JP4110518B2 - 高清浄Mg含有マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯 - Google Patents

高清浄Mg含有マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高清浄Mg含有マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルエージング鋼帯は、2000MPa前後の非常に高い引張強さをもつため、高強度が要求される薄板材、例えば、自動車エンジンの無段変速機用部品等に使用されている。
その代表的な組成には、質量%で18%Ni-8%Co-5%Mo-0.45%Ti-0.1%Al-bal.Feが挙げられる。そして、マルエージング鋼帯は、強化元素として、Mo、Ti、を適量含んでおり、時効処理を行うことによって、Ni3Mo、Ni3Ti 、Fe2Mo等の金属間化合物を析出させて高強度を得ることのできる鋼帯である。
【0003】
しかし、マルエージング鋼帯は、非常に高い引張強度が得られる一方、疲労強度に関しては必ずしも高くない。この疲労強度を劣化させる最大の要因に、TiNやAl2O3等といった窒化物や酸化物の非金属介在物があり、この非金属介在物のサイズが大きいと、介在物を起点として疲労破壊を生じることになる。
そのため、一般的に鋼帯中に存在する非金属介在物の数を少なくするために、真空アーク再溶解(以下、VARと記す)法が用いられている。
このVAR法で製造されるマルエージング鋼帯は、均質(成分偏析が少ない)でしかも、非金属介在物の数が少なくなると言った利点を有するものである。
【0004】
しかしながら、VARでは非金属介在物の数は減らすことができるが、サイズを制御することは困難であり、大きな介在物が混入する場合が有るため、VARで除去しきれない非金属介在物は、VAR後に行われる熱間鍛造、熱処理、熱間圧延、冷間圧延を行った後の鋼帯中にもそのまま残留し、非金属介在物を起点とした疲労破壊を生じる原因となっていた。
この非金属介在物について、低サイクル疲労試験で介在物を起点として破壊するかどうかは、介在物の数よりも介在物の最大サイズで決まる。
特に繰返し応力が107回を超える疲労強度が求められる自動車エンジンの無段変速機用部品等の用途では、非金属介在物数の低減だけで疲労特性を改善することにはおのずと限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルエージング鋼帯中に残存する非金属介在物には、TiNやTiCN等のTiを主成分とする窒化物系非金属介在物と、Al等の酸化物系非金属介在物に大きく分けることができる。
このうち、Tiを主成分とする窒化物系非金属介在物の大きさを小さくする技術は本願出願人の提案による特願2002−24026号に、VARを行って得られるマルエージング鋼中に残留する、TiNやTiCN等をはじめとする非金属介在物の大きさを最長で15μm以下にできるマルエージング鋼の製造方法を提案しているが、酸化物系非金属介在物においては、未だ検討がなされていないのが現状である。
本発明の目的は、マルエージング鋼帯中に残留する酸化物系非金属介在物のサイズを小さくし、その結果疲労強度特性に優れるマルエージング鋼の冷間圧延鋼帯を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した課題に対して、酸化物系非金属介在物を小さくする方法を化学組成の点から鋭意検討した結果、微量のMgを加えることで、マルエージング鋼帯中に残留する非金属介在物のサイズを小さくできることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は、質量%で、C:0.01%以下、Ni:8.0〜22.0%、Co:7.0〜20.0%、Mo:2.0〜9.0%、Ti:2.0%以下、Al:0.2%以下、O:0.0020%以下、N:0.0030%以下、Mg:0.0005〜0.01%、残部はFe及び不可避的不純物でなり、かつ次式に従うA値が1.0以上であり、マルエージング鋼帯中に含まれる酸化物系非金属介在物は、エックス線分析装置を用いて定量分析を行った時、O(酸素)以外に検出される金属元素で最も高い割合で含まれる元素がMgである酸化物の個数を分子とし、酸化物系非金属介在物の個数を分母とした時、0.5以上となり、且つ酸化物系非金属介在物の大きさが15μm以下である高清浄Mg含有マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯である。
A値=〔質量%Mg〕/〔質量%O〕
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らが高清浄マルエージング鋼帯の疲労破壊の原因を疲労試験を行ったところ、これらの疲労破壊の起点物として、殆どがAl2O3に代表されるAlを主成分とする酸化物であることが確認された。そして、その大きさは何れも20μmを超えるものであった。
そして、マルエージング鋼帯に、化学組成としてMgを0.0005質量%〜0.01質量%含有させることで、インゴットの酸素濃度を安定して下げることができ、酸化物の組成がAl2O3に代表されるAlを主成分とする酸化物に代わり、金属元素としてMgを主成分とする酸化物となり、更にそのサイズも微細化することを見出した。
しかしながら、Mgが0.0005質量%未満であるとこの効果が十分に得られず、また0.01質量%を超えると靭性が劣化するので、Mg含有量を0.0005質量%〜0.01質量%とするのが必要である。なお、上述の効果をより確実に得るには、Mg含有量を0.001質量%〜0.005質量%とするのが良い。
【0009】
上述した金属元素としてMgを主成分とするとは、酸化物系非金属介在物を構成する組成の内、O(酸素)以外に検出される金属元素で最も高い割合で含まれるものがMgであることを指し、Mgが主成分となっているかの確認には、EDX等のエックス線分析装置を用いて定量分析を行うと良い。
このような金属元素としてMgを主成分とする酸化物とは、MgO単独のものや例えばMgOとAl2O3の複合酸化物となったもの等がある。勿論、複合酸化物となった場合においても、その中でMgが主成分となっているものであれば、金属元素としてMgを主成分とする酸化物と言う。
【0010】
本発明において、Mgを積極添加して金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を形成させるのは、この金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物の硬さが低いことが大きな理由である。
本発明において、上述の金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物のうち、MgOの室温硬度は400〜500kg/mm2であり、一般的な塑性加工で分断することが可能であるが、例えばAl2O3の室温硬度は1700〜1800kg/mm2と高く、塑性加工を施しても容易に分断されない。
そこで、本発明においては、Al2O3等のアルミナ系非金属介在物と比較して硬さが半分以下の低硬度の、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を積極的に形成させるものである。これにより、マルエージング鋼帯の製造工程である熱間加工、冷間加工で引き伸ばされたり、或いは更に微細に分断されたりして、その結果酸化物サイズが小さくなり、疲労特性を改善させることができる。
【0011】
上述するように、酸化物系非金属介在物を金属元素としてMgが主成分とするものを増やすことで、インゴットまたはスラブ中に例えば20μmを超える大きな酸化物が存在しても、その後の熱間加工、冷間加工で酸化物サイズは小さくなり、結果として疲労強度特性の優れたマルエージング鋼帯とすることができる。
特に、マルエージング鋼帯の用途の一つである自動車エンジンの無段変速機用部品においては、引き伸ばされたMgを主成分とする酸化物系非金属介在物の断面面積が小さくなり、疲労破面の投影面積の減少となるため、Mgを積極添加して軟らかな金属元素としてMgを主成分とする非金属介在物に調整するのが重要である。
【0012】
さらに研究を進めた結果、酸化物の組成が金属元素としてMgを主成分とするには、単に化学組成としてMgの成分範囲を規定するだけではなく、ガス成分である酸素を、次式に従うA値が1.0以上とすることが必要なことを見出した。
A値=〔質量%Mg〕/〔質量%O〕
これは母材の酸素が高い場合、その酸素量に見合う十分なMgが無ければ、酸化物組成は例えばAlを主成分とするAl2O3やTiを主成分とするTiO2等、Mgを主成分とするもの以外の酸化物系非金属介在物の量が増加してしまうためである。
もし酸化物系非金属介在物の組成がMgを主成分とするものが少なく、例えばAlを主成分とするAl2O3やTiを主成分とするTiO2等が過剰に形成してしまうと、これらの酸化物は高硬度であるため、マルエージング鋼帯の製造工程である熱間加工、冷間加工においてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物のように、分断・微細化が期待できず、酸化物サイズが小さくならないため、疲労強度特性の向上は得られない。そのため、本発明ではA値が1.0以上とした。望ましくは1.3以上である。
【0013】
本発明では、上述したように金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を積極的に存在させることで酸化物系非金属介在物の大きさを小さくさせることができる。
そのためには、可能な限り金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を形成させることが重要であり、金属元素としてMg以外の元素を主成分とする酸化物系非金属介在物よりも、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物が多くさせて、例えばMgO等の酸化物系非金属介在物を主体とすることで、上述してきたように酸化物系非金属介在物の分断・微細化をすることができ、疲労強度の向上をより確実に達成することができる。
【0014】
なお、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を主体とするとは、検出される酸化物系非金属介在物のうちの50%以上が、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物ということを言う。
また、本発明で好ましくは金属元素としてMgを主成分とする、例えばMgO等の酸化物系非金属介在物の個数が、全体の酸化物系非金属介在物の80%以上を占めるようにするのが良く、更に望ましくは全体の酸化物系非金属介在物の90%以上をMgO等の金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物とすることである。
なお、この酸化物系非金属介在物の個数の調査は、鋼塊および冷間加工後の鋼帯でそれぞれ両端の横断面の中央部からダライ粉20gを採取し、硝酸溶液または臭素メタノール溶液で溶解後、フィルターでろ過し、フィルター上の窒化物や酸化物からなる残渣をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察を行ない、酸化物のサイズおよび組成を調査すると良い。
【0015】
次に、本発明の組成範囲の限定理由について述べる。
Cは炭化物を形成し、金属間化合物の析出量を減少させて疲労強度を低下させるため本発明ではCの上限を0.01%以下とした。
Niは靱性の高い母相組織を形成させるためには不可欠の元素であるが、8.0%未満では靱性が劣化する。一方、22%を越えるとオーステナイトが安定化し、マルテンサイト組織を形成し難くなることから、Niは8.0〜22.0%とした。
【0016】
Coは、マトリックスであるマルテンサイト組織を安定性に大きく影響することなく、Moの固溶度を低下させることによってMoが微細な金属間化合物を形成して析出するのを促進することによって析出強化に寄与するが、その含有量が7.0%未満では必ずしも十分効果が得られず、また20.0%を越えると脆化する傾向がみられることから、Coの含有量は7.0〜20.0%にした。
Moは時効処理により、微細な金属間化合物を形成し、マトリックスに析出することによって強化に寄与する元素であるが、その含有量が2.0%未満の場合その効果が少なく、また9.0%を越えて含有すると延性、靱性を劣化させるFe、Moを主要元素とする粗大析出物を形成しやすくなるため、Moの含有量を2.0〜9.0%とした。
【0017】
Tiは、Moと同様に時効処理により微細な金属間化合物を形成し、析出することによって強化に寄与する元素であるが、その含有量が2.0%を越えて含有させると延性、靱性が劣化するため、Tiの含有量を2.0%以下とした。
Alは、時効析出した強化に寄与するだけでなく、脱酸作用を持っているが、0.2%を越えて含有させると靱性が劣化することから、その含有量を0.2%以下とした。Alの望ましい下限は0.05%である。
【0018】
Oは酸化物系非金属介在物を形成するため、0.0020%以下に制限する。Oが0.0020%を超えて含有すると疲労強度が著しく低下するため、その含有量を0.0020%以下にした。
Mgは本発明で最も重要な元素であり、酸素と結合してMgOに代表される、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を形成する。Mgが0.0005%以下ではMgを主成分とする酸化物系非金属介在物が少なく、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物の効果が得られないため、その含有量の下限を0.0005%以上とした。また、Mgが0.01%より高いと靭性が劣化するため、その含有量の上限を0.01%以下とした。
【0019】
Nは窒化物や炭窒化物の形成元素であるため、少なくすることが好ましいが、疲労特性としては窒化物や炭窒化物の大きさが15μm以下に調整できるようにその上限を0.0030%以下とした。望ましくは0.0025%以下である。
また、本発明ではこれら規定する元素以外はFe及び不可避的不純物である
中でも、不可避的に含有する不純物元素のSi、Mnは脆化をもたらす粗大な金属間化合物の析出を促進して延性、靭性を低下させたり、非金属介在物を形成して疲労強度を低下させるので、Si、Mn共に0.1%以下に、望ましくは0.05%以下とすれば良く、また、P、Sも粒界脆化させたり、非金属介在物を形成して疲労強度を低下させるので、0.01%以下とすると良い。
なお、不可避的に含有される不純物の他、例えばBは、結晶粒を微細化するのに有効な元素でるため、靱性が劣化させない程度の0.01%以下の範囲で含有させても良い。
【0020】
ところで、従来の高清浄マルエージング鋼帯は、上述の通り一般的にVARにより製造されているが、本発明では必ずしもVARを必要としない。
VARプロセスは非金属介在物の数を低減させるという利点を有するが、VARを行なわなくても、金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物を積極的に形成させることで、冷間圧延における分断により酸化物サイズは小さくすることができ、VARを施したものに匹敵する優れた疲労強度特性を付与することも可能である。
当然のことながら、非金属介在物の量の低減にはVARは有効な手段であるため、VARと本発明とを組み合わせることも有効な手段である。
なお、VAR以外の製造プロセスとして、例えば真空誘導溶解(以下、VIMと記す)が挙げられる。VIMは真空中で脱酸精錬を行なうため、酸化物の少ない高清浄鋼を製造することができる。このような脱ガスプロセスや、エレクトロスラグ再溶解法(ESR)などによっても、本発明を適用することによって疲労強度に優れたマルエージング鋼帯を得ることができる。
つまり、本発明方法の適用は、保有設備や非金属介在物の個数、偏析等を考慮してVAR、VIM、ESR等との組合せや適用を適宜決定すると良い。
【0021】
【実施例】
以下、実施例として更に詳しく本発明を説明する。
マルエージング鋼の代表的成分に、Mg含有量を6通りに変化させた2000kgインゴットをVIMにより製造した。また、比較材としてMg−free材及びMg/O比不適合材を製造し、それぞれNo.6及び7とした。Mg添加の効果として開発材のインゴットの酸素値は比較材より低目となっている。
得られた鋼塊で1250℃×20時間のソーキングを行なったのち、熱間鍛造を行なって熱間鍛造品とした。
次に、これら材料に熱間圧延、820℃×1時間の溶体化処理、冷間圧延を行い、マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯を得た。そして、820℃×1時間の溶体化処理と480℃×5時間の時効処理を行ない、マルエージング鋼帯を製造した。冷間圧延は板厚3mmから始め、1パス当りの圧下を5%、10%、20%の3通り行なった。化学組成を表1に示す。
表2では5%、10%及び20%の圧下条件をそれぞれ冷間圧延(1)、(2)及び(3)と記す。
【0022】
【表1】
Figure 0004110518
【0023】
これらマルエージング鋼帯の鋼塊及び冷間加工後の鋼帯でそれぞれ両端の横断面の中央部からダライ粉20gを採取し、硝酸溶液または臭素メタノール溶液で溶解後、フィルターでろ過し、フィルター上の窒化物や酸化物からなる残渣をSEMで観察を行ない、酸化物のサイズ及び組成を調査した。
この時、非金属介在物の大きさは、非金属介在物に外接する円の直径で評価し、この外接する円の直径を非金属介在物の最長の長さと定義した。
また、これらマルエージング鋼帯の幅方向中央部より、圧延方向と試験片長辺方向が一致するように板疲労試験片を切りだし、繰返し応力100MPaの条件で疲れ試験を行ない、破断に至る繰返し数を比較した。この結果を表3に示す。
なお、表2には鋼塊段階の酸化物として、主体となる酸化物を載せておいたが、これは鋼帯の状態となっても変化するものではないことは言うまでもなく、本発明の全ての試験片で金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物の占める割合が、酸化物系非金属介在物の全体の80%以上となっていたことも確認した。
【0024】
【表2】
Figure 0004110518
【0025】
【表3】
Figure 0004110518
【0026】
表2から判るように、本発明のMgを添加したNo.1〜5ではインゴットの酸素値を安定して下げるとともに、酸化物組成は金属元素してMgを主成分とする酸化物(MgO)の形態のものが主体となっており、鋼帯における酸化物最大サイズはいずれの冷間圧延条件によっても15μm以下となった。
しかも、本発明の金属元素としてMgを主成分とする酸化物系非金属介在物は、圧延方向に延びた形態となっていた。
それに対し、比較材は鋼塊での酸化物組成がAlを主成分とする酸化物(Al)の形態のもが主体となっており、冷間圧延後の酸化物最大サイズは20μm以上であった。
また、表3に示す疲労試験の結果、本発明のマルエージング鋼の冷間圧延鋼帯を用いたものは繰返し数10の8乗程度の優れた疲労強度を有することを確認した。
【0027】
【発明の効果】
以上のような結果から、本発明のマルエージング鋼の冷間圧延鋼帯は、優れた疲労強度特性を有するため、例えば自動車エンジンの無段変速機用部品等への使用に好適となる。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.01%以下、Ni:8.0〜22.0%、Co:7.0〜20.0%、Mo:2.0〜9.0%、Ti:2.0%以下、Al:0.2%以下、O:0.0020%以下、N:0.0030%以下、Mg:0.0005〜0.01%、残部はFe及び不可避的不純物でなり、かつ次式に従うA値が1.0以上であり、マルエージング鋼帯中に含まれる酸化物系非金属介在物は、エックス線分析装置を用いて定量分析を行った時、O(酸素)以外に検出される金属元素で最も高い割合で含まれる元素がMgである酸化物の個数を分子とし、酸化物系非金属介在物の個数を分母とした時、0.5以上となり、且つ酸化物系非金属介在物の大きさが15μm以下であることを特徴とする高清浄Mg含有マルエージング鋼の冷間圧延鋼帯。
    A値=〔質量%Mg〕/〔質量%O〕
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