JP4110658B2 - 金銭処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金銭処理装置に関し、特に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の流通店舗の会計場にてPOS(Point of Sales)端末等と接続して使用され、硬貨および紙幣を入出金処理する金銭処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の流通業界では、店舗レジ等で客との現金受け渡し業務にPOS端末と接続された金銭処理装置が使用されている。ここで、金銭処理装置の概略を述べると、投入された紙幣や硬貨を機械的に取り込んで収納し、その入金情報を外部のPOS端末に送信する機能と、外部のPOS端末からの払い出し要求に応じて、収納されている紙幣や硬貨を払い出す機能とを有している。
【0003】
このような金銭処理装置の導入目的は、金銭の払い出しと収納作業とを自動化し、レジを担当するキャッシャの現金取り扱いの負荷を軽減しつつ、精算業務の効率を上げること、および、違算の撲滅である。
【0004】
更に、受け取った金銭は装置内に収められ、釣り銭として必要な金銭のみ払い出されることにより、セキュリティの面からも有利になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来においては、POS端末が金銭の取引情報を管理するようになっていたため、POS端末の取引情報(例えば、一日の売り上げ金額)と、金銭処理装置の内部に収納されている金銭の残高とが一致しない場合には、どのような原因によってそのような事態が発生したかを判断する手だてを有しないという問題点があった。
【0006】
また、金銭処理装置に不具合が発生した場合、その原因が特定できずに復旧に手間取って業務の遅滞を招いたり、または、不具合の発見が遅れて業務に差し支える場合があるという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、更に厳重な金銭管理を可能にするとともに、不具合に対する迅速な対応を行うことを可能とする金銭処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、金銭の入出を管理する金銭処理装置において、外部の通信ネットワークと接続し、前記通信ネットワーク上に接続された複数の端末装置との間で通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記複数の端末装置のいずれかに対して送信すべき複数種の情報を収集する情報収集手段と、前記複数の端末装置のいずれかから送信されてきた情報により、前記情報収集手段によって収集される情報の種類に応じて、前記複数の端末装置のうち前記通信手段を介して通信を行うべき端末装置をあらかじめ設定する設定手段と、前記情報収集手段によって収集された情報を、その種類に応じ、前記通信手段を介して前記設定手段によって設定されている端末装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする金銭処理装置が提供される。
【0009】
ここで、通信手段は、外部の通信ネットワークと接続し、通信ネットワーク上に接続された端末装置との間で通信を行う。設定手段は、通信手段が端末装置との間で通信を行う際に必要な情報を設定する。情報収集手段は、端末装置に対して送信すべき所定の情報を収集する。送信手段は、情報収集手段によって収集された情報を、通信手段を介して端末装置に送信する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0011】
この図において、本発明に係る金銭処理装置1は、客からの支払い金を内部に取り込んでその金額を算出してPOS端末2に通知するとともに、POS端末2において算出された釣り銭額を入力して対応する金銭をその内部から出金する。また、webサーバとして機能することにより、種々の情報をネットワーク4を介して端末装置5,6にホームページ感覚で送受信でき、メール発信機能により、その内容を端末装置5,6およびページャー7に対して送信する。
【0012】
POS端末2は、商品に貼付されているバーコードに記録された金額情報等を光学的に読み込んで買い上げ合計金額を算出するとともに、金銭処理装置1によって算出された客からの支払い金額との差額を計算し、釣り銭額を金銭処理装置1に通知する。
【0013】
警報装置3は、金銭処理装置1の金銭を格納する金銭格納部が無断で開閉された場合には警報を発する。
ネットワーク4は、例えば、インターネットやイーサネット等であり、金銭処理装置1と端末装置5,6およびページャー7とを接続し、これらの間で情報の授受を可能とする。
【0014】
端末装置5,6は、パーソナルコンピュータであり、アプリケーションプログラムであるwebブラウザを起動することにより、金銭処理装置1との間で種々の情報をやり取りすることが可能となる。なお、端末装置5は、イーサネット等の局所的なネットワークによって金銭処理装置1と接続されており、同一店舗内に設置されている。また、端末装置6は、インターネット等のグローバルネットワークによって接続されており、例えば、店舗から離れた場所にある本社ビル内に設置されている。
【0015】
ページャー7は、携帯型の端末装置であり、無線によって授受された文字情報をLCD(Liquid Crystal Display)等に表示させる。
次に、本発明に係る金銭処理装置1の構成について説明する。
【0016】
金銭処理装置1は、CPU1a(Central Processing Unit:設定手段、情報収集手段、送信手段)、ROM(Read Only Memory)1b、RAM(Random Access Memory)1c、タイマ1d、I/F(Interface)1e、通信部1f(通信手段、送信手段)、バス1g、金銭入出管理部1h(情報収集手段)、金銭詰まり検出部1i(情報収集手段)、および、開閉検出部1j(情報収集手段)によって構成されている。
【0017】
CPU1aは、装置の各部を制御するとともに、ROM1bに格納されているプログラムに応じて所定の処理を実行する。
ROM1bは、例えば、フラッシュメモリ等によって構成されており、CPU1aが実行する各種プログラムやデータ等を格納しているとともに、端末装置5,6およびページャー7から送信された各種設定データを格納する。
【0018】
RAM1cは、CPU1aが各種処理を実行する場合に、実行途中のプログラムや演算途中のデータ等を一時的に格納する。
なお、半導体メモリの他に、HDD(Hard Disk Drive)等を具備して、各種データやアプリケーションプログラム等を記録するようにしてもよい。
【0019】
タイマ1dは、日時情報を発生してCPU1aに供給する。
I/F1eは、POS端末2、警報装置3、金銭入出管理部1h、金銭詰まり検出部1i、および、開閉検出部1jと、CPU1aとの間で情報の授受を行う際に、データの形式を適宜変換する。
【0020】
通信部1fは、ネットワーク4を介して端末装置5,6およびページャー7との間で通信を行う際に、所定のプロトコルに基づいてデータの送受信処理を実行する。
【0021】
バス1gは、CPU1a、ROM1b、RAM1c、タイマ1d、I/F1e、および、通信部1fを相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする。
【0022】
金銭入出管理部1hは、機械的動作部と、機械的動作部を管理する管理部とから構成され、機械的動作部は、装置に対して入金された金銭をその金種に応じて仕分けを行って所定の部位に格納するとともに、釣り銭の出金が指示された場合にはその額に対応する金銭を繰り出して出力する。管理部は、機械的動作部が確実に動作するように管理するとともに、入出金が行われた場合にはその金額をカウントして出力する。
【0023】
金銭詰まり検出部1iは、金銭入出管理部1hの機械的動作部において金銭詰まりが発生した場合には、これを検知して所定の信号を出力する。
開閉検出部1jは、金銭が格納されている金銭格納部が開閉された場合には、これを検出して所定の信号を出力する。
【0024】
次に、以上の実施の形態の動作について説明する。
先ず、金銭処理装置1をネットワーク4に対して新たに接続する場合の処理について説明する。
【0025】
金銭処理装置1がネットワーク4に対して新たに接続された場合には、設定処理を行う必要がある。その場合には、例えば、同一店舗内にある端末装置5の所定のアプリケーションプログラムを起動して店舗内のローカルネットワークにログオンし、金銭処理装置1のIP(Internet Protocol)アドレスを指定することにより、各種情報を設定することができる。
【0026】
図2は、金銭処理装置1の設置状況等に関する設定を行うための設定画面の一例を示す図である。この図では、「機器情報設定」と題されたウィンドウ10が表示されている。ウィンドウ10の右上に表示されている3つのボタン11〜13は、それぞれ、ウィンドウ10を縮小、拡大、または、終了する場合に操作される。
【0027】
テキストボックス14には、金銭処理装置1の機器の名称が入力される。この例では、機器の名称として「EOS−1205」が入力されている。なお、ボタン14aを操作することにより、予め入力されているリストの中から所定の機器名を選択することもできる。
【0028】
テキストボックス15には、金銭処理装置1の機番(例えば、シリアル番号)が入力される。この例では、機番として「TD82569」が入力されている。テキストボックス16には、店舗名称が入力されており、金銭処理装置1が設置されている店舗の名称が入力される。この例では、店舗名称として「○×商事八王子支店」が入力されている。
【0029】
テキストボックス17には、金銭処理装置1が設置されているレジNo.が入力される。この例では、レジNo.として「11」が入力されている。
最下部に表示されている設定ボタン18は、入力された内容で設定を行う場合に操作され、一方、クリアボタン19は、入力内容をクリアして再度入力を行う場合に操作される。
【0030】
このような画面において、必要な情報が入力されて設定ボタン18が操作されると、入力された情報は、ネットワーク4を介して金銭処理装置1に通知される。
【0031】
金銭処理装置1は、通知された情報を通信部1fを介して取得し、ROM1bの所定の領域に格納する。その結果、金銭処理装置1は、端末装置5,6およびページャー7との間で情報を授受する際には、この情報を参照することにより、自己の設置状況等を認知することができる。
【0032】
図3は、金銭処理装置1が端末装置5,6およびページャー7と通信を行う場合に必要な情報を設定する設定画面の一例である。
この例では、「管理者情報設定」と題されたウィンドウ20が表示されている。ウィンドウ20の右上に表示されている3つのボタン21〜23は、それぞれ、ウィンドウ20を縮小、拡大、または、終了する場合に操作される。
【0033】
テキストボックス24には、金銭処理装置1のIPアドレスが入力される。この例では、「120.010.121.000」が入力されている。
テキストボックス25には、金銭処理装置1のサブネットマスクが入力される。ここで、サブネットマスクとは、IPアドレスのうち、ネットワークに接続された端末に割り当てられるべきアドレス部分をネットワークに割り当てて管理することがあるが、その際、特定のネットワークのアドレスを導き出す時に用いる数字列(マスク値という)をいう。この例では、「125.011.141.121」が入力されている。
【0034】
テキストボックス26には、金銭処理装置1が外部にアクセスする場合のデフォルトゲートウェイのIPアドレスが入力される。この例では、「250.121.141.151」が入力されている。
【0035】
テキストボックス27には、金銭処理装置1のドメイン名が入力される。この例では、「abc.ne.jp」が入力されている。
テキストボックス28には、金銭処理装置1が端末装置5,6およびページャー7に対して電子メールを送信する場合のSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバのアドレスが入力される。この例では、「mail.aa2.abc.ne.jp」が入力されている。
【0036】
テキストボックス29には、金銭処理装置1の管理者の氏名が入力される。なお、管理者とは、金銭処理装置1を管理する権限を有している者をいい、本人だけが知っているパスワードを入力することにより、各種情報を参照したり、設定を変更することが可能である。なお、この例では、管理者の氏名としては、「倉田 隆史」が入力されている。
【0037】
テキストボックス30には、管理者の所属部署が入力される。この例では、管理者の所属部署としては、「○×商事システム管理部」が入力されている。
テキストボックス31には、管理者のメールアドレスが入力される。この例では、管理者のメールアドレスとして「kurata@aa2.abc.ne.jp」が入力されている。
【0038】
テキストボックス32には、管理者のユーザ名が入力される。この例では、管理者のユーザ名として「takashi kurata」が入力されている。
テキストボックス33には、管理者用のパスワードが入力される。このパスワードにより、金銭処理装置1はアクセスしてきたユーザが管理者であるか否かの認証を行う。この例では、管理者用パスワードとして「1414hxab」が入力されている。
【0039】
テキストボックス34には、通知者の氏名が入力される。ここで、通知者とは、金銭処理装置1において不具合が発生した場合等に、その旨を通知する対象者を示す。この例では、通知者の氏名として「武田 孝夫」が入力されている。
【0040】
テキストボックス35には、通知者の電子メールアドレスが入力される。この例では、通知者の電子メールアドレスとして「takeda@aa2.abc.ne.jp」が入力されている。
【0041】
テキストボックス36には、金銭処理装置1の金銭を格納している金銭格納部が無断で開閉された場合に警報装置3を作動させるか否かを示す情報が入力される。この例では、警報装置3を「作動」させることが選択されている。
【0042】
ウィンドウ20の最下部に表示されている設定ボタン37は、入力された内容で設定を行う場合に操作され、一方、クリアボタン38は、入力内容をクリアして再度入力を行う場合に操作される。
【0043】
このような画面において、必要な情報が入力されて設定ボタン37が操作されると、入力された情報は、ネットワーク4を介して金銭処理装置1に通知される。
【0044】
金銭処理装置1は、通知された情報を通信部1fを介して取得し、ROM1bの所定の領域に格納する。その結果、金銭処理装置1は、端末装置5,6およびページャー7との間で情報を授受しようとする場合には、この情報を参照することにより、適正に情報を授受することが可能となる。
【0045】
次に、図4〜6を参照して、図1に示す実施の形態において実行される処理の一例について説明する。このフローチャートは、例えば、金銭処理装置1の電源が投入された場合に実行される。このフローチャートが開始されると、以下の処理が実行されることになる。
[S1]CPU1aは、金銭入出管理部1hに対して釣り銭が入金されたか否かを判定し、釣り銭が入金された場合にはステップS2に進み、それ以外の場合にはステップS4に進む。
【0046】
なお、釣り銭とは、金銭処理装置1に対して釣り銭を補充する目的で入金される金銭をいい、これは売り上げとは直接関係ないので別途記録される。
[S2]金銭入出管理部1hは、入金された釣り銭の金額を算出する。
[S3]CPU1aは、I/F1eを介して釣り銭の入金額を金銭入出管理部1hから取得し、RAM1cの所定の領域に格納する。
[S4]CPU1aは、POS端末2から、売り上げ金に関する処理を実行する旨の指令があった場合にはステップS5に進み、それ以外の場合にはステップS6に進む。
[S5]CPU1aは、支払い金を入金して釣り銭を出金する「入出金処理」を実行する。なお、この処理の詳細は、図5を参照して後述する。
[S6]CPU1aは、金銭詰まり検出部1iからの情報を参照して、金銭詰まりが発生したか否かを判定し、金銭詰まりが発生した場合にはステップS7に進み、それ以外の場合にはステップS8に進む。
[S7]CPU1aは、通知者に対して、金銭詰まりが発生した旨を電子メールによって通知する。
【0047】
図7は、このときに送信される電子メールを端末装置5,6およびページャー7において受信して表示した場合の表示例である。この例では、メール表示用のウィンドウ40が表示され、その上部には、このウィンドウ40を縮小、拡大、終了する場合に操作されるボタン41〜43が表示されている。また、領域44には、差出人、日時、宛先、件名等の情報が表示されている。この例では、差出人としては、金銭処理装置1の機番である「TD82569」が、日時としてはこの電子メールが送信された日時である「1999年2月18日12時25分」が、宛先としては通知者のメールアドレスである「takeda@aa2.abc.ne.jp」が、件名としては不具合が発生したことを示す「不具合発生」が表示されている。
【0048】
また、領域45には、不具合の内容を示すメッセージが表示されており、この例では、「○×商事八王子支店に設置されている、レジNo.11の金銭処理装置において、紙幣がつまるという不具合が発生しました。」というメッセージが表示されている。
【0049】
なお、このような電子メールを送信する方法としては、金銭処理装置1のRAM1c等にテンプレートとなる文書を準備しておき、このテンプレートの所定の部分に必要な情報を埋め込み、図3に示す通知者のメールアドレスに宛てて送信することにより可能となる。
[S8]CPU1aは、開閉検出部1jからの情報を参照して、金銭格納部が開閉されたか否かを判定し、開閉された場合にはステップS9に進み、それ以外の場合にはステップS10に進む。
[S9]CPU1aは、金銭格納部が開閉された場合の処理である「開閉時処理」を実行する。なお、この処理の詳細は、図6を参照して後述する。
[S10]CPU1aは、タイマ1dによって発生される日時情報から現在の時刻を抽出し、所定の時刻(例えば、閉店時刻である19時00分)になった場合にはステップS11に進み、それ以外の場合にはステップS13に進む。
[S11]CPU1aは、RAM1cに格納されている情報を参照して、その日の収支額(金銭の積算入出額)を算出する。
[S12]CPU1aは、ステップS11において算出された収支額を、通信部1fを介して端末装置5,6およびページャー7に対して通知する。
【0050】
図8は、このときに送信される電子メールを端末装置5,6およびページャー7において受信して表示した場合の表示例である。この例では、メール表示用のウィンドウ50が表示され、その上部には、このウィンドウ50を縮小、拡大、終了する場合に操作されるボタン51〜53が表示されている。また、領域54には、差出人、日時、宛先、件名等の情報が表示されている。この例では、差出人としては、金銭処理装置1の機番である「TD82569」が、日時としてはこの電子メールが送信された日時である「1999年2月18日19時00分」が、宛先としては通知者のメールアドレスである「takeda@aa2.abc.ne.jp」が、件名としては「収支報告」が表示されている。
【0051】
また、領域55には、このメッセージが収支報告であることを示す旨が表示されており、この例では、「○×商事八王子支店に設置されているレジNo.11の金銭処理装置の本日の収支は、以下の通りです。」というメッセージに続いて、その日の入金合計額である「¥198,500」が表示されている。なお、その右隣り表示されている(釣り銭:¥30,000)は、釣り銭として入金された金銭の合計を示している。その次には、その日の出金合計額である「¥58,500」が表示されている。更に、その次には、その日の残金(金銭処理装置1の金銭格納部に格納されている金銭の額)が表示されている。なお、その右隣りに表示されている「(異常なし)」は、金銭格納部が無断で開閉されたり、金銭詰まりが発生しなかったことを示している。
【0052】
なお、このような電子メールを送信する方法としては、前述の図7の場合と同様の処理によって実現することができる。
[S13]CPU1aは、電源が遮断される等により、処理を終了するか否かを判定し、処理を終了しない場合にはステップS1に戻って同様の処理を繰り返し、それ外の場合には処理を終了する(エンド)。
【0053】
なお、図1の実施の形態においては、ネットワーク4に1台の金銭処理装置1が接続されている例を示したが、例えば、複数の店舗のそれぞれに複数の金銭処理装置が配置されており、これら全てがネットワーク4に接続されている場合には、端末装置5,6およびページャー7には、複数の金銭処理装置からの情報が通知されることになる。
【0054】
その場合、例えば、図9に示すように、各金銭処理装置からの情報を一覧表示するようにしてもよい。
この図の例では、「収支表」と題されたウィンドウ60が表示されており、その上部には、このウィンドウ60を縮小、拡大、終了する場合にそれぞれ操作されるボタン61〜63が表示されている。
【0055】
領域64の上部には、「対象:○×商事八王子支店」という表示がなされており、この収支表が○×商事八王子支店に関するものであることが示されている。
また、領域64には、○×商事八王子支店の各レジ毎の収支が表示されており、この例では、レジNo.1〜レジNo.3に対応する金銭処理装置の収支が表示されている。なお、領域64の右側に表示されているスライダ65またはボタン66,67を適宜操作することにより、表示内容を上下にスクロールさせ、所望の部位の情報を参照することが可能となる。
【0056】
なお、このような表示を行うためには、各金銭処理装置から送信されてきた電子メール等から必要な情報を端末装置5,6およびページャー7が抽出し、レジNo.が昇順になるように情報をソートして表示することにより可能となる。
【0057】
次に、図5を参照して図4に示す「入出金処理」の詳細について説明する。このフローチャートが開始されると、以下の処理が実行される。
[S20]CPU1aは、金銭入出管理部1hの管理部に制御信号を送ることにより、機械的動作部から支払い金を入金させる。
【0058】
その結果、客から渡された支払い金は、金銭入出管理部1hの機械的動作部によって装置の内部に取り込まれる。
[S21]金銭入出管理部1hは、入金された金銭の合計金額(以下、入金額)を算出する。
[S22]金銭入出管理部1hは、入金額を、CPU1aに通知する。CPU1aは、I/F1eを介して入金額をPOS端末2に通知する。
【0059】
その結果、POS端末2は、入金額と買い上げ合計金額の差分を計算することにより、釣り銭の金額(以下、釣り銭額)を算出する。
[S23]CPU1aは、I/F1eを介してPOS2から釣り銭額を入力する。
[S24]CPU1aは、金銭入出管理部1hに対して所定の制御信号を送り、機械的動作部を駆動させて釣り銭額に対応する金銭を出金させる。そしてもとの処理に復帰する(リターン)。
【0060】
以上の処理により、POS端末2から指令が発せられた場合には、客から渡された金銭を入金してその金額を算出してPOS端末2に通知するとともに、その結果POS端末2から通知される釣り銭額に対応する金銭を金銭格納部から繰り出して出金することが可能となる。
【0061】
次に、図6を参照して、図4に示す「開閉時処理」の詳細について説明する。このフローチャートが開始されると、以下の処理が実行される。
[S30]CPU1aは、警戒状態が解除されたているか否かを判定し、警戒状態が解除されている場合にはもとの処理に復帰し(リターン)、警戒状態が解除されていない場合にはステップS31に進む。なお、警戒状態とは、金銭格納部の開閉を警戒している状態であり、この状態(警戒状態)において、金銭格納部が開閉された場合には無断の開閉であると判断され、ステップS31に進むことになる。
【0062】
警戒状態の解除は、管理者が店舗内に配置されている端末装置5から、金銭処理装置1のIPアドレスに対してアクセスし、図10に示す表示画面において、パスワードを入力することにより解除することができる。
【0063】
この例では、「警戒解除」と題されたウィンドウ70が表示されており、その上部には、このウィンドウ70を縮小、拡大、終了する場合にそれぞれ操作されるボタン71〜73が表示されている。
【0064】
領域74の上部には、警戒を解除する対象となる金銭処理装置を示す「対象レジNo.11」が表示されており、その下には、警戒状態を解除するためにパスワードの入力が必要であることを示すメッセージ「パスワードを入力して下さい。」が表示されている。
【0065】
その下のテキストボックスには、警戒状態を解除するために必要な、管理者のみが知っているパスワードが入力される。この例では、パスワードとして「TK112002」が入力されている。なお、このパスワードは、図3に示す管理者用パスワードと同一でもよい。
【0066】
パスワードが入力されると、認証処理が金銭処理装置1において実行され、その結果、正規の管理者であることが判明した場合にはその下に示すメッセージ「パスワードが認証されました。レジNo.11の金銭処理装置の警戒状態を解除します。」が表示されるとともに、金銭処理装置1の警戒状態が解除されることになる。
[S31]CPU1aは、図3に示す設定画面において設定された通知者に対して、金銭格納部が無断で開閉されたことを電子メールにより通知する。
【0067】
図11は、このとき送信される電子メールの表示例である。この例では、メール表示用のウィンドウ80が表示され、その上部には、このウィンドウ80を縮小、拡大、終了する場合に操作されるボタン81〜83が表示されている。また、領域84には、差出人、日時、宛先、件名等の情報が表示されている。この例では、差出人としては、金銭処理装置1の機番である「TD82569」が、日時としてはこの電子メールが送信された日時である「1999年2月18日10時50分」が、宛先としては通知者のメールアドレスである「takeda@aa2.abc.ne.jp」が、件名としては「不具合発生」が表示されている。
【0068】
また、領域85には、不具合の内容を示すメッセージが表示されている。この例では、「○×商事八王子支店に設置されているレジNo.11の金銭処理装置が無断で開閉されました。」が表示されている。
【0069】
なお、このような電子メールを送信する方法としては、前述の図7の場合と同様の処理によって実現することができる。
[S32]CPU1aは、警報装置を動作させるように設定されているか否かを判定する。即ち、図3に示す設定画面において、金銭格納部が開閉された場合に警報装置を作動させるか否かを指定するテキストボックス36において「作動」が入力されたか否かを判定し、「作動」が入力された場合にはステップS33に進み、それ以外の場合にはもとの処理に復帰する(リターン)。
[S33]CPU1aは、警報装置3に対して所定の制御信号を送り、警報装置3を動作させる。
【0070】
以上の処理によれば、警戒状態が管理者によって解除されない状態で金銭格納部が開閉された場合には、通知者に対してその旨が通知されるとともに、警報装置3を動作させるように設定されている場合には警報装置が作動することになる。その結果、金銭処理装置のセキュリティを向上させることが可能となる。
【0071】
以上に説明したように、本発明の実施の形態によれば、金銭処理装置1において金銭詰まり等の不具合が発生した場合には、通報者に対して即座に通知することが可能となるので、例えば、通知者として金銭処理装置1のメンテナンス担当者を指定しておけば迅速な対処が可能となり、その結果、業務の遅延を防止することが可能となる。
【0072】
また、ページャー7を通知先として選択することにより、例えば、通知者が遠隔地に居る場合においても、不具合や収支報告を受けることが可能となる。
更に、装置が無断で開閉された場合には、その旨が通知者に対して通知されることになり、また、その記録もログとして保存されることから、盗難の発生を未然に防止することが可能となる。
【0073】
更にまた、複数の金銭処理装置が存在する場合には、これらの稼動状況等を一元的に管理することが可能となるので、システムの管理効率を向上させることが可能となる。
【0074】
また、釣り銭の入金額を別途記録するようにしたので、例えば、キャッシャが釣り銭を入金する場合に誤って予定の金額よりも少なく入力した場合においても、記録情報を参照することによりそれをつきとめることができる。その結果、釣り銭の入金不足によって収支が合わなくなることを防止することが可能となる。
【0075】
なお、以上の実施の形態では、1人の通知者を設定するようにしたが、複数の通知者を選択可能としてもよい。また、通知内容に応じて通知者を選択するようにしてもよい。そのような構成によれば、例えば、不具合が発生した場合にはメンテナンス担当者に通知し、また、収支報告の場合には会社のオーナー等に通知するといったことも可能となる。
【0076】
また、以上の実施の形態においては、端末装置およびページャーに通知する内容としては、金銭詰まり、装置の無断開閉、および、収支を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれらのみに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、金銭の入出を管理する金銭処理装置において、
外部の通信ネットワークと接続し、通信ネットワーク上に接続された端末装置との間で通信を行う通信手段と、通信手段が端末装置との間で通信を行う際に必要な情報を設定する設定手段と、端末装置に対して送信すべき所定の情報を収集する情報収集手段と、情報収集手段によって収集された情報を、通信手段を介して端末装置に送信する送信手段とを有するようにしたので、金銭処理装置のセキュリティを向上させるとともに、金銭処理装置を遠隔地から一元的に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す金銭処理装置の機器情報を端末装置から設定する場合の設定画面の表示例である。
【図3】図1に示す金銭処理装置の管理者情報を端末装置から設定する場合の設定画面の表示例である。
【図4】図1に示す金銭処理装置において実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【図5】図4に示す「入出金処理」の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】図4に示す「開閉時処理」の詳細を説明するフローチャートである。
【図7】金銭処理装置から端末装置に対して送信され、不具合が発生したことを示す電子メールの一例である。
【図8】金銭処理装置から端末装置に対して送信され、収支を報告する電子メールの一例である。
【図9】図8の変形表示例である。
【図10】金銭処理装置の警戒状態を解除する場合に端末装置に表示される画面の表示例である。
【図11】金銭処理装置から端末装置に対して送信され、不具合が発生したことを示す電子メールの一例である。
【符号の説明】
1 金銭処理装置
1a CPU
1b ROM
1c RAM
1d タイマ
1e I/F
1f 通信部
1g バス
1h 金銭入出管理部
1i 金銭詰まり検出部
1j 開閉検出部
2 POS端末
3 警報装置
4 ネットワーク
5,6 端末装置
7 ページャー

Claims (4)

  1. 金銭の入出を管理する金銭処理装置において、
    外部の通信ネットワークと接続し、前記通信ネットワーク上に接続された複数の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して前記複数の端末装置のいずれかに対して送信すべき複数種の情報を収集する情報収集手段と、
    前記複数の端末装置のいずれかから送信されてきた情報により、前記情報収集手段によって収集される情報の種類に応じて、前記複数の端末装置のうち前記通信手段を介して通信を行うべき端末装置をあらかじめ設定する設定手段と、
    前記情報収集手段によって収集された情報を、その種類に応じ、前記通信手段を介して前記設定手段によって設定されている端末装置に送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする金銭処理装置。
  2. 前記情報収集手段は、前記金銭の入出に関する情報を収集することを特徴とする請求項1記載の金銭処理装置。
  3. 前記情報収集手段は、装置の不具合に関する情報を収集することを特徴とする請求項1記載の金銭処理装置。
  4. 前記送信手段は、前記情報収集手段によって収集された情報を電子メールとして前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の金銭処理装置。
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