm゜でθ=0゜を取るだろうということがわかる。
傾斜角の上限は土地によって違うがここでは27゜としてみる。それに対してxはx27=408.213mmである。そうすると、水平から27゜までの傾斜をもつ土地にレールを付設する場合、xの変域はx=146.667mm〜408.213mmである。0゜から27゜のストロークはS 27=261.546mmである。
これをグラフにして図19に示した。横軸は下移動枢軸の基準位置からの距離x(mm)であるが必ずしも対応は正確でない。。縦軸は傾斜角θ(゜)である。傾斜角の範囲は−3.762゜〜+28.330゜である。傾斜角θと、xがリニヤでない。それが問題である。初めの立ち上がり(dθ/dx)は0.14゜/mm程度でありかなり速い。
しかし次第に曲線は緩やかな上昇を示すようになる。x=280mmの当たりでは0.09゜/mmに低下する。x=320mmの近くでは、0.067゜/mmに下がる。さらにx=410mm近傍では0.03゜/mm程度に上昇速度が落ちる。そのようにボールネジのナット(下移動枢軸)の変位xに対し、傾斜角θが線形でない。それは問題である。どういう問題があるのか?一つはθが大きい領域での追随性が悪いということであり、もう一つはθが小さいときに、モータ、ボールネジ、アームにかかる力が大きくなりすぎるということである。
追随性の問題について述べる。それはθが小さいときは角度変化は速いが、大きい所で傾斜角変化速度が低下するということである。傾斜角変化の遅延は傾斜がきつい領域での傾斜角制御を難しくする。モータによる傾斜角変化速度が充分に早ければ非線形性は大して問題でなく傾斜角変化に速やかに追随できれば良い。しかし傾斜角変化速度はもともとあまり速くない。それがθの大きい部分で遅延すると制御の遅れが台車の有意の傾斜を余儀なくする。
たとえばモータ35の極数を4とする。商用交流(関西)が60Hzとすると、1分間の回転数は60×60×2/4=1800rpmである。ギヤドモータであって減速器を内蔵する。その減速比を1/25とすると、ボールネジの1分間の回転数は1800rpm/25=72prmである。
ボールネジの1ピッチをp=10mmとすると、ボールネジに螺合するナット・下移動枢軸の移動速度はv=10×72=720mm/分=12mm/秒である。交流モータであるから滑りが少しあるが、大体この一定速度でナット・下移動枢軸が前後に移動する。1ピッチp=10mmだけ進む時間は10mm/12mm/秒=0.83秒である。
θ=27゜、0゜、−3゜の3つの場合を考えよう。
θ=27゜ x=408.213mm
θ=0゜ x=146.667mm
θ=−3゜ x=133.26mm
27゜〜0゜の変化において、 xの差が、261.546mmであるから、その変化に必要な時間T 27
27=261.546mm/12mm/秒=21.8秒
これはつまり傾斜角が27゜から0゜あるいは反対に0゜から27゜までに変化するのに21.8秒かかるということである。
モノレールの走行速度がV=30m/分=0.5m/秒であるとする。それは歩行速度の半分程度である。その場合でも0゜〜27゜の傾斜角変化に21.8秒かかるようでは遅すぎる。たとえば上下方向にR=10000mm=10mの曲率半径の傾斜があるとする。0゜から出発し27゜にいたるまでにモノレールが約5m走行することになる。
V=0.5m/秒なので5m移動する速度は10秒である。27秒よりずっと短い時間(10秒)で27゜の傾斜角変動が生じる。つまりそれでは追随できないということである。R=10mの傾斜角変動というのは実際にはかなりきついものである。そのような地形が実際にあるとは限らないがその程度の傾斜角変動に追随することが望まれる。
[近似計算]
図18のリンク機構において、x→θの計算は一つ一つ正確に実行することができるが、反対にθ→xの計算はできずそれでは見通しが悪い。そこで近似計算をして両者の関係をより明白にしよう。
A=570mm、B=655mm、C=(187.5+x1/2mm
=187.5mmであり、これによって式(10)を近似計算することを考える。
Figure 0004116532
x=0の廻りで近似計算すると収束性が悪い。表1の結果を見てx=276.4mmの廻りで近似する。その場合C=334mmとなる。
cosθ=(655+334−570)/2×655×334
=215681/437540
=0.49294 (11)
tanθ=187.5/276.4=0.6784 (12)
よってx=276.4mmの場合
θ=60.466゜
θ=34.151゜ (13)
となるので
θ=19.298゜ (14)
となる。
276.4mmの廻りでの近似であるから、そこからのずれをρとして、
x=276.4+ρ (15)
とする。(11)式はρ(=x−276.4)を含むと次のようになる。
Figure 0004116532
となる。ここまでは厳密式である。このままでは解析的に計算ができないので、ρの三次までを取る近似をする。
cosθ=0.49294(1+0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ) (17)
テイラー展開することによってcos−1(A+Ah)の近似式を計算しよう。cos−1zの1階微分は−1/(1−z1/2であり、2階微分は−z/(1−z3/2である。3階微分は−(1+2z)/(1−z5/2である。cos−1A=ξとすると、
cos−1(A+Ah)=cos−1A−Ah/(1−A1/2−A/2(1−A3/2×(A)−(1+2A)(Ah)/6(1−A5/2
(18)
となるのであるが、A=cosξだから
(1−A1/2=sinξ (19)
/2(1−A3/2=cotξ/2 (20)
(1+2A)A/6(1−A5/2=(1+2cosξ)cosξ/6sinξ (21)
であるから、
cos−1(A+Ah)=ξ−(cotξ)h−(cotξ)/2−(1+2cosξ)hcosξ/6sinξ… (22)
となるわけである。(17)の逆関数の近似式を求めたい。
θ=cos−1{0.49294(1+0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ)} (23)
であるが、
A=0.49294=cosξ、
h=0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ
だと思えば(22)によってρの展開式にすることができる。
ξ=60.466゜=1.0553ラジアン、cotξ=0.5666、cotξ/2=0.0909、(1+2cosξ)cosξ/6sinξ=0.05949である。
θ=1.0553−0.5666(0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ)−0.0909×(0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ−0.05949ρ×(0.0855×10−3ρ+3.011×10−6ρ−4.08×10−9ρ… (24)
ρの3次の項までとると、
θ=1.0553−0.0484×10−3ρ−1.7067×10−6ρ+2.2648×10−9ρ… (25)
ということになる。
tanθについても同様の近似をする。
tanθ=187.5/(276.4+ρ)
=0.6784(1−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρ…) (26)
ということになる。
同じようにテイラー展開することによってtan−1(A+Ah)の近似式を計算しよう。tan−1zの1階微分は1/(1+z)である。2階微分は−2z/(1+zである。3階微分は(6z−2)/(1+zである。
tan−1z=η、tanη=zとすると、1階微分にAを掛けたものはsinηcosηとなり、2階微分にAを掛けたものは−2sinηcosηとなる。3階微分にAを掛けたものはcosηsinη(6tanη−2)である。
tan−1(A+Ah)
=tan−1A+Ah/(1+A)−{A/(1+A}×(A)+(6A−2)/6(1+A×(Ah)
=tan−1A+(sinηcosη)h−(sinηcosη)h+(6tanη−2)sinηcosηh/6+… (27)
(26)式のtanの逆関数の近似式を求めたい。
θ=tan−10.6784(1−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρ+…)
(28)
A=0.6784、h=−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρとみなせば良い。
η=tan−10.6784=0.5961ラジアン=34.153゜、sinη=0.56140、cosη=0.82754、sinηcosη=0.4646、sinηcosη=0.14642、(6tanη−2)sinηcosη/6=0.0127 となるので
θ=0.5961+0.4646×(−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρ)−0.14642×(−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρ
+ 0.0127×(−3.618×10−3ρ+13.090×10−6ρ−4.736×10−8ρ

=0.5961−1.6809×10−3ρ+4.165×10−6ρ−6.734×10−9ρ… (29)
これでθの近似式が求められた。θよりもθの変化の方が大きいということがわかる。θは殆ど変化しないということができる。θ−θを計算すると
θ−θ=(1.0553−0.0484×10−3ρ−1.7067×10−6ρ+2.2648×10−9ρ…)−(0.5961−1.6809×10−3ρ+4.165×10−6ρ−6.734×10−9ρ3…)
=0.4592+1.6325×10−3ρ−5.8717×10−6ρ+8.9988×10−9ρ… (30)
x=276.4mmということはアームがすでに∠PQR=90゜の位置を左に越えており、x(ρ)の増加によってもはやθは増えず、θが増え(θが減り)るのでθが僅かに増えるということである。上の式の式の単位はラジアンである。7.0165゜=0.12246ラジアンであるから、(10)式の近似式をラジアンで表現すると、
θ(ラジアン)=θ−θ−0.12246
=0.33674+1.6325×10−3ρ−5.8717×10ρ+8.9988×10−9ρ
(31)
となる。同じ式を度で表現すると(ρ=x−276.4)
θ(度)=19.293+93.535×10−3ρ−336.4×10−6ρ+515.6×10−9ρ
=19.293+0.093535ρ−0.00033646ρ+0.0000005156ρ
(32)
というようになる。検算をしてみよう。xから276.4mmを引いたものがρである。x=130mmから50mmごとにとった点でのθの値を上の3次近似式で求めた2〜3桁の値を示す。括弧の中には近似計算でないものとの差を示している。
x=130mm、ρ=−146.4mm −3.2度 (+0.5)
x=180mm、ρ=−96.4mm 6.7度 (+0.1)
x=230mm、ρ=−46.4mm 14.2度 (−0.0)
x=280mm、ρ=+3.6mm 19.6度 (−0.0)
x=330mm、ρ=53.6mm 23.4度 (−0.0)
x=380mm、ρ=103.6mm 25.9度 (−0.0)
x=430mm、ρ=153.6mm 27.6度 (+0.0)
この結果は、上の近似式がかなりよい近似であることを意味している。θをρで微分することによって変位xと傾斜角θの非線形性がわかる。
dθ/dρ=0.093535−0.00067292ρ+0.000001545ρ
ρ=−146.4mmで0.225、ρ=−96.4mmで0.172、ρ=−46.4mmで0.128、ρ=+3.6で0.091、ρ=53.6で0.062、ρ=103.6で0.040、ρ=143.6で0.026である。この結果から見ても非線形性が大きいということがわかる。
ボールネジ回転による下移動枢軸の位置xから傾斜角θを計算するのは一義的に行える。しかしθからxを解析的に計算することはできない。そこでθを等しい刻みで変化させて、それに対するxを求めることにした。それは多数のxに対してθを計算しており、それから内挿してきりのよいθとそれに対するxを計算できる。それを表2に示した。
Figure 0004116532
第7欄のθ傾斜角をθ=−3゜から1゜ずつ増やしてθ=28゜まで32の場合について下移動枢軸の変位xを求めている。それが第6欄のものである。第8欄はθ=0からの移動量(x−x)を示す。たとえば−3゜〜−2゜のための移動量は4.4mmである。しかし25゜〜26゜を引き起こすための移動量は22mmにもなる。xが増大に伴うθの変化の減少は、図18の力の三角形において∠QRP(θ)がもはや増えず、∠QRS(θ)の僅かな増加がありそれだけによってθが増大するようになっているからである。
図18のようなリンクではもともと∠QRP(θ)の変化は乏しくて大体一定であり主に変わるのは∠QRS(θ)の方なのである。ところがそれはtan−1(x/L)の動きだから、xが大きくなるにつれて角度の変化は少なくなる。xとθの非線形はそのようなことに由来する。
図21は傾斜角θが負であって、走行装置の後ろが持ち上がっている状態を示す。中間回転軸とアームが近接しており、アームやボールネジ、角度調整モータにかかる負荷が大きくなることがわかる。
図22は傾斜角がθ=0であって、走行装置枠が水平の状態を示す。アームはなお中間の回転軸に近いのでアーム、ボールネジ、モータにかかる力が大きい。
図23は傾斜角がθ=27度の場合を示し、走行装置はレールの傾斜角Υと同じだけ傾斜している。アームは中心の回転軸から離隔しており、アームにかかる力、モータ、ボールネジに掛かる力が少なくなる。
ボールネジや傾斜角調整用モータの前後には動力車が存在する。その中間の狭いスペースに、モータとボールネジを設置する必要があるから、アームのストロークを広くとることができない。そのためにθが0に近いあたりでのモータやアーム・ボールネジにかかる力はどうしても大きいものになる。しかし本発明では台車を中間の軸で枢支するので完全にバランスしていれば、そもそも軸廻りのモーメントが存在しないのだから巨大な力が働くというのではない。
図20はθの刻みを優先して横座標を書き直したθ・xのグラフである。しかし実際は横軸xが等間隔でなくて線形化できていない。
図18のようなリンク機構を採用するかぎりx・θ関係を線形化することは不可能である。しかしx・θを線形化する必要が実はない。実際には時間tと傾斜角θの関係t・θを線形化すればよい。
傾斜角が大きい部位(傾斜がきつい場所)では走行速度を落とすようにするし、傾斜角が大きいところで傾斜角変動が大きいのであるから、完全に線形化しなくてもよいわけである。
t−θの線形化のためにはθが大きい領域でのボールネジ駆動モータ回転速度をスピードアップすればよい。直流モータを使えばそれは簡単にできる。しかし大型の直流モータは高価格で入手しにくいし連続制御による熱損失も大きい。
ここでは、交流モータを使いながら、ボールネジ駆動モータ35の回転速度自体を傾斜角θの範囲に応じて変動させるようにする。交流モータを使うので周波数が60Hzであると一定回転するだけであり回転速度を変えることができない。そこでインバータを用いてモータに印加する交流の周波数を変えることにする。インバータを使うとコストを上げることになるのであるが、動力車の推進用の電動機の速度制御にインバータを使っているので、ボールネジ回転用モータにさらに別のインバータを使ったとしても、それほどコストアップというものではない。
トロリーから200V三相交流が給電される。それを整流して直流としてさらにVCO制御によって周波数の違う交流を作り出し、それによって交流モータを制御するようにする。ここではボールネジ回転用モータは極数が4で、1800rpm(60Hz)のものであるとする。インバータでf=50Hz、60Hz、70Hzの周波数の電力を作り出すようにする。50Hzでは1500rpmで回転する。70Hzでは2100rpmで回転する。そこで
θ=−3゜〜+10゜ f=50Hz N=1500rpm
θ=+10゜〜+20゜ f=60Hz N=1800rpm
θ=+20゜〜+28゜ f=70Hz N=2100rpm
というように傾斜角制御モータの速度を、θの範囲によって3通りに切り換えることにした。そうすると傾斜角が大きい領域でも傾斜角変動の速度を早めることができる。折れ線近似のようなものであるから、正確に線形化することはできない。
表3はそのようにインバータを用いてモータ速度制御したときの傾斜角、下移動枢軸変位x、インバータ周波数f、モータ回転数N、モータ減速比(1/25)、ナット(下移動枢軸)速度(mm/秒)、傾斜角を1度増やすための時間(秒)、その角度まで傾斜させるために要する時間を示す。
Figure 0004116532
0度付近では、1度動かすための時間は0.45秒である。傾斜角10度付近では0.63秒である。11度では0.54秒である。ここで1度あたり時間が減っているのは10度のところでf=50から60Hzへ切り換えるからである。20度傾斜では1度あたり時間は0.9秒である。21度傾斜では1度あたり時間は0.84秒である。ここで時間が減るのもf=60から70Hzへ切り換えるからである。
そのようにしても完全に線形化されない。θ=27度での1度あたり時間は2秒であるから、0度での時間の5倍もかかることになる。それはそうなのであるが、θが大きく傾斜の険しいところでは動力車の走行速度Vを下げるので傾斜角の時間変動がそれによって緩和される。だからレール傾斜角変動に追随することができる。
そして0度から10度までの変化のための時間は5.396秒である。10度から20度までは6.944秒である。20度から27度までの時間は8.874秒である。0度から27度までの合計の時間は21.215秒である。
地形によってはそれではなお遅すぎるということもあるかもしれない。
その場合はインバータの出力を50、60、70Hzという3刻みにしないで、もっと刻みを細かくして40、50、60、70、80Hzというようにモータ回転数の変化の幅を大きくすればよいことである。インバータを用いるのでモータ回転数をかなり広い範囲で自在に変更することができる。
表4に本発明の2両連結電動乗用モノレールの仕様を示す。電動機は一つの車両に二つあり合計4つ搭載される。ブレーキつきの3.7kWの定格の全閉外扇形3相かご形誘導電動機である。電磁ブレ−キは無励磁作動スプリング方式でDC24Vで動作する。電動機の速度制御に使うインバータは入力が200V、50Hz、60Hzで出力周波数は30Hz〜60Hzである。
Figure 0004116532
水平地における本発明の実施例にかかる2両連結乗用モノレールとレールの右側面図。
一両分のモノレール台車の屋根を除いた状態の平面図。
本発明の実施例にかかるモノレールの正面図。
傾斜地における本発明の実施例にかかる2両連結乗用モノレールの右側面図。
2両連結乗用モノレールの走行装置枠だけの平面図。
走行装置枠の右側面図。
走行装置枠のボールネジ支持ブロック46付近の図5におけるA−A断面図。
走行装置枠の角度調整ナット47付近の図5におけるB−B断面図。
ボールネジ回転数を検出するための回転検出ボス74の断面図。
傾斜値において台車は水平に保たれ走行装置枠はレール傾斜に平行であるようになっている状態の走行装置枠の右側面図。
動力車・走行装置・レールの正面図。
走行装置・動力車・レールの右側面図。
動力車の車輪・車軸・減速器・回転検出とレールの正面図。
駆動ピニオン軸とともに回転する十字コマと近接センサからなる回転検出機構の図13におけるA−A断面図。
前車・後車の距離を検出するセンサを有する連結棒・継ぎ手の断面図。
本発明の乗用モノレールの発進時の速度変化を示す図。
本発明の乗用モノレールの停止時の速度変化を示す図。
角度調整アーム・下移動枢軸・上固定枢軸・回転軸・ボールネジ・ナットなどが作る角度調整のための力学的構造を略して示す説明図。
ボールネジによって前後に動くアーム下端の下移動枢軸の変位x(cm)と、台車・走行装置枠の挟角(傾斜角)θの非線形の関係を示すグラフ。
ボールネジによって前後に動くアーム下端の下移動枢軸の修正された変位x(cm)と、台車・走行装置枠の挟角(傾斜角)θの線形の関係を示すグラフ。
走行装置が負の傾斜角θ=−3度のときの台車・走行装置レール、アーム、ボールネジなどを示す側面図。
走行装置が水平(θ=0度)のときの台車・走行装置レール、アーム、ボールネジなどを示す側面図。
走行装置が正の傾斜角θ=27度のときの台車・走行装置レール、アーム、ボールネジなどを示す側面図。
符号の説明
1 2両連結乗用モノレール
2 走行装置
3 台車
4 レール
5 ガイドレール
6 支柱
7 沈下防止板
8 ラック
9 打ち込みパイプ
10 床板
12 側板
13 前板
14 後板
15 屋根
16 ハネ上げ式椅子
17 操作盤
18 制御盤
19 窓
20 横カバー
21 窪み
22 両開き扉
23 連結棒
24 継ぎ手
25 駆動ピニオン
26 継ぎ板
27 連結プレート
28 螺子
29 継ぎ手
30 電動動力車
31 フレーム
32 電磁ブレ−キ
33 走行装置枠
34 モータ取り付けフレーム
35 角度調節モータ
36 ボールネジ
37 角度調節アーム
38 角度調節アーム先端軸受
39 ショックアブソーバ
40 台車支持軸取り付けプレート
41 台車支持プレート
42 台車支持軸受
43 カプリング
45 ボールネジ支持軸受取付プレート
46 ボールネジ支持ブロック
47 角度調整ナット
48 回転軸
49 横桟
50 継ぎ軸
51 前枠
52 左枠
53 後枠
54 右枠
55 長手桟
56 横桟
57 横桟
58 後桟
59 後桟
60 前桟
61 前桟
62 長手桟
63 横桟
64 横桟
67 中桟
68 上固定枢軸
69 下移動枢軸
70 後基台
72 前基台
73 ボールネジ回転検出センサ
74 回転検出ボス
75 センサドグ
76 下限センサ
77 上限センサ
80 角度調節ローラ
82 角度調整ナット用軸受
83 角度調整ガイド
84 凹部
85 凸部
86 ネジ
87 パイプ
88 レール受けパイプ
89 円筒
90 給電機構
91 支持柱
92 給電線保持材
93 トロリーダクト
94 トロリー
95 集電シュー
96 集電アーム
97 スプリング
98 電線コード
99 ブラケット
200 対ブロック
201 突き出し棒
202 継ぎ棒
203 フランジ
204 横板
205 跨台座
206 ブロック
207 ブロック
210 ボルト
208 ガイドローラ
209 ガイドローラ
220 上車輪
221 下車輪
222 下車輪
223 ブレーキ付き電動機
224 横棒
225 軸受
226 ボルト
230 上車輪軸
232 上車輪軸
233 調節プレート
234 調節プレート
236 回転検出部
237 出力コード
240 T型軸
242 円筒部
243 細径部
244 立て軸受
245 テーパーローラーベアリング
246 テーパーローラーベアリング
247 Aフレーム
248 Bフレーム
249 Cフレーム
250 ボルト
252 ボルト
253 ボルト
256 軸受
257 軸受
258 軸受
259 軸受
260 角型部
261 小径部
262 雄螺子部
263 ナット
264 小径部
265 雄螺子部
266 ボルト
270 大歯車
272 E軸
274 軸受
275 軸受
276 軸受
278 オイルシール
279 オイルシール
282 下車軸
283 雄螺子部
284 ナット
292 十字コマ
293 凹部
294 凸部
295 近接センサ
296 Γ金具
297 ボルト
298 回転検出部ケース
299 ボルト
300 オイル溜め
302 雌螺穴
303 ローラ軸
304 雄螺子
305 細径部
306 ボス
307 軸受
308 軸受
309 カラー
310 リングカラー
320 雌螺穴
322 ローラ軸
323 雄螺子部
324 細径部
325 ボス
326 軸受
327 軸受
328 カラー
329 カラー
332 鞘筒
333 ロッド
334 コ型金具
339 連結軸
340 ボルト
344 検出ブロック
345 前摺動受け環
346 後摺動受け環
347 センサB
348 センサC
349 センサA

Claims (2)

  1. 地上に敷設された一本のラック付きレ−ルを走行する前車と後車よりなる2両連結の乗用モノレールであって、前車後車のいずれにも、電動動力車の上に走行装置枠を設け、座席、車椅子搭載部をもち傾斜方向前側下方中央に窪みを持つ床板を有する台車を支える台車枠を走行装置枠とは別に設け、台車枠と走行装置枠とを前後方向に中間位置にある回転軸によって枢結し、角度調節アームの上端を台車枠に上固定枢軸によって回転自在に枢結し、枠長手方向に平行に設けられたボールネジを走行装置枠に固定した傾斜角調節モータによって回転させ、角度調節アームの下端を下移動枢軸によってボールネジに螺合したナットに枢結し、傾斜角調節モータを正逆に回転させることによって、走行装置枠と台車枠の挟角θを変更し、始点あるいは終点からの経路長sに応じて予め分かっているレールの傾斜角Υ(s)に、走行装置枠・台車枠の挟角θを等しくするよう台車を中間回転軸のまわりに回転させ走行装置枠の一部が台車窪みに進入できる状態で台車を水平に保持するようにしており、前車と後車は牽引力・推進力を伝達せず相互の車両の離隔・近接を検知する機構をもつ連結棒で連結してあって車両が近接した場合は前車、後車いずれかの電動動力車の速度を変えて適正な距離に戻すようにしている事を特徴とする2両連結乗用中間傾斜電動モノレール。
  2. 地上に敷設された一本のラック付きレ−ルを走行する前車と後車よりなる2両連結の乗用モノレールであって、前車後車のいずれにも、電動動力車の上に走行装置枠を設け、座席、車椅子搭載部をもち傾斜方向前側下方中央に窪みを持つ床板を有する台車を支える台車枠を走行装置枠とは別に設け、台車枠と走行装置枠とを前後方向に中間位置にある回転軸によって枢結し、角度調節アームの上端を台車枠に上固定枢軸によって回転自在に枢結し、枠長手方向に平行に設けられたボールネジを走行装置枠に固定した傾斜角調節モータによって回転させ、角度調節アームの下端を下移動枢軸によってボールネジに螺合したナットに枢結し、傾斜角調節モータを傾斜角の大きいときは速く傾斜角が小さいときは遅くなるよう正逆に回転させることによって、走行装置枠と台車枠の挟角θを変更し、始点あるいは終点からの経路長sに応じて予め分かっているレールの傾斜角Υ(s)に、走行装置枠・台車枠の挟角θを等しくするよう台車を中間回転軸のまわりに回転させ走行装置枠の一部が台車窪みに進入できる状態で台車を水平に保持するようにしており、前車と後車は牽引力・推進力を伝達せず相互の車両の離隔・近接を検知する機構をもつ連結棒で連結してあって車両が近接した場合は前車、後車いずれかの電動動力車の速度を変えて適正な距離に戻すようにしている事を特徴とする2両連結乗用中間傾斜電動モノレール。


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