JP4109588B2 - 予混合圧縮自着火式ガスエンジン - Google Patents

予混合圧縮自着火式ガスエンジン Download PDF

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Description

本発明は予混合圧縮自着火式ガスエンジンに関する。
ガスエンジン等の内燃機関の空気過剰率と排出NOX量の関係を図14に示す。
図14に示すように、火花点火式の内燃機関(単室式)では、一般に運転されている範囲つまり空気過剰率が1.5〜1.6程度の範囲ではNOXの排出量が結構高い。排出NOXを抑えるには空気過剰率を高くすればよいが、単室式の内燃機関の場合、空気過剰率が1.8程度になると火花点火による着火を行うことができない。また、空気過剰率を高くして排出NOX量を抑える方式として副室式の内燃機関があるが、この場合でも、空気過剰率が2.3程度を超えると火花点火による着火が不可になる。このように、火花点火式の内燃機関では、空気過剰率が2.3程度以下の範囲(0.8〜2.3の範囲)でなければ燃焼(運転)を行うことができない。
また、火花点火式の内燃機関においては、図15に示すように、NOXと熱効率(図示効率)とがトレードオフの関係にあり、NOXを低減させようとすると、熱効率も下がるという特性がある。このような特性が現れる理由は、火花点火式の内燃機関では、火炎を1点から伝播させるため、NOXを低減するために燃料ガスを薄くした場合(空気過剰率を高くした場合)、燃焼速度が低くなって図示効率が上がらず、運転性能が悪くなることによる。
一方、ガスエンジン等の内燃機関として、燃料ガスと空気とを予め混合した混合気を燃焼室に高温で吸入して圧縮することにより自着火させる予混合圧縮自着火式(HCCI:Homogeneous Charge Compressed Ignition)の内燃機関がある(例えば、特許文献1参照。)。
この予混合圧縮自着火式の内燃機関は、燃焼室内の複数点で火種が発生するので、燃焼速度が速くて燃焼室の全域にわたって均一な燃焼を得ることができる。従って、NOXと熱効率(図示効率)との間においてトレードオフの関係がなく、高い熱効率を維持しながら排出NOXを少量に抑えることができるという利点がある(図14参照)。
特開2000−240513号公報
ところで、予混合圧縮自着火式のガスエンジンにおいては、前記したように燃焼室内での燃焼速度が極めて速いため、トルクを高めるために燃料ガスの供給量を多くすると筒内圧力も上昇し、筒内圧力が高くなり過ぎるとエンジンが破損する場合がある。
一方、最高筒内圧力を許容値(安全値)以下に抑えるために、供給ガス量を制御して燃焼速度を低くすると、燃料ガスの供給量が不足してトルク不足となり、気筒間の出力のばらつきが大きくなって機関性能が低下するという課題がある。
また、予混合圧縮自着火式のガスエンジンでは、図14に示すように、未燃(燃え残り)のHC(ハイドロカーボン)の排出量が多いという欠点があり、そのHC量を少なくすることも予混合圧縮自着火式ガスエンジンの1つの課題である。
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、機関性能・効率が良好で高出力化を達成することでき、しかも燃費が良好な予混合圧縮自着火式ガスエンジンの提供を目的とする。
本発明は,複数の気筒を有し,燃料ガスと空気とを予め混合した混合気を前記複数の気筒の各燃焼室にそれぞれ供給して,その各燃焼室内で混合気を圧縮自着火させる方式のガスエンジンにおいて,各燃焼室に供給する混合気に排気ガスを混合するEGR(Exhaust Gas Recirculation)手段と,エンジン回転速度の変動から各気筒のトルクを求めるトルク演算手段と,各気筒の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段とを備え,前記トルクの演算値に基づいて各気筒の燃焼室への燃料ガスのガス供給量を各気筒ごとにそれぞれ個々に制御するとともに,前記筒内圧力の検出値に基づいて前記混合気に混合するEGR量を各気筒ごとにそれぞれ個々に制御するように構成されていることによって特徴づけられる。
この発明によれば,各気筒のトルク検出値に基づいて,燃焼室へのガス供給量を各気筒ごとにそれぞれ個別に制御するので,トルク不足にならずに済み,各気筒間のトルクのばらつきを小さくすることができる。その結果,機関性能が向上する。さらに,各気筒の筒内圧力を検出し,その筒内圧力の検出値に基づいて混合気に混合するEGR量を各気筒ごとにそれぞれ個別に制御しているので,前記したようなトルク制御を行っても筒内圧力が高くなり過ぎることを防止できる。
すなわち,各気筒における燃焼室に供給する混合気へのEGR量を多くすると,燃焼室内での燃焼速度が緩やかになるので,各気筒間におけるトルクを均等に制御した上で,各気筒の最高筒内圧力を許容値(安全値)以下に抑えることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態の構成図である。
エンジン1は、例えば4気筒エンジンであって、各気筒に形成される燃焼室11に吸気管2及び排気管3がそれぞれ吸気ポート及び排気ポート(いずれも図示せず)を介して接続されている。
エンジン1には、筒内圧力センサ14及びノッキングセンサ15が各気筒ごとに設けられている。また、エンジン1には電磁ピックアップ13が設けられている。電磁ピックアップ13は、エンジン回転速度を検出するためのもので、エンジン1のクランク軸の回転角に応じた個数のパルスを出力する。この電磁ピックアップ13の出力、及び、前記した筒内圧力センサ14、ノッキングセンサ15の各出力はコントローラ5に導かれる。
エンジン1には点火プラグ12が各気筒ごとに設けられている。予混合圧縮自着火(以下「HCCI」という)による運転では点火プラグ12は不要であるが、HCCI式のエンジンでは、[エンジンの始動運転(暖気運転)]→[HCCIによる運転]→[停止時の運転]という順序で運転が行われるため、その始動運転及び停止時の運転つまり火花点火による運転時などに点火プラグ12が使用される。
吸気管2には、上流側からエアフィルタ21、スロットル22及びヒータ23がこの順で配置されている。また、吸気管2には、ヒータ23の下流側に燃料ガス供給管20が接続されている。
燃料ガス供給管20には、レギュレータ26及びガスインジェクタ27が接続されている。ガスインジェクタ27はエンジン1の各気筒の吸気ポート(図示せず)にそれぞれ設けられており、各ガスインジェクタ27をコントローラ5にて制御することにより、各気筒の燃焼室11への燃料ガスGのガス供給量を調整することができる。
ヒータ23は、エアフィルタ21にて浄化された空気Aを加熱して混合気(空気A+燃料ガスG)の温度を高くするための熱交換器であって、内部に熱媒体流路(図示せず)が形成されており、その熱媒体流路に高温の温水(例えばラジエータ冷却水)を循環配管6を通じて供給することにより、エアフィルタ21からの空気Aを高温に加熱することができる。循環配管6には制御バルブ25が接続されており、その制御バルブ25の開度をコントローラ5にて制御することにより混合気の燃焼室11への吸気温度を調整することができる。
ヒータ23の下流側でガスインジェクタ27と燃焼室11との間に、燃焼室11に供給する混合気の温度を検出する吸気温度センサ24が設けられている。吸気温度センサ24の出力はコントローラ5に入力される。
排気管3には、排気ガス中に含まれるHC及びCOの濃度を低下するための酸化触媒31が設けられている。また、排気管3にはリーンバーンセンサ32が設けられている。リーンバーンセンサ32は空気過剰率を検出するセンサであり、その検出出力はコントローラ5に入力される。
排気管3と吸気管2との間にEGR管4が接続されている。EGR管4は各気筒ごとに配置されており、一端(後端)が排気管3(各気筒の排気ポート)に接続され、他端(先端)が吸気管2(各気筒の吸気ポート)にそれぞれ接続されている。各EGR管4には、制御バルブ41、クーラ42及びEGR温度センサ43が接続されている。制御バルブ41の開度はコントローラ5にて後述する動作で制御される。EGR温度センサ43の出力はコントローラ5に入力される。
次に、コントローラ5の制御動作について説明する。
コントローラ5は、前記したエンジンの始動・停止時の各運転(火花点火運転)時において、点火プラグ12への通電制御(火花点火運転制御)や空気過剰率・圧縮比・混合気温度の制御などのエンジン運転に関する各部の制御を行う。また、コントローラ5は、[始動運転]→[HCCIによる運転]の移行時及び[HCCIによる運転]→[停止時の運転]の移行時において、空気過剰率・圧縮比・混合気温度の制御などのエンジン運転に関する各部の制御を行う。
これらの制御を簡単に説明すると、まず、エンジン1をセルモータ(図示せず)にて始動するとともに、各気筒の点火プラグ12に通電を行って火花点火でエンジン1を始動運転させて暖気運転を行う(循環配管6の制御バルブ25は全開)。この暖気運転においてヒータ23に循環するラジエータ冷却水の温度が上昇し、これに伴って各燃焼室11への混合気の吸気温度が上昇する。次に、混合気の吸気温度がHCCI成立温度に達していることが吸気温度センサ24にて検出された時点で、吸気弁16(図3参照)の閉時期を前進(進角)させて圧縮比を高くするとともに、各ガスインジェクタ27を調整して空気過剰率を高くする。この圧縮比及び空気過剰率の切換により自然着火(圧縮自着火)が発生し、そのHCCIによる燃焼状態が正常であることがノッキングセンサ15などで検出された時点で点火プラグ12への通電を停止し、火花点火による着火をOFFにする。
一方、HCCI運転中にエンジン1を停止するときには、点火プラグ12に通電を行って火花点火をONにするとともに、混合気の吸気温度を制御する制御バルブ25を全閉としてヒータ23による混合気の加熱を停止する。このような操作により混合気の吸気温度が下がり始める。次に、進角状態にある吸気弁16の閉時期を後退させて遅角状態にするとともに、各気筒のガスインジェクタ27を調整して空気過剰率を低くする。このようにすると、燃焼室11に供給された混合気は、点火プラグ12による火花点火で着火されるようになり、その火花点火による着火が正常な状態となった後に、エンジン回転数を下げてエンジン1を停止する。
次に、本発明の特徴部分に関する制御について説明する。
コントローラ5は、HCCIによる運転状態のときに、各気筒のトルクの演算、各気筒の燃焼室への燃料ガスの供給量制御、及び、混合気に混合するEGRの混合量制御(EGR量制御)を実行する。その各演算・制御の詳細を以下に説明する。
−気筒トルクの演算−
まず、図2に示すように、エンジン回転速度の変動は、燃焼変動(気筒内圧力の変動)と相関関係にあり、エンジン回転速度の変動値を検出することにより、各気筒間における燃焼変動つまり各気筒間におけるトルクの変動を求めることができる。このような点を利用して、この実施形態では、エンジン1に配置した電磁ピックアップ13の出力パルスに基づいてエンジン回転速度の変動値を演算し、その回転速度の変動値から各気筒のトルクを推定する。
−ガス供給量制御及びEGR量制御−
前記したトルクの演算値(推定値)に基づいて、各気筒のガスインジェクタ27を制御して、全ての気筒のトルクが均等となるように各燃焼室11への燃料ガスGのガス供給量を調整する。このようなガス供給量制御と同時にEGR量制御を行う。
EGR量制御は、各気筒ごとに設けた筒内圧力センサ14にて筒内圧力を検出し、その各筒内圧力の検出値と予め設定した筒内最高圧力の設定値とを比較し、筒内圧力の検出値が筒内最高圧力の設定値を超えないように、EGR管4の制御バルブ41の開度を制御(例えばPI制御)するという動作で行う。このEGR量制御は各気筒ごとにそれぞれ個別に行う。なお、EGR温度は、EGR温度センサ43の検出値に基づいてクーラ42の制御バルブ(図示せず)を制御することにより一定に保持される。
以上説明したように、この実施形態によれば、各気筒のトルクの推定値に基づいて、各気筒の燃焼室11へのガス供給量を各気筒ごとにそれぞれ個別に制御しているので、トルク不足が発生することがなく、各気筒間のトルクのばらつきを小さくすることができる。しかも、各気筒の筒内圧力を検出し、その筒内圧力の検出値に基づいて混合気に混合するEGR量を制御しているので、各気筒間におけるトルクを均等に制御した上で、各気筒の最高筒内圧力を許容値(安全値)以下に抑えることが可能になる。
次に、HCCIによる運転状態のときの吸気弁・排気弁の開閉時期及びガス噴射時期に関する制御の例について説明する。
−排気弁閉時期の制御(ホルムアルデヒドの閉じ込め)−
まず、HCCI式のガスエンジンにおいて、高出力化を達成するには、HCCI成立温度を低くすることが有効であり、その方法の1つとして、メタンの低温酸化反応を促進する物質であるホルムアルデヒド(OHラジカル)を混合気に含ませる方法が考えられる。
一方、HCCIが発生しているときには、排気中に微量のホルムアルデヒドが含まれていることがわかっている。そのホルムアルデヒドは、通常は、図3(a)に示すように、シリンダライナ100とピストン10との隙間で発生し、排気行程で排気弁17が開いた時点では燃焼室11内に留まっており、ピストン10の上昇に伴って燃焼室11の上方部に捲り揚げられ燃焼室11内に漂う(図3(b))。そして、ピストン10がTDCに到達する直前で排気弁17の近くに凝縮された後に、排気弁17を通じてホルムアルデヒドが塊となって燃焼室11の外部に排出される(図3(c))。
この例では、以上のようにして排出されるホルムアルデヒドを、燃焼室11内に閉じ込めて混合気に含ませることにより、HCCI成立温度を下げようとするものであり、その具体的な手段として、図4に示すように、排気弁17の閉時期をピストン10のTDC(クランク軸角=360度)よりも早くする(例えばクランク軸角=300度で排気弁17を閉じる)ことによって、未燃のHCとホルムアルデヒドを燃焼室11内に閉じ込めるという構成を採用する。
このようにしてホルムアルデヒドの閉じ込めを行うことにより、メタンの低温酸化反応が促進されてHCCI成立温度を低くすることができるので(図5参照)、機関出力を高めることができる。また、未燃のHCを燃焼室11内に閉じ込めることにより、HCの無駄な排出を抑えることができ、燃料消費効率を高めることができる。
−ガス噴射時期の制御(失火・ノッキング限界の拡大)−
まず、図16に示すように、火花点火式単室式の内燃機関では、運転可能な領域が空気過剰率で0.9〜1.7の範囲であるのに対し、HCCI式の内燃機関では、運転可能な領域が2.5〜3.0(空気過剰率)と狭い範囲であるため、安定な運転状態を維持することが難しいという欠点がある。
一方、HCCI式の内燃機関(ガスエンジン)において、燃料ガスGの噴射時期を制御すると、混合気の層状化と均一化を制御することが可能である。具体的には、図6(a)及び(b)に示すように、ピストンのTDC(燃焼行程)の近く(吸気弁閉時期の近く)で燃料ガスGを噴射すると、混合気が層状化(燃料分布に濃淡がある状態)して、NOXが高くなるとともに、失火が発生し難くなる。これに対し、吸気弁開時期の近くで燃料ガスGを噴射すると混合気が均一化されて、NOXが低くなるとともに熱効率が高くなる(ノッキングが発生し難くなる)。
この例では、そのような点を利用して、HCCI式ガスエンジンの運転可能範囲を広げようとするものであり、その具体的な構成を以下に説明する。
(失火限界の拡大)
図1に示したエンジン1において、失火が発生している場合は、吸気弁閉時期の直前にガスインジェクタ27を開いて燃料ガスGを燃焼室11に噴射する。このように、吸気弁閉時期の直前にガス噴射を行うと、前記したように混合気が層状化するので運転範囲が広がって失火限界を広がる。
なお、失火の判定には、前記した電磁ピックアップ13の出力パルスに基づく回転速度変動から0.5次の振幅を検出することで判定するという方法(例えば特開平11−229952号公報「希薄燃焼ガス機関」に記載の判定方法)を利用すればよい。
(ノッキング限界の拡大)
図1に示したエンジン1において、ノッキングが発生している場合は、吸気弁開時期の直前にガスインジェクタ27を開いて燃料ガスGを燃焼室11に噴射する。このように、吸気弁開時期の直前にガス噴射を行うと、前記したように混合気が均一な状態となるので、運転範囲が広がってノッキング限界が広がる。
なお、ノッキングの判定は、各気筒に設置したノッキングセンサ(加速度ピックアップ)15の出力に基づいて行ってもよいし、あるいは、特開平10−20538号公報(ノッキング検出方法)または特開平10−205387号公報(ノッキング判定方法)に記載されている方法を利用してノッキングを判定するようにしてもよい。
以上のように、ガス噴射時期を制御することにより、失火限界及びノッキング限界が広がるので、HCCI式ガスエンジンにおいて良好な運転が可能になる範囲を広げることができる。
<実施形態2>
前記した<実施形態1>では、ラジエータ冷却水(高温水)を用いて混合気を加熱しているが、この実施形態では、排気ガスの排熱を利用して混合気の加熱を行う点に特徴がある。その具体的な構成を図7を参照しながら説明する。
この例では、吸入管2のスロットル22とガスインジェクタ27との間に熱交換器61を設けているとともに、排気管3に熱交換器62を設けている。これら吸気管2側の熱交換器61と排気管3側の熱交換器62とは循環配管60にて接続されており、各熱交換器61,62に形成されている熱媒体流路(図示せず)に熱媒体であるオイルを流すことができる。循環配管60にはオイルの流量を制御する制御バルブ63が接続されている。
この実施形態によれば、排気管3側の熱交換器62にて排気ガスの排熱を回収してオイルを加熱し、その加熱オイルを吸気管2側の熱交換器61に導いて、燃焼室11に供給する混合気を高温に加熱するので、混合気をHCCI成立温度に短時間で加熱することができる。
<実施形態3>
図8は本発明の別の実施形態の要部構成を示す図である。
この実施形態は、過給機7を設けて燃焼室11に供給する混合気をHCCI成立温度に効率良く加熱するように構成した点に特徴がある。その具体的な構成を以下に説明する。
図8に示すように、燃焼室11に連通する排気管3に過給機7のタービン71が配置されており、その過給機7のコンプレッサ72が燃焼室11に連通する吸気管2に配置されている。また、コンプレッサ72の上流側の吸気管2に小型のインタークーラ8が設けられている。インタークーラ8の熱媒体配管80には制御バルブ81が接続されており、その制御バルブ81の開度を調整することにより、燃焼室11に供給する混合気の温度を制御することができる。
排気管3と吸気管2との間にはEGR管4が接続されている。EGR管4は、排気ガスの一部を吸気管2に還流するための配管であって、一端(後端)が排気管3のタービン71の下流側(出口側)に接続され、他端(先端)が吸気管2のコンプレッサ72の上流側(入口側)に接続されている。EGR管4にはEGR量を制御する制御バルブ41が接続されている。制御バルブ41の開度はコントローラ5にて制御される。なお、以上の過給機7及びEGR4の配置などの構成の他は、前記した<実施形態1>と基本的に同じ構成である。
この実施形態によれば、過給機7のコンプレッサ72の入口にホットEGRを戻しているので、図9に示すように混合気温度が上昇する。さらに、ホットEGRを還流した混合気を過給機7のコンプレッサ72にて圧縮しているので混合気温度が上昇し、その過給機圧縮後の混合気を燃焼室11内で圧縮すると、圧縮端温度(ピストンがTDCに達したときの温度)がHCCI成立温度に達することになる(図10及び図11)。このように、ホットEGRを戻した混合気を過給機圧縮することにより、図1に示したようなヒータ23を用いることなく、混合気温度(圧縮端温度)をHCCI成立温度にまで上昇させることができる。なお、無過給エンジン(N/A)の場合、図11に示すように、圧縮端温度はHCCI成立温度に達しないので、混合気をヒータ等により加熱してHCCI成立温度まで上昇させる必要がある。
また、この実施形態では、過給機7のコンプレッサ72の出口側に小型のインタークーラ8を設けて混合気温度を制御するように構成しているので、燃焼室11での燃焼速度を制御することが可能となり、筒内圧力が高くなり過ぎることを防止できる。
図12は、過給機7を設ける場合の配管系統の一例を示す図である。
図12の構成では、各気筒の排気ポート130・・130を1本の排気管103に接続するとともに、その排気管103の直径を太くすることにより、排気管103を圧力コンバータとして機能させて、過給機7のタービン71の上流側の排気管103内を静圧状態にする点、及び、そのタービン71の上流側の排気管103内に酸化触媒131を配置している点に特徴がある。
このような構成を採用すると、酸化触媒131においてCO及びHCを転換(酸化)する際に生じる熱にて排気ガスが加熱されるので、過給機7のタービン71に流入する排気ガスのエネルギを高めることが可能となり、過給後の混合気温度を更に高めることができる。
しかも、酸化触媒131をタービン71の上流側の排気管103つまり圧力の高い側の管内に配置しているので、触媒層圧力が高くなり触媒の転換率が向上する(図13(a)参照)。さらに、タービン上流側の高温の排気ガスにて酸化触媒131が加熱されて触媒層温度が上昇するので(図13(b)参照)、触媒の転換率がより一層向上するという利点もある。
なお、この例において、各気筒の吸気ポート120・・120についても、排気側と同様に、1本の吸気管102に接続されており、その吸気管102にインタークーラ8が設けられている。
ここで、酸化触媒131としては、コージライトまたはメタル担体の触媒を挙げることができるが、触媒による圧力損失増大と触媒の脱落(脱落片の発生)を防止することが可能である点を考慮すると、メタル担体の触媒を使用することが好ましい。
本発明は、予混合圧縮自着火式ガスエンジンにおいて機関性能・効率を高めて高出力化を実現するのに有効に利用できる。
本発明の実施形態の構成図である。 ガスエンジンにおいて回転速度変動と燃焼変動との相関関係を示すグラフである。 ガスエンジンにおいてHC及びホルムアルデヒドの排出過程を模式的に示す図である。 排気弁の閉時期を示すグラフである。 ホルムアルデヒド濃度とHCCI成立温度との関係を示すグラフである。 ガス噴射時期とNOX・熱効率との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の構成図である。 本発明の別の実施形態の構成図である。 EGR混合割合と混合気温度との関係を示すグラフである。 吸気温度と圧縮端温度との関係を示すグラフである。 吸気温度と圧縮端温度との関係を示すグラフである。 本発明の別の実施形態の構成図である。 触媒層圧力・温度と転換率との関係を示すグラフである。 内燃機関の空気過剰率と排出NOX量・HC量との関係を示すグラフである。 内燃機関の排出NOX量と図示効率との関係を示すグラフである。 内燃機関の空気過剰率とノッキング限界との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
11 燃焼室
12 点火プラグ
13 電磁ピックアップ
14 筒内圧力センサ
15 ノッキングセンサ
16 吸気弁
17 排気弁
2,102 吸気管
20 燃料ガス供給管
21 エアフィルタ
22 スロットル
23 ヒータ
24 吸気温度センサ
25 制御バルブ
26 レギュレータ
27 ガスインジェクタ
3,103 排気管
31,131 酸化触媒
32 リーンバーンセンサ
4 EGR管
41 制御バルブ
42 クーラ
43 EGR温度センサ
5 コントローラ
6,60 循環配管
61 熱交換器(吸気管側)
62 熱交換器(排気管側)
63 制御バルブ
7 過給機
71 タービン
72 コンプレッサ
8 インタークーラ
81 制御バルブ
A 空気
G 燃料ガス

Claims (1)

  1. 複数の気筒を有し,燃料ガスと空気とを予め混合した混合気を前記複数の気筒の各燃焼室にそれぞれ供給して,その各燃焼室内で混合気を圧縮自着火させる方式のガスエンジンにおいて,
    各燃焼室に供給する混合気に排気ガスを混合するEGR手段と,エンジン回転速度の変動から各気筒のトルクを求めるトルク演算手段と,各気筒の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段とを備え,前記トルクの演算値に基づいて各気筒の燃焼室への燃料ガスのガス供給量を各気筒ごとにそれぞれ個々に制御するとともに,前記筒内圧力の検出値に基づいて前記混合気に混合するEGR量を各気筒ごとにそれぞれ個々に制御するように構成されていることを特徴とする予混合圧縮自着火式ガスエンジン。
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