JP4108766B2 - 改良されたトランスアミナーゼ生物学的変換方法 - Google Patents

改良されたトランスアミナーゼ生物学的変換方法 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の技術分野
本発明は、アミノトランスフェラーゼを用いて、アミノ酸を製造するための方法に関する。より特定すると、本発明は、アミノトランスフェラーゼを用いて、L−2−アミノ酪酸およびL−t−ロイシンなどの非天然型アミノ酸を生産するための方法に関する。
関連する背景技術
本発明の方法は、トランスアミナーゼ酵素を用いた、天然型および非天然型のアミノ酸を生産するための先行技術に改良を加えたものである。トランスアミナーゼは、何年も前から文献上知られている。Philipp ChiristenとDavid E. Metzler編、トランスアミナーゼ(Transaminase)(1985)(ニューヨークのジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons))を参照のこと。要約すると、トランスアミナーゼ反応には、アミノ酸とケト酸という2つの基質が必要である。トランスアミナーゼは、ケト酸のケト基(C=O)とアミノ酸のアミノ基(−NH2)との交換を触媒する。この交換によって、ケト酸からは新規のアミノ酸が、また、アミノ酸からは新規のケト酸が生成する。典型的には、どちらか一つの生成物のみが所望され、一般的には、新規のアミノ酸が所望され、もう一方のものは望まれていない副産物である。この酵素は、分けて使用すると、2つの基質は2つの生成物に変換される。理論的には、この反応は可逆的であるため、基質から生成物への変換がおよそ50%という平衡に達するまで進行するはずである。
米国特許第4,518,692号(”Rozzell I”)は、L−アスパラギン酸とさまざまな2−ケト酸をトランスアミナーゼによって反応させて、L−アミノ酸を生産するための方法を開示している。Rozzell I法は、オキサロ酢酸を製造するためにアミノ酸としてL−アスパラギン酸を用い、ピルビン酸を形成するためにオキサロ酢酸を脱炭酸するさまざまな方法を説明している。しかし、本明細書に示すように、Rozzell I法で生産されるピルビン酸は、アラニンを生成する可逆反応過程で、依然ケト供与体として作用することができる。Tokarskiら、Biotechnology Lettes,Vol. 10(1)(1988),pp. 7−10は、アラニンが、トランスアミナーゼ反応における基質として作用することを示している。トランスアミナーゼ(Transaminase)(1985);および、Klaus M. HermannとRonald L. Somerville編、アミノ酸:生合成と遺伝子制御(Amino Acids: Biosynthesis and Genetic Regulation)、(1983)(マサチューセッツ州レディング(Reading)のアディソン−ウェズリーパブリシング(Addison−Wesley Publishing))も参照のこと。Tokarskiらは、トランスアミナーゼを用いて、2−ケト酪酸とアラニンからL−2−アミノ酪酸を生産することを研究した。しかし、この文献は、生産物への変換率が25〜30%にすぎないことを開示しており、この可逆反応によって、50%という理論的な限界に到達できないことを示している。これは、固有の性質であり、トランスアミナーゼ反応の問題であると長い間考えられていて、これが主な理由となって、このような酵素触媒反応が、これらの非常に望ましいアミノ酸生成物を生成するための工業的製造法にさらに活用されることはなかった。本発明は、可逆反応の基質となる可能性のあるものを混合物から除去するための効果的な酵素法を提供する点で、Rozzell IおよびTokarskiらとは異なる。
米国特許第4,826,766号(”Rozzell II”)は、2種類のトランスアミナーゼ酵素と、さらに別のケト酸を用いた、改良されたトランスアミナーゼ触媒反応を開示している。この方法では、第一のトランスアミナーゼ酵素が、第一のアミノ酸と第一のケト酸の間の反応を触媒して、第二のアミノ酸と第二のケト酸を生成させる。そして、第二のトランスアミナーゼ酵素は、第二のアミノ酸と第三のアミノ酸の反応をさらに触媒して、所望のアミノ酸を形成させる。この2種類のトランスアミナーゼ酵素は、第一の酵素が第二の反応を触媒せず、第二の酵素が第一の反応を触媒しないように選択する。しかし、Rozzell II法では、さらに別のケト酸が必要となり、また、アセト乳酸シンターゼの使用については開示いしていない。
これらの特許および文献の開示は、それらの全体が、参照して本明細書に組み込まれる。このように、トランスアミナーゼ酵素を用いて、アミノ酸の収率を上げる方法が望ましい。
本発明は、トランスアミナーゼ酵素を、トランスアミナーゼ反応によって生成されるケト酸を除去する第二の酵素と組み合せて、平衡状態が形成されるのを阻害し、アミノ酸生成反応を完全に行なわせる、改良されたトランスアミナーゼ法を提供する。第二の酵素は、ケト酸をトランスアミナーゼとそれ以上反応することができない基質に変換する反応を触媒する。第二のケト酸を除去することによって、第二の酵素は、所望のアミノ酸生成物が、生成されるアミノ酸のほぼ100%となる程度までアミノ酸生成反応が進行することを可能にする。
この方法によって生産されるアミノ酸は、例えば、食品添加剤、フレーバー増強剤、甘味料、および栄養補給剤として、それだけでも有用であるが、合成中間化合物として用いて、有用産物、特に、薬剤を生産するために、さらに反応させることもできる。この生産方法によるアミノ酸生成物は、キラル薬剤を生産するための単一の鏡像異性体の出発物質として特に有用である。
発明の概要
本発明は、第一のアミノ酸、第一のケト酸、およびトランスアミナーゼ酵素を、第二のアミノ酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で反応させ、および、このトランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生産するのに適した条件下で、このピルビン酸をアセチル乳酸シンターゼと反応させることを含む、アミノ酸を生産するための方法を提供する。
本発明は、また、
a)ケト酸を生産するのに適した条件下で、第一のアミノ酸を酵素と反応させること、
b)第三のアミノ酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で、このケト酸を第二のアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、
c)ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼと反応させることを含む、アミノ酸生産のための方法を提供する。
本発明は、さらに、
a)2−ケト酪酸を生産するのに適した条件下で、L−スレオニンをスレオニンデアミナーゼと反応させること、
b)オキソ乳酸およびL−2−アミノ酪酸を生産するのに適した条件下で、2−ケト酪酸、L−アスパラギン酸、およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、
c)オキソ乳酸からピルビン酸を生産すること、
d)アセト乳酸を生産するのに適した条件下で、ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること、
e)アセト乳酸からアセトインを生産すること、および、
f)アセトインとL−2−アミノ酪酸を別々に回収することを含む、L−アミノ酪酸を生産するための方法を提供する。
本発明は、また、
a)2−ケト酪酸を生産するのに適した条件下で、L−スレオニンをスレオニンデアミナーゼ酵素と反応させること、
b)2−アミノ酪酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で、2−ケト酪酸を、アミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、
c)トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生産するのに適した条件下で、ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること
を含む、2−アミノ酪酸を生産するための方法も提供する。
本発明は、また、ケト酪酸、アミノ酸、トランスアミナーゼ酵素、およびアセト乳酸シンターゼ酵素を含む反応媒質も提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、後述の実施例6で説明する、プラスミドpLG338からのプラスミドpIF349の作製を示している。
図2は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpBR322からのプラスミドpIF306の作製を示している。
図3は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpIF306からのプラスミドpIF307の作製を示している。
図4は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpIF307からのプラスミドpIF312の作製を示している。
図5は、後述の実施例5で説明する、プラスミドpIF312からのプラスミドpIF322の作製を示している。
図6は、後述の実施例2で説明する、プラスミドpIF312からのプラスミドpIF347の作製を示している。
図7は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpIF312からのプラスミドpIF353の作製を示している。
図8は、後述の実施例7で説明する、プラスミドpIF328を示している。
図9は、後述の実施例3で説明する、プラスミドpME64を示している。
図10は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpPOT1を示している。
図11は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpPOT1からのプラスミドpPOT2の作製を示している。
図12は、後述の実施例1で説明する、プラスミドpPOT2からのプラスミドpPOT3の作製を示している。
図13は、後述の実施例4で説明する、プラスミドpPOT3からのプラスミドpPOT300の作製を示している。
図14は、後述の実施例8で説明する、プラスミドpPOT3からのプラスミドpPPT368の作製を示している。
発明の詳細な説明
本発明は、第一のアミノ酸、ケト酸、およびトランスアミナーゼ酵素を、第二のアミノ酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で反応させ、また、トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生産するのに適した条件下で、このピルビン酸をアセチル乳酸シンターゼと反応させることを含む、アミノ酸を生産するための方法を提供する。
本発明の方法の概要を説明すると、次のようになる:
Figure 0004108766
本発明を実施するときに、本明細書において、時に、”アミノ供与体”と呼ばれている第一のアミノ酸は、トランスアミナーゼ、および、本明細書において、時に”ケト供与体”と呼ばれているケト酸と反応して、所望のアミノ酸生成物(反応図式1の”アミノ酸2”)とピルビン酸(反応図式1の”ケト酸2”)を生成する、あらゆるアミノ酸を含む。一つの実施形態において、第一のアミノ酸は、このような条件下で直接、ピルビン酸になるアラニンである。Tokarskiらを参照のこと。好ましい態様において、第一のアミノ酸はL−アスパラギン酸である。ケト酸とL−アスパラギン酸とのトランスアミナーゼ反応は、第二のケト酸としてオキサロ酢酸を生成する。Rozzenll Iの開示とは逆に、通常の条件下では、オキサロ酢酸はCO2を自然に失ってピルビン酸になることを当業者は認識している。
本発明の方法は、第二の酵素である、ピルビン酸2分子を縮合してアセト乳酸を生成させるアセト乳酸シンターゼの反応によってピルビン酸を除去する。縮合過程で、カルボキシル基が二酸化炭素分子となって脱離するため、この反応は、本質的に不可逆的なものとなる。次に、アセト乳酸は、さらに、自然に脱炭酸を起こしてアセトインを生成するが、これは、揮発性であるため、望ましければ、精製したアミノ酸生成物を提供するための公知の技術を用いて、アミノ酸反応生成物から分離するのは容易である。
さまざまな選択性をもつトランスアミナーゼが知られている。トランスアミナーゼ(Transaminase)(1985);アミノ酸:生合成と遺伝子制御(Amino Acids:Biosynthesis and Genetic Regulation)(1983);および米国特許第4,826,766号(”Rozzell II”)を参照のこと。本発明の方法は、トランスアミナーゼ酵素を産生するバクテリアまたはウイルスなど、天然に存在する、または天然には存在しない微生物の使用を含むことを想定している。本明細書で用いられる”天然には存在しない微生物”という用語は、遺伝子を改変した微生物で、トランスアミナーゼ酵素を産生するものすべてを含むことを想定している。例えば、Rozzell IIは、芳香族アミノ酸、分枝アミノ酸、および酸性側鎖をもつアミノ酸に対する選択性をもつトランスアミナーゼの微生物源をいくつか開示している。
本方法の一つの態様において、トランスアミナーゼ酵素は、トランスアミナーゼ酵素をコードする遺伝子をもつ、天然には存在しない微生物の細胞によって産生される。例えば、細胞がトランスアミナーゼ酵素を産生するよう、トランスアミナーゼをコードする遺伝子を、細胞の中に挿入されるプラスミドの中に組み込むことができる。本発明の別の態様において、例えば、2種類、3種類、4種類など、複数のトランスアミナーゼ酵素を、本方法において、同時に利用することができる。したがって、本明細書で用いられる場合、”トランスアミナーゼ酵素”は、同時に用いるのに、1種類または1種類よりも多いトランスアミナーゼ酵素を含むことができる。好ましい態様においては、単一のトランスアミナーゼ酵素の場合も、複数のトランスアミナーゼ酵素の一つの場合も、用いられるトランスアミナーゼ酵素は、本明細書で説明されているプラスミドpME64によって産生される酵素である。
アセト乳酸シンターゼの供給源についての一般的な説明は、Renna, M.C.ら、J. Bacteriol.,(1993)Vol. 175, pp. 3863−3875;およびWek, R.C. ら、Nucleic Acids Res.,(1985)Vol. 13, pp. 3995−4010の中に見られる。これらの文献は、その全体が、参照して本明細書に組み込まれる。トランスアミナーゼ酵素について上記したように、本発明の方法は、アセト乳酸シンターゼ酵素を産生するバクテリアまたはウイルスなど、天然に存在するか、または天然には存在しない微生物の使用を含むことを想定している。本方法の一つの態様において、アセト乳酸シンターゼ酵素は、トランスアミナーゼ酵素をコードする遺伝子をもつ、天然には存在しない微生物の細胞によって生産される。例えば、細胞にアセト乳酸シンターゼ酵素を生産させるために、細胞の中に挿入されるプラスミドの中に、アセト乳酸シンターゼをコードする遺伝子を組み込むことができる。本発明の別の態様において、本方法では、例えば、2種類、3種類、4種類など、複数のアセト乳酸シンターゼを同時に利用することができる。したがって、本明細書で用いられる場合、”アセト乳酸シンターゼ酵素”は、同時に用いるのに、1種類または1種類よりも多いアセト乳酸シンターゼ酵素を含むことができる。好ましい態様においては、単一のアセト乳酸シンターゼ酵素の場合も、複数のアセト乳酸シンターゼ酵素の一つの場合も、用いられるアセト乳酸シンターゼ酵素は、本明細書で説明されているプラスミドpPOT300によって産生される酵素である。
本発明の方法を応用して、適当なケト酸を選択することによって、さまざまな天然型および非天然型のアミノ酸を生産することができる。米国特許第4,518,692号、およびトランスアミナーゼ(Transaminase)(1985)をみると、本発明において有用な広範なケト酸を開示している。好ましい態様において、ケト酸は2−ケト酪酸である。別の好ましい態様において、ケト酸はトリメチルピルビン酸である。
これらの供給源に加えて、ケト供与体は、別のアミノ酸を含む、容易に利用することのできる出発物質から調製することもできる。例えば、スレオニンデアミナーゼという酵素は、L−スレオニンと反応して2−ケト酪酸を生成する。下記の反応図式2を参照のこと。そして、このようにして生成したケト酸を、上述した方法にしたがって、L−アスパラギン酸のアミノ酸基質と反応させて、L−2−アミノ乳酸を生産する。L−スレオニンは、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社(Archer Daniels Midland)(イリノイ州ディケーター(Decatur))から購入することのできる安価な出発物質であり、この反応は、本質的に100%の収率で2−ケト酪酸を生成する。上記アミノ酸:生合成と遺伝子制御(Amino Acids: Biosynthesis and Genetic Regulation)(1983)を参照のこと。
Figure 0004108766
本方法において有用なさまざまなケト酸を生産するためのさまざまなアミノ酸出発物質を用いる、さらに別の反応が当技術分野で知られている。Gene,(1989)Vol. 76,pp. 255−269およびGene,(1988)Vol. 63, pp. 245−252に説明がある。また、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)のアミノ酸デアミナーゼ酵素の活性に関する一般的な説明については、Massad G., et al., J. Bacteriol.,(1992)Vol. 177, pp. 5878−5883を参照のこと。これらの文献は、その全体が、参照して本明細書に組み込まれる。
このように、本発明は、また、
a)ケト酸を生産するのに適した条件下で、第一のアミノ酸を酵素と反応させること、
b)第三のアミノ酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で、このケト酸を第二のアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、
c)ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼと反応させることを含む、アミノ酸生産のための方法も提供する。
工程(c)におけるピルビン酸の反応は、上記の説明にしたがって進行して、アミノ酸生産物を単離するために、第三のアミノ酸から容易に単離することができるアセトインを生成する。好ましい態様において、工程(a)の酵素は、デアミナーゼ酵素である。特に好ましい態様においては、第一のアミノ酸はスレオニン、また酵素はスレオニンデアミナーゼである。
好ましい態様において、本発明は、
a)2−ケト酪酸を生産するのに適した条件下で、L−スレオニンをスレオニンデアミナーゼ酵素と反応させること、
b)2−アミノ酪酸およびピルビン酸を生産するのに適した条件下で、2−ケト酪酸を、アミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、
c)ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること、を含む、2−アミノ酪酸生産のための方法を提供する。
これらの方法を実施するときに、デアミナーゼなど、工程(a)で用いられる酵素は、上述の供給源のいずれに由来していてもよく、また、上述したような複数の酵素でもよい。本発明の一つの態様において、本方法では、例えば、2種類、3種類、4種類など、複数の酵素を、同時に利用することができる。したがって、本明細書で用いられる場合、”デアミナーゼ酵素”は、同時に用いるのに、1種類または1種類よりも多いデアミナーゼ酵素を含むことができる。本方法の好ましい態様において、デアミナーゼ酵素は、本明細書で説明されているプラスミドpIF347によって産生されるスレオニンデアミナーゼ酵素である。本方法を実施するときに、デアミナーゼなど、工程(b)で用いられるアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素は、ピルビン酸を生成するアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素でもよい。好ましい態様において、工程(b)のアミノ酸はL−アスパラギン酸である。別の好ましい態様において、トランスアミナーゼ酵素は、プラスミドpME64によって産生される酵素である。工程(c)で使用されるアセト乳酸シンターゼは、上述の供給源のいずれからのものでもよい。本発明の好ましい態様において、アセト乳酸シンターゼ酵素は、プラスミドpPOT300によって産生される酵素である。
酵素を利用するための技術
本発明を実施するときに、上述の酵素を、上述の基質と反応させるのに”適した条件”は、当業者にとって既知のものである。
例えば、トランスアミナーゼおよびアセト乳酸シンターゼ酵素を産生する細胞を、ケト酸およびアミノ酸の出発物質を含む溶液に接触させることができ、混合液中のケト酸出発物質の少なくとも一部を、所望のアミノ酸生成物に変換するという結果をもたらすことができる。基質および生成物が、細胞の内外に容易に拡散するよう、細胞を透過性にすることも可能である。この透過性化は、登録商標トィーン80(Tween 80)、登録商標トリトン X−100(Triton X−100)、登録商標ノニデットP40(Nonidet P40)、塩化セチルピリジニウム、デオキシコール酸、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、または塩化ベンズアルコニウムなどを含むが、これらに限定はされない界面活性剤を低濃度で用いて細胞を処理することによって行なうことができる。さらに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノールまたはアセトンなどであるが、これらに限定はされない有機溶媒を低濃度で用いて、透過性を高めることもできる。トランスアミナーゼ、スレオニンデアミナーゼ、およびアセト乳酸シンターゼなどの酵素も、粗製酵素、部分精製酵素、または精製した酵素を含む細胞抽出物の形で、出発反応混合物に加えることもできる。細胞破砕および酵素の回収のために用いられる、当業者に既知の方法によって、細胞抽出物を調製する。細胞破砕は、物理的手段または非物理的手段によって行なうことができる。バクテリア懸濁液には、当業者に公知の特定の方法とともに、フレンチプレス、超音波、ビーズ式破砕、またはマントン−ゴーリン(Manton−Gaulin)式ホモジナイザーが最もよく用いられる。Scopes,R.K.”タンパク質精製(Protein Purification)”(1982)(ニューヨークのスプリンガーフェアラーク社(Springer−Verlag))を参照のこと。次に、上述した全細胞法と同じ方法で、細胞抽出物を用いた反応を行なう。
酵素を含む細胞、またはその抽出物もしくは精製酵素もしくは酵素画分は、望ましければ、固定化することもできる。本発明を実施するときに用いることのできる固定方法には、ポリマーゲルへの捕捉、共有結合、クロスリンキング、吸着、およびカプセル化などの公知の方法が含まれる。これらの方法のいくつかの実例が、参照してここに組み込まれる、Science,219:722−727(1983)とその中の文献において、A.M. Klibanovによって、およびMethods in Enzymology第44巻(K. Mosbach編)(1979)において説明されている。米国特許第5,019,509号において開示されている一つの方法では、少なくとも20重量%のシリカまたはアルミナを含む支持物質を、アミノアルキルシラン、ポリエチレンイミン、またはポリアルキルアミンなどのアミノアルキル化合物と接触させてから、グルタルアルデヒドによって活性化させる。そして、酵素を含む溶液を、活性化させた支持体と接触させ、トランスアミナーゼおよび/またはアセト乳酸シンターゼの活性をもつ固定化酵素組成物を作製する。本発明を実施する上で有用なその他の固定化支持体には、多孔性ガラスおよび多孔性セラミック、ベントナイト、珪藻土、登録商標チャコールセファロース(charcoal Sepharose)および登録商標セファロース誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体、ポリアクリルアミドおよびポリアクリルアミド誘導体、ポリアゼチジン、アルギナート、カラゲナン、および登録商標クロモソーブ(Chromosorb)などがあるが、これらに限定はされない。登録商標セファロース(Sepharose)(スウェーデン、ウプサラ(Uppsala, Sweden)のファルマシアファインケミカルズ社(Pharmacia Fine Chemicals))は、アガロースから調製されるビーズ状のゲルである。製造業者の製品説明書によると、自然な状態では、アガロースは、寒天(アガー)と呼ばれる、荷電した多糖類と中性の多糖類との複合的混合物の一部として存在する。登録商標セファロース(Sepharose)を作製するために用いられるアガロースは、荷電性多糖を取り除いて、非常に少数の残留荷電基だけをもつゲルを作製するという精製処理によって得られる。当業者には、細胞、またはそれに由来する抽出物を固定するのに適したその他多くの物質も、本発明で用いる酵素の固定に有用であることが理解できよう。これらの支持体は、望ましい場合には、当技術分野において公知の技術によって活性化することができる
トランスアミナーゼおよびアセト乳酸シンターゼを含む細胞、またはこの細胞から採った抽出物を含む組成物を利用して、所望のアミノ酸生成物を生成する反応は、第一のケト酸の少なくとも一部を所望のアミノ酸に変換させることのできる条件下で、第一のケト酸と第一のアミノ酸を含む溶液を酵素と接触させることによって行なう。本発明の方法を実施するとき、細胞は酵素水溶液と、約50mg/mlから約200mg/mlの範囲の細胞濃度にて接触させる。好ましい態様において、細胞濃度は約100mg/mlである。細胞の抽出物を用いて本発明を実施するときには、これらの細胞濃度を生じさせるような細胞量から抽出物を調製する。
本発明の酵素反応は、約30℃から約50℃の温度範囲で、好ましくは、約37℃から約45℃の温度範囲で実施する。反応にとって至適なpHは、約6から約9の範囲におよび、より好ましくは、約7から約8であるが、pH 8がもっとも好ましい。
これから、以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は、後述する請求項において明らかにされる本発明の範囲を制限するためのものではなく、そのように解釈してはならない。
実験の詳細
実施例1−4は、請求の範囲に記載されている発明の方法、すなわちL−2−アミノ酪酸の生産の、好ましい態様において用いられる好ましい酵素をコードする遺伝子を含むプラスミドの作製法、を示している。実施例では、これらのプラスミド、pIF347、pME64、およびpPOT300は、それぞれ、宿主菌株W3110を利用して、別々に、個々のバクテリア宿主菌株中で用いた。W3110は、ATCC(メリーランド州ロックビル(Rockville, MD))から入手する(ATCC受託番号27325)。しかし、当業者は、本発明を実施するには、それぞれ別の宿主菌株も適していると考えよう。さらに、当業者は、2種類以上のプラスミド、またはすべてのプラスミドを、単一の宿主菌株の中に組み込んで、上述のように利用することができると考えよう。
当業者にとって公知の一般的な分子生物学的技術を全面的に用いることができる。例えば、(Sambrookら編(第2版、1989)、分子クローニング(Molecular Cloning)(ニューヨーク州コールドスプリングハーバーパブリケーションズ(Cold Spring Harbor Publications))。PCR法は、ロシュ社(Roche)(ニュージャージー州ブランチバーグ(Branchburg,NJ))によって販売されているパーキンエルマー(Perkin Elmer)GeneAmpキットを用いて、配布された説明書にしたがって実施した。DNA連結は、タカラバイオケミカル社(Takara Biochemical)(ウィスコンシン州マディソン(Madison, WI)のパンベラ社(PanVera Corp.))によって販売されているキットを用い、配布された使用説明書にしたがって実施した。DNA切断は、ニューイングランドバイオラブズ社(New England Biolabs)(マサチューセッツ州バヴァリー(Beverly, MA)によって販売されている制限酵素を用い、配布された使用説明書にしたがって実施した。染色体DNAは、QiagenゲノミックDNAキッツ(カリフォルニア州サンタクラリタ(Santa Clarita, CA)のキアゲン社(Quiagen))のものを用い、配布された使用説明書にしたがって実施した。さらに、キアゲン社から、PCR精製キットの供給を受けたが、これを配布された使用説明書にしたがって用いた。
遺伝子発現は、本発明の好ましい態様を代表する一連の発現ベクターで、本明細書で、pPOTと呼ばれているベクター上で行われた。これらのプラスミドは、醗酵槽の温度を調節することによって、細胞増殖の特定の段階で、遺伝子に酵素産生を開始させることができる。これらのプラスミドは、ラムダファージ由来のcIと名づけられたリプレッサーの変異配列をもっている。R.W. Hendrixら編(1983)、(ニューヨーク州コールドスプリングハーバーパブリケーションズ(Cold Spring Harbor Publications);およびストラタジーンクローニングシステムズ社(Stratagene Cloning Systems))の製品カタログ(カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla, CA)を参照のこと。この変異は、リプレッサーを温度が約30℃を超える温度に上昇すると、不安定にする。このリプレッサーは、通常は、PRプロモーターの制御下にある遺伝子を発現させない。温度が上昇すると、リプレッサーが不活性化されて、プロモーターが働きだす。いずれの場合にも、目的の遺伝子は、PRプロモーターの調節下に置かれている。
実施例1
発現ベクターpPOT1、pPOT2、およびpPOT3の構築
プラスミドpPOT1。プラスミドpBR322を、ニューイングランドバイオラブズ社(New England Biolabs)(マサチューセッツ州バヴァリー(Beverly, MA)から購入した。pBR322上の唯一のHindIIIおよびSphI部位の間に、改変したpheAプロモーターを挿入して、pIF306を構築した。HindIII−SphI挿入配列中には、唯一のBamHIとBglII部位が存在する。改変したpheAプロモーターは、参照してここに組み込まれる、Fotheringhamrらへの同じ所有の米国特許第5,120,837号で特徴付けられているプロモーターに由来しており、次のよう配列であった。
Figure 0004108766
pIF306をBamHIおよびSphIで切断した。3.9kBの断片を単離して、同じように切断した、大腸菌K12のilvE遺伝子を含むフラグメントと連結させた、このフラグメントは、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって、W3110の染色体から作製した。
Figure 0004108766
こうしてできたベクターにpIF307という名前をつけた。プラスミドpIF307をEcoRIおよびPstIで切断して、4.1kBの断片を単離した。この断片を、同じように切断して精製した982塩基対のDNA断片で、プラスミドpLG338からのカナマイシン耐性遺伝子を含むものと連結させた(pLG338については、米国特許第5,120,837号、およびStokerら、Gene 18: 335−341で説明されている)。この断片は、以下のオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRを用いて作製された。
Figure 0004108766
こうしてできたプラスミドをpIF312と名付けた。プラスミドpIF312をEcoRIおよびBamHIで切断し、その結果できた4.97kBの断片を、ラムダファージcI857遺伝子に連結させた。この遺伝子は、ラムダ(Lambda)ZapIIベクター(カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla, CA)にあるストラタジーン社(stratagene))を鋳型として用い、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって単離した後、同じように切断して得た。
Figure 0004108766
こうしてできたプラスミドをpPT353と名付けた。このプラスミドをPstIおよびEagIで切断して、3.17kBの断片を単離した。次に、この断片を、pBR322の1.95kBのPstI−BspE1断片と、次のオリゴヌクレオチドを用いて、pLG338から作製したPCR断片に連結させてプラスミドpPOT1を構築できる。
Figure 0004108766
このPCRによって、0.59kBのDNA断片が増幅される。このDNA断片を、BspEIとEagIで切断して、3種類の分子を連結してpPOT1を作製するのに必要な粘着末端を作製する。
プラスミドpPOT2を作製するために、pPOT1をBamHIおよびSalIで切断して、4.68kBの断片を単離した。この断片を、以下の2種類のオリゴヌクレオチドのアニーリングにより調製したオリゴヌクレオチドリンカーに連結させた。
Figure 0004108766
こうしてできたプラスミドをpPOT2と名付けた。このプラスミドをXhoIおよびPstIで切断して、3.9kbの断片を単離した。この断片を、同じようにXhoIおよびPstIで切断した断片で、米国特許第5,345,672号(Fotheringham)(この特許の開示は、参照して本明細書に組み込まれる)に記載されているHSG415のcat遺伝子を含む断片に連結させた。cat遺伝子は、宿主細胞にクロラムフェニコールに対する耐性を付与し、HSG415から、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて単離することができる。
Figure 0004108766
こうしてできたプラスミドをpPOT3と名付けた。
実施例2
スレオニンデアミナーゼをコードする大腸菌ilvA遺伝子を含むプラスミドpIF347
pIF347を構築するために、スレオニンデアミナーゼをコードするilvA遺伝子を、大腸菌K12の染色体DNAからPCRによって増幅した。大腸菌K12の染色体DNAは、常法にしたがって調製した。ilvA遺伝子は、オリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって特異的に増幅した。
Figure 0004108766
このPCR産物を制限酵素BamHIとSphIで切断し、こうして作製した1.57kBの断片を、同じようにBamHIとSphIで切断したpIF312の4.1kBの断片に連結させた。こうしてできたプラスミドをpIF347と名付けた。
実施例3
チロシンアミノトランスフェラーゼをコードする大腸菌tyrB遺伝子を含むプラスミドpME64
tyrB遺伝子をコードする大腸菌K12染色体の断片を含むプラスミドpME64は、Fotheringhamら、Biochemical Journal,(1986)Vol. 234, pp. 593−604に記載されており、この内容は、参照して本明細書に組み込まれる。tyrB遺伝子は、文献に開示されている配列に基づいたオリゴヌクレオチドプライマーを用い、常法を用いて、大腸菌K12の染色体から直接単離することもできる。
実施例4
アセト乳酸シンターゼをコードする枯草菌alsS遺伝子を含むプラスミドpPOT300
PCRを用いて、枯草菌の染色体からalsS遺伝子を増幅した。枯草菌の染色体DNAは、大腸菌K12に用いた方法と同じ方法を用いて調製した。alsS遺伝子は、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、PCRによって特異的に増幅された:
Figure 0004108766
そして、このPCR産物をBamHIとSalI酵素で切断してできた1.9kBの断片を、同じようにBamHIとSalIで切断した後アガロースゲル電気泳動によって単離したpPOT3の4.76kBの断片に連結させた。こうしてできたプラスミドをpPOT300と名付けた。
実施例5
プラスミドpIF322の構築
aspC遺伝子も、刊行物Fotheringhamら、(1986)で説明されている。この刊行物で開示されている配列に基づいて、この遺伝子のコード配列を、大腸菌K12の染色体から、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって、1.2kBの断片として単離することができる。
Figure 0004108766
pIF322を構築するために、プラスミドpIF312をBamHIとSphIで切断して、以前と同じように4.1kBの断片を単離した。これを、aspCを含むPCR断片に連結させてpIF322を作出した。
実施例6
プラスミドpIF349の構築
Fotheringham(1986)に開示されている配列に基づいて、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、野生型のプロモーター領域とともにaspC遺伝子を1.6kbの断片として単離することができる。
Figure 0004108766
QiagenPCR精製キットを用いてPCR産物を精製し、EcoRIとBglIIで制限酵素消化して得た断片を、プラスミドpLG338の7.1kbのEcoRI−BamHI断片に連結させることができる。プラスミドpLG338については、米国特許第5,120,837号、およびStokerら、Gene vol. 18:pp. 335−341で説明されて、その内容は、参照して、本明細書に組み込まれる。こうしてできたプラスミドがpIF349である。
実施例7
プラスミドpIF328の構築
プラスミドpIF328は、pIF312に由来している。まず、pIF312のpheAに由来するプロモーター領域を、大腸菌K12のpckAプロモーターに由来する領域と置換した。この領域は、GENBANKエントリーECOPCKAに記載されている。pckAプロモーターを、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、270 bp断片上で増幅した。
Figure 0004108766
5’ GATAAT3’という野生型の−10配列が5’ TATAAT3’になるよう、標準的なPCRによる突然変異誘発法を用いて、pckAプロモーターの−10領域に突然変異を導入した。この結果、このプロモーターによる正常な代謝的抑制が失われる。
この断片を単離し、Qiagen PCR精製キットを用いて精製し、EcoRIとBamIの切断断片により生じたpIF312の4.97kb断片に連結した。こうしてできたプラスミミドがpIF312である。
そして、プラスミドpIF313をEspEIとSphI酵素で切断し、4.14kbの断片を単離して、Qiagen PCR精製キットを用いて精製した。次に、pLG338の部分的遺伝子座であるParを、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって増幅した:
Figure 0004108766
この結果できた970 bp断片をBspEIとSphIで切断し、pIF313断片に連結させた。この結果できたプラスミドがpIF328であった。
実施例8
プラスミドpPT368の構築
pPT368を構築するために、プラスミドpPOT3を、BamHIとSphI酵素によって切断し、4.8kb断片を単離した。以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによって、大腸菌染色体から大腸菌K12のilvE遺伝子を増幅した:
Figure 0004108766
この0.94kbの断片をQiagen PCR精製キットを用いて精製し、BamHIとSphIで同じように切断して、pPOT3の断片に連結させた。この結果、プラスミドpPT368ができた。
次の実施例9および10では、2−ケト酪酸またはL−スレオニンを基質として用いて、2−アミノ酪酸生合成に対するアセト乳酸シンターゼの効果を調べた。LB寒天培地からの単一コロニーを50mlのLB培地に植菌し、500mlフラスコに入れて、37℃で一晩振とう培養器中で培養して、pME64、pPOT300、またはpIF347をもつW3110細胞の細胞培養液を調製した。適当なものに、抗生物質を、100μg/mlアンピシリン、40μg/mlカナマイシン、および10μg/mlクロラムフェニコールという濃度で添加した。上記の実施例でのプラスミドの説明によって、どの抗生物質が各プラスミドに必要かが分かる。そして、一晩培養した培養液を用いて、1リットルのLBに適当な抗生物質を加えたもののOD600が、まず0.05になるように植菌した。これらを4リットルフラスコ中で、OD600が1.0になるまで300rpmで回転しながら37℃で増殖させた。次に、10,000Gで5分間遠心分離して、この細胞を回収し、50mMトリス塩酸緩衝液で洗浄して、また同じように沈殿させた。沈殿させた生細胞を必要な重量、生物学的変換用混合液に加えた。
アミノ酸のHPLC解析を、以下のようにして行なった。
1.L−2−アミノ酪酸:
方法:OPA/BOC−Cys誘導体化。
移動相:勾配法、ポンプA=60%MeOH、40%0.05MTEAP、緩衝液のpH=7.0;ポンプB=H2O;ポンプB0分および6分後、32%、8分後までに5%。14.1分後に、開示した時の条件に復帰させる。40℃のオーブン。
カラム:スペルコシル(Supelcosil)LC−18DB、3μ、150×4.6mm
流速:1.0ml/分
検出:UV @ 338nm
注入容量:10μl
2.L−t−ロイシン:
方法:OPA/BOC−Cys誘導体化。
移動相:保存溶液300mMNaHPO4、pH7.0;1リットルの水に溶解した11.635gのNaH2PO4、および30.723gのNa2HPO4;勾配法、ポンプA=15mMNaHPO4;水で1Lに希釈した50mlの保存溶液;ポンプB=900mlのポンプA溶液、および1100mlのACN。
カラム:スペルコシル(Supelcosil)LC−18DB、3μ、150×4.6mm
流速:1.5ml/分
検出:UV @ 338nm
注入容量:10μl
実施例9
2−ケト酪酸を基質として用いた、2−アミノ酪酸の生合成反応は、以下の基質濃度を用いて行なった:
反応A
反応容量2ml
2−ケト酪酸500mM(NaOHでpH7.5に調整)
L−アスパラギン酸500mM(NaOHでpH7.5に調整)
100mMトリスpH7.5
反応時間24時間
pME64をもつW3110の細胞、100mg/ml
反応B
反応容量2ml
2−ケト酪酸500mM(NaOHでpH7.5に調整)
L−アスパラギン酸500mM(NaOHでpH7.5に調整)
100mMトリスpH7.5
反応時間24時間
pME64をもつW3110の細胞、100mg/ml、およびpPOT300をもつW3110の細胞、50mg/ml
24時間インキュベートした後、各反応液から200μlのサンプルを採って、遠心分離によって細胞を取り除いた。そして、このサンプルを100倍に希釈して、上述の方法によるHPLCによるアミノ酸解析(以下で詳述)を行なった。
次の表において、”L−2−aba”は、L−2−アミノ酸酪酸を意味し、”L−ala”はL−アラニン含有量を表し、”L−asp”はL−アスパラギン酸を表し、”L−thr”はL−スレオニンを表し、”L−t−leu”はL−t−ロイシン含有量を表し、”L−glu”はL−グルタミン酸含有量を表している。表中のすべての含有量の値は、mg/mlで表されている。
Figure 0004108766
実施例10
L−スレオニンを基質として用いた、2−アミノ酪酸の生合成
反応は、以下の基質濃度を用いて行なった:
反応A
反応容量2ml
L−スレオニン500mM(NaOHでpH8.0に調整)
L−アスパラギン酸500mM(NaOHでpH8.0に調整)
反応時間20時間
pME64をもつW3110の細胞、100mg/ml
pIF347をもつW3110の細胞、50mg/m
反応B
反応容量2ml
L−スレオニン500mM(NaOHでpH8.0に調整)
L−アスパラギン酸500mM(NaOHでpH8.0に調整)
反応時間20時間
pME64をもつW3110の細胞、100mg/ml
pIF347をもつW3110の細胞、50mg/ml、およびpPOT300をもつW3110の細胞、50mg/ml
24時間インキュベートした後、各反応液から200μlのサンプルを採って、遠心分離によって細胞を取り除いた。そして、このサンプルを100倍に希釈して、HPLCによるアミノ酸解析を行なった。
Figure 0004108766
これらの結果は、アセト乳酸シンターゼを使用すると、生物学的変換において、L−アラニンの蓄積が極めて有意に低く抑えられることを示している。これは、ケト酸の供給源として2−ケト酪酸またはL−スレオニンのいずれかを用いた生物学的変換にも当てはまる。
2−ケト酪酸の場合、収量と相対的精製度は以下のとおりである。
Figure 0004108766
L−スレオニンの場合、収量と相対的精製度は以下のとおりである。
Figure 0004108766
どちらの場合も、産物の収率が少し向上し、2−aba:アラニンの比率が、劇的に、およそ7倍および10倍向上している。
これらの実施例では、遺伝子がそれぞれ別々の菌株のそれぞれ別のプラスミド上に存在しているが、一つ以上のプラスミド上の遺伝子を一つの菌株の中で組み合わせるのも論理的なステップであろう。こうすることによって、本方法を用いてL−2−abaまたはその他のアミノ酸を大規模に製造するための生物を培養する時間、煩雑さ、および費用が低減されよう。さらに、当業者は、トランスアミナーゼ、デアミナーゼ、および/またはアセト乳酸シンターゼ酵素の一つ以上をコードする別々の遺伝子を単一のプラスミドに組み込むことができることを認識するであろう。
実施例10
比較例
alsSと組合わされたまたは組合されていないトランスアミナーゼを使用したL−t−ロイシンの生合成
以下の反応によって、この発明の方法と、上述したRozzell I特許で開示されている方法との比較が提供される。
反応A
反応容量1リットル
トリメチルピルビン酸500mM
L−アスパラギン酸550mM
L−グルタミン酸50mM
pH8.0
反応時間48時間
pIF349およびpPT368をもつW3110の細胞、100mg/ml
反応B
反応容量1リットル
トリメチルピルビン酸500mM
L−アスパラギン酸550mM
L−グルタミン酸50mM
pH8.0
反応時間48時間
pIF328をもつW3110の細胞、100mg/ml
pIF322をもつW3110の細胞、50mg/ml
pPOT300をもつW3110の細胞、50mg/ml
48時間インキュベートした後、各反応液から1mlのサンプルを採って、遠心分離によって細胞を取り除いた。そして、このサンプルを100倍に希釈して、HPLCによるアミノ酸解析を行なった。
Figure 0004108766
これらの結果は、Rozzell I特許で説明されている反応が、アミノ供与体から生成物への完全な変換を示してはいるが、混入アミノ酸としてのアラニンの蓄積をもたらすことを示している。また、反応液にアセト乳酸シンターゼ酵素を加えると、アラニン生合成の低下をもたらす。結果を、L−アラニンに対するL−t−ロイシンの比率として表すことができる。反応A(−alaS)において、この比率は3.78である。反応B(+alaS)において、この比率は8.02である。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:95
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:2
配列の長さ:42
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:3
配列の長さ:38
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:4
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:5
配列の長さ:34
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:6
配列の長さ:27
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:7
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:8
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:9
配列の長さ:40
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:10
配列の長さ:74
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:11
配列の長さ:74
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:12
配列の長さ:36
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:13
配列の長さ:36
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:14
配列の長さ:31
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:15
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:16
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:17
配列の長さ:39
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:18
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:19
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:20
配列の長さ:31
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:21
配列の長さ:33
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:22
配列の長さ:29
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:23
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:24
配列の長さ:27
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:25
配列の長さ:29
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:26
配列の長さ:42
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766
配列番号:27
配列の長さ:38
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
合成オリゴヌクレオチド
Figure 0004108766

Claims (23)

  1. 第一のアミノ酸およびケト酸を、第二のアミノ酸およびピルビン酸を生成するのに適した条件下で、トランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、このピルビン酸を、トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生成するのに適した条件下で、アセト乳酸シンターゼ酵素と反応させることを含む、アミノ酸を生産するための方法であって、該第一のアミノ酸がアラニンであることを特徴とするアミノ酸を生産するための方法
  2. 第一のアミノ酸およびケト酸を、第二のアミノ酸およびピルビン酸を生成するのに適した条件下で、トランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、このピルビン酸を、トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生成するのに適した条件下で、アセト乳酸シンターゼ酵素と反応させることを含む、アミノ酸を生産するための方法であって、該第一のアミノ酸がL−アスパラギン酸であることを特徴とするアミノ酸を生産するための方法
  3. a)ケト酸を生成するのに適した条件下で、第一のアミノ酸と酵素を反応させること、
    b)第三のアミノ酸およびピルビン酸を生成するのに適した条件下で、(a)でできたケト酸を、第二のアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、
    c)トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生成するのに適した条件下で、ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること
    を含む、アミノ酸生産するための方法であって、該第二のアミノ酸がアラニンであることを特徴とするアミノ酸を生産するための方法
  4. a)ケト酸を生成するのに適した条件下で、第一のアミノ酸と酵素を反応させること、
    b)第三のアミノ酸およびピルビン酸を生成するのに適した条件下で、(a)でできたケト酸を、第二のアミノ酸およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、および、
    c)トランスアミナーゼ酵素と反応しない化合物を生成するのに適した条件下で、ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること
    を含む、アミノ酸生産するための方法であって、該第二のアミノ酸がL−アスパラギン酸であることを特徴とするアミノ酸を生産するための方法
  5. a)2−ケト酪酸を生成するのに適した条件下で、L−スレオニンをスレオニンデアミナーゼと反応させること、
    b)オキサロ酢酸およびL−2−アミノ酪酸を生成するのに適した条件下で、2−ケト酪酸、L−アスパラギン酸、およびトランスアミナーゼ酵素と反応させること、
    c)オキサロ酢酸からピルビン酸を生産させること、
    d)アセト乳酸を生産するのに適した条件下で、ピルビン酸をアセト乳酸シンターゼ酵素と反応させること、
    e)アセト乳酸からアセトインを生産すること、および、
    f)アセトインとL−2−アミノ酪酸を別々に回収すること
    を含む、L−2−アミノ酪酸を生成するための方法。
  6. ケト酸、アラニン又はL−アスパラギン酸から選択されるアミノ酸、トランスアミナーゼ酵素、およびアセト乳酸シンターゼ酵素を必須に含む天然には存在しない反応混合物
  7. ケト酸が2−ケト酪酸である、請求項の反応混合物
  8. トランスアミナーゼ酵素が、トランスアミナーゼ酵素を産生する全細胞として水溶液中に存在する、請求項の反応混合物
  9. 全細胞が、50mg/mlから200mg/mlの細胞濃度で水溶液中に存在する、請求項反応混合物
  10. 全細胞が、100mg/mlの細胞濃度で水溶液中に存在する、請求項の反応混合物
  11. トランスアミナーゼ酵素が、トランスアミナーゼ酵素を産生する全細胞の細胞抽出物として水溶液中に存在する、請求項の反応混合物
  12. トランスアミナーゼ酵素が、固定化された酵素として存在する、請求項の反応混合物
  13. アセト乳酸シンターゼ酵素が、アセト乳酸シンターゼ酵素を産生する全細胞として水溶液中に存在する、請求項の反応混合物
  14. 全細胞が、50mg/mlから200mg/mlの細胞濃度で水溶液中に存在する、請求項13の反応混合物
  15. 全細胞が、100mg/mlの細胞濃度で水溶液中に存在する、請求項14の反応混合物
  16. アセト乳酸シンターゼ酵素が、アセト乳酸シンターゼ酵素を産生する全細胞の細胞抽出物として水溶液中に存在する、請求項の反応混合物
  17. アセト乳酸シンターゼ酵素が、固定化された酵素として存在する、請求項の反応混合物
  18. アセト乳酸シンターゼ酵素をコードするDNAコード配列を含む、天然には存在しない微生物によって、アセト乳酸シンターゼ酵素が産生される、請求項の反応混合物
  19. 微生物が、アセト乳酸シンターゼ酵素をコードするDNAコード配列を含むプラスミドを含む、請求項18の反応混合物
  20. プラスミドが下記の制限酵素地図で表されるpPOT300である、請求項19の反応混合物
    Figure 0004108766
  21. さらにデアミナーゼを含む、請求項の反応混合物
  22. さらにL−スレオニンを含む、請求項21の反応混合物
  23. 下記の制限酵素地図で表されるプラスミドpPOT300。
    Figure 0004108766
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