JP4108358B2 - 原稿圧板、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、イメージスキャナなどに装着される原稿圧板、画像読取装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の原稿圧板は、コンタクトガラス面を覆うフレーム部と、このフレーム部と画像読取装置の本体とを開閉可能に連結するヒンジ部と、前記フレーム部に粘着テープなどで固定された弾性部材(スポンジなど)と、この弾性部材の押圧面側(画像読取装置の本体上部のコンタクトガラスと対向する側)に貼付された押圧部(白色シートを含む)とを備え、前記ヒンジ部の取付け時に、前記押圧部がコンタクトガラスに密着するように調整していた。
【0003】
このように、コンタクトガラス上の原稿面を押圧する押圧部は、フレーム部と弾性部材に粘着テープなどで固定接合されているため、ヒンジ部を装置本体に取付ける際に位置が若干でもずれると、押圧部全面がコンタクトガラスに密着せず、コンタクトガラス側面に設けられた原稿位置基準部材(以下、スケールと呼ぶ)と干渉してしまう。これにより、読取原稿の端部で原稿位置基準部材は十分に押圧されず、生じた隙間部分でコンタクトガラスから原稿先端が浮き上がるので、端部の原稿が正確に読み取られず、かつ隙間から外光が入り、その部分が黒く印刷されてしまい、読み取り画像として好ましくない状態となる。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、面ファスナー(マジックテープ(登録商標))をスポンジなどの弾性部材およびフレーム部に取付けることで、スケールに押圧面が乗り上げることなく、コンタクトガラスと押圧部全面が密着できるように、前記弾性部材および押圧部を取り外すのみで簡単に微調整できるようにしたものが提案されている(特開平10-153889号公報)。ここでは、前記弾性部材の四隅に面ファスナーが取付けられている。
【0005】
しかしながら、従来のような方法により、コンタクトガラスと押圧部全面をスケールと干渉することなく密着できるようになると、次のような不具合が生じてくる。
【0006】
例えば、小サイズ原稿を読み取る場合を考えると、押圧部とコンタクトガラスとの接触面積が大きくなるので、読み取り時に発生する静電気により、コンタクトガラスと押圧部で密着度が高くなる。これにより、原稿読み取り終了後に原稿圧板を開くと、押圧部とコンタクトガラスが密着していて原稿圧板を開けるのに力が必要となる。こうして力を加えて原稿圧板を開くと、原稿が押圧部に密着して上方に浮き上がりながら移動するので、原稿がヒンジ部側に移動した場合には原稿圧板と本体に挟まれて傷つくおそれがある。また、スポンジ部に面ファスナーを取付けているので、このような密着力が発生すると、フレーム部と押圧部との接着面にストレスがかかり、スポンジ部の接着面が損傷するおそれがある。さらには、コンタクトガラスは本体の載置部に載せるようにして両面テープなどで密着させ、スケールをコンタクトガラスの側面と干渉するように上面から押さえつけるよう、ネジなどで本体に取付ける方法を採っているので、原稿圧板とコンタクトガラスとの密着度が高いと操作者側のコンタクトガラスが若干浮き上がるおそれがあり、この場合に埃が隙間から入り、さらに、浮き上がりの度合いが大きい場合はコンタクトガラスに大きな衝撃が加わるおそれがある。
【0007】
このような不具合に対処するため、コンタクトガラスの圧板回動軸とは逆側に段差部材を設け、コンタクトガラスと圧板の密着度合いを少なくした構成が提案されている(実公平07-034425号公報)。この構成により、押圧部とコンタクトガラスの間に空隙が形成されるので、容易に圧板を開くことが可能となっている。
【0008】
また、この種の装置には、原稿圧板の押圧部に含まれる白色シートを、表面に凹凸形状を有する導電体シートで構成し、原稿圧板の押圧部の帯電に起因するブック原稿の折れや破損を防止したものがあった(特開平7-128932号公報)。
【0009】
なお、この種の装置として関連するものには、前述の公報のほかに、実公平4‐22346号公報、特開平6‐313930号公報、特開平7‐95368号公報、特開平7‐191419号公報、特開平8‐201935号公報がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実公平07‐034425号公報に開示された技術の段差部材を設けると、シートがコンタクトガラスに完全に密着できず、原稿押圧力がむらになるという不具合が発生する。また、段差によって発生するコンタクトガラスと圧板との隙間から光が漏れるので、この隙間から外光が入り、この部分が黒く印刷されてしまい、読み取り画像として好ましくない状態となる。さらに、前記特開平7‐128932号公報に開示された技術では、導電体シートはキャリッジと装置フレームの間に介装され、巻取りローラに巻き回されているため、装置構成が複雑になり、また、特殊な導電体シートの加工によってコストアップを招くおそれがある。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、コンタクトガラスと原稿圧板の押圧部をむらなく密着させるとともに、開動作時に押圧部とフレーム部との接着面のストレスを低減させる原稿圧板、画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、原稿をむらなく密着させながらも、開動作時にコンタクトガラスの衝撃を低減して容易に開放することが可能な原稿圧板、画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の原稿圧板は、画像読取装置の本体に開閉のための回動軸を介して連結され、かつ前記回動軸に対して平行に分割されたフレーム部と、前記画像読取装置の本体のコンタクトガラス上に載置された原稿を押さえるための押圧部と、前記フレーム部に対して前記押圧部を着脱する複数の着脱手段と、を設け、前記押圧部には、前記コンタクトガラス上に載置された原稿と接するシート部材と、前記シート部材と前記フレーム部の間に配置された弾性部材と、前記弾性部材と前記フレーム部の間に配置された可撓性部材と、を設け、前記可撓性部材は短冊状に分割され、短冊状の可撓性部材の長手方向は前記回動軸に対して平行であり、短冊の面積は前記弾性部材の面積よりも所定量小さく、前記短冊状の可撓性部材ごとに複数の着脱手段が装着された構成を有している。
この構成により、分割された弾性部材が、シート部材に接して押圧されている原稿の厚みおよび形状に追従し、コンタクトガラスに対して原稿をむらなく密着させることとなる。
また、原稿圧板において、押圧部の弾性部材の両面に、弾性部材より押圧面に対する垂直方向の弾性力が小さい可撓性部材(可撓性フィルム、可撓性シートなど)およびシート部材をそれぞれ設け、前記可撓性部材と前記フレーム部を面ファスナーなどで着脱自在とすることで、前記シート部材によりコンタクトガラス上の原稿を均一、かつ確実に押圧できることとなる。また、前記可撓性部材と前記面ファスナーなどの着脱手段との密着力が、原稿圧板を開くときのコンタクトガラスと前記シート部材との密着力より大きくなるようにすることで、押圧部がコンタクトガラス側に引きよせられる力が弱まり、原稿圧板の開動作が容易となる。さらに、前記可撓性部材は、後述するA方向(図1に示す)とは垂直な方向に延在して複数配置されているので、原稿圧板の開動作時には、前記可撓性部材全体に均等にテンションがかかることとなる。このような原稿圧板の開動作で、コンタクトガラスと前記シート部材の密着力が押圧時より高まっても、前記可撓性部材と前記弾性部材が剥がれることはない。
【0013】
請求項2に係る本発明の原稿圧板は、請求項1において、前記弾性部材および前記可撓性部材は、少なくとも前記フレーム部の分割位置に対応して分割された構成を有している。
この構成により、フレーム部の弾性部材は、分割された前記フレーム部の原稿の厚みおよび形状による折れ曲がりにも追従し、コンタクトガラスに対して原稿をむらなく密着させることとなる。
また、前述のように分割された前記フレーム部の原稿の厚みおよび形状による折れ曲がりにも追従し、コンタクトガラスに対して原稿をむらなく密着させることとなる。
また、押圧部の可撓性部材は、シート部材に接して押圧されている原稿の厚みおよび形状による弾性部材の変形に追従できることとなる。
【0014】
請求項3に係る本発明の画像読取装置は、請求項1又は請求項2に記載の原稿圧板を設けた構成を有している。
この構成により、前述のように原稿圧板の開動作が容易で品質信頼性が高いので、操作性に優れ、画像品質の高い画像読取装置を実現できることとなる。
請求項4に係る本発明の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の原稿圧板を設けた構成を有している。
この構成により、前述のように原稿圧板の開動作が容易で品質信頼性が高いので、操作性に優れ、画像品質の高い画像形成装置を実現できることとなる。
【0015】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記フレーム部の連結端から前記フレーム部の分割位置までの長さが、前記フレーム部の分割位置から前記フレーム部の開閉端までの長さより短くなるように設定された構成を有している。
この構成により、連結端側の第1のフレーム部に装着された第1の押圧部の面積が、開閉端側の第2のフレーム部に装着された第2の押圧部の面積よりも小さくなるので、例えばスケールで位置決めされたブック原稿における連結端側の端部に第1の押圧部が圧接されて弾性変形し、次いで第2の押圧部により前記ブック原稿を上方からコンタクトガラス面に対してむらなく押圧することとなる。
【0016】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記フレーム部の連結端から前記フレーム部の分割位置まで設けられた前記弾性部材の硬さが、前記フレーム部の分割位置から前記フレーム部の開閉端まで設けられた前記弾性部材の硬さより軟らかくなるように設定された構成を有している。
この構成により、例えばスケールで位置決めされたブック原稿の連結端側の端部により、軟質の第1の押圧部が圧接されて弾性変形し、次いで硬質の第2の押圧部により前記ブック原稿を上方からコンタクトガラス面に対してむらなく押圧することとなる。
【0020】
参考として、本発明の原稿圧板は、画像読取装置の本体に開閉可能に連結され、かつ後述するA方向(図1に示す)に対して垂直に分割されたフレーム部と、前記画像読取装置の本体のコンタクトガラス上に載置された原稿を押さえるための押圧部と、前記フレーム部に対して前記押圧部を着脱する複数の着脱手段とを設け、前記着脱手段は、前記押圧部の四隅を除く6箇所以上に配置された構成を有している。
この構成により、押圧部の四隅に着脱手段を設けた場合に比べ、原稿圧板の開動作時に、押圧部とコンタクトガラスの間に前記押圧部の端部から容易に空気が入って減圧されるために、前記コンタクトガラスと前記押圧部との密着力を適宜、削減して原稿圧板の開動作を容易にすることとなる。
【0021】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記着脱手段は、前記押圧部の四隅を除く中央部に配置された構成を有している。
この構成により、原稿圧板の開動作時に、前述のように押圧部とコンタクトガラスの間に空気が入り易いために、前記コンタクトガラスと前記押圧部との密着力を適宜、削減して原稿圧板の開動作を容易にすることとなる。
【0022】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記着脱手段には、前記フレーム部に接着された面ファスナーのフック部と、前記押圧部に接着された前記面ファスナーのループ部とを設け、前記フック部の面積と前記ループ部の面積とが異なるように設定された構成を有している。
この構成により、フック部とループ部の相対する面積を変えることで、接着性および剥がし易さが向上することとなる。例えば、部品のばらつきに柔軟に対応し、確実に押圧部を位置決めして装着できることとなる。さらに、例えばフレーム部側のフック部に比べ、メンテナンスで交換される頻度の高い押圧部側のループ部の面積を小さくすることで、メンテナンスに要するコストを低減できることとなる。
【0023】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記押圧部には、前記コンタクトガラス上に載置された原稿と接するシート部材と、前記シート部材と前記フレーム部の間に配置され、前記フレーム部の分割位置で後述するA方向(図1に示す)に対して垂直に分割された複数の弾性部材と、前記弾性部材と前記フレーム部の間に配置され、前記フレーム部の分割位置で後述するA方向(図1に示す)に対して垂直に分割された複数の可撓性部材とを設け、前記複数の可撓性部材のそれぞれに前記面ファスナーのループ部が装着された構成を有している。
この構成により、面ファスナーのループ部を直接、押圧部の弾性部材に接着した場合に比べ、面ファスナーのループ部を前記弾性部材より押圧面に対する垂直方向の弾性力が小さい可撓性部材に装着した場合には、原稿圧板の開動作で、コンタクトガラスとシート部材との密着力が押圧時より高まっても、前記可撓性部材と前記弾性部材が剥離することはなくなる。
【0024】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記面ファスナーのループ部の面積は、前記可撓性部材の面積より小さくなるように設定され、かつ前記面ファスナーのループ部は、前記可撓性部材の四隅を除く中央部に配置された構成を有している。
この構成により、原稿圧板の開動作によって、フレーム部の分割位置付近でシート部材が撓み、これに追従して、このシート部材に接着された弾性部材が弾性変形し、この弾性部材に接着された可撓性部材が撓んだ場合に、面ファスナーのループ部は前記可撓性部材の中央部に接着されているために、前記可撓性部材の撓みによる前記ループ部の変位を抑制し、前記可撓性部材から前記ループ部が剥離し難くなる。
【0025】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記フレーム部で前記押圧部と対向する底面に、前記面ファスナーのフック部が装着された弾性部材を設けた構成を有している。
この構成により、押圧部、フレーム部および面ファスナーの部品のばらつきを調整して、面ファスナーのフック部に対してループ部が確実に装着されることとなる。
【0026】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記弾性部材の高さは、前記面ファスナーのフック部が前記フレーム部に設けられたリブの端面から突起するように設定された構成を有している。
この構成により、フレーム部のリブ端面からフック部のみが突起するために、このフック部は押圧部の可撓性部材に接着されたループ部に対して適当な接触圧で押付けられることとなる。さらに、押圧部の可撓性部材とフレーム部のリブとで押圧部の高さを均一にできることとなる。
【0027】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記シート部材は、前記コンタクトガラスと接する面が粗加工された構成を有している。
この構成により、シート部材(白色シートを含む)表面の簡単な粗加工で、前記シート部材とコンタクトガラスの間に空隙が形成されるため、コンタクトガラスと押圧部との密着力を適宜、削減して原稿圧板の開動作を容易にすることとなる。
【0028】
参考として、本発明の原稿圧板は、前記フレーム部の連結端側と開閉端側とで、前記シート部材の表面粗さが異なる構成を有している。
この構成により、フレーム部の開閉端側(後述する回動軸側)より開閉端側が粗くなるように、シート部材(白色シートを含む)の表面粗さを設定することで、原稿圧板の開きはじめの密着力を削減して原稿圧板の開動作を容易にし、かつ外光の入射を防止できることとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置は、原稿圧板の押圧部9に、コンタクトガラス20(図2に示す)上に載置された原稿1に接するシート部材18と、このシート部材18とフレーム部8の間に配置された弾性部材11と、この弾性部材11とフレーム部8の間に配置され、A方向に垂直な方向に延在する複数の可撓性フィルム17と、この可撓性フィルム17とフレーム部8を着脱する面ファスナー(マジックテープ(登録商標))12、19とを設けたものである。なお、面ファスナーは、パイル面が形成されているループ部12と、鉤状突起が形成されているフック部19とを有し、着脱自在な着脱テープである。
【0032】
図2において、コンタクトガラス20上に載置された原稿1に向けて、ランプ2により光を照射し、反射光を第1ミラー3、第2ミラー4、第3ミラー5を経由してレンズ6によって集光し、コンタクトガラス20上の原稿1の像をCCD7上に結像する。また、副走査方向の読み取りを行う際に、ランプ2および第1ミラー3が図1中、右側に「1」だけ進む間に第2ミラー4、第3ミラー5は「1/2」だけ進むことにより、レンズ6の光路長を一定に保ちながら走査する構成になっている。なお、コンタクトガラス20上には原稿圧板(図3に示す)がヒンジなどの連結部材によって開閉可能に設けられている。
【0033】
図3において、前記原稿圧板のフレーム部8には、原稿を押圧するための押圧部9が着脱可能に取付けられている。また、前記原稿圧板は、フレーム部8と画像読取装置の本体を連結するヒンジ部10により、本体上部のコンタクトガラス面(原稿面)に対して開閉可能に搭載されている。フレーム部8を原稿面に対して開放することで、原稿をコンタクトガラス上に載置し、あるいはコンタクトガラス上から取り除くことができ、フレーム部8を原稿面に対して閉じることで、原稿をコンタクトガラス面に押圧できる。なお、フレーム部8および押圧部9は、一つの部品であってもよいし、複数部品の組み合わせで形成されてもよい。また、本実施形態では、フレーム部8および押圧部9が途中で折れ曲がるタイプのものを示しているが、折れ曲がらないタイプのものでもよい。
【0034】
さらに、図1に示すように、押圧部9は、原稿を押圧するシート部材18と、このシート部材18より所定量、面積が小さい弾性部材11と、複数枚の可撓性フィルム17と、この可撓性フィルム17に複数箇所設けられた面ファスナーのループ部12とで構成されている。ここで、シート部材18は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などで形成されており、原稿を読み取る際、原稿の周縁が黒く印刷されないように白色のものを使用している。また、弾性部材11は、スポンジなどの弾力性の高い材質を使用しており、シート部材18とは両面テープで貼り付けられている。また、弾性部材11は、シート部材18と同じ面積ではなく、一回り小さくなるように設けられている。また、可撓性フィルム17は、弾性部材11よりもフレーム部8への押圧面に対して垂直方向の力による弾性力が小さい材質(例えば、マイラなどからなる)であり、弾性部材11やシート部材18のように1面のシートではなく、A方向に対して垂直に分割されたフィルムシートで構成されており、それぞれの可撓性フィルム17が所定の間隔で隣り合うよう、弾性部材11の上に両面テープで貼付されている。
【0035】
なお、可撓性フィルム17は所定の弾性力を有するので、本実施形態のように分割せず、1枚のフィルムシートを弾性部材11の全面に貼り付けた場合には、フレーム部8から弾性部材11を取り外す方向(図5に矢印で示す)の力をかけると、前記1枚のフィルムシートをフレーム部8側(図5の矢印と逆方向)に戻そうとする力が発生し、容易に取り外しできなくなる。また、前記1枚のフィルムシートを無理に剥がそうとすると、面ファスナー(ループ部12、フック部19を含む)の密着力が前記1枚のフィルムシートの弾性力より大きい場合は、前記1枚のフィルムシートが折れ曲がってしまうので、前記1枚のフィルムシートが「へ」の字状に形成され、コンタクトガラス上の原稿面全体をむらなく押圧することができなくなる。
【0036】
これに対し、本実施形態のように、可撓性フィルム17をA方向と垂直に分割することにより、各分割片に複数配置された面ファスナーのループ部12を、ヒンジ側とは逆のフレーム開放端側より順次、確実かつ容易に取り外すことが可能となる。さらに、可撓性フィルム17の上には、複数のループ部12が、フレーム部8に貼付されている複数のフック部19の位置と合うように貼付されている。ここで、フレーム部8側のフック部19の面積は、押圧部9側のループ部12と同じ大きさでもよいし、マジックテープ(登録商標)の取付け誤差により、ループ部12の位置と合わない場合を考慮して、フック部19もしくはループ部12のいずれかの面積を大きくしてもよい。また、可撓性フィルム17側にフック部19を設け、フレーム部8側にループ部12を設けてもよい。さらに、複数のループ部12を押圧部9に対して均等に分散配置することで、フレーム部8と押圧部9のセット力を分散させることができるため、フレーム部8の開閉動作などによる衝撃を受けた場合においても、押圧部9が局部的に剥がれることを防止し、また、押圧部9を取り外すときも局部的に強いストレスを与えることがなくなる。また、メンテナンスのために着脱を繰り返した場合においても、弾性部材11を傷めることなく、また接着力の偏りなく確実に着脱することが可能となる。
【0037】
次に、図4および図5を用い、フレーム部8と押圧部9の着脱方法について説明する。
まず、フレーム部8に押圧部9を装着する方法について説明する。図4に示すように、押圧部9をフレーム部8に取付ける場合は、まず、コンタクトガラス20上に押圧部9を載置して、A方向及びB方向に移動し、それぞれの方向でのスケール13との隙間を確保して位置決めする。その後、片方の手で押圧部9の手前(図中、右側)を押さえながら、フレーム部8を図4に示す位置からコンタクトガラス20方向に向けて降ろしていき、フレーム部8のヒンジ部10側の面ファスナー(フック部19を含む)が押圧部9側の面ファスナー(ループ部12を含む)に密着したのを確認したら押圧部9の手前を押さえている手を離し、さらに、フレーム部8を降ろしていき、フレーム部8と押圧部9とを完全に密着させ(閉状態)、全ての面ファスナーにより押圧部9をフレーム部8に装着する。この方法によれば、フレーム部8に押圧部9を直接貼り付ける方法に比べて位置ずれが起き難く、原稿圧板を閉じたときに押圧部9がスケール13と干渉することなく、かつスケール13の側面と押圧部9の隙間が無い状態で押圧できる。
【0038】
特に、押圧部9側においては、弾性部材11上に可撓性フィルム17を介して面ファスナーのループ部12を貼付しているので、前述のとおり、可撓性フィルム17のシート面でフレーム部8を受け入れることができる。
【0039】
なお、従来の技術に準じて弾性部材11に直接、面ファスナーのループ部12を貼り付けた場合には、フレーム部8を弾性部材11上のループ部12に押付けると、それぞれのループ部12がコンタクトガラス20側に押付けられることになる。ここで、弾性部材11のフレーム部方向への押し戻し力が小さいため、フレーム部8側のフック部19と確実に貼り付けられない。よって、フレーム部8の全面を押圧部9に押付けた後、原稿圧板を開いてシート部材18側からフレーム部8にむけて手で押し込まないと確実に面ファスナーが貼り付かないおそれがある。
【0040】
次に、フレーム部8から押圧部9を取り外す方法について説明する。まず、図5(A)に示すように、原稿圧板を開いた状態で最上位の面ファスナーのループ部12側を図5(A)の矢印方向に引っ張ることで剥がす。本実施形態の押圧部9においては、前述のように弾性部材11上に可撓性フィルム17が分割配置されているので、容易に剥がすことができる。ここで、シート部材18は、押圧部9が湾曲しても耐え得るだけの弾性力を有するので、押圧部9を取り外す際に折れ曲がることはない。
【0041】
このように、以降最上位からヒンジ部10に向けて面ファスナーを確実かつ安全に剥がし、フレーム部8から押圧部9を確実に取り外すことができる(図5(A)、図5(B)、図5(C))。
【0042】
なお、従来の技術では、例えば面ファスナーのループ部12が弾性部材11に直接貼付されていたので、ループ部12を取り外す際、このループ部12の吸着力より弾性部材11の弾性力が小さいために、ループ部12が弾性部材11を離れ、フック部19側に保持されたままとなるおそれがある。さらに、原稿圧板を閉じた状態から開こうとすると、前記従来の技術で述べたように、コンタクトガラス20と押圧部9との密着力により、押圧部9がコンタクトガラ寸20側に引き寄せられながらも、フレーム部8はコンタクトガラス20から離れる方向に移動するので、接着部のループ部12、フック部19にストレスが生じる。これにより、同様の現象がおきて押圧部9のループ部12が剥がれ、フレーム部8のフック部19に保持されることになる。
【0043】
これに対し、本実施形態では、可撓性フィルム17を介在させているので、前述の動作条件においても可撓性フィルム17からループ部12が剥がれることを防止できる。かつ、可撓性フィルム17はA方向と垂直な方向に延在するシート部材であるから、ループ部12だけでなくシート全体に均等にテンションがかかり、可撓性フィルム17が弾性部材11から剥がれることも防止できる。
【0044】
以上のように、本実施形態の画像読取装置は、原稿圧板の押圧部9に、コンタクトガラス20上に載置された原稿1に接するシート部材18と、このシート部材18とフレーム部8の間に配置された弾性部材11と、この弾性部材11とフレーム部8の間に配置され、A方向に垂直な方向に延在する複数の可撓性フィルム17と、この可撓性フィルム17とフレーム部8を着脱する着脱テープ(面ファスナーを含む)12、19とを設けているので、コンタクトガラス20と押圧部9をむらなく密着させ、かつ開動作時には、弾性部材11とフレーム部8との接着面のストレスを低減するとともに、コンタクトガラス20の衝撃を低減して容易に開放できるものである。
【0045】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の要部を示す。これは、第1の実施形態とは、原稿圧板の押圧部9に、表面が粗加工されており、この表面がコンタクトガラス20上に載置された原稿1と接するシート部材18と、このシート部材18とフレーム部8の間に配置された弾性部材11とを設けた点が相違している。この構成により、コンタクトガラス20とシート部材18の間に空隙21が形成されるので、コンタクトガラス20と押圧部9との密着力を適宜、削減して原稿圧板の開動作を容易にするという効果が得られる。
【0046】
図6に示すように、シート部材18の押圧側の全面には研磨処理が施されており、この研磨処理によってシート部材18表面には空隙21が形成されている。この空隙21により、コンタクトガラス20とシート部材18の隙間には空気が入るので、原稿圧板を開くときにシート部材18がコンタクトガラス20に密着することを防止できる。ここで、空隙21が大きすぎると、原稿を読み取るときに空隙21が影になるおそれがあり、逆に小さすぎると、空気が入りにくくなってシート部材18がコンタクトガラス20に密着するおそれがあるので、好ましくは原稿読み取り時に影にならない程度に研磨処理を施す。
【0047】
このように、コンタクトガラス20と接するシート部材18に着目した構成とすることで、原稿圧板を開くとき、従来のように押圧部9をコンタクトガラス20側に密着させ、押圧部9側のループ部12をフレーム部8側に残すような力が加わることを防止できる。よって、第1の実施形態のように、弾性部材11の上に可撓性フィルム17を介してループ部12を貼付しなくとも容易に原稿圧板を開くことができ、かつ信頼性の高い原稿圧板を実現できる。例えば、弾性部材11にループ部12を直接貼付してもよい。
【0048】
なお、第1の実施形態は、原稿圧板がコンタクトガラス20に密着しても容易に開動作が行えるよう、原稿圧板の押圧部9とフレーム部8の密着性ならびに弾性力に着目した構成としたが、この第1の実施形態の可撓性フィルム17を第2の実施形態に適用してもよい。この構成により、原稿読み取り時、確実に原稿をコンタクトガラス20に密着させることができる。
【0049】
さらに、ヒンジ部10側とは逆方向のフレーム開放端側のコンタクトガラス20は、通常原稿読み取り範囲外であることから、この原稿読み取り範囲外に対するシート部材18の研磨処理を原稿読み取り範囲よりも粗く施し、原稿読み取り範囲内については、第2の実施形態に準じて研磨処理を施すようにしてもよい。この構成により、開きはじめの負荷が小さくなるので、さらに容易に原稿圧板を開くことができる。
【0050】
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る画像読取装置の要部を示す。ここで、(a)は原稿圧板のフレーム部8に取付けられる押圧部9を示し、(b)は原稿圧板のフレーム部8の構造を示す。これは、第1の実施形態とは、前記原稿圧板の押圧部9に、複数に分割されるとともに、コンタクトガラス20上に載置された原稿と接するシート部材18が装着された弾性部材11a、11bを設けた点が相違している。この構成により、分割された弾性部材11a、11bが、シート部材18に接して押圧されている原稿の厚みおよび形状に追従するために、コンタクトガラス20に対して原稿をむらなく密着できるという効果が得られる。なお、本実施形態は、第1の実施形態と概ね同様の構成を有している。
【0051】
図7、図8において、原稿圧板のフレーム部8には、第1の実施形態に準じ、原稿を押圧するための押圧部9が着脱可能に取付けられている。また、前記原稿圧板は、フレーム部8と画像読取装置の本体を連結するヒンジ部10(図8に示す)により、本体上部のコンタクトガラス20面(原稿面)に対して開閉可能に搭載されている。さらに、フレーム部8は、第1のフレーム部8aと第2のフレーム部8bに分割され、かつヒンジなどの連結部材により第1のフレーム部8aがab方向に回動可能に構成されている。フレーム部8をコンタクトガラスの原稿面に対して開放することで、原稿をコンタクトガラス上に載置するか、あるいは取り除くことができ、フレーム部8を原稿面に対して閉じることで、原稿をコンタクトガラスに押圧できる。ここで、第1のフレーム部8aの回動支点32は、フレーム部8の開放端(図8中、左側)とヒンジ部10の回動支点10aとの中心よりも、ヒンジ部10の回動支点側(連結端側)に設定されている。こうすることで、切り貼りした原稿やブック原稿などをコンタクトガラスに押圧するときに第2のフレーム部8bが折れ曲がり、前記回動支点側の押圧が前記開放端側の押圧よりも小さくなるために、前記切り貼りした原稿やブック原稿などの形状に応じてむらなく押圧できることとなる。なお、フレーム部8の底面(原稿押圧時にコンタクトガラスと対向する面)には、フレーム強度を補強するためのリブが設けられている。また、前記底面には、後述の面ファスナーのループ部12と対向するように、スポンジなどからなる立方体の弾性部材31が接合され、この弾性部材31の少なくも一面が前記リブに接している。さらに、後述の面ファスナーのループ部12と対向する、弾性部材31の面のそれぞれには、面ファスナー(マジックテープ(登録商標))のフック部(面ファスナーの鉤状突起部)19が接着されている。このフック部19は、弾性部材31の接着面と面積が等しく、かつ後述の可撓性部材17に設けられた面ファスナーのループ部12より所定量、面積が大きくなるように設定されている。これは、面ファスナーのフック部19が耐久性においてループ部12よりも優れ、かつメンテナンスでは押圧部9を交換するので、耐久性に優れるフック部19をフレーム部8側に設けたものである。また、これは、部品のばらつきに柔軟に対応するために、フック部19の面積をループ部12の面積より所定量、大きくしたものである。なお、弾性部材31の厚さは、面ファスナーのフック部19を接着したときに、鉤状突起がリブ端面から突出する程度に設定されている。これは、面ファスナーのフック部19とループ部12とが接するときの接触圧(押圧)が過剰とならないようにするためである。
【0052】
また、押圧部9のシート部材18は、PETなどで形成されており、原稿を読み取る際、原稿の周縁が黒く印刷されないように白色のものを使用している。また、シート部材18には、このシート部材18より所定量、面積が小さく、かつ分割された弾性部材11a、11bが接着されている。この弾性部材11a、11bは、スポンジなどの弾力性の高い材質で形成されており、シート部材18とは両面テープで貼り付けられている。また、弾性部材11a、11bの分割位置は、フレーム部8aの回動支点32の位置と対応し、フレーム部8a、8bの折れ曲がり(図8のa方向、b方向)に追従するようになっている。ここでは、前述のフレーム部8の回動支点10aからフレーム部8bの折れ曲がり位置(分割位置)までの長さL2と、このフレーム部8bの折れ曲がり位置からフレーム部8の開放端までの長さL1との関係は、L1>L2となるように設定されている。このような構成により、押圧部9がフレーム部8に取付けられた後、押圧部9が原稿を押圧している状態でこの原稿の位置を移動するため、フレーム部8aをb方向に回動させるとき、フレーム部8の開放端側から徐々にコンタクトガラス20とシート部材18との間に空気が入って減圧されるために、コンタクトガラス20と押圧部9との密着力を適宜、削減して原稿の移動を容易にする。
【0053】
また、シート部材18と接合されていない、弾性部材11a、11bの他面(フレーム部8と対向する側の面)には、この弾性部材11a、11bより所定量、面積が小さく、かつ短冊状に分割されたフィルムシートからなる可撓性材料(可撓性フィルムを含む)17が接着されている。複数の可撓性フィルム17の長手方向は、フレーム部8の開閉方向と垂直方向である。なお、複数の可撓性フィルム17の長手方向がフレーム部8の開閉方向と水平方向であってもよい。あるいは、複数の可撓性フィルム17が所定の間隔で水平方向および垂直方向で隣り合うように配置されていてもよい。また、複数の可撓性フィルム17は、弾性部材11よりもフレーム部8への押圧面に対して垂直方向の力による弾性力が小さい材質(例えば、マイラなど)からなる。また、それぞれの可撓性フィルム17は、所定の間隔で隣り合うよう、弾性部材11の上に両面テープで貼付されるか、あるいは接着剤で接着されている。
【0054】
さらに、前述の可撓性フィルム17のそれぞれには、面ファスナー(マジックテープ(登録商標))のループ部(面ファスナーのパイル面を形成する部分)12が複数設けられている。このループ部12は、可撓性フィルム17より所定量、面積が小さく、かつフレーム部8のリブ面に設けられた面ファスナーのフック部19より所定量、面積が小さくなるように設定されている。このように、ループ部12は可撓性フィルム17によって支持されているため、フック部19から着脱するときに剥離、破損することがなくなる。なお、可撓性フィルム17より軟質の弾性部材11の上に直接、ループ部12を接合した場合には、ループ部12をフック部19から着脱するとき、弾性部材11が破損されるおそれがある。ここでは、フレーム部8に比べて、部品交換の頻繁な押圧部9側に磨耗および劣化し易い面ファスナーのループ部12を設け、かつフック部19よりもループ部12の面積を小さく設定することで、メンテナンスコストの低減をはかっている。また、可撓性フィルム17において、ループ部12は、可撓性フィルム17の上下左右方向の端(四隅)よりも中央寄りに複数配置されている。これは、原稿圧板がd方向へ回動するとき、およびフレーム部8aがb方向へ回動するときに、コンタクトガラス20と押圧部9との密着力により、弾性部材11の四辺側、すなわち可撓性フィルム17の端部が引っ張られて弾性部材11から剥離することを回避するためである。なお、ループ部12は、可撓性フィルム17を介して弾性部材11の四隅よりも中央寄りに複数配置されている。これは、原稿圧板の開閉動作で局部的に強いストレスを与えないようにするためである。また、これは、メンテナンスなどで押圧部9をフレーム部8から取り外すときに、弾性部材11を傷めることなく、また接着力の偏りなく確実に着脱するためである。
【0055】
なお、フレーム部8と押圧部9の着脱方法は、第1の実施形態と概ね同様である。すなわち、フレーム部8に押圧部9を装着する場合には、コンタクトガラス上に押圧部9を載置して、スケール13との隙間を確保して位置決めする。次いで、フレーム部8を降ろしていき、フレーム部8b側の面ファスナーのフック部19とループ部12とが密着したら、さらにフレーム部8aを降ろしていき、フレーム部8と押圧部9とを完全に密着させる(閉状態)。この方法により、原稿圧板を閉じたときに押圧部9がスケール13と干渉することなく、かつスケール13の側面と押圧部9の隙間が無い状態で押圧できる。また、フレーム部8から押圧部9を取り外す場合には、原稿圧板を開いた状態で最上位の面ファスナーから下方に向けて順次剥がしていく。ここでは、分割された弾性部材11a、11b上に複数の可撓性フィルム17が配置されているので、容易に剥がすことができる。また、シート部材18は、押圧部9が湾曲しても耐え得るだけの弾性力を有するので、押圧部9を取り外す際に折れ曲がることはない。また、可撓性フィルム17が介在することにより、面ファスナーのループ部12が押圧部9から剥離して脱落することを防止できる。さらに、可撓性フィルム17はフレーム部8の開閉方向と垂直な方向に延在するために、押圧部9の取り外すとき、シート状の可撓性フィルム17全体に均等にテンションがかかり、可撓性フィルム17が弾性部材11から剥離することも防止できる。また、フレーム部8に形成されたリブから突起したフック部19に対して、可撓性フィルム17に接着されたループ部12が押付けられることにより、押圧部9の高さが均一になる。
【0056】
また、本実施形態ではフレーム部8および押圧部9が複数部品の組み合わせで構成された場合について説明したが、本発明はこのほかに、フレーム部8および押圧部9が一つの部品で構成された場合でも同様の効果が得られるものである。また、本実施形態ではフレーム部8および押圧部9が途中で折れ曲がるタイプのものについて説明したが、本発明はこのほかに、フレーム部8および押圧部9が折れ曲がらないタイプのものでも同様の効果が得られるものである。
【0057】
さらに、本実施形態ではフレーム部8の回動支点10aからフレーム部8bの折れ曲がり位置(分割位置)までの長さL2と、このフレーム部8bの折れ曲がり位置からフレーム部8の開放端までの長さL1との関係が、L1>L2となるように設定された場合について説明したが、本発明はこのほかに、弾性部材11aの硬さH2と弾性部材11bの硬さH1との関係が、H1>H2となるように設定しても同様の効果が得られるものである。ここで、弾性部材11aおよび弾性部材11bの硬さ試験には、例えば日本ゴム協会標準規格の「SRIS 0101」で規格化されたスプリング式硬さ試験機を用い、この硬さ試験で測定されたスプリング荷重を前述の硬さH1、H2とする。
【0058】
また、前述の各実施形態では本発明を画像読取装置に適用した場合について説明したが、本発明はこのほかに、画像形成装置に適用しても同様の効果が得られるものである。この場合には、前述の画像読取装置にさらに作像部を設ける。この作像部においては、ドラム状の感光体を中心とし、この感光体の周囲に、電子写真プロセスの工程順に、帯電チャージャ、書込ユニット、現像ユニット、転写チャージャ、分離チャージャなどが配設されている。前記書込ユニットは、レーザ出力ユニット(レーザダイオード、ポリゴンミラーなどを含む)、結像レンズ、ミラーなどによるレーザ書込光学系を構成するものである。
【0059】
なお、可撓性フィルム17あるいはシート部材18などが前記可撓性部材に含まれ、面ファスナー(ループ部12、フック部19を含む)などが前記着脱手段に含まれる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は画像読取装置の本体のコンタクトガラス上に載置された原稿を押さえるための押圧部に、複数に分割されるとともに、前記コンタクトガラス上に載置された原稿と接するシート部材が装着された弾性部材を設け、この分割された弾性部材が前記シート部材によって押圧されている原稿の厚みおよび形状に応じて変形することにより、前記コンタクトガラスと前記押圧部をむらなく密着させることができるとともに、開動作時に前記押圧部とフレーム部との接着面のストレスを低減できるという優れた効果を有する原稿圧板、画像読取装置および画像形成装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原稿圧板の分解図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の要部側断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の要部斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像読取装置の要部斜視図(原稿圧板の取付け時)である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る原稿圧板の押圧部取り外し方法を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像読取装置の要部側断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る画像読取装置の要部斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る画像読取装置の要部側断面図である。
【符号の説明】
1 原稿
8、8a、8b フレーム部
9 押圧部
10 ヒンジ部
11、11a、11b 弾性部材
12、19 着脱テープ(面ファスナー)
13 スケール
17 可撓性フィルム
18 シート部材
20 コンタクトガラス
21 空隙
Claims (4)
- 画像読取装置の本体に開閉のための回動軸を介して連結され、かつ前記回動軸に対して平行に分割されたフレーム部と、前記画像読取装置の本体のコンタクトガラス上に載置された原稿を押さえるための押圧部と、前記フレーム部に対して前記押圧部を着脱する複数の着脱手段と、を設け、
前記押圧部には、前記コンタクトガラス上に載置された原稿と接するシート部材と、前記シート部材と前記フレーム部の間に配置された弾性部材と、前記弾性部材と前記フレーム部の間に配置された可撓性部材と、を設け、
前記可撓性部材は短冊状に分割され、短冊状の可撓性部材の長手方向は前記回動軸に対して平行であり、短冊の面積は前記弾性部材の面積よりも所定量小さく、前記短冊状の可撓性部材ごとに複数の着脱手段が装着されたことを特徴とする原稿圧板。 - 前記弾性部材および前記可撓性部材は、少なくとも前記フレーム部の分割位置に対応して分割されたことを特徴とする請求項1に記載の原稿圧板。
- 請求項1又は請求項2に記載の原稿圧板を設けたことを特徴とする画像読取装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の原稿圧板を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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