JP4112738B2 - 移動農機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインまたは耕耘トラクタまたは圃場管理車などの移動農機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、走行変速レバーの操作によって走行速度を無段階に変更自在なベルトまたは油圧無段変速機構を介して左右走行クローラに駆動力を伝えて任意の車速で移動させると共に、操向ハンドルによって操向用の無段変速機構を操作して差動機構を制御し、左右走行クローラの駆動速度の差を無段階に変化させ、走行進路を変更させる技術がある。しかし乍ら、農作業を行う圃場条件(例えば乾田または湿田)など走行路面状況によって左右走行クローラの旋回及び走行動作が変化し易く、例えばスリップし易い湿田では、旋回及び走行増速動作が鈍感に行われると共に、例えば殆んどスリップしない乾田では、旋回及び走行増速動作が過敏に行われる不具合があり、旋回性能または走行性能の向上などを容易に図り得ない等の問題がある。また、操向ハンドルまたは走行変速レバーを誤操作によって急激に大きく変位させることにより、走行変速動作または旋回動作が著しく過負荷の状態下で行われることになり、走行クローラのスリップによって蛇行走行して作物から離れる等の不具合があり、旋回性能または走行性能の向上などを容易に図り得ないと共に、取扱い操作性の向上などを容易に図り得ない等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、左右走行クローラの速度差を無段階に変化させる操向部材と、該操向部材を制御する操向操作具と、上記左右走行クローラを同時に増速または減速させる走行変速部材と、該走行変速部材を制御する走行変速操作具とを設ける移動農機において、乾田または湿田の走行路面状況を入力する条件センサ入力と、操向操作具の切れ角増大に対する車速の減速比を変更させるフィーリング設定器入力と、操向部材の作動油圧を検出する操向油圧センサ入力に基づき、操向操作具の操作に連動して切換える操向部材への操向入力値を補正し、補正操向入力値の変化率が一定以上のときに該補正操向入力値を圧縮し、補正操向入力値に基づいて操舵量及び操向方向が演算されて決定され、操向制御によって、操向部材を作動させ、左右走行クローラの駆動速度に差を生じさせて進路を変更させると共に、走行変速操作具の変速操作位置及び中立位置及び前後進切換動作を検出する変速センサ入力と、操向操作具の操向操作量を検出させる操向角度センサ入力によって変速減速量が演算されて決定され、変速減速制御によって、走行変速部材を作動させて、左右走行クローラの駆動速度を変更させるように構成したことを特徴とする移動農機を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は左右一対の走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は丸形操向ハンドル(19)及び運転席(20)などを備える運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0005】
さらに、図3に示す如く、前記走行クローラ(2)を駆動するミッションケース(22)は、1対の第1油圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)を備えて走行主変速用の油圧式無段変速機構を形成する走行変速部材(25)と、1対の第2油圧ポンプ(26)及び第2油圧モータ(27)を備えて旋回用の油圧式無段変速機構を形成する操向部材(28)とを備え、前記エンジン(21)の出力軸(21a)に第1及び第2油圧ポンプ(23)(26)の入力軸(29a)(29b)を伝達ベルト(30a)(30b)によって連結させ、前記各油圧ポンプ(23)(26)を駆動するように構成している。
【0006】
また、前記第1油圧モータ(24)の出力軸(31)に、副変速機構(32)及び差動機構(33)を介して左右走行クローラ(2)の各駆動輪(34)を連動連結させるもので、前記差動機構(33)は左右対称の1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各遊星ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該サンギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ(37)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリングギヤ(38)などで形成している。
【0007】
前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸(39)と同軸線上とのキャリヤ軸(40)のキャリヤ(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギヤ(36)(36)を挾んで左右のキャリヤ(41)を対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯(38a)を有してサンギヤ軸(39)とは同一軸芯上に配置させ、キャリヤ軸(40)に回転自在に軸支させ、キャリヤ軸(40)を延設して車軸を形成して駆動輪(34)を軸支させている。
【0008】
また、走行変速部材(25)は、第1油圧ポンプ(23)の回転斜板の角度変更調節により第1油圧モータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、第1油圧モータ(24)の回転出力を出力軸(31)の伝達ギヤ(42)より各ギヤ(43)(44)(45)及び副変速機構(32)を介して、サンギヤ軸(39)に固定したセンタギヤ(46)に伝達してサンギヤ(36)を回転するように構成している。前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(44)を有する副変速軸(47)と、前記ギヤ(45)を介してセンタギヤ(46)に噛合うギヤ(48)を有する駐車ブレーキ軸(49)とを備え、副変速軸(47)とブレーキ軸(49)間に各1対の低速用ギヤ(50)(51)・中速用ギヤ(52)(53)・高速用ギヤ(54)(48)を設けて、低中速スライダ(55)及び高速スライダ(56)のスライド操作によって副変速の低速・中速・高速の切換を行うように構成している。なお低速・中速間及び中速・高速間には中立を有する。また前記ブレーキ軸(49)に駐車ブレーキ(57)を設けると共に、刈取部(8)に回転力を伝達する刈取PTO軸(58)にギヤ(59)(60)及び一方向クラッチ(61)を介して副変速軸(47)を連結させ、刈取部(8)を車速同調速度で駆動している。
【0009】
上記のように、前記センタギヤ(46)を介しサンギヤ軸(39)に伝達された第1油圧モータ(24)からの駆動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介して左右キャリヤ軸(40)に伝達させると共に、左右キャリヤ軸(40)に伝達された回転を左右の駆動輪(34)にそれぞれ伝え、左右走行クローラ(2)を駆動するように構成している。
【0010】
さらに、旋回用の油圧式無段変速機構で形成する操向部材(28)は、第2油圧ポンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により第2油圧モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、操向出力ブレーキ(62)を有するブレーキ軸(63)と、操向出力クラッチ(64)を有するクラッチ軸(65)と、前記の左右リングギヤ(38)の外歯(38b)に常時噛合させる左右入力ギヤ(66)(67)を設け、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)に前記ブレーキ軸(63)及び操向出力クラッチ(64)を介してクラッチ軸(65)を連結させ、クラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)を介して右入力ギヤ(67)を連結させ、またクラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介して左入力ギヤ(66)を連結させている。そして、副変速スライダ(55)(56)の中立によって前記ブレーキ(62)を入にしかつクラッチ(64)を切にする一方、前記中立以外の副変速出力時にブレーキ(62)を切にしかつクラッチ(64)を入にし、右側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)を介してモータ(27)回転力を伝え、また左側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介してモータ(27)回転を伝え、第2油圧モータ(27)を正転(逆転)時、左右同一回転数で、左リングギヤ(38)を逆転(正転)させ、かつ右リングギヤ(38)を正転(逆転)とさせるように構成している。
【0011】
而して、旋回用の第2油圧モータ(27)を停止させて左右リングギヤ(38)を静止固定させた状態で、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動すると、第1油圧モータ(24)からの回転出力はセンタギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギヤ(37)・キャリヤ(41)を介して左右の走行クローラ(2)が左右同一回転方向で同一回転数によって駆動され、機体の前後方向直進走行が行われる。一方、走行用の第1油圧モータ(24)を停止させて左右のサンギヤ(36)を静止固定させた状態で、旋回用の第2油圧モータ(27)を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正回転し、左右走行クローラ(2)を逆方向に駆動し、機体を左或いは右に旋回させる。また、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動させながら、旋回用の第2油圧モータ(27)を駆動することにより、機体が左右に旋回して進路が修正されるもので、機体の旋回半径は第2油圧モータ(27)の出力回転数によって決定される。
【0012】
さらに、図2、図4に示す如く、前記運転台(18)の前部上面にステアリングコラム(71)を立設固定させ、ステアリングコラム(71)上面上方側に操向ハンドル(19)を縦軸回りに回転自在に取付けると共に、運転台(18)左側にサイドコラム(72)を設け、サイドコラム(72)下方にミッション(22)を配設させ、主変速レバー(73)、副変速レバー(74)、刈取クラッチレバー(75)、脱穀クラッチレバー(76)を前記サイドコラム(72)に取付ける。
【0013】
また、前記操向ハンドル(19)に連結させるハンドル軸(77)をステアリングコラム(71)上部に回転自在に軸支させると共に、ステアリングコラム(71)上部に操向入力軸(78)上端部を回転自在に軸支させ、前記ハンドル軸(77)のギヤ(79)と操向入力軸(78)のセクタギヤ(80)を噛合させて各軸(77)(78)を連結させる。
【0014】
さらに、前記ギヤ(79)は、270度の外周範囲に複数の歯(81)を形成し、90度の外周範囲を円弧(82)に形成し、操向ハンドル(19)の全回転角度を270度とし、左操向回転または右操向回転の角度を135度に設定し、操向ハンドル(19)回転操作を片手で作業者が容易に行えるように形成する。また、前記セクタギヤ(80)は、130度の外周範囲に複数の歯(83)を形成し、230度の外周範囲を円弧カム(84)に形成し、前記ギヤ(79)の歯(81)とセクタギヤ(80)の歯(83)を噛合せ、各ギヤ(79)(80)の最大正逆転時、前記円弧(82)両端のストッパ(85)と前記円弧カム(84)両端のストッパ(86)を当接させ、操向ハンドル(19)の回転を規制する。
【0015】
また、前記セクタギヤ(80)の円弧カム(84)中央に直進ノッチ(87)を形成すると共に、前記ステアリングコラム(71)上面壁にデテント軸(88)を回転自在に軸支させ、デテント軸(88)下端部にデテントアーム(89)を固定させ、デテントアーム(89)にローラ軸(90)を介してデテントローラ(91)を回転自在に軸支させ、前記円弧カム(84)にデテントローラ(91)を当接させ、直進ノッチ(87)に係脱自在にデテントローラ(91)を係合させ、操向ハンドル(19)を直進位置に支持させる。
【0016】
また、前記操向入力軸(78)に操向出力アーム(92)の一端を固定させ、操向ハンドル(19)を直進位置に戻す左右一対の直進バネ(93)(93)と、前記バネ(93)に抗して操向ハンドル(19)の回転速度を遅くする戻り抵抗アブソーバ(94)を、前記出力アーム(92)に連結させ、操向ハンドル(19)を左右に回転させる手動操作を行ったとき、ハンドル(19)から作業者が手を離すことにより、ハンドル(19)を緩やかに直進位置に自動的に戻し、作業者によるハンドル(19)直進戻し操作を省くと共に、スライドポテンショメータ型操向角度センサ(95)を前記出力アーム(92)に連結させ、操向ハンドル(19)の操向操作量を操向角度センサ(95)によって検出させる。
【0017】
さらに、図5に示す如く、前記主変速レバー(73)の変速操作位置及び中立位置及び前後進切換動作を検出するポテンショメータ型主変速センサ(96)と、前記副変速レバー(74)の変速操作位置及び中立位置を検出するポテンショメータ型副変速センサ(97)と、運転席(20)の作業者が切換えるステアリングコラム(71)上面の撮形手元操作部材(98)の操作によって操向ハンドル(19)の切れ角増大に対する車速の減速比を変更させるボリューム形旋回フィーリング設定器(99)と、前記操向角度センサ(95)を、マイクロコンピュータで形成する変速操向コントローラ(100)に入力接続させる。また、前記直進ノッチ(87)にデテントローラ(91)が係入する直進状態をデテントアーム(89)を介して検出するマイクロスイッチ型直進センサ(101)と、前記走行クローラ(2)のラグに埋込んで走行路面状況(乾田または湿田)を検出する圧電センサ型条件センサ(102)を前記コントローラ(100)に入力接続させる。なお、条件センサ(102)の検出データは電波信号に置換されてフィーリング設定器(99)に付設の受信回路に無線送信されて前記コントローラ(100)に入力される。
【0018】
さらに、図3、図5に示す如く、主変速レバー(73)手動操作によって切換える電動変速モータ(103)を設け、前記主変速レバー(73)を操作して変速モータ(103)を作動させて第1油圧ポンプ(23)の斜板角度を変更させ、第1油圧モータ(24)の出力軸(31)の回転数を無段階に変化させたり、逆転させる前後進切換動作を行わせ、主変速レバー(73)の操作量に比例させて第1油圧モータ(24)の回転数を変更させると共に、前記操向ハンドル(19)手動操作によって切換える電動操向モータ(104)と、操向ハンドル(19)の直進操作並びに副変速機構(32)中立切換によって作動させる直進バルブ(105)と、該バルブ(105)に接続させる操向クラッチシリンダ(106)を設け、前記操向ハンドル(19)を操作して操向モータ(104)を作動させて第2油圧ポンプ(26)の斜板角度を変更させ、第2油圧モータ(27)の出力回転数を無段階に変化させたり、逆転させる左右操向動作を行わせ、走行方向を左右に変更して圃場枕地で方向転換したり進路を修正するもので、操向ハンドル(19)の操作量に比例させて操向モータ(27)の回転数を変更させると共に、前記操向ハンドル(19)の直進操作並びに副変速機構(32)の中立操作によって直進バルブ(105)が自動的に切換わり、操向クラッチシリンダ(106)を作動させて操向出力クラッチ(62)を切にして第2油圧モータ(27)の出力を中止し、操向駆動を中止させるように構成している。
【0019】
さらに、前記変速モータ(103)を正転または逆転させる増速及び減速回路(107)(108)を前記コントローラ(100)に接続させ、主変速レバー(73)操作量(操作角度)に対して変速モータ(103)による第1油圧ポンプ(23)の斜板角を略正比例させて変化させ、主変速レバー(73)の傾き操作に応じた車速を得ると共に、前記操向モータ(104)を正転または逆転させる左右旋回回路(109)(110)を前記コントローラ(100)に接続させ、操向ハンドル(19)の操向操作量(左右回転角度)に対して操向モータ(104)による第2油圧ポンプ(26)の斜板を略正比例させて変化させ、また図6の旋回出力線図に示す如く、主変速レバー(73)の前進操作時と後進操作時とでは、操向ハンドル(19)の左右回転に対して左右旋回出力を逆にし、前進時と後進時とで逆ハンドルになるのを防ぎ、四輪自動車と同じ操向動作を行わせて前後進させる。また、主変速レバー(73)が中立のときは、第2油圧ポンプ(26)の斜板角を零に保ち、第2油圧モータ(27)の出力を停止維持し、主変速中立状態下でのハンドル(19)操作による旋回動作を阻止すると共に、操向ハンドル(19)切れ角に応じて大きくなる第2油圧ポンプ(26)の斜板角の絶対値を主変速レバー(73)操作角度の絶対値と比例するように制御し、操向ハンドル(19)切れ角が一定のときに車速を変化させても旋回半径を一定に保ち、四輪自動車と同じ操向動作で旋回させる。また、直進バルブ(105)を切換えて操向クラッチシリンダ(106)を作動させる直進回路(111)を前記コントローラ(100)に接続させ、副変速中立またはハンドル(19)直進によって操向出力を自動的に停止させると共に、第1油圧モータ(24)の作動油圧を検出させる変速油圧センサ(112)と、第2油圧モータ(27)の作動油圧を検出させる操向油圧センサ(113)を設け、前記各油圧モータ(24)(27)による走行クローラ(2)駆動負荷を各油圧センサ(112)(113)によって検出して前記コントローラ(100)に入力させ、前記条件センサ(102)並びに各油圧センサ(112)(113)の検出結果に基づき、走行路面状況(乾田または湿田)を自動的に判断させる。
【0020】
さらに、図7の車速出力線図に示す如く、操向ハンドル(19)の切れ角の増大に伴い、主変速レバー(73)変速位置で決定される車速を減速させるもので、主変速レバー(73)を一定位置に保ち乍らハンドル(19)切れ角に比例させて減速させ、ハンドル(19)を直進に戻すだけでレバー(73)速度に自動的に戻ると共に、ハンドル(19)最大切り角でスピンターン速度に減速され、またハンドル(19)の直進を中心とする不感帯(約15度の回転角度)でレバー(73)速度を保たせ、収穫作業中に未刈り穀稈列に沿わせる条合せ(進路修正)のための操向操作を行っても、走行速度が減速されたり増速されて収穫作業途中に走行速度が不均一に変化するのを防ぎ、作業者の運転感覚とコンバインの走行動作との間にずれが生じることなく適正な操向操作を行わせると共に、手元操作部材(98)を用いた作業者の手動切換により、鋭敏な旋回、通常間旋回、滑らかな旋回となるように減速比を変化させる制御を前記部材(98)の手動によって行わせ、作業内容、圃場条件、作物状況などに適応させた旋回性能を得る。
【0021】
さらに、図8の旋回出力線図に示す如く、前記主変速レバー(73)の操作角度を検出する主変速センサ(96)入力に対し、操向角度センサ(95)に基づきコントローラ(100)から出力される操向モータ(104)制御出力を二次曲線形に変化させ、容積効率が低い第2油圧ポンプ(26)の斜板の小さいときに車速が遅くても操向ハンドル(19)を少し切るだけで斜板を大きく変化させ、第2油圧ポンプ(26)及び油圧モータ(27)の特性を電気的に補正して遅い車速であっても敏感に操向モータ(104)により第2油圧ポンプ(26)を旋回制御し、主変速レバー(73)の変速全域で操向ハンドル(19)の切れ角に対して走行クローラ(2)の旋回半径を略同一に保つもので、主変速レバー(73)が高速のときよりも低速のときの操向ハンドル(19)操作量に対する第2油圧ポンプ(26)制御量の割合を大きくし、第2油圧ポンプ(26)出力が低効率になる低速域で車速が遅いときであっても操向ハンドル(19)の少量操作によって適正な旋回動作を行わせ、操向ハンドル(19)の操作量と走行クローラ(2)の旋回半径を一致させる操向操作性及び操向機能の向上を図ると共に、主変速レバー(73)の中立を主変速センサ(96)によって検出して第2油圧ポンプ(26)を中立に維持させ、停止時の走行クローラ(2)の旋回動作を阻止し乍ら低速域の旋回性能を向上させ、操向ハンドル(19)の操作性向上並びに運転操作の簡略化などを図る。
【0022】
さらに、図9は機体の左右旋回時における操向ハンドル(19)の切れ角と左右走行クローラ(2)の速度の関係を示すもので、ハンドル(19)の切れ角が大となる程左右走行クローラ(2)の速度差は大となると共に、左右走行クローラ(2)の平均速度となる機体中心速度も副変速レバー(74)の走行速度(高速・標準・低速)状態に応じて減速される。直進位置の操向ハンドル(19)を左方向(右方向)に約15度回転させる刈取り進路修正範囲では、変速出力が直進と略同一位置に維持されると共に、第2油圧ポンプ(26)によって第2油圧モータ(27)を正転(逆転)させる操向出力によって左方向(右方向)に旋回させ、未刈り穀稈(作物)列の湾曲に合せる進路修正を行う。このとき、旋回内側の走行クローラ(2)の減速量と、旋回外側の走行クローラ(2)の増速量が略等しくなり、機体中心速度が直進と略同一速度に保たれる。また、操向ハンドル(19)を直進位置から15度以上回転させると、変速出力が左旋回及び右旋回のいずれでも減速変化し、第1油圧ポンプ(23)及びモータ(24)の走行変速出力を減速させ、左右走行クローラ(2)(2)を同一方向に回転駆動させて前進(または後進)させ、左右走行クローラ(2)(2)の走行速度差により左方向(右方向)に旋回するブレーキターン動作を行わせ、未刈り穀稈(作物)列から外れたときに元の列に戻したり隣の列に移動させる進路修正を行う。さらに、操向ハンドル(19)を約116度回転させると、旋回出力が最高出力維持され、135度の切角範囲で機体中心速度が直進時の約4分の1に減速され、旋回内側の走行クローラ(2)が逆転駆動され、左右走行クローラ(2)の間の旋回中心回りに機体が旋回するスピンターン動作が行われ、左右走行クローラ(2)の左右幅だけ旋回方向にずらせて機体を180度方向転換させるもので、ハンドル切角0度からハンドル切角135度の範囲で操向ハンドル(19)を回転させて左または右方向の旋回操作を行い、直進位置を中心とした左右15度のハンドル(19)回転範囲で未刈り穀稈(作物)列に沿って移動する条合せ進路修正を、直進時の走行速度を維持し乍ら行うと共に、左右116度乃至135度のハンドル(19)回転により、旋回部材(28)を最高出力維持し乍ら、圃場枕地で機体を方向転換させて次作業工程に移動させるスピンターン動作を、直進時の約4分の1の走行速度(減速率25パーセント)に自動的に減速して行う。
【0023】
さらに、副変速を標準(秒速1.5メートル)速度に保ち、操向ハンドル(19)を90度回転させたとき、主変速レバー(68)操作により主変速出力を高速及び3分の2及び3分の1に変更しても、機体の旋回半径が略一定に保たれた状態で、旋回速度(機体中心速度)だけを変化させる。また、直進位置を基準として操向ハンドル(19)の約15度の操向操作範囲で第1油圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)を直進状態に維持させ、農作業中に作物列または畦などに機体を沿わせる操向操作を行っても走行速度が不均一に変化するのを防止し、略同一走行速度を保ち乍ら農作業中の進路修正を行え、作業者の運転感覚と機体の走行動作とを略一致させて適正な操向操作を行える。また、主変速レバー(73)の変速基準値を切換える副変速レバー(74)副変速操作の低速及び標準及び高速切換に比例させて旋回半径を小径乃至大径に変化させ、第1油圧ポンプ(23)及びモータ(24)と走行クローラ(2)間の減速比並びに第2油圧ポンプ(26)及びモータ(27)と走行クローラ(2)間の減速比の設定、或いはスピンターン動作に必要な小半径旋回に必要な走行駆動力の確保などを図ると共に、同一副変速操作位置で主変速レバー(73)を操作することによって旋回半径を略一定に保った状態で旋回時の走行速度を変化させる。
【0024】
さらに、図10に示す如く、前記操向ハンドル(19)の急激な操向操作によって操向角度センサ(95)の検出変化率が急増または急減したとき、変速操向コントローラ(100)からの左右旋回回路(109)(110)への操向入力が圧縮され、操向モータ(104)の急な挙動を防ぎ、かつ直前の変化率を維持し乍ら操向入力を変化させて操向モータ(104)を作動させ、操向部材(28)による左右走行クローラ(2)の速度差を緩やかに変化させ、操向部材(28)及び走行変速部材(25)の過負荷運転並びに走行クローラ(2)のスリップ及び横滑りなどを未然に阻止する。
【0025】
また、前記主変速レバー(73)の急激な走行変速操作によって主変速センサ(96)の検出変化率が急増または急減したとき、変速操向コントローラ(100)からの増速及び減速回路(107)(108)への主変速入力が圧縮され、変速モータ(103)の急な挙動を防ぎ、走行変速部材(25)による左右走行クローラ(2)の駆動速度を緩やかに変化させ、走行変速部材(25)の過負荷運転並びに走行クローラ(2)のスリップ及び横滑りなどを未然に阻止する。
【0026】
さらに、図11に示す如く、前記操向ハンドル(19)の操作量を検出する操向角度センサ(95)入力に対し、直進位置を基準にして操向ハンドル(19)操作量が小さい(約0〜10度の範囲)とき、前記各油圧センサ(112)(113)と条件センサ(102)の検出結果に基づき、前記コントローラ(100)から出力させる操向モータ(104)への操向入力を乾田作業で通常よりも大きく変化させ、かつ湿田作業で通常よりも小さく変化させると共に、操向ハンドル(19)操作量が大きいとき、前記操向入力を乾田作業で通常よりも小さく変化させ、かつ湿田作業で通常よりも大きく変化させる。また、前記主変速レバー(73)の操作量を検出する主変速センサ(96)入力に対し、中立位置を基準にして主変速レバー(73)操作量が小さいとき、前記各油圧センサ(112)(113)と条件センサ(102)の検出結果に基づき、前記コントローラ(100)から出力させる変速モータ(103)への変速入力を乾田作業で通常よりも大きく変化させ、かつ湿田作業で通常よりも小さく変化させると共に、主変速レバー(73)操作量が大きいとき、前記変速入力を乾田作業で通常よりも小さく変化させ、かつ湿田作業で通常よりも大きく変化させる。
【0027】
上記のように、乾田作業において、前記油圧ポンプ(23)(26)及びモータ(24)(27)を制御する操向入力及び変速入力を電気的に補正し、変速部材(25)及び操向部材(28)の低回転出力域での変速モータ(103)及び操向モータ(104)制御を敏感にし、低出力域での各部材(25)(28)による走行クローラ(2)駆動を機敏に行わせ、走行クローラ(2)の沈下量が少なくかつスリップまたは横滑り(ドリフト)が少ない乾田での農作業中の直進走行時の走行変速及び旋回性能を向上させる一方、高出力域での操向ハンドル(19)の過剰な進路修正並びに主変速レバー(73)の急な増減速を防止し、高速走行性を向上させる。また、湿田作業において、前記油圧ポンプ(23)(26)及びモータ(24)(27)を制御する操向入力及び変速入力を電気的に補正し、変速部材(25)及び操向部材(28)の低回転出力域での変速モータ(103)及び操向モータ(104)制御を鈍感にし、低出力域での各部材(25)(28)による走行クローラ(2)駆動開始初期の速度を緩やかに変化させ走行クローラ(2)の沈下量が多くなりかつスリップまたは横滑り(ドリフト)が少ない湿田での農作業中の直進走行時の走行変速及び旋回性能を向上させる一方、高出力域での操向ハンドル(19)の進路修正並びに主変速レバー(73)の増減速を機敏に行わせ、高速走行性を向上させる。
【0028】
上記から明らかなように、左右走行クローラ(2)の速度差を無段階に変化させる操向部材(28)と、該操向部材(28)を制御する操向操作具である操向ハンドル(19)を設ける移動農機において、走行路面状況の判断によって操向動作を自動的に切換え、走行クローラ(2)の沈下量が少なくて走行抵抗が小さくかつスリップが少ない乾田、または走行クローラ(2)の沈下量が多くて走行抵抗が大きくかつスリップし易い湿田など、走行路面に適した操向動作を容易に得られ、作業者の誤判断によって不適正な旋回動作が行われる不具合をなくし、乾田または湿田など圃場条件が著しく異なる作業での旋回性能の向上を図るもので、操向ハンドル(19)の操向変化状況を判断して操向部材(28)の応答を自動的に変更させ、操向ハンドル(19)を誤操作によって急激に大きく変位させても、旋回動作が著しく過負荷の状態下で行われる不具合をなくし、適正範囲内で旋回動作を行わせて旋回性能の向上などを図る。
【0029】
また、左右走行クローラ(2)を同時に増速または減速させる走行変速部材(25)と、該走行変速部材(25)を制御する走行変速操作具である主変速レバー(73)を設け、走行路面状況の判断によって走行変速動作を自動的に切換え、走行クローラ(2)の沈下量が少なくて走行抵抗が小さくかつスリップが少ない乾田、または走行クローラ(2)の沈下量が多くて走行抵抗が大きくかつスリップし易い湿田など、走行路面に適した増速または減速動作を容易に得られ、作業者の誤判断によって不適正な走行変速動作が行われる不具合をなくし、乾田または湿田など圃場条件が著しく異なる作業での走行性能の向上を図るもので、主変速レバー(73)の走行変速変化状況を判断して走行変速部材(25)の応答を自動的に変更させ、主変速レバー(73)を誤操作によって急激に大きく変位させても、変速動作が著しく過負荷の状態下で行われる不具合をなくし、適正範囲内で変速動作を行わせて走行性能の向上などを図る。
【0030】
また、操向ハンドル(19)の旋回操作によって走行変速部材(25)を自動的に減速動作させ、操向ハンドル(19)の操向操作だけで圃場枕地での方向転換をスピンターン動作によって適正車速に減速させて行い、面倒な走行変速操作を省けると共に、機敏な旋回動作を得られる乾田作業での方向転換性能を向上させ、かつスピンターンが不要な湿田作業での方向転換性能の向上なども行い、旋回性能及び走行性能の向上並びに取扱い操作性の向上などを図るように構成している。
【0031】
そして、図12のフローチャートに示す如く、主変速センサ(296)、副変速センサ(97)、操向角度センサ(95)、条件センサ(102)、フィーリング設定器(99)、直進センサ(101)、変速油圧センサ(112)、操向油圧センサ(113)からコントローラ(100)に入力させる。また、副変速レバー(74)が中立のときに旋回出力切制御を行って操向出力クラッチ(62)を切にして第2油圧モータ(27)を中止させると共に、主変速レバー(73)が中立のときに旋回出力切制御を行う一方、操向ハンドル(19)が直進位置のとき、操向出力クラッチ(62)切制御によって第2油圧モータ(27)の出力を中止させる。また、副変速レバー(74)が中速または低速に位置し、主変速レバー(73)が中立以外に位置すると、条件センサ(102)入力と、フィーリング設定器(99)入力と、変速油圧センサ(112)入力に基づき、走行路面状況(乾田、通常、湿田)が自動的に判断され、図11のように変速モータ(103)への変速入力値を補正し、図10のように補正変速入力値の変化率が一定以上のときに該補正変速入力値を圧縮し、補正変速入力値に基づく主変速制御によって変速モータ(103)を作動させ、左右走行クローラ(2)の駆動速度を変更させる。
【0032】
さらに、前記操向ハンドル(19)が直進位置のとき、操向クラッチ(62)切制御によって第2油圧モータ(27)の出力を中止させる操向制動制御を行わせる。また、操向ハンドル(19)が直進以外の位置に操作されることにより、条件センサ(102)入力と、フィーリング設定器(99)入力と、操向油圧センサ(113)入力に基づき、走行路面状況(乾田、通常、湿田)が自動的に判断され、図11のように操向モータ(104)への操向入力値を補正し、図10のように補正操向入力値の変化率が一定以上のときに該補正操向入力値を圧縮し、補正操向入力値に基づいて操舵量及び操向方向が演算されて決定され、操向制御によって、操向モータ(104)を作動させ、左右走行クローラ(2)の駆動速度に差を生じさせて進路を変更させると共に、主変速センサ(96)入力と操向角度センサ(95)入力によって主変速減速量が演算されて決定され、主変速減速制御によって変速モータ(103)を作動させ、左右走行クローラ(2)(2)の駆動速度を変更するもので、前記の操向制御と減速制御によって条合せ進路修正並びに圃場枕地でのスピンターンによる方向転換などを行い、連続的に穀稈を刈取って脱穀する収穫作業を行わせる。また、操向ハンドル(19)操作角度に応じて減速される車速の最終速度を手元操作部材(98)のフィーリング設定器(99)操作によって無段階に変更させ、例えば路上走行または乾田作業において、ハンドル(19)操作量に対して車速減速量を大きくすると、敏感な旋回が可能になり、また車速減速量を減らすことによって滑らかな旋回フィーリングになると共に、湿田作業またはスピンターンが不要なときに車速減速量を減らすと、湿田走行性能が向上し、またハンドル(19)を大きく操作してもスピンターンによる急旋回が防止される。
【0033】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、左右走行クローラ(2)の速度差を無段階に変化させる操向部材(28)と、該操向部材(28)を制御する操向操作具(19)と、上記左右走行クローラを同時に増速または減速させる走行変速部材(25)と、該走行変速部材(25)を制御する走行変速操作具(73,74)とを設ける移動農機において、乾田または湿田の走行路面状況を入力する条件センサ(102)入力と、操向操作具(19)の切れ角増大に対する車速の減速比を変更させるフィーリング設定器入力(99)と、操向部材(28)の作動油圧を検出する操向油圧センサ(113)入力に基づき、操向操作具(19)の操作に連動して切換える操向部材(28)への操向入力値を補正し、補正操向入力値の変化率が一定以上のときに該補正操向入力値を圧縮し、補正操向入力値に基づいて操舵量及び操向方向が演算されて決定され、操向制御によって、操向部材(28)を作動させ、左右走行クローラ(2)の駆動速度に差を生じさせて進路を変更させると共に、走行変速操作具(73,74)の変速操作位置及び中立位置及び前後進切換動作を検出する変速センサ入力(96,97)と、操向操作具(19)の操向操作量を検出させる操向角度センサ(95)入力によって変速減速量が演算されて決定され、変速減速制御によって、走行変速部材(25)を作動させて、左右走行クローラ(2)の駆動速度を変更させるように構成している。
【0034】
従って、操向制御と減速制御によって条合せ進路修正並びに圃場枕地でのスピンターンによる方向転換などを行い、連続的に穀稈を刈取って脱穀する収穫作業を行わせる。また、操向ハンドル(19)操作角度に応じて減速される車速の最終速度を手元操作部材(98)のフィーリング設定器(99)操作によって無段階に変更させ、例えば路上走行または乾田作業において、ハンドル(19)操作量に対して車速減速量を大きくすると、敏感な旋回が可能になり、また車速減速量を減らすことによって滑らかな旋回フィーリングになると共に、湿田作業またはスピンターンが不要なときに車速減速量を減らすと、湿田走 行性能が向上し、またハンドル(19)を大きく操作してもスピンターンによる急旋回が防止される。
【0035】
そして、走行クローラ(2)の沈下量が少なくて走行抵抗が小さくかつスリップが少ない乾田、または走行クローラの沈下量が多くて走行抵抗が大きくかつスリップし易い湿田など、走行路面に適した操向動作を容易に得ることができ、乾田または湿田など圃場条件が著しく異なる作業での旋回性能の向上を容易に図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】ミッション駆動系の説明図。
【図4】操向ハンドル部の平面説明図。
【図5】変速及び操向制御回路図。
【図6】操向ハンドルと旋回出力を示す線図。
【図7】操向ハンドルと変速出力を示す線図。
【図8】主変速レバーと旋回出力を示す線図。
【図9】主変速と操向ハンドル操作を示す線図。
【図10】操向ハンドルと操向入力並びに主変速レバーと主変速入力を示す線図。
【図11】操向ハンドル及び主変速レバーと操向入力及び変速入力を示す線図。
【図12】変速操向制御フローチャート。
【符号の説明】
(2) 走行クローラ
(19) 操向ハンドル(操向操作具)
(25) 走行変速部材
(28) 操向部材
(73) 主変速レバー(走行変速操作具)
Claims (1)
- 左右走行クローラの速度差を無段階に変化させる操向部材と、該操向部材を制御する操向操作具と、上記左右走行クローラを同時に増速または減速させる走行変速部材と、該走行変速部材を制御する走行変速操作具とを設ける移動農機において、
乾田または湿田の走行路面状況を入力する条件センサ入力と、操向操作具の切れ角増大に対する車速の減速比を変更させるフィーリング設定器入力と、操向部材の作動油圧を検出する操向油圧センサ入力に基づき、操向操作具の操作に連動して切換える操向部材への操向入力値を補正し、補正操向入力値の変化率が一定以上のときに該補正操向入力値を圧縮し、補正操向入力値に基づいて操舵量及び操向方向が演算されて決定され、操向制御によって、操向部材を作動させ、左右走行クローラの駆動速度に差を生じさせて進路を変更させると共に、
走行変速操作具の変速操作位置及び中立位置及び前後進切換動作を検出する変速センサ入力と、操向操作具の操向操作量を検出させる操向角度センサ入力によって変速減速量が演算されて決定され、変速減速制御によって、走行変速部材を作動させて、左右走行クローラの駆動速度を変更させるように構成したことを特徴とする移動農機。
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