JP2023529512A - トレーディングカードの特性を識別する方法及び装置 - Google Patents

Abstract

【要約】カードの特性を検出する方法及び装置は、フォイルを含むカードを識別する方法を含む、該フォイル検出方法は、カードを描写する画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、明るさが強化された領域を形成しないピクセル群を分析から除外するために明度マスクを適用するステップと、カードがフォイルを含むかどうかを決定するために残りのピクセルの数を閾値と比較するステップとを含む。別の態様では、カードに状態グレードを割り当てる方法は、拡散照明されたカードをＨＳＶ色空間へと変換するステップと、変換された画像ファイルの均一部分を分離するステップと、カードの損傷を受けていない部分を形成するピクセルを除外するために変換された画像ファイルに明度マスクを適用するステップと、状態グレードを割り当てるために残りのピクセルの数を複数のグレード閾値と比較するステップとを含む。【選択図】図１

Description

本開示は、トレーディングカードを識別されたカードの特性に従って識別及び分類する方法及び装置に関する。特に、本開示は、フォイルトレーディングカードを識別する方法及び装置、及び、トレーディングカードに状態グレードを割り当て、それらの識別された特性に基づいてカードを仕分けるための方法及び装置に関する。

カードの収集やトレーディングは、ポピュラーな趣味である。種々の種類のトレーディングカードの例には、以下に限定されないが、Ｐｏｋｅｍｏｎ^TMトレーディングカード、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカード、及び、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｈｏｃｋｅｙ Ｌｅａｇｕｅ^TMやＭａｊｏｒ Ｌｅａｇｕｅ Ｂａｓｅｂａｌｌ^TMトレーディングカード等のスポーツチームのトレーディングカードが含まれる。トレーディングカードには市場が存在しており、市場では、コレクターは自分のトレーディングカードを売却又は他の人とトレードすることができる。特定のトレーディングカードの価値は、そのトレーディングカードの特性に基づいている。例えば、トレーディングカードの文章コンテンツ及びグラフィックコンテンツ、並びに、他のカードと比較したその希少性（レアリティ）は、カードの価値に影響を与える。

それに加えて、トレーディングカードの状態は、カードの価値における重要な要素である。例えば、２枚の全く同じトレーディングカードが、各カードの状態に基づいて異なるグレーディングを有することがある。例えば、あるカードがミント（mint）又はニアミント（near-mint）状態である場合、すなわち、カードに摩耗や損傷が全くない場合、ミント又はニアミントのカードは、プレイド（played）又はダメージド（damaged）状態にあるカード、すなわち、経年による摩滅又はその他の損傷があるカードよりも価値がある。カードの価値に影響を与えるトレーディングカードのもう１つの特性は、そのカードがフォイルカードであるかどうかである。特定のカードには特殊なフォイル層が含まれている場合があり、このフォイル層は、照明条件下においてカードにホログラフィックな外観を付与する。フォイルカードは非フォイルカードよりも希少であり、典型的にはより高い価値でグレーディングされる。

トレーディングカード売買業者は、大量の使用済トレーディングカードを受け取る場合があり、これらはトレーディングカード市場で販売できるように仕分け、分類及びグレーディングする必要がある。トレーディングカードを人力で仕分け、例えば非フォイルカードからフォイルカードを分けることは、面倒で時間のかかるプロセスであり得る。さらに、複数のトレーディングカードの状態を人力でグレーディングして、カードに価値を割り当てることも、時間のかかるプロセスであり得る。トレーディングカードの状態を人力でグレーディングすることのさらなる問題は、このプロセスには主観が含まれ、カードの状態をグレーディングする特定の個人、グレーディングが行われる際の照明条件、及び、カードの状態をグレーディングする基準を適用する際の個人のスキルと判断力を行使する必要性を含む多くの要因に依存することである。典型的には、カードの状態のグレーディングとは、事故又は通常の摩滅によって生じたカードのあらゆる損傷に注意することを伴うものであり、そのような損傷としては、以下に限定されないが、カードの曲がり、裂け目、折り目、カード外面の擦り傷又は引っかき傷、日光への曝露による退色、カードの外観を向上させるためにカードを改変又は修正する試み等が含まれる。また、トレーディングカード間の状態はかなり変動し得るといった事実によって、主観的な要素が取り入れられることもあり、特定のカードに対してどの状態グレードが割り当てられるべきかを決定する際に、どのトレーディングカードにも一貫して同じ基準を適用することは、個人にとって困難である。そのため、トレーディングカードの状態をグレーディング及びグレーディングする、より客観的な方法が求められている。

出願人の知る限りでは、先行技術には、収集品対象物（collectible object）のグレーディングを自動化する過去の試みが含まれている。出願人が認識している特許出願の１つでは、Kass et al.の米国特許出願公開第２０１６／０２１０７３４号は、デジタルイメージングデバイスとプロセスとを使用して、トレーディングカード等の収集品対象物の客観的かつ標準化された高解像度グレーディングを提供するための、コンピュータ化されたシステム及び方法を開示している。Kassに記載のシステム及び方法は、トレーディングカードの高解像度画像を取得し、これらの高解像度画像を参照画像と比較することを含む。この参照画像は、Kassでは「ゴールデンイメージ（Golden Image）」と称されている。このゴールデンイメージは、トレーディングカードの製造元によって提供される。Kass文献の一態様では、画像減算ルーチンが適用され、この画像減算ルーチンでは、分析中の収集カードにおける表及び裏の全ての同一データ点を除去するために、ゴールデンイメージ上の全てのデータ点が利用され得る。それによって、除去が行われた後にトレーディングカードの表又は裏に残っているデータは、１つ又は複数の欠陥であると決定される。Kass文献の別の態様では、ブロブ解析が数学的方法を採用し、それによってデジタル画像内の領域を周囲の領域と比較して、明るさ又は色等の特質が異なる領域を検出する。ブロブとは、一部のプロパティが一定であるか、指定された値の範囲内で変化するデジタル画像の領域である。Kassのブロブ解析は、個々の欠陥及び累積した総欠陥面積を識別、定量化及び測定するために利用される。

出願人が認識している別の先行技術文献であるMertonの米国特許第４，８９９，３９２号では、硬貨の貨幣的品質を識別の目的で正確かつ客観的にグレーディングする方法とシステムが開示されている。Merton文献では、該発明のグレーディングの態様の中心は、硬貨の両側にある任意の価値低下の要因となる痕跡（detracting mark）についての正確な数値グレーディングである。特に、硬貨上の価値低下の要因となる痕跡のそれぞれが、識別、位置特定及び測定される。その後、価値低下の要因となる痕跡が位置する硬貨上の領域についての相対的グレード重要度を表す係数によって、価値低下の要因となる痕跡の測定された外面領域を調整することにより、各痕跡の価値低下の重大性を表す割当量が計算される。

Kass文献及びMerton文献に記載の自動化されたグレーディングのためのシステム及び方法は、非常に価値のあるトレーディングカードや他の収集品のグレーディングにとって有効に採用され得るが、そのようなシステム及び方法では、比較的短い時間枠内で処理する必要がある大量のトレーディングカードに対して、大まかなグレーディングカテゴリを割り当てることは容易でない。例えば、Ｐｏｋｅｍｏｎ^TMやＭａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカード等、プレイングカードのトレーディングカード事業では、それらのカードの価値にはカードの状態に基づく差はあるものの、典型的には、そのようなカードが、１枚のカードで数百ドル又は数千ドルという極めて高い価値を持つことはない。ビンテージスポーツトレーディングカード等、他の種類のトレーディングカード収集品の場合と同様である。したがって、該業界では、事業者が大量のトレーディングカードを効率的に処理及びグレーディングすることを可能にするための、比較的短い期間内で大量のトレーディングカードに適用可能な、状態グレードの客観的かつ自動化された割り当てが求められている。さらに、上述のように、該業界では、フォイルカードを効率的かつ自動的に識別して、非フォイルカードと区別することが求められている。

本開示の一態様では、非フォイルカードと区別されるフォイルを含むカードの検出は、光源、例えば点光源によって照明されたカードの画像を生成することによって達成される。点光源は、発光ダイオード（「ＬＥＤ」）光源を含んでいてもよく、トレーディングカードがフォイルを含むカードである場合、カードのフォイル層又はカードのフォイルエッチング加工部分における回折格子の結果として、得られる画像に主極大の干渉パターン又は明るい直接反射を含ませるようにする。点光源がカードの小さな領域に向けられ、それ以外の領域では画像が暗い環境で撮影されるため、カードの画像の残りの部分は、カードのフォイルによって反射された光を表す明るい領域に比べて暗くなる。一方、同じ照明条件下で非フォイルカードを撮影した画像は、画像内に明るい部分を含まないことになる。該方法は、画像ファイルを色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するように画像ファイルを処理することをさらに含み、それによって、各ピクセルの明度データを分離するように該ＨＳＶ色空間を使用することができ、その後、主極大がトレーディングカードの画像ファイル内に存在するか存在しないかを検出するように各ピクセルの明度データをさらに処理することができる。このように採用されたアルゴリズムは、トレーディングカードをフォイルを含むカードとして、又は、フォイルカードではないと識別することになる。

本開示の別の態様では、トレーディングカードセットは、多くの場合、セット内のトレーディングカードの全てにわたって、トレーディングカードの裏面の周りにおける単色無地の外枠等、同一の部分又は画像を含む。このような同一の部分又は特徴を共有するトレーディングカードセットの場合、セット内の各カードに状態グレードを割り当てる方法は、セット全体にわたって全てのカードに共通する部分又は特徴を表示する各カードの表面及び／又は裏面の画像ファイルから取得された画像データを利用する。外枠のみを含む画像ファイルの部分、又は、全ての同様のトレーディングカードにわたって均一な色及び外観である画像ファイルの部分は、カードのその外枠部分の何パーセントがその均一な色と異なっているかを決定するさらなる分析のために分離され、この決定により、カードの損傷又は摩耗の量の概算が得られる。異なるトレーディングカードの外枠部分における画像ファイル内のピクセルの数の計算は、ＨＳＶ色空間に変換された画像ファイルから決定され得ると共に、所定の閾値未満の明度整数値を有するピクセルの量がグレーディングされる。したがって、該方法は、ゴールデンイメージファイルを参照する必要なく、トレーディングカードの状態グレードを客観的に決定するために提供される。

有利には、本明細書に記載の状態グレーディング方法は、トレーディングカードの外面全体の画像を取得する必要なく採用され得る。例えば、有利には、画像を撮影する際、プラットフォームに対してカードを平らにするためにローラーが使用され得るが、本明細書にて採用される方法は、カードの裏面全体の画像データを処理することを必要としないため、例えばローラーによってカードの一部が隠されている画像であっても、カードに大まかなグレーディング状態を割り当てるために該方法で処理することができる。本開示のいくつかの態様では、大量のカードが種々異なるカテゴリに仕分けされ得る。例えば、カードは、ニアミント状態のグレード、スライトリープレイド状態のグレード又はヘビープレイド状態のグレードが割り当てられているかどうかに基づいて仕分けされ得る。大量のカードを大まかなグレーディングカテゴリに仕分けした後、最も価値の高いニアミント状態のカードに最終的な査定を割り当てるため、それらのカードが人間によってさらにレーティングされ得る。これにより、全部のカードを人力で確認する必要がない。本開示の他の態様では、使用済トレーディングカードの売り手は、カードを人力で確認するのにさらに時間を費やす必要なく、各条件カテゴリに対して均一な価格を割り当てることができる。

本開示の別の態様では、装置が提供され、該装置は、撮像チャンバと、撮像チャンバ内に配置され、照明されたカードを支持するように適合されたプラットフォームと、カードを照明するために撮像チャンバ内に配置された少なくとも１つの拡散光源と、画像ファイルを生成するために、照明されたカードの画像を撮影するカメラとを備える装置が提供される。有利には、いくつかの実施形態では、装置は、さらに、搬送システム及びカードホッパを含んでいてもよく、搬送システムは、複数のカードを一度に１枚ずつ、カードホッパからプラットフォームへと搬送するように適合されている。搬送システムは、さらに、複数のカードを一度に１枚ずつ、プラットフォームから仕分けデッキへと搬送するように適合されていてもよく、複数のカードは、仕分けデッキにて各カードの少なくとも１つの特性に従って仕分けられ得、特性は、各カードの画像ファイルの分析によって識別される。このようにして、大量のカードがカードホッパ内へとロードされ得、次に搬送システムは、各カードをカードホッパからプラットフォームへと一度に１枚ずつ自動的に搬送し得、該プラットフォームにて画像ファイルが生成され、続いてカードが仕分けデッキへと搬送され得、その後、この仕分けデッキにおいてカードがそれぞれのカテゴリへと仕分けされる

フォイルカードを識別する方法、及び／又は、カードに状態グレードを割り当てる方法のいずれか又は両方を実行するための装置は、撮像チャンバであって、外部光源からの光が撮像チャンバに入ることを実質的に排除するように適合された撮像チャンバと、撮像チャンバ内に配置されると共に照明されたカードを支持するように適合されたプラットフォームと、照明されたカードを照明するように撮像チャンバ内に配置された拡散光源と、画像ファイルを生成するために、照明されたカードの画像を撮影するための画像キャプチャデバイスとを含む。

本開示のいくつかの実施形態では、フォイルを含むカードを識別する方法は、カードを描写する第１の画像ファイルを取得するステップであって、カードは点光源によって照明され、カードは点光源の視野の外側に配置されている、ステップと、画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、第１のピクセル群を分析から除外するために、変換された画像ファイルに明度マスクを適用するステップであって、第１のピクセル群における各ピクセルは、所定のフォイル閾値明度より小さい整数値を有し、フォイル閾値明度は、画像ファイルの明るさが強化された領域を形成しない第１のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、残りのピクセルの数を決定すると共に、残りのピクセルの数を、残りのピクセルについての所定の第１の閾値数と比較するステップであって、残りのピクセルの数が残りのピクセルについての第１の閾値数を超える場合、カードがフォイルを含むカードとして識別される、ステップとを含む。

本開示の別の態様では、分析中のカードを照明するために使用される点光源は、単一の点光源及び点光源のアレイを含み、点光源のそれぞれは、アレイ内において互いに離間されており、アレイは、カードの実質的に全ての外面領域にわたって反射される。カードを描写する第１の画像ファイルを取得するステップは、カードが単一の点光源によって照明された第１の画像ファイルを取得するステップと、カードが点光源のアレイによって照明されるカードを描写する第２の画像ファイルを取得するステップとを含む。上述したフォイル検出方法の各ステップは、第１及び第２の画像ファイルのそれぞれに対して実行される。第１の画像ファイルが、主極大である明るさが強化された領域を含む場合、カードがフォイルカードとして識別され、第２の画像ファイルが１つ又は複数の明るい直接反射である明るさが強化された領域を含む場合、カードは、フォイルエッチング加工されたカードとして識別される。

本開示の別の態様では、残りのピクセルの数を決定すると共に、残りのピクセルの数を所定の第１の閾値数と比較する、フォイル検出方法のステップは、残りのピクセルの数を所定の第２の閾値と比較するステップであって、第１の閾値は第２の閾値より大きく、第１の画像ファイルにおける残りのピクセルの数が、残りのピクセルについての第１の閾値数を超える場合、カードはフォイルカードとして識別され、第２の画像ファイルにおける残りのピクセルの数が、第１の閾値より小さいが第２の閾値を超える場合、カードはフォイルエッチング加工されたカードとして識別される、ステップを含む。

本開示の別の態様では、フォイル検出方法を実行するための装置は、撮像チャンバであって、外部光源からの光が撮像チャンバに入ることを実質的に排除する撮像チャンバと、カードを支持するために撮像チャンバ内に配置されたプラットフォームと、プラットフォームが点光源の視野の外側に配置されるように、撮像チャンバ内に配置された点光源と、第１の画像ファイルを生成するために、カードの画像をキャプチャするための画像キャプチャデバイスと、を含む。いくつかの実施形態では、点光源は、単一の点光源及び点光源のアレイを含み、点光源のそれぞれは、アレイ内において互いに離間されており、点光源のアレイは、カードの実質的に全ての外面領域にわたって反射される。いくつかの実施形態では、点光源は単一の点光源であってもよく、単一の点光源又はカードのうち１つは、モバイル走査ステージに取り付けられていてもよく、モバイル走査ステージは、アクチュエータによって、カードの実質的に全ての外面領域にわたって点光源の反射を並進させるよう、単一の点光源又はカードを互いに対して並進させるように作動される。画像キャプチャデバイスによって生成された第１の画像ファイルは、複数の第１の画像ファイルを含み、複数の第１の画像ファイルにおける各第１の画像ファイルは、カードの外面領域上の複数の異なる位置にて点光源によって照明されたカードを描写しており、明るさが強化された領域は、カードがエッチング加工されたフォイルカードであることを識別する明るい直接反射、カードがフォイルカードであることを識別する主要な最大表現又は反射、を含む群から選択される。

本開示の別の態様では、カードに状態グレードを割り当てる方法は、拡散照明されたカードを描写する画像ファイルを取得するステップであって、画像ファイルは、カードの範囲の少なくとも一部を描写する、ステップと、画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、変換された画像ファイルの均一部分を分離するために、変換された画像ファイルの不均一部分を分析から除外するステップと、画像ファイルの均一部分における第１のピクセル群を分析から除去するために、変換された画像ファイルに明度マスクを適用するステップであって、第１のピクセル群における各ピクセルは、所定の閾値より小さい整数値を有する、ステップと、を含む。閾値は、損傷を受けていないカード部分を表す第１のピクセル群を識別するように選択される。その後、残りのピクセルの数が決定されると共に、カードの状態グレードを割り当てるために、残りのピクセルの数が複数のグレード閾値と比較される。

トレーディングカードの特性を識別する方法は、カードを描写する第１の画像ファイルを取得するステップであって、カードは点光源によって照明され、カードは点光源の視野の外側に配置されている、ステップと、第１の画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、第１のピクセル群を分析から除外するために、変換された第１の画像ファイルに第１の明度マスクを適用するステップであって、第１のピクセル群における各ピクセルは、所定のフォイル閾値明度より小さい整数値を有し、フォイル閾値明度は、第１の画像ファイルの明るさが強化された領域を形成しない第１のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、第１の残りのピクセルの数を決定すると共に、第１の残りのピクセルの数を、残りのピクセルについての所定のフォイル閾値数と比較するステップであって、第１の残りのピクセルの数が残りのピクセルについての閾値数を超える場合、カードがフォイルを含むカードとして識別される、ステップと、第２の画像ファイルを取得するステップであって、第２の画像ファイルは、カードの範囲の少なくとも一部を描写する、ステップと、第２の画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、変換された画像ファイルの均一部分を分離するために、変換された画像ファイルの不均一部分を分析から除去するステップと、画像ファイルの均一部分における第２のピクセル群を分析から除外するために、変換された画像ファイルの分離された均一部分に第２の明度マスクを適用するステップであって、第２のピクセル群における各ピクセルは、所定の状態閾値より小さい整数値を有し、状態閾値は、損傷を受けていないカード部分を表す第２のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、第２の残りのピクセルの数を決定すると共に、カードの状態グレードを割り当てるために、第２の残りのピクセルの数を複数のグレード閾値と比較するステップとを含む。

図１は、本開示に係るカード仕分け装置の一実施形態の部分断面図である。 図２Ａは、本開示に係る、フォイルを含むカードを識別する方法の一実施形態を示す論理フロー図である。 図２Ｂは、本開示に係る、フォイルを含むカードを識別する方法の一実施形態を示す論理フロー図である。 図２Ｃは、本開示に係る、フォイルを含むカードを識別する方法の一実施形態を示す論理フロー図である。 図３Ａは、本開示に係る、トレーディングカードのグレーディングカテゴリを識別する方法の一実施形態を示す論理フロー図である。 図３Ｂは、本開示に係る、トレーディングカードのグレーディングカテゴリを識別する方法の一実施形態を示す論理フロー図である。 図４Ａは、フォイルトレーディングカードのフォイル層の１００倍拡大写真である。 図４Ｂは、図４Ａに示すフォイル層の１０００倍の拡大写真である。 図４Ｃは、図４Ａに示すフォイル層の一部の拡大図であり、フォイル層の回折格子線が視認可能である。 図５Ａは、明確性のためにその色を反転させた、フォイルカードを描写する元画像ファイルの例であり、元画像ファイルは、虹色の主極大を示す。 図５Ｂは、フォイルカードを描写する変換された画像ファイルの例であり、変換されたファイル画像は、黒で描写された高い明度整数値を有するピクセルを表す。 図５Ｃは、明確性のためにその色を反転させた、非フォイルカードを描写する元画像ファイルの例である。 図５Ｄは、非フォイルカードを描写する変換された画像ファイルの例であり、変換されたファイル画像は、黒色で描写された高い明度整数値を有するピクセルを表す。 図６Ａは、ニアミント状態のカードの元画像ファイルの例である。 図６Ｂは、図６Ａのニアミントカード画像ファイルであり、ニアミントカードの範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｃは、図６Ａに示されるニアミントカードの変換された画像ファイルであり、カードの範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｄは、図６Ａに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｅは、図６Ｂに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｆは、図６Ｃに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｇは、ヘビープレイド状態のカードの元画像ファイルの例である。 図６Ｈは、図６Ｇのヘビープレイドカード画像ファイルであり、ヘビープレイドカードの範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｉは、図６Ｇに示すヘビープレイドカードの変換された画像ファイルであり、カードの範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｊは、図６Ｇに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｋは、図６Ｈに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｌは、図６Ｉに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図６Ｍは、全範囲が一部見えないようにケアされた元画像ファイルの例である。 図６Ｎは、図６Ｍのカード画像ファイルであり、カードの範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｏは、図６Ｍのカード画像ファイルであり、図６Ｍに示すカードの範囲を見えないようにするオブジェクトを隠すようにマスキングが適用されている。 図６Ｐは、図６Ｎ及び図６Ｏにおいて適用されたマスキングの組み合わせであり、図Ｍに示すカードの視認可能な範囲の一部のみを見せるようにマスキングが適用されている。 図６Ｑは、図６Ｍに示されるカードの変換された画像ファイルであり、図６Ｎ及び図６Ｏにおいて適用されたマスキングの組み合わせを含んでいる。 図６Ｒは、図６Ｑに示す画像の色を明確性のために反転させた画像である。 図７Ａは、仕分けデッキを含むカード仕分け装置の一実施形態の部分切取斜視図である。 図７Ｂは、仕分けデッキ及びカードホッパ拡張部を含むカード仕分け装置の一実施形態の斜視図である。 図８Ａは、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカードの一例の表面の画像である。 図８Ｂは、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカードの一例の裏面の画像である。 図９は、本開示のいくつかの実施形態におけるトレーディングカードの画像を取得するための照明条件を示す概略図である。 図１０Ａは、明確性のためにその色を反転させた、フォイルエッチング加工されたカードを描写する元画像ファイルの例であり、元画像ファイルは、点光源によって照明されたカードを示し、カードのフォイルエッチング部分の明るい直接反射の一例を示す。 図１０Ｂは、フォイルエッチング加工されたカードを描写する変換された画像ファイルの例であり、変換されたファイル画像は、黒で描写された高い明度整数値を有するピクセルを表す。 図１０Ｃは、明確性のためにその色を反転させた、非フォイルカードを描写する元画像ファイルの例である。 図１０Ｄは、非フォイルカードを描写する変換された画像ファイルの例であり、変換されたファイル画像は、黒色で描写された高い明度整数値を有するピクセルを表す。 図１１Ａは、明確性のためにその色を反転させた、フォイルエッチング加工されたカードを描写する元画像ファイルの例であり、カードのフォイルエッチング加工された部分が、画像ファイル内において視認可能でない。 図１１Ｂは、明確性のためにその色を反転させた、図１１Ａに示すカードのフォイルエッチング加工されていないバージョンを描写する元画像ファイルの例であり、カードのフォイルエッチング加工された部分が、画像ファイル内において視認可能である。

フォイル検出方法
本開示の一態様では、フォイルを含むカードを、非フォイルカードと区別されるものとして自動的に識別する方法が提供される。上述のように、トレーディングカード事業では、いくつかのトレーディングカードにはカードのグラフィック層によって重ねられたフォイル層が設けられており、これによって、様々な照明条件下においてカードの外観にホログラフィック効果が生じる。フォイル層は回折格子で構成されており、そのため、カードを照らす光は、主極大を含む干渉パターンを生じさせることになる。このようなカードは、本明細書では「フォイルカード」と称する。

図４Ａは、フォイルカードのフォイル層１０の拡大画像であり、倍率１００倍で撮影されている。図４Ａに表された画像では、キャリパの一対のジョウ（pair of calipers）２０，２０が、互いに１ｍｍの距離Ｄだけ離れて較正されている。図４Ｂは、図４Ａに示すフォイル層のさらなる拡大画像であり、倍率１０００倍で撮影されている。図４Ｃは、図４Ｂの拡大画像の一部の拡大図であり、フォイル層の複数の水平溝１２及び垂直溝１４が視認可能である。このように、フォイル層１０の水平溝１２及び垂直溝１４のパターンは、回折格子を形成する。フォイルカードが光源に曝露されると、フォイル層１０の回折格子は、主極大として示される構造的干渉パターンを含む回折パターンを生じる。この回折パターンは、光源が白色光により構成されている場合、カードの外面全体に虹模様として認識され得る。

フォイルを含む他のタイプのカードには、カードの外面の一部にフォイルの薄い層を接着することにより製造される「フォイルエッチング加工されたカード」が含まれる。カードの外面にフォイルエッチングを接着した後に、カードの外面全体にワニスが塗布され得る。典型的にはカードの全ての外面領域を覆うフォイル層を含むフォイルカードとは異なり、フォイルエッチング加工されたカードは、カードの外面の小部分のみを覆うフォイルエッチングを含み得る。例えば、フォイルエッチングは、典型的にはカードのアートワークの特徴を強調するために使用され得る。カードのフォイルエッチングから光が反射すると、フォイルエッチングされた部分がキラキラ光る外観を呈し得る。

対照的に、フォイル層又はフォイルエッチングを有さない、本明細書では他に「非フォイルカード」と称されるトレーディングカードが光源に曝露された場合、カードの外面にわたって干渉パターンや明るい光の反射は検出されないことになる。非フォイルカードは、回折格子を含むフォイル層も、カードの外面に接着されたフォイル片も有さないためである。しかしながら、ほとんどの照明条件下において、カードの光沢外面もまた一部の光を反射することになるが、そのような光の反射は、フォイルカード又はフォイルエッチング加工されたカードによって生じる反射ほど明るく感じられない。

有利には、本出願人は、カードの外面が点光源の視野の外側に配置された他の暗い環境において点光源によって照明されたトレーディングカードの画像を撮影すると、フォイルカードの明るい主極大又はフォイルエッチング加工されたカードのフォイルエッチング部分によって生じた明るい直接反射は、カード外面の小さな領域に限定された点光源の小さな反射を除き、光源の反射によって概ね不明瞭にされることなく、明確に視認可能となることを見出した。一方、非フォイルカードを同じ照明条件下で撮影した画像では、点光源の直接反射を表す小さな明るいスポットのみが他の暗いカード外面に対して視認可能である画像が生成されることがある。そのような画像は、他の光源が実質的に存在しない状態でキャプチャされ、それによって、得られたトレーディングカードの画像内において、フォイルを含むカードの主極大又は明るい直接反射が、非フォイルカードで撮影された画像と比較して明確に区別可能になる。出願人はまた、主極大又は明るい直接反射の一部であるピクセルを主極大又は明るい直接反射の一部を形成しないピクセルから分離するようにトレーディングカードの画像ファイルを処理する方法によって、トレーディングカードがフォイルを含むカードであるか、非フォイルカードであるかを自動的に検出する方法が可能になることを見出した。本開示の別の態様では、本明細書に記載の方法を、さらにフォイルカードをフォイルエッチング加工されたカードから区別するために使用し得る。

図２Ａ，図２Ｂ及び図９を参照すると、フォイルカードを検出する方法１００の実施形態において、分析中のカードの第１の画像は、理想的には、カードが点光源によって照明され、他の光源が排除された環境で取得される。当業者には理解されるように、点光源には、レーザー（レーザーランプを含むが、これに限定されない）、白熱ランプ（ガスランプ及び炭素アークランプを含むが、これらに限定されない）、単色光源、ガス放電ランプ（蛍光ランプ、メタルハライドランプ及びプラズマランプを含むが、これらに限定されない）、ＬＥＤ（ＬＥＤランプを含むが、これに限定されない）、及び、当業者に既知の他の光源が含まれ得る。好ましい実施形態では、カードの外面は、図９に示すように、点光源の視野の外側になるように配置される。図９では、ＬＥＤライト等の点光源５２は、影付きの灰色の領域によって表される視野５２ａを有する。視野５２ａは、ルーメンで測定される所与の明るさ範囲内にある点光源５２によって照射された光の領域を表している。カード５０の外面５０ａは、点光源５２の視野５２ａの外側になるように配置される。点光源５２の反射５２ｃは、カードの外面５０ａ上で視認可能であり得るが、そのような反射５２ｃは、点光源５２から照射された光線５２ｂによって生じる。

反射５２ｃは、典型的には、フォイルカード、フォイルエッチング加工されたカード、非フォイルカードを含む全てのカードにおいて明るいスポットとして現れることになるが、カードがフォイルカードである場合、主極大のみがカードの外面に明るいスポットとして視認可能となる。カードの画像は、視野５４ａを有するカメラ５４等の画像キャプチャ装置によってキャプチャされ得る。有利には、上述の図９に示す照明条件において画像が撮影される場合、カードの外面の残りの部分は、主極大及び光源の反射５２ｃの明るいスポットと比較して暗く現れることになる。フォイルエッチング加工されたカードに関して、同じ照明条件下にてフォイルエッチング加工されたカードから撮影された画像は、光源の反射５２ｃがカードのフォイルエッチングされた部分の近傍にある場合、明るい直接反射の小さな領域を生じることがあり、この明るい直接反射は、光源の反射５２ｃ及びフォイルカードによって生成される主極大と区別され得る。得られた画像ファイルのこの特徴によって、以下でさらに説明するように、本開示の実施形態では、本明細書に記載の方法がフォイルカード及びフォイルエッチング加工されたカードを非フォイルカードから区別することが可能になる。

白色ＬＥＤ光源は、光源がフォイルカードのフォイル層によって提供される回折格子によって反射される際に白色光源を含む種々異なる光の波長によって生じる干渉パターンに起因して、フォイルカード内に虹色の主極大を生成することになる。しかしながら、当業者であれば、単色である又は白色光源でない点光源によっても主極大が生成され得ることを理解するであろう。もっとも、そのようにして生じた主極大の回折パターンは、虹色で表れることはなく、点光源の色と同じ色として表れることになる。この主極大の回折パターンは、トレーディングカードの外面の一部にわたって明るい干渉パターンとして現れる。

本明細書に記載の方法は、フォイル検出方法を実施しているコンピュータシステムとは別々に、得られた画像に対して実行されてもよいことを理解されたい。例えば、上述の照明条件下で撮影されたトレーディングカード画像のデータベースは、外部ソースから取得された後、フォイル検出方法を実施するソフトウェアを実行するコンピュータシステムによって処理されてもよい。他の実施形態では、以下でさらに記載するように、分析対象となるトレーディングカードの画像を撮影すると共に、フォイル検出方法を実施するソフトウェアを実行する統合コンピュータシステムもまた含んでいるカード仕分け装置が提供されてもよい。

本開示の一態様において、図２Ａ，図２Ｂ及び図２Ｃを参照すると、ステップ１０８では、点光源によって照明されたカードを示す第１の画像ファイルを取得する。元画像はデジタル画像ファイルに変換されてもよいが、画像取得デバイスがデジタルカメラである場合など、該画像は既にデジタル画像ファイルであってもよい。次に、ステップ１１０において、第１の画像ファイルは、該画像ファイルをＨＳＶ色空間へと変換することによって、分析のために準備される。これにより、各ピクセルには、ピクセルの色相、彩度及び明度を表す３つの整数値が割り当てられる。

図２Ａ及び図２Ｂに示されるステップ１０２，１０４，１０６，１０６ａ，１１２及び１１４は、本明細書に記載のフォイル検出方法を実施するために必須でない任意選択的なステップである。したがって、フォイル検出方法のいくつかの実施形態では、該方法は、ステップ１０８からステップ１１０へと進んだ後、ステップ１１６へと進んでもよく、その場合、変換された画像ファイルは、所定のフォイル閾値未満の明度整数値を有する任意のピクセルを除外するために、明度マスクを適用することによってマスキングされる。フォイルカードの画像の例を、図５Ａ及び図５Ｂに示し、非フォイルカードの例を、図５Ｃ及び図５Ｄに示す。図５Ａのフォイルカード画像において見られるように、点光源５２の反射５２ｃが明るいスポットとして現れており、主極大５６が画像の他の明るい部分として現れている。同じ照明条件下で撮影された非フォイルカードの画像である図５Ｃに見られるように、画像内には点光源の反射５２ｃ及びカード５８のいくつかの散乱したランダムな明るい領域のみが視認可能である。これらの明るいスポット又は部分は、図５Ａ～図５Ｄに示される反転画像内に暗いスポットとして現れることが理解されよう。それらの画像は、ここでは明確性のために反転画像として示されている。

変換された第１の画像ファイル内の明るさが強化された領域を形成しないピクセルを識別するために、所定のフォイル閾値が選択され得る。この明るさが強化された領域は、例えば、フォイルカードによって生じた主極大又はフォイルエッチング加工されたカードによって生じた明るい直接反射を含み得る。例えば、ＨＳＶ色空間では、各ピクセルの明度は、そのピクセルの相対的な明るさを示す。トレーディングカードの画像が撮影された照明条件では、カードが点光源によって照明されたため、ピクセルの明度（ピクセルの明るさを表す）の整数値が高くなる該画像内のピクセルのみが、主極大の一部、明るい直接反射、又は、場合によっては点光源の反射の一部を形成するそれらのピクセルになる。これは、画像の残りの部分が、記載の照明条件下において比較的暗くなるためである。フォイルカード及び非フォイルカードを示す変換された画像の例を、図５Ｂ及び図５Ｄにそれぞれ示す。図５Ｂ及び図５Ｄに示す変換画像の例では、明度閾値Ｖ_＿foilを超えた明度整数値を有するピクセル（換言すると、Ｖ_＿foilからＶ_＿maxまでの範囲内に入る明度整数値を有するピクセル。Ｖ_＿maxは、可能な最大の明度整数値を表す）のみが黒で描写され、残りのピクセルは、ステップ１１６にて実施されるマスキング操作において除外される。

図５Ｂ及び図５Ｄはまた、変換された画像を示している。ここで、点光源の反射５２ｃを示す明るいスポット（この明るいスポットは、全ての画像に現れることになるため、主極大の検出に関係しない）は、それらを本方法における以降の分析から除外するために、図５Ｂ及び図５Ｄの変換された画像からマスキングされている。このような任意選択的なステップは、例えば、方法１００のステップ１１４において行われる。フォイルカードを示す図５Ｂと非フォイルカードを示す図５Ｄとの比較において見られるように、明度閾値Ｖ_＿foilを超えたピクセルを表す黒色領域は、図５Ｂのフォイルカード画像では、図５Ｄの非フォイルカード画像と比較してはるかに大きい。したがって、ステップ１１６で実施されるマスキング操作は、いくつかの実施形態では、ピクセルの色相整数値及び彩度整数値を無視しつつ、ピクセルの明度整数値のみに基づいてピクセルをマスクし得る。しかしながら、当業者であれば、ステップ１１６で実施される第２のマスキング操作が、ピクセルの色相整数値及び／又は彩度整数値の選択された範囲に基づいてピクセルをマスクすることを任意選択的に伴っていてもよく、そのような方法が本開示に含まれることが意図されていることを理解するであろう。

ステップ１１８では、残りのピクセル（一実施形態では、それらのピクセル中の各ピクセルの高い整数値明度に基づいて、明るいピクセルとして識別される）を数えることにより、フォイルを含むカードと非フォイルカードとが区別され得る。ステップ１２０では、ステップ１１８で数えられた明るいピクセルの数が、高い整数値明度のピクセルにおける所定の閾値数と比較され、そのような所定の閾値数は、画像ファイルが主極大及び／又は明るい直接反射を含有することを示すように選択される。あるいは、この計算は、残りのピクセルの絶対数を計算するのではなく、画像ファイル内における考慮中の領域内におけるピクセルの総数と比較して、残りのピクセルの百分率を決定するために行われてもよい。

いくつかの実施形態では、ステップ１２０は、ステップ１１８にて決定された残りのピクセルの数を、高い整数値明度のピクセルの第１の閾値数及び第２の閾値数と比較することを含み得る。ここで、第１の閾値は、第２の閾値より大きい。残りのピクセルの数が第１の閾値以上である場合、そのカードはフォイルカードとして識別されるが、残りのピクセルの数が第１の閾値より小さいが第２の閾値より大きい場合、そのカードはフォイルエッチング加工されたカードとして識別される。第１及び第２の閾値は、変換された画像ファイルに表される明るさが強化された領域が、典型的には、フォイルカードの方がフォイルエッチング加工されたカードと比較して大きくなり得ることを認識することによって決定される。その理由は、フォイルカードの変換された画像の主極大によって生成される明るさが強化された領域が、フォイルエッチング加工されたカードの外面のフォイルエッチングの小さな領域によって生成される明るい直接反射によって生成される明るさが強化された領域を超えるためである。

いくつかの実施形態では、図２Ａ及び図２Ｂに見られるように、該方法は、任意選択的に、ステップ１０２にてカードの第２の画像ファイルを取得することを含み、このとき、第２の画像ファイル内のカードは、拡散光源によって照明される。拡散光源は、トレーディングカードの外面全体が拡散光源によって実質的に均一に照らされるトレーディングカードの画像を生成することになる。第２の画像ファイルは、任意選択的なステップ１０４では、輪郭検出のために準備され、続いて、ステップ１０６では、第２の画像ファイル内の照明されたカードの範囲及び境界を識別し、それによって輪郭データセットを生成するために、当業者にとって既知であるような輪郭検出アルゴリズムをトレーディングカードの第２の画像に適用することができる。本明細書で使用される用語「範囲」は、物理的なトレーディングカードの縁を示し、用語「境界」は、トレーディングカードの画像の他の直線形状を示し、例えば、図８Ｂに示すＭａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの裏面の画像に描写された境界４８を含む。

ステップ１０６ａでは、輪郭データセットを保存し、続いて、任意選択的なステップ１１２では、画像ファイルから第２のピクセル群を除外するために、輪郭データセットを第１の画像ファイルに適用し得る。ここで、第２のピクセル群は、画像ファイル内に描写された照明されたカードの範囲の外側に位置するピクセルを含む。したがって、ステップ１１２によって、フォイル検出方法の信頼性が向上し得る。輪郭検出アルゴリズムを利用することによって画像から周囲の背景を除去することが可能になり、それによって、画像に対して実施される分析が、トレーディングカード自体の一部である画像のそれらの部分に対してのみ実施されるようになり、画像が撮影された際にトレーディングカードが支持されていた外面等の周囲環境を描写する画像の部分に対しては実施されないためである。輪郭検出アルゴリズムの例には、以下に限定されることを意図しないが、当業者にとって既知であるようなＯｐｅｎＣＶ ｆｉｎｄＣｏｎｔｏｕｒｓメソッドが含まれる。

いくつかの実施形態では、第１の画像ファイルを分析のために準備するステップ１１０は、任意選択的には、画像ファイルの球面歪みを補正することも含んでいてもよく、そのような球面歪みは、画像がキャプチャされたレンズの曲率によって生じる。画像ファイルの球面歪みを補正することによって、フォイルカード検出方法の精度が向上し得る。画像ファイルは、球面歪みについて補正されると、暗いスポットとは対照的に明るいスポットを含有するカード外面のパーセンテージをより正確に表すようになり、それによって、フォイルカードの画像の主極大が占めるカード外面の割合を測定することにより、該方法の精度が向上するためである。有利には、拡散光源の下で撮影されたカードの第２の画像は、第２の画像をトレーディングカード画像のデータベースと比較することによるカードの同一性（identity）の自動検出等、他の識別方法及びカード仕分け方法にも使用され得る。

輪郭データセットを画像ファイルに適用することのさらなる用途は、任意選択的に、ステップ１１２にて、画像ファイル内に描写された照明されたカードの向きを識別し、例えばカードの向きを選択された向きに変えるために画像ファイルを回転させることによって、該カードの向きを修正することである。他の用途では、カードの向きを検出することは、複数のカードをそれらの向きによって仕分けるために有用であり得る。以下でさらに説明するように、カードの向きによってカードを仕分けすることが有用である理由の例には、様々な向きで混在する大量のカードを有している場合や、特定の仕分け方法が、全てのカードが同じ向きであるカードのセットの画像を撮影することに依存する場合が含まれる。トレーディングカードにおいては、考えられる４つの向きが存在し、例えば図８Ａ及び図８Ｂに示すように、カードの表面の北向き及び南向きと、同様にカードの裏面の北向きと南向きとが挙げられる。図８Ａ及び図８Ｂは、それぞれ、北向きであるカードの表面及び裏面を示す。

輪郭データを第２の画像ファイルに適用することは、有利には、例えばトレーディングカードセット内の全てのトレーディングカードに共通するトレーディングカードのレイアウトの知識を利用することによって、カードを種々異なる方向に仕分けするために使用され得る。例えば、以下に限定されることを意図しないが、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカードは、全て同様のレイアウトを有し、例えば図８Ａに示すように、カードの表面３０は、上部にタイトルボックス３２を含み、タイトルボックスの下にアートボックス３４を含み、アートボックスの直下にタイプ行ボックス３６を含み、タイプ行ボックスの下方にテキストボックス３８を含む。これにより、自動検出ソフトウェアは、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの表面のレイアウトの要素を解析し、その情報を使用して、例えば、タイプ行ボックスに対するアートボックス（これらはいずれも、全てのＭａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードにおいて実質的に不変の寸法及び位置を有している）の位置を検出することによって、カードの向きを識別して仕分けることができる。さらなる例として、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの裏面は、そのような全てのカードにわたって実質的に同一である。Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの裏面４０は、黒い外枠４２を含み、続いて、様式化されたフォントの単語「Ｍａｇｉｃ」４６の下方に５色の球体４４を備えた内側画像を含む。同様に、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの裏面の画像の分析は、レイアウトの違いによって、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの表面と容易に区別され、さらに、Ｍａｇｉｃカードの裏面の向きもまた、例えば、単語「Ｍａｇｉｃ」４６に対する５色の球体４４の相対的な向きを検出することによって、検出可能である。当業者であれば、所与の画像に描写されたトレーディングカードの向きを検出及び／又は修正するために、トレーディングカードのセット全体で同一である任意の数の特性が利用され得ることを理解するであろう。

カードの向きによってカードを仕分けるために輪郭データを有利に採用し得る第２の手段は、カードの外側限界（範囲）を定義する輪郭のみを考慮することを伴う。カードの範囲を定義した後、カードの範囲の外側の全てのピクセルを分析から割り引いて、分離したカード画像を既知の向きのトレーディングカード画像のデータベースと比較し得る。例えば、トレーディングカード画像のデータベースが北向きの画像を含有する場合、カード画像は、これらのデータベース画像のそれぞれと比較され得る。この比較から忠実度の高い一致が得られた場合、カード画像は北向きである可能性が高い。忠実度の高い一致結果が得られない場合、カード画像は１８０度回転され得ると共に、トレーディングカード画像のデータベースに対して２回目の比較が実行され得る。２回目の比較で忠実度の高い一致が得られた場合、カード画像は南向きである可能性が非常に高い。同じプロセスを繰り返して、カード画像を既知の向きにあるトレーディングカードの単一の裏の画像と比較し得る。該方法を使用することにより、カードの向きが、（カードの表面又は裏面のいずれかの）カード画像を既知の向きにあるカード画像のデータベースと比較することによって決定され得る。

フォイルエッチング加工されたカードの検出に関し、特定の照明条件下にて撮影されたフォイルエッチング加工されたカードを描写する画像ファイルの分析に基づいて、フォイルエッチング加工されたカードを自動的に検出するための少なくとも２つの可能な方法がある。上述のように、フォイルエッチング加工されたカードは、典型的には、カードの外面の小部分に接着されたフォイルの小片を含む。図９，１０Ａ及び１０Ｂを参照すると、単一の点光源からの光線が、カードの外面のフォイルエッチング部分５１の近傍の位置にてカードの外面５０ａから反射される場合、該光線は、カメラ５４の視野５４ａ内へと直接反射されることになる。得られた画像は、図１０Ａ及び図１０Ｂに見られるように、この直接反射５５を明るいスポットとして示すことになる。比較のために、図１０Ｃ及び図１０Ｄの画像内に描写されているカードの非フォイルバージョンは、明るいスポットが単一の点光源５２の反射５２ｃのみであることを示している。

したがって、上述のように、フォイルエッチング加工されたカードは、上述の照明条件下にて撮影された画像から識別することができ、このとき、カードは点光源５２の視野の外側に配置される。しかしながら、点光源の反射５２ｃがカードのフォイルエッチング部分の近傍に位置している場合、得られるフォイルエッチング加工されたカードの画像では、明るいスポットとして現れる直接反射のみが生じることになることを理解されたい。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、反射５２ｃがフォイルエッチング加工されたカードのフォイルエッチングされた部分の近傍に来る確率を高めるために、分析中のカードの種々異なる部分から反射５２ｃが反射されるように点光源をカードに対して移動させることが好ましい。いくつかの実施形態では、該方法は、第１の画像を取得して、該第１の画像からカードがフォイルカードであるかどうかを決定することを含み得る。カードがフォイルカードでない場合、該方法はその後、点光源反射５２ｃがカードの外面領域にわたって複数の位置にある、複数の画像を撮影することをさらに含み得る。このことは、例えば、静止したカードに対して点光源を移動することによって、又は、静止した点光源に対してカードを移動することによって達成され得る。

あるいは、該点光源は、点光源のアレイであってもよく、該アレイ内の各点光源は、互いに離間されており、それによって、カードの外面領域の相当な部分をカバーする、対応する点光源反射５２ｃのアレイを生成する。次に、点光源のアレイによって照明されたフォイルエッチング加工されたカードの単一の画像が、上述の方法に従って分析され得る。該方法は、任意選択的に、残りのピクセルがフォイルエッチング加工されたカードの直接の明るい反射であるかフォイルカードの主極大であるかを決定するために、明度閾値を超える明るいピクセルのみを考慮するよう、点光源反射５２ｃのアレイを画像ファイルからマスクすることを含んでいてもよい。

さらに別の照明配列は、ライン状又は一列に配置された複数の点光源である点光源を含み得る。このライン又は列は、カード外面の長さ又は幅に広がる、対応する点光源反射のライン又は列を生じる。カードの外面をスキャンするため、点光源反射の線がカードの外面を横断して移動する際において複数の画像を撮影する間に、カード又は点光源の線のいずれかを互いに対して移動させ得る。その後、カードがフォイルカード、フォイルエッチング加工されたカード、又は非フォイルカードであるかを識別するために、本開示の他の箇所に記載の方法を使用して、この一連の画像を分析し得る。

当業者であれば、上述のように点光源とカード外面とを相対的に移動させながら複数の画像を撮影することは、本明細書に記載の方法を使用して、ビデオを撮影すると共に得られたビデオ画像を分析することを含み得ることを理解するであろう。

図９を参照すると、フォイルエッチング加工されたカードが点光源５２によって照明され、カードが点光源の視野５２ａの外側に配置されている場合に、点光源からの光線５２ｄがフォイルエッチング加工されたカードのフォイル部分５１に当たると、光線５２ｄは、カメラ５４の視野５４ａから離れるように散乱され得る可能性がある。このことが起こると、カード５０のフォイルエッチング加工された部分５１は、カードの該部分から反射された光が画像キャプチャデバイス又はカメラ５４内へと反射されないため、画像には存在しないように見える。例えば、図１１Ａ及び図１１Ｂを参照すると、図１１Ａは、複数のフォイルエッチング部分５１を有するフォイルエッチング加工されたカード５０の画像であり、図１１Ｂは、図１１Ａに示された同じカードのフォイルエッチング加工されていないバージョンの画像であり、この画像は、フォイルを全く有さないカードのアートワークの特徴５３を有する。同じアートワークを共有する図１１Ａ及び１１Ｂ内のカードの画像を比較すると、図１１Ｂのフォイルエッチング加工されていないカード画像内では、アートワークの特徴５３（黄色の巻物）が視認可能であるが、図１１Ａのカード画像では、それらの同じアートワークの特徴のフォイルエッチング加工された部分５１（金色のフォイルエッチング）が、該画像からはあまり視認可能でないか、又は、完全に存在しないことが理解されよう。

したがって、いくつかの実施形態では、フォイルエッチング加工されたカードの画像生成において観察されるこの現象は、上述の照明条件下で撮影された図９に示すカードの画像を、拡散光により照明されたカードの画像を含有する既知のカード画像のデータベースと比較することによって、フォイルエッチング加工されたカードを非フォイルカードから区別するために使用され得る。また、あるアートワークの特徴が、既知のカード画像のデータベースと比較して分析中の画像ファイルから欠落している場合、分析中のカードは、フォイルエッチング加工されたカードであると識別され得る。

状態評価方法
本開示の別の態様では、状態グレードをカードに割り当てる方法が提供される。上述のように、トレーディングカード業界では、トレーディングカードの価値は、カードの特性についての情報に基づいており、その特性の１つが、カードの状態である。カードの状態をグレーディングするために、種々異なるグレード尺度及び方法が使用され得る。しかしながら、説明の目的であって限定を意図しないが、トレーディングカードの状態グレードには、カードの相対的な状態を示す３つ又は４つのグレードが含まれることがある。例えば、カードの状態は、ミント又はニアミント状態としてグレーディングされることがあり、これは、カードに損傷や磨耗損耗が全くないことを意味する。ミント又はニアミント状態は、カードの状態としてあり得る最良の可能な状態である。他の状態グレードには、スライトリープレイド状態及びヘビープレイド状態が含まれることがあり、スライトリープレイド状態は、カードが軽くプレイされており、最小限の摩滅しか受けていないことを示す。一方、ヘビープレイドとしてグレーディングされたカードは、カードが長期間にわたって使用されたことによって、より大きな摩滅及び損傷を受けていることを示す。３つより少ない又は多いレベル又はグレードを含む他のグレーディング尺度もまた存在しており、それらのグレーディング尺度は、本明細書に記載の自動化された状態グレーディング方法において利用することができる。

当業者にとって理解されるように、カードに状態グレードを割り当てることには、ある程度の主観が入る。しかしながら、出願人は、カードのデジタル画像を分析する方法があり、それによって状態グレードを割り当てるための客観的な基準がカードに対して適用され得ることを見出した。該方法は、カードの状態についての決定的なグレーディングを提供しないかもしれないが、有利には、該方法は、状態のグレーディングをカードに自動的に割り当てる比較的迅速かつ単純化された方法を提供し、それによって、大量のカードのおおよその状態グレードに従った比較的迅速な仕分けが可能になる。さらに有利には、該方法は、従来技術において既知である他の方法にて説明されているように、カードの外面全体の分析を試みるのではなく、カードの均一な部分に注目することに基づいている。

本開示の一実施形態では、自動化された状態グレーディング２００の方法は、拡散照明条件下にて撮影されたトレーディングカードの画像のデジタル画像ファイルを取得することを含む。一例を図６Ａ～図６Ｌに示す。ここで、図６Ａ～図６Ｆには、ニアミント状態のカードが示されており、図６Ｇ～図６Ｌには、ヘビープレイドカードが示されている。画像ファイルは、トレーディングカードを仕分け及び識別する目的で専用の装置によって生成されてもよく、あるいは、画像ファイルは、データベース又は他のソースから取得されてもよい。画像ファイルは、トレーディングカードの外面の少なくとも一部の画像を含む。一態様では、画像は、トレーディングカードの背面又は裏面の画像であることが好ましく、それにより、裏面の画像は、トレーディングカードのセット内における全てのトレーディングカード間で一貫している。例えば、「Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMトレーディングカードシリーズでは、全てのトレーディングカードの裏面の画像は、図６Ａ，図６Ｇ，図６Ｍ及び図８Ｂに示すように、無地の黒い外枠と、該黒い外枠に囲まれた、一群の５色の球体の上方に様式化された字体の単語「Ｍａｇｉｃ」を含む画像とにより構成されている。

一態様では、該方法は、無地の黒の外枠を含まない画像の部分をマスクするか、あるいは除去するステップを含む。換言すれば、該方法は、カードの裏面における無地の外枠のみを分析することによって機能する。いくつかの実施形態では、図６Ｂ及び図６Ｈのマスキングされていない領域によって示されるように、無地の外枠の一部のみが分析され得る。例えばＰｏｋｅｍｏｎ^TMトレーディングカード等の他のトレーディングカードシリーズもまた、Ｐｏｋｅｍｏｎ^TMカードシリーズの全ての裏面の画像で一貫した単色の外枠を有し得る。しかしながら、当業者であれば、分析されるカード画像の特性は、必ずしも無地の外枠に限定されないことが理解されるであろう。例えば、トレーディングカードシリーズの全ての外面に共通する別の無地の特性又は任意の他の特性が、ここに記載した状態グレーディング方法で分析されることになる特性を提供してもよい。

図３Ａ及び図３Ｂを参照すると、状態評価方法の実施形態は、ステップ２０２において、外枠４２の少なくとも一部が視認可能である、トレーディングカードの裏面等のカードを描写する画像ファイルを取得することを含む。任意選択的なステップ２０６では、カードの外側限界及びカードの無地の外枠を定義するために、画像をグレースケールに変換して輪郭検出のために準備する。任意選択的なステップであるステップ２０８では、画像の境界に対するカード範囲の位置を決定するために、準備された画像に対して輪郭検出を適用し得る。いくつかの実施形態では、画像ファイルに適用される輪郭検出ルーチンは、ＯｐｅｎＣＶ ｆｉｎｄＣｏｎｔｏｕｒｓメソッドを含むことができるが、当業者であれば、他の方法又はアルゴリズムもまた、輪郭検出のために使用してもよく、本開示の範囲に含まれることが意図されていることを理解するであろう。任意選択的なステップ２０８ａでは、輪郭検出ルーチンから生成された輪郭データを保存する。

次のステップでは、２１０において、画像をＨＳＶ色空間に変換することにより、（任意選択的に）補正された画像を分析のために準備する。ステップ２１０はまた、画像の球面歪みを補正することを含み得るが、本開示の他の箇所に記載のフォイル検出方法のように、本明細書で説明される状態評価方法を実行するために、球面歪み補正を必ずしも実施しなくてもよい。

ステップ２１２では、任意選択的に、画像の分析のために考慮中の領域を、カードの無地の外枠内に存在するそれらのピクセルのみに縮小するために、保存された輪郭データを使用する。有利には、これによって画像ファイルの無関係な部分が除外されることにより分析が簡略化されることになり、この無関係な部分には、画像が撮影されたときにトレーディングカードが配置されたプラットフォーム又は外面等の、画像内に描写された任意の周囲環境が含まれる。しかしながら、ステップ２１２は任意選択的なものであり、当業者であれば、画像ファイルの無関係な部分を除外することなく画像ファイルを分析し得ることを理解するであろう。もう１つの任意選択的なステップ（図示しない）としては、さらなる分析のために、カードの無地の外枠領域のみを含めるように画像ファイル内の画像をトリミングすることが挙げられる。

ステップ２１４では、第１のマスキング操作が画像ファイルに適用され、それによって、カードの裏面の無地の外枠６０等の無地の均一な着色を含有することが知られているカードの領域のみが、分析のために考慮されるようになる。このようなマスキングは、例えば、カードの縁（範囲）とカードのベースの内面との間の定義された距離の外側にある全てのピクセルを除外することを含み得る。例えば、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードでは、カードの裏面にある無地の外枠は、典型的にはカードの範囲から内方に０．５ｃｍに及び、カードの範囲全体を囲んでいる。したがって、この場合、マスキングは、カードの範囲を囲む０．５ｃｍの外枠４２の外側に及ぶ全てのピクセルに対してマスク６１を適用することを含み得る。他の実施形態では、図６Ｂ，図６Ｅ，図６Ｈ及び図６Ｋにおけるマスキングされていない外枠６５の部分等、無地の外枠の一部のみが分析において考慮されてもよい。

ステップ２１６では、第２のマスキング操作が適用され、ここでは、明度整数値が所定の範囲外にあるピクセルを除外するために、明度マスクが適用される。所定の明度の範囲は、例えば、ピクセルについてより低い明度閾値と最大の到達可能な整数値２５５との間の明度整数値を有するピクセルの範囲であり得る。第２のマスキング操作２１６が適用された後に生成された画像の例を、図６Ｃ，図６Ｆ，図６Ｉ及び図６Ｌに示す。図６Ｃ及び図６Ｉは、それぞれ、ニアミントカード及びヘビープレイドカードの元画像に適用された第２のマスキング操作の結果を示し、図６Ｆ及び図６Ｌは、第２のマスキング操作の結果をより明確に視認可能とするために、図６Ｃ及び図６Ｉの反転画像を示す。図６Ｆ，図６Ｌ及び図６Ｒに示す反転画像は、本明細書に記載の方法を実行するにあたって必須ではなく、例示の目的で本開示に含まれているに過ぎないことが理解されるであろう。

明度閾値は、明度閾値未満の全てのピクセルを除外するように選択され得る。損傷を受けていない外枠の一部であるピクセルは、所定の明度範囲内に収まるピクセルよりも暗いため、そのような明度閾値未満のピクセルは、損傷を受けていない外枠の一部であるピクセルを示している。無地の外枠は、典型的には黒又は紺等の暗い色として認識されるため、その暗い明度の範囲外にあるピクセルは、損傷した外枠の一部を形成するピクセルを示す。例えば、暗い色の外枠におけるプレイを通じて摩耗した部分を示す損傷には、以下に限定されないが、カードの引っかき傷、欠け、擦り傷が含まれる。ニアミントカード及びヘビープレイドカードのそれぞれに対する第２のマスキング操作の結果の反転画像を示す図６Ｆ及び図６Ｌに最もよく見られるように、図６Ｆのニアミントカードの損傷部分６２はほとんど視認可能でないのに対し、図６Ｌに示すヘビープレイドカードの損傷部分６２は顕著であり、複数のスポット及び縦線として現れている。

ステップ２１６において第２のマスキング操作を適用した後、該方法はステップ２１８へと進み、ここでは、残りのピクセルを数えることによって考慮中の残りのピクセルの数を決定し、続いて、その数を複数のグレーディング閾値と比較して、そのカードの状態グレードを割り当てる。例えば、図３Ｂに示すルーチンでは、ステップ２２０において、ミント又はニアミント状態の閾値を示すために、第１の閾値が選択され得る。例示的な一例として、限定を意図しないが、残りのピクセルの相対的な数が考慮中のピクセルの総数の０．５％未満である場合、無地の外枠よりも明るいピクセルの割合が低いため、外枠は比較的損傷を受けていないことを示す。したがって、ミント又はニアミント閾値が０．５％に設定された場合、該方法は、ステップ２１８にて、残りのピクセルの数がミント又はニアミント閾値を超えているかどうかを問い合わせる。残りのピクセルの数が閾値を超えていない場合、ステップ２２２にて、そのカードにはミント又はニアミント状態の状態グレードが割り当てられる。

しかしながら、残りのピクセルの数が、この例示的な一例では０．５％に設定されているミント又はニアミント閾値を超えている場合、ステップ２２４にて、該方法は、画像がスライトリープレイド閾値よりも多くのピクセルを含むかどうかを問い合わせる。例えば、限定を意図しないが、スライトリープレイド閾値は、残りのピクセルの数が考慮中のピクセルの総数に対して３％として選択され得る。残りのピクセルの数が３％の閾値を超えていない場合、ステップ２２６にて、そのカードにはスライトリープレイド状態グレードが割り当てられる。しかし、残りのピクセルの数が、例えば３％に設定されたスライトリープレイド閾値を超えている場合、該方法はステップ２２８に進み、この場合、そのカードにはヘビープレイド状態グレードが割り当てられる。

上述の閾値及び状態グレードの例は、例示のみを目的として提供されており、限定を意図しないことを当業者は理解するであろう。例えば、閾値の設定は、多くの要因に依存することになり、そのような要因としては、分析中のカードの領域のサイズ、分析中のカードの領域の任意の一部がローラー等の画像内の他のオブジェクトによって隠されているかどうか、及び、カードの状態をグレーディングするために使用される状態グレードの数が含まれる。さらに、当業者であれば、該方法によって、３つより多い又は少ない状態グレードを決定され得ることを理解するであろう。

さらに、本明細書に記載の状態グレーディング方法は、Ｍａｇｉｃ：Ｔｈｅ Ｇａｔｈｅｒｉｎｇ^TMカードの状態をグレーディングするための上記の無地の外枠の例のように、所与のカードセットの全てのカードにわたって均一な特性の一部のみに適用され得ることが理解されるであろう。例えば、図６Ｍ～図６Ｒに示すように、本明細書に記載の状態グレーディング方法は、カードの無地の外枠の特性の一部が一対のローラー３０８，３０８によって隠されているカードの画像（図６Ｍを参照）に適用され得る。図６Ｎでは、第１のマスキング操作が適用された後、ローラー３０８が外枠４２の一部を隠している。このような場合、図６Ｏに示すように、ローラー３０８，３０８を含む画像のピクセルを除去するようにマスク６３を適用するため、さらなる第３のマスキング操作を適用してもよい。次に、図６Ｐに示すようにローラー３０８，３０８によって隠されていない外枠６５の部分のみが残るよう、第１及び第３のマスキング操作の結果を組み合わせる。その後、外枠６５のこれらの部分に第２のマスキング操作を適用し、ここでは、明度整数値が所定の範囲外にあるピクセルを除外するように明度マスクを適用する。この第２のマスキング操作の結果を図６Ｑ及び図６Ｒに示す。図６Ｒは、図６Ｑの画像の反転されたバージョンであり、点及び線で示されるカードの損傷部分６２は、図６Ｒの反転された画像において最も明確に視認可能である。

本開示はデジタル画像ファイルのＨＳＶ色空間への変換について論じているが、フォイル検出方法１００のステップ１１０又はカードグレーディング方法２００のステップ２１０にて上述したように、ＨＳＶ色空間の使用は、本明細書では例示的な一例として提供されており、当業者であれば、本明細書に記載の方法がＨＳＶ色空間の使用に限定されないことを理解するであろう。例えば、本明細書に開示の方法では、デジタル画像ファイルをＨＳＶ色空間以外の色空間へと変換した後、得られた各ピクセルの色空間特性を、カードの損傷及び／又はフォイルカードの存在を検出するために使用することが可能であり、このことが本開示の範囲に含まれることが理解されよう。他の色空間には、以下に限定されないが、任意の円柱色モデルが含まれる。本明細書で説明するＨＳＶ色空間は、色相、彩度、明度（Brightness）（「ＨＳＢ」）色空間、色相、彩度、輝度（Lightness）（「ＨＳＬ」）色空間、及び、色相、彩度、輝度（Intensity）（「ＨＳＩ」）色空間としても知られている。

カード仕分け装置
本開示の別の態様では、カード仕分け装置３００が提供される。図１，図７Ａ及び図７Ｂを参照すると、カード仕分け装置３００は筐体３０２を含み、筐体３０２は、カード仕分け装置３００内の照明条件を拡散照明条件又は点光源条件が必要かどうかに応じて正確に制御できるように、全ての外部光源が筐体を貫通しないように構築されることが好ましい。筐体３０２内には、プラットフォーム３０４が支持されている。プラットフォーム３０４は、ガラス等の透明な材料で構成されることが好ましい。プラットフォーム３０４は、画像キャプチャデバイス３０６によってキャプチャされるトレーディングカードを支持するように適合されている。画像キャプチャデバイス３０６には、例えば、デジタルカメラ、又は、トレーディングカードの画像を撮影するのに適した任意の他のデバイスが含まれ得る。好ましい実施形態では、カード仕分け装置３００は、プラットフォーム３０４の上方に配置された上側カメラ３０６ａと、プラットフォーム３０４の下方に配置された、トレーディングカードがプラットフォーム３０４上にある際にトレーディングカードの反対側をキャプチャするための下側カメラ３０６ｂとを含み得る。有利には、カード仕分け装置のこの構成によって、カードの上面及び下面の画像を同時に撮影することが可能になる。

トレーディングカードの明確な画像を取得するために、画像を撮影する際にカードがプラットフォーム３０４上で完全に平らであることを確実にすることが重要である。このことは、フォイルカードに関しては特に困難である可能性がある。フォイルカードは、通常、湿度がカードの様々な層にどのように影響するかに起因して、一方向に反るためである。例えば、カードのカード紙料層と比較して、フォイル層は、種々異なる湿度条件において、種々異なる速度で膨張又は収縮する可能性があり、それによってカードが反る原因となる。したがって、カード分類装置３００のいくつかの実施形態では、有利には、プラットフォームの近傍に配置された複数のローラー３０８が提供され、これらのローラー３０８は、プラットフォーム３０４に対してトレーディングカードをプレスし、それによって、画像が撮影される際にカードをプラットフォーム３０４に対して平らにするように構成されている。有利には、トレーディングカードが覆い隠されないようにトレーディングカードの画像全体に対して分析を実行することが重要である本明細書に記載の方法においては、ローラー３０８はプラットフォーム３０４の反対側に配置されているため、下側カメラ３０６ｂがトレーディングカードの覆い隠されていない外面の画像を撮影し得る。さらに、トレーディングカードの覆い隠されていない画像を必要としない方法、例えば、本明細書に記載の状態グレーディング方法の場合、上側カメラ３０６ａによって画像が撮影される際に一対のローラー３０８がトレーディングカード外面の一部を覆い隠しても問題にならない。したがって、カード仕分け装置３００は、本明細書で説明する２つ以上の方法を同時に実行するために利用され得る。

有利には、本開示のいくつかの態様では、トレーディングカードがプラットフォーム３０４上にある際に照明するため、光源もまた筐体３０２内で支持され得る。例えば、拡散光源３１０は、光源と、一連の拡散パネル３１０ａとを含むことができる。点光源３１２もまた設けられてもよく、例えば図９の概略図に示すように、カード外面が点光源の視野の外側となるように配置される。

本開示の一実施形態では、有利には、カード仕分け装置３００は、搬送システム及びカードホッパをさらに含む。例えば、カードホッパ３１６は、複数のトレーディングカードを受けるように構成されている。任意選択的には、図７Ｂに示すように、カードホッパ３１６に容量を追加するため、カードホッパ拡張部３３０がカードホッパ３１６の入口に取り付けられ得る。駆動ローラー３１８のセットは、ホッパ３１６の床３１６ｂを通過するように配置され、駆動ローラー３１８は、狭いスロット３１６ａを通して一度に１枚のトレーディングカードを動かし、この狭いスロット３１６ａを通ってトレーディングカードが第２の駆動ローラー３２０へと送られるように構成されている。ローラー３２０は、トレーディングカードを一度に１枚ずつプラットフォーム３０４へと搬送し、続いて、例えばカメラ３０６ａ，３０６ｂによってトレーディングカードの１つ又は複数の画像が取り込まれた後に、ローラー３０８は、トレーディングカードを第３セットの駆動ローラー３２２に向かって、続いて出口スロット３１４を通過するように搬送する。出口スロット３１４は、収集物入れ（図示しない）へと通じていてもよく、任意選択的には、当業者にとって既知であるように、出口スロット３１４は、図７Ａ及び図７Ｂに示すような仕分けデッキ３４０へと通じていてもよい。仕分けデッキ３４０は、カードを特定のカテゴリへとさらに仕分けるために利用されてもよく、例えば、以下に限定されないが、仕分けデッキは、トレーディングカードをフォイルの山と非フォイルの山とに仕分けることができる。別の例として、限定を意図しないが、仕分けデッキは、各カードに割り当てられた状態グレード、カードタイプ、カード価格、カードの向き等を示す２つ以上の山にカードを仕分けることができる。当業者であれば、仕分けデッキは、トレーディングカードの様々な特性に従ってトレーディングカードを仕分けるために使用することができ、本明細書の例は限定を意図しないものであることを理解するであろう。

Claims (38)

1. フォイルを含むカードを識別する方法であって、
   ａ．カードを描写する第１の画像ファイルを取得するステップであって、前記カードは点光源によって照明され、前記カードは前記点光源の視野の外側に配置されている、ステップと、
   ｂ．前記画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、
   ｃ．第１のピクセル群を分析から除外するために、変換された前記画像ファイルに明度マスクを適用するステップであって、前記第１のピクセル群における各ピクセルは、所定のフォイル閾値明度より小さい整数値を有し、前記フォイル閾値明度は、前記画像ファイルの明るさが強化された領域を形成しない前記第１のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、
   ｄ．残りのピクセルの数を決定すると共に、前記残りのピクセルの数を、残りのピクセルについての所定の第１の閾値数と比較するステップであって、前記残りのピクセルの数が前記残りのピクセルについての前記第１の閾値数を超える場合、前記カードがフォイルを含むカードとして識別される、ステップと
   を含む、方法。
2. 前記カードの第２の画像ファイルを取得するステップであって、前記カードは拡散光源によって照明される、ステップと、
   前記第２の画像ファイル内の前記カードの範囲を識別し、それによって輪郭データセットを生成するために、前記第２の画像ファイルに輪郭検出を適用するステップと、
   前記第１の画像ファイル内に描写された前記カードの前記範囲の外側に位置するピクセルを含む第２のピクセル群を分析から除外するために、前記第１の画像ファイルに前記輪郭データセットを適用するステップと
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記第１及び第２の画像ファイルの球面歪みを補正するステップをさらに含む、請求項２に記載の方法。
4. 前記第２の画像ファイルに描写された前記カードの向きを識別するために、前記第２の画像ファイルに前記輪郭データセットを適用するステップと、
   前記第１及び第２の画像ファイルに描写された前記カードを選択された向きに再配向するために、前記第１及び第２の画像ファイルを回転させることによって、前記第１及び第２の画像ファイルの前記向きを前記選択された向きに修正するステップと、
   をさらに含む、請求項２に記載の方法。
5. 第３のピクセル群を除外するために、前記画像ファイルに光源マスクを適用するステップであって、前記第３のピクセル群の各ピクセルが、前記点光源の反射を形成する、ステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
6. 第３のピクセル群を除外するために、前記画像ファイルに光源マスクを適用するステップであって、前記第３のピクセル群の各ピクセルが、所定の光源閾値を超える整数値を有し、前記光源閾値は、前記点光源の反射を形成する前記第３のピクセル群の各ピクセルを識別するために選択される、ステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
7. 前記点光源は、単一の点光源及び点光源のアレイを含み、前記点光源のそれぞれは、前記アレイ内において互いに離間されており、前記アレイは、前記カードの実質的に全ての外面領域にわたって反射され、
   前記カードを描写する前記第１の画像ファイルを取得する前記ステップは、前記カードが前記単一の点光源によって照明される前記第１の画像ファイルを取得するステップと、前記カードが前記点光源のアレイによって照明された前記カードを描写する第２の画像ファイルを取得するステップとを含み、
   請求項１に記載の方法のステップｂ，ｃ及びｄが、前記第１及び第２の画像ファイルのそれぞれに対して実行され、
   前記第１の画像ファイルが、主極大である明るさが強化された領域を含む場合、前記カードがフォイルカードとして識別され、
   前記第２の画像ファイルが１つ又は複数の明るい直接反射である明るさが強化された領域を含む場合、前記カードは、フォイルエッチング加工されたカードとして識別される、
   請求項１に記載の方法。
8. 残りのピクセルの数を決定すると共に、前記残りのピクセルの数を前記所定の第１の閾値数と比較する前記ステップは、前記残りのピクセルの数を所定の第２の閾値と比較するステップであって、前記第１の閾値は前記第２の閾値より大きく、前記第１の画像ファイルにおける前記残りのピクセルの数が、残りのピクセルについての前記第１の閾値数を超える場合、前記カードはフォイルカードとして識別され、前記第２の画像ファイルにおける前記残りのピクセルの数が、前記第１の閾値より小さいが第２の閾値を超える場合、前記カードはフォイルエッチング加工されたカードとして識別される、ステップを含む、請求項７に記載の方法。
9. 前記第１のピクセル群を除外するために前記明度マスクを適用する前記ステップは、少なくとも１つの第２のマスクを適用するステップであって、前記少なくとも１つの第２のマスクは、色相マスク、彩度マスクを含む群から選択される、ステップを含み、
   前記色相マスク及び前記彩度マスクのいずれか１つの所定の閾値明度は、明るさが強化された領域の一部を形成しないピクセルを識別するために選択される、
   請求項１に記載の方法。
10. 請求項１に記載の方法を実行するための装置であって、前記装置は、
    撮像チャンバであって、外部光源からの光が前記撮像チャンバに入ることを実質的に排除する前記撮像チャンバと、
    前記カードを支持するために前記撮像チャンバ内に配置されたプラットフォームと、
    前記プラットフォームが前記点光源の前記視野の外側に配置されるように、前記撮像チャンバ内に配置された前記点光源と、
    前記第１の画像ファイルを生成するために、前記カードの画像をキャプチャするための画像キャプチャデバイスと、
    を含む、装置。
11. 前記点光源は、単一の点光源及び点光源のアレイを含み、前記点光源のそれぞれは、前記アレイ内において互いに離間されており、前記点光源のアレイは、前記カードの実質的に全ての外面領域にわたって反射される、請求項１０に記載の装置。
12. 前記点光源は単一の点光源であり、前記単一の前記点光源又は前記カードは、モバイル走査ステージに取り付けられており、前記モバイル走査ステージは、アクチュエータによって、前記カードの実質的に全ての外面領域にわたって前記点光源の反射を並進させるよう、前記単一の点光源又は前記カードを互いに対して並進させるように作動され、
    前記画像キャプチャデバイスによって生成された前記第１の画像ファイルは、複数の第１の画像ファイルを含み、前記複数の第１の画像ファイルにおける各第１の画像ファイルは、前記カードの前記外面領域の複数の異なる位置にて前記点光源によって照明された前記カードを描写しており、
    前記明るさが強化された領域は、前記カードがエッチング加工されたフォイルカードであることを識別する明るい直接反射、前記カードがフォイルカードであることを識別する主要な最大反射、を含む群から選択される、
    請求項１０に記載の装置。
13. 前記単一の点光源は、互いに離間された単一の点光源のラインである、請求項１２に記載の装置。
14. 搬送システム及びカードホッパをさらに含み、前記搬送システムは、複数のカードを一度に１枚ずつ、前記カードホッパから前記プラットフォームへと搬送する、請求項１０に記載の装置。
15. 前記搬送システムは、さらに、前記複数のカードを一度に１枚ずつ、前記プラットフォームから仕分けデッキへと搬送し、
    前記複数のカードは、前記仕分けデッキにて各カードの少なくとも１つの特性に従って分類され得、前記特性は、各カードの前記第１及び第２の画像ファイルの分析によって識別される、
    請求項１４に記載の装置。
16. 前記少なくとも１つの特性は、カードの種類、カードの向き、カードが含むフォイル、カードの価格、状態グレードを含む群から選択される、請求項１５に記載の装置。
17. 前記プラットフォームは、透明な材料を含み、前記画像キャプチャデバイスは、前記プラットフォームの上方に配置された第１のカメラと、前記プラットフォームの下方に配置された第２のカメラとを含み、前記第１のカメラは、前記カードの第１の面における第１の画像を撮影するように配置され、前記第２のカメラは、前記カードの第２の面における第２の画像を撮影するように配置されている、請求項１０に記載の装置。
18. カードに状態グレードを割り当てる方法であって、前記方法は、
    ａ．拡散照明されたカードを描写する画像ファイルを取得するステップであって、前記画像ファイルは、前記カードの範囲の少なくとも一部を描写する、ステップと、
    ｂ．前記画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、
    ｃ．変換された前記画像ファイルの均一部分を分離するために、変換された前記画像ファイルの不均一部分を分析から除去するステップと、
    ｄ．画像ファイルの均一部分における第１のピクセル群を分析から除外するために、変換された前記画像ファイルに明度マスクを適用するステップであって、前記第１のピクセル群における各ピクセルは、所定の閾値より小さい整数値を有し、前記閾値は、損傷を受けていないカード部分を表す前記第１のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、
    ｅ．残りのピクセルの数を決定すると共に、前記カードの状態グレードを割り当てるために、前記残りのピクセルの数を複数のグレード閾値と比較するステップと、
    を含む、方法。
19. 前記画像ファイル内における前記カードの前記範囲の前記少なくとも一部を識別し、それによって前記範囲を輪郭描写する輪郭データセットを生成するために、前記画像ファイルに輪郭検出を適用するステップと、
    前記画像ファイルを外枠ピクセル群へと縮小するために、前記輪郭データセットを前記画像ファイルに適用するステップであって、前記外枠ピクセル群は、前記カードの前記範囲の近傍に位置する、ステップと
    をさらに含む、請求項１８に記載の方法。
20. 前記画像ファイルの球面歪みを補正するステップをさらに含む、請求項１９に記載の方法。
21. 前記外枠ピクセル群は、前記カードがミント状態の標本である場合、隣接する複数のピクセルと比較して実質的に均一なＨＳＶ特性を有する複数のピクセルにより構成される前記カードの領域として定義される、請求項２０に記載の方法。
22. 前記画像ファイルは、前記カードの裏面の画像からなり、前記カードは、カードのセットに属しており、前記カードのセット内における各カードの前記裏面は、実質的に同一の画像を含む、請求項１９に記載の方法。
23. 前記第１のピクセル群を除外するために前記明度マスクを適用する前記ステップは、少なくとも１つの第２のマスクを適用するステップであって、前記少なくとも１つの第２のマスクは、色相マスク、彩度マスクを含む群から選択される、ステップを含み、
    前記色相マスク及び前記彩度マスクのいずれか１つの所定の閾値明度は、前記画像ファイルの前記均一部分を形成するピクセルを識別するために選択される、
    請求項１８に記載の方法。
24. 前記複数のグレード閾値は、少なくともニアミント閾値及びスライトリープレイド閾値を含み、
    前記残りのピクセルの数が前記ニアミント閾値以下である場合、前記カードにはニアミント状態グレードが割り当てられ、
    前記残りのピクセルの数が前記ニアミント閾値を超え前記スライトリープレイド閾値以下である場合、前記カードにはスライトリープレイド状態グレードが割り当てられ、
    前記残りのピクセルの数が前記スライトリープレイド閾値を超える場合、前記カードにはヘビープレイド状態グレードが割り当てられる、
    請求項１８に記載の方法。
25. 請求項１８に記載の方法を実行するための装置であって、
    前記装置は、
    撮像チャンバであって、外部光源からの光が前記撮像チャンバに入ることを実質的に排除する前記撮像チャンバと、
    前記カードを支持するために前記撮像チャンバ内に配置されたプラットフォームと、
    前記カードを照明するように前記撮像チャンバ内に配置された拡散光源と、
    前記画像ファイルを生成するために、前記カードの画像を撮影するための画像キャプチャデバイスと、
    を含む、装置。
26. トレーディングカードの特性を識別する方法であって、
    ａ．カードを描写する第１の画像ファイルを取得するステップであって、前記カードは点光源によって照明され、前記カードは前記点光源の視野の外側に配置されている、ステップと、
    ｂ．前記第１の画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、
    ｃ．第１のピクセル群を分析から除外するために、変換された前記第１の画像ファイルに第１の明度マスクを適用するステップであって、前記第１のピクセル群における各ピクセルは、所定のフォイル閾値明度より小さい整数値を有し、前記フォイル閾値明度は、前記第１の画像ファイルの明るさが強化された領域を形成しない前記第１のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、
    ｄ．第１の残りのピクセルの数を決定すると共に、前記第１の残りのピクセルの数を、残りのピクセルについての所定のフォイル閾値数と比較するステップであって、前記第１の残りのピクセルの数が前記残りのピクセルについての前記閾値数を超える場合、前記カードがフォイルを含むカードとして識別される、ステップと、
    ｅ．第２の画像ファイルを取得するステップであって、前記第２の画像ファイルは、前記カードの範囲の少なくとも一部を描写する、ステップと、
    ｆ．前記第２の画像ファイルを、色相、彩度、明度（「ＨＳＶ」）色空間へと変換するステップと、
    ｇ．変換された前記画像ファイルの均一部分を分離するために、変換された前記画像ファイルの不均一部分を分析から除去するステップと、
    ｈ．画像ファイルの均一部分における第２のピクセル群を分析から除外するために、変換された前記画像ファイルの分離された前記均一部分に第２の明度マスクを適用するステップであって、前記第２のピクセル群における各ピクセルは、所定の状態閾値より小さい整数値を有し、前記状態閾値は、損傷を受けていないカード部分を表す前記第２のピクセル群を識別するように選択される、ステップと、
    ｉ．第２の残りのピクセルの数を決定すると共に、前記カードの状態グレードを割り当てるために、前記第２の残りのピクセルの数を複数のグレード閾値と比較するステップと
    を含む、方法。
27. 前記第２の画像ファイル内の前記カードの範囲を識別し、それによって輪郭データセットを生成するために、前記第２の画像ファイルに輪郭検出を適用するステップと、
    前記第２の画像ファイル内に描写された前記カードの前記範囲の外側に位置するピクセルを含む第３のピクセル群を分析から除外するために、前記第２の画像ファイルに前記輪郭データセットを適用するステップと
    をさらに含む、請求項２６に記載の方法。
28. 前記第１及び第２の画像ファイルの球面歪みを補正するステップをさらに含む、請求項２６に記載の方法。
29. 前記第１の画像ファイルに描写された前記カードの向きを識別するために、前記第２の画像ファイルに前記輪郭データセットを適用するステップと、
    前記第１及び第２の画像ファイルに描写された前記カードを選択された向きに再配向するために、前記第１及び第２の画像ファイルを回転させることによって、前記第１及び第２の画像ファイルの向きを選択された向きに修正するステップと、
    をさらに含む、請求項２７に記載の方法。
30. 第３のピクセル群を除外するために、前記第１の画像ファイルに光源マスクを適用するステップであって、前記第３のピクセル群の各ピクセルが、前記点光源の反射を形成する、ステップをさらに含む、請求項２６に記載の方法。
31. 第３のピクセル群を除外するために、前記画像ファイルに光源マスクを適用するステップであって、前記第３のピクセル群の各ピクセルが、所定の光源閾値を超える整数値を有し、前記光源閾値は、前記点光源の反射を形成する前記第３のピクセル群の各ピクセルを識別するために選択される、ステップをさらに含む、請求項２６に記載の方法。
32. 前記第１のピクセル群を除外するために明度マスクを適用する前記ステップは、少なくとも１つの第２のマスクを適用するステップであって、前記少なくとも１つの第２のマスクは、色相マスク、彩度マスクを含む群から選択される、ステップを含み、
    前記色相マスク及び前記彩度マスクのいずれか１つの所定の閾値明度は、明るさが強化された領域の一部を形成しないピクセルを識別するために選択される、
    請求項２６に記載の方法。
33. 前記第２の画像ファイル内における前記カードの前記範囲の前記少なくとも一部を識別し、それによって前記範囲を輪郭描写する輪郭データセットを生成するために、前記第２の画像ファイルに輪郭検出を適用するステップと、
    前記第２の画像ファイルを外枠ピクセル群へと縮小するために、前記輪郭データセットを前記第２の画像ファイルに適用するステップであって、前記外枠ピクセル群は、前記カードの前記範囲の近傍に位置する、ステップと
    をさらに含む、請求項２６に記載の方法。
34. 前記外枠ピクセル群は、前記カードがニアミント状態の標本である場合、隣接する複数のピクセルと比較して実質的に均一なＨＳＶ特性を有する複数のピクセルにより構成される前記カードの領域として定義される、請求項３３に記載の方法。
35. 前記第２の画像ファイルは、前記カードの裏面の画像からなり、カードのセット内における各カードの前記裏面は、実質的に同一の画像を含む、請求項２６に記載の方法。
36. 前記複数のグレード閾値は、少なくともニアミント閾値及びスライトリープレイド閾値を含み、
    前記残りのピクセルの数が前記ニアミント閾値以下である場合、前記カードにはニアミント状態グレードが割り当てられ、
    前記残りのピクセルの数が前記ニアミント閾値を超え前記スライトリープレイド閾値以下である場合、前記カードにはスライトリープレイド状態グレードが割り当てられ、
    前記残りのピクセルの数が前記スライトリープレイド閾値を超える場合、前記カードにはヘビープレイド状態グレードが割り当てられる、
    請求項２６に記載の方法。
37. 請求項２６に記載の方法を実行するための装置であって、
    前記装置は、
    撮像チャンバであって、外部光源からの光が前記撮像チャンバに入ることを実質的に排除する前記撮像チャンバと、
    前記カードを支持するために前記撮像チャンバ内に配置されたプラットフォームと、
    前記プラットフォームが前記点光源の前記視野の外側に配置されるように、前記撮像チャンバ内に配置された前記点光源と、
    前記カードを照明するように前記撮像チャンバ内に配置された拡散光源と、
    前記第１及び第２の画像ファイルを生成するために、前記カードの画像をキャプチャするための画像キャプチャデバイスと、
    を含む、装置。
38. 前記プラットフォームは、透明な材料を含み、前記画像キャプチャデバイスは、前記プラットフォームの上方に配置された第１のカメラと、前記プラットフォームの下方に配置された第２のカメラとを含み、前記第１のカメラは、前記カードの第１の面における第１及び第２の画像を撮影するように配置され、前記第２のカメラは、前記カードの第２の面における第１及び第２の画像を撮影するように配置されており、前記カードの前記第１及び第２の面における前記第１の画像は、前記点光源によって照明された前記カードを描写し、前記カードの前記第１及び第２の面における前記第２の画像は、前記拡散光源によって照明された前記カードを描写する、請求項３７に記載の装置。

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