JP4111290B2 - 硬化性有機樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性有機樹脂組成物に関し、詳しくは、硬化前には流動性が優れ、硬化して、基材への密着性や接着性が優れる硬化樹脂を形成することができる硬化性有機樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子用途では、電気・電子素子を封止成形するために硬化性有機樹脂組成物が使用されているが、一般に、この組成物を硬化して得られる硬化樹脂は電気・電子素子や金属部品に対する接着性が低く、また、剛直で可撓性が乏しく、硬化時の硬化収縮率が大きいため、電気・電子素子や金属部品との界面に大きな応力が加わり、電気・電子素子や金属部品との界面に隙間を生じてしまい、その隙間に水が侵入することにより、樹脂封止した電気・電子素子の劣化が促進されるという問題があった。
【0003】
このため、硬化性有機樹脂組成物に、エポキシ基やアミノ基を含有するアルコキシシラン化合物を配合した硬化性有機樹脂組成物や、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物を配合した硬化性有機樹脂組成物(特開昭61−219号公報、および特開平3−215518号公報参照)が提案されている。
【0004】
しかし、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物を配合した硬化性有機樹脂組成物の硬化樹脂は基材に対する密着性や接着性が十分ではなく、また、アミノ基含有アルコキシシラン化合物を配合した硬化性有機樹脂組成物は硬化が早く、硬化前の流動性が悪いという問題があった。一方、シラザン化合物を配合した硬化性有機樹脂組成物の硬化樹脂も基材に対する密着性や接着性が十分ではないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意努力した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、硬化前には流動性が優れ、硬化して、基材に対する密着性や接着性が優れる硬化樹脂を形成することができる硬化性有機樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)エポキシ樹脂、イミド樹脂、またはフェノール樹脂からなる硬化性有機樹脂
100重量部、
および
(B)ケイ素原子に、一般式:
【化5】
(式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはシリル基であり、R2は炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルキレン基である。)
で示される基を結合するケイ素原子含有化合物 0.01〜100重量部
から少なくともなる硬化性有機樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性有機樹脂組成物を詳細に説明する。
(A)成分の硬化性有機樹脂は、本組成物の主剤であり、室温で液状または固体状のものである。このような(A)成分の硬化性有機樹脂としては、o−クレゾールノボラック型、ビフェニル型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、アントラセン型、ナフトールアラルキル型、ポリビニルフェノール型、ジフェニルメタン型、ジフェニルサルホン型、トリフェノールアルカン型、クレゾール・ナフトール共縮合型、ビスフェニルエチレン型、フルオレン型、スチルベン型、スピロクマロン型、ノルボルネン型等のエポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、イミドあるいはマレイミド基含有エポキシ樹脂、アリル基変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;イミド樹脂;ポリビニルフェノール型、フェノールノボラック型、ナフトール型、テルペン型、フェノールジシクロペンタジエン型、フェノールアラルキル型、ナフトールアラルキル型、トリフェノールアルカン型、ジシクロペンタジエン型、クレゾール・ナフトール共縮合型、キシレン・ナフトール共縮合型等のフェノール樹脂;その他、ホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アニリン樹脂、スルホン−アミド樹脂、これらの硬化性有機樹脂を共重合した硬化性有機樹脂、これらの硬化性有機樹脂にオルガノシリル基やオルガノシロキシ基を部分的に結合したシリコーン変成の硬化性有機樹脂、および、これらの硬化性有機樹脂の2種以上の混合物が例示され、特に、エポキシ樹脂、イミド樹脂、またはフェノール樹脂が好ましい。この(A)成分の硬化性有機樹脂の硬化機構としては、熱硬化、紫外線または放射線等の高エネルギー線硬化、湿気硬化が例示され、特に、熱硬化が好ましい。
【0008】
(A)成分の硬化性有機樹脂には、その他任意の成分として、硬化剤、硬化促進剤等を配合することができる。この硬化剤としては、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸もしくはその無水物;有機ヒドロキシ化合物;ケイ素原子に結合した水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を有する、シラン化合物、シリコーンレジン、シリコーンオイル等の有機ケイ素化合物;一級または二級のアミノ化合物が例示され、これらの一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。また、この硬化促進剤としては、三級アミン化合物;アルミニウムやジルコニウム等の有機金属化合物;ホスフィン等の有機リン化合物;異環型アミン化合物;ホウ素錯化合物;有機アンモニウム塩;有機スルホニウム塩;有機過酸化物;ヒドロシリル化用触媒が例示される。
【0009】
(B)成分のケイ素原子含有化合物は、本組成物の硬化前の流動性を悪化させず、これを硬化して得られる硬化樹脂に、基材に対する密着性や接着性を付与するための成分である。この(B)成分のケイ素原子含有化合物は、ケイ素原子に、一般式:
【化6】
で示される基を結合していることを特徴とする。上式中のR1は水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはシリル基である。このR1の置換もしくは非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−アミノエチル基等の置換アルキル基が例示される。また、このR1のシリル基としては、一般式:
R4 3Si
で示される基が例示される。上式中のR4は同じか、または異なる、水素原子、アルコキシ基、または置換もしくは非置換の一価炭化水素基である。このR4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基が例示される。また、このR4の置換もしくは非置換の一価炭化水素基としては、前記R1の一価炭化水素基と同様の基が例示される。また、上式中のR2は炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルキレン基であり、式:−CH2CH2CH2−で示される基、式:−CH2CH(CH3)CH2−で示される基、式:−CH2CH2CH2CH2−で示される基、式:−CH2CH(CH3)CH2CH2−で示される基、式:−CH2C(CH3)2CH2CH2−で示される基等の一般式:−CmH2m−(但し、mは2以上の整数である。)で示される非置換のアルキレン基、このアルキレン基の水素原子をフェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等で置換したアルキレン基が例示される。
【0010】
このような(B)成分は、平均構造式:
【化7】
で示されるケイ素原子含有化合物であることが好ましい。上式中のR1は同じか、または異なる、水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはシリル基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中のR2は炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルキレン基であり、前記と同様の基が例示される。また、上式中のR3は同じか、または異なる、水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはアルコキシ基である。このR3の置換もしくは非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基が例示される。また、このR3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基が例示される。また、上式中のa、およびbはそれぞれ、0<a≦1、1≦b≦2、3<2a+b≦4を満たす数である。
【0011】
この(B)成分のケイ素原子含有化合物として、より具体的には、上記の平均構造式において、a=1、b=2である、一般式:
【化8】
で示されるケイ素原子含有化合物、または0<a<1、1≦b<2である、一般式:
【化9】
で示されるケイ素原子含有化合物が例示される。前者のケイ素原子含有化合物において、式中のR1は水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはシリル基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR2は炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルキレン基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR3は同じか、または異なる、水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはアルコキシ基であり、前記と同様の基が例示される。このようなケイ素原子含有化合物としては、次のような化合物が例示される。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0012】
また、後者のケイ素原子含有化合物において、式中のR1は同じか、または異なる、水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはシリル基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR2は同じか、または異なる、炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルキレン基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中のR3は同じか、または異なる、水素原子、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、またはアルコキシ基であり、前記と同様の基が例示される。また、nは0〜100の整数である。このようなケイ素原子含有化合物としては、次のような化合物が例示される。
【化15】
【化16】
【0013】
このような(B)成分のケイ素原子含有化合物を調製する方法としては、例えば、特公昭40−20197号公報に開示されている、3−クロロ−2−メチルプロピルジメチルクロロシラン等のハロゲン化アルキル基とケイ素原子結合ハロゲン原子を有するシラン化合物と、アンモニアないしはメチルアミン等の1級アミン化合物を脱ハロゲン化水素縮合反応させる方法、特開昭61−180792号公報や特開平2−235891号公報に開示されている、一分子中にケイ素原子結合水素原子と窒素原子結合アルケニル基を有するシラザン化合物をヒドロシリル化反応用触媒によりヒドロシリル化反応させる方法が挙げられる。
【0014】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜100重量部の範囲内であり、好ましくは、0.1〜50重量部の範囲内である。これは、(B)成分の配合量が、この範囲の下限未満であると、得られる硬化樹脂の基材に対する密着性や接着性を向上させることができなくなる傾向があるからであり、一方、この範囲の上限をこえると、得られる硬化樹脂の機械的強度が低下する傾向があるからである。
【0015】
本組成物には、その他任意の成分として、光増感剤、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、可塑剤、可撓性付与剤、充填剤等を配合することができる。この可撓性付与剤としては、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末が例示される。また、この充填剤としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナとシリカを成分とするセラミック繊維、ボロン繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、フェノール繊維、天然の動植物繊維等の繊維状充填剤、溶融シリカ、沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化亜鉛、焼成クレイ、カーボンブラック、ガラスビーズ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、カオリン、雲母、ジルコニア等の粉粒状充填剤、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0016】
本組成物は、(A)成分、(B)成分、および必要に応じてその他の成分を均一に混合することにより得られる。(A)成分と(B)成分を混合する方法は限定されず、例えば、(A)成分に直接(B)成分を配合する方法、(A)成分を調製する際に、(B)成分を配合してプレミックスし、次いで、(A)成分に充填剤等の添加剤を配合する方法、(B)成分に(A)成分に配合する各種の添加剤を順次配合する方法が挙げられる。(A)成分と(B)成分を混合するための混合装置としては、(A)成分および(B)成分の性状が、液状、固体状、粉状等により異なるが、一般には、一軸または二軸の連続混合機、二本ロール、ロスミキサー、ニーダーミキサー等が挙げられる。
【0017】
本組成物は、硬化前には流動性に優れるので、トランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティング、キャスティング、粉体塗装、浸漬塗布、滴下、噴霧やコーティング等の方法により使用することができる。また、本組成物は、硬化して、基材に対する密着性や接着性が優れる硬化樹脂を形成することができるので、電気・電子素子の封止剤、電気・電子素子の接着剤、あるいは電気・電子素子のコーティング剤として使用することができる。
【0018】
【実施例】
本発明の硬化性有機樹脂組成物を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値であり、硬化性有機樹脂組成物、および硬化樹脂の特性は次のようにして測定した。
【0019】
○スパイラルフロー:EMMI規格に準じた方法により測定した。
○接着性(A) :硬化性有機樹脂組成物を42アロイ板および銅板に挟み、これを硬化させた後、硬化樹脂を剥す際の接着性を○(良好)、×(不良)により判断した。
○接着性(B) :硬化性有機樹脂組成物をニッケル板、あるいは銅板に0.1mmの厚さで挟み、これを硬化させた後、テンシロンにて50mm/分の速度でラップシェアによる破壊強度を測定した。
○粘度変化率 :硬化性有機樹脂組成物の調製直後の粘度に対する、室温/1日後の粘度の相対値(倍数)により求めた。
【0020】
[実施例1]
フェノールノボラック樹脂(軟化点80℃、水酸基当量100)35重量部、式:
【化17】
で示されるケイ素原子含有化合物(I)3重量部、溶融石英粉末65重量部、ヘキサメチレンテトラミン4重量部、およびカルナウバワックス1重量部を90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファ成形した。その後、硬化樹脂を150℃で2時間かけてポストキュアした。得られた硬化樹脂の諸特性を表1に示した。
【0021】
[比較例1]
実施例1において、ケイ素原子含有化合物(I)の代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを同量配合した以外は実施例1と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例1と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表1に示した。
【0022】
[比較例2]
実施例1において、ケイ素原子含有化合物(I)の代わりに、式:
【化18】
で示されるヘキサメチルシクロトリシラザンを同量配合した以外は実施例1と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例1と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表1に示した。
【0023】
[比較例3]
実施例1において、ケイ素原子含有化合物(I)を配合しない以外は実施例1と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例1と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
[実施例2]
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(軟化点80℃、エポキシ当量220)13重量部に、硬化剤としての、CH3SiO3/2単位40モル%、C6H5(CH3)SiO2/2単位10モル%、C6H5SiO3/2単位40モル%、および(C6H5)2SiO2/2単位10モル%からなり、シラノール基を5重量%含有するシリコーン樹脂13重量部、式:
【化19】
で示されるケイ素原子含有化合物(II)2重量部、溶融石英粉末74重量部、アルミニウムアセチルアセトネート0.90重量部、およびカルナウバワックス1重量部を90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を得た。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を粉砕し、175℃、70kg/cm2の条件下で2分間トランスファモールド成形した。その後、この硬化樹脂を180℃で12時間かけてポストキュアした。得られた硬化樹脂の諸特性を表2に示した。
【0026】
[実施例3]
実施例2において、ケイ素原子含有化合物(II)の代わりに、式:
【化20】
で示されるケイ素原子含有化合物(III)を同量配合した以外は実施例2と同様にして、硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例2と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表2に示した。
【0027】
[比較例4]
実施例2において、ケイ素原子含有化合物(II)の代わりに式:
【化21】
で示されるアミノ基含有シリコーンオイルを同量配合した以外は実施例2と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例2と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表2に示した。
【0028】
[比較例5]
実施例2において、ケイ素原子含有化合物(II)を配合しない以外は実施例2と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例2と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
[実施例4]
ビスマレイミド−トリアジン型の熱硬化性ポリイミド樹脂35重量部、実施例1で用いたケイ素原子含有化合物(I)4重量部、溶融石英粉末65重量部、カルナウバワックス1重量部、および安息香酸アルミニウム0.32重量部とを90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を粉砕して、220℃、70kg/cm2の条件下で4分間トランスファモールド成形した。その後、この硬化樹脂を230℃で3時間かけてポストキュアした。得られた硬化樹脂の諸特性を表3に示した。
【0031】
[比較例6]
実施例4において、ケイ素原子含有化合物(I)を配合しない以外は実施例4と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例4と同様に硬化させた。この硬化樹脂の諸特性を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】
[実施例5]
オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂(軟化点80℃、エポキシ当量220)40重量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量195)20重量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量283)15重量部、溶融シリカ310重量部、カルナバウワックス1重量部、フェノールノボラック樹脂35重量部、トリフェニルフォスフィン0.6重量部、実施例2で用いたケイ素原子含有化合物(II)5重量部を90℃の加熱ロールで混練して硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を粉砕し、150℃、70kg/cm2の条件下で3分間トランスファモールド成形した。その後、この硬化樹脂を180℃で4時間かけてポストキュアした。得られた硬化樹脂の諸特性を表4に示した。
【0034】
[比較例7]
実施例5において、ケイ素原子含有化合物(II)の代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを同量配合した以外は実施例5と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表4に示した。
【0035】
[比較例8]
実施例5において、ケイ素原子含有化合物(II)を配合しない以外は実施例5と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例5と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表4に示した。
【0036】
【表4】
【0037】
[実施例6]
液状エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサノンカルボキシレート)20重量部、液状酸無水物(3または4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物)22重量部、オクチル酸錫0.3重量部、実施例1で用いたケイ素原子含有化合物(I)2重量を、室温で十分混合した後、脱泡して、硬化性有機樹脂組成物を調製した。次いで、この硬化性有機樹脂組成物を120℃で2時間加熱して硬化させた。その後、この硬化樹脂を150℃で3時間かけてポストキュアした。得られた硬化樹脂の諸特性を表5に示した。
【0038】
[比較例9]
実施例6において、ケイ素原子含有化合物(I)の代わりにγ−アミノプロピルトリメトキシシランを同量配合した以外は実施例6と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表5に示した。
【0039】
[比較例10]
実施例6において、ケイ素原子含有化合物(I)の代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを同量配合した以外は実施例6と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表5に示した。
【0040】
[比較例11]
実施例6において、ケイ素原子含有化合物(I)を配合しない以外は実施例6と同様にして硬化性有機樹脂組成物を調製した。これを実施例6と同様にして硬化させた。得られた硬化樹脂の諸特性を表5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】
本発明の硬化性有機樹脂組成物は、硬化前には流動性が優れ、硬化して、基材に対する密着性や接着性に優れる硬化樹脂を形成することができるという特徴がある。
Claims (3)
- 請求項2において、平均構造式で示される(B)成分のケイ素原子含有化合物が、一般式:
で示されるケイ素原子含有化合物、または一般式:
で示されるケイ素原子含有化合物であることを特徴とする、請求項2記載の硬化性有機樹脂組成物。
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