JP4109728B2 - レンジフード用フィルタ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は台所のコンロ上方位置に設置されて調理によって発生する油煙、燃焼廃ガス、蒸気、臭い等を吸引排気する局所排気用として使用されるレンジフードに装備されるフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
局所排気用として使用されるレンジフードに装備のフィルタとしては、金属薄板に小さな孔を開けたパンチングメタル、或いはエキスパンドメタル、更にガラスウールやポリエステルマット等各種存在するが、油煙中に含まれている油脂分の除去効率はそれほど高いものではない。この油脂分の除去効率に優れたフィルタとしては本件出願人が開発し、既に提案済みのフィルタ(実公平2−43456号)が存在する。そのフィルタは、金属薄板に所定の間隔をおいてスリットを形成し、そのスリット相互間の平板部を一方向に切り起こして通気口を開設したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルタが装備されるレンジフードの幅寸法(間口)は性格上(建築寸法モジュールから600mm,750mm,900mm等)数タイプがあり、その幅寸法によってフィルタの使用枚数が異なる。即ち、幅寸法が600mm,及び750mmの場合はフィルタが2枚並設使用され、幅寸法が900mmの場合は3枚を並設使用することで対応できるようになっている。
しかしながら、レンジフードの奥行き寸法(長さ寸法)は製品によってまちまちであり、しかもそれはメーカーによっても異なり、従って各メーカーは幅寸法はある寸法に決めても、長さ寸法は奥行き寸法の違うレンジフードに対応できるように数種類を用意しているのが実情である。
【0004】
従って、使用者が既に設置使用しているレンジフードのフィルタを上記した油脂分の除去効率に優れたフィルタと交換しようとした場合、幅寸法に対しては前記したように使用枚数によって対応することができるが、長さ寸法は何種類か用意されている長さの異なるフィルタで対応できればよいが、対応できない場合も生じる。このようなことは、メーカーが異なった場合に多く、交換は容易でなかった。
【0005】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、どのような奥行き寸法のレンジフードにも交換取り付けることができるフィルタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為に本発明が講じた技術的手段は、金属薄板にスリットを複数列形成し、該スリット相互間の平面部分を一側方に切り起こして通気口を開設すると共に、一辺を除いた三辺の外周には、前記通気口を形成するために切り起こした切り起こし片の高さよりも高い補強縁を直角に折り曲げてフィルタ本体を形成し、該フィルタ本体における前記補強縁のない一辺に、アジャスト板を前記フィルタ本体に沿ってスライド調節自在に取り付けると共に、該アジャスト板の外周縁を直角に折り曲げて形成した補強縁を前記フィルタ本体における補強縁の内側に嵌合させて、前記アジャスト板のスライドを前記フィルタ本体の補強縁によって案内させたことを特徴とする。
フィルタ本体に対するアジャスト板の取り付けはネジとナットで行い、フィルタ本体とアジャスト板の相対的なスライド調節はフィルタ本体又はアジャスト板の一方にネジが通る丸孔を開け、他方に長さ調節しようとするストロークに相当する長孔を形成する形態、或いはフィルタ本体及びアジャスト板の両方に長孔を形成して行う形態等、何れでもよいものである。
【0007】
上記のアジャスト板は、アジャスト板の変形を防止する補強及びフィルタ本体に対するスライド動作の円滑化を考慮した場合は、該アジャスト板の外周に補強縁を折り曲げ形成し、その外周の補強縁がフィルタ本体の補強縁の内側に嵌合されて案内されるようにする。又、アジャスト板は平面形状を矩形状に形成してもよいが、前記フィルタ本体における通気口の閉鎖を避けるように、アジャスト板の後部を通気口の開設幅に相当する範囲切り欠いて平面視「コ」字状に形成してもよい。
【0008】
更に、フィルタ本体には切り起こしによって通気口が開設されているため、フィルタ本体の一側面(裏面)には切り起こし片が突出する。そのために長さ調節のアジャスト板を切り起こし片が突出する面に重ね合わせ、ネジとナットで締め付けた場合、前記切り起こし片がその締め付け力で通気口を閉じる方向に押し付けられるのを防止するためにフィルタ本体又はアジャスト板に、切り起こし片にアジャスト板が当たるのを防止する突部を形成する。その突部の形態としてはフィルタ本体とアジャスト板とが所定の間隔をおいて平行に支持されるように左右両側に設けるのが効果的である。又、フィルタ本体及びアジャスト板は、ステンレス鋼板或いは耐蝕アルミニウム板等今日使用されている金属薄板で形成してもよいが、フッ素樹脂がラミネートされた金属薄板を用いて成形すれば、付着した汚れが落としやすく且つ耐磨耗性に優れたフィルタを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るフィルタAを示す正面図で、フィルタ本体1と、そのフィルタ本体1の長手方向の一側にスライド調節自在に連結されたアジャスト板2とで構成されている。
【0010】
フィルタ本体1は、耐蝕アルミニウム板或いはステンレス鋼板等、今日成形素材として使用されている金属薄板を平面矩形状に成形し、その平面部に1ブロック8本のスリットを幅方向に所定間隔をおいて複数列(図面では12列)形成すると共に、長手方向に多数のブロックを形成し、その各ブロックにおけるスリット相互の平面部分を一側方に切り起こして通気口3が開設され、更に一辺(上端側)を除いた三辺の外周には切り起こし片4の高さよりも高い補強縁 102が直角に折り曲げ形成されて浅い箱形に構成されている。そして、残りの一辺(アジャスト板が取り付けられる側辺)の縁 101は裏側に折り曲げられて板材の補強と手指を怪我したりしないように加工されている。尚、その折り曲げの高さは後述する突部5,7の高さと同じ高さとし、それによりアジャスト板2が切り起こし片4を押し付けない状態で重ね合わされるようになっている。
【0011】
又、上記のフィルタ本体1における最上位の通気口3と上端縁との間の平面部には左右両側の端部を除いて略横幅全幅に亘って、切り起こし片4の突出高さと同じかそれより高い突部5が切り起こし片4の突出方向に向けて帯状に形成され、更に突部5より左右外側位置には後述するアジャスト板2を締め付け固定するネジ6a の頭径よりやや大径な円形の突部7が前記した突部5の突出高さと同じ高さで形成されると共に、その突部7の底部にネジ6a が貫通される円形孔701が開穿されている。
【0012】
上記したフィルタ本体1の上端側の裏面に重ね合わせて取り付けられるアジャスト板2は、フィルタ本体1と同様耐蝕アルミニウム板或いはステンレス鋼板等の金属薄板を用いて得ようとする調節長さよりもやや大きい帯板状に形成され、その幅方向の左右両側に調節長さに相当する長孔8が形成され、この長孔8に前記したフィルタ本体1の円形の突部7に挿入されるネジ6a が貫通されて下側からワッシャ10を介してナット6b が螺合され、それによってフィルタ本体1とアジャスト板2が連結固定される。又、アジャスト板2はその外周縁を裏側に直角に折り曲げて補強縁 201が形成され、該アジャスト板を構成する板材の補強と、前記したフィルタ本体1に対する嵌合が補強縁 102と 201との当接によって安定良く行われ、両者の相対的なスライド動作がスムーズに行われるようにしてある。
【0013】
更に、上記アジャスト板2は図1及び図4に示すようにその後部を通気口の開設幅に相当する範囲に切り欠き部9を形成して平面視「コ」字状に形成してもよい。そうすることでアジャスト板2をスライド調節して最大長さに変更した場合に、フィルタ本体1に形成された上側の通気口3も閉鎖されることなく現出し、全ての通気口3を機能させることができる。尚、アジャスト板2の後部に切り欠き部9を形成して平面視「コ」字形とした場合は、その切り欠かれた縁も外周縁と同様裏側に直角に折り曲げて補強縁 201を形成する。
【0014】
又、フィルタAはその働きからして油脂分等が付着し汚れやすいが、その汚れを落とし易くし、清掃性を高める場合はフィルタ本体1とアジャスト板2を、ステンレス鋼板や耐蝕アルミニウム板の表面にフッ素樹脂フィルムをラミネートした素材で構成するとよい。
尚、図1中の11はフィルタ本体1の下側中央の表面に固定した摘みで、フィルタAをレンジフードへ取り付けたり、レンジフードから取り外したりするときに使用する。
【0015】
【発明の効果】
本発明のレンジフード用フィルタは、油脂分の除去効率に優れたフィルタをアジャスト板とフィルタ本体を相対的にスライド調整することで所望の長さに変更することができる。因って、奥行き寸法の異なるレンジフードにも長さ寸法を調節して対応することができ、既設のレンジフードのフィルタと交換設置することができる。また、アジャスト板が補強縁によって補強されると共に、その補強縁がフィルタ本体の外周に折り曲げ形成された補強縁の内側に嵌合されるため、両者の相対的なスライド動作が安定してスムーズに行われる。しかも、アジャスト板の後部が切り欠かれた場合は、切り欠きが通気口部分を逃げて該通気口を開放する為、通気口の機能を確保することができる。又、フィルタ本体の裏側に配置されるアジャスト板は該フィルタ本体の切り起こし片を圧迫しない状態で重ね合わせて保持される。従って、少なくともアジャスト板と対向する通気口の開口量が変化するのを防止でき、当初の開口量を保持することができる。更に、フィルタ本体及びアジャスト板が、金属薄板の表面にフッ素樹脂フィルムがラミネートされた板材で構成された場合には、付着した汚れを落としやすく清掃性及び耐磨耗性に優れたフィルタを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図2】(a) は図1の(X)−(X)線に沿える拡大断面図、(b) は図2(a) の(Y)−(Y)線に沿える断面図である。
【図3】(a) は図1の(Z)−(Z)線に沿える拡大断面図、(b) は(a) からアジャスト板を外した状態の同断面図である。
【図4】フィルタ本体とアジャスト板との取り付け状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
A…フィルタ, 1…フィルタ本体,
102 …補強縁,2…アジャスト板,
201 …補強縁,3…通気口,
4…切り起こし片, 5,7…突部,
9…切り欠き部
Claims (4)
- 金属薄板にスリットを複数列形成し、該スリット相互間の平面部分を一側方に切り起こして通気口を開設すると共に、一辺を除いた三辺の外周には、前記通気口を形成するために切り起こした切り起こし片の高さよりも高い補強縁を直角に折り曲げてフィルタ本体を形成し、該フィルタ本体における前記補強縁のない一辺に、アジャスト板を前記フィルタ本体に沿ってスライド調節自在に取り付けると共に、該アジャスト板の外周縁を直角に折り曲げて形成した補強縁を前記フィルタ本体における補強縁の内側に嵌合させて、前記アジャスト板のスライドを前記フィルタ本体の補強縁によって案内させたことを特徴とするレンジフード用フィルタ。
- 前記アジャスト板は、前記フィルタ本体における通気口の閉鎖を避けるように、後部が前記通気口の開設幅に相当する範囲切り欠いて平面視「コ」字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード用フィルタ。
- 前記フィルタ本体又は前記アジャスト板に、前記切り起こし片を圧迫しないで両者が重ね合わされる突部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンジフード用フィルタ。
- 前記フィルタ本体及び前記アジャスト板が、金属薄板の表面にフッ素樹脂フィルムがラミネートされた板材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレンジフード用フィルタ。
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JPH1057731A JPH1057731A (ja) | 1998-03-03 |
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1996
- 1996-08-22 JP JP22130296A patent/JP4109728B2/ja not_active Expired - Fee Related
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