JP4110893B2 - ガラス微粒子堆積体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス微粒子堆積体の製造方法、ガラスの製造方法及びガラス微粒子堆積体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
閉鎖された系内でSiCl4 等のガラス原料ガスを気相反応させることにより生成するガラス微粒子(SiO2 )を堆積させガラス微粒子堆積体を得る方法として、気相軸付け(VAD)法、外付け(OVD)法、内付け(MCVD)法等が知られている。得られたガラス微粒子堆積体を高温に加熱することにより透明化してガラス体とし、光ファイバ用母材、光導波路、あるいはその他光学部品等種々に利用している。
【0003】
VAD法及びOVD法においては、排気口を有する反応容器内にガラス微粒子合成用バーナの噴出口を配置し、該反応容器内において回転及び回転軸方向に前記ガラス微粒子合成用バーナとは相対的に移動している出発材をターゲットとして、前記ガラス微粒子合成用バーナにガラス原料ガス(屈折率調整用添加剤ガスを含む場合もある)、燃料ガス、助燃性ガス、不活性ガス等を導入することにより火炎中に生成されるガラス微粒子(SiO2 )を堆積させることにより前記出発材の上にガラス微粒子堆積体を成長させてガラス微粒子体とする。出発材を一方向、例えば上方に移動させる場合にはガラス微粒子堆積体は出発材の回転軸方向に成長してゆき(VAD法)、出発材をガラス微粒子合成用バーナと相対的に往復運動(トラバース)させる場合にはガラス微粒子堆積体は出発材の回転軸に直交する断面の径方向に成長してゆく(OVD法)。
【0004】
MCVD法においては石英管内にその一端からガラス原料ガス(屈折率調整用添加剤ガスを含む場合もある)とO2 ガス、不活性ガス等を導入しつつ石英管外の加熱源で加熱することにより前記石英管内で生成するSiO2 粒子を該石英管内面に付着堆積する。このとき堆積したガラス微粒子層はただちにガラス化されてゆく場合と、すぐにはガラス化せずにガラス微粒子堆積体のままとなるようにし、堆積がすべて終了した後にガラス化する場合もある。
【0005】
上記のいずれの方法においても反応容器,マッフル,チャンバ,石英管内という閉鎖系内(以下、単に反応容器内と略記する場合もある)で反応させるので、未反応ガス、反応生成ガス、堆積することのなかったガラス微粒子(未堆積ガラス微粒子)等は系外に排出する必要があり、排気管からダクトを経由してガラス微粒子除去工程及び排気ガス洗浄工程に付された後、放出される。
未堆積ガラス微粒子がダクト内に滞留付着してダクトを閉塞する問題及び排気ガスが高温となるためにダクトに高価な耐熱性材料を使用しなければならない問題を解決する手段として、ダクト内の排気ガス速度を15m/sec以上とすること、ダクト内に反応容器外の大気を導入することが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−235829号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
排気が強すぎると多くのガラス微粒子が系外に排出されるようになりガラス微粒子の堆積効率が悪くなる、あるいは系内のガスの流れが乱れ均一な堆積が困難となる。排気が弱すぎると反応容器内での気体のスムーズな流れができず未堆積ガラス微粒子が浮遊、滞留して内壁やガラス微粒子堆積体表面に異物として付着し、さらには排気管に目詰まり等が発生して堆積不能にいたる。
ガラス微粒子堆積体を製造する際に、未堆積ガラス微粒子の付着等がなく表面状態のきれいなガラス微粒子堆積体とし、かつダクトの温度をダクト材質の耐熱温度以下に抑えるには、排風量をガラス微粒子の堆積速度に応じて変える必要がある。一方、排風量の変動により反応容器内の圧力が変動し、ガラス微粒子堆積体の外径が変動することは極力避ける必要がある。
また、VAD法やOVD法の排気は反応容器の排気口では150〜300℃の高温であり、MCVD法でも〜100℃程度あるので、堆積速度を上げようとして原料ガス等の供給量を増加し、排気量を増加してゆくと、排気管の材質によってはその耐熱温度を超える排気ガスが排出されたり、排気管の溶接部分が熱膨張により歪んだり、外れてしまったりする問題がある。
本発明はこのような現状に鑑み上記の問題を解決し、効率良くガラス微粒子を堆積できると共に容器内の未反応ガラス微粒子をスムーズに排出でき、ダクト内での滞留やダクト詰まりの発生もなく、さらに排気の温度を抑えて排気口から洗浄工程にいたる排気管やダクト等を損傷することなく排気できるガラス微粒子堆積体の製造方法及びそのための装置、並びにこのようにして製造されたガラス微粒子堆積体から製造されたガラスを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記(1)〜(5)の構成により、前記課題を解決するものである。
(1)ガラス微粒子を出発材の上に堆積させるガラス微粒子堆積体の製造方法において、ガラス微粒子の堆積速度をD(g/分)、排気ガスの流量をE1 (m3 /分)、排気ガスに混入される希釈ガスの流量をE2 (m3 /分)としたとき、前記D,E1 及びE2 が数4の式(1)
【数4】
0.85D≦(E1 +E2 )≦1.65D ・・・(1)
を満足することを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
(2)前記E1 及びE2 が数5の式(2)
【数5】
0.17≦E1 /(E1 +E2 )≦0.3 ・・・(2)
を満足することを特徴とする上記(1)記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
(3)前記ガラス微粒子の堆積を反応容器内で行う場合、排気速度V(m/s)が0.35D以上0.67D以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の製造方法により製造されたガラス微粒子堆積体を透明化することを特徴とするガラスの製造方法。
(5)その内部でガラス微粒子を出発材に堆積させる閉じた系、前記閉じた系からの排気管、前記排気管につながれた希釈ガス供給管を有し、前記ガラス微粒子を堆積させる速度をDg/分、前記閉じた系から排気管に出る排気ガス流量をE1 m3 /分、前記希釈ガス供給管を介して供給される希釈ガス量をE2 m3 /分とするとき、前記D,E1 及びE2 が数6の式(1)
【数6】
0.85D≦(E1 +E2 )≦1.65D ・・・(1)
であるように構成されたことを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、外部空間に対して閉鎖された系内、例えば反応容器(マッフル,チャンバ)内やMCVD法における石英管内空間等においてガラス微粒子を堆積する際の前記した課題を解決するために、堆積速度と排気量(排気風量)の関係について詳細に実験・研究の結果、ガラス微粒子堆積体の堆積速度をDg/分、前記閉鎖された系の排気口(MCVD法の場合には排気側端部)から排出される排気ガスの流量をE1 m3 /分とするとき、この排気に系外の例えば室内空気、外気等を希釈ガスとして合計流量E2 m3 /分加えて冷却するが、このとき前記堆積速度Dと排気総流量(E1 +E2 )m3 /分が、数7の式(1)
【数7】
0.85D≦(E1 +E2 )≦1.65D・・・式(1)
の関係を満足するように堆積速度、排気ガス流量及び希釈ガス流量を調整することにより、ターゲットの出発材にガラス微粒子を効率良く堆積させると同時に、未堆積のガラス微粒子が反応容器(マッフル)内壁やガラス管に付着することがないようにスムーズに排気することができ、排気管やダクトを適切に冷却できてその損傷を防止できる、という新規な知見を得、本発明に到達できた。
【0010】
本発明のガラス微粒子堆積体製造方法及び装置を図1を参照して具体的に説明する。図示は省略した回転及び上下動駆動機構に支持棒1を介して連結された出発材2を反応容器3内に保持し、ガラス微粒子合成用バーナ4にガラス原料ガス、燃料ガス、助燃性ガス、不活性ガス等を導入することにより火炎5中に生成されるガラス微粒子(SiO2 )を、出発材2をターゲットとして堆積させる。出発材2を回転させながら、ガラス微粒子合成用バーナ4に対して相対的に支持棒1の軸方向に移動させることにより、出発材2の表面上又は出発材の下方にガラス微粒子を堆積・成長させてガラス微粒子堆積体6とする。
反応容器3にはその排気口に連通する排気管7が設けてあり、堆積せず浮遊するガラス微粒子を含む排気ガスE1 (流量E1 m3 /分)は排気管7に連通する希釈ガス供給管8−1において、希釈ガス取り入れ口9−1から希釈ガスa(室内空気,流量am3 /分)を、希釈ガス取り入れ口9−2から希釈ガスb(室内空気,流量bm3 /分)を、さらに下流側に連通する希釈ガス供給管8−2では希釈ガス取り入れ口9−3から希釈ガスc(外気,流量cm3 /分)を加えられる。すなわち希釈ガスの合計流量E2 は(a+b+c)m3 /分である。このようにして総流量(E1 +E2 =E1 +a+b+c=)m3 /分の排気を、図示は省略したガラス微粒子除去工程及び洗浄工程等の後処理工程に付す。
【0011】
ところで、図1の例において希釈ガス取り入れ口を複数としているのは、反応容器内の圧力変動を極力抑えるためである。圧力が変動するとガラス微粒子堆積体の外径が変動するので、反応容器内の圧力変動はできるだけ抑えるべきである。排気量を変化させると反応容器内の圧力は連動して変化するが、この逆は真ならず、排気量一定であっても、圧力は変動する。したがって反応容器内圧力が変動したときに排気量を変化させることで調整して、反応容器内圧力の変動を抑えることができる。反応容器からの排気量を直接変化させると、反応容器内のガス流れが大きく変化し、ガラス微粒子の堆積に与える影響が大きいので、希釈ガス(室内空気,外気)の取り入れ量を変化させて、反応容器内の圧力の変動を抑える。圧力調整の点では、できるだけ反応容器に近いところに外気の取り入れ口を設けることが効果的である。
【0012】
排気管7に最も近く設けられた希釈ガス導入口9−1から導入される希釈ガスaは、排気管7からの150℃〜300℃にもなる高温の排気E1 を冷却するとともに、前記のように反応容器3内の圧力調整用としても作用する。このために、希釈ガスaとしては清浄空気を用いることが好ましい。ガラス微粒子堆積体製造装置がクリーンルーム内に設置されている場合は、希釈ガスaは室内空気であることが好ましい。
【0013】
しかし希釈ガスaの圧力調整作用を考慮すると排気管に最も近い位置のみで排気ガスE1 の温度を十分に下げるために大量の空気を導入することは好ましくなく、また必要排気量を得るためにすべて清浄空気を用いることは、経済性、省エネルギーの観点から好ましくないので、希釈ガス供給管8−2の取り入れ口9−3から外気を取り入れる。これにより低コストで必要排気量とし十分な冷却効果が得られる。
【0014】
希釈ガス導入口9−2からの希釈ガスbは冷却用として、及び前記希釈ガスaによる容器内圧調整を更に微調整するために導入されるので、やはり室内空気を用いることが好ましい。
【0015】
図1の例では希釈ガス取り入れ口を3カ所とした例を示しているが、本発明は希釈ガスの総流量E1 +E2 が式(1) を満足するものであればよく、この希釈ガスを1又は複数の取り入れ口から導入することができる。希釈ガス取り入れ口の数が多くなるほど微妙な圧力調整が可能となるが、実用的には図1に示すように3カ所程度からの取り入れで十分である。
【0016】
本発明における堆積速度Dとは平均堆積速度(単位時間にガラス微粒子堆積体として堆積するSiO2 の重量)である。本発明において堆積速度をD(g/分)とするとき、Dと排気総流量(E1 +E2 )が式(1) の関係、すなわち、0.85D≦(E1 +E2 )≦1.65Dを満足するように行う理由を説明する。
(E1 +E2 )が0.85D未満ではガラス微粒子が滞留しやすくこれが製造中のガラス微粒子堆積体に付着すると製品のガラス微粒子堆積体に異常点が出る。また、反応容器からの排気を十分に冷却できなくなる。一方 (E1 +E2 )が1.65Dを超えると、ガラス微粒子が堆積しにくくなり堆積効率が悪くなるに加え、希釈ガスの取り込み量が大きくなるため、清浄空気の排出量も増加しエネルギー損失、コスト増となる。
【0017】
本発明においてさらに好ましくは、E1 ,E2 が数8の式(2) を満足するようにする。
【数8】
0.17≦E1 /(E1 +E2 )≦0.3 ・・・(2)
すなわち、全排気中E1 が17〜30%、E2 が70〜83%の範囲内であることが好ましく、E1 が17%未満かつE2 が83%を超えるとガラス微粒子の滞留が起こり、また清浄空気の排出量増加となる。
一方、E1 が30%を超え、かつ E2 が70%未満では排気が高温となり、ガラス微粒子の堆積効率が悪くなる。
【0018】
本発明においてさらにまた好ましくは、堆積速度D(g/分)のときに反応容器の排気口に直接取付けられた排気管における排気E1 の流速V(m/s)が、数9の式(3) を満足する。
【数9】
0.35D≦V≦0.67D ・・・(3)
Vが0.35D未満では反応容器内でのガラス微粒子の滞留が起こり、Vが0.67Dを超えるとガラス微粒子堆積効率が不良となる。
なお、本発明における堆積速度Dは、一般に10〜30g/分程度である。
【0019】
本発明において、排気を調整するために希釈ガス取り入れ口に圧力調整機構(ダンパー、弁、バルブ等)を設けることも、本発明の好ましい実施の態様である。例えば図1に示すように希釈ガス取り入れ口9−1にダンパー17を設ける。反応容器内の圧力を測定し、測定された圧力に応じてダンパー17の開度を調整する。これにより希釈ガスaの流量を調整する。この調整によって反応容器内の圧力の微調整を行うことができる。
【0020】
本発明においては、上記のように希釈ガスの流量を調整することにより、反応容器内、出発石英管内等閉鎖系内における圧力変動を±1%以内とすることが特に望ましい実施の態様である。
【0021】
本発明のガラス微粒子堆積体製造装置の材質等について説明する。VAD法,OVD法のいずれにおいても、ガラス原料をガラス微粒子合成用バーナに導入し、ガラス微粒子を生成させ出発材に堆積させる装置部分については、この種の技術分野における公知の構成を採用することができる。反応容器の排気口に直接接続する排気管、排気管より下流の希釈ガス供給管は、流れる排気の温度に対応した耐熱性のものを選択する。
例えば図1の装置において、反応容器3部分の材質は耐熱ガラス、ニッケル、ニッケル合金等、排気管7はここを流れる排気温度が300℃程度にも達することから耐熱性の高い、石英、ニッケル、ニッケル合金等を用いることが望ましい。反応容器3に最も近い位置の希釈ガス取り入れ口9−1を有する希釈ガス供給管8−1はやはり耐熱性の高いNi、Ni合金等を用いることが望ましい。外気を取り入れる希釈ガス供給管8−2はより耐熱性の低い例えば耐熱温度100〜150℃程度のFRP(繊維強化プラスチック)、耐熱温度70〜100℃程度の耐熱PVC(塩化ビニル樹脂)等を用いることができ、これにより設備コストを低減できる。
なお排気管7に比較して希釈ガス供給管はより太径のものを使用してもよく、例えば排気管の直径100mm程度、希釈ガス供給管8−1の直径100〜150mm程度、希釈管8−2の直径150〜200mm程度とすることができる。
【0022】
図2は本発明の他の実施形態であって、MCVD法の場合を示す。図2において図1と共通する符号は、図1と同じ部分を示す。石英管10の両端を旋盤の把持回転機構(チャック)11に取付け回転させながら、一端からガラス原料ガス,O2 ガス及び不活性ガスを導入し、石英管(出発材)10を外部の加熱源14により加熱する。加熱源14は旋盤ベッド13に移動可能に取り付けてあり、ガス導入側からガス排気側に移動することにより石英管10内壁にガラス微粒子堆積層が形成される。外部からの加熱の程度によりガラス微粒子堆積層をガラス化することもできるし、またガラス微粒子堆積層の状態に止めることも可能である。ガス導入側とは反対側の端部(排気管7)から未反応ガス、反応生成物ガス、未堆積ガラス微粒子を含む排気E1 が排出される。希釈ガス供給管8−1,8−2,希釈ガス取り入れ口9−1〜9−3の構成、及び各希釈ガスa,b,cについては図1の場合と同様であるので説明は省略する。希釈ガス取り入れ口に圧力調整機構(ダンパー、弁、バルブ等)を設けることができる点は、VAD法,OVD法の場合と同様である。
【0023】
ところで、MCVD法の場合には排気E1 温度は100〜150℃程度であるので、希釈ガス供給管8−1の材質は例えば耐熱FRP、希釈ガス供給管8−2の材質は耐熱FRP、あるいは更に耐熱性の低いPVC(耐熱温度80℃程度)でも使用可能である。
【0024】
【実施例】
〔実施例1及び比較例〕
図1の装置構成において、ガラス微粒子合成用バーナ4にガラス原料ガス(SiCl4 ):13slm,O2 :150slm,H2 :150slm,Ar:10slmを供給し、VAD法によりガラス微粒子堆積速度Dg/分、反応容器内圧力は15〜20Pa,排気ガス温度約200〜300℃とし、排気E1 量(m3 /分)、希釈ガスa量(m3 /分),希釈ガスb量(m3 /分)、希釈ガスc量(m3 /分)を表1に示すように種々に変えて、ガラス微粒子堆積体を製造した(No.1〜No.6:No.1〜No.4は比較例、No.5及びNo.6が本発明の実施例である)。なお希釈ガスa及びbは室内空気(清浄空気)、cは室外気を取り込んだ。排気管直径は100mm(半径rは50mm)、希釈ガス供給管8−1はニッケル(Ni)製、希釈ガス供給管8−2は耐熱FRP製とした。堆積速度はいずれも20g/分(D=20)であった。各例の排気量、堆積速度、排気管でのE1 の流速、堆積の結果、評価等を表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の結果から次のことがわかる。
1)総排気量E1 +E2 =E1 +a+b+cとDの関係
i) E1 +E2 <0.85Dの場合(No.1及びNo.2)
No.1ではガラス微粒子の滞留が起き、得られたガラス微粒子堆積体に異常点(嵩密度が異なるスポット)が見られた。No.2では同様に滞留が起き、排気ガスが高温になった。
ii) E1 +E2 >1.65Dの場合(No.3及びNo.4)
No.3及びNo.4ではガラス微粒子が付着し難く、すなわち、堆積効率が低く堆積速度も低下してくる。また、(a+b)の量が5〜6.5m3 /分と室内空気持ち出し量が多くなりエネルギーロスが大きい。
iii) 0.85D≦E1 +E2 ≦1.65Dの場合(No.5及びNo.6)
E1 +E2 が本発明の範囲内にあるNo.5及びNo.6では非常に良好な堆積が実現し、また排気ガスが高温になることもなかった。
【0027】
〔実施例2〕
実施例1の場合と同様の構成で、E1 ,a,b,c,Vを表1に示すように種々に変化させて、VAD法によりガラス微粒子堆積体を製造した(No.7〜No.10)。 No.7 〜No.10 においては E1 +E2 =D であり、すべて本発明に係る式(1) を満足している。これらの例により得られた結果を表1に併せて示すが、E1 とE2 の割合が及ぼす影響がわかる。
2)総排気量(E1 +E2 )におけるE1 とE2 の割合(%)が及ぼす影響
i) E1 が17%未満,E2 が83%を超える場合(No.7)
No.7 では滞留し易くなった。なおNo.7ではE1 の流速も6.4m/sと小さかった。
ii) E1 が30%を超え、E2 が70%未満の場合(No.8)
排気ガスが高温となり、ガラス微粒子の堆積が不安定となった。E1 の流速は14.9m/sと大きかった。
iii)E1 が17〜30%、E2 が70〜83%の範囲内の場合(No.9 及びNo.10)総排気量中のE1 ,E2 割合が本発明における特に好ましい範囲内にある(No.9 及びNo.10 では問題なく良好な堆積、排気、排気ガス冷却が実現できた。
【0028】
〔実施例3〕
実施例1において原料ガス流量、堆積速度は実施例1と同じとし、表1に示すらうに、E1 :4m3 /分、a:1m3 /分、b:1m3 /分、c:14m3 /分として、反応容器の排気管半径rを35mm、40mm、55mm、60mmと変化させることにより、E1 の排気管での流速を種々に変化させた以外は実施例1と同様にして、ガラス微粒子堆積体を製造した(No.11 〜No.14)。これらの実施例により得られた結果を表1 に併せて示す。
3)E1 の流速の影響
i) V<0.35D の場合(No.14)
No.14 では排気管半径rは60mmであり、Vは5.9m/分と小さいため、反応容器内でのガラス微粒子の滞留が発生した。
ii) V>0.65D の場合(No.11)
No.11 では排気管半径rは35mmであり、Vは17.3m/分と大きく、ガラス微粒子滞留の問題はないが、ガラス微粒子が堆積しにくくなった。
iii) 0.35D≦V≦0.65Dの場合(No.12 及びNo.13)
No.12 ,No.1では排気管半径はそれぞれ40mm、55mm、Vはそれぞれ13.3m/s,7m/sと本発明の請求項3の範囲内であった。何れもガラス微粒子の堆積状態、排気状態、排気ガス冷却のいずれにも問題なく、非常に良好であった。
【0029】
以上のNo.5〜No.14 のいずれの例においても、a又はbにおいて反応容器内の圧力が調整されており、その結果、ガラス微粒子堆積体の外径変動は起こらなかった。また、各ガラス微粒子堆積体を透明化して得られたガラスは異常点等がないか、少ない良好なものであった。
【0030】
なお、上記実施例ではVAD法の例を示したが、本発明をMCVD法に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明のとおり、本発明の方法及び装置は閉鎖系内においてターゲットとなる出発材にガラス微粒子を効率よく堆積させると同時に、未堆積ガラス微粒子が反応容器等の内壁面に付着することを極力防止し、また反応容器内の未反応ガス、未堆積ガラス微粒子、反応生成ガス等を効率良く排気できる。堆積速度を大きくしても排気ダクト(排気管から洗浄工程に排気ガスを導く、連通した管部分)の温度上昇を抑えることができ、排気ダクトに耐熱性が比較的低い材料を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をVAD法に適用した場合の一実施態様を示す概略説明図である。
【図2】本発明をMCVD法に適用した場合の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 支持棒, 2 出発材,
3 反応容器, 4 ガラス微粒子合成用バーナ,
5 火炎, 6 ガラス微粒子堆積体
7 排気管
8−1及び8−2 希釈ガス供給管
9−1,9−2及び9−3 希釈ガス取り入れ口
10 石英管(出発材) 11 把持回転機構
12 支持部 13 旋盤ベッド
14 加熱源 15 ガラス微粒子堆積層
16 ガラス層 17 ダンパー
a,b及びc 希釈ガス
E1 反応容器からの排気ガス
E1 +E2 排気
Claims (5)
- 前記ガラス微粒子の堆積を反応容器内で行う場合、排気速度V(m/s)が0.35D以上0.67D以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1に記載の製造方法により製造されたガラス微粒子堆積体を透明化することを特徴とするガラスの製造方法。
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