JP4111660B2 - 火災検出装置 - Google Patents

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    • G08B17/12Actuation by presence of radiation or particles, e.g. of infrared radiation or of ions
    • G08B17/125Actuation by presence of radiation or particles, e.g. of infrared radiation or of ions by using a video camera to detect fire or smoke

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災検出装置に関し、特に火災の検出を行う火災検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火災を検出する火災検出装置には、サーモグラフィを利用する装置、輻射式火災検知器、あるいは可視カメラを利用する装置などが実用化されている。
【0003】
サーモグラフィを利用する装置は、例えば、350°C以上の温度を検出した場合に火災と認識する装置である。輻射式火災検知器は、炎から輻射される赤外線の波長(例えば4.3μm)とそれ以外(例えば、2.5μm)を検出して、火災を判定する装置である。また、可視カメラを利用する装置は、可視カメラにより、映像の輝度を一定のしきい値で比較し、しきい値を超えた画像部分を抽出して、火災の判定を行う装置である。
【0004】
一方、特開平11−134571号公報に記載される火災検出器では、カメラからの入力画像の各画素に対して、輝度変化の分散を求めて、分散の大小からノイズと炎を識別して、火災を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の火災検出装置では、サーモグラフィを利用した装置は、高精度ではあるが、サーモグラフィに用いるセンサは非常に高価であり、コストの面で広く普及するには至っていない。
【0006】
また、輻射式火災検知器は、視野が広くて単素子であるため、火災位置が特定できないため、広域監視には適さないといった問題があった。
さらに、可視カメラにより火災を検出する装置は、トンネル内など使用用途が限られた設置環境の変化の少ない場所では、高精度な検知を実現できるが、屋外など環境条件の変化が激しい場所では、カメラの揺れや天候などによって誤検知を生じるおそれがあり、すべての環境条件を満たそうとすると複雑な画像処理を必要とするといった問題があった。
【0007】
一方、分散の大小からノイズと炎を識別する場合、ノイズと炎の揺らぎを分けるしきい値をどのように設定するかが、設計上の重要な項目となるが、上記の特開平11−134571号公報の従来技術では、しきい値の設定を定量的に定めていないため、ノイズと炎の揺らぎを明確に識別できないといった問題があった。
【0008】
上記の従来技術では、火災検出を行いたいポイント毎に、実測した分散状態にもとづいて、しきい値を定性的に逐一設定しているので、作業効率が悪く、柔軟性に欠けるといった不都合も生じてしまう。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、安価で、広域監視可能であり、かつ複雑な画像処理を必要とせずに、効率よく高精度に火災を検出する火災検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するため、図1に示すような、火災の検出を行う火災検出装置10において、入力画像から輝度データを抽出する輝度データ抽出手段11と、輝度データを炎の揺らぎの周期よりも長い時間で再サンプリングを行い、再サンプリングデータを生成する再サンプリング手段12と、再サンプリングデータの統計的処理を行って、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する火災検出手段13と、を備えたことを特徴とする火災検出装置10が提供される。
【0011】
ここで、火災検出手段13は、統計的処理として、再サンプリングデータの平均値を求め、輝度データが平均値をまたいで変化する符号変化の発生回数を一定時間内で計測し、発生回数としきい値とを比較し、発生回数がしきい値を超える場合は、入力画像は炎の揺らぎと判別し、発生回数がしきい値を下回る場合は、入力画像は移動物体と判別する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は火災検出装置の原理図である。火災検出装置10は、カメラ(赤外線カメラ等)14により、屋外または屋内の広い範囲を監視し、その画像を処理することによって、火炎を検出する。そして、上位システムに火災警報と火災位置を通知する。
【0013】
輝度データ抽出手段11は、カメラ14から入力された画像を、フレームメモリに入力し、時間軸方向の輝度値の集まりである輝度データを抽出する。
【0014】
再サンプリング手段12は、輝度データを、炎の揺らぎの周期より長い時間で再サンプリングを行って再サンプリングデータを生成する。図4、図5で後述する。
【0015】
火災検出手段13は、再サンプリングデータの平均値及び符号にもとづいて、統計的処理を行って火災を検出する。この場合、平均値を中心にした符号の分布にもとづいて、または平均値に対する符号の変化の分布にもとづいて、統計的処理を行い、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する。詳細は図6〜図10で後述する。また、炎の揺らぎと、ノイズとの判別については図11以降で説明する。
【0016】
次に輝度値の変動について説明する。図2は炎の揺らぎ(炎の先端領域)の輝度値の変動を示した図であり、図3は移動物体の輝度値の変動を示した図である。いずれの場合も複数フレームに渡って画像のある一点を測定したものであり、縦軸が輝度値、横軸がフレームである。
【0017】
図2に示すように、炎の揺らぎには周期性がある(変動の周期をτとする)ことが知られている。一方、図3の移動物体の場合では、物体が移動した時には凸となり、静止している時は、ほぼ平坦になっていることがわかる。
【0018】
次に再サンプリングについて説明する。図4は図2の炎の輝度値の変動を再サンプリングした波形を示す図であり、図5は移動物体の輝度値の変動を再サンプリングした波形を示す図である。
【0019】
上述したように、炎の揺らぎの成分は正規分布ではなく、炎の揺らぎには、周期性がある。そこで、この炎の揺らぎの変動の周期τよりも、サンプリング時間Tを大きくして再サンプリングする(τ<T)。
【0020】
すると、図2で示した周期性を持った揺らぎの輝度データが、図4のようにランダムに変動しているかのようなランダム状の数値データ(再サンプリングデータ)を取得できる。
【0021】
また、移動物体の輝度値の変動の場合に対しても、炎の揺らぎを再サンプリングした同様の周期Tで再サンプリングを行う。ここでは、図5に示すような、元の波形と類似した数値データ(再サンプリングデータ)が得られる。
【0022】
このように、輝度データを再サンプリングして、ランダム化した再サンプリングデータを生成する(再サンプリングデータの輝度値は独立した値になる)。その後、この再サンプリングデータに対して、統計的手法を用いて処理することで、炎の揺らぎと移動物体とを判別し、火災を検出する。
【0023】
次に火災検出手段13が統計的処理を行って火災検出をする場合の第1の実施の形態について説明する。図6は炎の揺らぎに対する再サンプリングデータの分布を示す図である。縦軸が確率密度、横軸が再サンプリングデータの輝度値である。
【0024】
理想的な炎の揺らぎに対する再サンプリングデータni(i=1〜N)は、周期性を持っていないため、確率の関係から、再サンプリングデータの輝度値の平均
【0025】
【外1】
Figure 0004111660
【0026】
を中心にすると、平均より右側の個数(
【0027】
【外2】
Figure 0004111660
【0028】
を満たすiの個数)と、平均より左側の個数(
【0029】
【外3】
Figure 0004111660
【0030】
を満たすiの個数)は、ほぼ同じ数になるはずである。
すなわち、各輝度値が平均値以上となる確率、平均値を下回る確率はそれぞれ1/2と考えられる。
【0031】
ここで、輝度データからカメラで撮影した対象のものが、炎であるか、他の移動体等であるかの判定を行う手法の一例について説明する。
まず、検定統計量m、有意確立Pmという2つの概念を導入する。検定統計量mとは、n+またはn-のいずれか小さい方の値として定義する。また、有意確率Pmとは、検定統計量がm以下となりうる確率として定義する。
【0032】
図7は上記理想的な炎の揺らぎ特性(各輝度値が平均値以上である確率と、平均値より小さい値である確率がそれぞれ1/2)から検定統計量mと有意確率Pmとの関係を求め、表に表したものである。なお、輝度値データの再サンプリングデータ数N=30として算出した。
【0033】
次式が有意確率Pmを求める際に用いた式である。
【0034】
【数1】
Figure 0004111660
【0035】
表から理想的な炎をカメラが観測している場合は、検定統計量が7以下のときの有意確率は、1%に達することもなく、検定統計量が8となって初めて有意確率は1%を超える。
【0036】
したがって、カメラで撮影して得られた輝度データについて検定統計量mを算出することにより、撮影対象物が炎であるかその他の移動物体であるかの判定を行うことができる。
【0037】
すなわち、輝度データから算出した、検定統計量が例えば4であれば、図7から有意確率は0.01%で炎である確率はきわめて低い。したがって、移動物体などであるとみなすことができる。なお、炎であるかその他の移動物体であるかの判定を行うための検定統計量の境界は、例えば、検定統計量8とすることができる。
【0038】
すなわち、検定統計量8以上であれば炎を撮影したものと判定し、検定統計量7以下であれば、移動物体等であり、炎でないと判定する。なお、この境界は、有意確率を参照して適宜設定することができるが、境界をより大きい検定統計量に設定すればするほど炎である確からしさが高まることになる。
【0039】
なお、この実施の形態においては、火災検出手段13は、炎であるかその他の移動物体であるかの判定を行うための検定統計量の境界値をメモリ等に記憶しており、カメラで撮影した画像の輝度値データから検定統計量を算出し、境界値を下回れば炎でないと判定し、境界値を越えれば炎であると判定を行う。図示してないが、判定結果は画面表示、警告音などの各種通知手段によって観測者に通知される。
【0040】
以上説明したように、第1の実施の形態では、炎の揺らぎ特性(炎をカメラで撮影した場合のその輝度値データは、平均値を中心として、平均値を越えるもの、平均値を下回るものが均等であるという特性)を利用して、輝度値データがこの特性を満たすまたは近い特性を持つ場合は、炎を撮影したと判定し、この特性からかけ離れた特性を持つ場合は、移動物体その他の炎でないものと判定する。実施の形態においては、検定統計量、有意確率なる概念を導入したが、輝度値データのうち、平均値以上の輝度値を持つデータ数(H)と、平均値を下回る輝度値を持つデータ数(L)の差分(|H−L|)を求め、差分値が所定値より小さい場合は、炎であると判定し、所定値を超える場合は炎ではないと判定するなど、炎の揺らぎ特性を満たす(または近い特性をもつ)か否かの判定手法は他の演算方法を用いることは可能である。
【0041】
次に第2の実施の形態について説明する。平均値に対する符号変化(時系列的に入力される輝度データが平均値をまたいで変化すること)の分布にもとづいて炎の揺らぎと、移動物体とを判別してもよい。
【0042】
炎の揺らぎに対する再サンプリングデータは、周期性を持っていないため、確率の関係から、再サンプリングデータの輝度値の平均に対して、符号変化なし(平均値以上→平均値以上または平均値より小さい値→平均値より小さい値)の発生個数と、符号変化あり(平均値以上→平均値より小さい値または平均値より小さい値→平均値以上)の発生個数とは、ほぼ同じ数になるはずである。
【0043】
一方、移動物体は、符号変化なしの方へ寄ってしまう。そして、符号変化ありの発生個数または符号変化なしの発生回数のいずれか小さい値を検定統計量mとし、有意確率Pmを検定統計量がm以下となる確率として、輝度値データの再サンプリングデータ数N=30とすると、m、Pmの関係は同様に、図7のようになる。
【0044】
第2の実施の形態の場合に対する炎の揺らぎと、移動物体との判別方法は、境界を同様に検定統計量8等に設定し、カメラで撮影した画像の輝度値データを再サンプリングデータに対して検定統計量を算出し、8より小さければ平均値をまたぐ回数が少なく、炎でないと判定し、8以上であれば炎と判定することができる。
【0045】
なお、この例にかぎらず、所定時間あたり符号変化が発生する回数を算出し、所定値と比較し、所定値を超える場合は揺らぎが激しいため炎と判定し、所定値を下回るときは、揺らぎが少なく炎でないと判定することもできる。所定時間、所定値はそれぞれ理想的な炎の揺らぎについてのデータを基準に適宜設定することができる。
【0046】
以上説明したように、第2の実施の形態では、再サンプリングデータの輝度値の平均値に対する符号変化あり、符号変化なしの個数の等分布性にもとづいて統計的処理を行い、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する構成とした。これにより、効率よく高精度に火災を検出することが可能になる。
【0047】
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、火災検出手段13が輝度データからヒストグラムを取得し、統計的処理を行って火災検出を行う場合である。
【0048】
上記の第1、第2の実施の形態では、入力画像の輝度データをさらに再サンプリングして再サンプリングデータを生成し、その後、統計的処理を行っていたが、第3の実施の形態では、再サンプリングにはこだわらず、入力画像から長時間に渡って輝度データを抽出し、抽出した輝度データからヒストグラムを取得する。
【0049】
図8は炎の揺らぎのヒストグラムを示す図であり、図9は移動物体のヒストグラムを示す図である。横軸が輝度値、縦軸がその輝度値の出現頻度を表している。
【0050】
図8のヒストグラムから、炎の揺らぎは、ほぼ正規分布になることがわかる(左右対称になっている)。一方、図9のヒストグラムからは、移動物体は片寄った分布になることがわかる。したがって、ヒストグラムの左右対称性を判定条件として、炎の揺らぎと移動物体を判別(ヒストグラムが左右対称であるかまたは左右対称の特性に近ければ炎と判定)することができる。
【0051】
図10は輝度値の絶対値が同じところの出現個数を比較していることを示す図である。ヒストグラムの左右対称性を定量化する場合には、N個の輝度データに対し、図のような輝度データの平均を中心としたグラフを作成する。
【0052】
そして、輝度値の絶対値が同じところの出現個数を輝度値のすべての組み合せについて比較する。図では例えば、輝度値が+10のポイントと、−10のポイントを比較しているところを示しており(平均を境に右側がプラス、左側がマイナスである)、輝度値が+10に対しては個数は5個、輝度値が−10に対しては個数は4個になっている。そして、輝度値のプラス側とマイナス側のどちらの個数が多いかを調べる。
【0053】
移動物体のヒストグラムは平均値を軸として左右対称でなく、片寄った分布を示す。
そして、平均値を基準値として、平均値からnポイント輝度値が大きいデータの個数とnポイント輝度値が小さいデータの個数を比較する。この比較をnが1〜所定値mになるまで行い、輝度値が大きいデータの個数がnポイント輝度値が小さいデータの個数より大きかった回数をn+とし、輝度値が大きいデータの個数がnポイント輝度値が小さいデータの個数より小さかった回数をn-とする。
【0054】
ここで、n+とn-とで小さい方を検定統計量mとし、検定統計量m以下となる確率を有意確率Pmとし、上述同様に、図7を参照して、境界値を設定し、境界値以上であれば炎と判定し、境界値を下回れば炎でないと判定する。
【0055】
また、平均値からnポイント輝度値が大きいデータの個数とnポイント輝度値が小さいデータの個数の差分を求め、nが1〜所定値mになるまで差分を求めていき、その差分の総和を求め、その総和と所定値との比較を行うことにより、ヒストグラムの対称・非対称判定することもできる。
【0056】
すなわち、所定値を超える場合は非対称であると考えられるから炎でないと判定し、所定値を下回る場合には、対称であるから炎であると判定する。なお、対称性を評価する演算方法は他にも存在し、対称性の判定が行えば他の演算手法を用いてもよい。
【0057】
以上説明したように、第3の実施の形態では、輝度データからヒストグラムを取得し、炎の揺らぎの場合は、ヒストグラムが平均を中心にして左右対称であるという性質を利用して、統計的処理を行い、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する構成とした。これにより、効率よく高精度に火災を検出することが可能になる。
【0058】
次に炎の揺らぎとノイズの判別について説明する。炎の揺らぎを正確に抽出するためには、まずカメラ14より発生するノイズを取り除く必要がある。このノイズは固有の物で、χ2 分布(正規分布)をとると考えられ、一定のバラツキ(分散)としてパラメータ化できる。
【0059】
ここで、ノイズの母集団をN(μ、σ2)とする。μはノイズの変動の平均であり、σ2 は分散である。そして、例えば、標本値は{−5、1、3、8、…}であり、標本数Nを30とする。N=30とは、フレーム間に渡って抽出された輝度データの個数であり、標本値は、それら各々の輝度データの値のことである。
また、指標算出手段は、標本から平方和を計算し、指標を算出する。具体的には、標本の平方和をS(=Σ(xi −<x>)2 )とすると、指標はS/σ2 (σ2は母集団の分散)と表される。
【0060】
さらに、指標S/σ2は、自由度(N−1)のχ2分布に従う。このため、火災検出手段13は、指標S/σ2を検定統計量として、χ2片側検定することで、炎の揺らぎとノイズとを判別することができる。
【0061】
図11はχ2分布を示す図である。縦軸は確率密度であり、横軸は検定統計量S/σ2である。ノイズは図に示すようなχ2分布をとる。ここで、例えば、検定統計量S/σ2=43以上となる確率は、図の斜線部に示す面積で表されることになる。
【0062】
図12は検定統計量と有意確率を示すテーブルである。テーブルT2は、ノイズ母集団=N(0、9)、N=30として、検定統計量S/σ2と有意確率Pを算出して作成したテーブルである。
【0063】
図では例えば、検定統計量S/σ2=43の時、有意確率P=4.6%である。これは標本から算出した指標が、43以上となる確率は、4.6%であることを示している。
【0064】
ここで、テーブルT2は、ノイズは正規分布となることを前提に作成されたものである。ところが、このテーブルT2から、指標が43以上となる確率が4.6%と非常に低い確率が示されるということは、この場合、観測対象自体がノイズではないと判断してよい(有意水準を5%とした場合)。すなわち、炎の揺らぎ(または移動物体)であると認識する。
【0065】
炎の揺らぎ(または移動物体)とノイズとを判別するためのしきい値である有意水準については、任意に設定することができるが、ここでは5%とした。したがって、有意水準を5%とした場合、検定統計量が42以下ならノイズであり、43以上なら炎の揺らぎ(または移動物体)と判別することができる。
【0066】
なお、実際は、ノイズと炎の揺らぎとの判別処理を行い、その後、移動物体と炎の揺らぎの判別処理を行って火災を検出する。
以上説明したように、ノイズの母集団が正規分布となる仮説的母集団の性質を標本性質に対比して、その当否を検定することで、炎の揺らぎとノイズとを判別する構成とした。これにより、効率よく高精度に火災を検出することが可能になる。
【0067】
また、ノイズ母集団、標本数、有意確率を統計的処理によって求めることにより、しきい値が自律的に求まるので、しきい値の設定に定量性を持たせることができる。したがって、火災検出を行いたいポイント毎に、実測した分散状態にもとづいて、しきい値を逐一設定する必要がなくなるので、作業効率及び柔軟性の向上を図ることが可能になる。
【0068】
なお、上記の説明では、指標算出手段は、フレームの輝度値から指標を算出したが、フレーム間の差分輝度値を標本として、平方和を計算し、指標を算出してもよい。
【0069】
以上説明したように、火災検出装置は、統計的処理を行って、炎の揺らぎと移動物体、または炎の揺らぎとノイズを判別して、火災を検出する構成とした。これにより、外的要因に惑わされることなく、炎のみを高精度に検出でき、また、測温機能のない赤外線カメラやセンサ等を利用できるので、安価で高品質なシステムを構築することが可能になる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、火災検出装置は、入力画像から抽出した輝度データを、炎の揺らぎの周期より長い時間で再サンプリングを行って再サンプリングデータを生成し、再サンプリングデータの平均値及び符号の分布にもとづいて、統計的処理を行って火災を検出する構成とした。これにより、効率よく高精度に火災を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 災検出装置の原理図である。
【図2】炎の揺らぎの輝度値の変動を示した図である。
【図3】移動物体の輝度値の変動を示した図である。
【図4】炎の輝度値の変動を再サンプリングした波形を示す図である。
【図5】移動物体の輝度値の変動を再サンプリングした波形を示す図である。
【図6】炎の揺らぎに対する再サンプリングデータの分布を示す図である。
【図7】算出結果を示す図である。
【図8】炎の揺らぎのヒストグラムを示す図である。
【図9】移動物体のヒストグラムを示す図である。
【図10】輝度値の絶対値が同じところの出現個数を比較していることを示す図である。
【図11】χ2分布を示す図である。
【図12】検定統計量と有意確率を示すテーブルである。
【符号の説明】
10 火災検出装置
11 輝度データ抽出手段
12 再サンプリング手段
13 火災検出手段
14 カメラ

Claims (3)

  1. 火災の検出を行う火災検出装置において、
    入力画像から輝度データを抽出する輝度データ抽出手段と、
    前記輝度データを炎の揺らぎの周期よりも長い時間で再サンプリングを行い、再サンプリングデータを生成する再サンプリング手段と、
    前記再サンプリングデータの統計的処理を行って、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する火災検出手段と、
    を有し、
    前記火災検出手段は、前記統計的処理として、前記再サンプリングデータの平均値を求め、前記輝度データが前記平均値をまたいで変化する符号変化の発生回数を一定時間内で計測し、
    前記発生回数としきい値とを比較し、前記発生回数が前記しきい値を超える場合は、前記入力画像は前記炎の揺らぎと判別し、前記発生回数が前記しきい値を下回る場合は、前記入力画像は前記移動物体と判別する、
    ことを特徴とする火災検出装置。
  2. 火災の検出を行う火災検出装置において、
    入力画像から輝度データを抽出する輝度データ抽出手段と、
    前記輝度データから、輝度値に対する頻度を示すヒストグラムを取得し、前記ヒストグラムにもとづいて、炎の揺らぎと、移動物体とを判別して、火災を検出する火災検出手段と、
    を有し、
    前記火災検出手段は、前記ヒストグラムの形状が左右略対称で正規分布に近い場合は、前記入力画像は前記炎の揺らぎと判別し、前記ヒストグラムの形状が左右いずれかに片寄って非対称の場合は、前記入力画像は前記移動物体と判別する、
    ことを特徴とする火災検出装置。
  3. 前記火災検出手段は、
    抽出した前記輝度データの輝度値の平均値を求め、
    前記平均値から輝度値が一定ポイントだけ大きい前記輝度データである第1の輝度データの出現個数と、前記平均値から輝度値が同一ポイントだけ小さく、前記平均値を基準に前記第1の輝度データと対称的な位置にある前記輝度データである第2の輝度データの個数との差分を算出して、すべての輝度値に対する前記差分の総和値を求め、
    前記総和値としきい値とを比較し、前記総和値が前記しきい値を下回る場合は、前記ヒストグラムの形状は対称と判別し、前記総和値が前記しきい値を超える場合は、前記ヒストグラムの形状は非対称と判別する、
    ことを特徴とする請求項2記載の火災検出装置。
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