JP4113434B2 - アクティグラフからのデータを使って人の認知能力を予測する方法、プログラム、記憶媒体および装置 - Google Patents
アクティグラフからのデータを使って人の認知能力を予測する方法、プログラム、記憶媒体および装置 Download PDFInfo
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Description
本発明の別の目的は、将来予想される睡眠/覚醒履歴、活動時間および個人によって遂行される活動が認知能力に与える影響の予測を可能にする方法(前方予測)、プログラム、記憶媒体および装置を提供することである。
本発明の別の目的は、個人の睡眠/覚醒履歴と1日の中での時刻に基づいて、考えられる過去の認知能力に対する、過去に遡った分析を可能にする方法、プログラム、記憶媒体および装置を提供することである。
本発明の方法は、少なくとも1つの認知能力レベルを予測するものであって、複数のアクティグラフからのデータを受け取り、受け取ったデータに基づいて少なくとも1つのアクティグラフについて少なくとも1つのデータに対して関数を選択し、選択された関数を使用して少なくとも1つのアクティグラフについて認知能力容量を算出し、認知能力容量を1日の中での時刻の値で変調して少なくとも1つのアクティグラフについて認知能力レベルを生成し、そして少なくとも1つのアクティグラフについて認知能力レベルをディスプレーに表示することを含む。
本発明の1つの特徴は、直接的な人間工学的および経済的な利点を持つ認知能力、すなわち個人の生産性又は効果の高さの指標、の予測を数値的に表すと言うことである。本発明の別の特徴は、認知能力に関して間接的、中間的、推論的あるいは仮説に基づいた付随的な測定/計算を必要とせず、また利用しないということである。後者の例として、覚醒度、眠気、睡眠の開始までの時間、体温および/又は時間と共に変化するその他の生理的指標がある。本発明のさらに別の特徴は、任意の原因による認知能力の一時的又は偶発的な変化について、その原因が睡眠/覚醒履歴にどの様に影響するか(例えば、年齢)および/又は活動時間(例えば、仕事のシフト)の結果として生じる場合に、それを考慮に入れるという点である。実際上、その様な原因は、睡眠/覚醒履歴および/又は活動時間とは独立して認知能力に影響するものとしては扱われず、従って、別個測定、要約およびこの方法のデータとして入力する必要がない。
本発明の別の利点は、個人の認知能力の正確な予測が得られることである。この利点は、認知能力に大きな影響を与えることが経験的に示された3つの要因、すなわち(1)個人の睡眠/覚醒履歴と、(2)1日の中での時刻(ここで「日」は夜間と日中の両方を含む24時間を意味する)および(3)特別の仕事/活動における個人の時間を組み込んだ方法によって達成される。
本発明によって実現する別の利点は、認知能力のリアルタイムの予測が可能だという点である。
本発明によって実現するさらに別の利点は、仮説的な将来の睡眠/覚醒期間に基づいて、将来に予想される1日を通じての認知能力を予測することである。
本発明のさらなる利点は、標準データを認知能力の予測の基礎にしない(つまり出力用の「ルックアップテーブル」を必要としない)ということで、代わりに各個人の睡眠/覚醒情報、活動時間および仕事を行う時間に直接基づいて計算されるということである。
本発明により、アクティグラフからの情報に基づいて人の認知能力を予測するシステムは、上記の目的を達成し、上記の利点を実現するものである。このシステムは、広範囲の状況および様々なタイプの入力に対して容易に適合する。
プログラムコードはスタンドアローンのソフトウェアパッケージとしてユーザーのコンピュータ上で、又は離れたコンピュータ上で完全に実行することもでき、あるいは部分的にユーザーのコンピュータ上でまた部分的に離れたコンピュータ上で実行することも可能である。後者の場合、離れたコンピュータはLAN又はWAN(インターネット)を介してユーザーのコンピュータに直接接続することができ、あるいは外部コンピュータを介して間接的に接続してもよい(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)。本発明はパソコン、PAL装置、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、eブックその他のハンドヘルド又はウェアラブルコンピュータ機器(Palm OS、Windows(登録商標) CE、EPOC、あるいは3Com社のRazorやIBMとIntelを含むコンソーシアムのBluetooth(登録商標)というコードネームを持つ次世代の製品を組み込んだもの)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を持つ特定用途の装置のようなスタンドアローン装置上に常駐するソフトウェアとして実現することができる。
仕事/活動が認知能力に与える影響を表す関数は、変調係数Tを計算するために使用される。仕事関数は、仕事および/又は活動の遂行が認知能力に及ぼす影響を、好適には例えば特定の仕事および/又は活動にまつわる強度、長さ、複雑さおよび困難さに基づいて記述する。図5は40時間の完全に睡眠を剥奪された期間の間、2時間ごとに10分間の精神運動覚醒仕事(PVT)試験を行う間の仕事に対する時間の影響を示す。最後の1つを除くPVTの各試験に対して、1つのPVT試験の10番目の試行から次のPVT試験の1番目の試行へと改善が見られた。
好適な実施形態を使用して、認知能力の予測値Eは理論的には指数レベル120に達する可能性があるが、それは認知能力容量Cが指数レベル100(すなわち認知能力容量Cがその間に完全に回復した睡眠期間から目覚めて20分後)であり、同時に1日の中での時刻関数Mが頂点の位相にあるときだけである。これは可能ではあるが、実際に起きることは考えにくい。
この方法の好適な実施形態は、時刻tにおける認知能力容量の予測値Eを、仕事関数Tによる1日の中での時刻関数Mで現在の認知能力容量Cを変調したものとして表現する数学的モデルを含む。これは一般的な記述としては次のような最も単純な形で表記される:
E=C∇M∇T 式1
ここで∇は数学的な演算子を表す。認知能力容量C、1日の中での時刻関数Mおよび仕事関数Tは、任意の数学的演算子を使って組み合わせることができる。厳密にどのような演算子が最も望ましいかは、1日の中での時刻関数Mおよび/または仕事関数Tの形式と性質によって決まる。認知能力容量の予測値Eの表現には2つの異なる演算子を使用してもよく、最初の∇は1つの数学的な演算子であり2番目の∇は2番目の数学的な演算子のようにしてもよい。あるいは変調を2段階で行い、2つの項を変調した後でそれで得られた変調された値を3番目の項で変調しても良い。最も好適には下に示す式1aを使って認知能力容量C、1日の中での時刻関数Mおよび仕事関数Tを組み合わせる。
E=C*M*T 式1a
あるいは、式1bを使って認知能力容量C、1日の中での時刻関数Mおよび仕事関数Tを組み合わせても良い。
E=C+M+T 式1b
認知能力容量Cは睡眠/覚醒履歴の関数を表す、すなわち
C=w(t)+s(t)+d(t)+i(t) 式2
ここでw(t)、s(t)、d(t)およびi(t)は時刻tにおける覚醒、睡眠、遅延および睡眠惰性関数の瞬間値である。1日の中での時刻関数Mは1日の中での時刻の関数を表し、次式のようになる:
M=m(t) 式3
ここでm(t)は時刻tにおける1日の中での時刻関数の瞬間値である。仕事関数Tは、個人が覚醒している時に仕事を行っている、または行っていないことの影響の関数を表す、すなわち
T=t(t) 式4
本発明に適合する上で、それが適切であれば図4(a)のS1において開始時刻t、初期認知能力容量Cおよび最後の遷移tLSの初期設定の後に4段階のプロセスを行うことができるが、S1ではこれらのデータを任意の順序で入力することができる。最初の工程では、図4(a)−図4(b)のS3〜S7eで表されるように関数w(t)、s(t)、d(t)およびi(t)を使って個人の睡眠/覚醒履歴に基づいて、時刻tにおける認知能力容量Cのレベルを計算できる。2番目の工程では、図4(b)のS8で表される1日の中での時刻関数を使って1日の中での時刻変調子Mを計算できる。本発明のある態様によれば、1番目の工程の複数回の実行に対して一連のデータ点を時間的な順序で供給するために、2番目の工程を一度行うことができる。3番目の工程では、図4(b)のS9a〜S10cで表されるように仕事関数を使用して仕事変調子Tを計算できる。4番目の工程では、認知能力容量C、1日の中での時刻変調子Mおよび仕事変調子Tの組み合わせから認知能力の予測値Eを導くことができ、その結果、認知能力容量Cは図4(b)のS11に示すように仕事変調子Tで変調された1日の中での時刻変調子Mで変調されることになる。
<第1の工程:認知能力容量Cの計算(決定)>
図2は以下で述べる関数の使い方を模式的に示すフローチャートである。ここで説明する計算の例を図3(a)−図3(c)に図式的に示す。図4(a)および図4(b)はこの方法における各工程の詳しいフローチャートである。このモデルの好適な実施形態として、ここでは認知能力容量Cには、好ましくはゼロから120までの全範囲を持つインデックス値が割り当てられている。この応用における範囲は、示された数値的な範囲の終わりの点を含むものと考えられている。ただし、認知能力容量Cはそれぞれの応用に応じて、その他の値又は単位、例えば、ゼロから100までで表すこともできる。
(1)覚醒関数(w(t))
覚醒関数S7aは、覚醒している時間の経過による認知能力容量の減退を表す。これは(1)個人が毎晩8時間の睡眠を取れば、ほとんど100%の認知能力が毎日維持されることと、(2)覚醒状態を継続する24時間ごとに、認知能力が約25%低下すると思われる、という知見に基づくものである。
Cw=w(t) 式5
ここで覚醒関数w(t)はtと共に減少する任意の負の値の関数でよい。より好適には、覚醒関数w(t)は一定の割合で低下する能力の一次関数であり、また最も好適には覚醒関数w(t)は時刻tにおいて次式のように表される。
w(t)=Ct-1−kw 式5a
ここで覚醒している期間は時刻t−1からt(エポックの数で)であり、1分間の能力低下がkwである。従ってt−1からtまでの期間が1分ではなければ、kwは適切に調整される。kwの全範囲は任意の正の値の実数であり、好適にはkwは毎分0.003から0.03の範囲のインデックスポイントであり、また最も好適にはkwは1時間当たり約1%のインデックスポイント、つまり毎分0.017インデックスポイントである。kwの値は、覚醒状態を継続する24時間ごとに認知能力が約25インデックスポイント低下することを示す経験的データに基づいている。式4aを図2および4(b)においてS7aで図示する。認知能力容量の初期インデックスが100%で、16時間(960分)にわたって毎分0.017インデックスポイントの割合で低下する場合の、覚醒関数の例を図3(a)に示す。
(2)睡眠関数(s(t))
睡眠関数S7cは、睡眠時間と共に認知能力容量を回復するものである。睡眠関数s(t)は、睡眠による認知能力の回復値は、非線形に蓄積するものであるという経験的な根拠に基づくものである。すなわち、認知能力容量の回復割合は、睡眠の初期には速く、睡眠の継続と共に遅くなる。別のデータによれば、ある時点を過ぎると、それ以上眠っても認知能力にはほとんどあるいは全く貢献せず、回復率はゼロに近づく。つまり、例えば2時間の睡眠が1時間の睡眠の2倍の回復効果を持つわけではないということになる。睡眠関数は、認知能力容量の現在のレベルに依存する割合で認知能力容量を増加させる、つまり認知能力容量の初期値が低いほど回復が速く進行する。言い換えれば、特定の認知能力容量指数に対する接線の傾きが好適には、異なる睡眠期間中に指数がそのレベルに達するたびに水平となる。
Cs=s(t) 式6
ここで睡眠関数s(t)はtと共に増加する任意の正の値の関数でよいが、より好適には、睡眠関数s(t)は指数関数である。これは、睡眠中の認知能力の回復は非線形であり、睡眠の初期に最も速く回復し、睡眠の継続と共に緩やかに遅くなるという経験的なデータに基づくものである。したがって最も好適な睡眠関数は指数関数であり、それは離散的な形式では次式のように表される。
Ct=Ct-1+(100−Ct-1)/ks 式6a
ここで睡眠期間はt−1からt(分)までであり、認知能力容量の最大値は100インデックスポイントである。Ct-1は時刻tに先行する期間中の認知能力容量であり、ksは回復の時定数である。別の言葉で言えばksは、認知能力容量Cが曲線の最初の勾配と等しい一定の割合で回復すると仮定した場合に、完全に回復するのに要する時間である。回復の時定数ksは部分睡眠剥奪データから経験的に導かれるもので、エポックの長さに基づいて選択される。好適な実施形態によれば、ksは任意の正の値の実数である。例えばksは長さ1分のエポックに対して100から1000までの範囲でよく、より好適には長さ1分のエポックに対して約300である。ただし、ksの最適な値は、少なくとも部分的にはエポックの長さに依存する。式6aは図2と図4(b)ではS7cで表してある。認知能力容量の初期レベルを100インデックスポイントとして、期間は1分でks=300として、16時間覚醒していたあとの8時間の睡眠の効果を、図3(a)で睡眠関数の例として図示する。
(3)覚醒から睡眠への変化に対する遅延関数d(t)
回復遅延関数d(t)は、睡眠関数からの認知能力容量の回復に遅延が生じた時間の長さを、睡眠の開始時からの期間として示すものである。この期間中に、認知能力容量の覚醒関数による低下が図4(b)においてS7dで表されるように継続する。睡眠期間の開始時点で、あるいは睡眠からの目覚めの後で、認知能力容量がただちに蓄積するのを防ぐことにより、この遅延時間は認知能力容量の計算S6bを調整する。
d(t):IF(t−tLS)≦kd
THEN Ct=d(t)
ELSE Ct=s(t) 式7
ここでLSは最後の状態変化を意味し、従って覚醒−睡眠遷移時間tLSは、連続する一連の睡眠期間に先行する最後の覚醒期間の時間的長さを表す。この決定ルールは図2と図4(b)で、S6b、S7cおよびS7dを合わせたものとして示されている。期間kdの間の認知能力容量を計算するには、認知能力容量Ctを遷移公式Ct=d(t)によって評価する。時間kdが経過すると、Ct=s(t)となる。時間kdが終わる前に覚醒状態が起こると、Ctは決してs(t)に戻らないことに注意されたい。つまり、短い睡眠期間中は睡眠関数が適用されないということである。
d(t):IF(t−tLS)≦5
THEN Ct=w(t)
ELSE Ct=s(t) 式7a
式7aで表される認知能力容量に対する遅延回復の影響を、図3(b)で詳しく図示する。
当業者であればわかるように、ディジタルアクティグラフの睡眠計測は、ステージ1の睡眠がいつ起きるかを分類できる。そのデータの変換は次にステージ1の睡眠の発生を睡眠/覚醒履歴の覚醒データに変換する。従って睡眠/覚醒履歴がこの変換されたデータに基づいている場合、個人の認知能力容量を求める上で遅延関数d(t)は必要でない。あるいはkd値を使う代わりに、個人がいつステージ2またはもっと深い睡眠に入ったかに基づいて遅延関数を求めて、ステージ2またはもっと深い睡眠に入ったら睡眠関数s(t)を使用するようにしても良い。
(4)睡眠から覚醒への変化に対する睡眠惰性関数i(t)
睡眠惰性関数i(t)は、睡眠から目覚めた後の期間中に、顕在的な認知能力容量が現在の実際のレベルよりも低く抑えられた期間を定義する。睡眠惰性関数i(t)は、認知能力は覚醒すると直ちに損なわれるが、覚醒時間の機能で、おおむね改善することを示す経験的データに基づいている。また同時に、睡眠から目覚めた直後に不活性化された、その後数分間の覚醒の間に再活性化される異モード連合皮質(この認知能力を媒介する領域)を示した、陽電子射出断層撮影法による研究結果にも基づいている。すなわち、睡眠中に生じる実際の認知能力の回復は、目覚めてすぐにははっきりしないのである。認知能力容量が、睡眠中に生じる実際の回復を反映したレベルに戻るのに必要な時間は約20分であることが、データによって示されている。
i(t):IF(t−tLS)<ki
THEN Ct=i(t)
ELSE Ct=w(t) 式8
ここで睡眠−覚醒遷移時間tLSは、連続する一連の覚醒期間に先行する最後の睡眠期間の時間的長さを表す。期間kiの間の認知能力容量を計算するには、Ctを遷移公式Ct=i(t)によって評価する。時間kiが経過すると、Ct=w(t)となる。式8は図2と図4(b)で、S6a、S7aおよびS7bを合わせたものとして示されている。
睡眠惰性関数i(t)は0からkiまでの区間にわたる任意の関数であってよく、好適には負の加速を受けた任意の関数である。好適な睡眠惰性関数i(t)は単純な二次方程式である。この関数は好適には、目覚めて直後の認知能力容量を10%から25%、またより好適には25%抑制する。この関数は目覚めてから最初の10分(またはkIの約半分)で、抑制された認知能力容量の75%を回復し、通常は目覚めてから20分までに抑制された認知能力容量の100%を回復し、それ以後は覚醒関数が働く。これらの値は、睡眠から覚醒への変化に関する経験的なデータに基づくものである。これらの研究によれば、認知能力は睡眠から目覚めた直後は損なわれているが、この損なわれた分の大部分は目覚めて最初の数分間に解消し、能力が完全に解消するには約20分を要することが示されている。好適な認知能力容量の25%の抑制と20分の回復時間を使用すると、睡眠惰性関数の好適な形式は下記の決定ルールとして表される。
i(t): IF(t−tLS)<20
THEN Ct=Csw*[0.75+0.025(t−tLS)−(0.025(t−tLS))2]
ELSE Ct=w(t) 式8a
ここでCswは睡眠期間の終わりにおける認知能力容量であり、睡眠−覚醒遷移時間tLSでの睡眠関数によって計算される。この決定ルールは図2と図4(b)で、S6a、S7aおよびS7bを合わせたものとして示されている。式8aは初期の抑制が25%であり、kiは20分に等しく、そして覚醒関数w(t)が効果を発揮するまでの期間を負の加速を受けた勾配が橋渡しをすることを示している。式8aで表現される認知能力容量に対する睡眠惰性関数i(t)の影響を、図3(c)に図示する。
i(t):IF(t−tLS)<10
THEN Ct=Csw*[0.9+(t−tLS)/100]
ELSE Ct=w(t) 式8b
当業者であれば理解できるように、式8aと78bはkiの値の変化と認知能力容量の初期的な抑制量に対して調整することができる。
<第2の工程:活動時間変調子Mの計算>
(1)活動時間関数m(t)
図4(b)でS8として示された活動時間関数m(t)は、認知能力の24時間周期の変化を表すものである。活動時間関数m(t)は、一定の日常的な状態および/又は完全な睡眠剥奪状態(すなわち睡眠/覚醒履歴が管理された状態)では、認知能力容量は24時間の期間にわたってピーク−ピークで約5%から約20%の間で変動することを示す経験的なデータに基づいている。この結果は、一般に、個人の概日リズムが原因であるとされる。この関数の出力が、活動時間に応じて現在の認知能力容量予測C(第1の工程で計算された値)を変調する。この変調の結果が、予測された認知能力容量Eである。時刻関数の一般化された形式は以下のように表される。
M=m(t) 式9
ここでm(t)は基本周期24時間の任意の周期関数であり、好適にはm(t)は2つの正弦関数の和であり、その1つは周期24時間のもの、もう1つは二段階の概日周期を構成する12時間周期のものである。この関数は、認知能力の測定において見られる大きな変動は、このような2つの正弦曲線波形によって説明できることを示す経験的なデータに基づいている。前に述べたように、経験的に観察される認知能力容量におけるピークは通常午後8時から午後10時の間に起きるもので、午前2時から午前6時の間に谷が生じて、毎日約5%から約20%の変動が生じる。二番目の谷は通常午後3時頃に起きる。関数m(t)の好適な形式に対してこれらの値を使用すると、その結果得られる関数により、昼間に低下する、経験的に示される認知能力の日周期リズムの非対称性が説明される。
m(t)=F+(A1*cos(2π(t−V1)/P1)+A2*cos(2π(t−V2)/P2)) 式9a
ここでFはオフセットであり、tは活動時間、P1とP2は2つの正弦関数の周期であり、V1とV2は深夜過ぎのピーク時刻を時間又はエポック単位で表し、A1とA2はそれらの余弦曲線の振幅である。この関数を使って、前に計算された認知能力容量Cを変調することができ、その結果が認知能力容量の予測値Eとなる。式9aを図1(a)と図4(b)でS8として示し、図1(b)でG8として図示する。図4(b)に示すように、tはデータの各エポックに対する活動時間関数m(t)の入力である。
<第3の工程:仕事変調子T上の時刻の計算>
好適な実施形態では、個人が覚醒している任意の期間中に2つの関数g(t)およびh(t)のうち1つだけが作動し、他の関数はゼロに等しい。しかし個人が眠っているときは、関数g(t)およびh(t)は両方とも図4(b)のS9a〜S10cで示されるように1に等しい(式12)か、またはゼロに等しい(式12a)。関数の選択は好適にはS9b〜S10bに示されるように個人が仕事を遂行しているか否か、およびS9aおよびS10cに示されるように個人が覚醒しているかどうかに基づいて行われる。その場合仕事変調子上の時刻は、図4(b)に示すように分岐して行うのではなく、S7aおよびS7bの工程の前(図8(a)に示すように)または後で計算することができる。
(1)休息関数g(t)
休息関数g(t)を図4(b)のS10aに示す。休息関数g(t)は仕事および/または活動の合間に個人が休息をとってリラックスすることにより認知能力容量が回復することを表す。休息関数g(t)は好適には、上で睡眠関数s(t)に関して述べた睡眠中に起きるのと同じ回復の量を与えない。休息関数の一般的な形式は次式で表される:
t(t)=g(t) 式10
ここでg(t)は正の値を持つ任意の関数であってよい。あるいは休息関数g(t)を次式で表すこともできる:
g(t)=z*s(t) 式10a
ここでzは好適には0から1までの範囲のスカラーであり、tLSが好適には休息および/または非活動期間の長さを表す。
(2)仕事関数h(t)
仕事関数h(t)は個人が仕事(単数または複数)および/または活動(単数または複数)を遂行することによる認知能力容量の低下を表す。S10bでは、仕事関数h(t)は時刻t−1からtまでの期間中に起きる認知能力容量の低下によって生じる仕事変調子Tを計算するが、この期間は好適な実施形態では1つのエポックの長さとなる。仕事関数の一般的な形式は次式で表される:
t(t)=h(t) 式11
ここでh(t)はtとともに減少する負の値を持つ任意の関数であってよい。より好適には、仕事関数h(t)は一定の割合で低下する能力の線形関数である。あるいは仕事関数h(t)は例えば仕事を遂行しおよび/または活動を行う時間が長いほど低下の割合が大きくなる指数関数であってもよい。更に別の形態では、仕事のタイプ、つまり困難さ、複雑さおよび/または強度がエポック当たりの低下率に影響を与える。仕事の困難さ、複雑さおよび/または強度が高くなるほどエポック当たりの低下率が大きくなる。
(3)睡眠関数
個人が寝ているときの仕事関数の一般的な形式は
t(t)=1 式12
ここで変調は乗算によって行われるが、それは仕事関数Tが個人の認知能力指数に影響しないからである。あるいは仕事変調子が他の関数に加算される場合は、仕事関数は次式の形を取る。
t(t)=0 式12a
<第4の工程:認知能力の予測値の計算>
認知能力容量の予測値Eを計算する全プロセスを図1(a)および図4(a)−図4(b)に模式的に示す。活動時間関数Mおよび仕事関数Tは、個人の睡眠/覚醒履歴から導かれた認知能力容量Cを変調して、例えば、図1(a)に示す認知能力の最終的な予測値Eを与える。第3の工程では、認知能力の予測値Eは、認知能力容量Cと、活動時間関数Mと仕事関数Tとの組み合わせから導かれる。その最も一般的な形式は下記のようになる。
E=C∇M∇T 式1
ここで∇は認知能力容量Cと、活動時間関数Mと仕事関数Tとを結合する任意の数学的演算子である。この結合を行う演算子としては通常は加算又は乗算が選ばれる。上で選ばれた活動時間関数m(t)と仕事関数Tの形式によって、どちらの演算子を使っても認知能力の予測値Eの同じ数値が得られる。最も好適には、乗算S11を使って以下のように結合を行う。
E=C*M*T 式1a
式1aでは、認知能力の予測値Eは現在の認知能力容量Cと、活動時間変調子Mと、仕事関数Tとの現在値を表す1番を中心とする値を変調したものである。
上で述べた好適な実施形態においては、認知能力容量Cの活動時間変調子Mおよび/または仕事関数Tによる変調の前に、睡眠惰性関数i(t)が認知能力容量Cに適用される。別の実施形態では、認知能力容量Cにではなく認知能力の予測値Eに睡眠惰性関数i(t)が適用される。すなわち、活動時間変調子Mおよび/または仕事関数Tによる認知能力容量Cの変調の後で適用する。好適な実施形態がこの別の実施形態よりも良いかどうかを判断するのに十分な知識は実験から得られていない。
<方法の実施>
好適な実施形態では、ソフトウェアとして実現され、個人の認知能力の現在の状態をリアルタイムに与えおよび必要に応じて認知能力容量を提供して未来の認知能力レベルを推測する。好適な実施形態においてソフトウェアが行う各工程を示すフローチャートを図4(a)−図4(b)に、また後で述べる別の実施形態の場合を図8(a)−図8(b)に示す。このソフトウェアはコンピュータプログラム、又はその他の電子機器制御プログラム又はオペレーティングシステムとして実現できる。ソフトウェアは、睡眠評価機能を内蔵するアクティグラフならば、個人に装着するアクティグラフに常駐させることができ、あるいはスタンドアローン装置に常駐させることができる。あるいは、ソフトウェアは間隔を置くか又は連続的にアクティグラフと通信を行うスタンドアローン装置に常駐しても良い。スタンドアローン装置はパソコン、PAL機器、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、eブックその他のハンドヘルド又はウェアラブルコンピュータ(パームOS、ウィンドウズ(登録商標)CE、EPOCなどを搭載するもの、又は3ComのRazorやIBMとIntelを含む共同企業体のブルートゥース(Bluetooth;登録商標)などのコードネームを持つ次世代機器)、又は個人に装着したアクティグラフなどの機器から信号を受け取る特殊目的の機器であってよい。ソフトウェアの常駐場所により、ソフトウェアは例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードドライブ、ディスク、コンパクトディスク、パンチカード、テープその他のコンピュータによる読み取り可能なイントラネット又はインターネットのようなネットワーク、コンピュータその他の上のバーチャルメモリ、光学的記憶装置、磁気記憶装置、および/又はEPROMに記憶できる。或いはまたソフトウェアは、上で述べた各式において変数を考慮して調整および変更できるようにしてもよい。この能力により、ユーザーは経験的知識に基づいて変数を調整し、また変数間の相互関係を知ることもできる。
解釈手段30と判定手段40を組み合わせて、1つの結合した手段又は装置にすることができる。
図8(a)−図8(b)に示したように、各工程は好適な実施形態とほぼ同じであるが、覚醒関数と睡眠関数に変更が行われ、その結果、変数の定義が注記したことを除いて好適な実施形態と同じものとなる。以下で説明する式と図8(a)−図8(b)に示した各工程は、認知能力の初期値が認知能力の所望の値よりも時間的に先行する場合のものである。睡眠/覚醒データの各要素は睡眠又は覚醒として分類される。
IFΔt≦ki
THEN Ct=i(t)
ELSE Ct=Wm(t) 式13
ここでΔtは現在の状態の継続時間、すなわちt−tLSを表す。睡眠惰性関数i(t)は、最後の入力データが覚醒状態である場合にのみ期間kiよりも短いか又は等しいので使用される。従って好適な実施形態において使用されたものと同じ睡眠惰性関数i(t)が、仕事関数t(t)によってモジュレートされた後、この別の実施形態においても使用される。修正された覚醒関数Wm(t)は、個人が認知能力容量の初期的な抑制から回復した後に、その個人が覚醒前に眠っていた時の最後のエポックの認知能力容量レベルに戻るように、曲線が定式化されたときのkiの遅延を睡眠惰性関数i(t)が与えると言うことを、考慮に入れている。この遅延を考慮することにより、以下の式が得られる。
Wm(t)= Ct-1−kw(Δt−ki) 式14
あるいは、修正された覚醒関数wm(t)は遅延の無いwm(t)が睡眠惰性関数i(t)と交差する点から始まってもよい。覚醒関数wm(t)はどの代替実施形態においても仕事関数t(t)で変調される。
IFΔt≦kd
THEN Ct=d(t)
ELSE Ct=Sm(t) 式15
遅延関数d(t)は、期間がkdよりも短いか又は等しいので、最後の入力データが睡眠状態である場合にのみ使用される。従って好適な実施形態において使用されたものと同じ遅延関数d(t)が、この別の実施形態においても使用される。修正された遅延関数Sm(t)はkdに等しい期間に対して遅延関数を考慮に入れる。遅延関数d(t)を考慮することにより、以下の式が得られる。
Sm(t)=((Ct-1−(kw*kd))+(100−(100−Ct-1)(1−1/ks)Δt-kd)
式16
ここで式の最初の部分は遅延関数d(t)を表し、2番目の部分は認知能力容量Cの回復を表す(S7c’のf(t)部分)。
ここでも、この方法には、仕事関数要素を除去した、一般形式で示した式1から12に基づくプロセスと計算が含まれることに注意すべきである。実施形態は経験的な知識に応じて該当する変数に関する関数を適用し、その結果として上の説明と図1−図8(b)(ただしこれらに限定されない)で示したようにこれらの式の特定の表現が得られるが、これらは経験的な知識の状態に従って変更又は洗練させることができる。
<産業への応用>
本発明には様々な応用の可能性がある。最も単純な応用では、本発明の方法を使用して、様々な理想的な(すなわち寸断されない)夜間睡眠量の認知能力の予測値Eへの影響を予測することが出来る。他の実際的な応用は、睡眠時無呼吸症のような睡眠障害、または航空機や列車の騒音のような環境の撹乱によって寸断された睡眠をする個人における認知能力を予測するためにこの方法を使用する。別の実際的な応用ではこの方法を使用して、夜間就労シフトのためにスケジュールを変更する個人の認知能力Eを予測する。
別の同様の応用は、業務用自動車の運転者に対してある期間にわたる予測認知能力Eを最適化するために、この方法を使用して睡眠および覚醒のスケジュールを変更することである。この例では、先ず運転者の現在の睡眠/覚醒スケジュールに基づいて運転者の予測認知能力Eをモデル化する。運転者の現在の睡眠/覚醒スケジュールは、連邦道路管理局(FHWA)の就業時間規制で許される最大の就業時間の付近で作成される。これらの規制によれば、運転者は最大15時間業務(最大10時間の運転と最大5時間の運転以外の業務)に従事した後に最小で8時間の非就業時間を持つことが許される。運転者はこの終業/非終了サイクルを、累積就業時間が60時間に達するまで続けることができるが、その時点で運転者は連続就業を開始してから7日が経過するまで業務から離れなければならない。現行のFHWA規制下で許される別の就業スケジュールは、12時間就業、12時間非就業というサイクルであるが、これは運転者が非就業の12時間のうち8時間を睡眠にあてることを前提にしている。本発明を利用することにより、ある期間を通じて運転者の認知能力レベルを最大にできるスケジュールを選択できる。
本発明はまた粒子群集理論/アルゴリズムの概念と連携して作用することが出来る。粒子群集アルゴリズムは、港を通るコンテナーのスループットを最適化し、あるいは与えられた期間にわたって課題を遂行する作業グループ内の労働者達の利用を最適化するために、日常的に利用されている。応用の一例としては、軍隊の司令官が部隊の任務を計画することがある。
当業者であれば、上で述べた好適な実施形態に対して、様々な変更および修正が、本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく行えることを、理解するであろう。従って、本発明はここに具体的に述べた他に、添付の請求内容の範囲で実施することができる。
Claims (56)
- コンピュータシステムを用いて個人の認知能力容量を求める方法であって、
(a)アクティグラフを用いて当該個人の活動情報を収集し、
(b)睡眠計測システムを使用して、前記活動情報の解析に基づいて当該個人の覚醒状態と睡眠状態を表すデータ列を供給し、
(c)前記データ列に基づいて関数を選択し、
(d)選択された関数に基づいて当該個人の認知能力容量を計算し、
(e)当該個人の仕事情報を受け取り、
(f)少なくとも前記仕事情報に基づいて、当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事値を求め、
(g)1日の中での時刻の値と前記仕事値で、前記認知能力容量を変調し、
(h)前記変調された値を予測された当該個人の認知能力として出力すること、
を含んでなる方法。 - 前記 (a) から (g) の各工程を少なくとも2回繰り返すことを含んでなる追加の方法を遂行する請求項1記載の方法。
- 個人の認知能力レベルを求めるためのアクティグラフを用いた方法であって、
(a) 睡眠計測システムを使用してアクティグラフで検出された動きの解析に基づいて当該個人の覚醒状態と睡眠状態を表すデータ列を蓄積し、
(b) 前記データ列に基づいて関数を選択し、
(c) 前記選択された関数と当該個人の以前の認知能力容量に基づいて当該個人の認知能力容量を求め、
(d) 当該個人の仕事情報を受け取り、
(e) 少なくとも前記仕事情報に基づいて当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事値を求め、
(f) 前記認知能力容量を1日の中での時刻の値と前記仕事値で変調し、
(g) 前記変調された値を供給することを含んでなることを特徴とする、方法。 - (f1) 前記工程 (f)の後で変調された値を記憶し、
前記データ列の少なくとも2つについて前記 (b) から (g) および (f1)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項3記載の方法。 - 前記供給する工程(g)が変調された値を送信することを含む、請求項3または請求項4記載の方法。
- 前記蓄積する工程(a)が前記データ列を記録することを含む、請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記供給する工程(g)が予測された認知能力をディスプレー、データファイル、アンテナおよび印刷装置のうち少なくとも1つに出力する、請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記選択する工程(b)が覚醒関数、睡眠関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記選択する工程(b)が覚醒関数、睡眠関数、遅延関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載の方法。
- 個人の実際の認知能力レベルを求めるために認知能力試験の結果を取得し、
前記認知能力試験の結果に基づいて認知能力レベルを調整することを更に含む、請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載の方法。 - 認知能力レベルを求めるのに使用される重みを調整することを更に含む、請求項3ないし請求項10のいずれか1項に記載の方法。
- (f2) 変調された値を記憶し、
前記データ列の各データについて前記 (b) から (g) および (f2)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項3ないし請求項11のいずれか1項に記載の方法。 - 24時間の周期を持つ曲線を表す1日の中での時刻の一連の値から1日の中での時刻が選択される、請求項3ないし請求項12のいずれか1項に記載の方法。
- 睡眠計測システムを使用してアクティグラフで検出された動きの解析に基づいて当該個人の覚醒状態と睡眠状態を表す蓄積されたデータ列を処理するプログラムであって、
請求項7記載の方法の少なくとも前記工程 (b) から (g) を行うプロセスを実行するためのコンピュータシステムで実行可能なプログラム。 - 請求項14記載のプログラムを記憶するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
- 個人の認知能力レベルを求めるためのアクティグラフを用いた方法であって、
(a)複数のエポックの各々について運動を表すものを記録し、
(b)前記運動を表すものを解析してエポックの各々を睡眠および覚醒の少なくとも1つとして識別し、少なくとも1つの睡眠状態と少なくとも1つの覚醒状態データ列を形成し、
(c)前記データ列に基づいて関数を選択し、
(d)選択された関数に基づいて当該個人の認知能力容量を計算し、
(e)当該個人の仕事情報を受け取り、
(f)少なくとも前記仕事情報に基づいて当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事値を求め、
(g)1日の中での時刻の値と前記仕事値で前記認知能力容量を変調し、かつ
(h)変調された値を当該個人の認知能力レベルとして供給することを含んでなることを特徴とする、方法。 - (g1) 前記工程 (g)の後で変調された値を記憶し、
前記データ列の各データについて前記 (b) から (h) および (g1)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項16記載の方法。 - (h1) 認知能力レベルを記憶し、
前記 (b) から (g) および (h1) の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項16記載の方法。 - 前記供給する工程(h)が予測された認知能力をディスプレー、データファイル、アンテナおよび印刷装置のうち少なくとも1つに出力する、請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の方法。
- 24時間の周期を持つ曲線を表す1日の中での時刻の一連の値から1日の中での時刻が選択される、請求項16ないし請求項19のいずれか1項に記載の方法。
- 選択する工程(c)が覚醒関数、睡眠関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する請求項16ないし請求項20のいずれか1項に記載の方法。
- 選択する工程(c)が覚醒関数、睡眠関数、遅延関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項16ないし請求項20のいずれか1項に記載の方法。
- 変調工程(g)が変調される値を1日の中での時刻で変調する、請求項16ないし請求項22のいずれか1項に記載の方法。
- 認知能力試験の結果を取得することを更に含む、請求項16ないし請求項23いずれか1項に記載の方法。
- 複数のエポックの各々について記録された運動を表すものを解析してエポックの各々を睡眠および覚醒の少なくとも1つとして識別し、少なくとも1つの睡眠状態と少なくとも1つの覚醒状態データ列を形成し、その形成されたデータ列を処理するプログラムであって、
請求項19記載の方法の少なくとも工程 (c) から (h) を行うプロセスを実行するためのコ ンピュータシステムで実行可能なプログラム。 - 請求項25記載のプログラムを記憶するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
- 個人の装着したアクティグラフからの情報を利用する方法であって、
(a)前記アクティグラフから当該個人の活動データを受け取り、
(b)前記データに基づいて関数を選択し、
(c)前記選択された関数に基づいて当該個人の認知能力容量を計算し、
(d)前記アクティグラフを装着した当該個人の仕事情報を受け取り、
(e)少なくとも前記受け取った仕事情報に基づいて当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事値を求め、
(f)1日の中での時刻の値と仕事値で認知能力容量を変調し、かつ
(g)前記変調された値を当該個人の認知能力レベルとして供給することを含んでなることを特徴とする、方法。 - (g1) 認知能力レベルを記憶する工程
をさらに含み、かつデータ列の各データ点について前記 (b) から (g) および (g1)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項27記載の方法。 - (g1) 認知能力レベルを記憶する工程
をさらに含み、かつデータ列の各データ点について前記 (b),(c),(f),(g) および (g1)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項27記載の方法。 - 前記供給する工程(g)が予測された認知能力をディスプレー、データファイルおよび印刷装置のうち少なくとも1つに出力する、請求項27ないし請求項29のいずれか1項に記載の方法。
- 24時間の周期を持つ曲線を表す1日の中での時刻の一連の値から1日の中での時刻の値が選択される、請求項27ないし請求項30いずれか1項に記載の方法。
- 前記選択する工程(b)が覚醒関数、睡眠関数、遅延関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項27ないし請求項31いずれか1項に記載の方法。
- 前記変調工程(f)が変調される値を1日の中での時刻の値で変調する、請求項27ないし請求項32いずれか1項に記載の方法。
- 認知能力試験の結果を取得することを更に含む、請求項27ないし請求項33いずれか1項に記載の方法。
- 請求項30記載の方法の少なくとも工程 (a) から (g) を行うプロセスを実行するためのコンピュータシステムで実行可能なプログラム。
- 請求項35記載のプログラムを記憶するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
- 少なくとも1つの認知能力レベルを予測する方法であって、
(a)各個人が装着する複数のアクティグラフからデータを受け取り、
(b)データを供給するアクティグラフを装着した各個人の仕事情報を受け取り、
(c)前記各データに基づいて少なくとも1つのアクティグラフの少なくとも1つのデータについて関数を選択し、
(d)選択された関数を使用して少なくとも1つのアクティグラフについて認知能力容量を計算し、
(e)受け取った前記仕事情報に基づいて少なくとも1つのアクティグラフと結びついた少なくとも1人の個人について、当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事値を求め、
(f)1日の中での時刻と前記仕事値で前記認知能力容量を変調して、少なくとも1つのアクティグラフについて認知能力レベルを生成して、この認知能力レベルを供給し、
(g)少なくとも1つのアクティグラフについて前記認知能力レベルをディスプレーに表示することを含んでなることを特徴とする、方法。 - 生成された各認知能力レベルを記録することを更に含む、請求項37記載の方法。
- 少なくとも1つのアクティグラフの少なくとも2点のデータ点について前記 (b) から (g)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項37または請求項38記載の方法。
- (g1) 認知能力レベルを記憶し、
少なくとも1つのアクティグラフの少なくとも2点のデータについて前記 (c),(d),(f) および (g)の各工程を繰り返すことを更に含む、請求項37に記載の方法。 - 24時間の周期を持つ曲線を表す1日の中での時刻の一連の値から1日の中での時刻の値が選択される、請求項37ないし請求項40いずれか1項に記載の方法。
- 前記選択工程(c)が覚醒関数、睡眠関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項37ないし請求項41いずれか1項に記載の方法。
- 前記選択工程(c)が覚醒関数、睡眠関数、遅延関数および睡眠惰性関数からなる群から関数を選択する、請求項37ないし請求項41いずれか1項に記載の方法。
- 請求項38記載の方法の少なくとも工程 (a) から (g) 、およびそれぞれ生成された認知能力レベルを記録する工程を行うプロセスを実行するためのコンピュータシステムで実行可能なプログラム。
- 請求項44に挙げたプログラムを実行するためのコンピュータで実行可能な命令を持つコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
- 少なくとも1つのアクティグラフからのデータを収集して少なくとも1つのアクティグラフの各々について認知能力指数を供給する装置であって、
前記少なくとも1つのアクティグラフから収集されたデータを受信するための受信器と、
前記受信器に接続され、その収集された内容を決定するデータ解析器と、
前記データ解析器に接続され、前記データ解析器から取得した情報に基づいて認知能力を求める計算器と、
前記認知能力に与える1日の中の時刻の値の影響を表す変調データを記憶するメモリと、
仕事入力手段と、
前記メモリおよび前記計算器に接続され、前記メモリから取得された変調値により前記計算器で計算された認知能力を変調する変調器と、
前記仕事入力手段および前記変調器に接続され、前記変調器で作られた値を、前記仕事入力手段から得られる情報に基づいて当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す値で変調する決定器と、
前記決定器に接続され、認知能力指数を表示するための少なくとも1つのディスプレーとを含んでなることを特徴とする、装置。 - 前記決定器に接続され、前記認知能力指数を取得する第2のメモリを更に含む、請求項46記載の装置。
- 前記データ解析器が睡眠計測器と関数選択器を含む、請求項46または請求項47記載の装置。
- 前記受信器がアンテナを含む、請求項46ないし請求項48いずれか1項に記載の装置。
- 少なくとも1つのアクティグラフからのデータを収集して、少なくとも1つのアクティグラフの各々について認知能力指数を供給する装置であって、
少なくとも1つのアクティグラフからの情報を受け取る手段と、
少なくとも1つのアクティグラフのうち少なくとも1つから受け取った前記情報に基づいた評価関数を選択する手段と、
少なくとも1つのアクティグラフのうち少なくとも1つについて選択された前記評価関数を使用して認知能力の値を計算する手段と、
少なくとも1つのアクティグラフを装着した各個人に関する情報を入力する手段と、
前記認知能力に与える1日の中の時刻の値の影響を表す変調データを記憶する手段と、
少なくとも1つのアクティグラフの内少なくとも1つについて対応する前記変調データで前記認知能力の値を変調する第1の変調手段と、
当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す仕事変調子を決定する手段と、
前記第1の変調手段からの変調された前記認知能力の値を、当該個人の前記仕事変調子で変調するための第2の変調手段と、
少なくとも1つのアクティグラフの内少なくとも1つについて変調された値を表示する表示手段とを含んでなり、前記表示手段が個人に対する前記第2の変調手段からの変調された値を表示することを特徴とする、装置。 - 個人の認知能力を予測する装置であって、
アクティグラフと、
前記アクティグラフに接続され、前記アクティグラフで作られた各エポックごとの覚醒状態または睡眠状態を表すデータを記録する睡眠計測器と、
前記睡眠計測器に接続され、前記睡眠計測器に記録された前記覚醒状態または前記睡眠状態を表すデータを受け取り、現在の状態が覚醒状態か睡眠状態かに応じて前記認知能力容量への影響を表す関数を選択するデータ解析器と、
前記データ解析器に接続され、前記データ解析器から得られる情報に基づいて認知能力を計算する計算器と、
前記認知能力に与える1日の中の時刻の値の影響を表す変調データを記憶するメモリと、
前記メモリおよび前記計算器に接続され、前記メモリから取得された変調値により前記計算器で計算された認知能力を変調する変調器と、
仕事入力手段と、
前記仕事入力手段および前記変調器に接続され、前記変調器で作られた値を、前記仕事入力手段から得られる情報に基づいて当該個人が覚醒している時に仕事および/または活動を遂行している、または遂行していないことの影響を表す値で変調する決定器と、
前記決定器に接続され、認知能力指数を表示するための少なくとも1つのディスプレーとを含んでなることを特徴とする、装置。 - 前記決定器に接続され、前記認知能力指数を取得する第2のメモリを更に含む、請求項51記載の装置。
- 前記決定器に接続された送信器を更に含む、請求項51または請求項52記載の装置。
- 前記計算器に接続された調整手段を更に含む、請求項51ないし請求項53いずれか1項に記載の装置。
- 前記調整手段が、
アクティグラフを装着した個人の現在の認知能力を評価する手段と、
新しい認知能力を計算するために使用される認知能力を調整する手段とを含む、請求項54記載の装置。 - 現在の認知レベルをテストするための手段を更に含む、請求項54または請求項55記載の装置。
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