JP4115544B2 - 粉体塗料、その製造方法及び塗装方法 - Google Patents

粉体塗料、その製造方法及び塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、0.1〜10重量%の導電性顔料を含んでいる粉体塗料、それらの製造方法及びそれらを使用した塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗装物は、一般に完全な塗料組成物、即ち、塗布した時に、塗料に必要な構成成分、例えばバインダー、顔料、充填剤、添加剤、溶剤等の全てを含んでいる塗料系の塗布によって形成される。
【0003】
ある種の塗装に関しては、バインダーと効果物質とを別々に使用する種々の方法が知られている。例えば、フロック加工、分散塗工、噴霧堆積法等がある。
【0004】
粉体塗料、即ち、無溶媒の環境に優しい塗料系も、一般に完全な、実質的に均一な系として使用されているが、多くの場合に、これは塗装の点から見て大きな問題となる。
【0005】
粉体塗料を使用する場合、基材へのそれらの塗布は、一般に分離現象を伴う。それらは、例えば回収粉体塗料中の微粒子の減少を伴うためである。この分離は、塗膜の加工特性及び光学特性の変化の原因となっている。
【0006】
分離の問題は、着色粉体塗料の場合に一層深刻である。色の異なる粉体塗料の混合物は分離に対して安定でないので、そのような粉体塗料の着色または混合が不可能となる。同様に、一旦色が形成されてしまうと、その後その着色だけの異なる粉体塗料と混合してもその色を変えることはできなくなる。
【0007】
実際に、いくつかのケースで比較的複雑な方法によって分離の問題を避ける試みがなされている。例えば、自動計量装置を使用して、オーバースプレー(overspray)中に常時できるだけ一定の比になるよう新たに粉体を添加する。
【0008】
金属又は真珠光沢顔料を連続的に添加(乾式混合(ドライブレンディング))する場合、粉体塗料及び光輝顔料に依存して塗布される物の表面で顔料が濃厚になったり又は減少したりするようである。この理由は、粉体塗料粒子と光輝顔料粒子との間の帯電特性に差があるからである。塗布された物の光学特性、例えば光沢、彩色及び隠蔽力は、一旦使用されたオーバースプレーで被覆されたものとは著しく異なる。大量のオリジナル物質と混合した場合でさえ、オーバースプレーの再使用には、問題が生じる。
【0009】
DE 24 34 855は、はけ塗装法(brushing process)を使用して粉体塗料粒子の表面に顔料薄片を固着した、金属光沢の粉体塗料の製造方法を開示している。ここでは粉体塗料及び有効顔料を、機械及び必要に応じて熱エネルギーを導入することによって結合させている。
【0010】
これに必要な装置は、非常に複雑であり、光輝顔料で着色した粉体塗料の製造コストの高騰に反映している。さらに、このようにして得られた粉体塗料は、光沢が不十分なものが多い。さらに不都合なことには、後で色を改変する可能性が限定されることである。
【0011】
さらに不都合なことは、粉体塗料において、この製造方法は、光輝顔料には従来の方法が採用できないことを意味することである。つまり、粉体塗料の製造のために、全ての成分を押出機中で溶融、混合し、そして押出した断片粉体塗料を固形物としてミルに送り、そこで塗布に必要な粒径に微粉砕されるが、この微粉砕法においては、光輝顔料薄片の大部分が破壊され、光沢効果が低下することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、高光沢及び/又はまだら効果を特徴とし、かつ上述の不都合を何も有さない粉体塗料を見出すことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、着色粉体塗料それ自体は導電性でなくとも、粉体塗料が導電性顔料を含んでいると、粉体塗料を物体に塗布する時の粉体塗料粒子の分離が抑制されることを見出した。導電性顔料を添加することによって、光輝顔料含有粉体塗料を分離に対し安定にする効果が生じる。導電性顔料を添加した後は、もはや粒度分布はいかなる変化も生じない。
【0014】
したがって、本発明は、全混合物に対して0.1〜重量%の導電性顔料を含む粉体塗料であって、前記導電性顔料が、導電性の光輝顔料、又は、一種若しくは二種以上の光輝顔料と導電性層で被覆された粉末状支持材料、非金属粉体、金属顔料若しくはドープされた金属酸化物とを組み合わせた導電性顔料であることを特徴とする静電塗装用の粉体塗料に関する。
【0015】
また、本発明は、1種又はそれ以上の導電性顔料、あるいは該導電性顔料と1種又はそれ以上の光輝顔料を同時に、別々に又は顔料混合物として粉体塗料に添加し、そしてこれらの成分を互いに激しく混合することを特徴とする、本発明の粉体塗料を製造する方法にも関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
導電性顔料は、本発明の粉体塗料の必須成分である。当業者に公知の導電性顔料全てを使用することができるが、106 〜107 Ω[クレバー(Kleber)測定セル]未満の粉体抵抗を有する顔料が好ましい。特に適した導電性顔料は、例えばEP 0 373 575に記載されているように、金属顔料、非金属顔料、例えばカーボンブラック、ドープされた金属酸化物、及び導電性層で被覆された粉末状支持材料である。異なる導電性顔料の混合物も粉体塗料に添加することができる。本発明による粉体塗料が、それ自体適当な導電性を有するものである1種又はそれ以上の光輝顔料を含んでいる場合、さらに導電性顔料を添加する必要は全くない。光輝顔料には、特に金属顔料及び真珠光沢顔料がある。
【0017】
粉体塗料からの光輝顔料の、又は粉体塗料自体の分離を、一般に単に0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7重量%、特に0.5〜5重量%の添加によって防止することができる。しかしながら、必要な濃度は、粉体の導電性及び使用する顔料の幾何学的形状(寸法及び形状)に実質的に依存する。
【0018】
使用する光輝顔料は、好ましくは、例えばエッカート(Eckart)社の「スタンダート」(Standart、登録商標)アルミニウムフレークなどの市販の粉体金属顔料、例えばバスフ(BASF)社の「パリオクロム」(Paliochrom、登録商標)などの光輝顔料、薄片状の酸化鉄及び、例えば「イリオジン」(Iriodin、登録商標)の商品名でメルク社から入手することができる金属酸化物で被覆した雲母フレーク顔料などの真珠光沢顔料等である。後者の顔料は、例えば以下のドイツ特許及び特許出願、第14 67 468号、第19 59 998号、第20 09 566号、第22 14 545号、第22 15 191号、第22 44 298号、第23 13 331号、第25 22 572号、第31 37 808号、第31 37 809号、第31 51 343号、第31 51 356号、第31 51 355号、第32 11 602号、第32 35 017号、第33 34 598号、及び第35 28 256号から公知である。それ自体が既に適当な導電性を有している光輝顔料は、DE−A 41 21 352に記載されている。大気湿度の存在下に、これらの光輝顔料(アルカリ土類金属イオンでドープされている)は、粉体塗料から光輝顔料が分離するのを防止するのに十分な程度の導電性を示す。例えば、耐候性を改善するために、表面改質した光輝顔料を使用することも可能である。
【0019】
本発明の粉体塗料中の光輝顔料成分の割合は、全混合物に対して0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に1〜10重量%とすることができる。
【0020】
全ての市販の粉体塗料に本発明の改質粉体塗料を使用することができる。これらの粉体塗料は、一般に反応性エポキシド、ポリエステル、ポリアクリレート又はポリウレタンをベースとするものであり、また反応性かつ熱可塑性でありうる他の重合体をベースとするものである。ポリエステル系粉体塗料、エポキシド系粉体塗料及びポリエステル−エポキシド系粉体塗料、アクリレート系粉体塗料及びそれら異なる粉体塗料の混合物が特に好ましい。
【0021】
導電性顔料の添加により、異なる粉体塗料、例えば化学的に及び/又は色の点から見て異なる市販の粉体塗料の混合物は、塗布した時の分離に対して安定化する。しかしながら、色を改変(着色)する場合、得られる着色粉体塗料混合物の少なくとも1種の成分が10〜20μm未満の粒径を有するのが有利である。さもなければ異なる粉体塗料粒子がそれぞれ個々に識別可能なものとなってしまう。また好ましくは30μmを越える粗大粉体塗料粒子を故意に使用することによって、特定の効果、例えばまだら効果又は不均一な塗膜構造を有する粉体塗料混合物を得ることが可能となる。
【0022】
本発明の粉体塗料は、顔料成分に加えてさらに他の成分、例えば流動改質剤及びレベリング剤を含んでいてもよい。
【0023】
本発明の粉体塗料の製造は、簡単かつ容易に行われる。顔料成分−導電性顔料又は非導電性光輝顔料と導電性顔料との混合物−を、例えばブレードミキサー又はドラムミキサーを用いて粉体塗料と激しく混合する。このような状況においては、個々の成分を同時に又は連続的に粉体塗料と混合することができる。1種より多い成分を粉体塗料に添加する場合、例えば導電性顔料と光輝顔料とから成る予め混合した後の顔料混合物を粉体塗料と混合するのが取扱いの容易さの点で得策である。得られた粉体塗料は、貯蔵安定性が良好である、即ち、分離が生じない。本発明の粉体塗料を、例えば静電法によって塗布すべき基材に塗布すると、均一な粉体塗料層で完全に被覆された基材面が得られる。
【0024】
ベースの粉体塗料と同様に、本発明の粉体塗料は、所望の基材、例えば金属鉄、鋼、アルミニウム、銅、青銅、黄銅及び金属箔に、又はガラス、セラミック及びコンクリートの導電性を改質した表面等に、そしてさらに、例えば家具の形状の木材等の不導電性表面に、又はガラス、セラミック、プラスチック、無機建築材料もしくは他の材料に装飾及び/又は保護の目的で塗布することができる。
【0025】
さらに、表面改質するために、1種又はそれ以上の透明塗料層を粉体塗料層に塗布して、外観だけでなく全被膜の耐久性の改良を施すことも可能である。しかしながら、透明仕上げ塗装は、絶対的に必要なものではない。
【0026】
【実施例】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0027】
実施例1
5gの「イリオジン103」(10〜50μmの粒径を有するTiO2 雲母顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)及び2gの「ミナテック」(Minatec)30 CM(導電性顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)を93gの「テオダー(Teodur)00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。全顔料分(真珠光沢顔料及び導電性顔料)は、6.9%(強熱残分)であった。分離は生じなかった。クレバー測定セル中での導電性顔料の抵抗は、330Ωであった。粉体塗料の抵抗は、1012Ωより大きかった。
【0028】
比較例1
5gの「イリオジン103」を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、2.9%であった。この混合物は、分離に対して安定でなかった。
【0029】
実施例2
5gの「スタンダートスペシャルPC 20」(アルミニウム顔料、ドイツ、フュルト/バヴァリアのエッカート社製)及び2gの「ミナテック30 CM」(導電性顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)を93gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。アルミニウム顔料、PC 20及び導電性顔料として計算した全顔料分は、7.1%であった。分離は生じなかった。クレバー測定セル中での導電性顔料の抵抗は、330Ωであった。粉体塗料の抵抗は、1012Ωより大きかった。
【0030】
比較例2
5gの「スタンダートスペシャルPC 20」(アルミニウム顔料、ドイツ、フュルト/バヴァリアのエッカート社製)を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。アルミニウム顔料、「PC 20」として計算した顔料分は、3.3%であった。この混合物は、分離に対して安定でなかった。
【0031】
実施例3
5gの「イリオジン103」及び2gの「サコン(Sacon)P 401」[導電性顔料、ドイツ、ザクトレーベン(Sachtleben)社製]を93gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。全顔料分(真珠光沢顔料及び導電性顔料)は、7.0%であった。分離は生じなかった。クレバー測定セル中での導電性顔料の抵抗は、480Ωであった。粉体塗料の抵抗は、1012Ωより大きかった。
【0032】
比較例3
5gの「イリオジン103」を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、2.9%であった。この混合物は、分離に対して安定でなかった。
【0033】
実施例4
5gの「イリオジン103」(真珠光沢顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)及び0.5gの「プリンテックス(Printex)XE 2」[導電性顔料、ドイツ、ハナウのデグッサ(Degussa)社製]を94.5gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、5.0%であった。分離は生じなかった。クレバー測定セル中での導電性顔料の抵抗は、20Ωより小さかった。粉体塗料の抵抗は、1012Ωより大きかった。
【0034】
比較例4
5gの「イリオジン103」を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、2.9%であった。この混合物は、分離に対して安定でなかった。
【0035】
実施例5
5gの「イリオジン119」(5〜25μmの粒径を有するCa2+をドープしたTiO2 雲母顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、5.0%であった。分離は生じなかった。クレバー測定セル中での導電性顔料の抵抗は、1メガオーム(60%の相対湿度)であった。粉体塗料の抵抗は、1012Ωより大きかった。
【0036】
比較例5−1
5gの「イリオジン120」(5〜25μmの粒径を有するTiO2 雲母顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)を95gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離し、顔料分を測定した。顔料分(真珠光沢顔料)は、6.7%であった。この混合物は、分離に対して安定でなかった。「イリオジン120」の抵抗は、108 Ω(60%の相対湿度)であった。
【0037】
比較例5−2
実施例5で示した混合物を乾燥(2時間、20℃、50ミリバール)させてから、同様に操作した。パネル上で求めた顔料分は、6.0%であった。クレバー測定セル中での「導電性」顔料の抵抗は、25メガオーム(120℃で乾燥)であった。この混合物は、分離に対してもはや安定でなかった。
【0038】
実施例6
48gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)を2gの「ミナテック30 CM」(導電性顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)と激しく混合した後、混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離した。出発原料及びパネル上の物質の粒度分布を分析した。粒度分布は変化していなかった。比較例6
50gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。焼付けしていない塗料層を剥離した。出発原料及びパネル上の物質の粒度分布を分析した。粒度分布は、顕著に変化し、微粒子(<10μm)及び粗大粒子(>40μm)の割合が増大した。この粉体塗料は、分離に対して安定でなかった。
【0039】
実施例7
それぞれ49gの「インターポン(Interpon)600ブラック」及び「インターポン600ピュアホワイト」(ポリエステル系粉体塗料、ドイツ、ベンシェイムのインターナショナル・パウダー・コーティング社製)をエアジェットミルを用いて10μm未満の粒径に微粉砕した。これらの2種類の粉体塗料を一緒にして、2gの「ミナテック30 CM」(導電性顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)と激しく混合した後、混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布し、焼付けした。オーバースプレーを回収して、同様にパネルに塗布し、焼付けした。両パネル共均一な塗料層を示した。目に見えるレベリング欠陥、あるいは縞又は影はなかった。光学特性(彩色、光沢、隠蔽力)は、両パネルとも同じであった。
【0040】
比較例7
それぞれ50gの「インターポン600ブラック」及び「インターポン600ピュアホワイト」(ポリエステル系粉体塗料、ドイツ、ベンシェイムのインターナショナル・パウダー・コーティング社製)をエアジェットミルを用いて10μm未満の粒径に微粉砕した。これらの2種類の粉体塗料を一緒にして激しく混合した後、混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布し、焼付けした。オーバースプレーを回収して、アルミニウムパネルに塗布し、焼付けした。最初のパネルは、導電性顔料を有するパネルより明らかに薄く着色された塗料層を有していた。オーバースプレーを塗布したパネルは、オリジナル材料を塗布したパネル及び導電性顔料を有するパネルと比べて明らかに暗い塗料層を有していた。
【0041】
実施例8
29gの「インターポン600ブラック」(ポリエステル系粉体塗料、ドイツ、ベンシェイムのインターナショナル・パウダー・コーティング社製)、69gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)及び2gの「ミナテック30 CM」(導電性顔料、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社製)を激しく混合した後、混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布し、焼付けした。オーバースプレーを回収して、同様にしてアルミニウムパネルに塗布し、焼付けした。両パネル共黒い点を有する透明被膜を示した。両パネルによって与えられた色彩感は、同じであった。
【0042】
比較例8
30gの「インターポン600ブラック」(ポリエステル系粉体塗料、ドイツ、ベンスハイムのインターナショナル・パウダー・コーティング社製)及び70gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)を激しく混合した後、混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布し、焼付けした。オーバースプレーを回収して、アルミニウムパネルに塗布し、焼付けした。最初のパネルは、非常に少ない黒い斑点を有する透明塗料層を示した。オーバースプレーからを塗布したパネルは、縞を有するなお一層黒い塗料層を示した。
【0043】
これらのパネルは、顕著に異なっていた。また、これらは、実施例8(導電性顔料を添加した)のパネルとも大きく異なっていた。
【0044】
実施例9
5gの「イリオジン103」及び2gの「ミナテック30 CM」を93gの「テオダー00013」(ポリエステル系TGIC粉体塗料、オランダ、ブレダのテオダー社製)と激しく混合した。混合物をアルミニウムパネルに静電的に塗布した。分離は生じなかった。得られた結果は、実施例1におけると同じであった。

Claims (9)

  1. 全混合物に対して0.1〜重量%の導電性顔料を含む粉体塗料であって、前記導電性顔料が、導電性光輝顔料、又は、一種若しくは二種以上の光輝顔料と導電性層で被覆された粉末状支持材料、非金属粉体、金属顔料若しくはドープされた金属酸化物とを組み合わせた導電性顔料であることを特徴とする静電塗装用の粉体塗料。
  2. 付加的に1種又はそれ以上の非導電性光輝顔料を含んでいる請求項1記載の粉体塗料。
  3. 前記光輝顔料の割合が、全混合物に対して0.1〜40重量%である請求項1又は2記載の粉体塗料。
  4. 粉体塗料が、ポリエステル系、ポリアクリレート系、ポリウレタン系、エポキシド系又はポリエステル−エポキシド系のものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料。
  5. 1種又はそれ以上の導電性顔料、あるいは該導電性顔料と1種又はそれ以上の光輝顔料を同時に、別々に又は顔料混合物として粉体塗料に添加し、そしてこれらの成分を互いに激しく混合することを特徴とする請求項1記載の粉体塗料の製造方法。
  6. 粉体塗料が、化学的に及び/又は色の点から見て異なる2種又はそれ以上の粉体塗料の混合物である請求項1記載の粉体塗料。
  7. 粉体塗料混合物の少なくとも1成分が、20μm未満の粒径のものである請求項6記載の粉体塗料。
  8. 粉体塗料粒子が、30μmより大きい粒径のものである請求項6記載の粉体塗料。
  9. 金属、木材、ガラス、セラミック、プラスチック及び無機建築材料へ請求項1記載の粉体塗料を使用する塗装方法。
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