JP4111102B2 - 工作機械のバランス装置 - Google Patents

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この発明は、コラムに昇降可能に案内したスピンドルヘッドの重量バランスをとるために、バランスシリンダによりスピンドルヘッドに上方への付勢力を付与する工作機械のバランス装置に関する。
従来から工作機械のコラムに昇降可能に案内支持したスピンドルヘッドを駆動する昇降駆動手段に加わる負荷を小さくするために、スピンドルヘッドには、そのスピンドルヘッドの重量を軽減するためのバランス装置が備えられている。バランス装置は、バランスシリンダを備えており、バランスシリンダへの圧流体の給排によってスピンドルヘッドへの上方への付勢力の付与を調整している。このようなバランス装置として特許文献1の装置が知られている。このものでは、バランスシリンダとしてピストンロッドを備えたエアシリンダを使用している。エアシリンダのピストンとシリンダチューブとの間、ピストンロッドとシリンダ本体との間は、ピストン及びシリンダ本体に設けた環状溝を覆うシール部材に環状溝内の圧力調整可能な加圧流体により均一な力を加え、そのシール部材によりシールすることで、シール部材の食い込みをなくして摺動抵抗を低減している。特許文献2には、エアシリンダを用いたバランス装置が開示されている。特許文献3のものでは、気体が封入されたシリンダにシリンダロッドが挿通されており、シリンダロッドを垂直軸ユニットに一体移動可能に取付けてバランス装置を構成している。シリンダロッドが貫通するシリンダの貫通孔とシリンダロッドとの間はシール部材が設けられている。
また、特許文献4、5には、バランス装置のバランスシリンダを示すものではないが、ロッドレスシリンダの構造が開示されている。特許文献4のものでは、ロッドレスシリンダの内側移動体を構成するピストンの外周にはピストンパッキンが嵌合してあり、ピストンパッキンを挟んだ軸方向両側にグリース溜り部分を設けている。そのグリース溜り部分として、グリースを含有することができる給油性部材(潤滑剤保持リング)としてのフェルトリングを設けることが記載されている。特許文献5では、ピストンの軸線方向両端に装着したピストンパッキンの軸線方向内側に潤滑剤保持リングを装着して、ピストンパッキンのリップによるリップ摺接面の潤滑剤切れを潤滑剤保持リングからの潤滑剤の供給によって修復されるようにしている。
また、特許文献6〜8には、ロッドレスシリンダを使った空気圧配管装置が開示されており、シリンダ室内からピストンを介して圧流体を外部に供給している。特許文献6では、ピストンにはピストンを挟んで両側のシリンダ室をシリンダ外部へ連通する通路が設けられており、その通路にはシャトル弁が備えられている。シリンダの一方のシリンダ室に圧流体により圧力が掛かるとシャトル弁により他方のシリンダ室と通路の連通が閉じられ一方のシリンダ室の圧流体をピストンから外部に供給できるようになっている。特許文献7、8では、ピストンユニットに通路を設け、シリンダ室に供給された圧縮空気をピストンユニットの通路からピストンユニット外部の空気圧機器に供給できるようになっている。
特許文献1〜3では、バランスシリンダとしてシリンダロッドを備えたエアシリンダを使っているので長手寸法が長くなる問題があった。また、特許文献1〜8には、バランスシリンダとしてロッドレスシリンダを使うことについての記載はない。更に、特許文献4は、マグネット式ロッドレスシリンダなので、スピンドルヘッドを支えるのには実用的ではない。
また、標準的なロッドレスシリンダでは、ピストンの両端にピストンパッキンを装着してあり、シリンダチューブ内面との間のシール性を高めるためにピストンパッキンの押し付け力が大きくなっている。更に、特許文献4、5に示すような潤滑剤を保持する構造を備えていないので、ピストンパッキンによりシリンダチューブの内面の潤滑油膜が切られ油膜の途中切れが発生する。このため、油膜の途中切れでピストンパッキンの摺動抵抗が大きくなってピストンの移動がごつごつした動きとなり、円滑に移動しない場合がある。駆動装置としてリニアモータを使った工作機械では高速でスピンドルヘッドを昇降するが、リニアモータの力が弱いため、前記標準的なロッドレスシリンダをバランスシリンダに採用した場合に、前記円滑に移動しないピストンの影響でスピンドルヘッドのスムーズな昇降が妨げられる。また、スピンドルヘッドはランダムに昇降停止を繰り返すので、スピンドルヘッドに追従してピストンもランダムに昇降停止し、ランダムに停止した場所で油切れを起してスムーズな作動が妨げられる。
特開平11−77471号公報 特許第3009509号公報 特開2000−153418号公報 特開平9−112504号公報 特開2004−208526号公報 特開昭51−28793号公報 特開平8−128402号公報 特開昭61−286603号公報
この発明は、ロッド付エアシリンダに比べ長手寸法が短くストロークが長く、また、スピンドルヘッドの昇降に追従してスムーズに作動するロッドレスシリンダを備えた工作機械のバランス装置を提供するものである。
本願発明は、コラムに昇降自在に案内されて昇降駆動手段により昇降されるスピンドルヘッドを上方へ付勢するバランスシリンダをコラムに垂直に備えている工作機械のバランス装置において、前記バランスシリンダを軸方向全長に亘ってスリットが形成されているシリンダチューブのシリンダ室内にピストンを軸線方向移動可能に嵌装してあるロッドレスシリンダで構成し、そのロッドレスシリンダのピストンは、スリット側部分がスリットから外部に突出されているピストンヨークのシリンダ軸線方向両端に夫々外周にパッキン装着溝が形成されているピストンエンドを設けて構成し、そのピストンヨークに連結したシリンダチューブ外側の外部移動体をスピンドルヘッドに連結し、ピストンには、スピンドルヘッドを上方へ付勢する流体圧力が作用する加圧側シリンダ室側のピストンエンドのみのパッキン装着溝にピストンパッキンを設け、そのピストンパッキンの軸線方向前後に潤滑剤保持機能を有する潤滑剤保持リングをピストンパッキンを挟むように設けたことを特徴とする
また、本願発明は、ロッドレスシリンダの加圧側シリンダ室とピストンを挟んで反対側の排出側シリンダ室を、エンドキャップに設けた第1ポートと、ピストンを介して外部移動体に設けた第2ポートとにより大気圧に開放したことを特徴とする
また、本願発明は、ピストンの加圧側シリンダ室側のピストンエンドのみに、パッキン装着溝のシリンダ軸線方向前後に夫々潤滑剤保持リングを装着するためのリング装着溝を追加工またはリング装着溝を備えたリング装着プレートを追加装着し、それらのリング装着溝に潤滑剤保持リングをパッキン装着溝に装着されたピストンパッキンを挟むように装着したことを特徴とする。
本願発明の装置では、バランスシリンダを軸方向全長に亘ってスリットが形成されているシリンダチューブのシリンダ室内にピストンを軸線方向移動可能に嵌装してあるロッドレスシリンダで構成しているので、シリンダロッドを備えたエアシリンダに比べて、ストロークを長くできるとともに長手寸法を短くできる。また、ピストンの圧流体が作用する加圧側シリンダ室側のピストンエンドのみのパッキン装着溝にピストンパッキンを装着し、そのピストンパッキンのシリンダ軸線方向前後に潤滑剤保持リングを設けたので、ピストンがシリンダ室内を摺動する際のピストンパッキンによる摺動抵抗が1ヶ所になって小さくなり、しかも、潤滑剤保持リングにより油膜の途中切れが防止されて摺動抵抗が小さくなってピストンの移動を円滑にできる。これにより、リニアモータ駆動のように高速で力が弱い場合でも、スピンドルヘッドのランダムな昇降がスムーズに行われるようになる。そしてロッドレスシリンダの排出側シリンダ室をエンドキャップに設けた第1ポートとピストンと一体の外部移動体に設けた第2ポートとにより大気圧に開放すれば、排出側シリンダ室の空気が2ヶ所から排出されるため、ストロークが長い場合やスピンドルヘッドの高速移動に追従してピストンが高速に移動する場合、空気の排出を多量に速く行えるので、シリンダ室内の空気が圧縮されるのが防止されて圧力上昇が抑えられ、これによってもスピンドルヘッドのスムーズな移動が妨げられない。更に、潤滑剤保持リングを備えていない標準的なロッドレスシリンダのピストンの一方側のパッキン装着溝にリング装着溝を追加工して潤滑剤保持リングを追加装着したものを使えば、量産品のロッドレスシリンダを利用でき安価になる。
本願発明の実施例について図1〜図5に基づいて説明する。工作機械1のベース2上に、コラム3が左右方向のガイドレール4に移動自在に案内されている。ベース2上面には、リニアモータ5の固定子(固定マグネット)5aが取り付けられ、この固定子5aと対向するコラム3の下面には、可動子(コイル)5bが取り付けてあり、固定子5aと可動子5bとによりコラム3の左右移動用リニアモータ5が構成されている。移動コラム3は矩形の断面を成し、スピンドルヘッド(昇降スライダ)6は、その前面部7の両側が後方に延びた側面部8,9となっていて、移動コラム3の前面3aと側面3bとに対向するように断面がコの字に形成されている。
スピンドルヘッド6は、移動コラム3の前面3aに取り付けた一対の昇降ガイドレール10,10と、左右側面3bに取り付けた昇降ガイドレール11,11との4本のガイドレールで上下方向に昇降自在に案内されている。移動コラム3の側面3bには、昇降用リニアモータ12の固定子(固定マグネット)12aが、スピンドルヘッド6の側面部8,9の内側面(移動コラム3の側面3bとの対向面)には可動子(コイル)12bが取り付けてあり、これらの固定子12aと可動子12bとの間でスピンドルヘッド6の昇降用駆動手段である昇降用リニアモータ12が構成され、可動子12bに励磁電流を流すことで、対向している前記固定子12aとの間で垂直方向のリニアモータ推力を生じさせてスピンドルヘッド6を昇降するようになっている。尚、スピンドルヘッド6及び移動コラム3の移動はボールネジを用いた送りねじ機構で行うようにしても良い。
スピンドルヘッド6には前後方向に主軸支持部15が突出されている。主軸支持部15には主軸16が回転自在に設けてあり主軸モータMで回転される。主軸支持部15の、スピンドルヘッド6から機台後方に突出した部分は、スピンドルヘッド6が昇降移動するとき、移動コラム3に対して前後方向に貫通形成した長孔17内を昇降移動する。
移動コラム3の左右側面3b,3bの下端部と上面左右には、夫々移動コラム3から左右外方に突出するように夫々ブレーキロッド取り付け用のブラケット18,19が固着してある。移動コラム3の右(若しくは左)側で、上下に対向するブラケット18,19の間には、上下方向(スピンドルヘッド6の移動方向と平行)のブレーキロッド20が取り付けてあり、こうしてスピンドルヘッド6の左右両外側に一対のブレーキロッド20が配置されている。一方、このブレーキロッド20が貫通して、昇降用リニアモータ12への通電が断たれたときにブレーキロッド20を半径方向外側から掴んでスピンドルヘッド6の落下を防止するブレーキ装置21が、スピンドルヘッド6の左右側面部8,9の上面に夫々取り付けブラケット22を介して一体に取り付けてある。尚、図1において、左側のブレーキ装置21は省略してある。また、本願発明は、ブレーキ装置21の構成に特定されるものではないので、ここでの詳しい説明を省略する。
また、図2に示すように、ブレーキ装置21の後方で、移動コラム3の左右側面3b,3bの下端部と上面左右には、夫々移動コラム3から左右外方に突出するように夫々バランスシリンダ取付用ブラケット23,24が固着してある。移動コラム3の左右で上下に対向するバランスシリンダ取付用ブラケット23,24の間には、本願実施例では夫々2本のバランスシリンダ25,25が前後に配置されている。このバランスシリンダ25はロッドレスシリンダであり、スピンドルヘッド6の昇降に追従して、スピンドルヘッド6の左右側面部8,9に連結されるピストン26と一体の外部移動体(ピストンマウント)27が上下方向に移動するように垂直に立設されている。夫々のロッドレスシリンダ25には、後述の圧空制御装置28が接続され、バランス装置29を構成している。
図3において、ロッドレスシリンダ25のシリンダチューブ30には、軸方向全長に亘って非円形(長円形)のシリンダ孔31が形成されると共に、軸方向全長に亘ってスリット32が形成されている。シリンダチューブ30の両端(図3では片側(上端部分)のみ示す)は、エンドキャップ33で塞がれてシリンダ室34を形成している。これらエンドキャップ33にはスリット32を内側及び外側からシールする厚みの薄い可撓性のインナーシールバンド35とアウターシールバンド36の両端が取付ピン37をピン孔38に嵌め込んで取り付けられている。
シリンダ室34には、ピストンヨーク39の両側にピストンエンド40,41を連結して構成されるピストン26が軸方向移動可能に嵌装されており、シリンダ室34はピストン26を挟んで圧空制御装置28が接続される下側の加圧側シリンダ室42と、大気圧に開放される上側の排出側シリンダ室43とに区画されている。ピストンヨーク39はそのスリット側部分(図3において上側部分)が細くなってスリット32より外部へ突出され、シリンダチューブ30外部において左右(図3において紙面に対して垂直方向)に拡がりピストンマウント27となっており、インナーシールバンド35とアウターシールバンド36を案内している。
ピストン26両端のピストンエンド40,41にはパッキン装着溝44が形成されており、加圧側シリンダ室42側のピストンエンド40のパッキン装着溝44にはピストンパッキン45が装着されている。ピストンパッキン45は、図4に示したように、内、外リップ46,47を備え、その外形がシリンダ孔31の断面形状に合致して長円形状をなしている。更に、パッキン装着溝44には、ピストンパッキン45のシリンダ軸線方向前後(シリンダ軸線方向上下)にピストンパッキン45を挟むようにして、潤滑剤保持リング48,48が装着されている。この潤滑剤保持リング48は、ポリエステルやレーヨン等の合成繊維をゴム弾性体で融合した繊維集合素材から構成されており、ゴム弾性体で融合された合成繊維の間に油やグリース等を保持できる潤滑材保持機能を有している。潤滑剤保持リング48としては、例えば、ソフトワイパ(商品名)が使用できる。潤滑剤保持リング48は、ゴム弾性体の弾性によりシリンダチューブ30内面やインナーシールバンド35の内側面に摺動可能に圧接している。この潤滑剤保持リング48には予め多量のグリースが含浸されており、予めグリースが封入されたシリンダーチューブ30内を移動する際に、シリンダチューブ30内に油膜の途中切れがある場合、その油膜の途中切れにグリースを供給するようになっている。ピストン26の他方の排出側シリンダ室43側のピストンエンド41には、ピストンパッキンと潤滑剤保持リングは装着されていない。
加圧側シリンダ室42側のエンドキャップ33には、圧空の給排ポート49が形成されている(図5)。この給排ポート49には、圧空制御装置28が接続されている。図5に示すように、圧空制御装置28は、圧流体供給源としての工場エア源50と給排回路51からなる。給排回路51は、工場エア源50とロッドレスシリンダ25の給排ポート49とを接続しており、工場エア源50側からフィルタ53と減圧弁54と逆止弁55とタンク52を備えている。タンク52は、加圧側シリンダ室42の空気圧の変動(圧力不足及び圧力過剰)を吸収できる容積を有している。給排回路51は、減圧弁55により給気圧が設定された工場エア源50からの圧縮空気をタンク52を介して加圧側シリンダ室42に供給し、また、ロッドレスシリンダ25の加圧側シリンダ室42からの排気をタンク52に戻すようになっている。また、排出側シリンダ室43側のエンドキャップ33には、排出側シリンダ室43を大気圧に開放する第1ポート57が設けられており、第1ポート57にはフィルタ58が設けられている。
上記のように構成された工作機械1において、ワークW加工時にリニアモータ12が電気制御されてスピンドルヘッド6が高速にランダムな昇降と一時停止を繰り返すと、バランス装置29では、ロッドレスシリンダ25のピストン26がスピンドルヘッド6の昇降に追従して昇降すると共に停止する。このとき、スピンドルヘッド6の上昇時には、ピストン26が上昇するので、排出側シリンダ室43は縮小されて第1ポート57を介して空気が大気に排気され、加圧側シリンダ室42は拡大されて圧力が減圧弁54の設定圧力よりも低くなり、圧空が給気回路51を介して加圧側シリンダ室42に流れ、圧空の圧力がピストン26に作用しピストン26を上方へ付勢する。一方、スピンドルヘッド6の下降時には、ピストン26が下降するので排出側シリンダ室43は拡大されて第1ポート57を介して空気が大気から吸気され、加圧側シリンダ室42は縮小されて排気がタンク52に戻ることでタンク52の大きな畜圧容量によって加圧側シリンダ室42の圧力変動が吸収される。これによりスピンドルヘッド6の重量バランスが保持される。
また、スピンドルヘッド6の一時停止時にはピストン26も停止するが、このときピストンパッキン45の外リップ47によりインナーシールバンド35やシリンダ室34の内面に形成されていたグリースの油膜が切られてしまい、油膜の途中切れが形成される。しかしながら、スピンドルヘッド6のランダムな昇降に追従してピストン26が移動すると、ピストンエンド40のピストンパッキン45両側の潤滑剤保持リング48が油膜の途中切れを通過して、油膜の途中切れに潤滑剤保持リング48に含浸されているグリースが供給され、油膜の途中切れはその供給されたグリースで修復される。従って、この油膜の途中切れの回復や、ピストンパッキン45がピストン26の1ヶ所のみに設けられていることでピストンパッキン45の抵抗が低減されるので、ピストン26の摺動抵抗が小さくなり移動が円滑に行われる。特に昇降駆動手段が高速で力が弱いリニアモータである場合に、ロッドレスシリンダによりスピンドルヘッドのスムーズな昇降に影響が与えられず好ましい。
次に第2の実施例について図6、図7により説明する。これは、前記第1の実施例においてピストン26に排出側シリンダ室43を大気圧に開放する第2ポート59を設けたものであり、前記実施例と同一の部分には同一の符号を付けて説明を省略する。第2ポート59は、排出側シリンダ室43側のピストンエンド41に設けた通路60と、ピストンヨーク39とシリンダ孔31内面とで構成される通路61と、ピストンヨーク39にインナーシールバンド35を避けて穿設されピストンマウント27から大気圧に開放される通路62とから構成されている。
スピンドルヘッド6がランダムな昇降を行うと、第1ポート57と第2ポート59を介して排出側シリンダ室43内に空気が給排される。これによって、第1ポート57の大きさが制限される場合やロッドレスシリンダ25が長い場合等、排出側シリンダ室43からの給排を第1ポート57のみで十分にできないとき、排出側シリンダ室43の圧力が大きくなるが、第2ポート59を設けることで給排量を大きくすることができ給排速度も速くなるので、スピンドルヘッド6の高速移動に追従してピストン26が高速移動しても排出側シリンダ室43の圧力上昇が小さくピストン26への抵抗が大きくならず、スピンドルヘッド6の移動が円滑に行われることとなる。
次に第3の実施例について説明する。第1の実施例と同一部分には同一の符号を付けて説明を省略する。これは、バランスシリンダとして標準的なロッドレスシリンダを使ったものである。図3を参照して説明すると、標準的なロッドレスシリンダは、ピストン26両端のピストンエンド40,41のパッキン装着溝44にピストンパッキン45を備えているが、潤滑剤保持リング48を備えていない構成である。前記第1の実施例と同様にスピンドルヘッド6のスムーズな昇降に影響がないようにピストン26の摺動抵抗を減らすため、標準的なロッドレスシリンダにおいて排出側シリンダ室43側のピストンエンド41にはピストンパッキンを装着せず、加圧側シリンダ室42側のピストンエンド40Aのみにピストンパッキン45を装着し、加圧側シリンダ室42側のピストンエンド40Aには、ピストンパッキン45のシリンダ軸線方向前後に潤滑剤保持リング48Aを装着してバランスシリンダとしてある。
図8に示すように、潤滑剤保持リング48Aは、加圧側シリンダ室42側のピストンエンド40Aのパッキン装着溝44Aのシリンダ軸線方向前側に追加工されたリング装着溝63と、後側に断面形状が階段状のリング装着プレート64をパッキン装着溝44Aのシリンダ軸線方向後部に追加装着したピストンパッキン45側の段部により形成されるリング装着溝64aとに装着されて、前記第1の実施例と同様な構成としてある。前記リング装着プレート64は、図9に示すように、パッキン装着溝44Aに装着可能にするための切り割り64bが設けられている。勿論、第2の実施例のようにピストン26に第2ポートを追加工しても良い。このように量産品の標準的なロッドレスシリンダを追加工して使えば、ピストンエンドはプラスチックス等の合成樹脂を型により成形したものなので、リング装着溝を備えたピストンエンド専用の高価な型を新しく作る必要がなく、安価な標準的なロッドレスシリンダを使えて好ましい。
工作機械の正面図である。 図1の平面図である。 ロッドレスシリンダの縦断面図である。 加圧側シリンダ室側のピストンエンドの拡大図である。 バランス装置を示す説明図である。 第2の実施例を示すロッドレスシリンダの縦断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 第3の実施例を示す加圧側シリンダ室側のピストンエンドの拡大図である。 リング装着プレートの正面図である。
符号の説明
1 工作機械
3 コラム
6 スピンドルヘッド
12 昇降駆動手段(昇降用リニアモータ)
25 バランスシリンダ(ロッドレスシリンダ)
26 ピストン
27 外部移動体(ピストンマウント)
29 バランス装置
30 シリンダチューブ
33 エンドキャップ
34 シリンダ室
42 加圧側シリンダ室
43 排出側シリンダ室
44,44A パッキン装着溝
45 ピストンパッキン
48,48A 潤滑剤保持リング
57 第1ポート
59 第2ポート
63,64a リング装着溝
64 リング装着プレート

Claims (3)

  1. コラムに昇降自在に案内されて昇降駆動手段により昇降されるスピンドルヘッドを上方へ付勢するバランスシリンダをコラムに垂直に備えている工作機械のバランス装置において、前記バランスシリンダを軸方向全長に亘ってスリットが形成されているシリンダチューブのシリンダ室内にピストンを軸線方向移動可能に嵌装してあるロッドレスシリンダで構成し、そのロッドレスシリンダのピストンは、スリット側部分がスリットから外部に突出されているピストンヨークのシリンダ軸線方向両端に夫々外周にパッキン装着溝が形成されているピストンエンドを設けて構成し、そのピストンヨークに連結したシリンダチューブ外側の外部移動体をスピンドルヘッドに連結し、ピストンには、スピンドルヘッドを上方へ付勢する流体圧力が作用する加圧側シリンダ室側のピストンエンドのみのパッキン装着溝にピストンパッキンを設け、そのピストンパッキンの軸線方向前後に潤滑剤保持機能を有する潤滑剤保持リングをピストンパッキンを挟むように設けたことを特徴とする工作機械のバランス装置
  2. ロッドレスシリンダの加圧側シリンダ室とピストンを挟んで反対側の排出側シリンダ室を、エンドキャップに設けた第1ポートと、ピストンを介して外部移動体に設けた第2ポートとにより大気圧に開放したことを特徴とする請求項1記載の工作機械のバランス装置
  3. ピストンの加圧側シリンダ室側のピストンエンドのみに、パッキン装着溝のシリンダ軸線方向前後に夫々潤滑剤保持リングを装着するためのリング装着溝を追加工またはリング装着溝を備えたリング装着プレートを追加装着し、それらのリング装着溝に潤滑剤保持リングをパッキン装着溝に装着されたピストンパッキンを挟むように装着したことを特徴とする請求項1または2記載の工作機械のバランス装置
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