JP4115720B2 - 顕微鏡システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、顕微鏡システムに係り、特に、観察対象物と対物レンズとが過接触することを防止する機能を有する顕微鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、工業分野での微細化されたIC配線等の検査及び医学分野での細胞核内の調査等には、観察対象物、即ち、被検査体を高倍率で観察することが可能な顕微鏡が多く用いられるようになっている。
【0003】
ところで、このような顕微鏡を用いて高倍率で被検査体を観察し、且つ、高い解像度で被検査体の観察画像を得るには、高NAを有する対物レンズを用いることは、避けられないとされている。しかし、高NAを有する対物レンズが用いられれば用いられる程、観察対象物と対物レンズは、より接近する。例えば、NA=0.9で倍率が100倍の対物レンズでは、観察対象物と対物レンズの間の距離、いわゆるW.D(Working Distance)は、200[μm]となる。
【0004】
ところが、上述したようにW.Dが短くなると、観察対象物と対物レンズとの接触が発生し易くなる。特に、観察対象物が上述したような微細化されたIC配線、或いは、細胞核のように非常に微細なものの場合、対物レンズが観察対象に接触することにより観察対象物を損傷させてしまうおそれがある。また、観察対象物が金属のような硬いものである場合は、対物レンズが観察対象に接触すると、対物レンズを損傷させるおそれもある。
【0005】
従来、観察対象物と対物レンズの過接触を防止するため、種々の過接触防止システムが提案されている。例えば、特開平5−26612号公報及び特開平10−260361号公報には、観察対象物と対物レンズとの接触を検知する圧力検知センサまたは接触センサを設けて観察対象物と対物レンズとの過接触を防止する顕微鏡システムが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような過接触防止システムは、観察対象物と対物レンズとが接触したことに応答して、これら観察対象物または対物レンズが損傷を受けることを防止するために、損傷が生じる前にシステムを作動させて顕微鏡の操作を中断させている。従って、検出センサが用いられるシステムでは、検出センサからの出力がモニターされ、接触したと判断するしきい値が接触直後に得られるセンサ出力にできるかぎり近けられることが重要とされている。これにより、顕微鏡操作を素早く中断させ、観察対象物に与える影響を最小限に抑えることができる。しかしながら、センサ自身、または、センサ出力を処理する回路が周囲温度の変化による影響を受けることから、実際のしきい値は、マージンを取るように設定される。従って、このマージンの取り方によっては、正確に観察対象物と対物レンズとが接触したことを判断ができない問題がある。特に、観察対象物である標本を透過した光線で対象物を観察する透過光源を用いる顕微鏡システムでは、観察対象物に近接してセンサが設けられ、観察時には、このセンサにも透過光線が入射され、このセンサ自身の温度が僅かながら変化させられる虞がある。センサの温度変化が原因でこのセンサの特性が変化し、正確に観察対象物と対物レンズとが接触したことを判断ができない虞がある。
【0007】
このことは、特開平5−26612号公報に開示された圧力検知センサを用いた顕微鏡システムにおいても、また、特開平10−260361号公報に開示された接触センサを用いた顕微鏡システムにおいても、上記問題の解決方法については、開示されていない。従って、これら公報に開示された従来の顕微鏡システムでは、センサ出力に対するマージンが大きすぎると、センサからの出力で観察対象物と対物レンズとが接触したと判断され、顕微鏡操作を中断させても、すでに、観察対象物と対物レンズとが接触して観察対象物に損傷を与えていることがある。また、センサ出力に対するマージンが小さいと、観察対象物と対物レンズとが接触していないのに、顕微鏡操作を中断させてしまい、安定した接触を判断することができない問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、その目的は、観察対象物と対物レンズとの接触を高い精度で検出して両者が過接触していずれか又は両者に損傷を与えることを防止することができる過接触防止機能を有する顕微鏡システムを提供することにある。
【0009】
この発明によれば、観察対象物を載置する為のステージに対してこの観察対象物を観察する為の対物レンズを光軸方向に相対的に移動可能な顕微鏡システムにおいて、前記観察対象物と前記対物レンズとの間の非接触及び接触に対応する接触状態を検出し、接触状態に応じて信号を出力する検出手段と、前記検出手段の出力に基づいて、前記観察対象物と前記対物レンズとの接触状態が所定値を超えたことを判定して過接触信号を出力する判定手段であって、この判定手段は、接触判定の判定基準となるしきい値を設定するしきい値設定手段及び設定されたしきい値と前記検出手段の出力を比較する比較器を備え、前記しきい値設定手段は前記観察対象物と前記対物レンズとが分離されている状態において、前記検出手段の出力に基づいてしきい値を再設定する判定手段と、及び前記過接触信号に応答して前記ステージと前記対物レンズの相対的移動を制御する制御手段と、を具備する顕微鏡システムが提供される。
また、観察対象物を載置する為のステージに対してこの観察対象物を観察する為の対物レンズが光軸方向に相対的に移動可能なステージ制御部を備えた顕微鏡システムにおいて、前記対物レンズの先に取り付けられ、前記対物レンズと前記観察対象物の接触を検知する接触検知センサと、前記接触検知センサの検出信号から前記対物レンズと前記観察対象物の接触状態を判定する接触判定部により少なくとも前記ステージ制御部を制御する制御手段と、前記接触判定部に接続された第1のメモリと第2のメモリとを有し、過接触を防ぐ前記接触検知センサの第1の出力信号に相当する第1のオフセット量に一定加圧量を加えた値を第1のデフォルト値として前記第1のメモリに格納し、
前記観察対象物と前記対物レンズとが分離されている状態における前記接触検知センサの出力信号に前記一定加圧量を加えた値をしきい値とし、前記第2のメモリに最新のしきい値を格納することを一定時間毎に順次繰り返し、前記第2のメモリに格納された最新のしきい値以下になるようにステージ制御部で前記ステージを制御し、前記観察対象物と前記接触検知センサの接触圧力が一定以下になるように前記制御手段で制御する顕微鏡システムが提供される。
【0010】
この発明の顕微鏡装置においては、常に周囲環境に応じて更新されるしきい値により観察対象物と対物レンズの過接触の可能性を判定できるので、精度の高い判定結果が得られ、観察対象物と対物レンズの過接触により双方にダメージを与えるような事態を回避することができる。
【0011】
また、観察対象物と対物レンズの過接触する可能性が低い状態が所定時間確認できないと、しきい値を予め設定された初期値に戻すようにしているので、観察対象物と対物レンズの過接触する可能性が低い状態になるまで待機することがなくなり、常に最新の環境周囲環境に応じた最適なしきい値を設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態に係る過接触防止機能を備えた顕微鏡システムを説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の一実施の形態に係る過接触防止機能を備えた顕微鏡システムを概略的に示している。図1において、符号1は、顕微鏡本体を示し、この顕微鏡本体1は、水平方向のベース部1Aと、このベース部1Aに対し直立して設けられた胴部1Bを有し、この胴部1Bの先端部に、ベース部1Aに対し平行な対物アーム1Cが設けられている。
【0014】
顕微鏡本体1の胴部1Bには、ステージ2が後述する対物レンズ6の光軸方向に沿って上下動可能に設けられている。このステージ2は、ステージモータ3によって上下方向に電動駆動されることができる。ステージ2には、標本4が載置されている。
【0015】
対物アーム1Cには、電動レボルバ5が設けられている。このレボルバ5には、ステージ2上の標本4に対向して複数の対物レンズ6が設けられている。例えば、高機能顕微鏡では、レボルバ5には、5つの対物レンズが設けられている。レボルバ5が回転操作されることによって、これら対物レンズ6が選択的に光路上に切り換えられ、ユーザが選定した1つの対物レンズ1Cが光路上に配置される。対物アーム1Cの上方には、AF(auto focus)ユニット7が設けられ、このAF(auto focus)ユニット7上に鏡筒8が設けられている。この鏡筒8には、接眼レンズ9が設けられている。
【0016】
顕微鏡本体1の胴部1Bの下部には、透過用光源10が設けられている。この透過用光源10からの照明光線は、ベース部1A内部に配置された図示しないNDフィルタ、開口絞り、視野絞りを介してステージ2の下方から標本4に入射され、また、標本4を透過した光束は、対物レンズ6及びAFユニット7を通過して、その一部が鏡筒8を介して接眼レンズ9に導かれる。
【0017】
対物レンズ6の先端部には、標本4と対物レンズ6との接触を検出する接触検知センサ11が設けられている。この接触検知センサ11は、標本4と対物レンズ6との僅かな接触を精度良く検出している。この明細書において、標本4と対物レンズ6との接触は、標本4或いは対物レンズ6に損傷を与えないように両者が触れる状態を意味し、標本4と対物レンズ6とが過接触するとは、両者に圧力が与えられるような強い接触、或いは、両者に瞬間的に強い圧力が与えられるような急激な接触を意味し、過接触の結果としていずれかが損傷するか否かは問わない。また、接触検知センサ11は、標本4と対物レンズ6の接触を検知して所定の出力を発生するようなセンサであればどのようなタイプのセンサであっても良い。
【0018】
接触検知センサ11には、接触を判定する接触判定部12が接続され、レボルバ5の対物レンズ切換機構には、対物レンズ切換機構制御部13が接続され、ステージモータ3には、ステージ制御部14がそれぞれ接続されている。これら接触判定部12、対物レンズ切換機構制御部13、ステージ制御部14には、各部を制御するCPU15が接続されている。また、CPU15には、AFユニット7及びユーザ操作部16が接続されている。接触検知センサ11は、対物レンズ11、レボルバ5及び対物アーム1C内を延びる信号線及び信号線を電気的に接続する接続機構を介して接触判定部12に接続されている。この信号線及び接続機構は、日本公開公報2000−199858に開示されている。これら信号線及び接続機構は、この公開公報を引用することによってその詳細な説明は省略する。
【0019】
接触判定部12は、接触検知センサ11が標本4と対物レンズ6との接触を検知して所定の出力が検出されると、接触信号をCPU15に出力する。
【0020】
AFユニット7からのデフォルト信号に基づいてCPU15は、ステージ制御部14を制御している。即ち、デフォルト信号に応答して、ステージ制御部14は、ステージモータ3を駆動してステージ2を上下動させ、標本4と対物レンズ6の相対距離を変化させて対物レンズ6の合焦を制御している。また、デフォルト信号に応答して、CPU15は、対物レンズ切換機構制御部13に対物レンズの切換を指示して所定の対物レンズ6を光路上に配置させている。また、接触判定部12が標本4と対物レンズ6との接触を判定すると、CPU15は、ステージ制御部14に過接触回避の指示を与え、この過接触回避指示に応答してステージ制御部14は、ステージ2の移動制御を即時停止させ、標本4と対物レンズ6とが接触する方向にさらに移動することを規制している。
【0021】
ユーザ操作部16には、ユーザによって各種指示が与えられる。即ち、ユーザ操作部16のユーザ操作によって、CPU15に対してAFユニット7によるオートフォーカス動作のオン/オフ、或いは、対物レンズ6の切換等が指示される。
【0022】
図2には、接触判定部12の概略的なブロックが示されている。この接触判定部12は、増幅器12A、コンパレータ12B、D/Aコンバータ12C、A/Dコンバータ12E、12Fから構成されている。この接触判定部12においては、接触検知センサ11から入力される検知信号は、増幅器12Aで増幅され、コンパレータ12Bの一方の入力端子に出力電圧として入力される。コンパレータ12Bの他方の入力端子には、CPU15よりD/Aコンバータ12Cを介して、接触判定しきい値γが入力されている。接触判定しきい値γは、デフォルトの値がROM16に格納され、接触判定部12における判定が開始されると、そのデフォルトのしきい値γがCPU15内のメモリ15Aに格納され、このしきい値γがD/Aコンバータ12Cでアナログ信号に変換されてアナログ信号のしきい値信号がコンパレータ12Bに与えられる。コンパレータ12Bでは、この接触判定しきい値γと接触検知センサ11からの出力電圧とが比較される。この接触検知センサ11からの出力電圧が接触判定しきい値γより大きい場合には、コンパレータ12Bは、標本4と対物レンズ6が接触していると判断して接触信号をCPU15及びステージ制御部14に出力する。この接触信号に応答して、ステージ制御部14は、ステージ2の移動制御を即時停止し、CPU15は、この接触信号に応答してステージ制御部14は、ステージ2を対物レンズ6から退避させるように所定距離だけ移動させる。尚、CPU15に述べるように更新されるしきい値γが入力され、この更新されたしきい値γは、CPU15内のメモリ15Aに入力されるとともに更新されたしきい値γがRAM17に格納される。このしきい値の更新動作に関するプログラムがROM16に格納されている。
【0023】
ここで、接触検知センサ11は、図3(a)に示すような出力特性を有している。図3(a)は、横軸にセンサに加わる圧力つまり接触量を示し、縦軸にセンサの出力電圧を示している。また、接触検知センサ11は、センサに加わる圧力xに比例して出力電圧yが大きくなる、以下に示す(1)式のような特性を有している。尚、(1)式中のβ0は、センサ自体の処理回路の持つオフセットである。
【0024】
出力電圧y=αx+β0 …(1)
従って、このような接触検知センサ11からの出力を用いて、標本4と対物レンズ6の接触を出来るだけ素早く検出するためには、上式(1)から出力電圧yをβ0に近づければよいことが分かる。そして、上述したCPU15より設定される接触判定しきい値をγとすると、この接触判定しきい値γをβに極力近づければ、接触を精度よく判定することができる。ここで、接触判定しきい値γがβより大きすぎると、標本4と対物レンズ6の間に大きな接触圧力がかかり、双方のダメージ大きくなる。また、逆に、接触判定しきい値γがβより小さすぎると、標本4と対物レンズ6とが接触されていなくとも接触と判定する誤判定が生じる。
【0025】
(1)式中のセンサ自体の処理回路が有するオフセットβは、周囲環境、主に環境温度に依存し、環境温度の変化に基づいて処理回路の温度がドリフトされ、或いは、抵抗値が変化されることにより、図3(b)に示す値β1または図3(c)に示すに値β2のように変動される。従って、一般には、オフセットβの変動分が予め予想されて接触判定しきい値γが設定されることが必要とされている。
【0026】
この第1の実施の形態に係る顕微鏡システムでは、周囲環境に応じてオフセットβの変動があっても、常に最適な接触判定しきい値γが以下のようにして設定される。
【0027】
図4は、接触判定しきい値γを設定するための手順を示すフローチャートである。この図4に示す手順では、電源が投入されると(ステップS1)、始めに、接触判定しきい値γがデフォルトの値である所定値γdefが設定される(ステップS2)。このデフォルト所定値γdefは、顕微鏡システムを使用する環境に応じて採用されるMAX値で、例えば図3(b)に示すオフセットβ1に対して、さらにマージンを与えた値に相当している。
【0028】
次に、時刻tが0に初期化され(ステップS3)、その後、時刻tの経過により時刻tが補正タイミングに対応する所定時間T0に達したかが繰り返し判断される。(ステップS4、S5)ここで、所定時間T0に達する毎に、標本4と対物レンズ6とが接触している可能性が最も低い状態で、しきい値を補正可能な状態かがチェックされる(ステップS6)。
【0029】
ここで、しきい値の補正可能な状態とは、次の(a)〜(d)の場合が相当している。
【0030】
(a)オートフォーカスの為にステージ2の初期化等でステージ2が下限位置にある場合。
【0031】
(b)対物レンズの切換に伴いステージが退避されてステージ2が下がりきった時。
【0032】
(c)標本4の交換に伴いステージが退避されてステージ2が下がりきった時。
(d)対物レンズが標本に焦点が合わされている合焦状態の時。
【0033】
これら(a)〜(d)の場合は、何れの状態においてもステージが移動される虞のないステージの固定状態に相当している。また、ステージ2は、ステージ制御部14によって制御され、この制御の状況は、常にCPU15においてモニターされている。従って、しきい値の補正可能な状態は、CPU15においてモニターされる。
【0034】
しきい値を補正可能な状態と判断されると、CPU15は、接触検知センサ11の出力電圧ynを検出し(ステップS7)、この出力電圧ynに所定のマージンδを加え、接触判定しきい値γnとして出力する。
【0035】
このようにして設定された接触判定しきい値γnは、図2に示すようにCPU15のメモリ15Aに一時的に格納され、D/Aコンバータ12Cを介してコンパレータ12Bの他方の入力端子に与えられる。コンパレータ12Bでは、接触検知センサ11の出力電圧ynと比較され、接触検知センサ11からの出力電圧が、接触判定しきい値γnより大きいと判断されると、標本4と対物レンズ6が接触していると判定され、CPU15の指示によりステージ制御部14によるステージ2の移動制御が即時停止される。
【0036】
このような顕微鏡システムにおいては、所定時間T0ごとに、しきい値が補正可能な状態であるか否かがが判断される。補正可能な状態であれば、この時の接触検知センサ11の出力電圧ynを基準として、この出力電圧ynに所定のマージンδを加えて新たな接触判定しきい値γnが求められる。この更新された接触判定しきい値γnを用いて接触が検知される。従って、常に周囲環境応じて更新される接触判定しきい値γnにより接触が判定され、精度の高い判定結果を得ることができる。これにより、標本4と対物レンズ6の過接触により双方にダメージを与えるような事態を事前に回避することができ、これら標本4及び対物レンズ6を確実に保護することができる。また、標本4と対物レンズ6が接触していないのに、顕微鏡操作を中断させるようなことも無くなり、常に安定した動作を期待できる。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に、この発明の第2の実施形態に係る顕微鏡システムについて説明する。
【0038】
この場合、第2の実施形態が適用される顕微鏡システム及び接触判定部は、第1の実施の形態で説明した図1及び図2と同様なので、これらの図面を援用するものとし、ここでは、接触判定しきい値γの設定方法について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
この接触判定しきい値γの設定方法においては、電源が投入されると(ステップS11)、接触判定しきい値γがデフォルトの所定値γdefに設定される(ステップS12)。この所定値γdefは、本装置を使用する環境に応じて採用されるMAX値で、例えば図3(b)に示すβ1に対して、さらにマージンを取った値に相当している。
【0040】
次に、時刻t及び補正できない期間pが0に初期化され(ステップS13)、その後、時刻tが経過して所定時間T0に達したかが繰り返し判断される(ステップS14、S15)。時刻tが所定時間T0に達する毎に、しきい値が補正可能な状態かがチェックされる(ステップS16)。ここでの、しきい値の補正可能な状態の判断は、図4の説明と同様である。
【0041】
ステップ16において、しきい値が補正可能な状態と判断されないと、リセットタイミングに相当する補正できない期間pがカウントされる(ステップS19)。そして、補正できない期間pが所定の期間P0に達したかが判断される(ステップS20)このステップS20において、補正できない期間pが期間P0に達していなければ、さらにしきい値が補正可能な状態かがチェックされる(ステップS16)。ここで、期間P0に達する前に、しきい値の補正可能な状態と判断されると、CPU15は、接触検知センサ11の出力電圧ynを検出し(ステップS17)、この出力電圧ynに所定のマージンδを加え、更新された接触判定しきい値γnを定め、この接触判定しきい値γnをメモリ15Aに格納すると共にその接触判定しきい値γnを出力する。
【0042】
補正できない状態が所定の期間P0(p=P0)経過すると、ステップS12に戻され、接触判定しきい値γが再度電源投入時と同様な大きなデフォルト値γdefに戻され、ステップS13以降の動作が繰り返される。
【0043】
尚、補正タイミングに対応する所定時間T0とリセットタイミングに相当する補正できない期間Pは、それぞれ固定値としたが、温度変化は電源投入時が最も大きいことに着目して、電源投入からの時間に応じて可変させるようにしても良い。
【0044】
このような第2の実施例に係る顕微鏡システムにおいては、第1の実施例に係る顕微鏡システムと同様に、常に周囲環境応じて更新される接触判定しきい値γnにより対物レンズと標本との接触が判定され、精度の高い判定結果を得ることができる。これにより、標本4と対物レンズ6の過接触により双方にダメージを与えるような事態を事前に回避することができ、これら標本4及び対物レンズ6を確実に保護することができる。また、標本4と対物レンズ6が接触していないのに、顕微鏡操作を中断させるようなことも無くなり、常に安定した動作を期待できる。また、第2の実施例に係る顕微鏡システムにおいては、補正できない状態が所定の期間P0続くと、接触判定しきい値γが初期状態の大きな値γdefに戻されて、再度設定のための動作が実行される。従って、しきい値が補正可能な状態かを判断する判断のモードのままに待機させることがなくなり、常に最新の環境周囲環境に応じた最適な接触判定しきい値γに設定することができる。
【0045】
尚、上述した実施の形態では、対物レンズ6に対してステージ2を上下動させるシステムについて述べたが、対物レンズ6側を上下動させるシステムに本発明が適用されてもよい。また、標本4と対物レンズ6の接触を検知する接触検知センサ11を対物レンズ6に設けた例を述べたが、レボルバ5に設ける等、対物レンズ6以外の場所に設けることもできる。さらに、上述では、標本4と対物レンズ6の接触を検知する接触検知センサ11を用いたが、抵抗値の変化等を検出する圧覚センサ等を用いることもできる。さらに、上述では、観察対象物と対物レンズの接触状態を検出する場合を述べたが、これらの間の異常接近から過接触の可能性を検出して、観察対象物及び対物レンズを保護するようなものにも適用できる。
【0046】
(第3の実施の形態)
次に、この発明の第3の実施形態に係る顕微鏡システムについて説明する。
【0047】
この発明の第3の実施形態に係る顕微鏡システムは、図1に示した接触判定部12が図6に示されるような回路構成を有している。
【0048】
図6に示すように、接触検出部12は、検出回路12A、コンパレータ12B、D/Aコンバータ12C、A/Dコンバータ12F及び接触検出センサ11からの検出信号から直流成分を除去するフィルタ回路12Dから構成されている。
【0049】
接触検出センサ11が標本4に接触されると、接触に、例えば、接触力或いは圧力等に依存してこのセンサ11から出力が発生される。この検出出力は、検出回路12Aに供給されて増幅される。検出回路12Aからの増幅信号号は、フィルタ回路12Dに供給される。
【0050】
フィルタ回路12Dは、図7(a)及び(b)に示すゲイン特性のフィルタを有し、検出回路12Aから検出信号のうち不要とする周波数成分がカットされ、必要とする周波数帯域の信号のみが出力される。
【0051】
図7(a)は、1次ハイパスフィルタの周波数fに対するゲイン特性を示している。この図7(a)から明らかなように、低周波数成分(カットオフ周波数5Hz以下)のゲインが低いことから、このような特性を有するフィルタを含むフィルタ回路12Dでは、検出信号中のDC成分、即ち、低周波数成分が実質的に除去される。カットオフ周波数は、DC成分のみならず振動ノイズなどの低周波ノイズをできるだけカットできるように、ステージ2の動作速度及び検出センサ11の検出感度から接触時における検出回路12Aの出力の立ち上がり速度、即ち、周波数が求められ、その周波数以下が除去されるように設定されることが望ましい。尚、このようなハイパスフィルタは、1次特性に限らず、2次以上の特性を有しても同様の効果を得ることができる。
【0052】
図7(b)は、微分ゲイン特性Fa、比例ゲイン特性Fb及び積分ゲイン特性Fcを組み合わせたバンドパスフィルタの特性を示している。このようなバンドパスフィルタの特性をフィルタ回路12Dに与えることによって、これら微分ゲイン特性Fa、比例ゲイン特性Fb及び積分ゲイン特性FcによりDC成分を含む低周波成分並びに高周波成分が除去される。
【0053】
図7(a)及び図7(b)に示すゲイン特性を有するフィルタを含むフィルタ回路12Dでは、検出回路12Aからの検出信号は、図7(a)に示す1次ハイパスフィルタにより低周波ノイズがカットされ、または、図7(b)に示すバンドパスフィルタによりDC成分を含む低周波ノイズ及び高周波ノイズがカットされ、必要とする周波数帯域の信号のみが増幅して出力される。
【0054】
フィルタ回路12Dの出力は、コンパレータ12Bの一方の入力端子に供給される。コンパレータ12Bの他方の入力端子には、CPU15から出力されるデジタルデータをD/Aコンバータ12Cによりアナログ変換したしきい値電圧が供給されている。コンパレータ12Bでは、CPU15から供給されるしきい値電圧とフィルタ回路12Dからの出力電圧との比較される。フィルタ回路12Dからの出力電圧がしきい値電圧よりも大きい場合には、対物レンズ6と標本4が接触していると判断されてCPU15及びステージ制御部14に、コンパレータ12Bから接触信号が送出される。
【0055】
ここで、ステージ2が移動中である場合は、接触信号に応答してステージ制御部14は、ステージ2の動作を一時的に強制静止させる。また、接触信号に応答してCPU15は、ステージ制御部14に対してステージ2を戻す指令を出力し、標本4と対物レンズ6がこれ以上接触しないような十分な距離を標本4と対物レンズ6との間に与えるようにステージを回避させる。
【0056】
一方、ステージ2が静止している場合は、ステージ2が誤動作した可能性があるので、ステージ制御部14は、接触信号に応答してステージ2の動作を一時的に強制静止させる。また、CPU15は、ステージ制御部14に対してステージ2を戻す指令を出力し、標本4と対物レンズ6がこれ以上接触しないような十分な距離を標本4と対物レンズ6との間に与えるようにステージを回避させる。
【0057】
このような顕微鏡システムにおいて、対物レンズ6の先端部に接触検出センサ11が設けられ、ステージ2の移動により、対物レンズ6の先端部がステージ2上の標本4に接触したことが接触検出センサ11によって検出される。この接触検出センサ11からの検出出力は、フィルタ回路12Dに送られる。このフィルタ回路12Dにおいて、図7(a)に示す1次ハイパスフィルタによりDC成分を含む低周波ノイズがカットされ、図7(b)に示すバンドパスフィルタによりDC成分を含む低周波ノイズ及び高周波ノイズがカットされ、必要とする周波数帯域の信号のみが増幅され、コンパレータ12Bに送られる。コンパレータ12Bにおいては、検出信号がしきい値電圧と比較され、この比較結果から対物レンズ6と標本4が接触していることが判断される。
【0058】
この場合、図7(a)に示す1次ハイパスフィルタでは、DC成分のみならず振動ノイズなどの低周波ノイズをできるだけカットできるようにステージ2の動作速度と接触検出センサ11の検出感度から接触時における検出回路12Aの出力の立ち上がり周波数が求められ、1次ハイパスフィルタでは、その周波数以下を除去できるように設定される。また、図7(b)に示すバンドパスフィルタでは、微分ゲイン特性Fa、比例ゲイン特性Fb及び積分ゲイン特性FcによりDC成分を含む低周波成分及び高周波成分を除去できるように設定されている。従って、接触検出センサ11自身及び後段の処理手段に対する環境変化、例えば、温度、或いは、湿度の変化、又は、経時変化に起因する僅かなドリフトの影響を除去することができる。
【0059】
これにより、コンパレータ12Bにおいて、検出信号がしきい値電圧との比較され、比較結果から対物レンズ6と標本4との接触を高精度に、しかも、高速に検出することができる。その結果、対物レンズ6と標本4が接触する事故が発生しても、ステージ2の動作を一時的に強制静止させて、標本4と対物レンズ6がこれ以上接触しないような回避動作を精度よく、速やかに実行することができ、対物レンズ6と標本4の双方のダメージを最小限に止めることが可能となる。
【0060】
また、コンパレータ12Bでの、しきい値の設定により、ドリフト成分に相当とするDC成分以外のノイズ成分、例えば、電源ノイズ等の電気ノイズ、或いは、振動等の機械ノイズによって生じる虞がある誤動作を防止でき、高精度な接触判定が可能となる。
【0061】
図6に示されたフィルタ回路12Dは、図7(a)に示すハイパスフィルタ及び図7(b)に示すバンドパスフィルタを備えているが、いずれか一方のみを備えても良い。
【0062】
このバンドパスフィルタは、次のようにしてその特性が定められても良い。図1に示す顕微鏡システムでは、5本の対物レンズ6、例えば、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍の対物レンズ6が設けられ、各対物レンズ6には、同一の検出感度を有する接触センサ11が取り付られている。尚、図面を簡略化する目的から図1には、3つの対物レンズ6のみが示され、3つの対物レンズの背後に位置される2つの対物レンズ6は、図1には、図示されていない。
【0063】
接触センサ11の感度を検出回路12Aの出力で表し、この出力感度を
S V/μm (例えば、1V/μm)
とする。
【0064】
下記の説明においては、接触センサ11が高感度のタイプ(S V/μm=1V/μm)を代表例として説明する。但し、接触センサ11については、感度が低いタイプ(S V/μm=0.1V/μm)もあるので、この感度の低いタイプの接触センサ11が採用された場合におけるバンドパスフィルタ(BPF)の特性についても後に付記する。
【0065】
また,ステージ2の移動速度は、ステージ制御部14によって選択された対物レンズ6の種類に応じて変更される。即ち、対物レンズ6の倍率に応じて、ステージ2の移動速度が定められ、選定された対物レンズ6に最適なフォーカス制御が実行される。ここで、それぞれの対物レンズ6に対する移動速度は、以下のテーブル1に示すように設定されている。
【0066】
【表1】
【0067】
このテーブル(1)におけるステージ移動速度は、対物レンズの焦点深度に比例して定められている。
【0068】
このステージ移動速度に応じて接触センサ11の感度に相当する検出回路12Aの出力は、対物レンズに応じて下記テーブル(2)に示すような出力となる。
【0069】
【表2】
【0070】
図8は、接触した瞬間を時間0としてその接触を開始してからの時間の経過と各対物レンズ6に設けたセンサ11の感度に相当する検出回路12Aの出力(電圧)との関係を示している。ここで,コンパレータ12Bのしきい値をr V(例えば、0.1V)とすると、それぞれの対物レンズに対する検出回路12Aの出力がしきい値に達する時間は、下記テーブル(3)で示される。
【0071】
【表3】
【0072】
以上より、センサ感度が高いタイプ(S V/μm=1V/μm)の接触センサ11が採用されている検出系においては、バンドパスフィルタ(BPF)は、r/S ms〜20r/S ms、例えば、0.1ms〜2msの時間間隔における変化する検出信号の通過を許し、それ以外のノイズに相当する信号を抑制する特性を有していれば良いこととなる。即ち、バンドパスフィルタ(BPF)は、S/20r Hz 〜 S/r Hz、例えば、500Hz〜10kHzの周波数帯域における検出信号の通過を許し、それ以外の信号を低減すれば良いこととなる。このようなバンドパスフィルタ特性は、図9に示すような特性となる。この図9に示すような特性を有するバンドパスフィルタ(BPF)は、1次のローパスフィルタと1次のハイパスフィルタで簡単に構成することができる。
【0073】
センサ感度が低いタイプ(S V/μm=0.1V/μm)の接触センサ11が採用されている検出系においては、バンドパスフィルタ(BPF)は、r/S ms〜20r/S ms、例えば、1ms〜20msの時間間隔における変化する検出信号の通過を許し、それ以外のノイズに相当する信号を抑制する特性を有していれば良いこととなる。即ち、バンドパスフィルタ(BPF)は、S/20r Hz 〜 S/r Hz、例えば、50Hz〜1kHzの周波数帯域における検出信号の通過を許し、それ以外の信号を低減すれば良いこととなる。
【0074】
以上から、センサ感度が種々のタイプ(S V/μm=0.1〜1V/μm)の接触センサが検出系に用いられることを考慮すると、バンドパスフィルタ(BPF)は、r/S ms〜20r/S ms、例えば、0.1ms〜20msの時間間隔における変化する検出信号の通過を許し、それ以外のノイズに相当する信号を抑制する特性を有していれば良いこととなる。即ち、バンドパスフィルタ(BPF)は、S/20r Hz 〜 S/r Hz、例えば、50Hz〜10kHzの周波数帯域における検出信号の通過を許し、それ以外の信号を低減すれば良いこととなる。
【0075】
図6に示すフィルタ回路12Dは、図10に示すような回路構成を有しても良い。このフィルタ回路12Dは、より精度良く,かつ高速に接触信号を検出するために、5本の対物レンズ6に夫々対応する5つのフィルタ12D1〜12D5を備えている。5つのフィルタ12D1〜12D5は、それぞれ異なるフィルタ特性、例えば、夫々異なる微分フィルタ特性を有している。このフィルタ回路12Dは、対物レンズ6が切り換えられて1つの対物レンズ6が選定されると、この選定された対物レンズ6に対応したスイッチング接点G1〜G5が切り換えられるスイッチ12Gを含んでいる。対物レンズ6とフィルタ12D1〜12D5とは、次のような対応を有している。
【0076】
5倍対物レンズ : 第1フィルタ12D1
10倍対物レンズ : 第2フィルタ12D2
20倍対物レンズ : 第3フィルタ12D3
50倍対物レンズ : 第4フィルタ12D4
100倍対物レンズ : 第5フィルタ12D5
ここで、第1〜第5フィルタ12D1〜12D5の特性について説明する。
【0077】
既に説明したように接触センサ11の感度に相当する検出回路12Aの出力がS V/μm (例えば、1V/μm)であれば、対物レンズ6に対するステージの移動速度はテーブル(1)のように設定される。
【0078】
また、接触センサ11の感度に相当する検出回路12Aの出力は、対物レンズに応じてテーブル(2)に示す関係となる。更に、センサの接触開始からの時間の経過と各対物レンズ6に設けたセンサ11の感度に相当する検出回路12Aの出力(電圧)とは、図8に示される関係となる。更に、対物レンズに対する検出回路12Aの出力がしきい値r V(例えば、0.1V)に達する時間r/S ms(例えば、0.1 ms)は、テーブル(3)の関係となる。
【0079】
ここで,簡単のため図8に示す接触出力信号(以下、単に直線信号と称する。)を正弦波信号に置き換えて考察する。図11は、5倍対物レンズに相当する検出回路12Aの出力信号(直線信号)と、しきい値r V(例えば、0.1V)に到達する時点r/S ms(例えば、0.1 ms)までの直線信号の部分に近似する正弦波信号を示している。この正弦波信号は、最大の傾きが直線信号の傾きと一致するように、その振幅は、しきい値の半分r/2 V(例えば、0.05V)に、そのオフセットは、r /20 V、例えば、0.05Vに、また、周波数の逆数は、直線信号がしきい値r V(例えば、0.1V)に到達するまでの時間の約3倍(例えば、周波数は3.3kHz)になっている.
尚、この置き換えでは、しきい値r V(例えば、0.1V)に達するまでの時間に違いが生じるが,このズレは、後で述べるように問題にならないこととなる。
【0080】
同様に,他の対物レンズに関する出力信号が正弦波に置き換えられと、各対物レンズに関して置き換えられた正弦波信号の周波数は、以下のテーブル(4)ような関係になる。
【0081】
【表4】
【0082】
同様にセンサ感度が低いタイプS V/μm (例えば、0.1V/μm)について、同様に考察すれば、正弦波信号の周波数は、以下のテーブル(5)ような関係になる。
【0083】
【表5】
【0084】
上述した考察を基に、各フィルタ12D1〜12D5は、それぞれの正弦波信号に対してより高速に検出するための微分器と、よりノイズを減らすための2次ローパスフィルタとで構成することができる。具体的には,図12に示すように、5倍対物レンズ6に対応する第1フィルタ12D1は、周波数S/3r kHz (例えば0.33 kHz〜3.3 kHz)の正弦波に対してゲイン×2の微分特性及びカットオフ周波数が正弦波の周波数の10倍(例えば、3.3 kHz〜33kHz)の2次ローパスフィルタ特性を備えた特性とすることが好ましい。10倍対物レンズ6に対応する第2フィルタ12D2は、周波数S/3(2r) kHz (例えば、0.16 kHz〜1.65 kHz)の正弦波に対してゲイン×2の微分特性及びカットオフ周波数が正弦波の周波数の10倍(例えば、1.65 kHz〜16.5kHz)の2次ローパスフィルタ特性を備えた特性とすることが好ましい。また、20倍対物レンズ6に対応する第3フィルタ12D3は、周波数S/3(4r) kHz (例えば、0.0825 kHz〜0.825 kHz)の正弦波に対してゲイン×2の微分特性及びカットオフ周波数が正弦波の周波数の10倍(例えば、0.825 kHz〜8.25kHz)の2次ローパスフィルタ特性を備えた特性を備えた特性とすることが好ましい。50倍対物レンズ6に対応する第4フィルタ12D4は、周波数S/3(10r) kHz (例えば、0.033 kHz〜0.33 kHz)の正弦波に対してゲイン×2の微分特性及びカットオフ周波数が正弦波の周波数の10倍(例えば、0.33 kHz〜3.3kHz)の2次ローパスフィルタ特性を備えた特性とすることが好ましい。更に、100倍対物レンズ6に対応する第5フィルタ12D5は、周波数S/3(20r) kHz (例えば、0.0165 kHz〜0.165 kHz)の正弦波に対してゲイン×2の微分特性及びカットオフ周波数が正弦波の周波数の10倍(例えば、0.165 kHz〜1.65kHz)の2次ローパスフィルタ特性を備えた特性とすることが好ましい。
【0085】
図13は、5倍対物レンズ6に対応するセンサの直線信号に対して置き換えた破線で示す正弦波信号及びその正弦波信号が第1フィルタ12D1を通過して出力される信号波形(実線で示されている。)を示している。この図13に示すように、第1フィルタ12D1を通過した信号波形は、その振幅がしきい値と等しく(例えば、0.1V)、オフセットを含まず、周波数は元の正弦波信号と同一信号になっている。尚、図13に示される出力信号波形は、第1フィルタ中の微分器を通過していることから、直流(DC)成分が除去され、その位相がπ/2進んだ信号になっている。
【0086】
ここで各フィルタ12D1〜12D5の微分特性が正弦波信号の周波数に対してゲイン×2となっている理由を簡単に説明する。置き換えの正弦波信号の振幅は、しきい値の半分となっているが、これは、フィルタから出力される出力信号の振幅をしきい値と等しくなるようにするためである。即ち、フィルタにおいて、置き換えの正弦波信号には、しきい値の半分のオフセットが加算されるからである。尚、ゲインは、×2以上であれば、同様の効果を得られるが、正弦波信号の周波数の0.5〜100倍に相当する周波数成分のノイズも正弦波信号と同様に増幅されることから、概略×10倍以内に設定することが望ましい。
【0087】
また,ノイズを減少させための2次ローパスフィルタのカットオフ周波数が正弦波信号の周波数の10倍に設定されている理由は、正弦波信号の周波数近傍(0.1〜10倍の周波数領域)において完全に微分特性が得られるように、言い換えれば、2次ローパスフィルタの特性が正弦波信号に影響を与えないようにするためである.
さらに,上記した直線信号と正弦波信号のしきい値に達する時間のズレについては、微分器が正弦波信号の周波数近傍(0.1〜10倍の周波数領域)において略完全に動作するので、多少の近似的なズレは影響がないからである。
【0088】
以上のように、各フィルタ12D1〜12D5により、それぞれの正弦波信号が微分処理されることにより、高速での接触を検出することが可能となる。また各フィルタの2次ローパスフィルタによりそれぞれの正弦波信号のノイズを減らすことができることから、より高精度に接触を検出することができる。
【0089】
尚、第1〜第3の実施の形態に係る顕微鏡システムにおいては、圧力センサ、或いは、接触センサ11が対物レンズ6の先端に設けられているが、対物レンズの先端に代えてステージ2上に設けられても良い。ステージ2上に圧力センサ、或いは、接触センサ11が設けられる場合には、図14に示すようにリング状の圧力センサ、或いは、接触センサ11が枠体40内に配置され、その枠体40内で透明な支持板42、或いは、照明用光線の通過孔を有する支持板42が圧力センサ、或いは、接触センサ11上に載置され、この支持板42上に標本が載せられて対物レンズ6による観察に供される。
【0090】
透過光源系では、光線がステージ2に設けられた光線の通過孔及び支持板42或いは支持板の光線通過孔を介して標本4に照射される。
【0091】
図14に示す顕微鏡システムでは、顕微鏡の対物レンズ6が標本4に触れると、その触れることによる僅かな圧力が支持板42を介してリング状の圧力センサ、或いは、接触センサ11に伝達される。従って、圧力センサ、或いは、接触センサ11からは、接触に伴う検出信号が出力される。この出力信号の処理に関しては、図1〜図13を参照した説明と同様であるのでその説明を省略する。
【0092】
(第4の実施の形態)
この発明の第4の実施形態に係る顕微鏡システムについて、図15(a)及び図15(b)を参照して説明する。この第4の実施形態に係る顕微鏡システムにおいては、標本4にセンサ11を接触させない非接触状態において、対物レンズ6と標本4との過接触の可能性を検出することができる。この顕微鏡システムにおいては、この非接触センサとして、静電容量タイプのセンサ50が採用される。
【0093】
静電容量センサ50は、接触センサ11と同様に対物レンズ6の先端に装着されている。静電容量センサ50では、標本4が導電体であれば、図15(a)に示すように静電容量センサ50と標本4の距離d1に応じて電圧が出力される。また、静電容量センサ50では、標本4が導電体でない場合には、図15(b)に示すように静電容量センサ50とステージ2の距離d2に応じて電圧が出力される。
【0094】
静電容量タイプのセンサ50が採用される顕微鏡システムにおいては、接触判定部12の回路構成を含め、第1の実施の形態に係る顕微鏡システムとその構成が同様であるのでその説明を省略する。静電容量タイプのセンサ50が採用される顕微鏡システムについては、その詳細は、図1及び図2の説明を参照されたい。以下の説明においては、図1及び図2において、接触センサ11に代えて静電タイプのセンサ50が増幅器12Aに接続されているものとして説明する。
【0095】
図2に示されるように、静電容量センサ50からの出力は増幅器12Aに入力されて増幅される。増幅されたセンサ信号は、2つの入力電圧の大小を比較し、2入力の大小の結果で出力電圧が決定するコンパレータ12Bの一方の入力端に入力される。コンパレータ12Bの他方端には、しきい値電圧としてCPU12から出力されるデジタルデータがDAコンバータ12Cを介してアナログに変換され、入力されている。コンパレータ12Bは、CPU12から出力されるデフォルトのしきい値電圧と静電容量センサ50からの出力電圧を比較している。コンパレータ12Bにおいて、静電容量センサ50からの出力電圧がしきい値電圧より低い場合には対物レンズ4と標本2が所定の範囲を超えて近接していると検知してその検知信号がCPU12及びステージ制御部9に供給される。CPU12及びステージ制御部9は、この検知信号に応答して所定の過接触回避動作を実行する。
【0096】
図16(a)から(c)は、静電容量センサからの出力信号を示している。図16(a)は、標本4が導電体である場合の理想的な出力特性を示している。この図16(a)においては、静電容量センサ50を装着した対物レンズ6が標本4と接触している状態、即ち、対物レンズ6と標本4との間のギャップd1がゼロ(d1=0)の状態において、対物レンズ6と標本4との間の静電容量がゼロで実質的に両者は、導通可能な状態となる。従って、静電容量センサ50からの出力電圧は、0となる。これに対して、対物レンズ6と標本4との間のギャップの距離d1が大きくなると、静電容量センサ50からの出力が高くなる。
【0097】
また、図16(a)から図16(c)中における破線で示す距離d0は、標本4に対物レンズ6がフォーカスされた際の対物レンズ6と標本4の距離、W.D.を示し、そのときの静電容量センサ50からの出力は、δ0で表される。
【0098】
ここで、対物レンズ6と標本4とが最近接した際にそれ以上の接近を許さない距離に相当するしきい値γは、標本4自体の段差及び標本4がウェハなどの場合のソリなどを考慮して、ある値、例えば、δ0/2に設定される。このしきい値がδ0/2に設定されると、対物レンズ6と標本4の距離は、図16(a)に示すようにdl以下となることはなく、対物レンズ6と標本4は、接触することが防止される。
【0099】
しかし、図3(b)及び図3(c)を参照して説明したように、出力電圧は、センサ50、或いは、その処理回路において図16(b)或いは図16(c)に示すように変動される。図16(b)或いは図16(c)において、しきい値γがδ0/2に固定されている状態で、出力のオフセットが高くなると、対物レンズ6と標本4の距離d0以下になっても、センサ50からの出力は、しきい値γに達しない虞がある。最悪の場合には、図16(c)に示すように、センサ50からの出力は、しきい値γに達したさいには、対物レンズ6が標本4に過接触する虞がある。尚、図16(b)及び図16(c)においては、対物レンズ6と標本4との間の距離がd1に達した際の静電容量センサ50からの出力δ1及びδ2(δ1,δ2>δ0)を示している。
【0100】
従って、この発明の第4の実施形態に係る顕微鏡システムにおいては、図17に示すように、検出判定しきい値γが定期的に更新されてオフセットがキャンセルされた検出判定しきい値γで静電容量センサ50からの出力がコンパレータ12Bで判定される。図17を参照して検出判定しきい値γの更新について説明する。
【0101】
図17に示すように、電源が投入されると(ステップS40)、しきい値電圧γが所定値γdefに設定される。(ステップS41)
ここで、この所定値γdefは、例えば、以下の方法で算出された電圧から所定のマージン与えて決定される。
【0102】
(1) 標本4の厚みや導電率から算出する
(2) ユーザのマニュアル操作により、一旦、対物レンズを標本にフォーカスさせてそのときの静電容量センサ出力から算出する
(3) 上述した(1)及び(2)などの方法により、求めた値をデータベース化し、そのデータのいずれかを指定する
ステップS41に続いて、時刻tが0に初期化され(ステップS42)、その後、時刻tの経過により時刻tが補正タイミングに対応する所定時間T0に達したかが繰り返し判断される。(ステップS43、S44)ここで、所定時間T0に達する毎に、標本4と対物レンズ6とが接触している可能性が最も低い状態で、しきい値を補正可能な状態かがチェックされる(ステップS45)。ここで、しきい値電圧を補正可能状態とは、オートフォーカスシステムが合焦状態と判断する状態に相当している。
【0103】
しきい値補正可能状態と判定されると、CPU12は、静電容量センサの出力電圧Ynを検出し、(ステップS46)しきい値電圧γnが更新される。(ステップS47)そして、再びステップS42に戻される。
【0104】
以上のように、この発明の第4の実施形態に係る顕微鏡システムによれば、対物レンズと標本の近接が高精度に検知されることから、確実に対物レンズ6と標本4との過接触を防止することが可能となる。
【0105】
尚、上述した第1から第4の実施の形態に係る顕微鏡システムでは、ステージを上下させる機構について説明しているが、これを対物レンズが上下する機構であっても、同様にこの発明を適応することが可能であることは明らかである。また、上述した実施の形態では、対物レンズ6と標本4の接触を検出する接触検出センサ11を対物レンズ6の先端に設けているが、これに限られるものでなく、接触検出センサ11を対物レンズ6の電動レボルバ5への接合部や対物レンズ6内部に設けても、同様にこの発明を適応することが可能であることは明らかである。
【0106】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、環境変化(温度や湿度の変化)や経時変化に起因するドリフトの影響を除去することができ、対物レンズと観察対象物の接触検出を精度よく行うことができる顕微鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る顕微鏡システムを概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示される接触判定部を概略的に示すブロック図である。
【図3】(a)から(c)は、夫々図2に示される接触検出センサの出力特性を示すグラフである。
【図4】図1に示した顕微鏡システムにおいて、接触判定しきい値を設定するための動作を説明するフローチャートである。
【図5】図1に示した顕微鏡システムにおいて、接触判定しきい値を設定するための動作を説明するこの発明の第2の実施の形態に係るフローチャートである。
【図6】図1に示されるこの発明の第3の実施形態に係る接触判定部を概略的に示すブロック図である。
【図7】(a)及び(b)は、図6に示されるフィルタ回路が有するゲイン特性を示すグラフである。
【図8】図6に示される接触判定部において、接触センサが標本への接触を開始してからの時間の経過と各接触センサの感度に相当する検出回路の出力電圧との関係を示すグラフである。
【図9】図6に示されるフィルタ回路が有するバンドパス特性を説明する為のグラフである。
【図10】図6に示される接触判定部の変形例に係るフィルタ回路を示すブロック図である。
【図11】図10に示すフィルタ回路における5倍対物レンズに相当する検出回路12Aの出力信号及びしきい値r Vに到達する時点r/S msまでの直線信号の部分に近似する正弦波信号を示す波形図である。
【図12】図10に示すフィルタ回路における各フィルタのゲインと周波数との関係を示すグラフである。
【図13】図10に示すフィルタ回路における5倍対物レンズに対応するセンサの直線信号に対して置き換えた破線で示す正弦波信号及びその正弦波信号が第1フィルタを通過して出力される信号波形を示している。
【図14】図1に示した顕微鏡システムの変形実施例に係るセンサ機構を概略的に示す断面図である。
【図15】(a)及び(b)は、この発明の第4の実施形態に係る顕微鏡システムのセンサ機構を概略的に示す断面図である。
【図16】(a)、(b)及び(c)は、図15(a)及び(b)に示した静電容量センサからの出力信号を示すグラフである。
【図17】図15(a)及び(b)に示したセンサ機構を利用した顕微鏡システムにおいて、接触判定しきい値を設定するための動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1...顕微鏡本体
1A...ベース部
1B...胴部
1C...対物アーム
2...ステージ
4...標本
5...電動レボルバ
6...対物レンズ
7...AFユニット
8...鏡筒
9...接眼レンズ
10...透過用光源
11...接触検知センサ
12...接触判定部
Claims (9)
- 観察対象物を載置する為のステージに対してこの観察対象物を観察する為の対物レンズを光軸方向に相対的に移動可能な顕微鏡システムにおいて、
前記観察対象物と前記対物レンズとの間の非接触及び接触に対応する接触状態を検出し、接触状態に応じて信号を出力する検出手段と、
前記検出手段の出力に基づいて、前記観察対象物と前記対物レンズとの接触状態が所定値を超えたことを判定して過接触信号を出力する判定手段であって、この判定手段は、接触判定の判定基準となるしきい値を設定するしきい値設定手段及び設定されたしきい値と前記検出手段の出力を比較する比較器を備え、前記しきい値設定手段は前記観察対象物と前記対物レンズとが分離されている状態において、前記検出手段の出力に基づいてしきい値を再設定する判定手段と、及び前記過接触信号に応答して前記ステージと前記対物レンズの相対的移動を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記判定手段は、前記観察対象物と前記対物レンズが所定の距離以上分離されている第1の分離状態を検出して第1分離状態信号を発生し、前記観察対象物に対して前記対物レンズがフォーカスされている第2の分離状態を検出して第2分離状態信号を発生する状態検出手段を備え、
前記しきい値設定手段は、前記第1及び第2分離状態信号の一方に応答して前記検出手段の出力に基づいてしきい値を再設定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。 - 前記しきい値設定手段は、所定期間に亘って前記第1及び第2分離状態信号の発生されない場合において、その期間経過後にしきい値を予め設定された初期値に戻すことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡システム。
- 前記検出手段は、前記観察対象物と前記対物レンズとの間の非接触及び接触に対応する接触圧力を検出する圧力センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 前記検出手段は、前記観察対象物と前記対物レンズとの間の非接触及び接触に対応する静電容量を検出する静電容量センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 前記対物レンズは、前記観察物に対向する端部を有し、前記静電容量センサは、前記対物レンズの端部に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の顕微鏡システム。
- 前記検出手段は、前記観察対象物と前記対物レンズとの間の非接触及び接触に対応する接触圧力を検出する圧力センサを含み、前記所定値の初期値は、前記標本の厚み及び導電率によって予め設定されることを特徴とする第1項記載の顕微鏡システム。
- 観察対象物を載置する為のステージに対してこの観察対象物を観察する為の対物レンズが光軸方向に相対的に移動可能なステージ制御部を備えた顕微鏡システムにおいて、
前記対物レンズの先に取り付けられ、前記対物レンズと前記観察対象物の接触を検知する接触検知センサと、
前記接触検知センサの検出信号から前記対物レンズと前記観察対象物の接触状態を判定する接触判定部により少なくとも前記ステージ制御部を制御する制御手段と、
前記接触判定部に接続された第1のメモリと第2のメモリとを有し、
過接触を防ぐ前記接触検知センサの第1の出力信号に相当する第1のオフセット量に一定加圧量を加えた値を第1のデフォルト値として前記第1のメモリに格納し、
前記観察対象物と前記対物レンズとが分離されている状態における前記接触検知センサの出力信号に前記一定加圧量を加えた値をしきい値とし、前記第2のメモリに最新のしきい値を格納することを一定時間毎に順次繰り返し、
前記第2のメモリに格納された最新のしきい値以下になるように前記ステージ制御部で 前記ステージを制御し、前記観察対象物と前記接触検知センサの接触圧力が一定以下になるように前記制御手段で制御することを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記第1のメモリは固定メモリであり、前記第2のメモリは可変メモリであることを特徴とする顕微鏡システム。
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