JP4115927B2 - 作業補助アーム - Google Patents

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Description

この発明は、アームの作業座標を任意の面上の軌道に拘束することのできる作業補助アームに関するものである。
従来、受動的に動作するような作業補助アームとして、例えば特許文献1に記載されるような技術があった。
この文献に記載の作業補助アームでは、ロボットのN個ある関節間をN−1個の無段変速機で結合し、各無段変速機に対して適当な変速比を与えることで、人間がロボットを手で動かしたとき、ロボットが作業座標の所望の1次元の軌道に拘束されるように動作することを特徴としている。ここでこの無段変速機は速度の比のみを結合し、変位に対しては拘束を与えない。即ち、速比を変化させても変位の関係は変化しない無段変速機である。
米国特許第5952796号明細書
しかしながら、上記のような従来の作業補助アームにあっては、ロボットは1次元の軌道にのみ拘束され、それより次元の大きい拘束、例えば平面に拘束されることは構造上できない問題点があった。見かけ上、当初指示した1次元の拘束からはずれて動作することは可能だが、これは操作者の手の動きをロボット上のセンサで検知して、その動きの方向に新しい1次元の軌道を設けただけであり、このためにはセンサが必須になるという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、別途にセンサ等を必要とせず、任意の面上に拘束することができる作業補助アームを得ることを目的とする。
この発明に係る作業補助アームは、複数の軸の変位量に基づいてその作業座標が決定されるアームを設け、これらの軸を差動機構で結合すると共に、これら軸上にそれぞれ変速機を設け、制御装置によって、この変速機の変速比を、指定される自由度以外のアームの移動を拘束するよう制御するようにしたものである。
この発明の作業補助アームは、アームの作業座標を決定する複数の軸を差動機構を用いて結合し、かつ、差動機構で結合される複数の軸の変速比を制御するようにしたので、特にアームの動きを検出するためのセンサ等の構成を用いることなく、任意の面上にのみ移動が可能な作業補助アームを実現することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による作業補助アームを示す構成図である。
図示の作業補助アームにおける全体の構成は、平行リンク式の垂直多関節型ロボットアームと同様であって、以下の構成となっている。
即ち、本実施の形態の作業補助アームは、第1軸1、第2軸2、第3軸3、変速機4a,4b,4c、入力軸5a,5b,5c(図示していない)、出力軸6a,6b,6c(図示していない)、傘歯車小7、傘歯車大8、差動傘歯車a9、差動傘歯車b10、差動傘歯車c11、差動傘歯車a軸12(図示していない)、キャリア13、減速機14a,14b,14c、出力軸15a,15b,15c(図示していない)、枠体16、ベース17、第1アーム18、第2アーム19、下節20、後節21、軸22,23,24、ブレーキ25(図示していない)、アーム手先26、回転角度検出器40a,40b,40c、制御装置41、面指示手段42を備えている。尚、入力軸5a,5b,5c、出力軸6a,6b,6c、差動傘歯車a軸12、出力軸15a,15b,15c、ブレーキ25については、後述する図2に示されている。
作業補助アームは、図示のように、ベース17に枠体16が第1軸1まわりに回転または回動自在に取り付けられている。枠体16の片側側面に第1アーム18の下端が第2軸2まわりに回動自在に取り付けられており、また枠体16の反対側側面に下節20の一端が第3軸3まわりに回動自在に取りつけられている。第2軸2と第3軸3は同軸であり、これらは第1軸1と直交している。
第1アーム18上端には軸24が取り付けられ、軸24には第2アーム19の略中央部分が回動自在に取りつけられている。尚、軸24による第2アーム19の支持位置は、作業補助アーム各部の構成等に応じて中央部以外の部分であってもよい。一方、下節20の他端には軸22が取り付けられ、軸22には後節21の下端が回動自在に取り付けられている。後節21の上端には軸23が取り付けられ、軸23には第2アーム19の後端が回動自在に取り付けられている。第1アーム18と後節21、並びに下節20と第2アーム19はそれぞれ平行であって、これらは平行リンクをなしている。第2アーム19の先端のアーム手先26には作業に応じて手首(図示していない)やツール(図示していない)が取り付けられるようになっている。
ベース17に対する枠体16の第1軸1まわりの回転または回動角度、枠体16に対する第1アームの第2軸2まわりの回動角度、枠体16に対する第3軸3まわりの下節の回動角度は、それぞれ回転角度検出器40a,40b,40cにより検出される。尚、枠体16に対する第3軸3まわりの下節20の回動角度は第2アーム19の枠体16に対する回動角度に等しい。尚、第1アーム18、第2アーム19、下節20、後節21、軸22,23,24で、第1軸1〜第3軸3の変位量に基づいてその作業座標が決定されるアームを構成している。
また、回転角度検出器40a,40b,40cは、第1軸1〜第3軸3のそれぞれの変位量として回転角度を検出する変位検出装置であり、例えば、ローターリーエンコーダ等を用いて構成されている。尚、図1中では、図面の煩雑さを避けるため、これらの構成を単にブロックとして示している。制御装置41は、面指示手段42から与えられた自由度の情報と、回転角度検出器40a,40b,40cで検出された変位量に基づいて、アーム手先26の作業座標が、要求された自由度以外に対しては拘束され、残りの自由度に関しては受動的に動作可能となるよう、変速機4a,4b,4cの変速比を制御する機能を有している。また、面指示手段42は、ユーザが所望する自由度を入力するための機能部である。
次に、作業補助アームの駆動部分の構成について説明する。
図2は、作業補助アームの駆動部分の構成図である。
減速機14aは、枠体16(図示していない)の底部に取り付けられ、減速機14aの減速機出力軸15aはベース17(図示していない)に接続されている。変速機4aの変速機入力軸5aは傘歯車小7に、変速機出力軸6aは減速機14aにそれぞれ接続されている。変速機入力軸5a、変速機4a、変速機出力軸6a、減速機14a、減速機出力軸15aは、第1軸1と同軸である。
減速機14bは、枠体16(図示していない)の側面に取り付けられ、減速機14bの減速機出力軸15bは第1アーム18(図示していない)の下端に接続されている。変速機4bの変速機入力軸5bは差動傘歯車b10に、変速機出力軸6bはブレーキ25および減速機14bにそれぞれ接続されている。変速機入力軸5b、変速機4b、変速機出力軸6b、ブレーキ25、減速機14b、減速機出力軸15bは、第2軸2と同軸である。
減速機14cは、枠体16(図示していない)の側面に取り付けられ、減速機14cの減速機出力軸15cは下節20(図示していない)の一端に接続されている。変速機4cの変速機入力軸5cは差動傘歯車c11に、変速機出力軸6cはブレーキ25および減速機14cにそれぞれ接続されている。変速機入力軸5c、変速機4c、変速機出力軸6c、ブレーキ25、減速機14c、減速機出力軸15cは、第3軸3と同軸である。
ここで変速機4a,4b,4cは次の特徴を有するような無段変速機である。
1)速度の比のみを結合し、変位に対しては拘束を与えない。即ち速比を変化させても変位の関係は変化しない。
2)変速比は、正転から逆転まで滑らかに変化し、変速比0、即ち入力が回転しても出力が回転しない状態を作れる。
3)動作中も停止中も変速可能である。
4)変速に要するパワーが少ない。変速に要するパワーが入力軸、出力軸に出てこない。
以上のうち、1)、2)、3)は必須の条件であり、4)も満たすことが望ましい(尚、これらの特徴を有する無段変速機の例は、実施の形態8にて後述する)。
尚、上記の変速機の変位とは、変速機の入出力軸の角度(軸が回転軸の場合)、または位置(軸が直動軸の場合)を指している。また、速比を変化させても変位の関係は変化しない関係とは例えば次のような状態である。
変速機のある時刻における入力軸変位をθin、出力軸変位をθout、変速比をn、微少時間後の入力軸の変位の変化量をΔθ、変速比の変化量をΔnとする。このとき、本発明で前提としている上記の変速機の条件1)では、微少時間後の出力軸の変位がθout+(n+Δn)Δθとなる。即ち、現在の時刻からの微少時間後の出力軸の変位の変化量θout+(n+Δn)Δθ−θout=(n+Δn)Δθは、現在の時刻における入力軸変位θin、出力軸変位θoutとは関係がなく、変速比n、微少時間後の入力軸の変位の変化量Δθ、変速比の変化量Δnだけに関係する。このように、速比を変化させても入出力軸の変位の関係が変化しない状態を意味している。
差動傘歯車b10と差動傘歯車c11は、向かい合って差動傘歯車a9と噛み合っている。差動傘歯車a9はキャリア13に対して差動傘歯車a軸12まわりに回転自在に取り付けられている。即ち、差動傘歯車a9、差動傘歯車b10、差動傘歯車c11およびキャリア13は差動歯車を構成している。キャリア13は傘歯車大8に取り付けられ、傘歯車大8は枠体16(図示していない)の略中央に回転自在に取り付けられて、傘歯車小7と噛み合っている。このような傘歯車小7〜キャリア13により、第1軸1〜第3軸3を結合する差動機構が構成されている。
次に、作業補助アームの制御構成を説明する。
図3は、作業補助アームの制御構成を示すブロック図である。
回転角度検出器40a、40b、40cにより検出された各軸の角度と、面指示手段42により指示された仮想的な面の情報は、制御装置41に送られ、後述する所定の演算が行われ、この演算の結果変速比が得られ、変速機4a、4b、4cの変速比が制御される。また制御装置41は非常停止ボタン(図示していない)が押されたときなどはブレーキ25を動作させるよう構成されている。
次に作業補助アームの動きと、制御装置41における演算の内容について説明する。
以下、各関節の角度につける添え字を、第1軸1即ちベース17に対する枠体16の角度、第2軸2即ち枠体16に対する第1アーム18の角度、第3軸3即ち枠体16に対する第2アーム19の角度それぞれに対して、1、2、3とする。各関節の角速度についても同様とする。
第1軸1、第2軸2、第3軸3の角速度をそれぞれω1、ω2、ω3とする。また第1軸1、第2軸2、第3軸3に対応する変速機4a、4b、4cの変速比をそれぞれk1、k2、k3、減速機14a、14b、14cの減速比をそれぞれkr1、kr2、kr3とする。また傘歯車大8に対する傘歯車小7の変速比をkbとする。
第1軸1、第2軸2、第3軸3の角速度ω1、ω2、ω3の間には、差動傘歯車a9、差動傘歯車b10、差動傘歯車c11およびキャリア13から構成される差動歯車により次の関係が成り立つ。
kr1*k1*ω1/kb
=(kr2*k2*ω2+kr3*k3*ω3)/2 (1)
各軸の角速度の間に常に式(1)の関係が成り立つように作業補助アームは動作する。言い換えれば、式(1)の関係が成り立つ動きに関しては作業補助アームは自由に動くことができ、それ以外の動きに対しては作業補助アームは動くことができない。
例えば簡単な例として、k1=0、k2=1、k3=−1、kr1=kr2=kr3=1、kb=2の場合、これらの値を式(1)に代入すればω2=ω3の関係が得られる。このときは第1軸1は第2軸2および第3軸3とは関係なく自由に動くことができ、第2軸2と第3軸3は常に角速度が等しくなるような動きをする。言い換えれば、例えば第2軸2が静止して、第3軸3のみが動くような動きなど、第2軸2と第3軸3の角速度が異なるような動きはすることができない。
ブレーキ25が動作した場合、式(1)の右辺の第1項と第2項が両方とも0になるので、左辺も0になる。従って全軸が停止する。
次に、制御装置41における演算の内容である変速機4a、4b、4cの変速比k1、k2、k3の決め方について説明する。
図4は、演算の流れを示す説明図である。
作業座標としては直交座標系を考える。
直交座標系でみたアーム手先26の座標x、y、zと、第1軸1、第2軸2、第3軸3の関節角度θ1、θ2、θ3の間には次の関係が成り立つ。
Θ=ik[(x,y,z)] (2)
Θ=(θ1,θ2,θ3) (3)
ここでikは逆変換である。
関節の角速度ベクトルωと、直交座標系から見たアーム手先26の速度ベクトルvの間には次の関係が成り立つ。
v=J(Θ)・ω (4)
v=(vx,vy,vz) (5)
ω=(ω1,ω2,ω3) (6)
ここでJ(Θ)はヤコビ行列であり関節の角度Θの関数、vx、vy、vzはそれぞれ直交座標系のx、y、z方向の速度、ω1、ω2、ω3は前述のようにそれぞれ第1軸1、第2軸2、第3軸3の角速度である。
ユーザは、作業補助アームが動作すべき仮想的な面を面指示手段42により指示する。指示された仮想的な面の情報は制御装置41において、次式で表される面の法線方向ベクトルvnに変換される。
vn=(a,b,c) (7)
式(7)は面の法線方向ベクトルであり、a、b、cはそれぞれ法線方向ベクトルの直交座標系のx、y、z方向成分である。
アーム手先26が指示された仮想的な面内を動くとき、面の法線方向ベクトルvnと、直交座標系から見たアーム手先26の速度ベクトルvは直交するので、ふたつのベクトルの内積は次式のように0になる。
vn・v=0 (8)
式(8)に式(4)を代入すれば次式が得られる。
vn・J(Θ)・ω=0 (9)
アーム手先26が指示された仮想的な面内を動くためには、式(9)が常に成り立つように関節の角速度ベクトルωの係数を制御すればよい。式(9)を要素で書けば次のように書ける。
n1*ω1+n2*ω2+n3*ω3=0 (10)
ここでn1、n2、n3はvn・J(Θ)を展開して得られる。
式(1)と式(10)より次式が得られる。
n1=−kr1*k1/kb
n2=kr2*k2/2
n3=kr3*k3/2 (11)
ここでkr1、kr2、kr3、kbは定数なので、式(11)が成り立つように微少時間間隔で変速比k1、k2、k3を制御すれば、アーム手先26は指示された仮想的な面内を動く。
図5は、アームの姿勢変化の様子を示す説明図である。
減速比はkr1=kr2=kr3=1とする。またkb=2とする。アーム手先26の動きが指示された仮想的な面101に拘束される場合の例を示す。座標系は図示のように、アームの前方をx、左手側をy、上方をzにとる。
指示された仮想的な面101は水平面に対して30度の角度を持つ斜面であるという設定とする。この仮想的な面101はアームから遠ざかる方向が上昇する方向とする。このときこの斜面の法線方向ベクトルvn102は次のようになる。
vn=(−1,0,Sqrt[3]) (12)
ここでSqrt[3]は3の平方根である。
第1軸1と地面の交点を原点として、アームは第2軸2が地面と同じ高さとする。第1アーム18の長さ(第2軸2から軸24までの距離)L1と第2アーム19の長さ(軸24からアーム手先26までの距離)L2をそれぞれ1[m]とする。アームから仮想的な面101までの水平方向の距離を0.5[m]とする。
アーム手先26は仮想的な面101上にあり、初期位置ではアーム手先26の高さがアーム正面0.5[m]であるとする。初期位置の座標Pinitを次のように定める。
Pinit=(0.5/Tan[π/6],0,0.5) (13)
このとき関節角度の初期値Θinitは式(2)を用いて次のようになる。
Θinit=(θ1init,θ2init,θ3init)
=ik[Pinit]=(0,26.6,86.7)[deg] (14)
斜面の法線方向ベクトルvn102と関節角度の初期値Θinitを(9)に代入すると次の関係が得られる。
0ω1−2.87ω2−1.20ω3=0 (15)
式(15)は式(10)に相当する。式(15)が成り立つように式(11)により変速比を定めればよい。
このとき式(15)の関係を満たすような角速度ベクトルの組み合わせは例えば次のようになる。
(ω2,ω3)=(1.20,−2.87)
(ω2,ω3)=(−1.20,2.87) (16)
これらの角速度に比例する角度変化量で動いたときのアームの姿勢の変化の例が図5に示す状態である。図5では、式(16)の値に対して単位を「度」として、更に3倍して、(3.6,−8.61),(−3.6,8.61)deg動いたときのアームの姿勢変化を示している。アーム手先26が仮想的な面101に沿って動いていることがわかる。
以上のように、実施の形態1によれば、複数の軸の変位量に基づいて、その作業座標が決定されるアームと、複数の軸の変位量をそれぞれ検出する変位検出装置と、複数の軸を結合する差動機構と、複数の軸上にそれぞれ設けられた変速機と、アームの指示された作業座標の自由度の情報と、変位検出装置にて検出された変位量に基づき、アームの作業座標が、指示された自由度以外は拘束されるよう変速機の変速比を制御する制御装置とを備えたので、特にアームの動きを検出するためのセンサ等の構成を用いることなく、任意の面上にのみ移動が可能な作業補助アームを実現することができる。
また、実施の形態1によれば、複数の軸は関節の軸であって、第1軸と第2軸と第3軸を有し、第2軸と第3軸は同軸であって、かつ、第1軸まわりを旋回するよう設けられ、第2軸と第3軸とを回動自在に支持する枠体と、第2軸まわりに回動するよう第2軸に取り付けられた第1アームと、第3軸まわりに回動するよう第3軸に取り付けられた下節と、下節の先端部に回動自在に取り付けられた後節と、第1アームの先端部で回動自在に支持されると共に、その後端が後節の先端部で回動自在に支持される第2アームとを含み、第1アームと後節、第2アームと下節がそれぞれ平行となるよう位置してなるアームと、第1軸から前記第3軸のそれぞれの回動または回転角度を検出する変位検出装置と、第1軸から第3軸にそれぞれ結合された3個の変速機の3個の入力軸のうち、2個の入力軸の角速度の和を、残る1個の入力軸の角速度に比例させるよう構成された差動機構とを備えたので、アームの動作を、そのアームに対して定めた任意の作業座標における任意の自由度に関しては拘束し、残りの自由度に関しては受動的に動作可能とすることができるため、例えば、人間による物品の運搬作業時等に、アームに物品を支持させて、物品を適切な線、面などの軌道や姿勢に拘束した状態で移動させることができる。
尚、ここで仮想的な面は水平面、垂直面(壁)、斜面やこれらの組み合わせの他、らせん状の面、管や環や球などの立体の表面であってもよい。
また、実施の形態1によれば、モータの出力によりアームの軸を直接駆動していないので操作が安全である効果もある。即ち、従来の産業用ロボットアームなどでは、各関節をモータの出力により駆動している。このため、各関節にロボットアームを動作させるための大きなトルクを発生させる必要があり、このような大きなトルクを発生するロボットアームを人間が手に持って操作するのは非常に危険である。これに対して、本実施の形態では、モータの出力によりアームの関節を駆動しておらず、アームは人間が手で動かしたときの外力により受動的に動くだけなので操作が安全であるという効果がある。
また、実施の形態1によれば、制御装置41は、指示された作業座標の自由度を面として表し、この面の法線方向ベクトルvnと、アームの各関節の軸の現在の回動または回転角度におけるヤコビ行列J(Θ)と、各関節の軸の角速度ベクトルωの内積が0となるよう変速比を制御するようにしたので、アームの手先がユーザが指示した仮想的な面101内では自由に動くことができ、この仮想的な面101の面外への動きはできないようなアームを得ることができる。
尚、上記実施の形態1において、減速機はなくてもよく、また減速機でなく増速機であってもよい。減速機あり、減速増速なし、増速機ありのそれぞれの効果は次の通りである。
先ず、変速機の出力軸が無限に回転できる場合には減速機を用いることができる。減速機により変速機にかかるトルクを小さくすることができるので、変速機の容量を下げることができる。これにより、変速機の小形軽量化、低コスト化を達成することができる。
また、変速機の出力軸の変位の範囲がアームの関節の変位の範囲(動作範囲)と同程度でやや大きい場合は、減速機、増速機とも不要とすることができる。これにより、減速機または増速機の分、小形軽量化、低コスト化を達成することができる。
更に、変速機の出力軸の変位の範囲がアームの関節の変位の範囲より小さい場合は、変速機の出力軸の変位の範囲をアームの関節の変位の範囲まで拡大するために増速機を用いることが必要となる。この場合は、増速機により変速機の出力軸の変位の範囲がアームの関節の変位の範囲より小さいような変速機を使用できる効果がある。
尚、後述する実施の形態8の変速機の場合には、ローラの幅により出力軸の変位の範囲が限定されるので、上記の減速増速なしの場合または増速機ありの場合に相当する。
また、上記実施の形態1では、ブレーキ25が第2軸2と第3軸3に取り付けられた例を示したが、第1軸1と第2軸2、または第1軸1と第3軸3であってもよい。また全軸にブレーキがあってもよい。またブレーキはなくてもよい。
また、差動歯車を構成するのに傘歯車を用いたが他の差動機構、例えば遊星歯車を用いてもよい。更に、第1軸1の回転を傘歯車大8へ、第2軸2と第3軸3の回動をそれぞれ差動傘歯車b10、差動傘歯車c11へ接続したが、これらの組み合わせは任意である。例えば第1軸1の回転を差動傘歯車b10へ、第2軸2の回動を差動傘歯車c11へ、第3軸3の回動を傘歯車大8へ接続してもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、作業補助アームの適用例を示したものである。
図6および図7は、実施の形態2の作業補助アームを介助用に適用した例を示す説明図である。
図6において、カバー32は傘歯車8などの収まった枠体16(図示していない)の周囲を覆っている。脚部31は作業補助アームのベース17を支持しており、脚部31には制御装置41(図示していない)、電源(図示していない)が内蔵されている。脚部31の下面にはキャスター(図示していない)または駆動装置付きタイヤ(図示していない)が取り付けられており、作業者が押すことによって移動させたり、または自走することができるよう構成されている。
第2アーム19の先端のアーム手先26には、手首30が取り付けられており、手首30は後述する平行リンク(図示していない)により常に平行に保たれるよう構成されている。また、手首30の下部は鉛直軸まわりに回転自在となっている。吊具33は手首30の下部に取り付けられており、被介助者70を吊り上げるものである。介助者71は吊具33、手首30または被介助者70に手をかけて押し引きすることで、被介助者70を動かす。
図7は、図6に仮想的な面101を重ねて描いたものである。仮想的な面101は、図5の仮想的な面101と同じであって、実体として存在するのではなく、介助者71が力の感覚で感知できるものである。例えばベッドから車椅子、車椅子から便器への移乗など、介助者71が被介助者70を上方または下方へ移動させるとき、介助者71は図7において右方向へ引く力または左方向へ押す力をかければ、被介助者70は仮想的な面101に沿って右上または左下へ移動する。
停止したい場合には、ブレーキ25のスイッチ(図示していない)または非常停止ボタン(図示していない)を押せば、図2のブレーキ25が動作するので、アームの全軸が停止する。
ここで図8を用いて重量物を持ち上げたり降ろしたりする作業について説明する。図8(a)に示すように作業者72が重量物73を上方へ直接引き上げる力または下方へ降ろす力を発生させようとした場合、重量物73が空中で安定しない、腰を痛めるといった問題が出てくる。このような場合、クレーンや重力バランサで重量物を吊っても安定しない問題が残る。一方、図8(b)に示すように作業者72が斜面103に沿って重量物73を持ち上げるまたは降ろす場合、作業者72は水平方向へ押すまたは引く力を発生することにより、結果として重量物73を上方または下方へ移動させることができる。このとき重量物73は常に斜面103上にあるので、安定して移動できる。このため図6、図7において介助者71も被介助者70も楽に安定して移動することができる。これは斜面103が図7のような仮想的な面101であっても同じである。
図9は、図6と図7で説明した作業補助アームの手首30の部分が水平に支持される機構を示す構成図である。
手首30の下部は手首旋回軸60まわりに回転自在である。手首30の後端延長は手首後端リンク61となっており、手首後端リンク61には第2アームロッド62の一端が回動自在に結合される。軸24にはリンクプレート63の一端が回動自在に結合され、リンクプレート63の他端には第2アームロッド62の他端と第1アームロッド64の一端が同軸で回動自在に結合される。枠体16の上部には枠体リンクプレートが固定され、枠体リンクプレートの端部には第1アームロッド64の他端が回動自在に結合される。手首後端リンク61とリンクプレート63、第2アームロッド62と第2アーム19は平行リンクをなし、またリンクプレート63と枠体リンクプレート65、第1アームロッド64と第1アーム18は平行リンクをなしている。以上の構成により、手首30は常に水平を保つ。
以上のように実施の形態2によれば、作業補助アームを介助用に適用したので、介助者が被介助者の移乗作業を行うとき、介助者は無理な力を出して腰を痛めることなく、仮想的な斜面に沿って被介助者を楽に引き上げ、引き降ろすができ、また被介助者は不安定に吊り下げられるのでなく、斜面に沿って安定して移動できる効果がある。またモータの出力によりアームの軸を直接駆動していないので、被介助者も介助者も安全である効果がある。
尚、図9の作業補助アームの手首30の部分を水平に支持する機構はアームの内部に内蔵されていてもよい。また平行リンクを用いずにタイミングベルトとタイミングプーリを用いて手首30を水平に保ってもよい。
実施の形態3.
実施の形態3は、仮想的な面としてらせん状斜面とした作業補助アームの適用例である。
図10は、実施の形態3による作業補助アームの適用例を示す説明図である。
図10は重量物搬送に適用した例で、作業者は重量物を場所をとらずに容易に移動することができる。
図10で仮想的ならせん状斜面104は作業補助アームにより仮想的に作ったらせん状の斜面である。手首30は図9の手首30と同様に水平に支持され、鉛直軸まわりに回転自在である。重量物73は手首30下面の吸着パッド(図示していない)に吸着されている。
以上のように、実施の形態3によれば、図5や図7のように仮想的な面101を直線的な斜面にした場合、斜面に沿って上昇・下降するためには水平方向に移動するために場所をとるが、図10のように斜面をらせん状にすれば作業者72は場所をとらずに重量物73を容易に上昇・下降させることができ、またモータの出力によりアームの軸を直接駆動していないので安全に作業ができる効果がある。
実施の形態4.
実施の形態4は、仮想的な面として水平面などとした作業補助アームの適用例である。
図11は、実施の形態4による作業補助アームを示す説明図である。
図11は重量物の組み立て作業に適用した例で、作業者は重量物を周囲の障害物に衝突させたりすることなしに容易に移動して、組み立て作業を行うことができる。
図11で手首30は図9の手首30と同様に水平に支持され、鉛直軸まわりに回転自在である。手首30の先には吸着パッド74が取り付けられている。作業者72は吸着パッド74に付けられた自動車のドア75を自動車のボディ(図示していない)に取りつける。作業補助アームはこの作業の際、仮想的な水平面を作ることによりドア75の重量を補償するだけでなく、ドア75が自動車のボディや周囲の環境に衝突するような方向への動きを規制するような仮想的な壁も作り、作業を容易にしている。
以上のように実施の形態4によれば、作業補助アームに対して自由度を与える面として水平面および仮想的な壁面としたので、作業者はドアの重量を自分で支えることなく、また自動車のボディや周囲の環境にドアを衝突する危険なく、またモータの出力によりアームの軸を直接駆動していないので安全に、容易にドアの組み付け作業を行うことができる効果がある。
実施の形態5.
実施の形態5は、作業補助アームを3次元形状提示装置に適用した例である。
図12は、実施の形態5による作業補助アームの適用例を示す説明図である。
図中、つまみ34はアーム手先26に取りつけられており、人が指でつまんで動かす。制御装置(図示していない)には、3D−CADなどにより製作した対象物体の3次元データや対象物体の実測値に基づく3次元データが格納されている。制御装置はこれらのデータに基づき、対象物体の表面の面の形状を計算し、仮想的な面のデータを作成する。
つまみ34はこのようにして得られた仮想的な面(図示していない)上に沿って動かすことができる。作業者の手76は、あたかも対象物体の表面をなぞるかのように動く。これにより、作業者は対象物体の形状を手先の動きと、つまみ34が仮想的な面から外れそうになったときに手先に帰ってくる反力により感覚的に知ることができる。
以上のように実施の形態5によれば、作業補助アームを3次元形状提示装置に適用したので、次のような効果がある。即ち、面をなぞる方向への動きには機械的な抵抗がほとんどなく、面から外れる方向の動きに対しては機械的な拘束により受動的な反力が作られるので、剛性が大きく、操作の感覚に関してダイナミックレンジが大きく、またモータの出力によりアームの軸を直接駆動していないので、反力によりアームが能動的に動くことがなく操作が安全な3次元形状提示装置が得られる効果がある。
実施の形態6.
実施の形態6は、制御装置における演算の他の例を示すものである。
図13は、実施の形態6における演算の流れを示す説明図である。
ここではまず指示された仮想的な面101を2変数の関数で表現する。例えば直交座標系の変数を用いて次式のように表現する。
z=f1(x,y) (17)
アーム手先26の現在位置を次式で表す。
vx0=(x0,y0,z0) (18)
式(18)のx座標とy座標を式(17)に代入して、指示された仮想的な面101上のz座標zrを求める。
zr=f1(x0,y0) (19)
指示された仮想的な面101上の位置(x0,y0,zr)と現在位置の差のベクトルveを求める。
ve=vx0−(x0,y0,zr) (20)
現在の動きの誤差を次回に修正するための、次回のアームの各関節の軸の回動または回転角度の誤差修正量δΘei+1を式(20)を用いて次式のように定める。
δΘei+1=J−1(Θ)・(−ve) (21)
ここで
Θ=Θi−1+δΘ+δΘe (22)
であり、J−1はヤコビ行列の逆行列である。また適当な時間間隔で見た、前回からのアーム角度の変化量をδΘとしている。
このようにして得られた式(22)を式(9)に代入した式が常に成り立つように関節の角速度ベクトルωの係数を実施の形態1と同様に制御すればよい。即ち、式(22)を式(9)に代入した式を要素で書けば式(10)のようになり、式(1)と式(10)より式(11)が得られるので、式(11)が成り立つように微少時間間隔で変速比k1、k2、k3を制御すれば、アーム手先26は指示された指示された仮想的な面内を動く。
以上のように、実施の形態6によれば、制御装置41は、面の指示を、作業座標における2変数の関数で表現した場合、アームの現在の作業座標vx0と、前記2変数の関数により得た面の指示座標(x0,y0,zr)との差のベクトルveに対して、アームの各関節の軸の現在の回動または回転角度におけるヤコビ行列の逆行列J−1(Θ)を掛けて得た誤差修正量δΘei+1を、次回のヤコビ行列の計算においてアームの各関節の軸の回動または回転角度に加えて変速比を制御するようにしたので、次のような効果が得られる。
即ち、実施の形態1では式(22)の第3項がなかったのに対して、この実施の形態6では第3項が加わる点が異なる。実施の形態1では、初期位置の近傍ではアーム手先26が指示された仮想的な面101内を動くが、初期位置から離れると誤差が増加して、アーム手先26が指示された仮想的な面101から離れる場合があるが、実施の形態6では指示された仮想的な面101の式に従って常に誤差を修正するので、初期位置から離れても指示された仮想的な面101から離れない効果がある。
尚、指示された仮想的な面101を表す式として式(17)のようにz座標がxとyの関数としたが、x座標がyとzの関数、またはy座標がxとzの関数であってもよい。
また、指示された仮想的な面101上に2次元の座標s1、s2をとって、これらの座標で直交座標系の位置を次式のように表現してもよい。
z=f2(s1,s2) (23)
式(23)でz座標がs1とs2の関数であるとしたが、xまたはy座標がこれらの関数であってもよい。
実施の形態7.
実施の形態7では、実施の形態1の制御装置41における演算の内容に補足する別の演算について述べる。ここでは指示された仮想的な面101は平面であるとする。
図14は、実施の形態7の演算内容を示す説明図である。
直交座標系におけるアーム手先26の初期位置をvxとする。軌道105aはvxにおいて減速比が一定のときのアーム手先26が動く軌道である。適当な時間間隔で見た、前回からの移動距離をdx、このときのアーム角度の変化量をdΘとする。初期位置vxからdx移動した点は軌道105a上の点となる。
適当な時間間隔後のアーム手先26の位置を図中vxとする。初期位置vxから見たvxの位置ベクトルをvsとする。軌道105bは、vxにおいて、改めて計算した減速比を用いて、減速比が一定のときのアーム手先26が動く軌道である。ベクトルvsを仮想的な面101の法線方向ベクトルvn102に投影したベクトルをveとすれば、ベクトルveはベクトルvsと法線方向ベクトルvn102の方向の単位ベクトルとの内積をとって次式のようになる。
ve=vs・vn/|vn| (24)
ここで|vn|は法線方向ベクトルvn102の絶対値である。
ベクトルveはアーム手先26が動いたときの仮想的な面101に対する誤差を表す誤差ベクトルになる。
以下の計算は実施の形態6と同様である。前回までの動きの誤差を次回に修正するための、次回のアームの各関節の軸の回動または回転角度の誤差修正量δΘei+1を式(24)を用いて次式のように定める。
δΘei+1=J−1(Θ)・(−ve) (25)
ここで
Θ=Θi−1+δΘ+δΘe (26)
であり、J−1はヤコビ行列の逆行列である。
このようにして得られた式(26)を式(9)に代入した式が常に成り立つように関節の角速度ベクトルωの係数を実施の形態1と同様に制御すればよい。すなわち式(26)を式(9)に代入した式を要素で書けば式(10)のようになり、式(1)と式(10)より式(11)が得られるので、式(11)が成り立つように微少時間間隔で変速比k1、k2、k3を制御すれば、アーム手先26は指示された指示された仮想的な面101内を動く。
以上のように実施の形態7によれば、制御装置41は、指示する面を平面とした場合、アームの現在の作業座標ベクトルvsと、平面の法線方向ベクトルの単位ベクトル(vn/|vn|)との内積を誤差ベクトルveとして、誤差ベクトルveにアームの各関節の軸の現在の回動または回転角度におけるヤコビ行列の逆行列J−1(Θ)を掛けて得た誤差修正量δΘei+1を、次のヤコビ行列の計算においてアームの各関節の軸の回動または回転角度に加えて変速比を制御するようにしたので次のような効果がある。
即ち、実施の形態1では式(26)の第3項がなかったのに対して、実施の形態7では第3項が加わる点が異なる。実施の形態1では、初期位置vxの近傍ではアーム手先26が指示された仮想的な面101内を動くが、初期位置vxから離れると誤差が増加して、アーム手先26が指示された仮想的な面101から離れる場合があるが、実施の形態7では式(26)の第3項により常に誤差を修正するため、初期位置vxから離れても指示された仮想的な面101から離れない効果がある。
また実施の形態6では指示された仮想的な面101の式(式(17)または式(23))を用いて補正するときの基準となる点を毎回求めているが、実施の形態7では初期位置からの位置ベクトルと、指示された仮想的な面101の法線方向ベクトル102を用いて誤差を修正するため、指示された仮想的な面101の式を用いなくても誤差が修正できる効果がある。
実施の形態8.
実施の形態8では、実施の形態1の作業補助アームに用いられる変速機の一例を示したものである。
図15は、実施の形態8の作業補助アームにおける無段変速機を示す構成図であり、(a)はその正面図、(b)は(a)のA方向より見た図を示している。
図示のように、入力軸202と出力軸220は枠体206に対して回転自在に取りつけられている。入力軸202は図2の変速機入力軸5a、5b、5cに相当し、出力軸220は図2の変速機出力軸6a、6b、6cに相当するものである。
傘歯車a208、傘歯車b209、平歯車a210、平歯車b211、操舵輪軸212は、操舵輪枠体207に回転自在に取り付けられている。入力軸202から入力された回転は、傘歯車a208、傘歯車b209、平歯車a210、平歯車b211を経て、操舵輪軸212まわりに回転する操舵輪213に伝達されるよう構成されている。
ローラ216は、ローラ枠体214に取り付けられ、ローラ軸215まわりに回転自在となっている。操舵輪213はローラ216に押し当てられているので、操舵輪213が回転するとローラ216が回転する。
操舵輪枠体207は、枠体206に対して操舵軸201まわりに回転自在に取りつけられている。操舵軸201と入力軸202は同軸で、独立に回転する。操舵軸201とローラ軸215は直交している。
変速用減速機付きモータ205は枠体206に取り付けられている。変速用減速機付きモータ205の軸にはモータ傘歯車204が取り付けられている。操舵輪枠体207には操舵軸傘歯車203が取り付けられている。変速用減速機付きモータ205の回転は、モータ傘歯車204、操舵軸傘歯車203を経て、操舵輪枠体207を枠体206に対して操舵軸201まわりに回転させる。変速用減速機付きモータ205は制御装置41(図示していない)により制御される。
ローラ枠体214は枠体206に対してリニアガイド217を介して取り付けられている。リニアガイド217の直動方向はローラ軸215と平行である。ローラ枠体214は枠体206に対して、ローラ軸215と平行な方向へ直動動作自在である。ローラ枠体214にはラック218がローラ軸215と平行に取り付けられている。枠体206にはピニオン219が出力軸220まわりに回転自在に取りつけられている。ラック218とピニオン219は噛み合っており、ローラ枠体214が直動動作すると、出力軸220が回転するよう構成されている。
次に動作を説明する。
図15では操舵輪軸212とローラ軸215は平行な場合を示している。この場合、入力軸202が回転すると、ローラ216が回転するだけである。ここで変速用減速機付きモータ205を駆動して操舵輪213を操舵軸201まわりに角度θsだけ操舵した場合を考える。このとき操舵輪軸212はローラ軸215に対して平行でなくなるので、操舵輪213が回転すると、ローラ216はローラ軸215まわりに回転しつつ、ローラ軸215に平行な方向へ直動動作する(このときローラ216上における操舵輪軸212との接触点の軌跡は、リード角がθsであるねじ状になる)。ローラ216がローラ軸215に平行な方向へ直動動作すると、ラック218、ピニオン219を経て、出力軸220が回転する。
傘歯車a208と傘歯車b209、平歯車a210と平歯車b211はそれぞれ歯数が同じとする。操舵輪213とローラ216の半径をそれぞれrs、rrとする。またピニオンのピッチ円半径をrpとする。操舵輪軸212の角速度ωinsと出力軸220の角速度ωoutの間には次の関係が成り立つ。
rs・sinθs・ωins=rp・ωout (27)
入力軸202の角速度ωin、操舵軸201の角速度ωs、操舵輪軸212の角速度ωinsの間には次の関係が成り立つ。
ωins=ωin−ωs (28)
式(27)と式(28)を用いて、操舵角度と操舵角速度を定めることで、変速比を制御することができる。
図15に示すように操舵軸201の操舵角度が0の場合は、入力軸202が回転しても出力軸220は回転しない。このときは変速比は0である。ここから操舵角度を正負に動かすと、入力軸202に対して出力軸220は正転逆転する。操舵角度が±90度のとき変速比の絶対値が最大になる。
この変速機は操舵輪213をローラ216に押し当てて操舵する構造なので、入力軸202が回転している動作中も操舵できるだけでなく、停止中も「すえ切り」することにより、変速が可能である。また、変速用減速機付きモータ205は、操舵により変速を行う際操舵軸201を回転駆動するだけであり、操舵軸201は操舵輪軸212ともローラ軸215とも直交しているので、操舵に大きなパワーを要することがなく、また、操舵に要するパワーが入力軸202、出力軸220に出てくることはない。
以上のように実施の形態8によれば、この無段変速機には以下のような効果があるので、実施の形態1で述べたように作業補助アームのための無段変速機として有効である。
1)速度の比のみを結合し、変位に対しては拘束を与えない。すなわち速比を変化させても変位の関係は変化しない。
2)変速比は、正転から逆転まで滑らかに変化し、変速比0、すなわち入力が回転しても出力が回転しない状態を作れる。
3)動作中も停止中も変速可能である。
4)変速に要するパワーが少ない。即ち、モータはアームの軸を直接駆動するのではなく、変速を行うだけなので、モータの出力が小さくて済む効果がある。また、変速に要するパワーが入力軸、出力軸に出てこない。
尚、傘歯車a208と傘歯車b209、平歯車a210と平歯車b211をそれぞれ同じ歯数としたが、異なる歯数でもよい。また変速用減速機付きモータ205は減速機付きとしたが、減速機はなくてもよい。
尚、上記各実施の形態では、変速機4a,4b,4cは無段変速機として説明したが、仮想的な面101としてある程度の凹凸が許容される場合等では、変速段数が十分に多い変速機であれば多段変速機でも使用可能である。
この発明の実施の形態1による作業補助アームを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による作業補助アームの駆動部分の構成図である。 この発明の実施の形態1による作業補助アームの制御構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による作業補助アームの演算の流れを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による作業補助アームの姿勢変化の様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による作業補助アームの適用例を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による作業補助アームの適用例と仮想的な面を示す説明図である。 重量物を持ち上げる作業の説明図である。 作業補助アームの手首を水平に支持する機構の説明図である。 この発明の実施の形態3による作業補助アームの適用例を示す説明図である。 この発明の実施の形態4による作業補助アームの適用例を示す説明図である。 この発明の実施の形態5による作業補助アームの適用例を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による作業補助アームの演算の流れを示す説明図である。 この発明の実施の形態7による作業補助アームの演算内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態8による作業補助アームに適用される無段変速機を示す構成図である。
符号の説明
1 第1軸、2 第2軸、3 第3軸、4a,4b,4c 変速機、5a,5b,5c 変速機入力軸、7 傘歯車小、8 傘歯車大、9 差動傘歯車a、10 差動傘歯車b、11 差動傘歯車c、12 差動傘歯車a軸、13 キャリア、16 枠体、17 ベース、18 第1アーム、19 第2アーム、20 下節、21 後節、22,23,24 軸、26 アーム手先、40 回転角度検出器(変位検出装置)、41 制御装置、42 面指示手段、101 仮想的な面、102 法線方向ベクトル。

Claims (3)

  1. 複数の軸の変位量に基づいて、その作業座標が決定されるアームと、
    前記複数の軸の変位量をそれぞれ検出する変位検出装置と、
    前記複数の軸を結合する差動機構と、
    前記複数の軸上にそれぞれ設けられた変速機と、
    前記アームの指示された作業座標の自由度の情報と、前記変位検出装置にて検出された変位量に基づき、前記アームの作業座標が、前記指示された自由度以外は拘束されるよう前記変速機の変速比を制御する制御装置とを備えた作業補助アーム。
  2. 複数の軸は関節の軸であって、第1軸と第2軸と第3軸を有し、前記第2軸と第3軸は同軸であって、
    かつ、
    前記第1軸まわりを旋回するよう設けられ、前記第2軸と前記第3軸とを回動自在に支持する枠体と、
    前記第2軸まわりに回動するよう当該第2軸に取り付けられた第1アームと、前記第3軸まわりに回動するよう当該第3軸に取り付けられた下節と、当該下節の先端部に回動自在に取り付けられた後節と、前記第1アームの先端部で回動自在に支持されると共に、その後端が前記後節の先端部で回動自在に支持される第2アームとを含み、前記第1アームと前記後節、前記第2アームと前記下節がそれぞれ平行となるよう位置してなるアームと、
    前記第1軸から前記第3軸のそれぞれの回動または回転角度を検出する変位検出装置と、
    前記第1軸から前記第3軸にそれぞれ結合された3個の変速機の3個の入力軸のうち、2個の入力軸の角速度の和を、残る1個の入力軸の角速度に比例させるよう構成された差動機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載の作業補助アーム。
  3. 制御装置は、指示された作業座標の自由度を面として表し、当該面の法線方向ベクトルと、アームの各関節の軸の現在の回動または回転角度におけるヤコビ行列と、各関節の軸の角速度ベクトルの内積が0となるよう変速比を制御することを特徴とする請求項2記載の作業補助アーム。
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