JP4112428B2 - インターリーブ受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル伝送技術に係り、特に、伝送路における遮断耐性を高めることを可能とする長周期インターリーブ受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像情報、音声情報などのデータを伝送するデジタル伝送システムには、図1に示すような、長周期インターリーブ伝送システムがある。図1は、従来の長周期インターリーブ伝送システムを説明するブロック図である。長周期インターリーブ伝送システム1は、伝送路4を介して接続されるインターリーブ送信装置2とインターリーブ受信装置3とを備えている。
【0003】
インターリーブ送信装置2は、長周期インターリーブ部10、外外符号符号化部11、外符号符号化部12、短周期インターリーブ部13、内符号符号化部14、同期信号発生部15、およびデジタル変調部16を備え、図示しない情報源からデータを入力し、インターリーブ処理、符号化処理、およびデジタル変調を行い、電波を伝送路4に送出する。また、インターリーブ受信装置3は、長周期デインターリーブ部20、外外符号復号部21、外符号復号部22、短周期デインターリーブ部23、内符号復号部24、同期信号検出部25、デジタル復調部26、クロック再生部27、および逓倍・分周部28を備え、伝送路4から電波を受信し、デジタル変調、復号化処理、およびデインターリーブ処理を行い、データを出力する。
【0004】
次に、長周期インターリーブ伝送システム1の動作について、図1および2を参照して説明する。まず、インターリーブ送信装置2の動作について説明する。長周期インターリーブ部10は、図示しない情報源からデータ(ここでは188バイトのMPEG2−TSパケットとする。)を入力し、当該データを長周期インターリーブ部10内に有するメモリに、図2の(1)部に示すように、上の行から順に書き込み、長周期のインターリーブを行う。次に、外外符号符号化部11は、第1の誤り訂正符号パリティを図2の(1)部について縦方向に計算し、図2の(2)の位置に書き込む。次に、外符号符号化部12は、第2の誤り訂正符号パリティを図2の(1)および(2)部について横方向に計算して、図2の(3)の位置に付加し、当該パリティが付加されたデータを短周期インターリーブ部13に転送する。
【0005】
短周期インターリーブ部13は、深さ10程度の短周期のインターリーブ(ビットの並び順を10パケット分程度の中で擬似ランダムに入れ替える処理)を行う。内符号符号化部14は、第3の誤り訂正符号パリティを付加する。その後、デジタル変調部16は、QPSKや16QAMなどのデジタル変調方式により変調を行う。また、このとき同期信号発生部15は、周期的に同期信号を挿入する。このようにして、インターリーブ送信装置2は、伝送路4に電波を送出する。
【0006】
伝送路4では降雨時に電波が減衰するため、閾値以上の減衰が発生した場合には降雨遮断が発生する。この場合、インターリーブ受信装置3は、遮断している間の電波を受信することができない。
【0007】
次に、インターリーブ受信装置3の動作について説明する。まず、デジタル復調部26は、電波を受信し検波する。このとき、クロック再生部27は、以降のブロック(内符号復号部24、短周期デインターリーブ部23、外符号復号部22、外外符号復号部21、および長周期デインターリーブ部20)で利用されるタイミング基準信号(クロック信号)を発生する。更に、逓倍・分周部28は、インターリーブ受信装置3各部で使われる周波数に合わせた逓倍または分周を行い、インターリーブ受信装置3各部にクロック信号として供給する。
【0008】
また、同期信号検出部25は、デジタル復調部26により検波された信号を用いて、インターリーブ送信装置2で多重した同期信号の検出を行い、以降のブロックの処理に必要なゲート信号を発生する。この場合、クロック再生部27により発生されたタイミング基準信号、すなわちクロック発生と、インターリーブ送信装置2内で使われているタイミング信号とが同期し、かつ同期信号検出部25が同期信号をうまく捕捉しているときには、以降のブロックにおいて、正しい処理が可能となる。
【0009】
次に、内符号復号部24は、第3の誤り訂正符号の復号を行い、ビット誤りを訂正する。短周期デインターリーブ部23は、インターリーブ送信装置2の短周期インターリーブ部13により順序入れ替えされたデータ系列を元の順序に戻すため、順序入れ替えを行う。その後、外符号復号部22は、第2の誤り訂正符号の復号を行い、ビット誤りを訂正する。また、外符号復号部22は、復号したデータを長周期デインターリーブ部20のメモリに書き込む。図3に、そのデータの構成を示す。外外符号復号部21は、図3に示したデータに対し、図3の(2)部の外外符号パリティを用いて第1の誤り訂正符号の復号を行い、ビット誤りを訂正する。そして、長周期デインターリーブ部20は、デインターリーブを行い、メモリに書き込まれたデータを出力する。
【0010】
ここで、伝送路4上で降雨遮断により誤りが発生した場合、長周期デインターリーブ部20のメモリには、図4に示すようなデータが書き込まれる。図4に示すように、MPEG2−TSパケットが書き込まれた(1)部の×は、伝送路4上で降雨遮断により誤りが発生した箇所である。この場合、縦方向のサイズ(N+P)が非常に大きい値であるため、各列における誤りビットの割合は小さな値となる。このため、外外符号での誤り訂正を効率的に行うことが可能となり、降雨による遮断の影響を軽減することができる。
【0011】
ところで、このようなインターリーブ伝送システムの例として、HDDなどのデバイスを用いて高速インターリーブを実現し、パケット誤り率を抑えることが可能な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
【特許文献1】
特開2003−101419号公報(段落〔0062〕〔0070〕、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、長周期インターリーブ伝送を行うことにより、降雨遮断を改善することが可能となる。また、降雨遮断があったとしても、外外符号による訂正能力の範囲内であれば、遮断の影響を受けることなく伝送路4から電波を受信することも可能となる。これらの長所は、クロック再生部27が降雨遮断による信号遮断中においてもタイミング基準信号の再生を完全に行っていた場合に言えることである。
【0014】
しかしながら、極めて大きな降雨遮断が発生すると、インターリーブ受信装置3においてクロック再生が困難になる場合がある。すなわち、クロック再生部27がタイミング基準信号を正しく再生することができず、インターリーブ送信装置2で使われているタイミング信号よりも早いタイミングでタイミング基準信号を再生してしまう場合がある。この場合には、逓倍・分周部28が早いタイミング基準信号に基づいてクロック信号を生成し、長周期デインターリーブ部20がこのクロック信号を用いてメモリに書き込まれたデータの読み出しを行う。このときに降雨遮断が復帰すると、再び長周期デインターリーブ部20のメモリにデータの書き込みを行うときには、早いタイミングのクロック信号によってすでにそのデータが読み出されてしまっているという動作が起こり得る(アンダーフローが発生する)。この結果、降雨遮断が復帰した後に受信したデータについても、そのインターリーブフレームについては欠損になってしまうため、外外符号による遮断部分の修復が効果的に行われない確率が高くなってしまうことになる。
【0015】
すなわち、長周期インターリーブ伝送方式において、伝送路4で大きな減衰が生じ、クロック再生が困難となった場合、インターリーブ受信装置3の再生クロックがインターリーブ送信装置2におけるクロックよりも早くなってしまったときには、インターリーブ受信装置3の遅延素子におけるデータのアンダーフローが発生し、本来修復できるはずのデータが修復できなくなるという問題があった。
【0016】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、伝送路においてクロック再生が困難な遮断が生じても、データのアンダーフローが生じることがなく、遮断耐性を高めることが可能な長周期インターリーブ受信装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、伝送路から受信した信号に基づいて同期信号を検出するとともにクロック信号を再生し、該クロック信号によってデインターリーブ処理を行うインターリーブ受信装置において、前記伝送路における信号遮断の有無を検出し、該検出結果に応じて前記クロック信号の周波数を制御する信号遮断検出手段と、インターリーブ受信処理が行われるデータの蓄積量を監視する蓄積データ量監視部とを備え、前記信号遮断検出手段が、信号遮断を検出した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生されたクロック信号の周波数よりも低い周波数にクロック信号を制御し、信号遮断が終了した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生された周波数よりも高い周波数にクロック信号を制御し、前記蓄積データ量監視部が、蓄積量が所定の量に減少したことを判断した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生された周波数のクロック信号によってインターリーブ受信処理が行なわれるように通常の状態に戻すことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係るインターリーブ受信装置を含む長周期インターリーブ伝送システムを説明するブロック図である。なお、図5に示す長周期インターリーブ伝送システム5を構成する要素のうち、図1に示した長周期インターリーブ伝送システム1を構成する要素と同一の要素には同一の符号を付し、それぞれの説明を省略する。
【0021】
図5に示すように、長周期インターリーブ伝送システム5は、伝送路4を介して接続されるインターリーブ送信装置2とインターリーブ受信装置6とを備えている。インターリーブ送信装置2については、図1に示した従来のインターリーブ送信装置2の例と同様である。
【0022】
インターリーブ受信装置6は、長周期デインターリーブ部20、外外符号復号部21、外符号復号部22、短周期デインターリーブ部23、内符号復号部24、同期信号検出部25、デジタル復調部26、クロック再生部27、逓倍・分周部28、遮断検出部31、発振器32,33、スイッチSW34、蓄積データ量監視部35、および誤り率測定部36,37を備えている。図1に示した従来のインターリーブ受信装置3と比べると、インターリーブ受信装置6は、遮断検出部31、発振器32,33、スイッチSW34、蓄積データ量監視部35、および誤り率測定部36,37を備えている点において異なる。
【0023】
遮断検出部31は、伝送路4からの受信信号の遮断を検出する機能、発振器32は遅延素子からの読み出しクロック(逓倍・分周部28から出力される周波数foのクロック)よりも高い発振周波数fHを発振する機能、発振器33は前記クロック(周波数fo)よりも低い発振周波数fLを発振する機能、スイッチSW34は長周期デインターリーブ部20に出力するクロックを発振器32と、発振器33と、逓倍・分周部28とのいずれか一つを選択して切り替える機能、蓄積データ量監視部35は遅延素子の蓄積データ量を監視する機能をそれぞれ有する。また、誤り率測定部36は内符号復号部24におけるデータの誤り率を測定する機能、誤り率測定部37は外符号復号部22におけるデータの誤り率を測定する機能を有する。
【0024】
具体的には、遮断検出部31は、伝送路4において遮断の有無を監視し、遮断があった場合には、遮断が発生したことを知らせる制御信号をスイッチSW34に出力する。スイッチSW34は、当該制御信号により、周波数fLの発振器33を選択する。すなわち、遮断検出部31は、スイッチSW34が信号遮断時における周波数foよりも低い周波数fLを選択するように制御する。これにより、信号遮断時において、遮断していない通常時の周波数に近い周波数(インターリーブ送信装置2で使われているタイミング信号の周波数に近い周波数)を用いることができるから、長周期デインターリーブ部20からデータがアンダーフローする問題を回避できる。
【0025】
一方、遮断検出部31は、信号が復旧したときはこれを検出し、遮断が終了したことを知らせる制御信号をスイッチSW34に出力する。スイッチSW34は、当該制御信号により、周波数fHの発振器32を選択する。すなわち、遮断検出部31は、スイッチSW34が信号復旧時における遮断していない通常時の周波数よりも高い周波数fHを選択するように制御する。これにより、信号復旧時において、より高い周波数を用いることができるから、遮断発生時に長周期デインターリーブ部20に過剰に蓄積されたデータを吐き出すことができる。
【0026】
また、蓄積データ量監視部35は、信号遮断が発生した後信号が復旧した場合に、長周期デインターリーブ部20内に蓄積されたデータ量を監視し、規定のデータ量までデータが減少したことを確認したときは、スイッチSW34に制御信号を出力する。スイッチSW34は、当該制御信号により、通常の周波数foに切り替える。これにより、通常の受信状態に復帰する。
【0027】
なお、遮断検出部31は、以下に示すように、信号遮断を検出する。
(1)伝送路4を通過したデジタル復調部26が受信する信号を分岐して受信し、その信号レベルが極端に下がったと判断した場合に、信号遮断であると判定する。
(2)同期信号検出部25から同期信号を入力し、同期信号の検出ができなくなったと判断した場合に、信号遮断であると判定する。
(3)誤り率測定部36が、内符号復号部24の前後のデータを使って内符号復号前のデータの誤り率を計算する。そして、遮断検出部31が、誤り率測定部36からその誤り率を入力し、その誤り率が閾値を上回ったと判断した場合に、信号遮断であると判定する。
(4)誤り率測定部37が、外符号復号部22の前後のデータを使って外符号復号前のデータの誤り率を計算する。そして、遮断検出部31が、誤り率測定部37からその誤り率を入力し、その誤り率が閾値を上回ったと判断した場合に、信号遮断であると判定する。
これらのうちの一つ以上の方法を用いることにより、信号遮断の判定の実現が可能となる。
【0028】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態においては、周波数fHの発振器32および周波数fLの発振器33を用いて構成したが、逓倍・分周部28が逓倍比または分周比を変更したクロックを長周期デインターリーブ部20に出力するようにしてもよい。また、周波数fHと周波数fLとの差は、インターリーブ受信装置6の出力の後段に接続される装置の種類によって決定すればよい。例えば、インターリーブ受信装置6が画像・音声などのデータを受信する装置であれば、その画像・音声デコーダが許容する範囲内で選べばよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインターリーブ受信装置によれば、信号遮断の有無を検出しその検出結果に基づいて再生クロックのレート制御を行うから、伝送路においてクロック再生が困難な遮断が生じても、データのアンダーフローが生じることがなく、遮断耐性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の長周期インターリーブ伝送システムを説明するブロック図である。
【図2】 長周期インターリーブ部におけるデータの信号形式を説明する図である。
【図3】 長周期デインターリーブ部におけるデータの信号形式を説明する図である。
【図4】 降雨遮断による誤りが発生した場合の長周期デインターリーブ部におけるデータの信号形式を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係るインターリーブ受信装置を含む長周期インターリーブ伝送システムを説明するブロック図である。
【符号の説明】
1,5 長周期インターリーブ伝送システム
2 インターリーブ送信装置
3,6 インターリーブ受信装置
4 伝送路
10 長周期インターリーブ部
11 外外符号符号化部
12 外符号符号化部
13 短周期インターリーブ部
14 内符号符号化部
15 同期信号発生部
16 デジタル変調部
20 長周期デインターリーブ部
21 外外符号復号部
22 外符号復号部
23 短周期デインターリーブ部
24 内符号復号部
25 同期信号検出部
26 デジタル復調部
27 クロック再生部
28 逓倍・分周部
31 遮断検出部
32,33 発振器
34 スイッチSW
35 蓄積データ量監視部
36,37 誤り率測定部
Claims (1)
- 伝送路から受信した信号に基づいて同期信号を検出するとともにクロック信号を再生し、該クロック信号によってデインターリーブ処理を行うインターリーブ受信装置において、前記伝送路における信号遮断の有無を検出し、該検出結果に応じて前記クロック信号の周波数を制御する信号遮断検出手段と、
インターリーブ受信処理が行われるデータの蓄積量を監視する蓄積データ量監視部とを備え、
前記信号遮断検出手段が、信号遮断を検出した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生されたクロック信号の周波数よりも低い周波数にクロック信号を制御し、信号遮断が終了した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生された周波数よりも高い周波数にクロック信号を制御し、
前記蓄積データ量監視部が、蓄積量が所定の量に減少したことを判断した場合には前記伝送路から受信した信号に基づいて再生された周波数のクロック信号によってインターリーブ受信処理が行なわれるように通常の状態に戻すことを特徴とするインターリーブ受信装置。
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