JP4110796B2 - Composition for forming silica-based film, method for producing silica-based film, and electronic component - Google Patents

Composition for forming silica-based film, method for producing silica-based film, and electronic component Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体素子といった電子デバイス部品に関しては、高集積化による配線の微細化に伴い、配線間容量の増大による信号遅延時間の増大が問題となっており、電子部品の絶縁材料に対して、耐熱性、機械特性等の他、更なる低比誘電率と熱処理工程の短縮が求められている。
【0003】
一般に配線の信号伝搬速度(v)と、配線材料が接する絶縁材料の比誘電率(ε)とは、下記式(3);
v=k/√ε …(3)、
で表される関係を示す(式中のkは定数である)。つまり、使用する周波数領域を高くすると共に、絶縁材料の比誘電率(ε)を低減することにより、信号伝搬の高速化が達成される。例えば、従来から、比誘電率が4.2程度のCVD法によって形成されるSiO2膜が層間絶縁膜の形成材料として用いられてきたが、デバイスの配線間容量を低減し、LSIの動作速度を向上させる観点から、更なる低誘電率を発現する材料が切望されている。
【0004】
これに対し、現在実用化されている低誘電率材料としては、比誘電率が3.5程度のCVD法で形成されるSiOF膜が挙げられる。また、比誘電率が2.5〜3.0である絶縁材料としては、有機SOG (Spin On Glass)、有機ポリマー等を例示できる。さらに、比誘電率が2.5以下の絶縁材料としては、膜中に空隙を有するポーラス材が有力と考えられており、LSIの層間絶縁膜に適用するための検討・開発が盛んに行われている。
【0005】
そのようなポーラス材の形成方法として、特開平11−322992号公報、特開平11−310411号公報等には、有機SOG材の低誘電率化が提案されている。この方法は、金属アルコキシシランの加水分解縮重合物と共に加熱することにより揮発又は分解する特性を有するポリマーを含む組成物から被膜を形成し、この被膜を加熱することによって空孔を形成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らがかかる従来の方法について詳細に検討を行ったところ、このような従来方法では、絶縁膜に要求される所望の低誘電率を達成するために、極めて多量の空孔(空隙)を膜中に導入する必要があることを見出した。こうなると、膜のベース材料となるSOGの機械的な膜強度又は膜硬度が本来的に不足している場合に、空隙率が過度に高まることにより、膜の機械強度が一層低下してしまう傾向にある。換言すれば、かかる従来の方法では、絶縁膜の誘電率が低下するにつれ、その膜強度が低下してしまう傾向にあり、プロセス適合性の観点から大きな問題がある。
【0007】
また、組成物の被膜を硬化させるのに、その450℃以上の高温雰囲気が必要であり、しかも最終的に硬化が終了するまでの1時間程度の長時間を要する傾向にあるため、この被膜を層間絶縁膜として用いた場合、その形成プロセスでの入熱量(サーマルバジェット)によって他の層、特に配線層の劣化が懸念される。また、入熱量の増加に伴って基板の反りが顕著となるといった問題も生じ得る。
【0008】
さらに、先述の如く、高集積化による配線の微細化が加速しており、デバイスを構成する各部材層の薄層化・多層化、及び配線層等の材料変更が進んでいる。これに対応すべく、入熱による各層の材料劣化の影響は今まで以上に増大すると予想され、各プロセスでの熱負荷の低減による熱履歴の改善が急務となっている。
【0009】
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、低誘電性に優れると共に十分な機械強度を有しており、しかも、従来に比して低温及び/又は短時間で硬化させることが可能なシリカ系被膜形成用組成物、及びシリカ系被膜の製造方法、並びに、そのシリカ系被膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、絶縁膜としてのシリカ系被膜を得るための材料成分及びその組成の観点から鋭意研究を重ね、特定の成分を含有する組成物が、従来の種々の問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明によるシリカ系被膜形成用組成物は、(a)成分:下記式(1);
SiX4−n …(1)、
で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂と、(b)成分:アルキレングリコールアルキルエーテルアルキルエステル又はアルキレングリコールアルキルエーテルアセテートから成る第1の溶媒成分、及び、アルキレングリコールモノアルキルエーテルから成る第2の溶媒成分を含む溶媒と、(c)成分:ヒドロキシル基を含む側鎖を有する重合体とを備えており、(c)成分である重合体が、下記式(2);
0<MOH<0.4×10−2 …(2)、
で表される関係を満たすものであり、上記(c)成分は、温度500℃の窒素ガス雰囲気における減少率が97質量%以上のものである
【0012】
なお、式(1)中、R1は、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各R1は同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。また、式(2)中、MOHは、(c)成分である重合体におけるヒドロキシル基の濃度(mol/g)を示す。
【0013】
このような構成を有する組成物は、ウエハ等の基板上に塗布された後、加熱によって硬化され、低誘電率を発現するシリカ系被膜(Low−k膜)が形成される。このとき、(b)成分である溶媒が、第1の溶媒成分及び第2の溶媒成分を含むことにより、最終的に得られるシリカ系被膜が十分な機械強度を実現することが確認された。また、(c)成分である重合体の側鎖にヒドロキシル基が含まれることにより、(b)成分の溶媒が揮散する際に(a)成分のシロキサン樹脂と上記重合体との相分離が防止され、膜内部に形成される空孔の微細化及び形状の均一化が図られる。それのみならず、加熱時に(c)成分の分解が抑えられると共に、その揮発が促進される。
【0014】
また、(a)成分が、Si原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合が好ましくは0.65モル以下、より好ましくは0.55以下、更に好ましくは0.50以下、特に好ましくは0.45以下のものである。また、この総含有割合の下限値は、0.20程度であることが望ましい。このようにすれば、シリカ系被膜の他の膜(層)への接着性及び機械強度の低下が抑制される。
【0015】
また、(b)成分が、第1の溶媒成分と第2の溶媒との質量含有割合が1:99〜60:40のものであると好ましい。こうすれば、シリカ系被膜の機械強度の低下を十分に抑制できると共に、その膜厚の均一性等の物性劣化が抑止される。
【0016】
具体的には、第1の溶媒成分がアルキレングリコールメチルエーテルアセテート、又はプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、特にプロピレングリコールメチルエーテルアセテートであると有用である。或いは、第2の溶媒成分がプロピレングリコールモノプロピルエーテルであると好適である。
【0017】
さらに、(c)成分が、温度300〜500℃の窒素ガス雰囲気における減少率が好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上、更に好ましくは99質量%以上の重合体であると好適である。このような(c)成分を用いると、当該組成物を加熱する際に、最終的に得られるシリカ系被膜中に重合体又は重合体由来の反応生成物が残留してしまうことが十分に抑制される。
【0018】
またさらに、(c)成分が、分子内にエステル結合が含まれるものであると一層好ましい。この場合、当該組成物を加熱したときの重合体の分解又は揮発が更に促進される。
【0019】
さらにまた、(c)成分が、(メタ)アクリル酸誘導体を構成成分として含んでおり、且つ、(メタ)アクリル酸誘導体の含有濃度が0.5×10-2(mol/g)以上のものであると有用である。こうした場合にも、当該組成物を加熱したときの重合体の分解又は揮発が更に促進される。
【0020】
発明のシリカ系被膜形成用組成物、硝酸を更に含む場合、硝酸は、式(1)で表される化合物の加水分解縮合において、加水分解縮合反応を促進する触媒として機能する。かかる触媒機能を呈する物質は、硝酸以外にも存在する
【0021】
また、本発明によるシリカ系被膜の製造方法は、本発明のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布し、塗布された被膜に含まれる溶媒を除去した後、その被膜を250〜500℃の加熱温度で焼成することを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明による電子部品(デバイス)は、素子構造が形成される基体上に絶縁膜が形成されたものであって、絶縁膜が、本発明のシリカ系被膜の製造方法により製造されたシリカ系被膜、又はそのシリカ系被膜を含むものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明によるシリカ系被膜形成用組成物は、上述の如く、必須成分として(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含むものである。
【0024】
〈(a)成分〉
(a)成分は、下記式(1);
1 nSiX4-n …(1)、
で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂である。ここで、式中、R1は、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各R1は同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
【0025】
加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等が挙げられる。これらの中では、組成物自体の液状安定性や被膜塗布特性等の観点からアルコキシ基が好ましい。
【0026】
加水分解性基Xが、アルコキシ基である式(1)の化合物(アルコキシシラン)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等のテトラアルコキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等が挙げられる。
【0027】
また、加水分解性基Xが、ハロゲン原子(ハロゲン基)である式(1)の化合物(ハロゲン化シラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。さらに、加水分解性基Xが、アセトキシ基である式(1)の化合物(アセトキシシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がアセトキシ基で置換されたものが挙げられる。またさらに、加水分解性基Xが、イソシアネート基である式(1)の化合物(イソシアネートシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がイソシアネート基で置換されたものが挙げられる。さらにまた、加水分解性基Xが、ヒドロキシル基である式(1)の化合物(ヒドロキシシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がヒドロキシル基で置換されたものが挙げられる。
【0028】
これら式(1)で表される化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0029】
また、式(1)で表される化合物の加水分解縮合において加水分解縮合反応を促進する触媒として、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸等を用いることができる。
【0030】
この触媒の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モルの範囲が好ましい。この使用量が1モルを超える場合、加水分解縮合時にゲル化が促進される傾向があり、0.0001モル未満の場合、実質的に反応が進行しない傾向がある。
【0031】
さらに、この反応において、加水分解によって副生するアルコールを、必要に応じてエバポレータ等を用いて除去してもよい。またさらに、加水分解縮合反応系中に存在させる水の量を適宜決定することができるが、この水の量としては、式(1)で表される化合物1モルに対して0.5〜20モルの範囲内の値とすると好ましい。この水量が0.5モル未満の場合及び20モルを超える場合には、シリカ系被膜の成膜性が悪化すると共に、組成物自体の保存安定性が低下する場合がある。
【0032】
また、(a)成分としてのシロキサン樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算された質量平均分子量が、500〜20,000であることが好ましく、1,000〜10,000であるとより好ましい。この質量平均分子量が500未満であると、シリカ系被膜の成膜性が劣る傾向にある。一方、この質量平均分子量が20,000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。
【0033】
さらに、シロキサン樹脂のケイ素1原子あたりに結合しているH原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子(以下、「特定の結合原子」という)の総数(M)が0.65以下であることが好ましく、0.55以下であるとより好ましく、0.50以下であると特に好ましく、0.45以下であると極めて好ましい。また、その下限値としては0.20程度が好ましい。
【0034】
この特定の結合原子の総数(M)が、0.65を超える場合、最終的に得られるシリカ系被膜の他の膜(層)との接着性、機械強度等が劣る傾向がある。一方、この総数(M)が0.20未満であると、絶縁膜として用いたときの誘電特性が劣る傾向にある。また、シロキサン樹脂は、これらの特定の結合原子のなかでも、シリカ系被膜の成膜性の点で、H原子、F原子、N原子、Si原子、Ti原子及びC原子のうち少なくともいずれか一種を含むとより好ましく、それらのなかでも、誘電特性及び機械強度の点において、H原子、F原子、N原子、Si原子及びC原子のうち少なくともいずれか一種を含むと一層好ましい。
【0035】
なお、この総数(M)は、(a)成分であるシロキサン樹脂の仕込み量から求めることができ、例えば、下記式(4);
M=(M1+(M2/2)+(M3/3))/Msi …(4)
で表される関係を用いて算出できる。式中、M1は、特定の結合原子のうち単一の(ただ1つの)Si原子と結合している原子の総数を示し、M2は、特定の結合原子のうち2つのケイ素原子で共有されている原子の総数を示し、M3は、特定の結合原子のうち3つのケイ素原子で共有されている原子の総数を示し、Msiは、Si原子の総数を示す。
【0036】
〈(b)成分〉
(b)成分は、(a)成分すなわち前述のシロキサン樹脂を溶解可能な溶媒であり、アルキレングリコールアルキルエーテルアルキルエステル又はアルキレングリコールアルキルエーテルアセテートから成る第1の溶媒成分、及び、アルキレングリコールモノアルキルエーテルから成る第2の溶媒成分を必須成分として含む溶媒である。
【0037】
また、第1の溶媒成分と第2の溶媒との質量含有割合が、好ましくは1:99〜60:40、より好ましくは5;95〜50:50、更に好ましくは10:90〜40:60とされる。この質量含有割合が、1:99を下回る(つまり第1の溶媒/第2の溶媒の質量比が1/99未満となる)と、最終的に得られるシリカ系被膜の機械強度の劣化が顕著となる傾向にある。これに対し、この質量含有割合が60:40を超える(つまり第1の溶媒/第2の溶媒の質量比が60/40を超過する)と、シリカ系被膜の膜厚均一性といった物性の劣化が顕著となる傾向にある。
【0038】
第1の溶媒成分としては、例えば、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、アセテートエチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらのなかでは、硬化膜として得られるシリカ系被膜の機械強度の観点から、アルキレングリコールメチルエーテルアセテート、又はプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、更にそのうち、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
【0039】
また、第2の溶媒成分としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられ、これらのなかでは、シリカ系被膜の膜厚均一性が高められる観点よりプロピレングリコールモノプロピルエーテルが特に好ましい。
【0040】
さらに、(b)成分である溶媒は、必要に応じて他の溶媒成分を含んでいてもよい。このような他の溶媒成分としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、γ−ブチロラクトン等のケトン系溶媒、エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の溶媒を例示できる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて第1の溶媒及び第2の溶媒と共に用いられる。
【0041】
この溶媒(つまり(b)成分)の使用量としては、(a)成分(シロキサン樹脂)の量が3〜25質量%となるような量とされることが好ましい。溶媒の量が過少で(a)成分の濃度が25質量%を超えると、シリカ系被膜の成膜性等が悪化すると共に、組成物自体の安定性が低下する傾向にある。これに対し、溶媒の量が過多で(a)成分の濃度が3質量%を下回ると、所望の膜厚を有するシリカ系被膜を形成し難くなる傾向にある。
【0042】
〈(c)成分〉
(c)成分は、ヒドロキシル基を含む側鎖を有しており、且つ、側鎖におけるヒドロキシル基の濃度MOH(mol/g)が下記式(2);
0<MOH<0.4×10-2 …(2)、
で表される関係を満たす重合体である。
【0043】
このヒドロキシル基の濃度MOHが0(ゼロ)mol/g、すなわち側鎖にヒドロキシル基が含まれていない場合には、組成物から溶媒を揮散等による除去したときに、(a)成分のシロキサン樹脂と重合体とが相分離するおそれがある。こうなると、最終的に得られるシリカ系被膜の空孔径が過度に大きくなると共に、その径分布が広がり微細空孔の均一性が悪化する傾向があり、機械強度の低下を招くおそれがある。一方、ヒドロキシル基の濃度MOHが0.4×10-2mol/gを超過すると、加熱時に重合体が分解又は揮発し難くなり、加熱処理に高温又は長時間を要してしまうといった不都合が生じる。
【0044】
ここで、ヒドロキシル基の濃度MOH(mol/g)は、重合体の仕込み量から求めることができ、例えば、下記式(5);
OH=(Ma×Mb/Mb)/Mh×100 …(5)、
で表される関係を用いて算出できる。式中、Maはヒドロキシル基が含まれる最小繰り返しユニットのモル比率示し、Mbはヒドロキシル基(OH基)の分子量を示し、Mhは重合体の平均分子量を示す。
【0045】
また、(c)成分である重合体は、温度300〜500℃の窒素ガス雰囲気における減少率が95質量%以上であることが好ましく、より好ましくは97質量%以上であり、更に好ましくは99質量%以上である。この減少率が95質量%未満であると、当該組成物を加熱する際の重合体の分解又は揮散が不十分となる傾向にあり、最終的に得られるシリカ系被膜中に重合体、重合体の一部又は重合体由来の反応生成物が残留してしまうおそれがある。こうなると、比誘電率の上昇等、シリカ系被膜の電気特性の劣化を招来することがある。
【0046】
なお、本発明における(c)重合体の「減少率」は、以下の装置及び条件によって求められる値である。
・使用装置:TG/DTA6300(セイコーインスツルメンツ社製)
・昇温開始温度:50℃
・昇温速度:10℃/min
・サンプル量:10mg
・雰囲気:窒素(N2)ガス 200ml/min
・リファレンス:α−アルミナ(セイコーインスツルメンツ社製)
・試料容器:オープンサンプルパンφ5 アルミニウム(セイコーインスツルメンツ社製)
【0047】
なお、(c)重合体の分解開始前の基準質量は、昇温途中である150℃における質量とする。これは、150℃以下での質量減少が吸着した水分等の除去によるものであって、(c)成分である重合体そのものの分解は実質的に生じていないと推定されることによる。また、この「減少率」の測定において、(c)成分である重合体が溶液に溶解している等の理由で、重合体のみを直接量り取ることができない場合には、重合体を含む溶液を、例えば金属シャーレに約2g程度とり、常圧の空気中、150℃にて3時間乾燥して得られる残渣物を試料として用いる。
【0048】
さらに、(c)成分である重合体は、(a)成分であるシロキサン樹脂との相溶性等の観点から、GPCにより測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算された質量平均分子量が、500〜100,000であることが好ましく、1,000〜50,000であるとより好ましい。この質量平均分子量が500未満であると、シリカ系被膜の成膜性が劣る傾向にある。一方、この質量平均分子量が100,000を超えると、シロキサン樹脂との相溶性が低下する傾向にある。
【0049】
このような(c)成分の重合体を構成するヒドロキシル基を有する化合物(単量体成分)の具体例としては、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジプロピレングリコールメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、ビニルアルコール、アリルアルコール等が挙げられる。
【0050】
また、(c)成分の重合体は、側鎖中のヒドロキシル基の濃度MOHを調整する目的で、ヒドロキシル基を有さない化合物を構成成分として含んでいてもよい。このようなヒドロキシル基を有さない化合物としては、例えば、ビニルエーテル系化合物、ポリエチレンオキサイド構造を有するビニル系化合物、ポリプロピレンオキサイド構造を有するビニル系化合物、ビニルピリジン系化合物、スチレン系化合物、アルキルエステルビニル系化合物、(メタ)アクリレート酸系化合物等が挙げられる。これらのなかでも、重合体の分解特性又は揮発特性に優れる観点よりエステル結合を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリレート酸系化合物((メタ)アクリレート酸誘導体)が特に好ましい。
【0051】
(メタ)アクリレート酸誘導体としては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルコキシアルキルエステル等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0052】
また、アクリル酸アルキルエステルとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられ、メタクリル酸アルキルエステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられる。
【0053】
さらに、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとして、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル等が挙げられ、メタクリル酸アルコキシアルキルエステルとして、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
【0054】
なお、本発明のシリカ系被膜形成用組成物は、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有しないことが望ましく、含まれる場合でも組成物中のそれらの金属イオン濃度が100ppb以下であると好ましく、20ppb以下であるとより好ましい。これらの金属イオン濃度が100ppbを超えると、組成物から得られるシリカ系被膜を有する半導体素子に金属イオンが流入し易くなってデバイス性能そのものに悪影響を及ぼすおそれがある。よって、必要に応じてイオン交換フィルター等を使用してアルカリ金属やアルカリ土類金属を組成物中から除去することが有効である。
【0055】
このようなシリカ系被膜形成用組成物は、後述するようにウエハ等の基板上に塗布された後、加熱、焼成によって硬化され、これにより、低誘電率を発現するシリカ系被膜(Low−k膜)が形成される。このとき、(b)成分の溶媒として上記の第1の溶媒成分及び第2の溶媒成分を含むものを用いるので、シリカ系被膜の機械強度が十分に高められると共に、膜厚の均一性を向上させることができる。
【0056】
また、必須成分である(c)成分としての重合体の側鎖にヒドロキシル基が含まれることにより、(b)成分の溶媒が揮散等で除去される際に(a)成分のシロキサン樹脂と上記重合体との相分離が防止され、膜内部に形成される空孔の微細化及び形状の均一化が図られる。よって、最終的に得られるシリカ系被膜の機械強度の低下をより一層抑制することが可能となる。
【0057】
さらに、シロキサン樹脂における結合原子の総数が0.65以下とされることにより、更に十分な機械強度を実現でき、しかも他の膜(層)との十分な接着性が確保される。したがって、シリカ系被膜上に被着されたCu等の配線金属をCMP(Chemical Mechanical Polish)する工程において、界面剥離が生じることをも防止できる。
【0058】
さらに、(c)成分である重合体の側鎖におけるヒドロキシル基の濃度が上述した上限値以下とされているので、加熱時に(c)成分の分解が抑えられると共にその揮発が促進される。よって、過度に高温とすることなく、組成物を従来に比して低温又は短時間で硬化させることが可能となる。その結果、基板への入熱量を格段に低減でき、他の膜(層)ひいてはデバイスの特性劣化を抑止でき、しかもプロセス時間の短縮によりスループットの向上を図り得る。
【0059】
このような本発明のシリカ系被膜形成用組成物を用いて、基板上にシリカ系被膜を形成する方法について、一般にシリカ系被膜の成膜性及び膜均一性に優れるスピンコート法を例にとって説明する。まず、シリカ系被膜形成用組成物をシリコンウエハ等の基板上に好ましくは500〜5000回転/分、より好ましくは1000〜3000回転/分でスピン塗布して被膜を形成する。この際、回転数が500回転/分未満であると、膜均一性が悪化する傾向にある一方で、5000回転/分を超えると、成膜性が悪化するおそれがあるため好ましくない。
【0060】
次いで、好ましくは50〜350℃、より好ましくは100〜250℃でホットプレート等にて被膜中の溶媒を乾燥させる。この乾燥温度が50℃未満であると、溶媒の乾燥が十分に行われない傾向にある。一方、乾燥温度が350℃を超えると、被膜においてシロキサン骨格が形成される前にポーラス形成用の重合体((c)成分)が熱分解されて揮発量が不都合な程に増大してしまい、所望の機械強度及び低誘電特性を有するシリカ系被膜を得難くなるおそれがある。
【0061】
次に、溶媒が除去された被膜を250〜500℃の加熱温度で焼成して最終硬化を行う。最終硬化は、N2、Ar、He等の不活性雰囲気下で行うのが好ましく、この場合、酸素濃度が1000ppm以下であると好ましい。この加熱温度が250℃未満であると、十分な硬化が達成されない傾向にあると共に、(c)成分の分解・揮発を十分に促進できない傾向にある。これに対し、加熱温度が500℃を超えると、金属配線層がある場合に、入熱量が増大して配線金属の劣化が生じるおそれがある。
【0062】
また、この際の加熱時間は2〜60分が好ましく、2〜30分であるとより好ましい。この加熱時間が60分を超えると、入熱量が過度に増大して配線金属の劣化が生じるおそれがある。さらに、加熱装置としては、石英チューブ炉その他の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)等の加熱処理装置を用いることが好ましい。
【0063】
また、このようにして形成されるシリカ系被膜の膜厚は、0.01〜40μmであることが好ましく、0.1μm〜2.0μmであるとより好ましい。かかる膜厚が40μmを超えると、応力によってクラックが発生し易くなる一方で、0.01μm未満であると、シリカ系被膜の上下に金属配線層が存在する場合に、上下配線間のリーク特性が悪化する傾向がある。
【0064】
かかるシリカ系被膜を有する本発明の電子部品としては、半導体素子、多層配線板等の絶縁膜を有するデバイスが挙げられる。具体的には、半導体素子においては、表面保護膜(パッシベーション膜)、バッファーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができる。一方、多層配線板においては、層間絶縁膜として好適に使用することができる。
【0065】
より具体的には、半導体素子として、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子等が挙げられる。また、多層配線板としては、MCM等の高密度配線板などが挙げられる。
【0066】
このような電子部品は、低誘電率を発現する本発明のシリカ系被膜を備えることにより、信号伝搬遅延時間の低減といった高性能化が図られると同時に高信頼性を達成できる。
【0067】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
〈合成例1〉
以下の手順により(c)成分である重合体を合成した。まず、1000mlのフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を300g仕込み、200mlの滴下ロートにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.0gを溶解させたメタクリル酸メチル95gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート5gとを仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、窒素ガス雰囲気下、130℃のオイルバスで加熱攪拌しながら、滴下ロート内の溶液を2時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0069】
次いで、30分間攪拌した後、滴下ロートにAIBN0.2gを溶解させたPGMEAを97.8g仕込み、1時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、更に2時間攪拌して、室温に戻し、重合体溶液を得た。
【0070】
これらの仕込み量から、前出の式(5)を用いて計算された側鎖のヒドロキシル基濃度MOHは、0.038×10-2mol/gであった。また、GPC法により質量平均分子量を測定したところ、9,950であった。さらに、重合体溶液2gを金属シャーレに量り取り、150℃の乾燥機で3時間乾燥させることにより求めた重合体の濃度は16.7質量%であった。またさらに、得られた重合体乾燥物を用いて測定した500℃における質量減少率は99%であった。
【0071】
〈実施例1〉
テトラエトキシシラン132.3gとメチルトリエトキシシラン65.1gとをプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)335.94gに溶解させた溶液中に、70%硝酸0.92gを溶解させた水65.8gを攪拌下で30分かけて滴下した。滴下終了後5時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。この溶液に、合成例1で得た重合体溶液229.6gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノールを留去して、PGMEAとPGPの質量含有割合(PGMEA:PGPの比率)が36:64であるポリシロキサン/重合体溶液から成る本発明のシリカ系被膜形成用組成物630gを調製した。
【0072】
〈合成例2〉
以下の手順により(c)成分である重合体を合成した。まず、1000mlのフラスコにPGPを300g仕込み、200mlの滴下ロートにAIBN1.7gを溶解させたメタクリル酸メチル45gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート55gとを仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、窒素ガス雰囲気下、130℃のオイルバスで加熱攪拌しながら、滴下ロート内の溶液を2時間かけてフラスコ内に滴下した。次いで、30分間攪拌した後、滴下ロートにAIBN0.17gを溶解させたPGPを97.8g仕込み、1時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、更に2時間攪拌して、室温に戻し、重合体溶液を得た。
【0073】
これらの仕込み量から、前出の式(5)を用いて計算された側鎖のヒドロキシル基濃度MOHは、0.48mol/gであった。また、GPC法により質量平均分子量を測定したところ、10,700であった。さらに、重合体溶液2gを金属シャーレに量り取り、150℃の乾燥機で3時間乾燥させることにより求めた重合体の濃度は15.0質量%であった。またさらに、得られた重合体乾燥物を用いて測定した500℃における質量減少率は95%であった。
【0074】
〈比較例1〉
実施例1と同様にして調製したポリシロキサン溶液に、合成例2で得た重合体溶液255.6gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノールを留去して650gのポリシロキサン/重合体溶液から成るシリカ系被膜形成用組成物を調製した。
【0075】
〈層間絶縁膜の製造〉
実施例1及び比較例1で得た各シリカ系被膜形成用組成物を回転数1500rpm/30秒でシリコンウエハ上に回転塗布して被膜を形成した。回転塗布後、150℃/1分+250℃/1分かけて被膜中の溶媒を除去した後、O2濃度が100ppm前後にコントロールされた石英チューブ炉で400℃/30分間かけて被膜を最終硬化し、層間絶縁膜としてのシリカ系被膜を製造した。
【0076】
〈層間絶縁膜の評価〉
得られた各層間絶縁膜に対して以下の方法で膜厚、電気特性、及び膜強度評価を行った。
【0077】
〔膜厚測定〕
各層間絶縁膜の膜厚を、分光エリプソメータ(ガートナー社製;エリプソメータL116B、使用波長:633nm)で測定した。具体的には、層間絶縁膜上にHe−Neレーザー光を照射し、指定波長における照射により生じた位相差から求められる膜厚を測定した。
【0078】
〔比誘電率測定〕
本発明における膜の「比誘電率」とは、23℃±2℃、湿度40%±10%の雰囲気下で測定された値をいい、Al金属とN型低抵抗率基板(Siウエハ)間の電荷容量を測定することにより行った。具体的には、得られた層間絶縁膜上に、真空蒸着装置でAl金属を直径2mmの円で、厚さ約0.1μmになるように真空蒸着した。これにより、絶縁膜がAl金属と低抵抗率基板との間に配置された構造が形成される。次に、この構造体の電荷容量を、LFインピーダンスアナライザー(横河電機社製:HP4192A)に誘電体テスト・フィクスチャー(横河電機製:HP16451B)を接続した装置を用い、使用周波数1MHzにて測定した。
【0079】
そして、電荷容量の測定値を下記式(6);
層間絶縁膜の比誘電率=3.597×10-2×電荷容量(pF)×被膜の膜厚(μm) …(6)、
に代入し、層間絶縁膜の比誘電率を算出した。
【0080】
〔弾性率測定〕
各層間絶縁膜に対してMTS社製のナノインデンターDCMを用いて膜強度を示す弾性率を測定した。
【0081】
以上の各測定結果をまとめて表1に示す。
【0082】
【表1】

Figure 0004110796
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシリカ系被膜形成用組成物及びシリカ系被膜の製造方法によれば、低誘電性に優れると共に十分な機械強度を有しており、且つ膜厚の均一性に優れるシリカ系被膜を製造できる。しかも、従来に比して低温及び/又は短時間で硬化させることが可能となる。これにより、層間絶縁膜等として好適なシリカ系被膜を形成することができる共に、基板への入熱量を低減して熱履歴を改善できる。よって、素子等の電子部品を構成する各層、特に配線層の劣化を抑止することが可能となる。また、本発明による電子部品は、かかるシリカ系被膜を有するので、デバイス全体の電気的信頼性を向上させることができ、製品生産の歩留まり及びプロセス裕度の向上を図ることが可能となる。しかも、シリカ系被膜の優れた特性により、高密度且つ高品位で信頼性に優れた電子部品を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composition for forming a silica-based film, a method for producing a silica-based film, and an electronic component.
[0002]
[Prior art]
Regarding electronic device parts such as semiconductor elements such as LSI, with the miniaturization of wiring due to high integration, an increase in signal delay time due to increase in inter-wiring capacitance has become a problem. In addition to heat resistance, mechanical properties, etc., further low dielectric constant and shortening of the heat treatment process are required.
[0003]
In general, the signal propagation speed (v) of the wiring and the relative dielectric constant (ε) of the insulating material in contact with the wiring material are expressed by the following equation (3):
v = k / √ε (3),
(K in the formula is a constant). That is, by increasing the frequency region to be used and reducing the relative dielectric constant (ε) of the insulating material, signal transmission speed can be increased. For example, conventionally, SiO formed by a CVD method having a relative dielectric constant of about 4.2.2Although a film has been used as a material for forming an interlayer insulating film, a material that exhibits a further low dielectric constant has been eagerly desired from the viewpoint of reducing the capacitance between wirings of a device and improving the operation speed of an LSI.
[0004]
On the other hand, a low dielectric constant material that is currently in practical use includes a SiOF film formed by a CVD method having a relative dielectric constant of about 3.5. Examples of the insulating material having a relative dielectric constant of 2.5 to 3.0 include organic SOG (Spin On Glass) and organic polymers. Furthermore, as insulating materials having a relative dielectric constant of 2.5 or less, porous materials having voids in the film are considered to be promising, and studies and developments for application to LSI interlayer insulating films are actively conducted. ing.
[0005]
As a method for forming such a porous material, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-3222992, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-310411, etc. propose a reduction in the dielectric constant of an organic SOG material. In this method, a film is formed from a composition containing a polymer having a property of volatilizing or decomposing by heating together with a hydrolyzed polycondensation product of a metal alkoxysilane, and pores are formed by heating the film. is there.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the present inventors examined the conventional method in detail, in such a conventional method, in order to achieve a desired low dielectric constant required for the insulating film, a very large amount of pores ( It has been found that it is necessary to introduce voids) into the film. In this case, when the mechanical film strength or film hardness of the SOG that is the base material of the film is inherently insufficient, the mechanical strength of the film tends to further decrease due to excessive increase in the porosity. It is in. In other words, such a conventional method has a problem that the film strength tends to decrease as the dielectric constant of the insulating film decreases, and there is a big problem from the viewpoint of process compatibility.
[0007]
Further, in order to cure the coating film of the composition, a high temperature atmosphere of 450 ° C. or higher is required, and it tends to take a long time of about one hour until the curing is finally completed. When used as an interlayer insulating film, there is a concern about deterioration of other layers, particularly wiring layers, due to the amount of heat input (thermal budget) in the formation process. Moreover, the problem that the curvature of a board | substrate becomes remarkable with the increase in the amount of heat inputs may also arise.
[0008]
Furthermore, as described above, miniaturization of wiring due to high integration is accelerating, and thinning / multilayering of each member layer constituting the device, and material change of wiring layers and the like are progressing. In order to cope with this, the influence of material deterioration of each layer due to heat input is expected to increase more than ever, and there is an urgent need to improve the thermal history by reducing the thermal load in each process.
[0009]
Therefore, the present invention has been made in view of such circumstances, has excellent low dielectric properties and sufficient mechanical strength, and can be cured at a low temperature and / or in a short time as compared with the prior art. It is an object to provide a composition for forming a silica-based film, a method for producing a silica-based film, and an electronic component having the silica-based film.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have conducted extensive research from the viewpoints of material components and their compositions for obtaining a silica-based coating as an insulating film, and a composition containing a specific component is a conventional component. It has been found that various problems can be solved, and the present invention has been completed.
[0011]
  That is, the composition for forming a silica-based film according to the present invention comprises (a) component: the following formula (1);
  R1 nSiX4-n  ... (1),
A siloxane resin obtained by hydrolytic condensation of a compound represented by formula (b): a component (b): a first solvent component comprising an alkylene glycol alkyl ether alkyl ester or an alkylene glycol alkyl ether acetate, and an alkylene glycol monoalkyl ether A solvent containing the second solvent component, and (c) component: a polymer having a side chain containing a hydroxyl group, wherein the polymer as the component (c) is represented by the following formula (2):
  0 <MOH<0.4 × 10-2  ... (2),
Which satisfies the relationship expressed byThe component (c) has a reduction rate of 97% by mass or more in a nitrogen gas atmosphere at a temperature of 500 ° C..
[0012]
In formula (1), R1Represents an H atom or F atom, or a group containing B atom, N atom, Al atom, P atom, Si atom, Ge atom or Ti atom, or an organic group having 1 to 20 carbon atoms, and X is hydrolyzable. N represents an integer of 0 to 2, and when n is 2, each R1May be the same or different. When n is 0 to 2, each X may be the same or different. In formula (2), MOHIndicates the concentration (mol / g) of hydroxyl groups in the polymer as component (c).
[0013]
The composition having such a structure is applied onto a substrate such as a wafer and then cured by heating to form a silica-based film (Low-k film) that exhibits a low dielectric constant. At this time, it was confirmed that the finally obtained silica-based film achieves sufficient mechanical strength when the solvent as the component (b) contains the first solvent component and the second solvent component. In addition, since the hydroxyl group is contained in the side chain of the polymer as the component (c), the phase separation between the siloxane resin of the component (a) and the polymer is prevented when the solvent of the component (b) is volatilized. As a result, the pores formed inside the film are made finer and the shape is made uniform. Not only that, decomposition of the component (c) is suppressed during heating, and its volatilization is promoted.
[0014]
The component (a) is selected from the group consisting of H atom, F atom, B atom, N atom, Al atom, P atom, Si atom, Ge atom, Ti atom, and C atom with respect to 1 mol of Si atom. The total content of at least one kind of atoms is preferably 0.65 mol or less, more preferably 0.55 or less, still more preferably 0.50 or less, and particularly preferably 0.45 or less. Moreover, it is desirable that the lower limit value of the total content ratio is about 0.20. If it does in this way, the fall to the adhesiveness to other films | membranes (layers) of a silica-type film and mechanical strength will be suppressed.
[0015]
In addition, the component (b) preferably has a mass content ratio of the first solvent component and the second solvent of 1:99 to 60:40. If it carries out like this, while the fall of the mechanical strength of a silica-type film can fully be suppressed, deterioration of physical properties, such as the uniformity of the film thickness, is suppressed.
[0016]
Specifically, it is useful that the first solvent component is alkylene glycol methyl ether acetate or propylene glycol alkyl ether acetate, particularly propylene glycol methyl ether acetate. Alternatively, the second solvent component is preferably propylene glycol monopropyl ether.
[0017]
Furthermore, the component (c) is preferably a polymer having a reduction rate in a nitrogen gas atmosphere at a temperature of 300 to 500 ° C. of preferably 95% by mass or more, more preferably 97% by mass or more, and further preferably 99% by mass or more. It is. When such a component (c) is used, when the composition is heated, it is sufficiently suppressed that the polymer or the polymer-derived reaction product remains in the silica-based film finally obtained. Is done.
[0018]
Furthermore, it is more preferable that the component (c) contains an ester bond in the molecule. In this case, decomposition or volatilization of the polymer when the composition is heated is further promoted.
[0019]
Furthermore, the component (c) contains a (meth) acrylic acid derivative as a constituent component, and the content concentration of the (meth) acrylic acid derivative is 0.5 × 10 5.-2It is useful that it is more than (mol / g). Even in such a case, decomposition or volatilization of the polymer when the composition is heated is further promoted.
[0020]
  BookComposition for forming a silica-based film of the inventionButFurther containing nitric acidMubaIn other words, nitric acid functions as a catalyst for promoting the hydrolysis-condensation reaction in the hydrolysis-condensation of the compound represented by the formula (1). Substance exhibiting such catalytic functionIsIt exists in addition to nitric acid.
[0021]
In addition, the method for producing a silica-based coating according to the present invention comprises applying the composition for forming a silica-based coating according to the present invention on a substrate, removing the solvent contained in the applied coating, and then subjecting the coating to 250 to 500 ° C. It is characterized by firing at a heating temperature of
[0022]
Furthermore, an electronic component (device) according to the present invention has an insulating film formed on a substrate on which an element structure is formed, and the insulating film is manufactured by the silica-based film manufacturing method of the present invention. Or a silica-based coating thereof.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail. As described above, the composition for forming a silica-based film according to the present invention contains (a) component, (b) component, and (c) component as essential components.
[0024]
<(A) component>
(A) component is the following formula (1);
R1 nSiX4-n  ... (1),
A siloxane resin obtained by hydrolytic condensation of a compound represented by the formula: Where R1Represents an H atom or F atom, or a group containing B atom, N atom, Al atom, P atom, Si atom, Ge atom or Ti atom, or an organic group having 1 to 20 carbon atoms, and X is hydrolyzable. N represents an integer of 0 to 2, and when n is 2, each R1May be the same or different. When n is 0 to 2, each X may be the same or different.
[0025]
Examples of the hydrolyzable group X include an alkoxy group, a halogen atom, an acetoxy group, an isocyanate group, and a hydroxyl group. Among these, an alkoxy group is preferable from the viewpoint of the liquid stability of the composition itself and the coating property.
[0026]
Examples of the compound (alkoxysilane) of the formula (1) in which the hydrolyzable group X is an alkoxy group include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-iso-propoxysilane, tetra- n-butoxysilane, tetra-sec-butoxysilane, tetra-tert-butoxysilane, tetraalkoxysilane such as tetraphenoxysilane, trimethoxysilane, triethoxysilane, tripropoxysilane, fluorotrimethoxysilane, fluorotriethoxysilane, Methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyltri-n-propoxysilane, methyltri-iso-propoxysilane, methyltri-n-butoxysilane, methyltri-iso-butoxysilane, methyltri-t rt-butoxysilane, methyltriphenoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, ethyltri-n-propoxysilane, ethyltri-iso-propoxysilane, ethyltri-n-butoxysilane, ethyltri-iso-butoxysilane, ethyltri- tert-butoxysilane, ethyltriphenoxysilane, n-propyltrimethoxysilane, n-propyltriethoxysilane, n-propyltri-n-propoxysilane, n-propyltri-iso-propoxysilane, n-propyltri-n -Butoxysilane, n-propyltri-iso-butoxysilane, n-propyltri-tert-butoxysilane, n-propyltriphenoxysilane, iso-propyltrimethoxysilane, iso-propi Triethoxysilane, iso-propyltri-n-propoxysilane, iso-propyltri-iso-propoxysilane, iso-propyltri-n-butoxysilane, iso-propyltri-iso-butoxysilane, iso-propyltri-tert -Butoxysilane, iso-propyltriphenoxysilane, n-butyltrimethoxysilane, n-butyltriethoxysilane, n-butyltri-n-propoxysilane, n-butyltri-iso-propoxysilane, n-butyltri-n-butoxy Silane, n-butyltri-iso-butoxysilane, n-butyltri-tert-butoxysilane, n-butyltriphenoxysilane, sec-butyltrimethoxysilane, sec-butyltriethoxysilane, sec-butyltri-n -Propoxysilane, sec-butyltri-iso-propoxysilane, sec-butyltri-n-butoxysilane, sec-butyltri-iso-butoxysilane, sec-butyltri-tert-butoxysilane, sec-butyltriphenoxysilane, t-butyl Trimethoxysilane, t-butyltriethoxysilane, t-butyltri-n-propoxysilane, t-butyltri-iso-propoxysilane, t-butyltri-n-butoxysilane, t-butyltri-iso-butoxysilane, t-butyltri -Tert-butoxysilane, t-butyltriphenoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, phenyltri-n-propoxysilane, phenyltri-iso-propoxysilane, phenyltri n-butoxysilane, phenyltri-iso-butoxysilane, phenyltri-tert-butoxysilane, phenyltriphenoxysilane, trifluoromethyltrimethoxysilane, pentafluoroethyltrimethoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltri Trialkoxysilane such as methoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltriethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, dimethyldi-n-propoxysilane, dimethyldi-iso-propoxysilane, dimethyldi-n-butoxysilane Dimethyldi-sec-butoxysilane, dimethyldi-tert-butoxysilane, dimethyldiphenoxysilane, diethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, diethyldi-n-pro Xysilane, diethyldi-iso-propoxysilane, diethyldi-n-butoxysilane, diethyldi-sec-butoxysilane, diethyldi-tert-butoxysilane, diethyldiphenoxysilane, di-n-propyldimethoxysilane, di-n-propyldiethoxy Silane, di-n-propyldi-n-propoxysilane, di-n-propyldi-iso-propoxysilane, di-n-propyldi-n-butoxysilane, di-n-propyldi-sec-butoxysilane, di-n- Propyl di-tert-butoxysilane, di-n-propyldiphenoxysilane, di-iso-propyldimethoxysilane, di-iso-propyldiethoxysilane, di-iso-propyldi-n-propoxysilane, di-iso-propyldi- iso-propo Xysilane, di-iso-propyldi-n-butoxysilane, di-iso-propyldi-sec-butoxysilane, di-iso-propyldi-tert-butoxysilane, di-iso-propyldiphenoxysilane, di-n-butyldimethoxy Silane, di-n-butyldiethoxysilane, di-n-butyldi-n-propoxysilane, di-n-butyldi-iso-propoxysilane, di-n-butyldi-n-butoxysilane, di-n-butyldi- sec-butoxysilane, di-n-butyldi-tert-butoxysilane, di-n-butyldiphenoxysilane, di-sec-butyldimethoxysilane, di-sec-butyldiethoxysilane, di-sec-butyldi-n- Propoxysilane, di-sec-butyldi-iso-propoxysilane, di sec-butyldi-n-butoxysilane, di-sec-butyldi-sec-butoxysilane, di-sec-butyldi-tert-butoxysilane, di-sec-butyldiphenoxysilane, di-tert-butyldimethoxysilane, di- tert-butyldiethoxysilane, di-tert-butyldi-n-propoxysilane, di-tert-butyldi-iso-propoxysilane, di-tert-butyldi-n-butoxysilane, di-tert-butyldi-sec-butoxysilane , Di-tert-butyldi-tert-butoxysilane, di-tert-butyldiphenoxysilane, diphenyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, diphenyldi-n-propoxysilane, diphenyldi-iso-propoxysilane, dipheni Di-n-butoxysilane, diphenyldi-sec-butoxysilane, diphenyldi-tert-butoxysilane, diphenyldiphenoxysilane, bis (3,3,3-trifluoropropyl) dimethoxysilane, methyl (3,3,3) -Diorganodialkoxysilane such as (trifluoropropyl) dimethoxysilane.
[0027]
Moreover, as the compound (halogenated silane) of the formula (1) in which the hydrolyzable group X is a halogen atom (halogen group), a compound in which the alkoxy group in each alkoxysilane molecule is substituted with a halogen atom. Can be mentioned. Further, examples of the compound of formula (1) (acetoxysilane) in which the hydrolyzable group X is an acetoxy group include those in which the alkoxy group in each of the above alkoxysilane molecules is substituted with an acetoxy group. Furthermore, examples of the compound (isocyanate silane) of the formula (1) in which the hydrolyzable group X is an isocyanate group include those in which the alkoxy group in each alkoxysilane molecule is substituted with an isocyanate group. Furthermore, examples of the compound of formula (1) (hydroxysilane) in which the hydrolyzable group X is a hydroxyl group include those in which the alkoxy group in each alkoxysilane molecule is substituted with a hydroxyl group.
[0028]
These compounds represented by the formula (1) are used alone or in combination of two or more.
[0029]
Further, as a catalyst for promoting the hydrolysis condensation reaction in the hydrolysis condensation of the compound represented by the formula (1), formic acid, maleic acid, fumaric acid, acetic acid, propionic acid, butanoic acid, pentanoic acid, hexanoic acid, heptanoic acid , Octanoic acid, nonanoic acid, decanoic acid, oxalic acid, adipic acid, sebacic acid, butyric acid, oleic acid, stearic acid, linoleic acid, linolenic acid, salicylic acid, benzoic acid, p-aminobenzoic acid, p-toluenesulfonic acid, Organic acids such as phthalic acid, sulfonic acid, tartaric acid, and trifluoromethanesulfonic acid, and inorganic acids such as hydrochloric acid, phosphoric acid, nitric acid, boric acid, sulfuric acid, and hydrofluoric acid can be used.
[0030]
The amount of the catalyst used is preferably in the range of 0.0001 to 1 mol with respect to 1 mol of the compound represented by the formula (1). When the amount used exceeds 1 mol, gelation tends to be promoted at the time of hydrolysis condensation, and when it is less than 0.0001 mol, the reaction does not substantially proceed.
[0031]
Furthermore, in this reaction, alcohol produced as a by-product by hydrolysis may be removed using an evaporator or the like, if necessary. Furthermore, the amount of water to be present in the hydrolysis-condensation reaction system can be appropriately determined. The amount of this water is 0.5 to 20 with respect to 1 mol of the compound represented by the formula (1). A value within the molar range is preferred. When the amount of water is less than 0.5 mol or more than 20 mol, the film-formability of the silica-based film is deteriorated and the storage stability of the composition itself may be lowered.
[0032]
The siloxane resin as the component (a) is measured by gel permeation chromatography (hereinafter referred to as “GPC”) from the viewpoints of solubility in a solvent, mechanical properties, moldability, and the like, and a standard polystyrene calibration curve. Is preferably 500 to 20,000, and more preferably 1,000 to 10,000. When the mass average molecular weight is less than 500, the film formability of the silica-based film tends to be inferior. On the other hand, when the mass average molecular weight exceeds 20,000, the compatibility with the solvent tends to decrease.
[0033]
Further, at least selected from the group consisting of H atom, F atom, B atom, N atom, Al atom, P atom, Si atom, Ge atom, Ti atom and C atom bonded per silicon atom of the siloxane resin. The total number (M) of one kind of atom (hereinafter referred to as “specific bond atom”) is preferably 0.65 or less, more preferably 0.55 or less, and particularly preferably 0.50 or less, It is very preferable that it is 0.45 or less. Further, the lower limit is preferably about 0.20.
[0034]
When the total number (M) of the specific bonding atoms exceeds 0.65, there is a tendency that adhesiveness with other films (layers) of the finally obtained silica-based film, mechanical strength, and the like are inferior. On the other hand, when the total number (M) is less than 0.20, the dielectric characteristics when used as an insulating film tend to be inferior. Further, among these specific bonding atoms, the siloxane resin is at least one of H atom, F atom, N atom, Si atom, Ti atom, and C atom in terms of film-formability of the silica-based film. Among these, it is more preferable that at least one of H atom, F atom, N atom, Si atom and C atom is included in terms of dielectric properties and mechanical strength.
[0035]
In addition, this total number (M) can be calculated | required from the preparation amount of the siloxane resin which is (a) component, for example, following formula (4);
M = (M1 + (M2 / 2) + (M3 / 3)) / Msi (4)
It can be calculated using the relationship represented by In the formula, M1 represents the total number of atoms bonded to a single (only one) Si atom among specific bond atoms, and M2 is shared by two silicon atoms among the specific bond atoms. M3 represents the total number of atoms shared by three silicon atoms among the specific bonded atoms, and Msi represents the total number of Si atoms.
[0036]
<(B) component>
The component (b) is a solvent capable of dissolving the component (a), that is, the siloxane resin, a first solvent component comprising an alkylene glycol alkyl ether alkyl ester or an alkylene glycol alkyl ether acetate, and an alkylene glycol monoalkyl ether. It is a solvent containing the 2nd solvent component which consists of as an essential component.
[0037]
The mass content ratio of the first solvent component and the second solvent is preferably 1:99 to 60:40, more preferably 5; 95 to 50:50, and still more preferably 10:90 to 40:60. It is said. When the mass content ratio is less than 1:99 (that is, the mass ratio of the first solvent / second solvent is less than 1/99), the mechanical strength of the finally obtained silica-based coating is significantly deteriorated. It tends to be. On the other hand, when the mass content ratio exceeds 60:40 (that is, the mass ratio of the first solvent / second solvent exceeds 60/40), the physical properties such as the film thickness uniformity of the silica-based coating deteriorate. Tends to be prominent.
[0038]
Examples of the first solvent component include ethylene glycol methyl ether propionate, ethylene glycol ethyl ether propionate, acetate ethylene glycol methyl ether acetate, ethylene glycol ethyl ether acetate, diethylene glycol methyl ether acetate, diethylene glycol ethyl ether acetate, diethylene glycol -N-butyl ether acetate, propylene glycol ethyl ether acetate, propylene glycol propyl ether acetate, dipropylene glycol methyl ether acetate, dipropylene glycol ethyl ether acetate and the like. Of these, alkylene glycol methyl ether acetate or propylene glycol alkyl ether acetate is preferred from the viewpoint of mechanical strength of the silica-based coating obtained as a cured film, and propylene glycol methyl ether acetate is particularly preferred.
[0039]
Examples of the second solvent component include ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol mono-n-hexyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, ethylene glycol mono-2-ethylbutyl ether, propylene glycol monomethyl. Ether, propylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monopropyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol mono-n-butyl ether, diethylene glycol mono-n-hexyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monoethyl ether, etc. Among these, from the viewpoint of improving the film thickness uniformity of the silica-based coating, Propylene glycol monopropyl ether is particularly preferred.
[0040]
Furthermore, the solvent which is (b) component may contain the other solvent component as needed. Examples of such other solvent components include methanol, ethanol, n-propanol, i-propanol, n-butanol, i-butanol, sec-butanol, t-butanol, n-pentanol, i-pentanol, 2-methylbutanol, sec-pentanol, t-pentanol, 3-methoxybutanol, n-hexanol, 2-methylpentanol, sec-hexanol, 2-ethylbutanol, sec-heptanol, n-octanol, 2-ethyl Hexanol, sec-octanol, n-nonyl alcohol, n-decanol, sec-undecyl alcohol, trimethylnonyl alcohol, sec-tetradecyl alcohol, sec-heptadecyl alcohol, phenol, cyclohexanol, methylcyclo Alcohol solvents such as xanol, benzyl alcohol, ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-butylene glycol, diethylene glycol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tripropylene glycol, acetone, methyl ethyl ketone, methyl-n-propyl Ketone, methyl-n-butyl ketone, methyl-iso-butyl ketone, methyl-n-pentyl ketone, methyl-n-hexyl ketone, diethyl ketone, di-iso-butyl ketone, trimethylnonanone, cyclohexanone, cyclopentanone, methylcyclohexanone, Ketone solvents such as 2,4-pentanedione, acetonylacetone, diacetone alcohol, acetophenone, γ-butyrolactone, ethyl ether, iso-propi Ether, n-butyl ether, n-hexyl ether, 2-ethylhexyl ether, ethylene oxide, 1,2-propylene oxide, dioxolane, 4-methyldioxolane, dioxane, dimethyldioxane, ethylene glycol diethyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, ethylene glycol Dibutyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol mono-n-butyl ether, diethylene glycol di-n-butyl ether, diethylene glycol mono-n-hexyl ether, ethoxytriglycol, tetraethylene glycol di-n-butyl ether , Dipropylene glycol monomethyl Ether solvents such as ether, dipropylene glycol monoethyl ether, tripropylene glycol monomethyl ether, tetrahydrofuran, 2-methyltetrahydrofuran, methyl acetate, ethyl acetate, n-propyl acetate, i-propyl acetate, n-butyl acetate, i-acetate -Butyl, sec-butyl acetate, n-pentyl acetate, sec-pentyl acetate, 3-methoxybutyl acetate, methyl pentyl acetate, 2-ethylbutyl acetate, 2-ethylhexyl acetate, benzyl acetate, cyclohexyl acetate, methylcyclohexyl acetate, nonyl acetate , Γ-butyrolactone, γ-valerolactone, methyl acetoacetate, ethyl acetoacetate, diethylene glycol monomethyl ether acetate, diethylene glycol monoethyl ether acetate, diethylene glycol acetate Non-n-butyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether acetate, dipropylene glycol monoethyl ether acetate, glycol diacetate, methoxytriglycol acetate, ethyl propionate, n-butyl propionate, i-amyl propionate, diethyl oxalate, Esters such as di-n-butyl oxalate, methyl lactate, ethyl lactate, n-butyl lactate, n-amyl lactate, acetonitrile, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethyl A solvent such as sulfoxide can be exemplified. These may be used alone or in combination of two or more with the first solvent and the second solvent.
[0041]
The amount of the solvent (that is, the component (b)) is preferably such that the amount of the component (a) (siloxane resin) is 3 to 25% by mass. When the amount of the solvent is too small and the concentration of the component (a) exceeds 25% by mass, the film formability of the silica-based film is deteriorated and the stability of the composition itself tends to be lowered. On the other hand, when the amount of the solvent is excessive and the concentration of the component (a) is less than 3% by mass, it tends to be difficult to form a silica-based film having a desired film thickness.
[0042]
<(C) component>
The component (c) has a side chain containing a hydroxyl group, and the concentration M of the hydroxyl group in the side chainOH(Mol / g) is the following formula (2);
0 <MOH<0.4 × 10-2  ... (2),
It is a polymer satisfying the relationship represented by
[0043]
Concentration M of this hydroxyl groupOHIs 0 (zero) mol / g, that is, when a hydroxyl group is not contained in the side chain, when the solvent is removed from the composition by volatilization or the like, the component (a) siloxane resin and the polymer are in phase. There is a risk of separation. In this case, the pore diameter of the finally obtained silica-based coating film becomes excessively large, the diameter distribution is widened, and the uniformity of the fine pores tends to be deteriorated, and the mechanical strength may be lowered. Meanwhile, hydroxyl group concentration MOH0.4 × 10-2When it exceeds mol / g, the polymer is difficult to be decomposed or volatilized during heating, and there is a disadvantage that a high temperature or a long time is required for the heat treatment.
[0044]
Here, the hydroxyl group concentration MOH(Mol / g) can be calculated | required from the preparation amount of a polymer, for example, following formula (5);
MOH= (Ma × Mb / Mb) / Mh × 100 (5)
It can be calculated using the relationship represented by In the formula, Ma represents the molar ratio of the minimum repeating unit containing a hydroxyl group, Mb represents the molecular weight of the hydroxyl group (OH group), and Mh represents the average molecular weight of the polymer.
[0045]
Further, the polymer as the component (c) preferably has a reduction rate in a nitrogen gas atmosphere at a temperature of 300 to 500 ° C. of 95% by mass or more, more preferably 97% by mass or more, and still more preferably 99% by mass. % Or more. When the reduction rate is less than 95% by mass, the polymer tends to be insufficiently decomposed or volatilized when the composition is heated, and the polymer or polymer is finally contained in the silica-based film finally obtained. There is a risk that a reaction product derived from a part of the polymer or from the polymer may remain. In this case, the electrical characteristics of the silica-based film may be deteriorated such as an increase in relative dielectric constant.
[0046]
In addition, the “decrease rate” of the polymer (c) in the present invention is a value determined by the following apparatus and conditions.
-Equipment used: TG / DTA6300 (manufactured by Seiko Instruments Inc.)
-Temperature rise start temperature: 50 ° C
・ Temperature increase rate: 10 ℃ / min
-Sample amount: 10mg
・ Atmosphere: Nitrogen (N2) Gas 200ml / min
Reference: α-Alumina (Seiko Instruments)
・ Sample container: Open sample pan φ5 aluminum (manufactured by Seiko Instruments Inc.)
[0047]
In addition, the reference | standard mass before the decomposition | disassembly start of (c) polymer shall be the mass in 150 degreeC which is in the middle of temperature rising. This is because the decrease in mass at 150 ° C. or less is due to the removal of adsorbed moisture and the like, and it is estimated that the polymer itself as the component (c) is not substantially decomposed. In addition, in the measurement of the “decrease rate”, when the polymer as the component (c) cannot be directly weighed because the polymer is dissolved in the solution, the solution containing the polymer For example, a residue obtained by taking about 2 g in a metal petri dish and drying at 150 ° C. for 3 hours in air at normal pressure is used as a sample.
[0048]
Furthermore, the polymer as the component (c) has a mass average molecular weight measured by GPC and converted using a standard polystyrene calibration curve from the viewpoint of compatibility with the siloxane resin as the component (a). 500 to 100,000, and more preferably 1,000 to 50,000. When the mass average molecular weight is less than 500, the film formability of the silica-based film tends to be inferior. On the other hand, when the mass average molecular weight exceeds 100,000, the compatibility with the siloxane resin tends to decrease.
[0049]
Specific examples of the compound (monomer component) having a hydroxyl group constituting the polymer of component (c) include acrylic acid, 2-hydroxyethyl acrylate, diethylene glycol acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, dipropylene. Examples thereof include (meth) acrylic acid derivatives such as glycol acrylate, methacrylic acid, 2-hydroxyethyl methacrylate, diethylene glycol methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, and dipropylene glycol methacrylate, vinyl alcohol, and allyl alcohol.
[0050]
Further, the polymer of component (c) has a hydroxyl group concentration M in the side chain.OHFor the purpose of adjusting, a compound having no hydroxyl group may be included as a constituent component. Examples of such compounds having no hydroxyl group include vinyl ether compounds, vinyl compounds having a polyethylene oxide structure, vinyl compounds having a polypropylene oxide structure, vinyl pyridine compounds, styrene compounds, and alkyl ester vinyl compounds. Examples thereof include compounds and (meth) acrylate acid compounds. Among these, a compound having an ester bond is preferable, and a (meth) acrylate acid compound ((meth) acrylate acid derivative) is particularly preferable from the viewpoint of excellent decomposition characteristics or volatilization characteristics of the polymer.
[0051]
Examples of the (meth) acrylate acid derivatives include acrylic acid esters, methacrylic acid alkyl esters, acrylic acid alkyl esters, acrylic acid alkoxyalkyl esters, methacrylic acid alkyl esters, and methacrylic acid alkoxyalkyl esters.
[0052]
In addition, as alkyl acrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, isobutyl acrylate, pentyl acrylate, hexyl acrylate, etc. Alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, isopropyl methacrylate, n-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate, pentyl methacrylate, hexyl methacrylate, and the like. Examples thereof include alkyl esters having 1 to 6 carbon atoms.
[0053]
Further, examples of the alkoxyalkyl acrylate ester include methoxymethyl acrylate and ethoxyethyl acrylate, and examples of the methacrylic acid alkoxyalkyl ester include methoxymethyl methacrylate and ethoxyethyl methacrylate.
[0054]
In addition, it is desirable that the composition for forming a silica-based film of the present invention does not contain an alkali metal or an alkaline earth metal, and even when it is contained, the metal ion concentration in the composition is preferably 100 ppb or less, and 20 ppb The following is more preferable. When the concentration of these metal ions exceeds 100 ppb, the metal ions are liable to flow into a semiconductor element having a silica-based film obtained from the composition, which may adversely affect the device performance itself. Therefore, it is effective to remove alkali metal or alkaline earth metal from the composition using an ion exchange filter or the like as necessary.
[0055]
Such a composition for forming a silica-based film is applied onto a substrate such as a wafer as described later, and then cured by heating and baking, whereby a silica-based film (Low-k) that exhibits a low dielectric constant. Film) is formed. At this time, since the solvent containing the first solvent component and the second solvent component is used as the solvent of the component (b), the mechanical strength of the silica-based coating can be sufficiently increased and the film thickness uniformity can be improved. Can be made.
[0056]
In addition, since the hydroxyl group is contained in the side chain of the polymer as the essential component (c), when the solvent of the component (b) is removed by volatilization or the like, the siloxane resin of the component (a) and the above Phase separation from the polymer is prevented, and the pores formed inside the membrane are made finer and the shape is made uniform. Therefore, it is possible to further suppress the decrease in mechanical strength of the finally obtained silica-based coating.
[0057]
Furthermore, when the total number of bonded atoms in the siloxane resin is 0.65 or less, a sufficient mechanical strength can be realized, and sufficient adhesiveness with other films (layers) can be secured. Therefore, it is possible to prevent the occurrence of interfacial peeling in the process of CMP (Chemical Mechanical Polish) on a wiring metal such as Cu deposited on the silica-based film.
[0058]
Furthermore, since the concentration of the hydroxyl group in the side chain of the polymer as the component (c) is not more than the above-described upper limit value, the decomposition of the component (c) is suppressed during heating and the volatilization thereof is promoted. Therefore, the composition can be cured at a low temperature or in a short time as compared with the prior art without excessively high temperature. As a result, the amount of heat input to the substrate can be remarkably reduced, the deterioration of the characteristics of other films (layers) and, in turn, the device can be suppressed, and the throughput can be improved by shortening the process time.
[0059]
A method for forming a silica-based film on a substrate using such a composition for forming a silica-based film according to the present invention will be described with reference to a spin coating method that is generally excellent in film formability and film uniformity of a silica-based film. To do. First, the composition for forming a silica-based film is spin-coated on a substrate such as a silicon wafer, preferably at 500 to 5000 rotations / minute, more preferably 1000 to 3000 rotations / minute, to form a film. At this time, if the rotational speed is less than 500 revolutions / minute, the film uniformity tends to be deteriorated. On the other hand, if it exceeds 5000 revolutions / minute, the film formability may be deteriorated.
[0060]
Next, the solvent in the coating is dried on a hot plate or the like preferably at 50 to 350 ° C., more preferably at 100 to 250 ° C. If this drying temperature is less than 50 ° C., the solvent tends not to be sufficiently dried. On the other hand, when the drying temperature exceeds 350 ° C., the polymer for porous formation (component (c)) is thermally decomposed before the siloxane skeleton is formed in the coating, and the volatilization amount is undesirably increased. It may be difficult to obtain a silica-based film having desired mechanical strength and low dielectric properties.
[0061]
Next, the film from which the solvent has been removed is baked at a heating temperature of 250 to 500 ° C. to perform final curing. Final cure is N2, Ar, and He are preferably performed in an inert atmosphere. In this case, the oxygen concentration is preferably 1000 ppm or less. When this heating temperature is less than 250 ° C., sufficient curing tends not to be achieved, and decomposition and volatilization of component (c) tend not to be promoted sufficiently. On the other hand, when the heating temperature exceeds 500 ° C., when there is a metal wiring layer, the amount of heat input may increase and the wiring metal may be deteriorated.
[0062]
The heating time at this time is preferably 2 to 60 minutes, more preferably 2 to 30 minutes. If this heating time exceeds 60 minutes, the amount of heat input may increase excessively and the wiring metal may deteriorate. Furthermore, it is preferable to use a heat treatment apparatus such as a quartz tube furnace or other furnace, a hot plate, or rapid thermal annealing (RTA) as the heating apparatus.
[0063]
Further, the thickness of the silica-based film formed in this manner is preferably 0.01 to 40 μm, and more preferably 0.1 μm to 2.0 μm. When such a film thickness exceeds 40 μm, cracks are likely to occur due to stress, while when it is less than 0.01 μm, when metal wiring layers exist above and below the silica-based coating, the leakage characteristics between the upper and lower wirings are reduced. There is a tendency to get worse.
[0064]
Examples of the electronic component of the present invention having such a silica-based coating include devices having an insulating film such as a semiconductor element and a multilayer wiring board. Specifically, in a semiconductor element, it can be used as a surface protective film (passivation film), a buffer coat film, an interlayer insulating film, and the like. On the other hand, in a multilayer wiring board, it can be suitably used as an interlayer insulating film.
[0065]
More specifically, as semiconductor elements, individual semiconductors such as diodes, transistors, compound semiconductors, thermistors, varistors, thyristors, DRAM (Dynamic Random Access Memory), SRAM (Static Random Access Memory), EPROM (Eraseable Programmable Read Only Memory), Mask ROM (Mask Read Only Memory), EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read Only Memory), Flash Memory and Other Memory Elements, Microprocessor, DSP , Theoretical circuit elements such as ASIC, integrated circuit elements such as compound semiconductors represented by MMIC (monolithic microwave integrated circuit), hybrid integrated circuits (hybrid IC), light emission Diode, etc. The photoelectric conversion element such as a charge coupled device and the like. Examples of the multilayer wiring board include a high-density wiring board such as MCM.
[0066]
By providing the silica-based coating of the present invention that exhibits a low dielectric constant, such an electronic component can achieve high performance such as a reduction in signal propagation delay time and at the same time can achieve high reliability.
[0067]
【Example】
Specific examples according to the present invention will be described below, but the present invention is not limited thereto.
[0068]
<Synthesis Example 1>
A polymer as component (c) was synthesized by the following procedure. First, 300 g of propylene glycol monomethyl ether acetate (PGMEA) is charged in a 1000 ml flask, and 95 g of methyl methacrylate and 5 g of 2-hydroxyethyl methacrylate in which 2.0 g of azobisisobutyronitrile (AIBN) is dissolved in a 200 ml dropping funnel. Then, the system was replaced with nitrogen gas, and then the solution in the dropping funnel was dropped into the flask over 2 hours while stirring and heating in an oil bath at 130 ° C. in a nitrogen gas atmosphere.
[0069]
Next, after stirring for 30 minutes, 97.8 g of PGMEA in which 0.2 g of AIBN was dissolved was charged in the dropping funnel and dropped into the flask over 1 hour. After the dropping, the mixture was further stirred for 2 hours and returned to room temperature to obtain a polymer solution.
[0070]
From these charges, the hydroxyl group concentration M of the side chain calculated using the above formula (5).OHIs 0.038 × 10-2mol / g. Moreover, it was 9,950 when the mass mean molecular weight was measured by GPC method. Furthermore, the polymer concentration obtained by weighing 2 g of the polymer solution in a metal petri dish and drying for 3 hours with a dryer at 150 ° C. was 16.7% by mass. Furthermore, the mass reduction rate at 500 ° C. measured using the obtained polymer dried product was 99%.
[0071]
<Example 1>
65.8 g of water in which 0.92 g of 70% nitric acid was dissolved in a solution in which 132.3 g of tetraethoxysilane and 65.1 g of methyltriethoxysilane were dissolved in 335.94 g of propylene glycol monopropyl ether (PGP). The solution was added dropwise over 30 minutes under stirring. After completion of dropping, the reaction was allowed to proceed for 5 hours to obtain a polysiloxane solution. To this solution, 229.6 g of the polymer solution obtained in Synthesis Example 1 was added, and the ethanol produced was distilled off in a warm bath under reduced pressure, so that the mass content ratio of PGMEA and PGP (ratio of PGMEA: PGP) was 36. 630 g of the composition for forming a silica-based film of the present invention consisting of a polysiloxane / polymer solution having a ratio of 64.
[0072]
<Synthesis Example 2>
A polymer as component (c) was synthesized by the following procedure. First, 300 g of PGP was charged into a 1000 ml flask, 45 g of methyl methacrylate and 55 g of 2-hydroxyethyl methacrylate in which 1.7 g of AIBN was dissolved were charged into a 200 ml dropping funnel, and the system was replaced with nitrogen gas. The solution in the dropping funnel was dropped into the flask over 2 hours while heating and stirring in an oil bath at 130 ° C. in an atmosphere. Next, after stirring for 30 minutes, 97.8 g of PGP in which 0.17 g of AIBN was dissolved was charged into the dropping funnel and dropped into the flask over 1 hour. After the dropping, the mixture was further stirred for 2 hours and returned to room temperature to obtain a polymer solution.
[0073]
From these charges, the hydroxyl group concentration M of the side chain calculated using the above formula (5).OHWas 0.48 mol / g. Moreover, it was 10,700 when the mass mean molecular weight was measured by GPC method. Furthermore, the polymer concentration obtained by weighing 2 g of the polymer solution in a metal petri dish and drying it for 3 hours with a dryer at 150 ° C. was 15.0% by mass. Furthermore, the mass reduction rate at 500 ° C. measured using the obtained polymer dried product was 95%.
[0074]
<Comparative example 1>
To the polysiloxane solution prepared in the same manner as in Example 1, 255.6 g of the polymer solution obtained in Synthesis Example 2 was added, and the ethanol produced was distilled off in a warm bath under reduced pressure to 650 g of polysiloxane / polymer. A silica-based film forming composition comprising a solution was prepared.
[0075]
<Manufacture of interlayer insulation film>
Each of the silica-based film forming compositions obtained in Example 1 and Comparative Example 1 was spin-coated on a silicon wafer at a rotational speed of 1500 rpm / 30 seconds to form a film. After spin coating, the solvent in the coating is removed over 150 ° C./1 minute + 250 ° C./1 minute.2The film was finally cured at 400 ° C./30 minutes in a quartz tube furnace whose concentration was controlled at around 100 ppm to produce a silica-based film as an interlayer insulating film.
[0076]
<Evaluation of interlayer insulating film>
The film thickness, electrical characteristics, and film strength were evaluated for each obtained interlayer insulating film by the following method.
[0077]
[Film thickness measurement]
The thickness of each interlayer insulating film was measured with a spectroscopic ellipsometer (manufactured by Gartner; ellipsometer L116B, wavelength used: 633 nm). Specifically, He—Ne laser light was irradiated on the interlayer insulating film, and the film thickness obtained from the phase difference generated by irradiation at a specified wavelength was measured.
[0078]
[Specific permittivity measurement]
The “relative dielectric constant” of the film in the present invention is a value measured in an atmosphere of 23 ° C. ± 2 ° C. and humidity of 40% ± 10%, and between Al metal and N-type low resistivity substrate (Si wafer). This was done by measuring the charge capacity. Specifically, Al metal was vacuum-deposited on the obtained interlayer insulating film in a circle having a diameter of 2 mm so as to have a thickness of about 0.1 μm using a vacuum deposition apparatus. Thereby, a structure in which the insulating film is disposed between the Al metal and the low resistivity substrate is formed. Next, the charge capacity of this structure is measured using a device in which a dielectric test fixture (Yokogawa Electric: HP16451B) is connected to an LF impedance analyzer (Yokogawa Electric: HP4192A) at a use frequency of 1 MHz. It was measured.
[0079]
And the measured value of the charge capacity is expressed by the following formula (6);
Dielectric constant of interlayer insulating film = 3.597 × 10-2× charge capacity (pF) × film thickness (μm) (6),
And the relative dielectric constant of the interlayer insulating film was calculated.
[0080]
(Elastic modulus measurement)
The elastic modulus indicating the film strength was measured for each interlayer insulating film using a nanoindenter DCM manufactured by MTS.
[0081]
The above measurement results are summarized in Table 1.
[0082]
[Table 1]
Figure 0004110796
[0083]
【The invention's effect】
As described above, according to the composition for forming a silica-based film and the method for producing a silica-based film of the present invention, it is excellent in low dielectric property, has sufficient mechanical strength, and has a uniform film thickness. An excellent silica-based film can be produced. In addition, it can be cured at a lower temperature and / or in a shorter time than conventional. Thereby, it is possible to form a silica-based film suitable as an interlayer insulating film and the like, and it is possible to reduce the amount of heat input to the substrate and improve the heat history. Therefore, it is possible to suppress the deterioration of each layer constituting the electronic component such as an element, particularly the wiring layer. Moreover, since the electronic component according to the present invention has such a silica-based film, it is possible to improve the electrical reliability of the entire device, and to improve the yield of product production and the process margin. Moreover, due to the excellent characteristics of the silica-based coating, it is possible to provide an electronic component having high density, high quality, and excellent reliability.

Claims (13)

(a)成分:下記式(1);
SiX4−n …(1)、
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい)、
で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂と、
(b)成分:アルキレングリコールアルキルエーテルアルキルエステル又はアルキレングリコールアルキルエーテルアセテートから成る第1の溶媒成分、及び、アルキレングリコールモノアルキルエーテルから成る第2の溶媒成分を含む溶媒と、
(c)成分:少なくとも側鎖中にヒドロキシル基を含む重合体と、
を備えており、
前記重合体が、下記式(2);
0<MOH<0.4×10−2 …(2)、
OH:当該重合体における前記ヒドロキシル基の濃度(mol/g)、
で表される関係を満たすものであり、
前記(c)成分は、温度500℃の窒素ガス雰囲気における減少率が97質量%以上のものである、シリカ系被膜形成用組成物。
(A) component: following formula (1);
R 1 n SiX 4-n (1),
(In the formula, R 1 represents an H atom or F atom, or a group containing a B atom, an N atom, an Al atom, a P atom, a Si atom, a Ge atom, or a Ti atom, or an organic group having 1 to 20 carbon atoms. , X represents a hydrolyzable group, n represents an integer of 0 to 2, when n is 2, each R 1 may be the same or different, and when n is 0 to 2, each X is the same But it can be different)
A siloxane resin obtained by hydrolytic condensation of a compound represented by:
(B) component: a solvent comprising a first solvent component comprising an alkylene glycol alkyl ether alkyl ester or an alkylene glycol alkyl ether acetate, and a second solvent component comprising an alkylene glycol monoalkyl ether;
(C) component: a polymer containing at least a hydroxyl group in a side chain;
With
The polymer is represented by the following formula (2):
0 <M OH <0.4 × 10 -2 ... (2),
M OH : concentration of the hydroxyl group in the polymer (mol / g),
In all SANYO satisfy the relation represented,
The component (c) is a composition for forming a silica-based film , wherein the reduction rate in a nitrogen gas atmosphere at a temperature of 500 ° C. is 97% by mass or more .
前記(a)成分は、Si原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合が0.65モル以下のものである、請求項1記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The component (a) is at least selected from the group consisting of H atom, F atom, B atom, N atom, Al atom, P atom, Si atom, Ge atom, Ti atom, and C atom with respect to 1 mol of Si atom. The composition for forming a silica-based film according to claim 1, wherein the total content of one kind of atoms is 0.65 mol or less. 前記(b)成分は、前記第1の溶媒成分と前記第2の溶媒との質量含有割合が1:99〜60:40のものである、請求項1又は2に記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The component (b) is for forming a silica-based film according to claim 1 or 2, wherein the mass content ratio of the first solvent component and the second solvent is from 1:99 to 60:40. Composition. 前記第1の溶媒成分がアルキレングリコールメチルエーテルアセテートである請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 3, wherein the first solvent component is alkylene glycol methyl ether acetate. 前記第1の溶媒成分がプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートである請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 3, wherein the first solvent component is propylene glycol alkyl ether acetate. 前記第1の溶媒成分がプロピレングリコールメチルエーテルアセテートである請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 5, wherein the first solvent component is propylene glycol methyl ether acetate. 前記第2の溶媒成分がプロピレングリコールモノプロピルエーテルである請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。  The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 6, wherein the second solvent component is propylene glycol monopropyl ether. 前記(c)成分は、分子内にエステル結合が含まれるものである請求項1〜のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 7 , wherein the component (c) contains an ester bond in the molecule. 前記(c)成分は、(メタ)アクリル酸誘導体を構成成分として含んであり、且つ、該(メタ)アクリル酸誘導体の含有濃度が0.5×10-2(mol/g)以上のものである、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。Wherein component (c), (meth) Yes include as a component an acrylic acid derivative, and, the (meth) intended concentration of the acrylic acid derivative is 0.5 × 10 -2 (mol / g ) or more The composition for silica-type film formation as described in any one of Claims 1-8 which exists. 前記(c)成分は、質量平均分子量が1,000〜50,000である、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。Wherein component (c), weight average molecular weight of 1,000 to 50,000, silica-based coating film forming composition according to any one of claims 1-9. 硝酸を更に含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 10 , further comprising nitric acid. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布し、塗布された該被膜に含まれる溶媒を除去した後、該被膜を250〜500℃の加熱温度で焼成する、シリカ系被膜の製造方法。The composition for forming a silica-based film according to any one of claims 1 to 11 is applied onto a substrate, the solvent contained in the applied film is removed, and then the film is heated at 250 to 500 ° C. A method for producing a silica-based film, which is fired at a temperature. 素子構造が形成される基体上に絶縁膜が形成された電子部品であって、
前記絶縁膜が、請求項12記載のシリカ系被膜の製造方法により製造されたシリカ系被膜を含むものである、ことを特徴とする電子部品。
An electronic component having an insulating film formed on a substrate on which an element structure is formed,
An electronic component, wherein the insulating film includes a silica-based film produced by the method for producing a silica-based film according to claim 12 .
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