JP4111854B2 - 流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法 - Google Patents

流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスピンドルモータ等に使用されスリーブ内で液体潤滑剤を介してシャフトが回転する流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば情報機器のスピンドルモータ等に使用され、そのスピンドルモータの回転駆動力を得るために、磁気回路による駆動源を用いて、スリーブ内で液体潤滑剤を介してシャフトが回転する流体軸受装置(例えば、特許文献1を参照)においては、軸受内への液体潤滑剤の充填方法として、液体潤滑剤を、真空ポンプを利用して、軸受内すなわちスリーブとシャフトとの間に形成された微小間隙に充填する方法が提案されている。
【0003】
以上のような流体軸受装置について、以下に説明する。
図6は一般的な流体軸受装置の構造を示す断面図である。図6において、流体軸受装置1は、スリーブ2と、このスリーブ2内に挿入したシャフト3と、スリーブ2とシャフト3との間に形成された微小環状間隙4に充填した潤滑剤5とから構成され、シャフト3のスリーブ2からの突出部11がスピンドルモータのハウジング又はブラケットに固定され、シャフト3が潤滑剤5を介してスリーブ2に軸受支持されて回転駆動するものである。
【0004】
スリーブ2は一端側が開口して開口部6が形成され、このスリーブ2内にはこれとの間に所定間隔の微小環状間隙4を形成してシャフト3が挿入されている。スリーブ2の開口部6側の内周面7に対向するシャフト3の外周面8をテーパ状に切り欠いてテーパ面9を形成し、それによってスリーブ開口部6側に微小環状間隙4よりもスリーブ2とシャフト3との間の間隔が大きくかつこの間隔が開口部6側ほど大きいテーパ状環状間隙10が微小環状間隙4に連通して形成されている。そして、シャフト3にはスピンドルモータに取り付けるための突出部11がスリーブ開口部6よりも上方に突出し、この突出部11の外径Dはスリーブ2の内径Dよりも小径に形成されている。
【0005】
前記構成において、潤滑剤5をスリーブ開口部6から例えば真空注入によってテーパ状環状間隙10内に注入する。注入された潤滑剤5は、テーパ状環状間隙10によって毛細管現象が促進されて、微小環状間隙4に空気などを含むことなく充填されるとともに、テーパ状環状間隙10内に毛細管現象によって維持された潤滑剤5の液面すなわちキャピラリシール面12が形成される。このキャピラリシール面12は、変動することがなく安定した液面深さが保持される。
【0006】
また、他の流体軸受装置について、次に説明する。
図7は他の流体軸受装置の構造を示す断面図である。なお、図6において説明した事項及び符号の説明は省略する。図7において、流体軸受装置1は、スリーブ2にその内周面7を開口部6側において切り欠いてテーパ面13を形成し、それによってテーパ状環状間隙10を形成したものであって、シャフト3が潤滑剤5を介してスリーブ2に軸受支持されて回転駆動するものである。
【0007】
しかし、上記のような流体軸受装置1において、テーパ状環状間隙10および微小環状間隙4からなる微小間隙に充填された潤滑剤5の液量が適正に管理されなかった場合、例えば、潤滑剤5の液量が少ない場合には時間の経過とともに潤滑剤5が蒸発して液量が減少し、潤滑剤5の不足により、軸受内に空気が巻き込まれたり、摩擦による焼き付きを起こして流体軸受装置1としての機能を損なうおそれがあった。
【0008】
一方、潤滑剤5の液量が多過ぎる場合には、その使用環境が高温になった時に潤滑剤5が膨張して軸受の外部に流出し、それによって流体軸受装置1が組み込まれたスピンドルモータに取り付けた機器が汚染されてその機能を損なうという問題があり、例えば磁気記録装置においては流出した潤滑剤5によって記録媒体(メディア)がヘッドに張り付くという致命的な問題を引き起こし、磁気記録装置としての本来の機能を損なうという問題があった。
【0009】
したがって、これらの問題が発生しないように、上記のような流体軸受装置1の組立工程においては、スリーブ端面14に対するキャピラリシール面12の液面深さを調節することによって潤滑剤5の液量を適正な量に調整するために、潤滑剤5のスリーブ端面14に対する液面深さを測定することが重要な要素となってくる。
【0010】
ここで、上記のような流体軸受装置1の組立工程について説明する。
図8は一般的な流体軸受装置の組立工程を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、スリーブ2にシャフト3を挿入していない状態で、それぞれに撥油剤を塗布し(撥油剤供給工程(ステップ#11、#12))、次に、スリーブ2およびシャフト3をそれぞれ単体で、加熱室内に持ち込んで所定時間加熱し、例えば、80℃で1時間、さらに120℃で1時間加熱する(加熱(撥油剤定着)工程(ステップ#13、#14))。これにより、撥油剤中の溶剤成分を発散させて変性させ、撥油剤を定着させている。
【0011】
次に、スリーブ2にシャフト3を挿入して組み付け(シャフト組付工程(ステップ#15))、さらに、スリーブ2の端部にスラストプレート18を、シール接着剤19を供給した状態で組み付けた(スラストプレート組付工程(ステップ#16))後、この流体軸受装置1を、再度、加熱室内に持ち込んで、85℃の状態で所定時間(例えば4時間)加熱して、シール接着剤19の硬化およびガス抜きを行っていた(加熱(シール接着剤硬化)工程(ステップ#17))。
【0012】
そして、この後、スリーブ2とシャフト3との間の隙間に、潤滑剤5を充填していた(潤滑剤充填工程(ステップ#18))。
さらに、前述のように潤滑剤5の液量を調整するために、周囲に付着した余分な潤滑剤5を拭き取った後に液面調整を行い(液面調整工程(ステップ#19))、その後、スリーブ端面14に対する潤滑剤5の液面深さを測定することにより潤滑剤5の液面を検査する(液面深さ検査工程(ステップ#20))。
【0013】
これらの工程が終了した後に、残りの工程(ここでは、本発明と直接関係ないので説明を省略する)を順次遂行して、最終的に、上記のような流体軸受装置1が組立てられる。
【0014】
次に、液面深さ検査工程(ステップ#20)における従来の液体潤滑剤5の液面深さ測定方法(例えば、特許文献2を参照)について説明する。
図9は従来の液面深さ測定方法における一点測定の説明図である。測定対象の流体軸受装置1が、図示しない支持台の上に載置され、その上方の所定位置に図示しない顕微鏡が配置された状態で、潤滑剤5の液面深さの測定が開始される。
【0015】
まず、流体軸受装置1のスリーブ端面14を顕微鏡の下方に位置させ、その状態で顕微鏡をスリーブ端面14の方向に移動させて、その焦点がスリーブ端面14に合ったときの顕微鏡の高さから、支持台上の基準面に対するスリーブ端面14の高さを測定する。
【0016】
次に、支持台を移動してスリーブ開口部6を顕微鏡の下方に位置させ、その状態で顕微鏡をスリーブ開口部6の方向に移動させて、その焦点が潤滑剤5の液面M1に合ったときの顕微鏡の高さから、支持台上の基準面に対する液面M1の高さを測定する。
【0017】
そして、上記のようにして測定したスリーブ端面14の高さと液面M1の高さとの差から、スリーブ端面14に対する潤滑剤5の液面深さK3を求める。
以上のようにして潤滑剤5の液面深さを測定し、この液面深さを基にして、軸受け内の潤滑剤5の液量を管理することが可能である。
【0018】
しかし通常、潤滑剤5の液面深さ測定のため流体軸受装置1を支持台に載置した場合には、各部品の加工状態により、それらの組立精度は規定内に納まっているものの、例えば水平面に対するシャフト3の軸芯の傾斜やスリーブの軸芯J1の傾斜等これらの軸芯傾斜を原因として、場合によってはシャフト3とスリーブ2間で軸芯ズレが起こり、この軸芯ズレにより、スリーブ2とシャフト3間の隙間が一定ではなく、場所によって異なってしまう。
【0019】
このようなスリーブ2とシャフト3間の位置による隙間の大きさの違いから、液面M2は、図10(a)に示すように、毛細管現象によってスリーブ2とシャフト3間の隙間が同じ大きさの隙間のところで釣り合い、この釣り合っている液面M2の高さ方向の距離が違っていても、液面M2のスリーブ2とシャフト3間の隙間の大きさは、どの液面M2の位置でも同じになって、液面M2が、3次元的な平面で釣り合って安定しようとするため、基準面であるスリーブ端面14に対して傾斜することになり、必ずしも図9に示すように潤滑剤5の液面M1がスリーブ端面14に対して平行になるとは限らず、このような場合には、前述の一点測定による液面深さ測定方法では、十分な測定精度が得られなくなる。
【0020】
そこで、図10(b)の上面図に示すように、液面M2の複数点C(図では8点)を任意に決めて、それらの複数点Cを用いて、スリーブ端面14に対する潤滑剤5の液面深さを多点測定し、それらの測定値による平均値を求め、液面高さの代表値として、軸受け内の潤滑剤5の液量を管理していた。
【0021】
【特許文献1】
特開平8−270653号公報
【0022】
【特許文献2】
特開2001−90733号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来の液体潤滑剤の液面深さ測定方法では、前述のように、潤滑剤5の液面M2が、スリーブ端面14を基準面としてこの基準面に対して傾斜している場合でも、潤滑剤5の液面深さについて十分な測定精度を得て測定精度を向上させるためには、液面M2上の測定点Cをできる限り増やせばよいが、このように測定点数を増加させることにより、その増加に従って全測定点Cにわたって液面深さ測定を行う際の測定時間が増大してしまい、組立工程全体の所要時間も増大し、結果的に製品のコストアップに繋がるという問題点を有していた。
【0024】
一方、上記の問題点に対して、液面深さ測定を行う際の測定時間を短縮するためには、液面M2上の測定点Cをできる限り減らせばよいが、このように測定点数を減少させることにより、その減少に従って、潤滑剤5の液面深さについて十分な測定精度を得ることができず測定精度が低下してしまうという問題点を有していた。
【0025】
このように、潤滑剤5の液面深さについて測定精度の低い測定方法で測定した流体軸受装置1を、例えば情報機器のスピンドルモータ等に組み込んで使用した場合には、そのスピンドルモータ毎に回転駆動時の動作特性にバラツキが発生するという問題点も有していた。
【0026】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、潤滑剤の液面深さを測定する際に潤滑剤の液面が基準面に対して傾斜している場合にも、液面深さについて、少ない測定点数でも十分な測定精度を得ることができ、その測定時間を短縮化して製品のコストアップを抑えることができるとともに、流体軸受装置における潤滑剤の液量のバラツキを軽減して、この流体軸受装置を例えばモータ等に組み込んだ場合には、そのモータ毎の動作特性を均一化することができる流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法は、スリーブと、このスリーブ内にこれとの間に微小環状間隙を形成して挿入したシャフトと、前記微小環状間隙に充填した液体潤滑剤とから構成され、前記微小環状間隙に充填した液体潤滑剤を介して前記シャフトと前記スリーブとが略同軸上で相対的に回転駆動するようになし、かつ前記スリーブの開口部側に、開口部側ほど前記スリーブと前記シャフトとの間の間隔が大きいテーパ状環状間隙を前記微小環状間隙に連通して形成し、前記液体潤滑剤をその液面が前記テーパ状環状間隙内に位置するように充填した流体軸受装置に対して、前記液体潤滑剤の液面深さを測定するに際し、レンズ部を備えた光学機器のレンズ部の焦点を前記スリーブの開口部側の端面に合わせるとともに、前記レンズ部の焦点を前記液体潤滑剤の液面に合わせ、前記レンズ部の焦点が前記スリーブの開口部側の端面に合ったときの前記レンズ部の高さ位置と前記レンズ部の焦点が前記液体潤滑剤の液面に合ったときの前記レンズ部の高さ位置との差から、前記スリーブの端面から前記液体潤滑剤の液面までの距離を測定する流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法であって、前記スリーブの端面から前記液体潤滑剤の液面までの距離として、前記スリーブの軸芯に略垂直な平面内で前記軸芯を通る対角上にあり、前記軸芯から点対称方向のほぼ同じ距離に位置する液面の2点のみに対して、各液面までの距離を測定し、それらの平均値を前記液体潤滑剤の液面深さの代表値とする方法としたことを特徴とする。
【0028】
以上により、スリーブの軸芯に略垂直な平面内で軸芯を通る対角上にある液面の2点のみを用いて液面深さを測定した場合でも、その測定による平均値は、多点測定を行った場合の平均値と略等しくなり、多点測定を行った場合と同等に十分な測定精度を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
図1は本実施の形態の流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法を実現するための基本構成図である。図2は図1の要部拡大図であり、図3は液面深さの条件を示す部分拡大図である。なお、従来技術において説明した事項及び符号の説明は省略する。
【0031】
図1および図2は図6に示した流体軸受装置1においてそれに用いる潤滑剤5の液面深さを測定する基本的な方法を示すものであって、流体軸受装置1が支持台20の上に載置され、流体軸受装置1の上方の所定位置に、測長ゲージ(ハイトゲージ)24を備えた顕微鏡22が配置されている。
【0032】
潤滑剤5の液面深さを測定するに際しては、まず、顕微鏡22のレンズ部23の高さ位置を、支持台20の表面を基準面とする測長ゲージ24の目盛に合わせてレンズ部23の初期位置を読み取り、それをレンズ部23の基準面からの高さとして測定する。
【0033】
次いで、支持台20をX−Y方向(水平方向)へ適宜移動してスリーブ2の端面14を顕微鏡22のレンズ部23の下方に位置させ、その状態でレンズ部23をスリーブ端面14の方向に移動させて焦点をスリーブ端面14に合わせ、焦点が合ったときのレンズ部23の高さ位置を測長ゲージ24にて読み取って、その値からスリーブ端面14の高さLを測定する。
【0034】
次いで、支持台20をX方向へ移動してスリーブ2の開口部6をレンズ部23の下方に位置させ、その状態でレンズ部23をキャピラリシール面12の方向に移動させて焦点をキャピラリシール面12に合わせ、焦点が合ったときのレンズ部23の高さ位置を測長ゲージ24にて読み取って、その値からキャピラリシール面12の高さLを測定する。
【0035】
そして、スリーブ端面14の高さLとキャピラリシール面12の高さLの値から、次式によってスリーブ端面14からの潤滑剤5の液面深さLを求める。すなわち、潤滑剤5の液面深さは、レンズ部23の焦点がスリーブ開口部6側のスリーブ端面14に合ったときのレンズ部23の高さ位置とレンズ部23の焦点が潤滑剤5の液面12に合ったときのレンズ部23の高さ位置との差から求められる。
潤滑剤5の液面深さ=L−L
以上のようにして潤滑剤5の液面深さを測定できることから、流体軸受装置1へ潤滑剤5を充填するに際しては、図3に示すように、充填する潤滑剤5の高温時における膨張時の液面深さ34、低温時又は蒸発による減少時の液面深さ35を考慮して、予め高温時に潤滑剤5が流出しないように液面深さに上限32を設定するとともに、蒸発などによる潤滑剤5の液量の減少によって寿命が短縮されずかつ低温時に軸受内に気液境界面が形成されないように液面深さの下限33を設定し、それによって所定の液面深さのキャピラリシール面12になるように潤滑剤5の液量を調整する。
【0036】
基本的には上記のように、測定した潤滑剤5の液面深さを基にして潤滑剤5の液量を調整するが、潤滑剤5の液面深さ測定の際には、支持台20に流体軸受装置1を載置した状態で潤滑剤5の液面深さ測定が行われており、このように支持台20上に載置されている流体軸受装置1では、各部品の加工状態により、それらの組立精度は規定内に納まっているものの、例えば水平面に対するシャフト3の軸芯傾斜やスリーブ2の軸芯傾斜等これらの軸芯傾斜を原因として、場合によってはシャフト3とスリーブ2間で軸芯ズレが起こることがあり、この軸芯ズレにより、スリーブ2とシャフト3間の隙間が一定ではなく場所によって異なる場合がある。
【0037】
このような場合には、スリーブ2とシャフト3間の位置による隙間の大きさの違いから、図4(a)に示すように、潤滑剤5の液面M2は、毛細管現象によってスリーブ2とシャフト3間の隙間が同じ大きさの隙間のところで釣り合い、この釣り合っている液面M2の高さ方向の距離が違っていても、液面M2のスリーブ2とシャフト3間の隙間の大きさは、どの液面M2の位置でも同じになって、液面M2が、3次元的な平面で釣り合って安定しようとするため、基準面であるスリーブ端面14に対して傾斜することになり、必ずしも図1および図2に示すように潤滑剤5の液面がスリーブ端面14に対して平行になるとは限らない。
【0038】
このような状況がいつ発生しても、それに対して常に対処ができるようにするため、通常から、図1〜図3に示す測定方法を基本にして、図4(b)に示すように、スリーブ端面14から潤滑剤5の液面M2までの距離として、スリーブ2の軸芯J1に略垂直な平面内で軸芯J1を通る対角T1(軸芯J1を中心とする角度として180°)上にある液面の2点A、Bを設定し、この2点A、Bのみについて、それぞれ上記の基本的な測定方法に従って、スリーブ端面14から各液面までの距離K1、K2を測定し、それらの平均値(K1+K2)/2を潤滑剤5の液面深さの代表値として、さらに上記の基本的な測定方法に従って、所定の液面深さのキャピラリシール面12になるように潤滑剤5の液量を調整する。
【0039】
本実施の形態の測定方法では、スリーブ2の軸芯J1に略垂直な平面内で軸芯J1を通る対角線T1は、軸芯J1を通れば平面上のどの方向でも良く、図4(a)に示すように、必ずしも、スリーブ端面14から潤滑剤5の液面M2までの距離が最大値K1および最小値K2である2点A、Bを通るように設定する必要はない。
【0040】
以上のようにして、本実施の形態の測定方法によって得られた液面深さの測定結果の一例を、多点測定として例えば4点測定を行った場合と比較して、図5に示す。この測定結果からも分かるように、本実施の形態の測定方法による平均値と4点測定を行った場合の平均値とが略等しくなっており、対角T1上の2点A、Bのみの液面深さ測定でも十分な測定精度を得ることができる。
【0041】
そのため、潤滑剤5の液面深さを測定する際に潤滑剤5の液面が基準面(スリーブ端面14)に対して傾斜している場合にも、液面深さについて、少ない測定点数でも十分な測定精度を得ることができ、その測定時間を短縮化して製品のコストアップを抑えることができるとともに、流体軸受装置における潤滑剤の液量のバラツキを軽減することができる。
【0042】
その結果、上記の流体軸受装置を、例えばモータ等に組み込んだ場合には、そのモータ毎の動作特性を均一化することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スリーブの軸芯に略垂直な平面内で軸芯を通る対角上にある液面の2点のみを用いて液面深さを測定した場合でも、その測定による平均値は、多点測定を行った場合の平均値と略等しくなり、多点測定を行った場合と同等に十分な測定精度を得ることができる。
【0044】
そのため、潤滑剤の液面深さを測定する際に潤滑剤の液面が基準面に対して傾斜している場合にも、液面深さについて、少ない測定点数でも十分な測定精度を得ることができ、その測定時間を短縮化して製品のコストアップを抑えることができるとともに、流体軸受装置における潤滑剤の液量のバラツキを軽減することができる。
【0045】
その結果、上記の流体軸受装置を、例えばモータ等に組み込んだ場合には、そのモータ毎の動作特性を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法を実現するための基本構成を示す断面図
【図2】同実施の形態の液面深さ測定方法を実現するための基本構成の要部断面図
【図3】同実施の形態の液面深さ測定方法における液面深さを示す部分拡大図
【図4】同実施の形態の液面深さ測定方法における測定点の説明図
【図5】同実施の形態の液面深さ測定方法における測定結果の従来との比較説明図
【図6】一般的な流体軸受装置の構造を示す断面図
【図7】一般的な流体軸受装置の他の構造を示す断面図
【図8】一般的な流体軸受装置の組立工程を示すフローチャート
【図9】従来の液面深さ測定方法における一点測定の説明図
【図10】従来の液面深さ測定方法における多点測定の説明図
【符号の説明】
1 流体軸受装置
2 スリーブ
3 シャフト
4 微小環状隙間
5 潤滑剤
6 スリーブ開口部
7 スリーブ内周面
8 シャフト外周面
9 テーパ面
10 テーパ状環状隙間
11 突出部
12 キャピラリーシール面
13 テーパ面
14 スリーブ端面
18 スラストプレート
19 シール接着剤
20 支持台
22 顕微鏡
23 レンズ部
24 測長ゲージ
32 液面レベルの上限
33 液面レベルの下限
34 膨張時の液面深さ
35 減少時の液面深さ

Claims (1)

  1. スリーブと、
    このスリーブ内にこれとの間に微小環状間隙を形成して挿入したシャフトと、
    前記微小環状間隙に充填した液体潤滑剤とから構成され、
    前記微小環状間隙に充填した液体潤滑剤を介して前記シャフトと前記スリーブとが略同軸上で相対的に回転駆動するようになし、かつ前記スリーブの開口部側に、開口部側ほど前記スリーブと前記シャフトとの間の間隔が大きいテーパ状環状間隙を前記微小環状間隙に連通して形成し、前記液体潤滑剤をその液面が前記テーパ状環状間隙内に位置するように充填した流体軸受装置に対して、
    前記液体潤滑剤の液面深さを測定するに際し、レンズ部を備えた光学機器のレンズ部の焦点を前記スリーブの開口部側の端面に合わせるとともに、前記レンズ部の焦点を前記液体潤滑剤の液面に合わせ、前記レンズ部の焦点が前記スリーブの開口部側の端面に合ったときの前記レンズ部の高さ位置と前記レンズ部の焦点が前記液体潤滑剤の液面に合ったときの前記レンズ部の高さ位置との差から、前記スリーブの端面から前記液体潤滑剤の液面までの距離を測定する流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法であって、
    前記スリーブの端面から前記液体潤滑剤の液面までの距離として、前記スリーブの軸芯に略垂直な平面内で前記軸芯を通る対角上にあり、前記軸芯から点対称方向のほぼ同じ距離に位置する液面の2点のみに対して、各液面までの距離を測定し、それらの平均値を前記液体潤滑剤の液面深さの代表値とすることを特徴とする流体軸受装置における液体潤滑剤の液面深さ測定方法。
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