JP4116322B2 - 電子機器の防振構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動に弱いハードディスクドライブ等のユニットを着脱可能で、車載用や携帯用など、過酷な振動環境下で使用される電子機器の防振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記憶容量が大きく、高速度で読み書きが可能な記憶装置として、ハードディスク装置が各種コンピュータ装置に広く利用されている。ハードディスク装置の記憶容量は、技術の進歩によって年々増大し、価格も低下している。このため、コンピュータ装置の記憶装置としての利用ばかりではなく、従来、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク等の大容量記録媒体や、さらに磁気ディスクや磁気テープなどの記録媒体を利用している分野でも、ハードディスク装置の利用が可能になってきている。
【0003】
ハードディスク装置を記録媒体のように利用するために、メディア部分を取外しすることができるリムーバル・ハードディスクが商品化されている。代表的な製品としては、米国Castlewood Systems社のORBドライブや、Iomega社のjazドライブなどの製品が知られている。これらの製品は、パーソナルコンピュータに専用のドライブ装置を接続し、そのドライブ装置にリムーバル・ハードディスクの部分を出し入れして利用することができる。たとえば、ORBドライブは、約2Gバイトの記憶容量を有し、パーソナルコンピュータはもちろん、ビデオデッキ、ビデオカメラなどの記憶媒体向けに開発されている。これらのリムーバル・ハードディスクは、ドライブ装置への着脱が容易になるように、構造が考慮されている。
【0004】
また、ハードディスク装置は、筐体の大きさや取付け方法などが標準化され、単体でも多量に市販されている。パーソナルコンピュータなどでは、ケースに複数のハードディスク装置を装着するスペースがドライブ・ベイとして確保され、ユーザが必要に応じてハードディスク装置を購入して増設することが可能である。ユーザがハードディスク装置の着脱を容易にするための簡易脱着スライド機構を備えるアダプタも市販されている。
【0005】
ハードディスク装置では、大容量を実現するために、情報の記録密度は極めて大きく、情報の読み書きを行うヘッドの位置決めには高精度を要する。このため、外部からの振動や衝撃に対しては弱く、振動環境下では正常な読み書きが行えなくなったり、ヘッドやディスク媒体自体を機械的な衝撃等で破損させてしまうおそれがある。今日使用されているハードディスク装置では、使用しないときにヘッドとディスク媒体とを機械的に分離して保持し、移動や着脱の衝撃等には耐えるように構成されている。また、車載用など、過酷な振動環境下で使用する電子機器にハードディスク装置を搭載する場合には、使用中にハードディスク装置に大きな振動や衝撃が加わらないように、機械的な防振構造が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
コンピュータ装置など、従来からハードディスク装置を使用している電子機器では、ハードディスクの記憶内容の書換えは、ソフトウェアのバージョンアップ、あるいはメンテナンスなどの際に、いわば日常的に行われ、基本的な機能として備えられている。しかし、ハードディスク装置を新たに使用するようになる電子機器では、必ずしも大量の記憶内容を書換える必要はなく、むしろ読出し専用の記憶内容が多くなる場合がある。ただし、そのような読出し専用の記憶内容であっても、データの書換え、ソフトウェアのバージョンアップ、あるいはメンテナンスは必要となる。そのような必要に対しては、ハードディスク装置を取外して、専門家などが外部で記憶内容を書換えたり、ハードディスク装置自体を交換したりすることで対応しうる。
【0007】
たとえば車載用のナビゲーション装置の地図情報記憶用にハードディスク装置を使用することを想定する場合、地図情報の更新のためには、ハードディスク装置の簡易脱着機構が必要となる。ナビゲーション装置自体に地図情報の更新機能を備えさせることは可能であるけれども、大量の情報を通信などで取得する操作は、ユーザにとって大きな負担となってしまう。しかし、前述のような従来技術では、ハードディスク装置の着脱は可能であっても、使用中の防振性は備えていない。過酷な振動環境下で使用される車載用のナビゲーション装置やAV(
Audio Visual)機器、あるいは携帯して移動しながら使用可能なノート型のパーソナルコンピュータなどでは、ハードディスク装置を防振構造で取付けており、通常の使用状態での着脱は不可能である。
【0008】
本発明の目的は、ハードディスク装置などの耐振性を要するユニットを、簡易に着脱可能で、しかも耐振性の余裕度を向上させることができる電子機器の防振構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、防振性を要するユニットを、該防振性で許容される範囲を越える過酷な振動環境下で使用する可能性がある電子機器の筐体内に、着脱可能に取付けるための電子機器の防振構造であって、
ユニットが装着されるホルダと、
ユニットとホルダとの装着部分に設けられ、ホルダとユニットとの間で振動を減衰させる振動減衰手段と、
筐体内に設けられ、振動減衰手段を介してユニットが装着されているホルダを、筐体内の収納位置に案内する案内部材と、
筐体内で、ユニットに対する電気的な接続を行う接続手段とを含み、
前記接続手段は、
前記筐体内に設けられる筐体側接続部材と、
前記ホルダに設けられ、ホルダが前記案内部材によって前記収納位置に案内されるときに、筐体側接続部材に対して接合可能なホルダ側接続部材と、
前記ユニットとホルダ側接続部材とを、電気的に接続し、可撓性を有する可撓性接続部材とを含み、
前記筐体側接続部材または前記ホルダ側接続部材のうちの少なくとも一方は、前記接合時に他方に合わせて変位可能なように、浮遊状態で取付けられていることを特徴とする電子機器の防振構造である。
【0010】
本発明に従えば、防振性を要するユニットを、電子機器の筐体内に着脱可能に取付ける際に、ユニットをホルダに装着しておく。ユニットをホルダに装着する部分には、振動を減衰させる振動減衰手段を設け、ホルダとユニットとの間で振動を減衰させる。ホルダは、筐体内に設けられる案内部材によって、筐体内の収納位置に案内され、ユニットに対する電気的な接続が接続手段によって行われるので、ユニットを電子機器の内部構成要素として電気的に動作させることができる。筐体内に収容されるユニットは、振動減衰手段によって、筐体からホルダに伝達され、さらにホルダからユニットに伝わる振動が減衰されるので、電子機器の筐体が過酷な振動環境下にあっても、耐振性の余裕度を向上させることができる。案内部材によって、ユニットの着脱を容易に行うことができる。
【0012】
また、ホルダにユニットを装着し、ユニットとホルダ側接続部材とを可撓性接続部材を介して電気的に接続しておき、ホルダを案内部材による案内で収納位置に装着すれば、ホルダ側接続部材と筐体側接続部材とが接合する。ホルダ側接続部材は、可撓性接続部材を介してユニットと電気的に接続されているので、筐体側接続部材とユニットとの電気的な接続も達成される。可撓性接続部材は、可撓性を有するので、ホルダとユニットとの間での振動の伝達を行うことはなく、電気的な接続経路を通じてユニットに振動が加わるのを防止することができる。
【0014】
また、筐体側接続部材またはホルダ側接続部材のうちの少なくとも一方は、ホルダが案内部材によって収納位置に案内されて接合が行われるときに、他方に合わせて変位可能なように、浮遊状態で取付けられているので、位置のずれなどを吸収し、接合や取外しを円滑に行うことができる。
【0015】
また本発明は、前記ユニットを複数装着可能で、前記振動減衰手段を介して前記ホルダに装着可能なサブホルダをさらに含み、
サブホルダには、各ユニットを装着位置に案内する案内部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、複数のユニットをサブホルダに取付け、サブホルダを振動減衰手段を介してホルダに装着するので、ホルダを電子機器の筐体内に取付けるときに、ホルダとサブホルダとの間で振動を減衰させ、複数のユニットで耐振性の余裕度を向上させることができる。各ユニットは、案内部によって装着位置に案内されるので、サブホルダに対するユニットの着脱を容易に行うことができる。振動減衰手段は、複数のユニットに対してサブホルダとホルダとの間に共通に設けるので、各ユニット毎に振動減衰手段を設ける場合に比較して、省スペース化を実現することができる。
【0017】
また本発明で、前記ユニットは、ハードディスク装置であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、ハードディスク装置を電子機器に使用する際に、着脱可能なユニットとすることができるので、データの書換え、ソフトウェアのバージョンアップ、メンテナンス等の際に、ハードディスク装置を電子機器から取外して、効率良くかつ確実に書換え等の処理を行うことができる。
【0019】
また本発明で、前記振動減衰手段は、防振ゴムまたは防振オイルダンパのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、防振ゴムや防振オイルダンパを振動減衰手段として、過酷な振動環境下で使用する電子機器が受ける振動がユニットに伝わらないように減衰させ、耐振性の余裕度を向上させることができる。防振ゴムや防振オイルダンパは小型でも振動減衰能力が高いので、小さなスペースで有効な防振性の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である電子機器の防振構造の概略的な構成を示す。図1(a)は正面断面視、図1(b)は側面断面視した状態をそれぞれ示す。電子機器のDIN筺体1内には、内部ホルダ2が収容される。本実施形態の内部ホルダ2は、仮想線で示すDIN筺体1と組合わされて、筺体を構成する。電子機器は、たとえば車載用のナビゲーション装置やAV装置であり、そのDIN筺体1は1DINや2DINなどと呼ばれる標準的な大きさを有し、自動車の運転席近傍のコンソール収納位置に装着される。DIN筺体1は、大略的に直方体形状であり、高さに比較して幅が大きく、幅に比較して奥行が大きい。DIN筺体1に対し、内部ホルダ2は固定部材3で固定される。板状の姿勢で使用される。内部ホルダ2は、底板4の幅方向両側に側壁5,6をそれぞれ有し、前後方向には前面板7および背面板8をそれぞれ有する。DIN筺体1や内部ホルダ2は、金属や合成樹脂を材料として実現される。
【0022】
本実施形態では、DIN筺体1内にハードディスクユニット(以下、「HDDユニット」と略称する)10を着脱可能である。HDDユニット10を過酷な振動環境下でも使用可能とするために、HDDユニット10は振動減衰手段11を介してHDDホルダ12に取付けられる。HDDホルダ12は、たとえば金属の板を加工して形成され、平坦な底部13と、側方に張出す支持部14,15とを有する。支持部14,15は、内部ホルダ2の両側壁5,6の内側に取付けられる案内部材としてのガイドホルダ16,17にそれぞれ形成されているガイド溝18,19によって案内される。このような簡易脱着スライド機構によって、HDDユニット10を、DIN筺体1の前後方向にスライドさせて着脱することができる。
【0023】
DIN筺体1内に取付けられるHDDユニット10と電子機器のDIN筺体1内部の構成部分との間には、接続手段20による電気的な接続も行われる。接続手段20は、HDDユニット10とHDDホルダ12との間の電気的接続を行うフレキシブル・ケーブル21と、HDDホルダ12およびDIN筺体1間の電気的接続を行うコネクタ22およびフローティング・コネクタ23とを含む。フレキシブル・ケーブル21は、複数のケーブルが可撓性を有する状態で帯状や束状にまとめられており、たるませた状態でHDDユニット10とコネクタ22との間の電気的接続を行う。フローティング・コネクタ23は、内部ホルダ2の背面板8側に浮遊状態で取付けられ、コネクタ22との着脱の際に、所定範囲での変位が可能である。なお、内部ホルダ2とHDDホルダ12とは、ボルト24で固定する。
【0024】
本実施形態では、HDDホルダ12にHDDユニット10を装着し、HDDユニット10とホルダ側接続部材であるコネクタ21とを可撓性接続部材であるフレキシブル・ケーブル20を介して電気的に接続しておき、HDDホルダ12を案内部材であるガイドホルダ16,17による案内で収納位置に装着すれば、コネクタ22と筐体側接続部材であるフローティング・コネクタ23とが接合する。コネクタ22は、フレキシブル・ケーブル21を介してHDDユニット10と電気的に接続されているので、フローティング・コネクタ22とHDDユニット10との電気的な接続も達成される。フレキシブル・ケーブル21は、可撓性を有するので、HDDホルダ12とHDDユニット10との間での振動の伝達を行うことはなく、電気的な接続経路を通じてHDDユニット10に振動が加わるのを防止することができる。
【0025】
また本実施形態では、内部ホルダ2の背面板8にフローティング・コネクタ23を設け、HDDホルダ12側のコネクタ22は固定している。しかし、フローティング・コネクタ23をHDDホルダ12側に設け、背面板8側にコネクタ22を固定することもできる。いずれか一方を、接合時に他方に合わせて変位可能なように、浮遊状態で取付けることによって、位置のずれなどを吸収し、接合や取外しを円滑に行うことができる。
【0026】
以上で説明しているように、本実施形態では、防振性を要するHDDユニット10を、防振性で許容される範囲を越える過酷な振動環境下で使用する可能性がある電子機器の内部ホルダ2に、着脱可能に取付けるための防振構造として、HDDユニット10が装着されるHDDホルダ12と、HDDユニット10とHDDホルダ12との装着部分に設けられ、HDDホルダ12とHDDユニット10との間で振動を減衰させる振動減衰手段11と、内部ホルダ2内に設けられ、振動減衰手段11を介してHDDユニット10が装着されているHDDホルダ12を、内部ホルダ2内の収納位置に案内する案内部材であるガイドホルダ16,17と、内部ホルダ2に、HDDユニット10に対する電気的な接続を行う接続手段と20とを含む。
【0027】
防振性を要するHDDユニット10は、電子機器のDIN筺体1の内部ホルダ2内に着脱可能に取付ける際に、HDDホルダ12に装着しておく。HDDユニット10をHDDホルダ12に装着する部分には、振動を減衰させる振動減衰手段11を設け、HDDホルダ12とHDDユニット10との間で振動を減衰させる。HDDホルダ12は、DIN筺体1内に設けられるガイドホルダ16,17によって、DIN筺体1内の収納位置に案内され、HDDユニット10に対する電気的な接続が接続手段20によって行われるので、HDDユニット10を電子機器の内部構成要素として電気的に動作させることができる。DIN筺体1内に収容されるHDDユニット10は、DIN筺体1の内部ホルダ2からHDDホルダ12に伝達され、さらにHDDホルダ12からHDDユニット10に伝わる振動が振動減衰手段11によって減衰されるので、電子機器のDIN筺体1が過酷な振動環境下にあっても、耐振性の余裕度を向上させることができる。ガイドホルダ16,17によって、HDDユニット10の着脱を容易に行うことができる。
【0028】
図2は、図1のHDDユニット10をHDDホルダに装着する部分に設けられる振動減衰手段11の構成を示す。図2(a)は接合状態を側面断面視して示し、図2(b)は分離状態を平面断面視して示す。また、図2(c)は振動減衰手段11としての他の構成を示し、図2(d)はその使用部品を示す。振動減衰手段11には、防振ゴム25が含まれる。HDDユニット10の底部に設けられる取付け片26は、防振ゴム25を介して、HDDホルダ12の底部13上に段付ボルト27で固定される。防振ゴム25は、振動に対する損失の大きいゴム材料を成形して形成され、HDDホルダ12からHDDユニット10に伝わる振動を減衰させることができる。取付け片26と防振ゴム25とは、図2(b)で示すように、スライドして分離することができる。段付ボルト27は、防振ゴム25の圧縮量規制のため、底部13に形成する雌ねじと螺合する雄ねじを先端側にのみ形成する。圧縮量規制は、図2(c)に示すように、軸全体に雄ねじが形成されている通常のボルト28と、図2(d)に示すようなスリーブ29との組合せで行うこともできる。
【0029】
図3は、本実施形態の電子機器で、HDDユニット10を着脱する状態を簡略化して示す。図3(a)は、DIN筺体1内にHDDユニット10を収納して使用している状態を示す。外部からは、HDDユニット10の存在は判らず、着脱可能でない内蔵型と実質的に同等である。図3(b)は、DIN筺体1の前面パネル1aを外して、HDDユニット10をHDDホルダ12に装着して、DIN筺体1内に出し入れする状態を示す。
【0030】
図4は、本発明の実施の他の形態としての振動減衰手段11の概略的な構成を側面断面視して示す。本実施形態で、他の部分の構成は、図1の実施形態と同等であるので、説明を省略する。本実施形態の振動減衰手段11は、防振オイルダンパ30を備える。防振オイルダンパ30は、ベース板31に取付けられ、ベース板31はボルト32でHDDホルダ12の底部13に固定される。防振オイルダンパ30の頂部にはロッド33の基部を支持する凹所が設けられ、ロッド33の先端部はHDDユニット10の底部に接合される。防振オイルダンパ30は、ゴム34の中空容器を有し、その内部に粘性の高いオイル35が充填されている。HDDホルダ12の振動は、防振オイルダンパ30のゴム34を変形させてロッド33を介してHDDユニット10に伝わるけれども、ゴム34の変形はオイル35の流動を伴い、ゴム34自体の減衰作用と、オイル35の流動抵抗によって、振動を減衰させることができる。
【0031】
図2や図4に示すように、振動減衰手段11として、防振ゴム25または防振オイルダンパ30のうちの少なくとも一方を含むようにすれば、過酷な振動環境下で使用する電子機器が受ける振動がHDDユニット10に伝わらないように減衰させ、耐振性の余裕度を向上させることができる。防振ゴム25や防振オイルダンパ30は小型でも振動減衰能力が高いので、小さなスペースで有効な防振性の向上を図ることができる。
【0032】
図5は、本発明の実施のさらに他の形態の概略的な構成を平面視して示す。本実施形態で、図1または図4の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、HDDユニット10の上下をばね36で支持し、HDDユニット10の側面とHDDホルダ12の側部との間に防振ダンパ30を設けて振動の減衰を行わせる。防振ダンパ30は、ばね36を伝達する振動を直接減衰させないけれども、HDDユニット10が振動しようとすれば、その振動を抑制することができる。
【0033】
図6および図7は、本発明の実施のさらに他の形態である電子機器の防振構造の概略的な構成を示す。図6(a)は正面断面視、図6(b)は側面断面視した状態をそれぞれ示す。図7は、サブホルダ41をHDDホルダ40に装着するための振動減衰手段11の部分の構成を簡略化して斜視で示す。本実施形態で図1、図4または図5の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。本実施形態では、電子機器の筐体に脱着するHDDホルダ40に、振動減衰手段11を介してサブホルダ41を装着する。サブホルダ41には、ガイドレール42,43が設けられ、複数のHDDユニット10がそれぞれ装着されるユニットホルダ44,45をスライドさせて装着することができる。各HDDユニット10には、HDD本体コネクタ46が設けられ、ユニットホルダ44,45に設けられるフローティング・コネクタ47,48と接合させて、電気的な接続を行わせることができる。フローティング・コネクタ47,48は、コネクタ基板49に電気的に接続され、機械的には所定範囲の変位を許容する浮遊状態となっている。コネクタ基板49は、本体回路50とフレキシブル・ケーブル51を介して接続される。
【0034】
本実施形態では、複数のHDDユニット10をサブホルダ41に取付け、サブホルダ41を振動減衰手段11を介してHDDホルダ40に装着するので、HDDホルダ40を電子機器の筐体内に取付けるときに、HDDホルダ40とサブホルダ41との間で振動を減衰させ、複数のHDDユニット10で耐振性の余裕度を向上させることができる。各HDDユニット10は、案内部であるガイドレール42,43によって装着位置に案内されるので、サブホルダ41に対するHDDユニット10の着脱を容易に行うことができる。振動減衰手段11は、複数のHDDユニット10に対してサブホルダ41とHDDホルダ40との間に共通に設けるので、各HDDユニット10毎に振動減衰手段11を設ける場合に比較して、省スペース化を実現することができる。
【0035】
また各実施の形態では、着脱するユニットとしてHDDユニット10について説明している。HDDユニット10に本発明を適用することによって、電子機器に使用する際に、データの書換え、ソフトウェアのバージョンアップ、メンテナンス等の際に、電子機器から取外して、効率良くかつ確実に書換え等の処理を行うことができる。ただし、HDDユニット10に限らず、高精度で動作させる必要があるユニットは一般に振動に弱いので、本発明を有効に適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、防振性を要するユニットをホルダに装着する部分には、振動を減衰させる振動減衰手段を設け、ホルダを案内部材によって筐体内の収納位置に案内し、電気的な接続を行って、ユニットを電子機器の内部構成要素として電気的に動作させることができる。筐体内のユニットは、電子機器が過酷な振動環境下にあっても、耐振性の余裕度を向上させることができる。
【0037】
また、ユニットとホルダ側接続部材とを可撓性接続部材を介して電気的に接続しておき、ユニットを装着したホルダを案内部材による案内で収納位置に装着すれば、筐体側接続部材とユニットとの電気的な接続も達成される。可撓性接続部材によってホルダとユニットとの間の電気的接続を行うので、電気的な接続経路を通じてユニットに振動が加わるのを防止することができる。
【0038】
また、ホルダ側接続部材と筐体側接続部材との間の位置のずれなどを吸収し、接合や取外しを円滑に行うことができる。
【0039】
また本発明によれば、複数のユニットをサブホルダに取付け、サブホルダを振動減衰手段を介してホルダに装着して、ホルダとサブホルダとの間で振動を減衰させ、複数のユニットで耐振性の余裕度を向上させることができると同時に、省スペース化を実現することができる。
【0040】
また本発明によれば、ハードディスク装置を電子機器に使用する際に、データの書換え、ソフトウェアのバージョンアップ、メンテナンス等を、ハードディスク装置を電子機器から取外して、効率良くかつ確実に行うことができる。
【0041】
また本発明によれば、防振ゴムや防振オイルダンパを振動減衰手段として、過酷な振動環境下で使用する電子機器が受ける振動がユニットに伝わらないように減衰させ、小さなスペースで有効な防振性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電子機器の防振構造の概略的な構成を示す正面断面図および側面断面図である。
【図2】図1の振動減衰手段11の概略的な構成を示す側面断面図および平面断面図である。
【図3】図1のDIN筺体1内にHDDユニット10を収納している状態と、脱着している状態とを示す簡略化した斜視図である。
【図4】本発明の実施の他の形態として、振動減衰手段11の概略的な構成を示す正面断面図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態である電子機器の防振構造の概略的な構成を簡略化して示す平面図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態である電子機器の防振構造の概略的な構成を示す正面断面図および側面断面図である。
【図7】図6の振動減衰手段11の装着部分の構成を簡略化して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 DIN筐体
2 内部ホルダ
5,6 側壁
7 前面板
8 背面板
10 HDDユニット
11 振動減衰手段
12,40 HDDホルダ
14,15 支持部
16,17 ガイドホルダ
20 接続手段
21,51 フレキシブル・ケーブル
22 コネクタ
23,47,48 フローティング・コネクタ
25 防振ゴム
30 防振オイルダンパ
36 ばね
41 サブホルダ
42,43 ガイドレール
44,45 ユニットホルダ
46 HDD本体コネクタ
50 本体回路
Claims (4)
- 防振性を要するユニットを、該防振性で許容される範囲を越える過酷な振動環境下で使用する可能性がある電子機器の筐体内に、着脱可能に取付けるための電子機器の防振構造であって、
ユニットが装着されるホルダと、
ユニットとホルダとの装着部分に設けられ、ホルダとユニットとの間で振動を減衰させる振動減衰手段と、
筐体内に設けられ、振動減衰手段を介してユニットが装着されているホルダを、筐体内の収納位置に案内する案内部材と、
筐体内で、ユニットに対する電気的な接続を行う接続手段とを含み、
前記接続手段は、
前記筐体内に設けられる筐体側接続部材と、
前記ホルダに設けられ、ホルダが前記案内部材によって前記収納位置に案内されるときに、筐体側接続部材に対して接合可能なホルダ側接続部材と、
前記ユニットとホルダ側接続部材とを、電気的に接続し、可撓性を有する可撓性接続部材とを含み、
前記筐体側接続部材または前記ホルダ側接続部材のうちの少なくとも一方は、前記接合時に他方に合わせて変位可能なように、浮遊状態で取付けられていることを特徴とする電子機器の防振構造。 - 前記ユニットを複数装着可能で、前記振動減衰手段を介して前記ホルダに装着可能なサブホルダをさらに含み、
サブホルダには、各ユニットを装着位置に案内する案内部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子機器の防振構造。 - 前記ユニットは、ハードディスク装置であることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器の防振構造。
- 前記振動減衰手段は、防振ゴムまたは防振オイルダンパのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器の防振構造。
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