JP4110569B2 - プレフィルドシリンジキット - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレフィルドシリンジキットに関する。さらに詳しくは、粉末製剤または溶解液が収容されたシリンジと、溶解液が収容された蛇腹容器からなるプレフィルドシリンジキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
液状の薬剤、すなわち薬液は、アンプルならびにゴム栓で密封されたバイアルなどの薬液容器に収容されている。そして、これらアンプルやバイアルに収容された薬液を注射する際には、アンプルの場合はアンプルをカットした後に、バイアルの場合はシリンジに取り付けた注射針でゴム栓を刺通した後に、薬液をシリンジ内に吸引し、ゴム栓の刺通に用いた注射針とは別の注射針を新たにシリンジに取り付け、患者に注射を行っている。
【0003】
また、複数の薬剤を同一のシリンジ内に互いに分離して保存しておき、用時混合して用いる、所謂、多成分混合型プレフィルドシリンジも実用化されている。現在市販されている多成分混合型プレフィルドシリンジは、概ね図9に示すような2成分混合型である。すなわち、バレル210内を第1ガスケット220と第2ガスケット230で、2つの空間に隔て、バレル210の中央部内壁にバイパス溝240を凹設し、プランジャー250を押し込んだとき、後方空間260の溶解液270(例えば生理食塩水やブドウ糖)がバイパス溝240を通って前方空間280に進入し、凍結乾燥製剤290(例えば凍結乾燥された抗生物質)と混合されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンプルやバイアルを用いる方法では、薬液容器とシリンジとの接続に金属針を必要としているため、操作者が注射針で怪我をするおそれがあり、また、アンプルカットの際に生じるガラス片や、バイアルのゴム栓を穿刺した際に生じるゴム片などの異物が薬液中に混入するおそれがある。さらに、その操作が煩雑であるため、注射に少なからず時間を要し、正確な量を吸引できない。また、ヒアルロン酸ナトリウムなどの粘度の高い薬液の場合、薬液容器からシリンジへの薬液の吸引には多大な時間と吸引力を要している。また、バイアル内の薬液を吸引する場合、吸引するにつれてバイアル内は減圧されるため、次第に吸引操作に力を要し、スムーズな吸引を行うことができない。
【0005】
一方、プレフィルドシリンジでは、第1ガスケット220をバイパス溝240まで移動し、後方空間260の溶解液270の全量を前方空間280に進入させた後に、凍結乾燥製剤290と溶解液260とを十分に混合するには大きな空間が必要となる。しかし、第1ガスケット220がバイパス溝240まで移動した後に、プランジャー250を後方へ引いても、バイパス溝240を通って液が後方空間260へ移動したり、第1ガスケット220と第2ガスケット230が別々に摺動したりするため、第1ガスケット220は、バイパス溝240より、バレル210の基端210aの方向には移動できず、両薬剤の混合に必要な空間をバレル210内につくりだすことはできない。したがって、前方空間280の容積は、予め大きくとる必要があり、薬剤の容量の割にシリンジのサイズが大きくなるといった問題がある。
また、2成分を混合した後、さらに別の薬液を配合する必要が生じたとしても、プランジャー250を引いても第1ガスケット220はそれに連動して動かないため、新たな薬液をバレル210内に定量的に吸引することは困難である。さらに、ガスケットに含まれている添加剤、例えば硫黄や加硫促進剤などが保存中に溶解液中に溶出するおそれがある。さらに、同一バレル内に2種類の薬剤が収容されているため、製造時に別々に滅菌することができない。
【0006】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、2種類以上の薬剤を別々に滅菌でき、保存中における、ゴムからの溶出のおそれや、薬液の漏洩がなく、薬剤調製の際における操作者の怪我、異物混入、空中浮遊細菌による汚染のおそれがなく、廃棄物も少なく、簡便かつ短時間に薬剤調製操作の可能な、取り扱いに優れたプレフィルドシリンジキットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明のプレフィルドシリンジキットは、先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部を有するバレルおよび、該バレル内に液密かつ摺動可能に挿着されたガスケットからなるシリンジと、吐出口および、該吐出口を囲繞する、内側がメス型ルアーテーパーの薬液通路となっているノズルが設けられた天面を有した蛇腹容器とからなり、前記ノズルは、前記注射針接続部に液密に接続されるとともに、前記吐出口の先端側周縁部に、シール部材を剥離可能に弱溶着することにより液密に封止されてなるものである。
【0008】
ここで、ノズルは、シール部材外縁の天面に溶着されていてもよく、吐出口の先端側周縁部に弱溶着されるシール部材の一部分が、弱溶着部分と比べて剥離し難く強溶着されていてもよい。また、ノズルの先端は、蛇腹容器とシリンジの相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部を介して、シリンジの肩部に溶着されていてもよく、あるいは、注射針接続部の基端にはオスネジが設けられ、薬液通路の先端には、前記オスネジと螺合するメスネジが設けられていてもよく、あるいは、シリンジ先端の肩部には、注射針接続部を同心円状に囲繞する、内側にメスネジを有するスカート部が設けられており、ノズルの先端には前記メスネジと螺合するフランジが設けられていてもよい。
さらに、バレル内のガスケット前方の空間には第1薬剤を、蛇腹容器の内部には薬液を収容していることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例を示す縦断面図であり、ノズルの先端は、脆弱部を介して剥離可能にシリンジの肩部に弱溶着されている。(A)は縦断面図であり、(B)は(A)図中のA−A線断面図である。図2は、本発明の蛇腹容器の他の実施例を示す縦断面図であり、蛇腹容器の天面に指掛け用のフランジを設けている。図3は、本発明の蛇腹容器の他の実施例を示す図であり、蛇腹容器の底面に、凸部を設けている。(A)は縦断面図であり、(B)は、蛇腹容器が収縮した状態を示す縦断面図である。図4は、本発明の他の実施例を示す要部縦断面図であり、ノズル先端に脆弱部と係合する係合手段を設けている。
【0010】
本発明のプレフィルドシリンジキット10は、図1に示すように、先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部21を有するバレル22および、該バレル22内に液密かつ摺動可能に挿着されたガスケット50からなるシリンジ20と、吐出口31および、該吐出口31を囲繞するとともに、内側がメス型ルアーテーパーの薬液通路32となっているノズル33を先端に有する蛇腹容器30とからなり、前記ノズル33は、前記注射針接続部21に液密に接続されており、前記前記吐出口31の先端側周縁部31aには、シール部材40を剥離可能に弱溶着することにより液密に封止されている。
このように、シリンジ20と蛇腹容器30が予め接続された構成を採用することにより、シリンジ20の注射針接続部21と蛇腹容器30の薬液通路32を封止する手段が不要となるので、製造コストも下げられ、使用に際しての廃棄物も少なくなる。さらに、蛇腹容器とシリンジを接続する際の空中浮遊細菌による汚染のおそれもなくなる。
【0011】
ここでいうオス型ルアーテーパー、メス型ルアーテーパーとは、ISO規格のものであり、一般に市販されているシリンジの注射針接続部に採用されている6%オス型ルアーテーパー、6%メス型ルアーテーパーを指す。このような汎用型のルアーテーパーを接続部として採用することにより、必要に応じて、シリンジと蛇腹容器のそれぞれを三方活栓、輸液チューブなどの一般の医療器具に接続することができる。
【0012】
ここで、シリンジ20としては、先端に注射針接続部21を有する基端22aの開放されたバレル22と、このバレル22の基端22aからバレル22内に液密かつ摺動可能に挿着されたガスケット50からなるシリンジが好適に採用される。バレル22は、通常ガラス、ポリプロピレンやポリエチレンで形成された筒状部材であり、基端22aには指掛用のフランジ23が設けられている。
ガスケット50は、ブチルゴムや熱可塑性エラストマー等で形成され、基端にはメスネジ51等の結合手段が設けられており、先端にオスネジ61を設けたプランジャー60を結合することができるようになっている。
またバレル22の基端22aには、製造時にガスケット50を基端22aに半打栓した状態で凍結乾燥が行えるよう、バイパス溝24を凹設してもよい。
バレル22内のガスケット50の前方空間には、第1薬剤が収容される。第1薬剤は、固形製剤、液剤のいずれでもよいが、好ましくは固形製剤、より好ましくは凍結乾燥製剤である。
【0013】
蛇腹容器30は、吐出口31および、該吐出口31を囲繞するノズル33を設けた天面34及び伸縮可能な蛇腹状胴部35を有する有底筒状容器であり、内部に薬液を収容している。蛇腹容器30は、通常ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの混合物等から形成されるが、医療用具として許容される可撓性材料であれば、その素材は特に限定されない。蛇腹状胴部35は、伸縮可能なように波形に成形されており、この蛇腹状胴部35を葛折に折り畳むことにより蛇腹容器30の容積は減少し、吐出口31から薬液を排出することができる。
吐出口31は、先端側周縁部31aにシール部材40を剥離可能に弱溶着して、液密に封止されている。シール部材40は、通常、蛇腹容器30の形成材料と相溶性の悪い素材により形成される。例えば、蛇腹容器30がポリプロピレンを主成分として形成されている場合、シール部材40は、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物あるいは、ポリエチレンの共重合体またはグラフト化物を主成分とする材料により形成される。
【0014】
また、図2に示すように、蛇腹容器70の天面71の周縁部71aには、指掛け用フランジ72が形成されていてもよい。この指掛け用フランジ72に中指と人差し指を掛け、底面73を親指で押すことにより、蛇腹状胴部74を効率よく軸方向に収縮させる力を加えることが可能である。
【0015】
図3の(A)に示すように、蛇腹容器80の底面81には、底面81の一部を容器内部へ向けて略円筒状に突出させた凸部82を形成してもよい。この凸部82を形成することによって、蛇腹状胴部83が完全に収縮した際、この蛇腹容器80は図3の(B)に示すような形状となり、容器内部に残留する薬液の量がほとんどなくなるとともに、シリンジ内に移動した薬液の量を正確に把握可能なので、吸引後の薬液量の調整が不要となる。凸部82の外径と高さは、蛇腹状胴部83が完全に収縮したときに、凸部82が蛇腹状胴部83の内側83aおよび蛇腹容器80の天面84の裏側84aと干渉しない範囲内で任意に設定できる。凸部82を形成した場合には、凸部82の内側82aと接触するスカート部91と、フランジ92を有した底面93とからなるキャップ90により、蛇腹容器80の底面81に形成された陥入口85を塞いでおくことが望ましい。キャップ90を設けることにより、陥入口85が形成されていても、何ら支障なく蛇腹容器80の底面81を指で押すことができる。蛇腹容器80の底面81へのキャップ90の取り付け方法としては、嵌合、溶着、接着等が挙げられる。さらに、キャップ90の底面93に、この底面93を貫通する貫通孔94を設け、キャップ90を蛇腹容器80の底面81に取り付ける際に、この貫通孔94から空気を逃すようにしてもよい。なお、図示しないが、キャップのスカート部にオスネジを、凸部の内側にメスネジを設け、キャップと蛇腹容器の底面とを螺合により結合してもよい。キャップの素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂など、一般に医療器具に使用されているものが採用可能である。なお、スカート部の高さをごく僅かとし単なる位置決め手段とするならば、キャップのフランジと蛇腹容器の底面を溶着または接着させることにより、蛇腹容器にキャップを取り付けることも可能である。
【0016】
ノズル33は、注射針接続部21と液密に嵌合するとともに、このノズル33の先端部は、バレル22の肩部25に、シリンジ20と蛇腹容器30の相対的な回転操作によって破断しうる脆弱部300を介して溶着されている。脆弱部300は、通常、シリンジ20の形成材料に対して相溶性が悪い材料で形成されており、例えばシリンジ20がポリプロピレンを主成分として形成されている場合には、この脆弱部300はポリプロピレンとポリエチレンの混合物、ポリエチレンの共重合体またはグラフト化物を主成分とする材料で形成され、シリンジ20と蛇腹容器30は、この脆弱部300を介して剥離可能に溶着される。
ここで、図4に示すように、蛇腹容器100のノズル101に係合部102を設け、脆弱部110と蛇腹容器100とが物理的に分離し難い構造とし、蛇腹容器100と脆弱部110は必ず一体となって、シリンジ20から剥離するようにしてもよい。
また、図示しないが、シリンジがポリプロピレンを主成分として形成されている場合、蛇腹容器をポリエチレンとポリプロピレンとの混合物、ポリエチレンの共重合体または、グラフト化物を主成分として形成し、ノズルの先端部をシリンジの肩部に、シリンジと蛇腹容器の相対的な回転操作によって剥離可能なように直接弱溶着してもよい。
このように、シリンジ20と蛇腹容器30とは、嵌合だけでなく溶着によって接着されているので、輸送時あるいは保管時に、薬剤が漏洩したり、シリンジ20と蛇腹容器30とが不用意に分離したりするようなことはない。
また、シリンジ20と蛇腹容器30とは、肩部25とノズル33の先端部において、脆弱部300を介して弱溶着されているので、脆弱部300の位置は、注射針接続部21の先端開口部からは離れている。したがって、脆弱部300が剥離する際に異物片が生じたとしても、この異物片が注射針接続部21の先端開口部からバレル22の内部に侵入するおそれはない。
【0017】
次に、本発明の他の実施例を説明する。
図5は、本発明の他の実施例の縦断面図であり、ノズルが別部材となっており、該ノズルは、蛇腹容器天面に溶着して取り付けられている。
図5に示すように、本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す前記実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、別部材により形成されたノズル120が、蛇腹容器130の天面131に溶着して取り付けられている点にある。すなわち、本実施例に係るノズル120は、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物から形成されており、該ノズル120の基端120aは吐出口132の先端側周縁部132aに弱溶着されたシール部材40の外縁の天面131aに溶着される。このようにノズル120を別部材とすることにより、先端がISO規格のメス型ルアーテーパーとなっている薬液通路121の基端部の内径を任意に拡大させることができるようになり、吐出口132の先端側周縁部132aから薬液通路121の壁に至るまでの距離を長くとることができるようになる。これにより、シール部材40と吐出口132の先端側周縁部132aとが弱溶着する面の幅を広くとることもできるので、弱溶着不良による薬液の漏洩を防ぐことができる。また、ノズル120が設けられていない状態でシール部材40を弱溶着することができるので、弱溶着工程が容易となる。さらには、吐出口132の径も拡大することができるので、廃液性が良くなる。
なお、通常、蛇腹容器の成型方法として採用されるブロー成型では、本実施例のように、基端に至るにつれて縮径するメス型ルアーテーパーの薬液通路の径を途中から拡大し、さらに縮径する平坦面を設けて吐出口を形成させることは、困難である。
【0018】
本発明のさらに他の実施例を説明する。
図6は、本発明の他の実施例の縦断面図であり、注射針接続部の基端に設けられたオスネジに、蛇腹容器のノズル先端に設けられたメスネジが螺合している。図6に示すように、本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す前記実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、シリンジ140の注射針接続部141と蛇腹容器150のノズル151との接続方法にある。すなわち、本実施例に係るシリンジ140の注射針接続部141は先端がオス型ルアーテーパーとなっており、基端はオスネジ142となっている。また、蛇腹容器150のノズル151の先端内側は、前記オスネジ142と液密に螺合するメスネジ152となっており、ノズルの内側の薬液通路153は、前記オス型ルアーテーパーと液密に嵌合するメス型ルアーテーパーとなっている。
このように、注射針接続部141とノズル151とは、ルアーテーパーによる嵌合以外に螺合によっても結合されるので、輸送時あるいは保管時に、薬剤が漏洩したり、シリンジ140と蛇腹容器150とが不用意に分離したりするようなことはない。
【0019】
本発明のさらに他の実施例を説明する。
図7は、本発明の他の実施例の縦断面図であり、バレル先端に設けられたスカート部のメスネジに、蛇腹容器のノズル先端に設けられたフランジが螺合している。
図7に示すように、本実施例のプレフィルドシリンジキットの各部の構成は、図1に示す前記実施例のプレフィルドシリンジキットと実質的に同一である。相違する点は、シリンジ180の注射針接続部181と蛇腹容器190のノズル191との接続方法にある。すなわち、本実施例に係るシリンジ180のバレル184の先端は、オス型ルアーテーパーの注射針接続部181を同心円状に囲繞するスカート部182を有しており、該スカート部182の内側はメスネジ183となっている。また、蛇腹容器190のノズル191の先端は前記メスネジ183と液密に螺合するフランジ192となっており、ノズル191の内側の薬液通路193は、前記オス型ルアーテーパーと液密に嵌合するメス型ルアーテーパーとなっている。
このように、注射針接続部181とノズル191とは、ルアーテーパーによる嵌合以外に、螺合によっても結合されているので、輸送時あるいは保管時に、薬剤が漏洩したり、シリンジ180と蛇腹容器190とが不用意に分離したりするようなことはない。
【0020】
次に本発明のプレフィルドシリンジキットの使用について、図8を用いて説明する。
先ず、図8の(A)に示すように、第1薬剤D(例えば凍結乾燥製剤)を収容したシリンジ20と、薬液L(例えば溶解液)を収容した蛇腹容器30とが、シリンジ20と蛇腹容器30との相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部300を介して液密に接続されてなる、本発明の好適な実施形態であるプレフィルドシリンジキット10を用意し、図8の(B)に示すように、蛇腹容器30の底面36を矢印A方向に押すと、その圧力で吐出口の内部に弱溶着されていたシール部材40が強溶着部を残して剥離し、蛇腹容器30内の薬液Lがシリンジ20のバレル22内へ流入する。しかる後に、プレフィルドシリンジ10全体を振盪し、第1薬剤Dを薬液Lに完全に溶解させ、注射薬LDを調製する。
最後に、図8の(C)に示すように、蛇腹容器30を取り外し、シリンジ20の注射針接続部21に注射針200を接続し、ガスケット50にプランジャー60を結合すれば、患者の静脈などに注射薬LDを注射することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明によれば、2種類以上の薬剤を別々に滅菌でき、保存中における、ゴムからの溶出のおそれや、薬液の漏洩がなく、薬剤調製の際における操作者の怪我、異物混入、空中浮遊細菌による汚染のおそれがなく、廃棄物も少なく、簡便かつ短時間に薬剤調製操作の可能な、取り扱いに優れたプレフィルドシリンジキットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す図である。(A)は縦断面図であり、(B)は(A)図中のA−A線断面図である。
【図2】 本発明の蛇腹容器の他の実施例を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の蛇腹容器の他の実施例を示す図である。(A)は縦断面図であり、(B)は、蛇腹容器が収縮した状態を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の他の実施例を示す要部縦断面図である。
【図5】 本発明の他の実施例を示す要部縦断面図である。
【図6】 本発明の他の実施例を示す要部縦断面図である。
【図7】 本発明の他の実施例を示す要部縦断面図である。
【図8】 本発明の使用状況を説明する図である。
【図9】 従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 プレフィルドシリンジキット
20、140、180 シリンジ
21、141、181 注射針接続部
25 肩部
22、184、210 バレル
30、70、80、100、130、150、190 蛇腹容器
31、132 吐出口
31a、132a 先端側周縁部
32、121、153、193 薬液通路
33、101、120、151、191 ノズル
34、71、84、131 天面
40 シール部材
50 ガスケット
110、300 脆弱部
142 オスネジ
152、183 メスネジ
182 スカート部
192 フランジ

Claims (4)

  1. 先端にオス型ルアーテーパーの注射針接続部を有するバレルおよび、該バレル内に液密かつ摺動可能に挿着されたガスケットからなるシリンジと、吐出口および、該吐出口を囲繞する、内側がメス型ルアーテーパーの薬液通路となっているノズルが設けられた天面を有した蛇腹容器とからなり、前記ノズルは、前記注射針接続部に液密に接続されるとともに、前記吐出口の先端側周縁部に、シール部材を剥離可能に弱溶着することにより液密に封止され、ノズルの先端は、蛇腹容器とシリンジの相対的な回転操作により剥離可能な脆弱部を介して、シリンジの肩部に溶着されてなるプレフィルドシリンジキット。
  2. ノズルが、シール部材外縁の天面に溶着して取り付けられてなる請求項1記載のプレフィルドシリンジキット。
  3. 吐出口の先端側周縁部に弱溶着されるシール部材の一部分が、弱溶着部分と比べて剥離し難く強溶着されている請求項1または2記載のプレフィルドシリンジキット。
  4. バレル内のガスケット前方の空間に第1薬剤を収容し、蛇腹容器の内部に薬液を収容してなる請求項1〜のいずれかに記載のプレフィルドシリンジキット。
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