JP4111066B2 - 車両のステアリングギア比制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の限界旋回領域にて旋回挙動を安定させるように制動力を付与する制動力制御手段が搭載された車両のステアリングギア比制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のステアリングギア比制御装置は、据え切り時や極低速域での操舵負担を軽減し、低〜中速域では軽く良好なステアリングフィーリングとし、高速域では緩やかで安定感のあるステアリングフィーリングとなるように、停止時にステアリングギア比を最も小さくし、車速が高くなるにしたがってステアリングギア比を大きくしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平05−124528号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両のステアリングギア比制御装置において、車両に搭載されている制動力制御手段が旋回時の安定性向上を目的として自動的に制動力を付与するようにした場合、制動力制御手段が作動する限界領域での旋回時、車速の低下に伴う遠心力低下により車両が旋回内側に切れ込む現象と、車速低下によりステアリングギア比が低下することによりドライバが操舵角を一定にしていても車両が旋回内側に切れ込んでしまう現象とが重畳されるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、制動力制御手段が作動する限界領域での旋回時、車両の旋回内側への切れ込み過ぎを防止することができる車両のステアリングギア比制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
ステアリングギア比を走行状態に応じて可変に制御するステアリングギア比制御手段を備えた車両のステアリングギア比制御装置において、
車両の限界旋回領域にて旋回挙動を安定させるように制動力を付与する制動力制御手段を設け、
前記ステアリングギア比制御手段は、前記制動力制御手段の作動時、制動力制御手段の作動開始時点のステアリングギア比に固定し、前記制動力制御手段の作動終了時、終了時点での固定されたステアリングギア比が、制動力制御手段が非作動である場合に演算される目標ステアリングギア比と一致するまで、ステアリングギア比の固定を継続することとした。
【0007】
ここで、「ステアリングギア比」とは、ステアリング機構により動作する転舵輪の転舵角をδとし、ステアリング操作部材(ステアリングホイール等)に加えた操舵角をθとしたとき(θ/δ)をいい、ステアリングギア比が低下する方向とは、ステアリング操作応答がクイックとなる方向をいう。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明の車両のステアリングギア比制御装置にあっては、ステアリングギア比制御手段において、制動力制御手段の作動時、少なくともステアリングギア比が低下する方向に変化させないため、制動力制御手段が作動する限界領域での旋回時、車両の旋回内側への切れ込み過ぎを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両のステアリングギア比制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両のステアリングギア比制御装置を示す全体システム図である。図1において、1はステアリングホイール(ステアリング操作部材)、2はアッパコラムシャフト、3はステアリングアクチュエータ、4はロアコラムシャフト、5はパワーステアリング機構(ステアリング機構)、6,7は転舵輪、8はブレーキコントローラ(制動力制御手段)、9はステアリングギア比コントローラ(ステアリングギア比制御手段)である。
【0011】
前記ステアリングアクチュエータ3は、例えば、モータと減速機等により構成され、上端位置にステアリングホイール1が取り付けられたアッパコラムシャフト2とパワーステアリング機構5に連結されるロアコラムシャフト4との間の位置に配置される。このステアリングアクチュエータ3は、アッパコラムシャフト2を介して入力される回転を可変ギア比により減速してロアコラムシャフト4へ出力するもので、これにより、転舵角δに対する操舵角θの比であるステアリングギア比(=θ/δ)を可変に制御する。
【0012】
前記ブレーキコントローラ8は、車両の限界旋回領域にて旋回挙動を安定させるように制動力を付与する手段であり、例えば、特許第2600876号公報に記載されているように、車両の運転状態から旋回状態量を検出する旋回状態量検出手段と、該旋回状態量検出手段により検出した車両の旋回状態量から車両が安定して走行可能な限界限界状態量を推定する限界旋回状態量推定手段と、車両の旋回状態量が前記限界旋回状態量推定手段により推定される限界旋回状態量に対して設定値まで接近したときに必要な目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、該目標減速度算出手段により算出した目標減速度を生じさせる制動力を付与する車両減速手段と、を有するものが採用されている。ここで、「旋回状態量」とは、例えば、車体左右加速度、車体左右速度、ヨーレート、ヨー角加速度等をいう。
【0013】
このブレーキコントローラ8には、ステアリングセンサ10からの操舵角情報や図外の車輪速センサからの車輪速情報やステアリングギア比コントローラ9からのステアリングアクチュエータ作動角情報、等が入力される。そして、制動の必要時には、外部液圧源を有するブレーキ液圧アクチュエータ11に対し制御指令を出力し、各ホイールシリンダ12FL,12FR,12RL,12RRに、ブレーキ液圧を供給する。
【0014】
前記ステアリングギア比コントローラ9は、基本的にステアリングギア比を車体速度(=車体速=車速)に応じて可変に制御するが、ブレーキコントローラ8からコーナー自動減速機能作動フラグを入力すると、コーナー自動減速機能作動フラグを入力した時点のステアリングギア比に固定にする制御を行う。
【0015】
このステアリングギア比コントローラ9には、ステアリングセンサ10からの操舵角情報やブレーキコントローラ8からの情報(コーナー自動減速機能作動フラグ,舵角,車体速,ステアリング中立位置,車輪速)が入力される。そして、演算された目標ステアリングギア比を得る制御電流を前記ステアリングアクチュエータ3に出力する。なお、ステアリングギア比コントローラ9からは、ブレーキコントローラ8に対してステアリングアクチュエータ作動角情報(=転舵角情報)を出力し、また、ステアリングギア比制御系の故障時にはウォーニングランプ13に点灯指令を出力する。
【0016】
次に、作用を説明する。
【0017】
[ステアリングギア比制御処理]
図2は第1実施例装置のステアリングギア比コントローラ9にて実行されるステアリングギア比制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0018】
ステップS1では、ブレーキコントローラ8から各車輪速情報(VFl,VFr,VRl,VRr)を入力し、ステップS2へ移行する。
【0019】
ステップS2では、ステアリングセンサ10から操舵角情報(θ)を入力し、ステップS3へ移行する。
【0020】
ステップS3では、ブレーキコントローラ8から舵角中立位置情報(=ステアリング中立位置)を入力し、ステップS4へ移行する。
【0021】
ステップS4では、ブレーキコントローラ8から車体速度情報(VFF)を入力し、ステップS5へ移行する。
【0022】
ステップS5では、ステアリングアクチュエータ3からステアリングアクチュエータ作動角情報(δ)を入力し、ステップS6へ移行する。
【0023】
ステップS6では、コーナー自動減速機能作動フラグ情報(FCOP)を入力し、ステップS7へ移行する。
【0024】
ステップS7では、ステップS4で入力した車体速度VFFと、図3に示すステアリングギア比マップとから、目標ステアリングギア比NR0を算出し、ステップS8へ移行する。
ここで、「ステアリングギア比マップ」は、図3に示すように、据え切り領域ではドライバの操舵負担を軽減し、低〜中速域では軽く良好なステアリングフィーリングとし、高速域では緩やかで安定感のあるステアリングフィーリングとなるように、据え切り領域にて目標ステアリングギア比を最も小さくし、低〜中速域では車体速VFFの上昇に従って滑らかに目標ステアリングギア比を大きくし、高速域ではギア比制御装置を搭載していないステアリングより高い目標ステアリングギア比をほぼ維持する特性に設定している。
【0025】
ステップS8では、コーナー自動減速機能作動フラグFCOPがFCOP=1(コーナー自動減速機能作動中)であるか否かが判断され、YESの場合はステップS9へ移行し、NOの場合はステップS13へ移行する。
【0026】
ステップS9では、ステップS8でのコーナー自動減速機能作動中であるとの判断に基づいて、ステアリングギア比指令値NROUTを、ステアリングギア比現在値NROUT1に設定し、ステップS10へ移行する。
ここで、ステアリングギア比現在値NROUT1は、ステップS2で入力された操舵角θと、ステップS5で入力されたステアリングアクチュエータ作動角δ(=転舵角)により、NROUT1=θ/δの式にて求められる。
【0027】
ステップS10では、ステアリングギア比現在値NROUT1と、ステップS7において演算された目標ステアリングギア比NR0(演算値)と、の乖離を示す乖離フラグFDEVNRが、FDEVNR=1にセットされ、ステップS11へ移行する。
【0028】
ステップS11では、ステップS2で入力された操舵角θを、ステップS9,S15,S16,S18の何れかのステップで設定されたステアリングギア比指令値NROUTにより除することで、最終的な目標ステアリングアクチュエータ作動角δ*(=θ/NROUT)が演算され、ステップS12へ移行する。
【0029】
ステップS12では、ステップS11にて演算された目標ステアリングアクチュエータ作動角δ*を得る制御電流がステアリングアクチュエータ3に対し出力され、リターンへ移行する。
【0030】
ステップS13では、ステップS8でのFCOP=0(コーナー自動減速機能非作動中)であるとの判断に基づき、コーナー自動減速機能作動からの移行による乖離フラグFDEVNRのセット時(FDEVNR=1)か否かが判断され、YESの場合はステップS14へ移行し、NOの場合はステップS18へ移行する。
【0031】
ステップS14では、目標ステアリングギア比NR0がステアリングギア比現在値NROUT1未満か否かが判断され、YESの場合はステップS15へ移行し、NOの場合はステップS16へ移行する。
【0032】
ステップS15では、ステップS14でのNR0<NROUT1との判断に基づいて、ステアリングギア比指令値NROUTを、ステアリングギア比現在値NROUT1に設定し、ステップS11へ移行する。
【0033】
ステップS16では、ステップS14でのNR0≧NROUT1との判断に基づいて、ステアリングギア比指令値NROUTを、目標ステアリングギア比NR0に設定し、ステップS17へ移行する。
【0034】
ステップS17では、演算値との乖離フラグFDEVNRをキャンセルし(FDEVNR=0)、ステップS11へ移行する。
【0035】
ステップS18では、ステップS13での演算値との乖離フラグFDEVNRが非設定時(FDEVNR=0)との判断に基づいて、ステアリングギア比指令値NROUTを、目標ステアリングギア比NR0に設定し、ステップS11へ移行する。
【0036】
[通常走行時のステアリングギア比制御作用]
通常走行時(コーナー自動減速機能非作動時)には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS13→ステップS18→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、ステップS7において、車体速度VFFにより設定された目標ステアリングギア比NR0が、ステップS18において、ステアリングギア比指令値NROUTとして設定され、図3に示すように、その時の車体速度VFFに応じたステアリングギア比が得られる制御が実施される。
【0037】
よって、コーナー自動減速機能非作動による通常走行時、据え切り領域では、クイックなステアリングギア比に設定されることで、ステアリングギア比が固定である従来型ステアリングに比べ、ドライバの操舵負担が軽減される。また、低〜中速域では、従来型ステアリングに比べてクイック側であるが車体速度VFFが上昇するほどスロー側となるステアリングギア比に設定されることで、軽く良好なステアリングフィーリングが得られる。さらに、高速域では、従来型ステアリングに比べてスロー側でしかもほぼ一定のステアリングギア比に設定されることで、緩やかで安定感のあるステアリングフィーリングが得られる。
【0038】
[コーナー自動減速機能作動時のステアリングギア比制御作用]
ブレーキコントローラ8側でコーナー自動減速機能が作動開始すると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、ステップS9において、ステアリングギア比現在値NROUT1がステアリングギア比指令値NROUTとして設定され、コーナー自動減速機能作動開始時のステアリングギア比現在値NROUT1に固定するステアリングギア比制御が実施される。
【0039】
そして、ブレーキコントローラ8側でコーナー自動減速機能作動が終了し、コーナー自動減速機能作動フラグFCOPがFCOP=0となると、ステップS8からステップS13→ステップS14へ進み、ステップS14において、コーナー自動減速機能作動が終了した時点で、演算値である目標ステアリングギア比NR0とステアリングギア比現在値NROUT1との間には乖離があるため、ステップS15へ進み、ステアリングギア比現在値NROUT1がステアリングギア比指令値NROUTとして設定され、コーナー自動減速機能作動が終了してもステアリングギア比現在値NROUT1への固定を維持するステアリングギア比制御が実施される。
【0040】
その後、コーナー自動減速機能作動の終了により車体速度VFFが上昇して目標ステアリングギア比NR0も高くなり、目標ステアリングギア比NR0とステアリングギア比現在値NROUT1との間には乖離が縮まってNR0=NROUT1になると、図2のフローチャートで、ステップS14からステップS16へと進む流れとなり、ステップS16では、目標ステアリングギア比NR0がステアリングギア比指令値NROUTとして設定され、次のステップS17では、乖離フラグFDEVNRがキャンセルされ、目標ステアリングギア比NR0が得られる通常走行時のステアリングギア比制御に復帰する。
【0041】
すなわち、図4のタイムチャートに示すように、時点t1において、コーナー自動減速機能作動を開始すると、ステアリングギア比を開始時ギア比に固定し、時点t2において、コーナー自動減速機能作動を終了してもステアリングギア比の固定はそのまま維持され、さらに、時点t3において、固定しているステアリングギア比と、演算値による本来のギア比である目標ステアリングギア比NR0とが一致すると、それ以降は目標ステアリングギア比NR0に追従するステアリングギア比制御が実施される。
【0042】
ここで、時点t1から時点t2までの間、点線特性で示される目標ステアリングギア比NR0の特性は、コーナー自動減速機能作動による車速の低下に伴って次第に小さくなり、時点t2から時点t3までの間、点線特性で示される目標ステアリングギア比NR0の特性は、コーナー自動減速機能作動終了による車速の上昇に伴って次第に大きくなる。
【0043】
[旋回時の車両挙動安定化作用]
車両が常に安定して旋回できるようにする装置としては、従来よりトラクションコントロール装置(いわゆる、TCS)や車両横滑り防止装置(いわゆる、VDC)が知られている。両システムとも車両の安定化を目指したものである。前者は、駆動スリップを検出して制動力の付与や駆動力の抑制を行うことにより、駆動輪の横力を確保して安定性を高め、後者は、主に車両の横滑り角やヨーレートが所定値よりも乖離した場合に、各車輪に独立の制動力を付与し、車両挙動の安定化を目指したものである。
【0044】
しかしながら、駆動スリップが発生しない状況や、旋回半径に対し速度を超過して進入するような状況においては、車両挙動が不安定になるまで上記安定化システムが作動しないという問題があった。
【0045】
そこで、車両の旋回状態量を検出し、その旋回状態量が、車両が安定して走行可能な旋回限界状態量に対し設定値まで接近した場合、車両が安定して旋回走行を維持するために必要な目標減速度を演算し、その目標減速度を実現する制動力を車両に付与する特許第2600876号後方に記載の装置を発明した。
【0046】
一方、ステアリングギア比が固定である従来の操舵装置に対し、ステアリングギア比を変更させるように設計された操舵装置が既に提案されている。これによると、高速走行時の車両の緩やかな反応と、低中速領域での軽快な操舵フィーリングと、を両立させるために、車速の低下に伴ってステアリングギア比を低下させるように構成されている。
【0047】
しかしながら、車両の性能向上を目的として、上記制動力制御装置とステアリングギア比制御装置とを組み合わせて搭載した車両においては、前記制動力制御装置が旋回時の安定性向上を目的に自動的に制動力を付与した場合、車速の低下に伴う遠心力の低下により車両が旋回内側に切り込む現象と、車速の低下によりステアリングギア比が低下することにより、ドライバが操舵角を一定に保っていても、車両が旋回内側に切れ込んでしまう現象とが重畳される。
【0048】
これに対し、第1実施例装置では、コーナー自動減速機能作動を開始すると、ステアリングギア比を開始時ギア比に固定するようにしているため、車速の低下に伴う遠心力の低下により車両が旋回内側に切り込む現象は認められるものの、車速の低下によりステアリングギア比が低下(クイック化)することにより、車両が旋回内側に切れ込んでしまう現象との重畳は解消されることになり、旋回内側への切り込みすぎを防止することが可能となる。
【0049】
さらに、コーナー自動減速機能作動を終了してもステアリングギア比の固定はそのまま維持され、固定しているステアリングギア比と目標ステアリングギア比NR0とが一致すると、それ以降は目標ステアリングギア比NR0に追従するステアリングギア比制御を実施するようにしているため、コーナー自動減速機能作動終了時点で目標ステアリングギア比NR0に追従するステアリングギア比制御に復帰させる場合のような、ステアリングギア比の急変が解消され、ステアリングギア比急変に伴う車両挙動悪化を防止することができる。
【0050】
次に、効果を説明する。
第1実施例の車両のステアリングギア比制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0051】
(1) パワーステアリング機構5により動作する転舵輪6,7の転舵角δに対するステアリングホイール1に加えた操舵角θの比であるステアリングギア比を、走行状態に応じて可変に制御するステアリングギア比制コントローラ9を備えた車両のステアリングギア比制御装置において、車両の限界旋回領域にて旋回挙動を安定させるように制動力を付与するブレーキコントローラ8を設け、前記ステアリングギア比コントローラ9は、前記ブレーキコントローラ8の作動時、少なくともステアリングギア比が低下する方向に変化させないため、ブレーキコントローラ8が作動する限界領域での旋回時、車両の旋回内側への切れ込み過ぎを防止することができる。
【0052】
(2) 前記ステアリングギア比コントローラ9は、前記ブレーキコントローラ8の作動時、ブレーキコントローラ8の作動開始時点のステアリングギア比に固定にするため、ブレーキコントローラ8の作動に伴って車速が低下し、遠心力の低下により車両が旋回内側に切り込む現象が生じても、予測容易な固定のステアリングギア比により修正操舵にて対応することができる。
【0053】
(3) 前記ステアリングギア比コントローラ9は、前記ブレーキコントローラ8の作動終了時、終了時点での固定されたステアリングギア比が、ブレーキコントローラ8が非作動である場合に演算される目標ステアリングギア比と一致するまで、ステアリングギア比の固定を継続するため、ブレーキコントローラ8の作動終了時に目標ステアリングギア比を得るステアリングギア比制御に復帰する場合のような、ステアリングギア比の急変による車両挙動の急変を防止することができる。
【0054】
(4) 前記ブレーキコントローラ8は、車両の運転状態から旋回状態量を検出する旋回状態量検出手段と、該旋回状態量検出手段により検出した車両の旋回状態量から車両が安定して走行可能な限界限界状態量を推定する限界旋回状態量推定手段と、車両の旋回状態量が前記限界旋回状態量推定手段により推定される限界旋回状態量に対して設定値まで接近したときに必要な目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、該目標減速度算出手段により算出した目標減速度を生じさせる制動力を付与する車両減速手段と、を有するため、車両が旋回限界状態量になる前の予測制御により車両の安定した旋回走行を確保することができる。
【0055】
以上、本発明の車両のステアリングギア比制御装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0056】
例えば、第1実施例では、車体速度(車速)に応じてステアリングギア比を可変に制御する例を示したが、車体速度以外の走行状態を含むステアリングギア比可変制御としても良い。
【0057】
第1実施例では、制動力制御手段の作動時、作動開始時のステアリングギア比に固定する例を示したが、例えば、制動力制御手段の作動時、作動開始時のステアリングギア比よりスロー側の固定ギア比を変更する例としても良いし、遠心力低下による切れ込み現象に対応するようにため、ステアリングギア比をスロー側において変更するようにしても良い。
【0058】
第1実施例では、制動力制御手段として、車両が旋回限界状態量になる前の予測制御を行う装置の例を示したが、旋回挙動を安定させるように制動力を付与する手段であれば、例えば、車両横滑り防止装置(VDC)やトラクションコントロール装置(TCS)も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両のステアリングギア比制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例装置のステアリングギア比コントローラにて実行されるステアリングギア比制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例装置のステアリングギア比コントローラに設定されている目標ステアリングギア比マップを示す図である。
【図4】第1実施例装置においてコーナー自動減速作動からコーナー自動減速非作動に移行する場合の車速(車体速)の変化とステアリングギア比の変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール(ステアリング操作部材)
2 アッパコラムシャフト
3 ステアリングアクチュエータ
4 ロアコラムシャフト
5 パワーステアリング機構(ステアリング機構)
6,7 転舵輪
8 ブレーキコントローラ(制動力制御手段)
9 ステアリングギア比コントローラ(ステアリングギア比制御手段)
10 ステアリングセンサ
11 ブレーキ液圧アクチュエータ
12FL,12FR,12RL,12RR ホイールシリンダ
13 ウォーニングランプ

Claims (2)

  1. ステアリング機構により動作する転舵輪の転舵角に対するステアリング操作部材に加えた操舵角の比であるステアリングギア比を、走行状態に応じて可変に制御するステアリングギア比制御手段を備えた車両のステアリングギア比制御装置において、
    車両の限界旋回領域にて旋回挙動を安定させるように制動力を付与する制動力制御手段を設け、
    前記ステアリングギア比制御手段は、前記制動力制御手段の作動時、制動力制御手段の作動開始時点のステアリングギア比に固定し、前記制動力制御手段の作動終了時、終了時点での固定されたステアリングギア比が、制動力制御手段が非作動である場合に演算される目標ステアリングギア比と一致するまで、ステアリングギア比の固定を継続することを特徴とする車両のステアリングギア比制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両のステアリングギア比制御装置において、
    前記制動力制御手段は、
    車両の運転状態から旋回状態量を検出する旋回状態量検出手段と、
    該旋回状態量検出手段により検出した車両の旋回状態量から車両が安定して走行可能な限界旋回状態量を推定する限界旋回状態量推定手段と、
    車両の旋回状態量が前記限界旋回状態量推定手段により推定される限界旋回状態量に対して設定値まで接近したときに必要な目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
    該目標減速度算出手段により算出した目標減速度を生じさせる制動力を付与する車両減速手段と、
    を有することを特徴とする車両のステアリングギア比制御装置。
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