JP4111546B2 - 重合可能な隔離バリア、およびかかるバリアを形成しかつ使用する方法 - Google Patents

重合可能な隔離バリア、およびかかるバリアを形成しかつ使用する方法 Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、歯科組織を治療のため隔離する組成物と方法とに関する。特に、本発明は、歯の表面を隔離するための重合可能な隔離バリアとそれを歯の表面を隔離するために使用する方法とに関する。本発明の重合可能なバリア組成物としては、その組成物を湿潤、乾燥、軟質、または硬質の口腔組織に接着すること、重合からの熱および/または後続の治療からの光放射エネルギーによる損傷リスクを最小にすること、およびそのバリアを容易に除去することを可能にする成分を含むことができる。
2.関連技術
軟質組織に有害で損傷を与えかねない治療組成物を口の中で使用するいくつかの歯科治療処置が存在する。有害な治療組成物は、かかる治療処置中には歯肉などの軟質組織からは遠ざけなければならない。損傷を避けるため、長時間の歯科治療処置中に乾燥状態に維持しなければならない、実質的に乾燥した歯を必要とする他の歯科治療処置もある。
一般的に、治療組成物と患者の頬および舌との接触については、綿棒、吸収隔離材、ラバーダム、ラバーダム填隙材の使用または他の従来型の隔離技法の使用によって、最小にすることができる。しかし、歯肉、隣接象牙質、および周囲の裂溝組織は、それらが治療する表面に極めて近接しているため、また治療組成物が時として自由流動性水溶液であるために、治療組成物から保護することが一層困難である。
所望の治療区域からの治療組成物の望ましくない流出を阻止するために、治療組成物によってはゲル中に取り込むことも可能ではあるが、一般的にそれらは治療する歯の表面の微小裂け目および他の異常変形箇所に流入するのに十分な低い粘性を有さなければならない。したがって、非常に粘性があるため少なくとも部分的にも流動性がない治療組成物を有することは、一般的に実用的ではない。
流動性を調整するほか、周囲の裂溝および歯肉組織との不注意接触に起因する損傷を減少するように治療組成物の濃度を調整することもできる。しかし、治療組成物の濃度を大幅に低下させると、その歯科治療能力も低下させ、それによって治療組成物が治療する表面と接触し続ける所要時間が増大することになる。一般的に、十分な歯科治療をするだけ強力な治療組成物はまた、周囲の軟質歯肉組織を損傷したり刺激する可能性もある。
ラバーダム技術は、治療のため、および脆弱な軟質組織を保護するために、歯を隔離する手段として開発された。図1は、ラバーダム10の設置を図示した図である。ラバーダム10を歯14の上に被せ、ラバーダム10を歯肉ライン12まで押し上げることによって、歯科器具16に取り付けられるのが判る。この治療処置は、それぞれの歯について実施しなければならない。
しかし、ラバーダムには、いくつかの欠点がある。一つの欠点は、ラバーダムを設置するのが難しくなることがあり得る点である。ラバーダムは、歯の周辺形状が凹面を有するかも知れないために歯に近接の軟質組織を隔離したり隔離しなかったりする可能性がある穿孔周辺形状を有する。例えば、歯が異常な窪みまたは凹面を形成している場合には、穿孔ラバーダムは露出空間を残す可能性があり、それを通して軟質組織を損傷することがある治療組成物が漏出する恐れがある。ラバーダムによって造成されたシールに欠陥がある場合には、軟質組織が露出した上、治療組成物によって損傷を受ける可能性がある。
ラバーダムの他の欠点は、歯の上に被せると裂けやすいことである。歯科治療処置の最中にラバーダムが裂け始めると、その治療処置を中止して新しいラバーダムを設置しなければならない。これは時間のかかることであり、新しいラバーダムは当初のラバーダムが裂け始めたのと同一治療箇所かまたはその近辺で同様に裂けることがある。さらに、治療処置中にラバーダムが裂けたときには、すでに遅すぎて治療組成物が軟質組織に接触するのを防止することができず、したがって、遅すぎて軟質組織の損傷を防止することもできない。
ラバーダムの他の欠点は、それらがしばしば患者に不快感を与えることである。図2は、ラバーダム締め金22を具備したラバーダム10ならびに唇24と舌26とを被覆したフレーム20の設置を図示した図である。例えば、歯の唇部表面が隔離を必要とする唯一つの表面の場合には、ラバーダム10は、歯以外にも及んで被覆することができる。
さらに、集中歯科硬化用光線またはレーザ光線を使用する場合には、光線使用に伴う熱集積がラバーダムの加熱のために患者にしばしば不快感を与える可能性がある。軟質組織の集中加熱には、歯科用光線の間欠的使用が必要になるが、これは臨床医に治療処置を遅らせる実施法である。
ラバーダムに関連する問題を克服する一つの試みにより、歯科基質に使用して次いで重合することができる青色の流動性樹脂を提供した。その樹脂の色のために、それは光エネルギーを吸収し、その結果樹脂と接触する軟質組織を損傷するリスクが増大する。さらに、樹脂は疎水性であり、歯科組織に良く接着するその能力を大幅に阻害する。この樹脂の他の重要な問題は、それが強力過ぎ、したがって重合した樹脂の除去が非常に困難になることである。過剰強度に関係する困難は、広い開放歯間狭隙および空洞などの歯の表面に樹脂を使用することによって、一層強まるだけである。例えば、開放歯間狭隙は典型的には両側から補填されて、その結果完全に補填され堅く固定され歯間狭隙となる。重合後には、樹脂を除去することは非常に困難であり、てこ装置または高速ドリルすらも必要とする可能性がある。同様に、空洞は、樹脂を開放部または裂け目に埋め込んだときに問題を提起し、次いで、てこ装置または掘削具などの力の使用を必要とする歯科器具で樹脂を除去することが必要になる可能性がある。
上記に鑑み、患者に不快感を与えることを避け、また硬化用光線またはレーザ光線を使用する歯科治療を促進するため、治療する歯の周辺の裂溝と歯肉組織とを集中漸増熱集積から保護する隔離バリア組成物と方法とを提供することは、当技術分野での重要な進歩になるであろう。
治療する歯の周辺の裂溝と歯肉組織とを保護し歯科治療処置後に容易に除去することができる隔離バリア組成物と方法とを提供することもまた、当技術分野での重要な進歩になるであろう。
治療が望ましい歯の箇所内に治療組成物を維持するために素早く容易に使用できるバリアとなる組成物と方法とを提供することは、当技術分野でのさらに進歩となるであろう。
当技術分野での他の進歩は、歯科基質に使用して重合したときに、歯科治療処置で使用後に歯科基質からピンセットのような器具で個々のほぼ歯以上の大きさでその除去を容易にするほど十分に弱まる隔離バリア材としての組成物を提供することであろう。
当技術分野での他の進歩は、歯科基質に使用して重合したときに、バリアの外面での偶発的接触による変形に対して抵抗力があるがバリアの内面では歯科基質に接着したままである隔離バリア材としての組成物を提供することであろう。
当技術分野での他の進歩は、歯科基質に使用して重合したときに、一般的に小型であり、患者の不快感誘発を避ける個別適合に資する隔離バリア材としての組成物を提供することであろう。
かかる重合可能な隔離バリア組成物とそれらを使用する方法とについては、本明細書中に開示され請求の範囲にも記載されている。
発明の概要
各種の化合物について、いくつかのタイプの歯科治療処置のために重合可能な隔離バリアの調合に役立つことが発見された。これらの化合物は、従来技術より優れた特有の利点を実施するために、全部または部分的組み合わせで共に有利に添加される。
本発明の隔離バリアは、本発明の組成物中に少なくとも1つのモノマーを提供することによって重合可能にされる。モノマーは、ヒトに対してかなり低毒性のものが好ましい。モノマーは、特定の用途に応じて単一モノマーまたは選択された複数のモノマーでよい。
好ましいモノマーを使用する1つの利点は、粘着性隔離バリアを口に適合させることができて、従来のラバーダムの必要性がなくなることである。したがって、臨床医は、ラバーダムの穿孔、取り付け、修理、シールを扱うことがなくなり、むしろ本発明の隔離バリアを扱うことになり、所望の治療処置のために、重合可能な隔離バリアを軟質組織のシールと硬質組織の隔離とに使用し、歯科治療処置の完了後には完全な歯の大きさまたはそれより大きな部分として除去する。
硬化剤については、十分な光放射エネルギーに暴露されたときにモノマーに架橋を引き起こすように提供する。硬化剤は、ヒトにかなり低毒性のものが好ましい。硬化剤はまた、選択された歯科治療処置のために他の成分と補足しあうように、選択することもできる。任意選択の添加剤は、重合可能な隔離バリアの特定の使用に応じて硬化剤を調合するのに好ましい。
重合中、監視すべきいくつかの変数がある。熱が通常重合中に発生する。重合中の温度の大幅な上昇は患者に不快感を与えることがあり、また口腔組織に炎症を引き起こすのにも十分なこともある。熱の発生を制御するために、隔離バリア材の完全重合を防止する組成的品質を提供し、したがって、モノマーの一定量についての全発熱ポテンシャルを重合中低下させることになる有機化合物が好ましい。望ましくない過剰の反応熱を防止するほか、ある種の有機化合物が、かかる有機化合物のないバリア材と比較して、隔離バリア材を大幅に弱めまたは脆弱化することが発見された。弱められた隔離バリアは、歯科治療処置の完了後、容易に除去できる利点を有する。臨床医は、重合した隔離バリアをピンセットのような器具で掴まえ、ほぼ歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することができる。利点として、主として疎水性の隔離バリアが一定の歯科治療処置に必要な場合には、治療処置後の除去について、唯1回の除去ステップまたは多くとも数回の除去ステップで足りて、なんらかの小さめの部分が砕けていても、それらは取り外された後、容易に洗い流される。
重合中、本発明の隔離バリア内面が湿潤または乾燥した硬質または軟質の組織(以下「組織」という)に軽く接着することは有利であろう。用語「軽く接着する」とは、除去したときに歯科患者に不快感を与えるような方法では歯肉の上皮組織を実質的に除去しない隔離バリアの組織への接着を言う。本発明の特徴として、接着増進剤が加えられると、隔離バリア材は、重合前、重合中、重合後に組織によりよく接着することがわかった。
バリアが組織を損傷する過酸化物による漂白などの歯科治療処置に使用される場合には、好ましい治療処置は、隔離バリア組成物を使用し、歯科硬化用光線で重合を開始することである。後に、歯科硬化用光線をまた過酸化物漂白用組成物の活性化にも使用するため、重合を継続することができる。好ましい組織接着増進剤を使用すれば、隔離バリア組成物は、モノマーが大幅に重合したときですら湿潤組織に対して接着を継続する。本発明のこの特徴の利点は、実質的に等角の隔離バリアを歯に対して積み重ねて、歯を隔離することができて、標準隔離処理による治療処置の期間中にバリアが組織に十分接着していることである。
重合中または後続の歯科治療処置中に放出される有害な過剰熱量を減少させる他の方法は、歯科用光線の若干の光放射エネルギーを隔離バリア組成物から反射させることである。歯科硬化用光線およびレーザー治療光線は典型的には集中光放射装置によって発生する。これらの集中光放射装置は、過酸化物歯科漂白などの歯科使用では非常に望ましい。反射材を添加すると歯科用光線の一部を反射し、それによって歯科治療処置中の隔離バリアの加熱を減少させ、また歯肉または他の軟質組織への有害な伝導熱または放射熱の移動を最小にすることが発見された。したがって、組成物は、普通の場合よりも光放射エネルギーの吸収が少なく、隔離バリアの活性化も少なくなり、下にある歯肉組織は歯科治療処置中に不適切な加熱を受けることがない。
本発明の重合可能な隔離バリア材は、歯科用注入器から流動学的に絞りだしできるペーストまたはゲルの形態に製造されることが好ましい。隔離バリア材の成分は、好ましい使用の選択に応じて、乳濁液、溶液のいずれかを形成する。
本発明の重合可能な隔離バリア材はまた、硬化可能なパテのロールまたはテープの形態に製造されることが好ましい。ロールまたはテープは、解いて、所望の長さの細長い小片に切断し、歯肉上に乗せ、例えば指の圧力で、ほぼ適合するようにその箇所に押さえ付け、硬質組織を隔離するように彫り付け、次いで光放射エネルギーで硬化させる。この隔離バリア材の成分は、好ましい使用の選択に応じて、乳濁液、分散液、懸濁液、溶液などを形成する。
本発明のこれらの特徴は、下記説明および添付の請求の範囲からさらに十分明白になるか、または本明細書で以下に記載する発明の実施によって知得することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記および他の利点を得る方式として、上記で簡単に説明した本発明のさらに詳細な説明については、添付の図面に図示するその特定の実施形態を参照することによって、提供する。これらの図面は、発明の典型的な実施形態を表現するものに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとは見なさないとの了解の下に、発明を添付の図面を使用してさらに明確かつ詳細に記述し説明する。
ただし、図面中、
図1は、治療法のため歯を隔離すると共に歯肉を含む組織を保護することを必要とする歯科治療処置を準備するためそれぞれ隔離保護される歯および歯肉の従来技術の正面図であって、ラバーダムが歯科用器具によって歯−歯肉に取り付けられる組織保護の媒体であるのを見受けることができる。
図2は、大臼歯に取り付けられたラバーダムフレームとラバーダム締め金とを含むラバーダムを設置した患者の従来技術の正面図である。
図3は、本発明の隔離バリアの設置中であって、光放射エネルギーによる重合に備えて隔離バリアが注入器を通して歯−歯肉接触面にほぼ適合するように絞りだされている、患者の正面図である。
図4は、重合後に本発明の隔離バリアを除去中であって、隔離バリアがピンセットのような器具を使用して分離部分で除去されている、患者の正面図である。
好ましい実施形態の詳細な説明
重合可能な隔離バリアは、多数のタイプの歯科治療処置に有用である。重合可能な隔離バリア組成物は、少なくとも1つのモノマー、硬化剤、および少なくとも1つの他の成分を含む。他の成分としては、重合強度抑制剤、組織接着増進剤、および反射材などがある。その組成物は、全電磁スペクトルを含むいかなる光放射エネルギーでも使用することができる。
重合強度抑制剤は、重合可能な組成物が除去困難になるのを防止する。組織接着増進剤は、いかなる歯科基質に対しても十分な接着を確保する。反射材は、光放射エネルギーを反射する。光放射エネルギーを反射することによって、重合による発生熱は、望ましいレベルに維持され、後続の治療処置中に歯肉または他の軟質組織に伝わる有害な伝導熱または放射熱は、最小にされる。それらの組み合わせは、従来技術より優れた特有な利点を得る。
A.モノマー
本発明の隔離バリアは、本発明の組成物中に少なくとも1つのモノマーを提供することによって重合可能にさせられる。モノマーは、ヒトにほぼ低毒性のものが好ましい。モノマーは、特定の使用に応じて、単一モノマーでも選択した複数のモノマーでもよい。例えば、酸エッチングを含む歯科治療処置を実施する場合には、重合したときに耐酸性があり、したがって、隔離バリアが組織を酸から保護するように組織に対してシールを保持するモノマーまたはその組み合わせを選択することが好ましい。
重合可能な隔離バリアを使用する1つの利点は、粘着性隔離バリアを口内でその場で形成することができて、従来のラバーダムの必要性がなくなることである。したがって、臨床医は、ラバーダムの窄孔、取り付け、修理、シールを扱うことがなくなり、むしろ、本発明の隔離バリアを扱うことになり、所望の治療処置のために、隔離バリアを組織のシールと硬質組織の隔離とに使用し、重合し、歯科治療処置の完了後には完全な歯またはそれ以上の大きさの部分として除去する。臨床医は、バリアをいかなる手段でも除去することができる。しかし、組成物は、臨床医が重合した隔離バリアを手で掴まえ、それを一体のユニットとして、または分離した部分として、容易に除去することを可能にし、または容易に除去するためにピンセットのような歯科用器具を使用できるようにする。
分離部分の大きさは、一般的には、隔離バリアが隔離する面積の約2分の1である。例えば、図3に図示したように、臨床医が図中に図示した点で本発明の隔離バリアの使用を中止しようとする場合には、分離部分の大きさは、一般的には、使用された長さの約2分の1であろう。他の例としては、歯弓全体を隔離する場合には、分離部分が全歯弓の長さの少なくとも約4分の1であることが好ましく、より好ましくは歯弓の長さの少なくとも約2分の1であり、最も好ましくは隔離バリアーが完全単位として除去されることである。適当なモノマーの例としては、アルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレート、ならびにそれらの誘導体などがある。アルキルメタクリレートとしては、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)ジメタクリレート(全ての分子量)、ブタンジ−オールジメタクリレート、および同等物などがある。アルキルヒドロキシメタクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロルジメタクリレート、ビス−GMA、および同等物などがある。アルキルアミノメタクリレートとしては、ウレタンジメタクリレートおよび同等物などがある。本発明のモノマーは、組成物の約50重量パーセントから約99重量パーセントの範囲にあり、好ましくは約60重量パーセントから約95重量パーセントの範囲にあり、最も好ましくは約70重量パーセントから約90重量パーセントの範囲にある濃度で提供される。好ましいメタクリレートとしては、アルキルメタクリレートなどがある。より好ましいメタクリレートは、トリエチレングリコールジメタクリレートである。上記のメタクリレートの他、他のモノマーも本発明の考慮の範囲内にあり、開示を読取り、発明を実施することによって慣例の実験法によって発見することができる。
B.硬化剤
硬化剤については、有用であることが発見され、特定の歯科治療処置に応じて、ある種の有機アミン添加剤を有しまたは有さないことが好ましいとされた。
硬化剤については、十分な光放射エネルギーに暴露したとき、モノマーの架橋を誘発するために、提供される。硬化剤は、ヒトにかなり低毒性のものが好ましい。硬化剤はまた、選択された歯科治療処置のために他の成分と適合するように、選択することもできる。硬化剤は、必要に応じて、光重合開始剤およびアミン添加剤を含む。
光重合開始剤の例としては、樟脳キノン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ジフェニル2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィン酸化物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、および同等物を含む。
アミン添加剤などの任意選択添加剤は、重合可能な隔離バリアの特定の使用に応じて、硬化剤を補助するため硬化剤を調合するのに好ましい。アミン添加剤の例としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−メチルエタノールアミン、および同等物を含む。
本発明の硬化剤は、組成物の約0.01重量パーセントから約2重量パーセント、好ましくは約0.1重量パーセントから約1重量パーセント、より好ましくは約0.2重量パーセントから約0.8重量パーセント、最も好ましくは約0.3重量パーセントの範囲にある濃度で提供される。好ましい硬化剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、およびジフェニル、2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィン酸化物などがある。上記の硬化剤の他に、他の硬化剤も本発明の予測の範囲内にあり、開示を読取り発明を実施することによって、慣例の実験法で発見することができる。
C.重合強度抑制剤
重合中には、検討すべきいくつかの変数がある。熱は、通常重合の発熱性のために重合中に通常熱が発生する。重合中の温度の大幅な増加は患者に不快感を与えたりまたは炎症を引き起こすにもまた十分なことがある。
有機化合物は、かかる有機化合物を有さないバリア材に比較して、隔離バリア材の重合度を大幅に減少させまたは最小にする能力を有するものが好ましい。したがって、モノマーの一定量についての全発熱ポテンシャルが重合中に低下させられることになる。
望ましくない過剰の反応熱を防止するほか、ある種の有機化合物は、隔離バリア材を弱めることが発見された。弱められた隔離バリアは、歯科治療処置の完了後に容易に除去できる利点を有する。臨床医は、重合した隔離バリアを手またはピンセットのような器具で部分または完全単位として除去することができる。分離部分の大きさは、一般的には、隔離バリアが隔離している面積の約2分の1である。例えば、全歯弓を隔離する場合には、分離部分が歯弓の長さの少なくとも約4分の1であることが好ましく、より好ましくは歯弓の長さの少なくとも約2分の1であり、最も好ましくは隔離バリアが完全部分として除去されることである。利点としては、疎水性隔離バリアが一定の歯科治療処置に必要な場合には、治療処置後の除去について唯1回の除去ステップまたは数回の除去ステップで足りて、砕ける可能性があるなんらかの小さい部分は、駆逐して後、容易に洗い流される。
適当な重合強度抑制剤としては、鉱油などのオイルが含まれる。他の適当な例としては、セチルアルコール、ステリルアルコール、それらの誘導体、および同等物などのアルコールが含まれる。さらに他の適当な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、それらの誘導体、および同等物などのポリオールが含まれる。本発明の重合強度抑制剤は、含まれる場合には、組成物の重量について約1から約30重量パーセント、好ましくは約5から約20重量パーセント、より好ましくは約10から約15重量パーセント、および最も好ましくは約12重量パーセントの濃度範囲で提供される。重合強度抑制剤のうち、好ましいものとしてはセチルアルコールなどがある。
D.組織接着増進剤
隔離バリアの重合中および治療中には、隔離バリアが本発明の隔離バリア内面と湿潤組織との間で接着することが望ましい。本発明の特徴として、接着増進剤を添加した場合には、隔離バリア材が重合前、重合中、および重合後に、組織に対して良く接着することが発見された。隔離バリアの内面は、歯科用基質と接触する面である。
組織を損傷する過酸化物組成物での歯漂白を含む歯科治療処置の一部として隔離バリアを使用する場合には、隔離バリア組成物を使用し歯科用光線で重合開始することが好ましい。バリアを据付け重合した後に、隔離バリアの重合継続をまた引き起こす可能性がある過酸化物漂白用組成物の活性化のために、歯科用光線を使用する。好ましい組織接着増進剤を使用すれば、隔離バリア組成物は、モノマーが大幅に重合するようになったときですら、湿潤組織に緩やかに接着し続ける。本発明のこの特徴の利点は、ほぼ適合する隔離バリアを歯に対して積み重ね、それを隔離することができて、バリアが標準隔離処理による治療処置の期間中に組織に十分接着していることである。
組織接着増進剤の例としては、キサンガム、グアーガム、トラガカントガム、それらの誘導体、および同等物などのガムを含む。他の例としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、それらの誘導体、および同等物などのセルロース材を含む。さらに他の例としては、カルボキシポリメチレン、ポリシロキサン、水溶性酸化ポリエチレンポリマー、誘導体、および同等物などのポリマーを含む。水溶性酸化ポリエチレンは、分子量約100,000以上で数百万を有することが好ましい。好ましい水溶性酸化ポリエチレンポリマーは、Union CarbideによってPolyox(商標)として販売されている。さらに、分子量少なくとも600を有するポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの高分子量ポリオールも組織接着増進剤として機能することができる。本発明の組織接着増進剤は、使用するときは、組成物の約0.01重量パーセントから約9重量パーセント、好ましくは約0.03重量パーセントから約5重量パーセント、より好ましくは約0.05重量パーセントから約3重量パーセント、および最も好ましくは約0.1重量パーセントの濃度範囲で本発明の組成物に供給される。好ましい組織接着増進剤はキサンガムである。
E.反射材
重合中に放出される有害量の過剰熱を減少させる他の方法は、歯科用光線の若干の光放射エネルギーを隔離バリア組成物から反射させることである。歯科硬化用光線およびレーザー治療光線は、典型的には集中光放射装置でのみ発生するが、これは過酸化物歯漂白などのある種の適用例では望ましい。反射材を添加すると、歯科用光線の一部を反射させ、それによって重合中、特に集中光放射装置で光線によって重合するとき、および漂白など後続の歯科治療処置中に、隔離バリアの加熱を減少させることが発見された。したがって、普通の場合より、組成物の光放射エネルギーの吸収が少なく、隔離バリアの活性化も少ない。下にある歯肉組織は、硬化用光線またはレーザー光線を使用する歯科治療処置中、不適当な加熱を受けることがなく、光線は下の歯肉または他の保護組織からすら反射される。
反射材の例としては、金フレーク、アルミニウムフレーク、チタンフレーク、および同等物などの金属を含む。他の例としては、酸化アルミニウム、二酸化チタン、沈降シリカ、酸化セリウム、酸化トリウム、および同等物などの金属酸化物を含む。さらに他の例としては、雲母および同等物を含む。本発明の反射材は、含むときには、約1パーセントから約50パーセント、好ましくは約2パーセントから約30パーセント、より好ましくは約3パーセントから約20パーセント、および最も好ましくは約15パーセントの濃度範囲で提供される。好ましい反射材としては、雲母などがある。
F.一般的特性
好ましい使用には、本発明の各種態様を組み合わせることが有利である。例えば、過酸化物ゲルは、治療用組成物にすることができて、光放射エネルギーは、本発明の組成物の重合中、およびその後の過酸化物漂白剤で漂白中の双方で使用される。かかる場合には、臨床医は、重合強度抑制剤、組織接着増進剤、および反射材を含む組成物を選択することができる。したがって、かかる組成物は、容易に除去できるようにまた歯科治療処置中の偶発的接触に対して抵抗できるように弱められた隔離バリアを確保し、それは、隔離バリアが漂白剤が歯の上にある間、軟質組織を十分にシールするようにその場に十分に残留すること、および下にある歯肉を不適当な加熱から保護するように治療処置中に集中光エネルギーを反射することを確実にする。
あるいは、歯を乾燥目的で隔離使用とする場合には、塗布が必要になるかもしれない。かかる場合には、臨床医は、重合強度抑制剤および組織接着増進剤を含む組成物を選択することができる。したがって、かかる組成物は、歯科治療処置中に容易に除去できて、しかも偶発的接触に対して抵抗できるように、弱められた隔離バリアを確保し、組成物は治療処置中、組織に対してその場に十分に残留する。
重合可能な隔離バリアを製造する方法は、少なくとも1つのモノマーを提供すること、少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤を提供すること、および有機重合強度抑制剤、組織接着増進剤、または反射材を含む3つの好ましい添加剤の少なくとも1つを提供することによって、実施される。成分は、均質になるまで容器中で混合し、均質混合物は、光エネルギーに抵抗力のある容器に入れる。本発明の重合可能な隔離バリア材は、好ましくは室温以下で保管する。本発明の重合可能な隔離バリア材は、適当な光放射エネルギーによって活性化されるまで、作業場所において標準状態で保管できるほど十分に安定している。
G.使用法
本発明の重合可能な隔離バリア材は、歯科用注入器から流動学的に絞りだすことができるペーストまたはゲル形態に作られる。隔離バリア材の成分は、好ましい使用の選択に応じて、乳濁液、溶液のいずれかを形成する。本発明の重合可能な隔離バリア材はまた、好ましく彫られ、次いで光放射エネルギーで硬化される、硬化可能なパテのロールまたはテープ形態に作られる。この隔離バリア材の成分は、好ましい使用の選択に応じて、乳濁液、分散液、懸濁液、溶液、などのいずれかを形成する。
本発明の重合可能な隔離バリア材は、いくつかの方法のいかなるものでも使用される。図3は、本発明の隔離バリア28の設置中の患者の正面斜視図であり、同図中で隔離バリア28は、光放射エネルギーによる重合に備え歯−歯肉接触面32にほぼ適合するように注入器30から絞り出されている。好ましい使用法は、治療対象の1つまたは複数の歯を乾燥し、唇をひっ込め、そして隔離バリア材28を歯肉34などの組織上の歯根に適合するように注入器30を用いて使用する。組織を横断する隔離バリア28の幅Wについては、臨床医が使用法に応じて選択することができる。例えば、ゲルが使用され、ゲルが垂れ流れそうにない場合には、臨床医は、歯に接触して、歯肉34上に処置区域から約3から約10mmに広がってほぼ適合する隔離バリアを使用することができる。より大きいか小さい隔離バリアも、特定歯科治療処置に応じて、使用することができる。
歯科処理後の隔離バリア28の除去は、図4に図示する通りに行われる。ピンセットのような器具36は、隔離バリア28を掴まえ、それを分離した部分として除去することによって隔離バリアを除去するのに、使用することができる。器具36が隔離バリア28に固着する近接の地区で、隔離バリア28が歯肉34から取り上げられているのを見受けることができる。臨床医は、重合した隔離バリア28を器具36で掴み、それを分離した部分として除去することができる。分離した部分の大きさは、一般的には隔離バリア28が隔離している面積の約2分の1である。例えば、全歯弓が隔離される場合には、分離した部分は好ましくは歯弓の長さの約4分の1、より好ましくは歯弓の長さの約2分の1であり、図4に図示する通り、隔離バリア28が完全単位として除去されることが最も好ましい。
好ましい実施形態の例
本発明のいくつかの実施例は、本発明の若干の実施形態の単なる例示として提示するものである。これらの実施例は、発明の精神および範囲を限定するものと解釈してはならない。下記の9件の実施例については、本発明の実施を促進するために提示された。量はすべて重量パーセントで示す。
実施例1
成分 混合物に対する重量パーセント
雲母 2.0
キサンガム 0.1
硬化剤 0.3
セチルアルコール 12.5
沈降シリカ 13.0
トリエチレングリコールジメタクリレート 72.1
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、歯科治療処置後に歯科基質からピンセットのような器具によって、歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することを容易にするほど十分に弱められる隔離バリア材組成物を生成する。バリア材はまた、偶発的接触によるバリア外面での変形に対しても抵抗力があるが、バリアの内面では歯科基質に接着したままである。バリア材についてはまた、重合反応速度を減少させ、また過剰な光放射エネルギーを反射し、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に耐えるようにも、構成される。
実施例2
成分 混合物に対する重量パーセント
雲母 3.0
キサンガム 0.3
硬化剤 0.5
PEGジメタクリレート(300) 96.2
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、偶発的接触によるバリア外面での変形に対して抵抗力があるが、バリアの内面では歯科基質に接着したままである隔離バリア材組成物を生成する。バリア材はまた、重合中のかなりな熱発生による熱組織損傷に耐えるように、過剰な光放射エネルギーも反射する。
実施例3
成分 混合物に対する重量パーセント
二酸化チタン 1.0
グアーガム 0.1
ステリルアルコール 17.0
沈降シリカ 12.0
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 69.0
硬化剤 0.9
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、歯科治療処置後に歯科基質からピンセットのような器具によって、歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することを容易にするほど十分に弱められる隔離バリア材組成物を生成する。バリア材はまた、偶発的接触によるバリア外面での変形に対しても抵抗力があるが、バリアの内面では歯科基質に接着したままである。バリア材についてはまた、重合反応速度を減少させ、また過剰な光放射エネルギーを反射し、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に耐えるようにも、構成される。
実施例4
成分 混合物に対する重量パーセント
キサンガム 1.0
PEGジメタクリレート(600) 98.5
硬化剤 0.5
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、偶発的接触によるバリア外面での変形に対して抵抗力があるが、バリアの内面では歯科基質に接着したままである隔離バリア材組成物を生成する。
実施例5
成分 混合物に対する重量パーセント
セチルアルコール 20.0
トリエチレングリコールジメタクリレート 79.0
硬化剤 1.0
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、歯科治療処理後に歯科基質からピンセットのような器具によって、歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することを容易にするほど十分に弱められる隔離バリア材組成物を生成する。
実施例6
成分 混合物に対する重量パーセント
二酸化チタン 1.0
雲母 5.0
ウレタンジメタクリレート 93.8
硬化剤 0.2
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に耐えるように過剰な光放射エネルギーを反射する隔離バリア材組成物を生成する。
実施例7
成分 混合物に対する重量パーセント
キサンガム 0.2
セチルアルコール 12.0
硬化剤 0.5
トリエチレングリコールジメタクリレート 87.3
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、歯科治療処置後に歯科基質からピンセットのような器具によって、歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することを容易にするほど十分に弱められる隔離バリア材組成物を生成する。バリア材はまた、偶発的接触によるバリア外面での変形に対しても抵抗力があるが、バリアの内面では歯科基質に接着したままである。バリア材についてはまた、重合反応速度を減少させ、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に耐えるようにも、構成される。
実施例8
成分 混合物に対する重量パーセント
酸化アルミニウム 1.0
キサンガム 2.0
硬化剤 0.5
グリセロルジメタクリレート 96.5
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、バリアの内面では歯科基質に接着したままである隔離バリア材組成物を生成する。バリア材についてはまた、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に抵抗するようにも、構成される。
実施例8
成分 混合物に対する重量パーセント
酸化アルミニウム 1.0
キサンガム 2.0
硬化剤 0.5
グリセロルジメタクリレート 96.5
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、バリアの内面では歯科基質に接着したままである隔離バリア材組成物を生成する。バリア材についてはまた、重合反応速度を減少させ、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に抵抗するようにも、構成される。
実施例9
成分 混合物に対する重量パーセント
セチルアルコール 12.0
アルミニウムフレーク 3.0
ブタンジ−オールジメタクリレート 84.5
硬化剤 0.5
上記の実施例は、歯科基質および重合に使用したときに、歯科治療処置後に歯科基質からピンセットのような器具によって、歯以上の大きさの分離した部分としてそれを除去することを容易にするほど十分に弱められる隔離バリア材組成物を生成する。バリア材についてはまた、重合反応速度を減少させ、また過剰な光放射エネルギーを反射し、それによって、重合中のかなりな熱発生による熱的組織損傷に耐えるようにも、構成される。
本発明は、その精神または必須の特性から逸脱することがなければ、他の特定の形態でも実施することができる。記載した実施形態については、あらゆる点で例示的に過ぎないと見なすものとし、限定的と見なしてはならない。したがって、発明の範囲は、上記の説明よりも添付の請求の範囲およびそれらの全部または一部の組み合わせによって示される。請求の範囲と同等な意味と範囲の内に属する変更については、すべてそれらの範囲内に包含されるものとする。

Claims (36)

  1. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    少なくとも1つのモノマー
    前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、および
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤の
    混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  2. 前記少なくとも1つのモノマーがアルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  3. 前記少なくとも1つのモノマーがトリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジ−オールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロルジメタクリレート、ビス−GMA、およびウレタンジメタクリレートから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  4. 前記少なくとも1つのモノマーがバリアに対して50重量パーセントから99重量パーセントの濃度範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  5. 前記有機重合強度抑制剤がアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  6. 前記有機重合強度抑制剤がセチルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  7. 前記有機重合強度抑制剤がステリルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  8. 前記有機重合強度抑制剤がポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  9. 前記有機重合強度抑制剤がオイルであることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  10. 前記有機重合強度抑制剤がバリアに対して5重量パーセントから20重量パーセントの濃度範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  11. 前記有機重合強度抑制剤がバリアに対して10重量パーセントから15重量パーセントの濃度範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の重合可能な隔離バリア。
  12. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    少なくとも1つのモノマー
    少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および
    少なくとも1つの組織接着増進剤
    の混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  13. 前記少なくとも1つのモノマーがアルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択されることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  14. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がガムであることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  15. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がキサンガム、グアーガム、およびトラガカントガムから成るグループから選択されたガムであることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  16. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がセルロース材であることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  17. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから成るグループから選択されたセルロース材であることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  18. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤が高分子量ポリオールであることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  19. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤が少なくとも600の高分子量を有するポリオールであって、前記ポリオールがポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールから成るグループから選択されることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  20. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がポリシロキサン、カルボキシポリメチレンおよび水溶性酸化ポリエチレンから成るグループから選択されたポリマーであることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  21. 前記少なくとも1つの組織接着増進剤がバリアに対して0.01重量パーセントから9重量パーセントの濃度範囲にあることを特徴とする請求項12に記載の重合可能な隔離バリア。
  22. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    少なくとも1つのモノマー
    前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および
    光放射エネルギーを反射するための少なくとも1つの反射材
    の混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  23. 前記少なくとも1つのモノマーがアルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択されることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  24. 前記少なくとも1つのモノマーがバリアに対して50重量パーセントから99重量パーセントの濃度範囲にあることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  25. 前記少なくとも1つの反射材が金属であることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  26. 前記少なくとも1つの反射材が金フレーク、アルミニウムフレーク、およびチタンフレークから成るグループから選択された金属であることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  27. 前記少なくとも1つの反射材が金属酸化物であることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  28. 前記少なくとも1つの反射材が酸化アルミニウム、二酸化チタン、沈降シリカ、酸化セリウム、および酸化トリウムから成るグループから選択された金属酸化物であることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  29. 前記少なくとも1つの反射材が雲母であることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  30. 前記少なくとも1つの反射材がバリアに対して1重量パーセントから50重量パーセントの濃度範囲で提供されることを特徴とする請求項22に記載の重合可能な隔離バリア。
  31. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    アルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択された少なくとも1つのモノマー
    前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および
    少なくとも1つの組織接着増進剤
    の混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  32. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    アルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択された少なくとも1つのモノマー
    前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および
    光放射エネルギーを反射するための少なくとも1つの反射材
    の混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  33. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアであって、
    アルキルメタクリレート、アルキルヒドロキシメタクリレート、およびアルキルアミノメタクリレートから成るグループから選択された少なくとも1つのモノマー
    前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤
    隔離バリアに対して1重量パーセントから30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、
    少なくとも1つの組織接着増進剤、および
    光放射エネルギーを反射するための少なくとも1つの反射材
    の混合物生成物を含むことを特徴とする重合可能な隔離バリア。
  34. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアを製造する方法であって、少なくとも1つのモノマー、前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、および隔離バリアに対して1重量から30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤を混合することを含むことを特徴とする重合可能な隔離バリアを製造する方法。
  35. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアを製造する方法であって、少なくとも1つのモノマー、前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、隔離バリアに対して1重量から30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および少なくとも1つの組織接着増進剤を混合することを含むことを特徴とする重合可能な隔離バリアを製造する方法。
  36. 歯科治療組成物を隔離バリアによって画定された区域に局限するように歯科基質を隔離するための重合可能な隔離バリアを製造する方法であって、少なくとも1つのモノマー、前記少なくとも1つのモノマーを硬化させるための少なくとも1つの硬化剤、隔離バリアに対して1重量から30重量パーセントの濃度範囲である、少なくとも1つの有機重合強度抑制剤、および光放射エネルギーを反射するための少なくとも1つの反射材を混合することを含むことを特徴とする重合可能な隔離バリアを製造する方法。
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