JP4115635B2 - レンチキュラーレンズシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリアプロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
リアプロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンは、一般に、2枚のレンズシートが重ね合わされた構成を有している。すなわち、光源側には、CRTからの映像光あるいは液晶を透過した映像光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートが配置され、観察者側には、フレネルレンズシートを透過した映像光を適度な角度の範囲に広げる機能を有するレンチキュラーレンズシートが配置される。
【0003】
従来のレンチキュラーレンズシートの概略斜視図を図12に示す。図12に示すように、レンチキュラーレンズシート11では、映像光が入射する面にレンチキュラーレンズ12が形成されている。レンチキュラーレンズシート11の映像光が出射する面のうち、入射側の面に形成されたレンチキュラーレンズ12からの光が集光される集光部13を凸レンズ状に形成することが一般的である。集光部13を凸レンズ状に形成するのは、映像光の水平方向における拡散性能を上げるためである。また、3管式CRT光源と組み合わされて用いられるレンチキュラーレンズシートでは、特に3色の色ずれを補正するために集光部13を凸レンズ状に形成することが必要となる。入射側の面に形成されたレンチキュラーレンズ12からの光が集光しない非集光部14(集光部13以外の部分)は、レンチキュラーレンズシートに対して平行な頂部をもつ凸状とされる。そして、凸状部の頂部および凸状部側面の頂部寄りの部分(側面上部)にロールコート、スクリーン印刷、転写印刷などの手段により、黒色塗料等からなる外光吸収層15が設けられて凸状の外光吸収部16が形成される。これによって、レンチキュラーレンズシートに入射した外光のうち、レンチキュラーレンズシートの出射面で反射されて観察者側に戻る光を減少させ、映像コントラストの向上が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外光が存在する環境下で、高い映像コントラストを得るためには、レンチキュラーレンズシートの凸状の外光吸収部の頂部および側面上部に外光吸収層を設けただけでは十分とは言えず、外光の反射をより一層低減させることが課題となっている。
【0005】
そこで、レンチキュラーレンズシートの外光吸収部の頂部および側面上部だけでなく側面の全部に外光吸収層を設けることが提案されている(実開昭59−87042号公報参照)。この方法によれば、外光を吸収する面積を増加させることができ、吸収される外光の割合を高めることができる。しかしながら、凸レンズ状の集光部が外光吸収部の側面下部よりも突き出ていることから、ロールコート、スクリーン印刷、転写印刷等の従来の外光吸収層形成手段によって、レンチキュラーレンズシートの外光吸収部の頂部だけでなく側面の全部に外光吸収層形成材料を塗布等しようとしても、凸状のレンズ部(集光部)に外光吸収層形成材料を付着させることなく、外光吸収部の裾部下端まで外光吸収層形成材料を塗布等することは極めて困難である。実際的な生産プロセスで凸状の外光吸収部の側面全部に外光吸収層形成材料が塗布等されたレンチキュラーレンズシートを製造することは難しい。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、外光反射を大幅に低減して高コントラストの鮮明な画像を得ることができるレンチキュラーレンズシートを提供すること、およびそのレンチキュラーレンズシートを簡易な手段で製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明のレンチキュラーレンズシートは、光透過性基板の一方の面に複数のレンチキュラーレンズを有し、光透過性基板の他方の面における上記の各レンチキュラーレンズからの光の集光位置(なお、ここでいう集光位置とは、集光点に一致する場合と集光点近傍の場合との両者を含むものである。)に凸状のレンズ部を有し、当該他方の面における各レンチキュラーレンズからの光の集光位置とは異なる位置に、頂部に外光吸収層が設けられた凸状の外光吸収部を有しており、該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間にある凹部に外光吸収層が設けられており、該凸状のレンズ部の裾側における、該凹部に設けられた該外光吸収層の高さをh で、該凹部の最底部から該凸状のレンズ部の頂部までの高さをH L でそれぞれ表すとき、H およびh が、0.02≦h L /H L ≦0.4なる関係を満足することを特徴とする。上記外光吸収部の外光吸収層は、外光吸収部の頂部のみならず外光吸収部側面における頂部寄りの一部分にも設けることができる。
【0008】
上記本発明のレンチキュラーレンズシートは、一方の面に複数のレンチキュラーレンズを有し、他方の面の上記各レンチキュラーレンズからの光の集光位置に凸状のレンズ部を有しており、当該他方の面の上記各レンチキュラーレンズからの光の集光位置とは異なる位置に、頂部に外光吸収層が設けられるべき凸状の外光吸収部を有する光透過性基板における、該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間に外光吸収材料を充填し、ついで該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間にある凹部以外の部分の該外光吸収材料を取り除くことによって該凹部に外光吸収層を設け、その後、該凸状の外光吸収部の頂部に外光吸収層を設けるレンチキュラーレンズシートの製造方法によって製造される。ここで、凸状のレンズ部と凸状の外光吸収部との間に外光吸収材料を充填する際に、光透過性基板の当該他方の面の全面に外光吸収材料の層を設けても良い。また、該凸状の外光吸収部の頂部に外光吸収層を設ける際に、外光吸収部側面における頂部寄りの一部分にも外光吸収層を設けても良い。
【0009】
また、上記本発明のレンチキュラーレンズシートは、一方の面に複数のレンチキュラーレンズを有し、他方の面の上記各レンチキュラーレンズからの光の集光位置に凸状のレンズ部を有しており、当該他方の面の上記各レンチキュラーレンズからの光の集光位置とは異なる位置に凸状の外光吸収部を有する光透過性基板における、該凸状の外光吸収部の頂部に第1の外光吸収層を設け、ついで▲1▼該凸状の外光吸収部を含む面の全面に外光吸収材料の層を積層した後か、あるいは▲2▼該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間に外光吸収材料を充填した後に、該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間にある凹部に第2の外光吸収層が残るように、該凹部以外の部分の外光吸収材料を除去するレンチキュラーレンズシートの製造方法によって製造される。ここで、凸状の外光吸収部の頂部に第1の外光吸収層を設ける際に、外光吸収部側面における頂部寄りの一部分に外光吸収材料層を設けても良いことは同様である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のレンチキュラーレンズシートは、光透過性基板の一方の面に複数のレンチキュラーレンズを有し、光透過性基板の他方の面における上記の各レンチキュラーレンズからの光の集光位置(集光点またはその近傍)に凸状のレンズ部を有し、当該他方の面における各レンチキュラーレンズからの光の集光位置とは異なる位置に、頂部に外光吸収層が設けられた凸状の外光吸収部を有している。図1に本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の例における出射側の面の概略断面図を示す。このレンチキュラーレンズシート1は、凸状のレンズ部2と、頂部および側面における頂部側の一部に外光吸収層4が設けられた凸状の外光吸収部3とを有し、それぞれ凸状であるレンズ部2と外光吸収部3との中間にある凹部5にも外光吸収層6が設けられている。ここで、レンズ部2と外光吸収部3との間にある凹部は図1に示すように、シート面に対して平行なある程度の長さを有する逆台形状に近い形状である場合と、図2に示すように、谷状であってシート面に対して平行な部分が存在しない場合とがある。
【0011】
このようにレンズ部2と外光吸収部3との間にある凹部に外光吸収層を設けることによって、外光がこの部分で吸収され、外光によるコントラストの低下が軽減される。そして、当該凹部は映像光が入射しない部分であり、ここに外光吸収層を設けても、レンチキュラーレンズシートの光学的性能を低下させることはない。
【0012】
図3(a)は、レンズ部と外光吸収部との間に底面が略平坦な凹部がある場合を示し、同図(b)は、レンズ部と外光吸収部との間の凹部の底面に略平坦な部分がない場合を示している。後で図4または図5に示すような成形ロールを用い、その形状を転写することによってレンチキュラーレンズシートを成形した場合であっても、得られたレンチキュラーレンズシートのレンズ部と外光吸収部との間の境界は必ずしも明瞭ではない。したがって、外光吸収部3の裾部、レンズ部2の裾部あるいは図3(a)に示す平坦な底部には、図3(a)の部分拡大図に示すような丸みを持った部分が存在するのが一般的である。
【0013】
本発明のレンチキュラーレンズシートにおいて、より高いコントラストを得るためには、レンズ部2と外光吸収部3との間にある凹部に設けられる外光吸収層の幅が、レンチキュラーレンズシートの光学的性能を低下させない範囲で最大の幅であることが好ましい。外光吸収層の好ましい高さを図3を用いて説明する。図3(a)(b)において、外光吸収部の裾およびレンズ部の裾における外光吸収層の幅をそれぞれWおよびWLで表す。また、図3(a)において、平坦な底部の幅をWで表す。そして、外光吸収部の裾側における凹部の最底部からの外光吸収層の高さをhで、レンズ部の裾側における凹部の最底部からの外光吸収層の高さをhでそれぞれ表す。また、凹部の最底部からの外光吸収部の高さをHBで、凹部の最底部からのレンズ部の高さをHLでそれぞれ表す。
【0014】
ここで、上記のHおよびhは、0.02≦h/H≦0.4なる関係を満足することが必要である。この範囲にあることが、より一層高いコントラストが得られ、しかも透過率の低下の原因および斜めから画像を観察した際の色付きの原因となるレンズ部の裾における映像光のけられの影響を小さくすることができるからである。上記の範囲としては、0.03≦h/H≦0.3を満足することがより好ましい。また、上記のHおよびhは、0.01≦h/H≦0.3なる関係を満足することが好ましい。h/Hが0.01以上であることによってより一層高いコントラストを得ることができる。h/Hの値の好ましい上限は光学性能から決まるものではなく、レンズ部の映像光透過領域に光吸収層形成材料が付着し、あるいはレンズ部の映像光透過領域に光吸収層形成材料が残ってしまうことを防止しつつ、該凹部に外光吸収層を形成しなければならないというレンチキュラーレンズシートの製造上の観点から決まるものである。上記の範囲としては、0.02≦h/H≦0.25を満足することがより好ましい。本発明のレンチキュラーレンズシートでは、上記のh/Hの好ましい範囲およびh/Hの好ましい範囲をともに満足することが良い。
【0015】
次に、本発明によるレンチキュラーレンズシートの製造方法の一例について説明する。まず、光透過性の熱可塑性樹脂を溶融押出ししてレンチキュラーレンズシート基板を製造する。すなわち、一方にレンチキュラーレンズの逆型形状が彫刻され、他方に凸状のレンズ部の逆型形状およびシート面に対して平行な頂部を有する外光吸収層を設けるための外光吸収部の逆型形状が彫刻された一対の金属製成形ロール間に光透過性の熱可塑性樹脂を通し、当該彫刻形状を賦形してレンチキュラーレンズシート基板を成形する。
【0016】
成形ロールに設けられた逆型形状は、一般には成形ロール表層の銅メッキ部分を旋盤により彫刻することにより形成される。レンズ部および外光吸収部の形成に用いられる成形ロールとしては、光学性能の点からは、図4に示すようにレンズ部および外光吸収部が密接しており、先端が尖った形状のものが理想的である。しかし、図4に示すような逆型の形状では、シート成形時の樹脂圧により成形ロール先端の尖った部分が倒れてしまい所定の形状が得られないことがある。このような成形ロール先端の倒れを回避するために、図5に示すように逆型の彫刻部の先端にフラットな部分を設けることがある。このような成形ロールを用いれば、図1に示すように、成形されたレンチキュラーレンズシートのレンズ部と外光吸収部との間に底面が略フラットな凹部が形成されることになる。
【0017】
すなわち、レンズ部と外光吸収部との間の底面が略フラットな凹部は、シート成形時に制約があることから設けられているものである。この凹部はレンチキュラーレンズシートの光学的な機能に影響を及ぼす部分ではなく、この凹部に外光吸収層を設けても映像光が損なわれることはない。また、映像光に影響を与えない範囲内であれば、外光吸収層がレンズ部の側面の凹部側の一部(裾部)に設けられても問題はない。前述の図4に示す成形ロールで賦型された本発明のレンチキュラーレンズシートは図2に示すような形状となる。
【0018】
ついで、光透過性のレンチキュラーレンズシート基板のレンズ部と外光吸収部との間にある凹部に外光吸収層を設ける。凹部の外光吸収層は、レンズ部と外光吸収部との間に外光吸収材料を充填し、凹部以外の部分の不用な外光吸収材料を取り除くことによって形成される。
【0019】
外光吸収材料としては、光透過性基板の材質を考慮して選択されたビヒクルを含む、溶剤型、2液反応型、紫外線(UV)硬化型などの公知のインク組成物あるいは塗料組成物に、光吸収性の黒色顔料、艶消し剤であるシリカ、炭酸カルシウムなどを添加して調製されたものが用いられる。
【0020】
凹部への外光吸収材料の充填方法としては、スクリーン印刷、カーテンコーター、ロールコーター、スプレー塗布などの方法が用いられる。この際、レンズ部と外光吸収部との間のみに外光吸収材料を充填してもよく、レンチキュラーレンズシート基板の出射側の全面に外光吸収材料を塗布等してもよい。
【0021】
凹部以外の部分の不用な外光吸収材料を取り除く方法としては、ウレタンゴム、シリコンゴム等のゴム弾性素材で作られたヘラあるいはブレードにより掻き取る方法、回転ブラシ状のもので掻き取る方法などが挙げられる。レンズ部にインクが残らず、凹部に均一に外光吸収材料を残すためには、凹部に沿った方向に掻き取るのが良い。また、掻き取りを2回ないしそれ以上繰り返して行ってもよい。図6にスクリーン印刷で用いられる「スキージ」と呼ばれるヘラ状のゴムで掻き取る方法を模式的に示す。図7には、レンチキュラーレンズシートの端辺の内側に外光吸収材料を線状に流し入れ、それをヘラ状ゴムなどで前方に塗布すると同時に掻き取る方法を模式的に示している。
【0022】
以上のようにして凹部に外光吸収層を設けた後で、凸状の外光吸収部の頂部に外光吸収層を設けるか、あるいは外光吸収部の頂部およびその側面の頂部寄りの一部に外光吸収層を設ける。この外光吸収層は、インクまたは塗料を頂部等に塗布し、その後、加熱する、紫外線を照射するなどの方法によって塗膜を硬化させることにより形成される。ここで、上記の外光吸収部の頂部に形成される外光吸収層の材料と、上記の凹部に形成される外光吸収層の材料とは、同一の材料でも、異なる材料でもいずれでも良い。
【0023】
本発明のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、凹部の外光吸収層と外光吸収部の頂部等の外光吸収層との形成順序を上記の説明とは逆にしても良い。すなわち、該凸状の外光吸収部の頂部に第1の外光吸収層を設け、ついで▲1▼該凸状の外光吸収部を含む面の全面に外光吸収材料の層を積層するか、あるいは▲2▼該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間に外光吸収材料を充填した後に、該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間にある凹部に第2の外光吸収層が残るように、該凹部以外の部分の外光吸収材料を除去することによって本発明のレンチキュラーレンズシートを製造しても良い。
【0024】
以上説明した方法で本発明のレンチキュラーレンズシートを効率的に製造するためには、凸状の外光吸収部3の側面と凹部5との境界、および凸状のレンズ部2の側面と凹部5との境界において形状が非連続的に変化しており、それらの境界が明瞭であることが好ましい。図8は、深い溝のような、断面が長方形に近い凹部を設けることによって、外光吸収部、凹部およびレンズ部の間に明瞭な境界が設けられた本発明のレンチキュラーレンズシートの一例を示す断面図である(ただし、光吸収部3の斜面は傾斜が大きいため、外光吸収部3の側面と凹部5との間は若干不明瞭な境界となる。)。塗布等によりこの凹部に形成される外光吸収層は、図8(b)に示すように凹部の溝形状に沿ったものであっても、図8(c)に示すように凹部の溝全体を埋めるようなものであってもいずれでも良い。ここで、該凹部の深さに関しては、レンズ部の裾側における凹部の最底部からの外光吸収層の高さhと凹部の最底部からのレンズ部の高さをHLとが、0.02≦hL/HL≦0.4なる関係を満足する範囲で、hLが2μm以上であることが好ましく、さらに、hが3μm以上であることがより好ましい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。図9に示すような形状の押出し成形されたレンチキュラーレンズシート基板の出射側にある凸状のレンズ部2、凸状の外光吸収部3および凹部5を含む全面にスクリーン印刷法により黒色インクを塗布する。黒色インク塗布後のシート基板の概略断面図を図10に示す。次に、スクリーン印刷用のスキージゴムにより余分のインクを掻き取り、図11に示すように凹部に外光吸収層を設ける。その後、スクリーン印刷法により、外光吸収部の頂部および側面の頂部寄りの一部に黒色インクを塗布し、外光吸収層を設け、図1に示す断面形状のレンチキュラーレンズシートを得る。
【0026】
本発明のレンチキュラーレンズシートおよび凹部に外光吸収層が設けられていない従来のレンチキュラーレンズシートをそれぞれフレネルレンズシートと組合せ、これをそれぞれプロジェクションテレビにセットして、コントラストを測定し両者の比較を行った。両レンチキュラーレンズシートのレンズピッチ等の基本的な形態は同一である。ここで、白色の映像光輝度をW、黒色の映像光輝度をB、外光反射輝度をXとおくと、コントラストCは次の式で表わされる。
C=(W+X)/(B+X)
【0027】
外光を室内の蛍光灯として、スクリーン面の照度を250lxとした。映像光の輝度および外光の反射輝度は、スクリーン中央部の正面において3m離れた位置で2°視野の条件で測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1の測定結果を得たレンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズの諸元は表2に示す通りである。
【0028】
【表1】
Figure 0004115635
【表2】
Figure 0004115635
【0029】
表1に示すように、本発明のレンチキュラーレンズシートによってコントラストが18%改善された。また、目視でも黒色画面の黒さの差は歴然としており、本発明のレンチキュラーレンズシートによって外光反射が大幅に低減された。
【0030】
次に、上記本実施例の方法によって凹部に外光吸収層を形成するにあたり、表3に示すように凹部の外光吸収層の塗布範囲を変化させた3種類のレンチキュラーレンズシートを作製して、それぞれの光学性能およびコントラストを評価した。
【0031】
【表3】
Figure 0004115635
【0032】
表3に評価結果を示すように、外光吸収部の裾側における凹部の最底部からの外光吸収層の高さhと凹部の最底部からの外光吸収部の高さHBとの比h/HBが0.007であるレンチキュラーレンズシートNo.2では、上記の比h/HBが0.01を超えるレンチキュラーレンズシートNo.1および同No.3よりもコントラストが若干劣っている。また、レンズ部の裾側における凹部の最底部からの外光吸収層の高さhと凹部の最底部からのレンズ部の高さHLとの比hL/HLが0.5であるレンチキュラーレンズシートNo.3では、上記の比hL/HLが0.4以下であるレンチキュラーレンズシートNo.1および同No.2よりも透過率がやや低かった。レンチキュラーレンズシートNo.3の画像を斜め方向から観察したときには、色付きがわずかに観察された。
【0033】
【発明の効果】
本発明のレンチキュラーレンズシートによれば、外光反射が大幅に低減され、高コントラストの鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンチキュラーレンズシートの出射面を示す断面図である。
【図2】本発明のレンチキュラーレンズシートの第2の例の出射面を示す断面図である。
【図3】凹部に形成される外光吸収層の好ましい高さを説明するための図である。
【図4】出射面形状を賦形する成形ロールの形状の一例を示す断面図である。
【図5】出射面形状を賦形する成形ロールの形状の他の例を示す断面図である。
【図6】凹部以外の外光吸収材料を取り除く方法の一例を示す図である。
【図7】凹部以外の外光吸収材料を取り除く方法の他の一例を示す図である。
【図8】深い溝のような凹部が設けられた本発明のレンチキュラーレンズシートの一例を示す断面図である
【図9】押出し成形されたレンチキュラーレンズシート基板の出射面を示す断面図である。
【図10】外光吸収材料が全面に塗布されたレンチキュラーレンズシート基板の出射面を示す断面図である。
【図11】凹部以外の外光吸収材料を取り除いたレンチキュラーレンズシート基板の出射面を示す断面図である。
【図12】従来のレンチキュラーレンズシートの概略斜視図である。
【符号の説明】
1:レンチキュラーレンズシート
2:レンズ部
3:外光吸収部
4,6:外光吸収層
5:凹部

Claims (6)

  1. 光透過性基板の一方の面に複数のレンチキュラーレンズを有し、光透過性基板の他方の面における上記の各レンチキュラーレンズからの光の集光位置に凸状のレンズ部を有し、当該他方の面における各レンチキュラーレンズからの光の集光位置とは異なる位置に、頂部に外光吸収層が設けられた凸状の外光吸収部を有しており、該凸状のレンズ部と該凸状の外光吸収部との間にある凹部にも外光吸収層が設けられており、該凸状のレンズ部の裾側における、該凹部に設けられた該外光吸収層の高さをh で、該凹部の最底部から該凸状のレンズ部の頂部までの高さをH L でそれぞれ表すとき、H およびh が、0.02≦h L /H L ≦0.4なる関係を満足することを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
  2. 凸状の外光吸収部の裾側における、凹部に設けられた外光吸収層の高さをhで、該凹部の最底部から該凸状の外光吸収部の頂部までの高さをHでそれぞれ表すとき、Hおよびhが、0.01≦hB/HB≦0.3なる関係を満足する請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  3. 外光吸収部の外光吸収層が、外光吸収部側面における頂部寄りの一部分にも設けられている請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  4. 凸状のレンズ部と凸状の外光吸収部との間にある凹部が、レンチキュラーレンズシート面に対して概ね平行な平坦部を有する略台形状である請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  5. 凸状のレンズ部と凸状の外光吸収部との間にある凹部が、レンチキュラーレンズシート面に対して平行な平坦部を有しない谷状である請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
  6. 凸状のレンズ部と凸状の外光吸収部との間にある凹部が、レンチキュラーレンズシート面に対して概ね平行な平坦部と、レンチキュラーレンズシート面に対して概ね垂直な壁面部とを有する略長方形状である請求項1記載のレンチキュラーレンズシート。
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