JP4115378B2 - 欠陥検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理手法を利用した欠陥検出方法に関する。
対象物の欠陥検査には目視による検査が従来より行われてきたが、連続した緊張を要する単純作業であり、検査員の個人差や体調、検査基準の変動、見落としなどがあるため、早くより画像処理による欠陥検査の自動化への試みが盛んに行われてきた。
これらの画像処理による欠陥の検査では、欠陥の無い検査対象物を基準として、これと検査画像を比較し、同じ画像位置で、その特徴量の差異を調べて欠陥を検出する手法が、プリント基板の検査などの分野で早くから取り入れられてきた。
一方、比較する基準を設定することが難しいような欠陥検出の場合には、主に次の二つのアプローチが用いられてきた。一つは、既知の欠陥の特徴を調べ、それらの特徴を持つものを検査画像の中から抽出する手法である。しかし、検査する欠陥のサイズや種類が多様な場合は、検査に時間がかかるという欠点がある。
もう一つは、正常部分の特徴を分析し、個々の特徴量の差異を調べ、その特徴を持たないものを欠陥として検出する手法で、たとえば、正常部分の周波数領域の範囲を求めておき、検出画像と周波数領域で比較する方法などがある。このような手法は、欠陥の種類が未知の場合にも対応できるという利点があるが、選択した正常部分の特徴と同じような特徴を持つ欠陥は検出できないという欠点がある。
従来の技術を記載した具体的な文献について説明する。
欠陥の無い検査対象物を基準として、これと検査画像を比較し、同じ画像位置で、その特徴量の差異を調べて欠陥を検出する手法(二次元画像で比較)は、特許文献1および特許文献2に記載されている。
このうち、特許文献1には、模様のある工業製品の欠陥を検出するために、マスター画像(基準)とターゲット画像(検査対象)との全ての対応画像において、小領域単位で正規化相関マッチングを行って、マッチング率の低い小領域を抽出し、その中よりターゲット画像中の欠陥を見つける手法が記載されている。
特許文献2には、金属表面の欠陥を検出するために、被検査物表面の検査領域を複数個の微小領域に分割し、この微小領域のそれぞれにおいて輝度に関する標準偏差を測定し、この標準偏差と予め測定し登録しておいた欠陥のないマスターワークにおける標準偏差との相関を算出し、この相関度を予め設定しておいた欠陥検出用の閾値と比較することにより、被検査物表面の欠陥の有無を検出する方法が記載されている。
既知の欠陥の特徴を調べ、それらの特徴を持つものを検査画像の中から抽出する手法は、特許文献3〜特許文献6に記載されている。
このうち、特許文献3に記載の手法は、濃度変化が比較的小さい欠陥のみを検出する手法であって、所定のブロック単位で積算フィルタ演算処理により得られた値を、正常部の画像データに基づいた基準データと比較することにより、被検査対象物上の欠陥を検出するものである。ただし、濃度変化が大きい欠陥は検出しないように、あらかじめ、取得した画像データの濃度が所定の範囲内になるような濃度制限の手段を設けている。
特許文献4には、白黒パターンを有した照明を検査表面に照射し、取得した画像を微分処理し、2値化後、膨張収縮、ラベリング処理を行って、所定の画素数以上のものを欠陥とする手法が記載されている。
特許文献5には、検査対象物の外観の欠陥を検出するために、検査対象物の各検査ポイントにおける画像データを、所定の平均値と比較する手法が記載されている。
特許文献6には、磁気ヘッドや磁気ディスクの表面の汚れを検出するために、取得画像より、近接複数画素の平均と注目点との差分を求め、該差分値と基準値とを比較することにより前記被検査対象物の欠陥を検出する手法が記載されている。
正常部分の特徴を分析し、個々の特徴量の差異を調べ、その特徴を持たないものを欠陥として検出する手法としては、たとえば、正常部分の周波数領域の範囲を求めておき、検出画像と周波数領域で比較する方法などがある(特徴空間などで比較)。
たとえば、特許文献7には、周期性パターンに発生している欠陥を検出するために、検査領域を、周期性パターンとの相関関係を規定することなく、周期性パターンの縦横周期の整数倍の同サイズの矩形に分割し、分割した複数の矩形領域の平均を求めておき、その平均と個々の矩形領域との比を求め、その比から矩形領域内の欠陥の有無を判定する手法が記載されている。
非特許文献1には、標準的な統計手法により、良品に許される異常のレベルを、検査物の画像の周波数領域で定量化し、その値の範囲と被検査物の周波数領域の値とを比較して、範囲外のものを欠陥として検出する手法が記載されている。
特開2002−314982公報 特開2001−126064号公報 特開2002−230522号公報 特開2002−5844号公報 特開2001−175859号公報 特開平8−235543号公報 特開2001−281166号公報 中山攻、崎田隆二、鎌田照己:周波数解析による外観検査方法の開発、第8回画像センシングシンポジウム講演論文集、pp.145-148、 2002年7月
正常部分と欠陥部分の領域が不鮮明でコントラストが悪い欠陥では、エッジ検出などの局所的な処理では検出が困難で、しかも特徴量が正常部分とほとんど変わらないため、これまでの正常部以外を欠陥とする手法においても検出が難しい。また、既知の欠陥の特徴を調べ、それらの特徴を持つものを検査画像の中から抽出する手法では、検査する欠陥のサイズや種類が多様な場合は検査に時間がかかるという欠点がある。
そこで本発明は、正常部分と欠陥部分の特徴量の差異が少なくても、また、検出対象となる欠陥の種類が多様でも、安定して、しかも少ない計算量で欠陥の検出を行うことができるようにすることを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、検査対象物の画像を取得し、この取得画像の各画素位置において複数の特徴量を抽出し、この複数の特徴量の組み合わせにより決まる値を、前記特徴量より構成される特徴空間にプロットするとともに、前記特徴空間上にプロットされた各点に頻度情報を持たせ、前記特徴空間より、取得画像の各画素位置において、前記特徴量の組み合わせにより決まる値の頻度を求め、この頻度から、頻度の低い部分を欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を正常部分として検出するものである。
また本発明は、検査対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素の頻度を、前記特徴空間の対応する位置を調べることにより抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前記取得画像における欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を前記取得画像における正常部分として検出するものである。
詳細には、欠陥を欠陥以外の正常部分と何らかの特徴量が異なる部分として捉えて、まず、検査領域を撮影した画像よりmを自然数としてm個の特徴量を抽出し、抽出したそれぞれの特徴量による特徴抽出画像を作成し、さらに、それらの特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成する。すなわち、特徴抽出配列の各要素は、抽出したm個の特徴量によるベクトル(このベクトルを「特徴ベクトル」と呼ぶ)となり、元の取得画像の各点における特徴を表している。その後、この特徴抽出配列を基に、各座標に頻度情報を有するm次元の特徴空間を構成し、特徴抽出配列の各要素を全てこの特徴空間にプロットした後に、特徴抽出配列の各要素の出現頻度を調べ、この頻度の低い部分を前記取得画像における欠陥部分として検出するとともに、頻度の高い部分を前記取得画像における正常部分として検出するものである。
このようにすると、欠陥部分の特徴を持つ画素は、その出現頻度が正常部分の特徴を持つ画素に較べて小さいため、欠陥部分と正常部分の特徴量の差が小さくても、すなわち、見分けにくい欠陥であっても、容易に検出することができる。
また本発明は、対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素を前記特徴空間より得られる頻度情報に置き換えた頻度画像を作成することにより、前記取得画像より抽出された複数の特徴量の組み合わせにより決まる値の頻度と位置とを同時に取得するものである。
すなわち、取得画像よりm個の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成した後、これらのm個の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、m個の特徴量より構成される頻度情報を持つm次元の特徴空間に、特徴抽出配列の各要素をプロットした後、特徴抽出配列の各要素を、前記特徴空間より得られる頻度情報に置き換えた頻度画像を作成するものである。
このようにすると、取得画像の各点において、各点の持つ特徴をm個の特徴量の組み合わせによる特徴ベクトルとして表した特徴抽出配列を作成し、この特徴抽出配列の各要素を、特徴空間より得られる頻度に置き換えて頻度画像を作成するため、元の画像の各点の特徴をその特徴の出現頻度に置き換えた新たな画像を得ることができ、似通った特徴の出現頻度を画像化することができる。
さらに本発明は、検査対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素を前記特徴空間より得られる頻度情報に置き換えた頻度画像を作成し、作成された頻度画像において、頻度の低い部分を取得画像における欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を取得画像における正常部分として検出するものである。
このようにすると、欠陥検査において取得した画像より、前記の手順で頻度画像を作成した場合には、この頻度画像の頻度の低い部分を欠陥検査画像における欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を欠陥検査画像における正常部分として検出することができる。
また本発明は、検査対象物についての複数の取得画像から、それぞれの画像より抽出された複数の特徴量の組み合わせにより決まる値の出現頻度を表す頻度画像を作成し、これらの複数の頻度画像からこれらの頻度画像の合計画像または平均画像を得て、この合計画像または平均画像より、検出したい頻度の範囲を指定して、欠陥部分を検出するものである。
すなわち、複数の取得画像から、それぞれの画像より抽出されたm個の特徴量の組み合わせにより決まる値の出現頻度を表す頻度画像を作成し、これらの複数の頻度画像からそれらの頻度画像の合計画像または平均画像を得て、この合計画像または平均画像より、検出したい頻度の範囲を指定して、欠陥部分を検出するものである。
このようにすると、欠陥検査画像における欠陥部分を容易に検出することができる。
なお、これまでの説明では、特徴抽出画像と特徴抽出配列を元画像と同じサイズとして説明したが、元画像より拡大または縮小されたサイズの特徴抽出画像と特徴抽出配列、さらに頻度画像を作成してもよい。ただし、変更されたサイズの特徴抽出画像の画素、特徴抽出配列の要素および頻度画像の画素と、元画像の画素とは対応をとっておく必要がある。
本発明によると、以上のように、人間による観察だけでは分かりにくい、境界が不鮮明でコントラストの悪い欠陥を検出することができる。また、検出パラメータを変えることで、はっきりとした欠陥やコントラストの悪い欠陥を分離して検出することもできる。さらに、頻度画像を作成することで、欠陥の特徴を可視化でき、複数の欠陥の大きさと位置を同時に検出することができる。
また、本発明によると、複数枚の画像より得られる頻度画像の加算を行うため、ノイズを除去でき、しかも、少ない計算量で迅速に画像処理を行うことができる。
パターン認識の分野では、観測されたパターンを予め定められたクラスに分類する目的で、特徴空間がよく利用される。すなわち、パターン認識では、原パターンからクラス分けに有効な本質的な複数の特徴を抽出し、それぞれの特徴を数値化し、それらを組にした特徴空間が用いられる。いま、mを自然数としてm個の特徴を用いることにすると、パターンは、m次元の特徴空間内の1点として表される。
本発明では、検査領域を撮影した取得画像よりm個の特徴を抽出し、抽出されたm個の特徴量をそれぞれ画像化した特徴抽出画像を作成したうえで、それらを複数個まとめた特徴抽出配列を作成する。
すなわち、特徴抽出配列は、配列の各要素が、m個の特徴量を成分に持つm次元のベクトルである配列と言える。
m個の特徴量で構成される特徴ベクトルpは、p1〜pmのm個の特徴量を用いて、次のように表される。
p=(p1,p2,・・・・,pm (1)
ここで、tは転置を表す。
取得画像の各点において複数の特徴量を抽出し、取得画像の各点の座標値を(x,y)とし、その座標に対応する特徴ベクトルをpx,yとすると、特徴抽出配列のx行y列の要素はpx,yとなる。
取得画像より抽出される特徴量は、取得画像の個々の画素だけで決まるような点の特徴(濃度値、赤成分等)、点の周りの小領域近傍に依存する特徴(線、エッジ強度、エッジ方向、平均値等)、ある領域内の特徴(形状、連結性等)などを用いることができる。
特徴量 p1,p2,・・・・,pmの特徴抽出画像をそれぞれ fe1,fe2,・・・・,fem、特徴抽出配列をFeとして、図1に特徴抽出配列の作成例を示す。
さて、欠陥の検出に有効なm個の特徴量を用いてm次元の特徴空間を構成し、特徴抽出配列の各要素を、特徴空間にプロットすると、図2のように、正常部分は、特徴空間内のある領域に集中する。一方、欠陥部分は、それ以外の領域に点在する。
いま、特徴空間にプロットされた各点にその点の頻度を持たせたとすると、正常部分の領域の各点の頻度は大きく、欠陥部分の各点の頻度は小さい。図2では、頻度の大きい点ほど明るく表示している。
見分けにくい欠陥は、他の部分との特徴量の差が少ないものが多く、特徴空間上では、正常部分がプロットされた領域の近くにプロットされる。しかし、その頻度は正常部分に比べると小さい。
以上より、欠陥を含む画像から得た頻度情報を有する特徴空間において、プロットされた各点の頻度を調べれば、正常部分と欠陥部分を識別することができる。
ただし、実シーンでは、画素の値は種々のノイズの影響を受けることが多いため、ノイズ除去を目的として、複数枚の画像を用いて検出を行う。
その手順を以下に示す。
(1)画像を、その座標を表す2つの独立変数x,yの関数f(x,y)によって表現する。検査領域を撮影した画像f(x,y)よりm個の特徴量を抽出した上で、この画像と同じサイズの2次元配列を作成し、配列の各要素の値をf(x,y)の座標値に対応したm次元の特徴ベクトルに設定した特徴抽出配列Fe(x,y)を作成する。
(2)時刻tに取得した特徴抽出配列をFe (t)(x,y)とし、Fe (t)(x,y)をこのFe (t)(x,y)より得られるm個の特徴量より構成される特徴空間上にプロットしたものを、h(t)とする。h(t)は、特徴空間のそれぞれの特徴量の座標成分とその座標における頻度とを持っている。
(3)元の特徴抽出配列Fe (t)(x,y)の各要素の特徴ベクトルを、h(t)より得られる頻度に置き換えると、Fe (t)(x,y)は、特徴ベクトルの出現頻度を表す濃淡画像となる。この画像を頻度画像g(t)(x,y)と呼ぶ。
(4){Fe (t)(x,y)、 t=1,2,…n}から得られるn枚の頻度画像g(t)(x,y)の合計S(x,y)を次式により求める。
Figure 0004115378
以上の手順は図3に示されている。
さらに、頻度画像の平均をgave(x、y)とすると、gave(x、y)は次のように表される。
Figure 0004115378
gave(x、y)を平均頻度画像と呼び、gave(x、y)の各画素の値は実数値を取るものとする。
(5)欠陥部分と正常部分を識別する頻度の閾値をdとし、これを検出平均頻度と呼ぶ。欠陥部分は正常部分よりも頻度が小さいため、gave(x,y)の画素のうち、値が閾値dより小さい部分が欠陥部分として検出される。欠陥部分が複数ある場合は、dの値により検出される欠陥の種類や大きさが変わってくる。
検出は次式により行う。
Figure 0004115378
検出されたgb(x,y)は2値画像で、gb(x,y)の0-画素の部分が欠陥部分を表す。
(6)欠陥部分が複数ある場合には、閾値d以下の画素の値を、2値画像ではなく濃淡画像で表示した方が分かりやすい。
iビットの画像メモリを用いて、検出平均頻度dまでの頻度画像は、次式のようになる。
Figure 0004115378
ここで、[ ]はガウス記号を表す。
検出した濃淡画像gd(x、y)を頻度特徴検出画像と呼ぶ。gd(x、y)の暗い部分が欠陥を表している。gd(x、y)の明るい部分は、特徴が正常部分に近い欠陥か、あるいは、欠陥部分の合計面積の大きい箇所を表している。
(実施例1)
次に本発明の具体的な実施例について説明する。ここでは、以下の実験を行った。
すなわち、実験では、最初に、図4に示すような、内側に罫線つきの厚紙が収容されたCD-Rケースの表面に付着している微小なゴミの検出を行った。検出は、図5に示すような、CD-Rケースの一部分について行った。表面に付着しているゴミは、表面に透明な膜を持つ検査対象物の場合に、内部の欠陥と誤って検出され問題となる場合がある。
このような表面のゴミは、検査面に対して浅い角度で入射する光源を用いると、容易に検出が可能である。しかしながら、一般の検査装置に組み込まれる小さい照明装置では、浅い角度で検査面を一様に照射することは難しく、通常は光源に近い側が明るく、遠ざかるほど暗く照射される。また、光源の照射方向によっては検出されないゴミもあり、多方向から照射して調べることが望ましい。
実験では、CD-Rケースを水平方向に配置した。そして、赤、緑、青のLEDバー照明を用いて、3方向から浅い角度で検査面に照射し、これを、真上より3CCDカメラで撮影した。この時の画像のRGB各成分を図6〜8に示す。
各光源の方向で取得した画像の画素値を特徴量として、特徴抽出配列を作成し、本手法により表面ゴミを検出した結果を図9、10に示す。図9は、上述の各式においてd=3、n=5、i=8としたもので、CD-Rケース表面のゴミだけが黒く検出できている。また、図10は、上述の各式においてd=10、n=5、i=8としたもので、検出の閾値dを変えることによりCD-Rケースの内側の紙に印刷された罫線まで検出している。
図11は、図6〜8の各画像の5枚の加算平均画像に対して、水平・垂直方向に公知のSobelフィルタを適用し、その結果を加算平均し、強調表示したものである。ここでは、境界のはっきりとしたゴミは検出できているが、境界のはっきりしないゴミは、周囲の雑音と区別しにくい。また、図11では、Sobelフィルタによりゴミの境界を検出しているため、各ゴミは実際のサイズよりも大きく検出されている。
(実施例2)
つぎに、コントラストの悪い欠陥の検出実験を行った。
罫線つきのメモ用紙(コクヨ社製 メ-91)の1枚目に図12のようにボールペンで文字を書き、メモ用紙の3枚目に筆圧により残された筆跡を撮影した。照明は前の実験と同じものを使用し、前の実験と同様に3方向より検査面に対して浅い角度で照射した。これを3CCDカメラで撮影した画像を図13に示す。
照明を浅い角度で斜めから照射することで、表面の凹凸を強調することができるが、この検査対象物の場合は、紙の表面の繊維による微妙な凹凸まで強調することになった。そこで、まず、各取得画像に「5近傍の平滑化」処理を行い、その後、各照明の照射むらの補正を行った。具体的には、原画像に対して「9近傍の平滑化」処理を5回行って得られる画像をZ(x,y)とし、Z(x,y)の全画素の平均値をLとして、「5近傍の平滑化」後の画像の各画素にL/Z(x,y)を乗じたものを特徴抽出画像とした。各照射方向の画像に対しこの特徴を求め、特徴抽出配列を作成した。
検出結果を図14に示す。境界が不鮮明で見分けにくい部分もほぼ検出できていることが分かる。
(実施例3)
次に、金属の部品であるベアリング表面の欠陥検出を行った。すなわち、図15に示すような表面に段部を有するボールベアリングの内輪を検査対象物とした。この内輪つまりボールベアリングの部品の表面の欠陥としては、この部品の搬送中に生じる打ち傷、加工時に部品がスムーズにチャッキングできない時に研削面に生じるすり傷、切り粉の付着などがある。これらをカメラで撮影すると、打ち傷は通常の金属面よりも明るく撮影され、すり傷、切り粉などは暗く撮影され、照明の照射角度によりその見え方がかなり変化する。
この内輪の形状に対応したリング照明を用い、その高さを3段階に変えることで照射角度を変化させて検査対象部品の画像を取得した。その画像を図16〜18に示す。これらの原画像の8ビットの画像データを5ビットに圧縮して特徴抽出配列を作成し、検出パラメータdの値を変えて検出した結果を、画像下部の部分拡大図とともに図19〜21に示す。図19は上述の各式においてd=10、n=5、i=8としたものであり、図20は上述の各式においてd=200、n=5、i=8としたものであり、図21は上述の各式においてd=600、n=5、i=8としたものである。
この金属部品としてのベアリングの検査面には、研磨目などの微小な傷があり、これらの微小傷の過検出を防ぐため階調圧縮を行っている。検出結果を見ると、dの値の大きい図21では微小な研磨目が検出されており、dの値が小さい図19では強く光を反射する打ち傷が検出されている。
このように、検出パラメータを変えることで、検出できる欠陥が異なり、それは、欠陥のサイズや、欠陥部分と正常部分の特徴空間での距離の差に依存する。すなわち、はっきりとした欠陥は小さいdの値で検出され、はっきりしない欠陥は大きいdの値で検出される。
本発明にもとづく特徴抽出配列の作成例を示す図である。 本発明にもとづく、特徴空間における正常部分と欠陥部分の分布を例示する図である。 本発明にもとづく、特徴抽出配列より特徴空間を利用した頻度画像と頻度画像の合計との作成手順を示す図である。 本発明にもとづく実験に供したCD-Rケースを示す図である。 図4のCD-Rケースのうちの画像処理の対象とした部分を拡大して示す図である。 図5の部分を撮影した画像の赤成分画像の例を示す図である。 図5の部分を撮影した画像の緑成分画像の例を示す図である。 図5の部分を撮影した画像の青成分画像の例を示す図である。 図5の部分を撮影した画像についての表面ゴミの検出結果の一例を示す図である。 図5の部分を撮影した画像についての表面ゴミの検出結果の他の例を示す図である。 図5の部分を撮影した画像について公知のSobelフィルタを適用した例を示す図である。 メモ用紙の1枚目にボールペンで書いた文字を撮影した画像の例を示す図である。 同メモ用紙の3枚目に筆圧により残された筆跡を撮影した画像の例を示す図である。 図13の画像に関し本発明にもとづいて検出した頻度特徴検出画像の例を示す図である。 測定対象物としての金属部品であるベアリング内輪の斜視図である。 高い位置での照明により図15のベアリングの表面を撮影した画像の例を示す図である。 中の位置での照明により図15のベアリングの表面を撮影した画像の例を示す図である。 低い位置での照明により図15のベアリングの表面を撮影した画像の例を示す図である。 図16〜図18の画像にもとづいて検出した頻度特徴検出画像の例を示す図である。 図19に比べ検出用パラメータを変化させて検出を行った頻度特徴検出画像の例を示す図である。 図19および図20に比べ検出用パラメータを変化させて検出を行った頻度特徴検出画像の例を示す図である。

Claims (5)

  1. 検査対象物の画像を取得し、この取得画像の各画素位置において複数の特徴量を抽出し、この複数の特徴量の組み合わせにより決まる値を、前記特徴量より構成される特徴空間にプロットするとともに、前記特徴空間上にプロットされた各点に頻度情報を持たせ、前記特徴空間より、取得画像の各画素位置において、前記特徴量の組み合わせにより決まる値の頻度を求め、この頻度から、頻度の低い部分を欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を正常部分として検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  2. 検査対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素の頻度を、前記特徴空間の対応する位置を調べることにより抽出し、この抽出された頻度の低い部分を前記取得画像における欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を前記取得画像における正常部分として検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  3. 対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素を前記特徴空間より得られる頻度情報に置き換えた頻度画像を作成することにより、前記取得画像より抽出された複数の特徴量の組み合わせにより決まる値の頻度と位置とを同時に取得することを特徴とする画像処理方法。
  4. 検査対象物についての取得画像より複数の特徴量を抽出し、それぞれの特徴量より特徴抽出画像を作成し、これらの複数の特徴抽出画像を成分に持つ特徴抽出配列を作成し、前記複数の特徴量より構成される頻度情報を持つ特徴空間に、前記特徴抽出配列の各要素をプロットし、前記特徴抽出配列の各要素を前記特徴空間より得られる頻度情報に置き換えた頻度画像を作成し、作成された頻度画像において、頻度の低い部分を取得画像における欠陥部分として検出し、頻度の高い部分を取得画像における正常部分として検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  5. 検査対象物についての複数の取得画像から、それぞれの画像より抽出された複数の特徴量の組み合わせにより決まる値の出現頻度を表す頻度画像を作成し、これらの複数の頻度画像からこれらの頻度画像の合計画像または平均画像を得て、この合計画像または平均画像より、検出したい頻度の範囲を指定して、欠陥部分を検出することを特徴とする請求項4記載の欠陥検出方法。
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