JP4112263B2 - リソグラフィ投影装置、位置決めシステムおよびデバイス製造方法 - Google Patents

リソグラフィ投影装置、位置決めシステムおよびデバイス製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、
放射の投影ビームを供給するための放射システムと、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように使用されるパターン形成手段を支持するための支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分に投影するための投影システムとを備えたリソグラフィ投影装置で使用される平面モータを位置合わせする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここで使用されるような「パターン形成手段」という用語は、基板の目標部分に作成すべきパターンに対応するパターン形成された断面を、入射放射ビームに与えるために使用することができる手段を称するものとして、広く解釈すべきである。また、用語「光弁」は、この文脈で使用することができる。一般に、前記のパターンは、集積回路または他のデバイスのような、目標部分に作成されるデバイスの特定の機能層に対応する(下を参照されたい)。そのようなパターン形成手段の例は、次のものを含む。
マスク。マスクの概念は、リソグラフィではよく知られており、2進位相シフト、交番位相シフト、および減衰位相シフト、ならびに様々な混成マスクの種類のようなマスクの種類を含む。そのようなマスクを放射ビーム内に配置することで、マスクのパターンに応じて、マスクに当る放射の選択的な透過(透過マスクの場合)または反射(反射マスクの場合)が起こる。マスクの場合、支持構造は一般にマスク・テーブルであり、このマスク・テーブルによって、マスクは、確実に入射放射ビーム内の所望の位置に保持することができるようになり、さらに、望むならば、マスクをビームに対して移動させることができるようになる。
プログラム可能ミラー・アレイ。そのようなデバイスの一例は、粘弾性制御層および反射表面を有するマトリック・アドレス指定可能表面である。そのような装置の基本原理は、(例えば)反射表面のアドレス指定された領域は入射光を回折光として反射するが、アドレス指定されていない領域は入射光を非回折光として反射する。適切なフィルタを使用して、前記の非回折光を、反射ビームからフィルタ除去して、後に回折光だけを残すことができる。このようにして、マトリックス・アドレス指定可能表面のアドレス指定パターンに従って、ビームはパターン形成される。プログラム可能ミラー・アレイの他の実施形態では、小さなミラーのマトリックス配列が使用される。この小さなミラーの各々は、適当な局部電界を加えることで、または圧電作動手段を使用することで、軸のまわりに個々に傾斜させることができる。やはり、アドレス指定されたミラーが、アドレス指定されていないミラーに対して異なる方向に入射放射ビームを反射するように、ミラーはアドレス指定可能なマトリックである。このようにして、反射ビームは、マトリックス・アドレス指定可能ミラーのアドレス指定パターンに応じてパターン形成される。必要なマトリックス・アドレス指定は、適当な電子的な手段を使用して行うことができる。上記の両方の状況で、パターン形成手段は1つまたは複数のプログラム可能ミラー・アレイを含むことができる。そのようなミラー・アレイについて、例えば、米国特許第5,296,891号および米国特許第5,523,193号からより多くの情報を収集することができる。詳細はこれらの特許を参照されたい。プログラム可能ミラー・アレイの場合、前記の支持構造は、例えば、フレームまたはテーブルとして具体化することができ、それは、必要に応じて、固定するか、可動にすることができる。
プログラム可能LCDアレイ。そのような構造の一例は、米国特許第5,229,872号に与えられている。詳細は、この特許を参照されたい。上記のように、この場合の支持構造は、例えば、フレームまたはテーブルとして具体化することができ、それは、必要に応じて、固定するか、可動にすることができる。
簡単にするために、本明細書の残りは、特定の配置による、具体的には、マスクおよびマスク・テーブルを含む例を対象とする。しかし、そのような例で述べる一般的な原理は、上で述べたようなパターン形成手段を広義に解釈すべきである。
【0003】
リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造で使用することができる。そのような場合、パターン形成手段は、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンの像が、感放射線材料(レジスト)の層で覆われた基板(シリコン・ウェーハ)上の目標部分(例えば、1つまたは複数のチップで構成される)に形成される。一般に、単一のウェーハは全体として網の目状の隣接する目標部分を含み、この隣接する目標部分が、投影システムにより、一度に1つずつ、連続的に照射される。マスク・テーブル上のマスクによるパターン形成が使用される現在の装置では、2つの異なる種類の機械を区別することができる。一方の種類のリソグラフィ投影装置では、全マスク・パターンを一括して目標部分に露出させることで、各目標部分が照射される。そのような装置は、通常、ウェーハ・ステッパと呼ばれる。走査ステップ式装置と通常呼ばれる他方の装置では、投影ビームの当るマスク・パターンを所与の基準方向(「走査」方向)に漸進的に走査し、同時に、同期して、この方向に対して平行または逆平行に基板テーブルを走査することで、各目標部分が照射される。一般に、投影システムは、拡大率M(一般に、M<1)を持つので、基板テーブルが走査される速度Vは、マスク・テーブルが走査される速度の因数M倍となる。ここで説明したようなリソグラフィ装置に関して、例えば、米国特許第6,046,792号から、もっと多くの情報を収集することができる。詳細はこの特許を参照されたい。
【0004】
リソグラフィ投影装置を使用する製造プロセスでは、感放射線材料(レジスト)の層で少なくとも部分的に覆われた基板に、パターン(例えば、マスク内の)の像が作られる。この像形成ステップの前に、基板は、下塗り、レジスト被覆、およびソフト・ベークのような様々な手順を経ることができる。露出後に、基板は、露出後ベーク(PEB)、現像、ハード・ベーク、および形成された像の特徴の測定/検査のような他の手順を受けることができる。この手順の配列は、デバイス、例えばICの個々の層をパターン形成する基礎として使用される。次に、そのようなパターン形成層は、エッチング、イオン打込み(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨などのような、全て個々の層を仕上げるために意図された、様々なプロセスを経ることができる。いくつかの層が必要な場合には、この全手順またはこれに類似の手順を、新しい層ごとに繰り返さなければならない。最終的に、デバイスの配列が基板(ウェーハ)上に存在するようになる。次に、ダイシングまたは鋸引きのような方法で、これらのデバイスを互いに分離し、それから、個々のデバイスを、ピンなどに接続されたキャリアに取り付けることができる。そのようなプロセスに関するより多くの情報は、例えば、「Microchip Fabrication:A practical Guide to Semiconductor Processing(マイクロチップの製造:半導体処理への実用的入門書)」、Third Edition、by Peter van Zant、McGraw Hill Publishing Co.、1997、ISBN0−07−067250−4の本から得ることができる。詳細はこの本を参照されたい。
【0005】
簡単にするために、投影システムを以下で「レンズ」と呼ぶことがある。しかし、この用語は、例えば、屈折光学システム、反射光学システム、およびカタディオプトリック・システムなどの様々な種類の投影システムを包含するものとして広く解釈すべきである。また、放射システムは、これらの設計方式のいずれかに従って動作して放射の投影ビームを方向付け、整形し、または制御する構成部品を含むことができる。さらに、そのような構成部品もまた、下で一括してまたは単独で、「レンズ」と呼ぶことがある。さらに、リソグラフィ装置は、2つ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスク・テーブル)を有する種類のものであることがある。そのような「マルチ・ステージ」の装置では、追加のテーブルは、並列に使用されることがあり、または、他の1つまたは複数の他のテーブルを露出に使用しながら、1つまたは複数のテーブルで準備ステップが行われることがある。双子ステージ・リソグラフィ装置は、例えば、米国特許第5,969,441号および国際公開WO98/40791に記載されている。詳細はこれら文献を参照されたい。
【0006】
リソグラフィ装置において、物体テーブル、特に基板テーブルの位置決めシステムで使用するための平面モータが提案されている。基板テーブルを位置決めするための適当な平面モータは磁石のいわゆる「チェッカー盤」を備え、コイル・ユニット(時には、電機子または並進機構と呼ばれることもある)は、コイルが付勢されるときにコイル・ユニットに働く力に応答して、この磁石の「チェッカー盤」の上を動く。チェッカー盤は、モータの固定子を形成し、正方形のアレイを形成する横列および縦列の磁石を備える。各磁石は、垂直方向の磁界を生成するが、その方向は交互になっている。チェッカー盤に類似していることに関連して、たとえば、黒の正方形は一番上にN極がある磁石であり、白の正方形は一番上にS極がある磁石である。固定子は、その盤の面内で磁界を生成し、横列および縦列の主磁石の間に配列された他の磁石を含むこともできる。これらの他の磁石は、主磁石で生成される磁界を強めるように、さらに浮上力を生成してコイル・ユニットのベアリングを形成するようにも配列することができる。
【0007】
単純な回転式モータと違って、特定の付勢電流に応答して平面モータが加える力の大きさおよび方向は、固定子内の周期的な磁石構造に対する並進機構コイルの物理的な位置に依存する。この並進機構の物理的な位置は並進機構の位相位置と呼ばれることもある。このようにして、コイルに流すべき付勢電流を決定して所望の力を生成するために、並進機構位相位置を知ることが必要である。リソグラフィ装置において、テーブル、例えば基板テーブルの位置は、従来、干渉式変位測定手段を使用して測定されている。この干渉式測定手段は非常に高精度で、大きな動作範囲を有し、さらに応答時間が非常に速い。しかし、大抵の位置決めシステムは、高精度の位置決めユニットと精度の粗い位置決めユニットを有し、干渉計は投影レンズを基準として高精度ステージの位置を測定するために使用される。この干渉計は、装置の他の部分および特に位置決めシステムから分離された基準フレームに取付けられている。したがって、干渉計で測定されるようなステージ位置は、精度の粗い位置決めユニットで使用される平面モータの並進機構の位置を、装置の主フレームに取付けられた固定子に対して測定するのに余り役に立たない。
【0008】
したがって、並進機構と固定子の相対的な位置を決定するために、追加の位置センサを設けることが必要である。並進機構の移動は光エンコーダで好都合に測定することができるが、そのようなデバイスは変位のみを測定し、さらに初期化する必要がある。初期位置を決定するために、テーブルの絶対的な位置を直接に測定することができる位置測定システムを追加して設けることができる。(そのようなシステムは、測定範囲が限られているために、または応答速度が遅いために、テーブルの移動範囲の全範囲にわたってそのテーブル位置を測定するのに適していない可能性がある。)もしくは、テーブルの移動範囲の極端に、物理的な停止装置を設けることができる。そのとき、テーブルは、その知られていない初期位置から駆動されて、その停止装置に衝突する。テーブルの移動が止まった時に、停止装置にしっかりと接触して、その位置を画定することが知られている。絶対的な位置測定システムを追加して設けることで、費用の追加をまねくことになり、また、リソグラフィ装置内の非常に少くなくて貴重な空間を占有することになる。テーブルを物理的な停止装置に繰り返し衝突させることで、テーブルに汚染、望ましくない摩耗および衝撃が起こる。
【0009】
EP−0297643−A1には、同期型のリニア・モータまたは回転モータの位置合せの方法が記載されている。その方法では、モータの駆動力と位相巻線の付勢電流の間の関係が、回転子または並進機構の位置の周期関数であり、さらに、その方法は、回転子または並進機構の変位を測定するための増分エンコーダを備えている。その方法は、異なる位相巻線に順に測定電流を生成して回転子または固定子に振動を生成することを含み、さらに誘起された振動の振幅から回転子または並進機構の位置を決定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、リソグラフィ投影装置の平面モータの可動部分の初期位置を決定する改良された方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的および他の目的は、冒頭の段落に明記したようなリソグラフィ装置で、
前記周期的な磁石構造の周期よりも小さな振幅を有する前記並進機構の振動を引き起こすのに十分な振動信号で、複数の前記付勢可能なコイルを順に付勢するための第1の制御手段と、
前記並進機構の前記振動を測定するための振動測定手段と、
前記測定された振動に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するための第2の制御手段とを特徴とする本発明に従って達成される。
【0012】
比較的小さな振幅で短い周期の信号で平面信号のコイルを付勢することで、並進機構は、実際に並進を行わないで、その初期位置のまわりで振動するようになる。コイルに加えられた既知の試験信号で生じた振動の振幅および方向は、初期位置、したがってそのコイルと周期的な磁石構造の間の位相関係でのそのコイルに対するモータの応答を示す。複数のコイルに試験信号を加えることで複数の測定値が与えられ、既知のモータ応答/位相関係および異なるコイルの既知の物理的位置を使用して、その複数の測定値を関係付けて、固定子に対する並進機構の位置を決定することができる。本発明では、制御電子回路またはソフトウェアを追加することだけが必要であり、これは、位置決めシステムの近くのスペースを占有する必要がなく、さらに物体テーブルに対する衝撃または摩耗を生じさせることがない。
【0013】
また、本発明は、物体を位置決めするための位置決めシステムを提供する。この位置決めシステムは、固定子と並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子と前記並進機構の一方が周期的な磁石構造を備え、前記固定子と前記並進機構の他方が複数の付勢可能コイルを備え、
前記の周期的な磁石構造の周期よりも小さな振幅を有する前記並進機構の振動を引き起こすのに十分な振動信号で、複数の前記付勢可能コイルを順に付勢するための第1の制御手段と、
前記並進機構の前記振動を測定するための振動測定手段と、
前記の測定された振動に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するための第2の制御手段とを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、
放射の投影ビームを供給するための放射システムと、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように使用されるパターン形成手段を支持するための支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
前記支持構造と前記基板テーブルの少なくとも1つを位置決めするための位置決めシステムにおいて、固定子と並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子と前記並進機構の一方が周期的な磁石構造を備え、前記固定子と前記並進機構の他方が複数の付勢可能なコイルを備える位置決めシステムと、
前記基板の目標部分にパターン形成されたビームを投影するための投影システムとを備えるリソグラフィ投影装置を使用するデバイス製造方法を提供する。この製造方法は、
感放射線材料の層で少なくとも部分的に覆われている基板を供給するステップと、
放射システムを使用して放射の投影ビームを供給するステップと、
投影ビームの断面にパターンを与えるパターン形成手段を使用するステップと、
パターン形成された放射のビームを感放射線材料の層の目標部分に投影するステップとを含む方法において、
前記の周期的な磁石構造の周期よりも小さな振幅を有する前記並進機構の振動を引き起こすのに十分な振動信号で、複数の前記の付勢可能なコイルを順に付勢するステップと、
前記並進機構の前記振動を測定するステップと、
前記の測定された振動に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するステップとを特徴とする。
【0015】
本発明の他の実施形態に従って、リソグラフィ投影装置が提供され、このリソグラフィ投影装置は、
放射の投影ビームを供給するための放射システムと、
所望のパターンに従って投影ビームをパターン形成するように使用されるパターン形成手段を支持するための支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
前記支持構造と前記基板テーブルの少なくとも1つを位置決めするための位置決めシステムにおいて、固定子と並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子と前記並進機構の一方が周期的な磁石構造を備え、前記固定子と前記並進機構の他方が複数の付勢可能なコイルを備える位置決めシステムと、
前記基板の目標部分にパターン形成されたビームを投影するための投影システムとを備え、
磁石構造上の光学的に検出可能なマークのアレイと、
明確に異なる光学的マークのアレイを検出するための光学的検出手段と、
検出された明確に異なる光学的マークに基づいて、固定子と並進機構の相対的な位置を決定するための制御手段とを特徴とする。
【0016】
光学的に検出可能なマークは明確に異なるものなので、光学的検出手段で検出されたマークで、固定子および並進機構の相対的な位置が識別される。本発明は、ほとんどスペースを必要とせず、またデバイスを初期化する必要もなくする。
【0017】
この明細書では、ICの製造で本発明に従った装置を使用することを特に参照するかもしれないが、そのような装置は他の多くの可能な用途を有することは明確に理解すべきである。例えば、集積光システム、磁気ドメイン・メモリの誘導および検出、液晶表示パネル、薄膜磁気ヘッド、その他の製造で使用することができる。当業者は理解するであろうが、そのような他の用途の環境では、この明細書での用語「レチクル」、「ウェーハ」または「チップ」の使用は、より一般的な用語「マスク」、「基板」および「目標部分」でそれぞれ置き換えられるものとして考えるべきである。
【0018】
本文献において、用語「放射」および「ビーム」は、紫外線放射(波長が、365、248、193、157または126nmである)およびEUV(極端紫外線放射、例えば、波長が5〜20nmの範囲にある)、並びにイオン・ビームまたは電子ビームのような粒子ビームを含んだ、全ての種類の電磁放射を包含するように使用される。
【0019】
以下の説明において、直交するX、Y、Z座標系を参照し、そのZ方向を垂直方向と呼ぶ。しかし、これは、装置の特定の方向付けを必要とするものと解釈すべきでない。記号Riは、I方向に平行な軸のまわりの回転を指すように使用される。
【0020】
本発明およびその付随的な利点は、例示的な実施形態および添付の概略図面を参照して、以下でさらに説明する。この図面で、同様な部分は同様な参照数字で識別する。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1は、本発明の特定の実施形態に従ったリソグラフィ投影装置を模式的に示す。本装置は、
放射(例えば、波長が157または126nmの紫外線放射)の投影ビームPBを供給するための、この特定の場合には放射源LAを備える、放射システムEx、ILと、
マスクMA(例えば、レチクル)を保持するためのマスク・ホルダを備え、かつ要素PLに対してマスクを正確に位置決めするための第1の位置決め手段に接続された第1の物体テーブル(マスク・テーブル)MTと、
基板W(例えば、レジスト被覆シリコン・ウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、かつ要素PLに対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決め手段に接続された第2の物体テーブル(基板テーブル)WTと、
マスクMAの放射照射部分の像を、基板Wの目標部分C(例えば、1つまたは複数のチップで構成される)に形成するための投影システム(「レンズ」)PL(例えば、屈折レンズ・システム)とを備える。
【0022】
ここに示すように、本装置は、透過型(すなわち、透過マスクを有する)である。しかし、一般に、本装置は、例えば、反射型(反射マスクを有する)であることもある。もしくは、本装置は、上で言及したような種類のプログラム可能ミラー・アレイのような、他の種類のパターン形成手段を使用することができる。
【0023】
放射源LA(例えば、水銀ランプまたはエキシマ・レーザ)は、放射のビームを生成する。このビームは、直接か、または、例えばビーム拡大器Exなどのコンディショニング手段を通り抜けた後かいずれかで、照明システム(照明装置)ILに送られる。照明装置ILは、ビーム内の強度分布の外側半径範囲および/または内側半径範囲(通常、それぞれ、σ−outer、σ−innerと呼ばれる)を設定するための調整手段AMを備えることができる。さらに、照明装置は、一般に、積分器IN、集光器COなどの様々な他の部品を備える。このようにして、マスクMAに当っているビームPBは、その断面内に所望の一様強度分布を持つ。
【0024】
図1に関して留意すべきことであるが、放射源LAは、リソグラフィ投影装置のハウジング内にあることがあるが(例えば、放射源LAが水銀ランプの場合、そうであることが多い)、また、放射源LAがリソグラフィ投影装置から遠く離れており、それの生成する放射ビームが装置の中に導かれることがある(例えば、適当な方向付けミラーを使用して)。この後者のシナリオは、放射源LAがエキシマ・レーザである場合に多い。本発明および特許請求の範囲は、これらのシナリオの両方を含む。
【0025】
ビームPBは、その後、マスク・テーブルMTに保持されているマスクMAと交差する。マスクMAを通り抜けたビームPBは、レンズPLを通り抜ける。このレンズPLは、基板Wの目標部分CにビームPBを収束させる。第2の位置決め手段(および干渉測定手段IF)を使って、基板テーブルWTは、例えば、ビームPBの経路内に異なった目標部分Cを位置決めするように、正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決め手段を使用して、例えば、マスク・ライブラリからマスクMAを機械的に取り出した後で、または走査中に、ビームPBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、物体テーブルMT、WTの移動は、長行程モジュール(粗い位置決め)と短行程モジュール(精密位置決め)を使って行われる。これらのモジュールは、図1に明示していない。しかし、ウェーハ・ステッパ(走査ステップ式装置に対して)の場合は、マスク・テーブルMTは、短行程用アクチュエータに接続されるだけでよく、または、固定されることもある。
【0026】
図示の装置は、2つの異なるモードで使用することができる。
1.ステップ・モードでは、マスク・テーブルMTは基本的に静止したままであり、全マスク像が一括して(すなわち、単一「フラッシュ」で)目標部分Cに投影される。次に、異なる目標部分CがビームPBで照射されるように、基板テーブルWTがxおよび/またはy方向に移動される。
2.走査モードでは、基本的に同じシナリオが当てはまるが、ただ、特定の目標部分Cが単一「フラッシュ」で露出されないことが異なる。代わりに、マスク・テーブルMTが、特定の方向(いわゆる「走査方向」、例えば、y方向)に速度vで移動可能であり、その結果、投影ビームPBはマスク像全体を走査することができるようになる。これと並行して、基板テーブルWTが、速度V=mvで、同じ方向または反対方向に同時に移動する。ここで、MはレンズPLの拡大率である(一般に、M=1/4または1/5)。このようにして、分解能で妥協する必要なく、比較的大きな目標部分Cを露出させることができる。
【0027】
基板テーブルWTを位置決めする第2の位置決め手段では、図2に示すような平面モータ2が使用される。平面モータ2は、リソグラフィ装置の基礎フレームBFまたは基礎板BPで支持された固定子10、および基板テーブルWTに機械的に結合された並進機構20を備える。固定子10は、X、Y方向の移動を可能にし、かつ固定子10と基板テーブルWTの間のはずみを最小にするように、可撓性支持体で支えられている。基板テーブルWTは、並進機構20に直接に取り付けることができるし、または、1つまたは複数の平面モータに接続されている部材、例えば梁に取り付けることができる。基板テーブルが真空チャンバー内に保たれ、この梁を使用して真空チャンバーの外の平面モータからテーブルに駆動力が伝えられる場合に、そのような配列が有用であることがある。平面モータと基板テーブルの間の間接的な接続によって、基板テーブルに、例えば、それ自体の重量を支えるエア・フットを設けることができるようになり、基板テーブル全体を支持するために平面モータで十分な浮上力を生成する必要がなくなる。
【0028】
図2で理解することができるように、固定子10は、正方形(平面図で)の主磁石13、14の横列11および縦列12で形成される正方形のアレイを備える。主磁石13、14は、固定子10の直ぐ上の空間に垂直方向の磁界(Z方向に平行)を生成するもので、2つの組からなる。13で参照した一組の主磁石は、正のZ方向の磁界Iを生成し、14で参照した第2の組の主磁石は、負のZ方向の磁界を生成する。第1の組の磁石13は、頂上にN極(N)を有するものと見なすことができ、第2の組の磁石14は、頂上にS極(S)を有するものと見なすことができる。2組の磁石13、14は横列11および縦列12に沿って交互になり、チェッカー盤型パターンを形成する。
【0029】
横列と縦列12、12の間で、二次磁石15を設ける。二次磁石15は平面図で長方形であり、この磁石の一番長い寸法は、隣接する主磁石の隣接する辺に長さが等しく、かつそれに平行である。小さい方の寸法は、主磁石の辺の長さの1/4から1/2の範囲である。二次磁石で生成される磁界は、水平であり、第1の組の主磁石13のうちの最も近い磁石、すなわち、頂上にN極がある最も近い磁石の方に向いている。このことの意味することは、横列11の間に位置し、したがって、その一番長い寸法がX軸に平行である二次磁石15は、正または負のY方向の磁界を生成し、一方で、縦列12の間の二次磁石は、正または負のX方向の磁界を生成するということである。二次磁石15の各横列または縦列に沿って、二次磁石15で生成された磁界の方向が交互になっている。
【0030】
主磁石13、14で生成された磁界は、並進機構20のコイルが付勢されたときに、起動力を与えないように振る舞うが、二次磁石15は磁石の上の主磁石13、14で生成された磁界を強める。
【0031】
並進機構20は、その上に4つのコイル・ユニット21、22、23、24を取り付けている。2個のコイル・ユニット21、23は、X方向に対して+45゜に向けられており、2個22、24は−45゜に向けられている。各コイル・ユニット21、22、23、24は、2組の3個のコイル31、32、33、および34、35、36を備える。各々のコイルは、2本の長い導体31a、31bなどを有し、それらの2本の導体は、平行で、主磁石の極ピッチの偶数倍に実質的に等しい長さである。(主磁石の極ピッチは、2種類の対角線方向で隣接する磁石の中心を接続する2本の平行線の間の距離として定義される。)以下で往き導体および戻り導体と呼ばれる、各コイルの2本の導体は、主磁石の極ピッチに実質的に等しい距離だけ間隔をあけて配置されている。一方で、1つの組の3つのコイルの3本の往き導体および3本の戻り導体は、極ピッチのほぼ3分の1だけ間隔をあけて配置されている。並進機構ユニットが固定子を横切って動くときに生成される力の変動を減らすように、各コイル・ユニットの2組のコイルは、極ピッチのほぼ2分の1だけ長さ方向にずらして配置されている。
【0032】
起動力の生成を図3に示す。図3は、往き導体および戻り導体31a、31bなどに垂直な線に沿った、したがって、XおよびY方向に対して45゜の、コイル・ユニット21の断面である。
【0033】
並進機構20が図3に示す位置にある時、コイル31の往き導体31aは第1の組の主磁石13の上にあり、この主磁石13は正のZ方向に向いた磁界を生成する。往き導体31aが、図示のように、ページから流れ出る付勢電流を伝える場合、そのとき往き導体31aに対して結果として生じる力f1は、図示のように左向きである。往き導体32aは往き導体31aと同じ方向の電流を有し、かつ主磁石13の磁界内にあるので、往き導体32aもまた左向きの力を経験する。しかし、往き導体33aは、主磁石13および二次磁石15で生成される磁界内にあり、往き導体33aのページから流れ出る電流のために、Z方向の力fLがその往き導体33aに加わるようになる。平面モータの固定子10が水平であるとき、力fLは垂直方向に作用し、並進機構を浮上させるように働く。したがって、それは浮上力と呼ばれ、固定子と並進機構の間にベアリングを実現するために使用することができる。
【0034】
戻り導体31b、32b、33bは、対応する往き導体31a、32a、33aから、実質的に主磁石ピッチ(上で定義した)だけ間隔をあけて配置されているので、反対方向の磁界内にある。戻り導体31b、32bは主磁石14で生成される磁界内にあり、一方で、戻り導体は、二次磁石15に対して反対方向に向いた二次磁石15´の磁界内にある。戻り導体31b、32b、33bの電流は、往き導体31a、32a、33aの電流に比べて反対方向に向いているので、戻り導体に作用する力は、対応する往き導体に作用する力と同じである。
【0035】
コイルの付勢電流が一定である場合、並進機構が図3に示す位置から左の方に動き、さらに戻り導体31bが二次磁石15で生成される磁場内に入って行くときに、並進機構に加わる力は下向きであることが理解されよう。したがって、浮上力を維持するために、固定子の磁石の上のコイルの移動と同期して、コイルの付勢電流の方向を逆にしなければならない。3個のコイルは、主コイルのピッチの3分の1に実質的に等しい距離だけ間隔をあけて配置されているので、3つのコイルの付勢電流を逆にしなければならない点は、120゜離れている。ここで、360゜の完全なサイクルは、縦列または横列の間隔の2倍に等しいXまたはY方向の距離だけの並進機構の移動を表す。しかし、それを行うためには、固定子10に対する並進機構20の相対的な位置、または位相を知ることが必要である。
【0036】
並進機構20と固定子10の相対的な位相を決定するために、次の手順を使用する。並進機構20をその元の位置のまわりで小さく振動させるように選ばれた小さな振幅と短い周期を有する振動試験信号で、コイル・ユニット21から24のコイル31から36を順に付勢する。並進機構が、振動試験信号の結果としてコイルに加わる最大力の原動力を受けて、横列また縦列のピッチに等しい距離だけ動くのにかかる時間よりも、付勢試験信号の周期は短く、好ましくは実質的に短く、なければならない。
【0037】
理解されるであろうように、特定のコイルに振動試験信号を加えた結果として並進機構20に誘起される振動の振幅、位相および方向は、固定子10の磁石に対するそのコイルの相対的な位置および向きに依存する。コイルが順に付勢されるときの振動応答を測定し比較することで、固定子10に対する並進機構20の位置を決定することができるようになる。
【0038】
本方法は、順次にまたは連続的に、平面モータの各自由度に対して適用するのが好ましい。順次に行う場合は、本方法をZ方向に適用することで始めるのが好都合である。
【0039】
固定子と並進機構の間の位相関係がいったん決定されると、並進機構は、付勢されて、並進機構の位置をより正確に決定するために位置センサが設けられている所定の位置に移動することができる。
【0040】
本発明のいくつかの用途では、位置決定の所望の精度に依存して、各コイル・ユニット21から24の各々のコイルに振動試験信号を加え、結果として生じる振動の全てのパラメータを測定することが望ましいかもしれない。しかし、他の用途では、各コイル・ユニット内の1つまたは2つのコイルだけに試験信号を加え、結果として生じる振動の測定をより少なくすることで十分であるかもしれない。
【0041】
磁石(その強さと大きさ)の一様性および固定子の配置に依存して、並進機構の絶対的な位置または固定子に対する並進機構の位相関係を決定することができるかもしれない。固定子磁石システムが正確に周期的である場合、位相関係だけを決定することができる。しかし、固定子で生成される磁界の強さまたは周期性にばらつきがあり、さらにこのばらつきが前もって適切にマッピングされている場合、固定子に対して並進機構の正確な相対的位置を決定することができるかもしれない。リソグラフィ投影装置では、一般に、固定子磁石システムはできるだけ一様であり、並進機構の絶対的な位置の決定を他の手段を使用して行うことができるのが好ましい。
【0042】
実施形態2
以下で説明することを除いて第1の実施形態と同じである本発明の第2の実施形態では、周期的な磁石構造16に設けられた光学的に検出可能な標識40の組に関連して、磁石アレイに対するコイル・ユニット37の位置を決定するのに光検出器が使用される。光学的検出可能マークは、周期的で明確に異なるものであり、例えば、点または明確に区別できる線類である。光学的検出可能マーク40の周期性は、周期的な磁石構造16の周期性に関係づけることができる。
【0043】
光検出器は、複数の付勢可能なコイル37に取り付けられたカメラであり、そのカメラは、周期的な磁石構造16がカメラの視線に対して垂直であるように配列されている。そのカメラは、光学的検出可能マーク40の少なくともいくつかを妨害されることなく見ることができる。この実施例では、カメラは比較的小さな視野42を有し、図4に示すように、ほんの小さな範囲の光学的検出可能マーク40だけを見ることができる。カメラは、少なくとも1つの光学的検出マーク40を常に包含するのに十分な視野を持たなければならない。カメラは、1つまたは複数の別個の光学的マークを見て、そのとき、制御手段が、磁石構造16に対してコイル・ユニット37の位置を決定することができる。1台より多いカメラを使用することができ、1台より多いカメラは、例えば、複数の付勢可能なコイル37の反対の角に取り付けられるかもしれない。2台のカメラからの情報を使用して、制御手段は、複数の付勢可能なコイル37の向きを正確に決定することができる。
【0044】
もしくは、図5に示すように、カメラは、固定子10および並進機構20の上の固定フレームに取り付けることができる。並進機構20がカメラの視野範囲の端にある時でも、周期的な磁石構造16全体がカメラの視野41の中にあるように、カメラは配列される。複数の付勢可能なコイル37が光学的検出可能マーク40のいくつかを覆うので、カメラはこれらの光学的マーク40を検出することができない。この情報を使用して、制御手段は固定子10に対する並進機構20の位置を決定する。
【0045】
光学的検出可能マーク40は、周期的である必要はなく、または周期的な磁石構造10に関係付られる必要はなく、さらに、光学的検出手段はカメラに確定されていない。
【0046】
本発明の特定の実施形態について上で説明したが、説明したこと以外に本発明を実施できることは理解されるであろう。説明は、本発明を限定する意図ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に従ったリソグラフィ投影装置を示す。
【図2】図1の装置の基板ステージ用の位置決めシステムで使用される平面モータの平面図である。
【図3】図2の平面モータの部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の他の実施例における平面モータおよび光学的マークの平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の一実施例におけるカメラの視野である。
【符号の説明】
LA 放射源
Ex ビーム拡大器
IL 照明装置
Ex,IL 放射システム
AM 調整手段
IN 積分器
CO 集光器
PL 投影システム
MA マスク(レチクル)
MT 第1の物体テーブル(マスク・テーブル)
C 目標部分
PB 投影ビーム
W 基板(ウェーハ)
WT 第2の物体テーブル(基板テーブル)
10 固定子
11 主磁石の横列
12 主磁石の縦列
13、14 主磁石
15 二次磁石
16 周期的な磁石構造
20 並進機構
21、22、23、24、37 コイル・ユニット
40 光学的検出可能マーク
41 カメラの視野
42 カメラの比較的小さな視野

Claims (8)

  1. 放射の投影ビームを供給するための放射システムと、
    所望のパターンに従って前記投影ビームをパターン形成するように働くパターン形成手段を支持するための支持構造と、
    基板を保持するための基板テーブルと、
    前記支持構造と前記基板テーブルの少なくとも1つを位置決めするための位置決めシステムであって、固定子および並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子が周期的な磁石構造を備え、前記並進機構が複数の付勢可能なコイルを備え、前記複数のコイルの少なくともいくつかが、前記周期的な磁石構造に対して傾斜した方向に向けられる、位置決めシステムと、
    を備えたリソグラフィ投影装置において、
    前記固定子は、主磁石の横列および縦列で形成される正方形のアレイを有しており、
    前記並進機構が前記コイルに加わる最大限の原動力を受けて横列または縦列のピッチに等しい距離だけ動くのにかかる時間よりも短い周期を有する振動試験信号で、複数の前記付勢可能コイルを順に付勢するための第1の制御手段と、
    前記付勢可能コイルに前記振動試験信号を加えた結果として前記並進機構に誘起される前記振動の振幅および方向を測定するための振動測定手段と、
    前記測定された振動の振幅および方向に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するための第2の制御手段と
    をさらに備えたことを特徴とするリソグラフィ投影装置。
  2. 前記周期的な磁石構造が前記固定子に含まれ、さらに前記付勢コイルが前記並進機構に含まれる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記位置決めシステムが精度の粗い位置決めモジュールと高精度の位置決めモジュールを備え、前記平面モータが前記精度の粗い位置決めモジュールに含まれる、請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 前記位置決めシステムが前記基板テーブルを位置決めするためのものである、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記支持構造がマスクを保持するためのマスク・テーブルを備える、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記放射システムが放射源を備える、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の装置。
  7. 固定子と並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子が周期的な磁石構造を備え、前記並進機構が複数の付勢可能なコイルを備え、前記複数のコイルの少なくともいくつかが、前記周期的な磁石構造に対して傾斜した方向に向けられる、物体を位置決めするための位置決めシステムであって、
    前記固定子は、主磁石の横列および縦列で形成される正方形のアレイを有しており、
    前記並進機構が前記コイルに加わる最大限の原動力を受けて横列または縦列のピッチに等しい距離だけ動くのにかかる時間よりも短い周期を有する振動試験信号で、複数の前記付勢可能コイルを順に付勢するための第1の制御手段と、
    前記付勢可能コイルに前記振動試験信号を加えた結果として前記並進機構に誘起される前記振動の振幅および方向を測定するための振動測定手段と、
    前記測定された振動の振幅および方向に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するための第2の制御手段と
    を備えたことを特徴とする位置決めシステム。
  8. 放射の投影ビームを供給するための放射システムと、
    所望のパターンに従って前記投影ビームをパターン形成するように働くパターン形成手段を支持するための支持構造と、
    基板を保持するための基板テーブルと、
    前記支持構造と前記基板テーブルの少なくとも1つを位置決めするための位置決めシステムであって、固定子および並進機構を有する平面モータを備え、前記固定子が周期的な磁石構造を備え、前記並進機構が複数の付勢可能なコイルを備え、前記複数のコイルの少なくともいくつかが、前記周期的な磁石構造に対して傾斜した方向に向けられる、位置決めシステムと、
    前記基板の目標部分に前記パターン形成されたビームを投影するための投影システムとを備えたリソグラフィ投影装置を使用するデバイス製造方法にして、
    感放射線材料の層で少なくとも部分的に覆われている基板を供給するステップと、
    放射システムを使用して放射の投影ビームを供給するステップと、
    パターン形成手段を使用して前記投影ビームの断面にパターンを与えるステップと、
    前記パターン形成された放射のビームを感放射線材料の前記層の目標部分に投影するステップとを含む製造方法において、
    前記固定子は、主磁石の横列および縦列で形成される正方形のアレイを有しており、
    前記並進機構が前記コイルに加わる最大限の原動力を受けて横列または縦列のピッチに等しい距離だけ動くのにかかる時間よりも短い周期を有する振動試験信号で、複数の前記付勢可能コイルを順に付勢するステップと、
    前記付勢可能コイルに前記振動試験信号を加えた結果として前記並進機構に誘起される前記振動の振幅および方向を測定するステップと、
    前記測定された振動の振幅および方向に基づいて、前記並進機構と前記固定子の間の位相関係を決定するステップと、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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