JP4108425B2 - 溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法 - Google Patents

溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外等のように、取り付け配線作業が煩雑な箇所、防水処理が必要な屋外等の箇所および長期計測が必要な箇所におけるひずみ計測に用いられるひずみゲージに係り、特に、発生するひずみ量が小さい箇所のひずみ計測に好適な溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ひずみの計測にあたっては、箔ゲージや半導体ゲージ等のひずみゲージが一般に広く使用されている。特に、小さいひずみしか発生しないような箇所におけるひずみ計測には、半導体ゲージ等が使用されることが多い。
しかしながら、半導体ゲージは、温度安定性に欠けており、長期間にわたる計測には適していない。また、一般の箔ゲージ等は、ゲージ率が2.0程度であり、小さいひずみの測定には限度がある。そして、感度を上げるためのフルブリッジ構成を有するひずみゲージでは、関連して設けられるダミーゲージの影響を受け、所定の計測方向に対して90°異なる方向(直交方向)からのひずみが加わったときに、大きな誤差を生じる。さらに、現場におけるひずみ計測では、ひずみゲージの接着、ダミーゲージの設置、配線および防水並びに防湿処理などが必要であり、煩雑な作業を伴い、人件費や時間が掛かるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、従来計測が困難であったひずみ量の小さいひずみの測定を可能とし、現場におけるひずみ測定等の作業を簡潔にすると共に屋外や水分が存在する場所における長期使用を可能とする溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法を提供することを目的としている
発明の請求項の目的は、小さいひずみの計測並びに製造および現場設置等における作業の簡素化と吸湿による劣化を確実に防止可能とし、特に、受感軸方向に直交する方向に加わるひずみの影響を受けないと共に熱膨張による計測誤差の発生を抑制し得る溶接型防水ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、小さいひずみの計測を可能とする溶接型防水ひずみゲージを提供することにある。
【0004】
本発明の請求項の目的は、特に、広範囲の温度に対して安定に小さいひずみを計測することを可能とする溶接型防水ひずみゲージを提供することにある
発明の請求項の目的は、特に、ひずみゲージ自体の熱膨張による計測誤差をさらに効果的に抑制し得る溶接型防水ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、小さいひずみの計測および現場作業簡素化すると共に風雨に晒される屋外や水分が存在する場所における長期使用を可能とする溶接型防水ひずみゲージを簡易な作業で製造することを可能とする溶接型防水ひずみゲージの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
求項に記載した本発明に係る溶接型防水ひずみゲージは、上述した目的を達成するために、金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるように扁平状につぶし、
前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接して、
前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを接着し、
前記金属シースチューブの先端を封止し、
前記金属シースチューブ内に、熱膨張係数の小さい粉末を充填し、
前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続された接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合してなることを特徴としている。
【0007】
請求項に記載した本発明に係る溶接型防水ひずみゲージは、前記ひずみゲージシートが、4.0以上のゲージ率を呈するように構成されたことを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係る溶接型防水ひずみゲージは、前記接続ケーブルを介して前記ひずみゲージシートから得られる計測特性が、常温から100℃まで温度安定性を呈するよう構成したことを特徴としている
求項に記載した本発明に係る溶接型防水ひずみゲージは、前記熱膨張係数の小さい粉末が、石英粉、ガラス粉、酸化マグネシウム粉のうちいずれかであることを特徴としている。
【0008】
請求項に記載した本発明に係る溶接型防水ひずみゲージの製造方法は、上述した目的を達成するために、
金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるようにつぶして扁平化する扁平化ステップと、
前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接する溶接ステップと、
前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを加圧板を介して短冊状の湾曲した板バネからなる加圧バネで加圧しつつ接着する接着ステップと、
前記金属シースチューブの先端を封止する先端封止ステップと、
前記金属シースチューブ内における前記ゲージシートの背後の空間部に熱膨張係数の小さい粉状の充填材を充填するステップと、
前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続ケーブルを接続し且つ該接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合するケーブル結合ステップと
を有することを特徴としている。
【0010】
【作用】
すなわち、本発明の請求項による溶接型防水ひずみゲージは、金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるように扁平状につぶし、
前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接して、
前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを接着し、
前記金属シースチューブの先端を封止し、前記金属シースチューブ内に、熱膨張係数の小さい粉末を充填し、
前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続された接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合してなる。
このような構成により、特に、小さいひずみの計測、並びに製造および現場設置等における作業の簡素化が可能となると共に、熱膨張による計測誤差の発生を抑制することが可能となる。
本発明の請求項による溶接型防水ひずみゲージは、前記ひずみゲージシートが、4.0以上のゲージ率を呈するように構成される。
このような構成により、特に、小さいひずみの計測が可能となる。
【0011】
本発明の請求項による溶接型防水ひずみゲージは、前記接続ケーブルを介して前記ひずみゲージシートから得られる計測特性が、常温から100℃まで温度安定性を呈するよう構成する。
このような構成により、特に、広範囲の温度に対して安定的に小さいひずみを計測することが可能となる
発明の請求項による溶接型防水ひずみゲージは、前記熱膨張係数の小さい粉末が、石英粉である。
このような構成により、特に、ひずみゲージ自体の熱膨張による計測誤差をさらに効果的に抑制することが可能となる。
【0012】
本発明の請求項による溶接型防水ひずみゲージの製造方法は、金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるようにつぶして扁平化する扁平化ステップと、
前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接する溶接ステップと、
前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを加圧板を介して短冊状の湾曲した板バネからなる加圧バネで加圧しつつ接着する接着ステップと、
前記金属シースチューブの先端を封止する先端封止ステップと、
前記金属シースチューブ内における前記ゲージシートの背後の空間部に熱膨張係数の小さい粉状の充填材を充填するステップと、
前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続ケーブルを接続し且つ該接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合するケーブル結合ステップと
を有する。
このような構成により、特に、極細のシースチューブ内へのゲージエレメントの組込を実現し、小さいひずみの計測および現場作業の簡素化を可能とする溶接型防水ひずみゲージを簡易な作業で製造することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る溶接型防水ひずみゲージの構成を示しており、このうち、(a)は、センサー部、接続部およびケーブルを上面から見た全体構成を示す平面図、(b)は、センサー部のみを正面から見た状態を示す正面図である。
図2は、図1の溶接型防水ひずみゲージに用いられるゲージシートの構成を模式的に示す平面図である。
図3は、図2のゲージシートのゲージパターンとして形成されているひずみゲージによって構成されるフルブリッジ回路図である。
図4は、図1のセンサー部の断面構成を拡大して示す拡大断面図である。
図1に示す溶接型防水ひずみゲージは、センサー部1、接続部2およびケーブル3を具備している。ケーブル3は、シールド線3eによって被包された心線3a,3b,3c,3dと、シールド線3eの外側を被覆する絶縁被覆3fよりなる。センサー部1は、シースチューブ11およびフランジ板12を有するとともに、シースチューブ11内には、図2に示すようなゲージシート13および図4に示すような充填材15が収容されている。
【0014】
センサー部1のシースチューブ11は、図4に示すように、適宜なる長さのステンレス鋼等の円形断面の金属パイプを基端部のみを残して断面がほぼ長円状をなす扁平形状に変形したものであり、扁平部分の外部側面、つまり外部扁平面、に例えばインコネル等の金属材料からなる長方形平板状のフランジ板12を当接し、その当接部をフランジ板12側から、例えば電子ビーム溶接(EBW)等により、1ラインのライン状の溶接14によりシースチューブ11にフランジ板12を固着している。フランジ板12は、この部分を被測定面にスポット溶接等により固着するための部分であり、被測定物への取り付けのための熱応力を緩和する作用をも有する。シースチューブ11の扁平部分内面、つまり内部扁平面、には、図2に示すようなゲージパターンを有するゲージシート13を添着する。シースチューブ11の先端は、溶着等により封着され、シースチューブ11の内部の、ゲージシート13の背後の空間部には、熱膨張係数の小さい、例えば石英粉、ガラス粉、酸化マグネシウム粉等の粉状の充填材15を充填している。この充填材15は、シースチューブ11に加わる外力による影響を緩和する機能を有する。ゲージシート13の接続用リード線(図示されていない)は、その基端側が一方の入力端子13g、他方の入力端子13h、一方の出力端子13e、他方の出力端子13fにそれぞれ接続されたその他端側がチューブ11の基端部から引き出される。
【0015】
接続部2は、上述したゲージシート13の接続用リード線にケーブル3を接続し、シースチューブ11の基端部とケーブル3の端部との接続箇所を可撓性部材等により密封被覆して構成する。ケーブル3は、例えば赤色、白色、黒色および緑色の絶縁被覆が施された被覆導線からなる芯線3a,3b,3c,3dとそれらの芯線をシールド被覆するシールド線3eを有し、これら全体をさらに絶縁被覆3fで覆ったものなどで構成される。したがって、ケーブル3の各芯線3a〜3dは、ゲージシート13の所定の接続用リード線に接続され、ケーブル3のシールド線3eは、ゲージシート13の接続用リード線に共通アース電位に対応するものがあればそれに接続され、且つ同時にシースチューブ11が導電性であればそれにも接続される。
ゲージシート13は、長手方向のひずみに対する感度を有するアクティブゲージ部13aおよび13bと、前記長手方向に直交する方向に対応するが実質的に感度を有していないダミーゲージ部13cおよび13dとをフルブリッジ接続してなるゲージパターンが形成されたフレキシブルプリント配線基板として構成されている。このようなゲージシート13は、前記長手方向に直交する方向についてのダミーゲージ部13cおよび13dの感度が低く、主として前記長手方向についてのアクティブゲージ部13aおよび13bの感度に左右される。
【0016】
このゲージシート13は、例えば、図4に示すように、フレキシブル基板としての可撓性合成樹脂シートに所要のゲージパターンおよび接続パターン(ゲージタブ)をプリント形成し、適宜カットして不要部分を除去するなどして図2のように形成したものである。
図3に示すように、4つのひずみゲージは、アクティブゲージ部13aと13bをホイートストンブリッジ回路(以下、単に「ブリッジ回路」と略称する)の対辺に接続し、ダミーゲージ部13cと13dをブリッジ回路の隣接する対辺にそれぞれ接続する。
アクティブゲージ部13aとダミーゲージ部13dとの接続点aが、一方の入力端子13gとしてのゲージタブに接続され、アクティブゲージ13bとダミーゲージ部13cとの接続点cが他方の入力端子13hとしてのゲージタブに接続され、
アクティブゲージ部13aとダミーゲージ部13cとの接続点bが一方の出力端子13eとしてのゲージタブに接続され、アクティブゲージ部13bとダミーゲージ部13dとの接続点dが他方の出力端子13fとしてのゲージタブに接続される。
次に、上述におけるシースチューブ11の内壁へのゲージシート13の接着工程を含むセンサー部1の製造における作業手順の一例を図4〜図9を参照してさらに詳細に説明する。
【0017】
(1).図5に示すように、ゲージシート13は、その図示下面13iに接着剤16を塗布してシースチューブ11の内面に接着することになるが、図5に示すように、ゲージシート13の下面13iに熱硬化性の接着剤16、例えばPC−6(商品名)等、を塗布する。この接着剤16の塗布に先立って、予め必要に応じてアセトン等を用いて接着剤塗布面を脱脂しておく。
(2).次に、ゲージシート13をシースチューブ11内に挿入するのであるが、シースチューブ11は、図4に示すように、予め、先端部分を扁平状に押しつぶし、下側の外部扁平面に長方形平板状のフランジ板12を当接し、フランジ板12の下面側から電子ビーム溶接(EBW)等によってライン状に溶接14して、フランジ板12を固着しておく。
【0018】
シースチューブ11は、具体的には、例えば、外径が1.8〜2.0mmφで内径がほぼ1.6mmφ〜1.8mmの円筒パイプの先端の所要部分を押しつぶして、長径が外径でほぼ2.4mm、内径でほぼ2.2mmで、且つ短径が外径でほぼ1.0mm、内径でほぼ0.8mm程度の長円状断面(楕円状断面としてもよい)となるようにする。このとき、シースチューブ11の先端は、未だ開口状態である。このような状態で、図6に示すように、ゲージシート13を接着剤16がシースチューブ11の内面に触れないようシースチューブ11の先端側(図示右側)から挿入して、シースチューブ11の基端側から4本のゲージリード線17(具体的には図示しないが、17e、17f、17g、17h)を引き出す。ゲージリード線17e〜17hを、シースチューブ11のケーブル接続側(図示左側)から引き出し、所定長だけ引き出した状態にゲージシート13を位置決めする。その後、テフロン(登録商標)粘着テープが付いた厚さ0.1mmの短冊状の加圧板PPを挿入する。
(3).図7に示すように、加圧板PP上に短冊状の湾曲した板ばねからなる加圧バネPSを、やはり図示先端側から挿入し、接着剤が塗布されたゲージシート13を、加圧バネPSのバネ力によりシースチューブ11の内面(図6において下底面)に押圧し、加熱硬化させて接着する。その後に加圧バネPS、加圧板PPを引き抜き、さらに加熱して接着剤を充分に硬化させて接着を完了させる。そして、シースチューブ11の先端を電子ビーム溶接等の手段によって溶融封止することによって、センサー部1が完成する。
【0019】
ゲージシート13をシースチューブ11の内面に圧接させるのに、加圧バネPSを用いている。通常、このようにチューブ内壁にシート状物を押圧接着する際には、バルーン、つまりゴム風船、等を用いて押圧するが、熱硬化性の接着剤を用いる場合、接着剤の硬化のために150℃程度またはそれ以上に加熱するため、ゴムが変質または劣化して、適正な加圧が行なえなくなってしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、加圧バネPSを用いて、適正な接着を可能としている。
【0020】
さらに、フランジ板12を電子ビーム溶接によりライン状に溶接してシースチューブ11に固着するようにしているが、シースチューブ11の該当箇所の外部表面を切削加工して平坦化すれば、複数ライン、例えば3ラインの電子ビーム溶接が可能であるが、そのようにすると、長手方向、つまり縦方向だけでなくそれと直交する横方向のひずみにより大きな影響を受けてしまう。そこで、上述の実施の形態では、1ラインでライン状に電子ビーム溶接を施して、フランジ板12を固着するようにしている。
さらに、ゲージシート13自体を高感度のフルブリッジ構造4としているため、簡単な構成でゲージ率を高めることができる。例えば、単体ではゲージ率2.0程度のひずみゲージパターンを用いたとしても、4.0以上の実行ゲージ率を得ることができる。
【0021】
上述したように、本発明の実施の形態に従った溶接型防水ひずみゲージは、小さなひずみしか発生しない箇所におけるひずみ測定に有効であるばかりでなく、温度変化のある環境における測定誤差も少ない。また、金属のシースチューブ11にひずみゲージを接着し、完全密封してあるため、防湿性および防水性に優れている。現場施工時においては、フランジ板12部分をスポット溶接して取り付ける構造であるため簡単に取り付けが可能であり、しかもゲージシート13自体としてダミーゲージ等も備えたフルブリッジゲージを採用しているため、別途にダミーゲージ等を取り付ける手間が不要である。
この他、本発明は、上述し且つ図面にて説明した実施の形態にのみ限定されることなくその要旨を変更しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、従来計測が困難であったひずみ量の小さいひずみの測定を可能とし、現場におけるひずみ測定等の作業を簡潔にすると共に完全防水型であるので、屋外や湿度の高い環境下でも吸湿による劣化が全くなく、温度影響を受け難い溶接型防水ひずみゲージおよびその製造方法を提供することができる
【0023】
以上述べたように、本発明の請求項の溶接型防水ひずみゲージによれば、金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるように扁平状につぶし、前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接して、前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを接着し、前記金属シースチューブの先端を封止し、前記金属シースチューブ内に、熱膨張係数の小さい粉末を充填し、前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続された接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合してなる構成により、特に、受感軸方向に直交する方向に加わるひずみの影響や温度変化による影響を受け難く、小さいひずみの計測が可能であり、さらに、製造および現場設置等における作業の簡素化が可能であると共に、吸湿による劣化を防止することができる。
本発明の請求項の溶接型防水ひずみゲージによれば、前記ひずみゲージシートが、4.0以上のゲージ率を呈する構成により、特に、小さいひずみの計測が可能となる。
本発明の請求項の溶接型防水ひずみゲージによれば、前記接続ケーブルを介して前記ひずみゲージシートから得られる計測特性が、常温から100℃まで温度安定性を呈する構成により、特に、広範囲の温度に対して安定に小さいひずみを計測することが可能となる。
【0024】
発明の請求項の溶接型防水ひずみゲージによれば、前記熱膨張係数の小さい粉末が、石英粉、ガラス粉、酸化マグネシウム粉のうちのいずれかであることにより、特に、ひずみゲージ自体の熱膨張による計測誤差をさらに効果的に抑制することが可能となる。
【0025】
本発明の請求項の溶接型防水ひずみゲージの製造方法によれば、金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるようにつぶして扁平化する扁平化ステップと、
前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接する溶接ステップと、
前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを加圧板を介して短冊状の湾曲した板バネからなる加圧バネで加圧しつつ接着する接着ステップと、
前記金属シースチューブの先端を封止する先端封止ステップと、
前記金属シースチューブ内における前記ゲージシートの背後の空間部に熱膨張係数の小さい粉状の充填材を充填するステップと、
前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続ケーブルを接続し且つ該接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合するケーブル結合ステップと
を有することにより、受感軸方向に直交する方向に加わる無用のひずみを抑制でき、温度変化による影響を受け難いにも拘わらず、従来困難であったひずみ量の小さいひずみの計測が可能となり、吸湿による劣化を防止することができる溶接型防水ひずみゲージを極細のシースチューブ内へのゲージエレメントの組込を実現し、簡易な作業で製造することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る溶接型防水ひずみゲージの要部の外観構成を模式的に示す図であり、(a)は、上面から見たセンサー部、接続部およびケーブル等を含む平面図、そして(b)はセンサー部の正面図である。
【図2】図1の溶接型防水ひずみゲージに用いられるゲージシートの構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図2のゲージシートのゲージパターンとして形成されているひずみゲージによって構成されるフルブリッジ回路図である。
【図4】図1のセンサー部の断面構成を拡大して示す拡大断面図である。
【図5】図1の溶接型防水ひずみゲージの作成時に図2のゲージシートをシースチューブ内に挿入してセンサー部を組み立てる際の手順の一例を説明するための第1の状態の模式的正面図である。
【図6】図1の溶接型防水ひずみゲージの作成時に図2のゲージシートをシースチューブ内に挿入してセンサー部を組み立てる際の手順の一例を説明するための第2の状態の模式的正面図である。
【図7】図1の溶接型防水ひずみゲージの作成時に図2のゲージシートをシースチューブ内に挿入してセンサー部を組み立てる際の手順の一例を説明するための第3の状態の模式的正面図である。
【符号の説明】
1 センサー部
2 接続部
3 ケーブル
3a〜3d 心線
3e シールド線
3f 絶縁被覆
11 シースチューブ
12 フランジ板
13 ゲージシート
13a,13b アクティブゲージ部
13c,13d ダミーゲージ部
13e、13f 出力端子
13g、13h 入力端子
14 溶接
15 充填材
16 接着剤
17(17e、17f、17g、17h) ゲージリード線
PP 加圧板
PS 加圧バネ

Claims (5)

  1. 金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるように扁平状につぶし、
    前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接して、
    前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを接着し、
    前記金属シースチューブの先端を封止し、
    前記金属シースチューブ内に、熱膨張係数の小さい粉末を充填し、
    前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続された接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合してなる
    ことを特徴とする溶接型防水ひずみゲージ。
  2. 前記ひずみゲージシートが、4.0以上のゲージ率を呈するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の溶接型防水ひずみゲージ。
  3. 前記接続ケーブルを介して前記ひずみゲージシートから得られる計測特性は、常温から100℃まで温度安定性を呈するよう構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の溶接型防水ひずみゲージ。
  4. 前記熱膨張係数の小さい粉末は、石英粉、ガラス紛、酸化マグネシウム粉のうちいずれかであることを特徴とする請求項に記載の溶接型防水ひずみゲージ。
  5. 金属シースチューブを断面がほぼ長円状となるようにつぶして扁平化する扁平化ステップと、
    前記金属シースチューブの扁平面に平板状のフランジ板を当接し、前記フランジ板側から前記フランジ板の長手方向にほぼ中心軸に沿って1ラインのライン状に溶接する溶接ステップと、
    前記金属シースチューブの前記フランジ板側のほぼ平坦な内面に、フルブリッジを形成する軸方向に向いて添着された2枚のアクティブゲージと軸方向に直交する方向に向けて添着された2枚のダミーゲージからなる4素子のゲージエレメントを有してなるひずみゲージシートを加圧板を介して短冊状の湾曲した板バネからなる加圧バネで加圧しつつ接着する接着ステップと、
    前記金属シースチューブの先端を封止する先端封止ステップと、
    前記金属シースチューブ内における前記ゲージシートの背後の空間部に熱膨張係数の小さい粉状の充填材を充填するステップと、
    前記金属シースチューブの基端部から引き出されるゲージリード線を介して前記ひずみゲージシートのフルブリッジに接続ケーブルを接続し且つ該接続ケーブルを前記金属シースチューブの基端部に密封して結合するケーブル結合ステップと
    を有することを特徴とする溶接型防水ひずみゲージの製造方法。
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