JP4107691B2 - 耐摩耗性トラフィックマーキングの形成方法 - Google Patents

耐摩耗性トラフィックマーキングの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、道路表面にトラフィックマーキング(traffic marking)を調製する方法に関し、より詳細には高湿度条件下において速乾性を有する耐摩耗性トラフィックマーキングを道路表面に調製する方法に関する。
【0002】
道路のレーンを区分するために使用される白色及び黄色のトラフィックマーキングは、ほとんど全ての道路で共通して使用される。これらのマーキングは種々の条件における安全な運転を確実なものにする。「道路」の用語は、道、高速道路、入り口および出口ランプ、山道、歩道、舗装した歩道、自動車、バイク、トラック等の乗り物の駐車場、および一般的にはポルトランドセメントであるアスファルトまたはコンクリートで舗装された道路をいう。これらのトラフィックマーキングの多くはたとえば連続した、道を横切る、または中断された線であり、ペイントベースであり、伝統的に溶剤タイプのバインダーを含んでおり、それらは主にはアルキッドと塩素化ゴム変性アルキッドである。伝統的なトラフィックペイント塗料は多量の揮発性有機化合物(VOC)を含んでいる。環境保護機構(Enviromental Protection Agency)によるデータでは年間1キロメートル当たり19キログラムの揮発性有機化合物を発生しており、それらはオゾン層の減少に寄与し、環境を危険なものにしている。1990年に改正されたように、The Clean Air Act による基準の厳正化により、従来のトラフィックペイント塗料による多量のVOCの発生は減少させなくてはならない。
【0003】
1980年代のはじめ、伝統的なトラフィックペイントの代換えとしてより環境に優しい水性トラフィックペイントが受け入れられ始めた。これらの水性トラフィックペイントは主としてアクリルエマルションに基づいていた。環境保護機構によるデータでは年間1キロメートル当たり3.7キログラムと、エマルションは劇的にVOCを減少させる上、光反射性トラフィックマーキングに使用されるガラスビーズの量も少なくする。その結果道路のトラフィックマーキングのライフも長くする。
【0004】
しかし、これらの公知の水性トラフィックマーキングは、従来のアルキッドベースのトラフィックペイントよりも、乗り物の通行による摩耗や引き裂きの様な通行条件に暴露されたときに耐摩耗性に劣る傾向がある。耐摩耗性の用語は、通行条件に暴露されたときに道路表面からフィルムが剥離することに対する耐性の程度をいう。耐摩耗性は、通行条件に暴露された後に、道路表面に残留するトラフィックマーキングのフィルム面積のパーセントで表される。ASTMの試験No.D713−90によれば、トラフィックマーキングの摩耗を促進するためにテストマーキングが通行方向と垂直におかれた時に、所定の試験期間、典型的には1年である、経過後にトラフィックマーキングの40%未満しか道路表面に残留していない場合には不合格とされる。従来の水性トラフィックマーキングの実質的な部分は、そのような促進された通行条件に暴露された場合には2,3か月未満で摩耗されて、なくなることが見いだされた。本発明の方法は、トラフィックペイント組成物の耐摩耗性を改良することによりこの課題を解決した。
【0005】
本発明の一つの利点は、高湿度条件下でも速乾性が得られることである。
本発明の方法の更なる利点は、それが使用されるトラフィックペイント組成物のポットライフ安定性が優れている点である。
【0006】
本発明は、道路表面に耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する方法であって、
該道路表面上に、水性の蒸発可能なキャリア中に、0℃から60℃の範囲のガラス転移温度を有し、1,000から30,000未満の範囲のGPC数平均分子量を有するラテックスバインダーを含むトラフィックペイント組成物の層を施し、
前記層から前記水性の蒸発可能なキャリアを蒸発させ、該道路表面上に該耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する、前記方法に関する。
【0007】
所望であれば、上記の本発明方法において使用されるトラフィックペイント組成物は、さらに、
(a) 前記水性の蒸発可能なキャリアに加えられる揮発性塩基、
(b) 前記ラテックスバインダーと、バインダー固形分の総重量に基づいて0から20重量%の多官能性アミンのブレンド、
(c) アミン変性ラテックスバインダー、または
(d) 前記ブレンドと前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物、
を含み、
前記ラテックスバインダーと前記アミン変性ラテックスバインダーはアニオン的に安定化され、
そして前記水性の蒸発可能なキャリアは、前記水性の蒸発可能なキャリアのpHを、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物の本質的に全部が、脱プロトン化(deprotonated)された状態にある点に上げるのに充分な量の前記揮発性塩基を含有している、前記の方法に関する。
【0008】
本発明はまた、道路表面に耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する方法であって、
7.5から11.0の範囲に調整されたpHを有し、酸官能性ペンダント部位とエナミン官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダー粒子がその中に分散され、アミノシランが加えられた水性の蒸発可能なキャリア、ここで前記エナミン官能性ペンダント部位は該ラテックスバインダーのアセトアセチル官能性ペンダント部位とアンモニアまたはアミンとの反応により得られたものであり、前記バインダーは0℃から60℃の範囲のガラス転移温度を有し、1,000から1,000,000までの範囲のGPC数平均分子量、および0.1から390の範囲の酸価を有する、を含むトラフィックペイント組成物の層を該道路表面上に施し、
前記層から前記水性の蒸発可能なキャリアを蒸発させ、該道路表面上に該耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する、前記方法に関する。
【0009】
所望であれば、上記の本発明方法において使用されるトラフィックペイント組成物は、さらに、
(a) 前記ラテックスバインダーと、バインダー固形分の総重量に基づいて0から20重量%の多官能性アミンのブレンド、
(b) アミン変性ラテックスバインダー、または
(c) 前記ブレンドと前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物、
を含み、
前記ラテックスバインダーと前記アミン変性ラテックスバインダーはアニオン的に安定化され、
そして前記水性の蒸発可能なキャリアは、前記水性の蒸発可能なキャリアのpHを、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物の本質的に全部が、脱プロトン化された状態にある点に上げるのに充分な量の前記揮発性塩基を含有している、前記方法に関する。
【0010】
用語「GPC数平均分子量」は、1976年にローム アンド ハース カンパニー、フィラデルフィア、ペンシルバニアによって出版された「ポリマーのキャラクタリゼーション」の第1章、第4頁に記載されている、標準としてポリメチルメタクリレートを使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された数平均分子量である。GPC数平均分子量は、理論数平均分子量を計算することにより見積もることができる。連鎖移動剤を使用する系においては、理論数平均分子量は、重合に使用された連鎖移動剤の総モル数で重合可能なモノマーのグラム単位での総重量を割ることにより求めることができる。連鎖移動剤を含まないエマルションポリマー系での分子量の見積はより複雑である。概算での評価は、重合可能なモノマーのグラム単位での総重量を求め、それを開始剤のモル数に効率係数を乗じた数で割ることにより行うことができる。過硫酸塩の開始剤システムにおいては、われわれはほぼ0.5の係数を使用した。理論分子量の計算に関する更なる情報は、”Principles of Polymerization” 第2版、George Odian 著、1981年、John Wiley and Sons 発行、および ”Emulsion Polymerization”、Iraja Pirma 編、1982年、Academic Press 発行に記載されている。
【0011】
「低GPC数平均分子量ポリマー」は、1,000から30,000未満のGPC数平均分子量を有するポリマーをいう。
「高GPC数平均分子量ポリマー」は、30,000よりも大きく1,000,000までのGPC数平均分子量を有するポリマーをいう。
【0012】
用語「ガラス転移温度(Tg)」は、示差走査熱量法によって好適に測定される狭い範囲の温度であり、その温度の間において、非晶質のポリマーが、比較的硬く脆いガラス状態から比較的軟らかく粘性のあるゴム状態に変化する。この方法によってTgを測定するには、コポリマー試料を乾燥し、120℃に予め加熱し、急速に−100℃に冷却し、次いでデーターを採取しながら20℃/分の速度で150℃まで加熱する。Tgは、半高法(half-height method)を使用して変曲の中心において測定する。
【0013】
用語「ラテックスバインダー」は、「分散されたポリマー」、「溶解されたポリマー」(この両方の用語は後述で定義する)、またはそれらの混合物、を意味する。
【0014】
用語「分散されたポリマー」は、水性キャリヤー中における重合粒子のコロイド状分散物を意味する。
【0015】
用語「溶解されたポリマー」には、「水性ポリマー」、「水希釈性ポリマー(water reducible polymer)」またはそれらの混合物が包含される。水溶性ポリマーは、水に溶解されたポリマーを意味する。水希釈性ポリマーは、水および水混和性溶剤に溶解されたポリマーを意味する。溶解されたポリマーは、その結果として、0に等しいムーニー式(Mooney equation)〔1/lnηrel=1/BC−K/2.5〕のセルフ−クロウディング定数(K)(self-crowding constant(K))を有することを特徴とするポリマー溶液を生じる。一方、分散されたポリマーは、1.9に等しい(K)を有する。ムーニー式の詳細は、1973年にプレナム プレスによって出版され、そしてゴルドンおよびプランによって編集された「ノンポリューティング コーティングス アンド コーティング プロセス」中のブレンドレイ等による「水に分散されたアクリルポリマーおよび水溶性アクリルポリマーの物理的キャラクタリゼーション(“Physical Characterization of Water Dispersed and Soluble Acrylic Polymers"by Brenndly et al.,in “Nonpolluting Coatings and Coating Process"published by Plenum Press,1973 and edited by Gordon and Prane)と題する項に開示されている。
【0016】
用語「ポリマーの粒子サイズ」は、ブルックヘブン インスッルメント コーポレーション、ホルツスビル、ニューヨーク(Brookhaven Instruments Corporation, Holtsville, New York)によって供給されているブルックヘブン モデルBI−90 パーティクル サイザー(Brookhaven Model BI-90 Particle Sizer)を使用することにより測定されたポリマー粒子の直径を意味する。なお、前記パーティクル サイザーにおいては、ポリマー粒子のサイズを測定するために準−弾性光散乱技術が使用されている。散乱の強さは粒子サイズの関数である。直径は重量平均された強度に基づくものが使用された。この技術は、アメリカンケミカル ソサィアティ シンポジューム シリーズ(American Chemical Society Symposium series)の1987年版の第3章、48−61頁においてワイナー等(Weiner et al.)により「Uses and Abuses of Photon Crrelation Spectroscopy in Particle Sizing」という表題で記載されている。粒子の直径を測定するために、アクリルポリマー試料の0.1〜0.2gを、蒸留水を用いて全部で40mlになるように希釈した。その2ml部分をアクリル製セル中に入れ、次いでそれにふたをした。粒子サイズをナノメーターで1000サイクル測定した。この結果を3回繰り返しその平均を報告した。
【0017】
用語「ラテックスバインダー固形分」は、その乾燥状態におけるラテックスバインダーを意味する。
【0018】
「ノーピックアップ時間」の用語は、湿潤トラフィックペイント組成物の層が十分に乾燥し、ASTM D711−89の「トラフィックペイントのノーピックアップ時間の標準試験法」に記載されている、ゴム試験輪を自由回転させた時にペイントの接着が見られなくなるまでの時間をいう。
【0019】
本発明の好ましい態様における第1工程は、道路表面に水性トラフィックペイント組成物の層を塗布する工程である。被覆組成物の層は公知の手段、たとえばペイント組成物が空気加圧タンクから供給されるトラック積載スプレーガン、またはエアレスポンプのような手段により道路表面に組成物をスプレーすることにより塗布することができる。所望であれば、トラフィックペイント組成物はペイントブラシまたはペイントローラーのような手段で手で塗ることもできる。水性トラフィックペイント組成物の層が塗布される道路表面は、水性トラフィックペイント組成物が塗布される前に泥や堆積物を除去してきれいにしておくことが好ましい。水性トラフィックペイント組成物の層の厚さは、一般に300ミクロンから3000ミクロンの範囲であり、好ましくは350ミクロンから1000ミクロンの範囲である。
【0020】
本発明方法の第2工程は、層を乾燥させ、改良された耐摩耗性を有するトラフィックマーキングのような耐摩耗性被覆を形成する工程である。乾燥工程の間、被覆組成物に含まれる水性の蒸発可能なキャリアが道路表面に塗布された層から蒸発させられる。水性の蒸発可能なキャリアの蒸発速度は、トラフィックペイント組成物の層が暴露される周囲条件により変化し、また道路表面に塗布された層の厚さによっても変化する。なお、該道路表面に塗布された層の厚さは、典型的には300ミクロンから2000ミクロンの範囲であり、好ましくは350ミクロンから1000ミクロンの範囲である。空気中の湿度が高いほど、ASTM D−711−89により測定される、本発明の組成物の層のノーピックアップ時間は長くなる。たとえば、相対湿度が65から90%の範囲の時は、本発明の組成物の層のノーピックアップ時間は層の塗布から1分から60分の範囲であり、好ましくは1分から20分の範囲であり、最も好ましくは1分から10分の範囲である。
【0021】
本発明の方法において好適に使用されるトラフィックペイント組成物は、0℃から60℃、好ましくは10℃から40℃の範囲のガラス転移温度を有し、低GPC数平均分子量を有する、アニオン的に安定化されたラテックスバインダーを含む。本発明者は、予想外にも、トラフィックペイント組成物に低GPC数平均分子量を有するラテックスバインダーを使用することにより、高GPC数平均分子量を有するラテックスバインダーを含むトラフィックペイント組成物に比較して耐摩耗性が改良されることを見いだした。低GPC数平均分子量とは1000から30,000未満の範囲であり、好ましくは10,000から20,000の範囲である。
【0022】
本発明組成物のラテックスバインダーは、水性の蒸発可能なキャリヤー中に分散されたポリマー粒子を有する分散されたポリマーであってもよいし、または水性の蒸発可能なキャリヤー中の水溶性ポリマー、水希釈性ポリマー、水溶性ポリマーおよび水希釈性ポリマーの混合物、または水性の蒸発可能なキャリヤー中の分散されたポリマー、水希釈性ポリマーおよび水溶性ポリマーの混合物のいずれでもよい。所望により、ラテックスバインダーは、分散されたポリマーと水溶性ポリマーまたは水希釈性ポリマーとの混合物を含んでもよい。20〜1000ナノメーター、好ましくは30〜300ナノメーター、より好ましくは100〜250ナノメーターの範囲における粒子径の粒子を有する分散されたポリマーの形態におけるラテックスバインダーが好ましい。水性の蒸発可能なキャリヤーには、水またはその中に水混和性有機溶媒、例えばメタノール、エタノールおよびグリコールエーテルを溶解させた水が包含される。水が好ましい。
【0023】
ラテックスバインダーは、少なくとも1種またはそれ以上の次のモノマーから重合される:例えば、アクリル酸エステルモノマーまたはメタクリル酸エステルモノマー〔これらには次のモノマーが包含される:(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、および(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル〕;酸官能性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、およびマレイン酸;イタコン酸モノメチル;フマル酸モノメチル;フマル酸モノブチル;無水マレイン酸;アクリルアミドまたは置換アクリルアミド;ソジウムビニルスルホネート;スルホエチル(メタ)アクリレート;アクリルアミドプロパンスルホネート;ジアセトンアクリルアミド;メタクリル酸グリシジル;アセトアセチルエチルメタアクリレート;アクロレインおよびメタアクロレイン;メタクリル酸ジシクロペンタジエニル;ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート;イソシアナイト エチルメタクリレート;スチレンまたは置換スチレン;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニルまたはその他のビニルエステル;ビニルモノマー、例えば、ハロゲン化ビニル、好ましくは塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、好ましくは塩化ビニリデン、N−ビニルピロリドン;アミンモノマー、例えば、N,N’−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、およびアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル。
【0024】
所望により、ラテッククスバインダーの製造に利用されるモノマーの少なくとも1種は、酸官能性モノマーまたはアミノ官能性モノマー、または酸官能性モノマーまたはアミノ官能性モノマーの組み合わせ物、であってもよい。
【0025】
次のモノマーを包含するモノマー混合物から重合されたラテックスバインダーは、更に好ましい:
(1)アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチル
(2)アクリル酸ブチルおよびスチレン
(3)アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸メチル、および
(4)アクリル酸2−エチルヘキシルとスチレン。
【0026】
好ましくは、これらのモノマー混合物には、更に、アクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノマーまたはそれらの混合物を含有する。
【0027】
本発明に使用されるラテックスバインダーは、基体に適用されるときは、実質的に熱可塑性コポリマーであるかまたは実質的に未架橋コポリマーである。所望により、モノマー混合物に、コポリマーの重量に基づいて0.1〜25重量%の範囲における多エチレン性不飽和モノマーを加えることにより、予め架橋又はゲル化をコポリマーに導入することができる。典型的な多エチレン性不飽和モノマーには、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびジビニルベンゼンが包含される。しかし、形成された膜の特性を実質的に悪くしないことが重要である。
【0028】
本発明のアニオン的に安定化されたラテックスバインダーを製造するのに使用される重合技術は、当業界においてよく知られている。ラテックスバインダーは、水性溶液重合によリ、または乳化重合により造ることができる。乳化重合が好ましい。熱開始法またはレドックス開始法のいずれでも使用できる。アルファーベーターエチレン性不飽和モノマーおよびそれらのエステル、特にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、のポリマーおよびコポリマーは、好ましくは、ローム アンド ハース カンパニーによって出版された「アクリルモノマーの乳化重合:5月、1966(Emulsion Polymerization of Acrylic Monomers:May,1966)に記載されている方法によって造られる。
【0029】
重合プロセスは、典型的には、従来の遊離基開始剤、例えば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオクエート、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸アルカリを、典型的には、全モノマーの重量に基づいて0.05〜3.0重量%の量で使用して開始される。前記と同じ開始剤と、適当な還元剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、を組み合わせて使用するレドックス系においても、前記と同様の量で使用することができる。
【0030】
連鎖移動剤は、所望のGPC数平均分子量を提供するのに有効な量で使用される。生成するラテックスバインダーの分子量を調節する目的のための適当な連鎖移動剤には、既知のハロゲン−有機化合物、例えば四臭化炭素およびジブロモジクロロメタン;硫黄含有化合物、例えばアルキルチオール(これらには、エタンチオール、ブタンチオール、t−ブチルメルカプトアセテートおよびエチルメルカプトアセテートが包含される)、および芳香族チオール;または重合中に遊離基によって容易に引き抜かれる水素原子を有する種々な他の有機化合物が包含される。さらなる適当な連鎖移動剤または成分には、メルカプトプロピオン酸ブチル;イソオクチルメルカプトプロピオン酸;イソオクチルメルカプトプロピオネート(IOMP);ブロモホルム;ブロモトリクロロメタン(BTCM);四塩化炭素;アルキルメルカプタン、例えば1−ドデカンチオール、第三級−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタンおよびヘキサデシルメルカプタン;チオグリコール酸アルキル、例えばチオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸イソオクチル、およびチオグリコール酸ドデシル;チオエステル;またはそれらの組み合わせが包含されるが、それらに限定されない。メルカプタン類が好ましい。
【0031】
分散されたポリマーの形態におけるラテックスバインダーを利用するときは、重合粒子の直径は、乳化重合プロセスの間に添加される公知の界面活性剤の量によって調節される。公知の界面活性剤には、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、またはそれらの組み合わせが包含される。典型的なアニオン性乳化剤には、脂肪ロジンの塩およびナフテン酸の塩、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの低分子量の縮合生成物、カルボン酸系ポリマーおよび適当な親水性−親油性バランスのコポリマー、アルキル硫酸アルカリまたはアルキル硫酸アンモニウム、アルキルスルホン酸、アルキルホスホン酸、脂肪酸、およびオキシエチル化アルキルフェノールスルフェート、およびオキシエチル化アルキルフェノールホスフェートが包含される。典型的なノニオン性乳化剤には、アルキルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレン化アルキルアルコール、アミンポリグリコール縮合物、変性ポリエトキシ付加物、長鎖カルボン酸エステル、変性末端アルキルアリールエーテル、およびアルキルポリエーテルアルコールが包含される。界面活性剤の典型的な範囲は、全モノマーの全重量に基づいて0.1〜6重量%である。
【0032】
別法として、ラテックスバインダーには、種々のジオメトリーの2つ以上の相を有する多段重合ポリマー粒子、例えば、コア/シェル粒子またはコア/シース粒子、コアーを不完全にカプセル化しているシェル相を有するコア/シェル粒子、複数のコアを有するコア/シェル粒子、および相互侵入網目構造粒子が包含される。これらの場合において、粒子の表面積の過半は少なくとも1つの外部相によって占められ、そしてラテックスポリマー粒子の内部は、少なくとも1つの内部相によって占められている。多段重合ポリマー粒子の外部相は、粒子の全重量に基づいて、5〜95重量%である。しばしば多段重合ポリマー粒子の各段階は、異なったTgを有することが望ましい。所望により、例えば米国特許第4,916,171号に記載されている多段重合ポリマー粒子組成物のように、これらの多段重合ポリマー粒子の各段階は、異なったGPC数平均分子量を有することができる。
【0033】
多段重合ポリマー粒子は、組成が異なる少なくとも2つの段階を、逐次的に重合する公知の乳化重合法によって造ることができる。そのような方法においては、通常少なくとも2種のポリマー組成物が生成される。ある種の環境下においては、ポリマー組成物の1つを水溶性にするかまたは水性アルカリ性条件(pH>7)下で可溶性にすることが有利である。多段重合ポリマー粒子の各段階は、ポリマー粒子について前述したモノマー、連鎖移動剤および界面活性剤と同じモノマ−、連鎖移動剤および界面活性剤を含むことができる。そのような多段重合ポリマー粒子を製造するために使用される乳化重合技術は、当業界においてよく知られており、例えば、米国特許第4,325,856号、同第4,654,397号および第4,814,373号に記載されている。
【0034】
水希釈性ポリマーまたは水溶性ポリマーの形態におけるラテックスバインダーは、もしモノマー混合物が水溶性であるか、または最もしばしばあるケースのように、重合用溶剤が例えばイソプロパノール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールのような水混和性溶剤であるならば、水の中で直接製造する事ができる。そのようなケースにおいては、水を、重合混合物中に含ませてもよく、また重合が完了した後で添加してもよい。そのようなポリマーは、前述のモノマーを利用して製造することができる。本発明用の水溶性ポリマーを製造するための他の経路は、アンモニアまたは他の塩基の添加によりラテックスポリマーを溶解できるように、充分なアクリル酸またはメタクリル酸またはその他の重合可能な酸モノマー(通常は10%よりも多い)を有するラテックスポリマーを製造することである。このタイプの水溶性ポリマーは、分散されたポリマーとのブレンドとして有利に使用することができる。
【0035】
所望であれば、ラテックスバインダーは、エナミン官能性ペンダント部位を有することができる。これはラテックスポリマーの骨格に結合するアセトアセチル官能性ペンダント部位と、水性トラフィックペイント組成物の水性の蒸発可能なキャリアに加えられた化学量論的に過剰量のアンモニアまたは第1級アミンとの反応により得られる。一般に、エナミン官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダーを得るためには、水性トラフィックペイント組成物の水性の蒸発可能なキャリアのpHは、7.5から11、好ましくは9.5から10.5の範囲に保持される。
ラテックスバインダーは、ラテックスバインダーの固形分総重量に基づいて、0.5から100重量%、好ましくは5から20重量%、最も好ましくは8から15重量%の1以上のアセトアセチル官能性モノマーを含むモノマー混合物から重合させることができる。これらのアセトアセチル官能性モノマーは、以下の構造式を有する。
【0036】
【化3】
Figure 0004107691
式中、Aは
【0037】
【化4】
Figure 0004107691
【0038】
(式中、R1はH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、またはフェニル基であり、R2はH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、ハロ基、CO2CH3、またはCNであり、R3はH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、またはハロ基であり、R4は1から10個の炭素原子を有するアルキレン基、またはフェニレン基であり、R5は1から10個の炭素原子を有するアルキレン基、またはフェニレン基であり、a、m、nおよびqは、0または1であり、XとYのそれぞれは−NH−、または−O−である)であり、
BはAまたは1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、または複素環基である。好ましくは、エチレン性不飽和アセトアセチルモノマーは以下のような種々のアセトアセタミドを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化5】
Figure 0004107691
【0040】
アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM);アセトアセトキシエチルアクリレート(AAEA);アリルアセトアセテート;ビニルアセトアセテート;またはこれらの混合物。
【0041】
AAEMの構造は以下の通りに表される。
【化6】
Figure 0004107691
【0042】
AAEAの構造は以下の通りに表される。
【化7】
Figure 0004107691
【0043】
アリルアセトアセテートの構造は以下の通りに表される。
【化8】
Figure 0004107691
【0044】
ビニルアセトアセテートの構造は以下の通りに表される。
【化9】
Figure 0004107691
【0045】
好ましい具体的なエチレン性不飽和アセトアセチルモノマーとしては、アセトアセトキシエチルメタアクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アリルアセトアセテート、アセトアセトキシブチルメタクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピルメタクリレート、およびこれらの混合物がある。
【0046】
所望であれば、本発明のエナミン官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダーは有効量のアミノシランを加えることによって変性する事ができる。反応混合物に加えることのできるアミノシランの量は、ラテックスバインダーのアセトアセチル官能基の量の関数である。先に述べたように、アセトアセチル官能性モノマーの量は、一般にポリマー重量に基づいて約0.5重量%から約100重量%である。バインダーを変性するためのアミノシランの量は、アセトアセチル基1モル当たり、アミン部位が0.1から2.0モル、好ましくは0.1から1.0モル、より好ましくは0.25から0.75モルである。
もし、アセトアセチル官能性ラテックスバインダーに対して不十分な量のアミノシランが使用されると、たとえば耐摩耗性、感水性、得られるトラフィックマーキングの乾燥速度などの特性が低下する。一方、アセトアセチル官能基に対するアミノシランのモル比が2よりも非常に大きいと、シラン基による過剰な架橋のためと考えられるが、たとえばフィルム形成性のような塗料特性が影響を受け、その結果感水性が大きくなることがある。
【0047】
本発明の実施において、種々の分子量及び構造のアミノシランを用いて、アセトアセチル官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダーを変性することができる。本発明において用いられるアミノシランの一般的構造は、次式の通りである。
【0048】
1 −Si(R23-n (OR3n
式中、nは1以上3以下であり、R1 はアルキル又はフェニル基又はこれらの組合わせであり、アセトアセチル官能性ペンダント部位とエナミンを形成することのできる少なくとも一つのアミン基を有しており、R3 は、アルキル、フェニル又は水素原子或いはこれらの組合わせであり、R2 は、水素原子、フェニル又はアルキル基又はこれらの組合わせである。基R2 は、シランのオリゴマーであってもよく、OR3 基を含んでいても含んでいなくてもよく、またアセトアセチル基とエナミン形成をすることのできるアミン官能基を含んでいても含んでいなくてもよい。現実的には、溶解度、加水分解速度、アセトアセテート前駆体ポリマーとの相溶性、ポリマー安定性などのような条件は、アミノシランの構造及び分子量に対する限定を与える。nは1又は2であり、R2 はメチルオキシ又はエチルオキシ基であり、R1 は3〜6個の炭素原子を有するアルキル基であってアセトアセチル基とエナミンを形成することのできるアミン基を1個しか有しない。
【0049】
エナミン官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダーの効果的な変性剤であることが見出されたアミノシランは、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ポリマー性アミノアルキルシリコーン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピル−トリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、オリゴマー性アミノアルキルシラン、およびこれらの種々の組み合わせからなる群から選択することができる。上記のものは、ダウコーニング,Midland, Michigan、Union Carbide Speciality Chemicals Division, Danbury Connecticut及びハルス オブ アメリカ社, Piscataway, New Jersey、ワッカーシリコン社, Adrian, Michiganから入手することのできる。ダウコーニング社から、Z−6020として販売されているアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0050】
ラテックスバインダーは、好ましくは、ラテックスバインダーに0.1〜390範囲の酸価、好ましくは0.8〜390の範囲の酸価、更に好ましくは2〜100の範囲の酸価、最も好ましくは6〜50の範囲の酸価を提供するのに充分な酸官能性ペンダント部位を有する。所望される酸価は、ラテックスバインダーを製造するのに利用される酸官能性モノマーの量を調節することによって達成される。酸価の所望範囲は、酸官能性モノマー、例えば、ホスホエチルメタクリレートモノマーまたはエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、例えば、アクリル酸、フマル酸−モノエチルエステル、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル酸、フマル酸−モノメチルエステル、メチル ハイドロゲンマレエート(methyl hydrogen maleate)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸スルホエチル、またはそれらの組み合わせ物、を含有するラテックスバインダーを利用することによって得られる。エチレン性不飽和カルボン酸モノマーが好ましい。より好ましいエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの組み合わせ物から選ばれる。
【0051】
所望であれば、本発明の方法において好適な組成物はアミン変性ラテックスバインダー、またはラテックスバインダーと多官能性アミンのブレンド、または該ブレンドとアミン変性ラテックスバインダーの混合物、好ましくは等量混合物を含む。該ブレンドは、ブレンド固形分の総重量に基づいて0から20重量%、好ましくは0.5から10重量%、より好ましくは2から5重量%の多官能性アミンを含む。
【0052】
ラテックスバインダーと混合するために適当な多官能性アミンまたはアミン変性ラテックスバインダーの本質的に全ては、ラテックスバインダーの水性の蒸発可能なキャリヤーのpHを、7.5〜11の範囲、好ましくは9.5〜10.5の範囲に上げることによって、脱プロトン化された状態に維持される。これは、多官能性アミンまたはアミン変性ラテックスバインダー中の実質的に全てのアミン官能性基が脱プロトン化した状態にあることを意味する。水性の蒸発可能なキャリヤーのpHは、塩基、例えばアンモニア;水酸化アルカリ金属、好ましくは水酸化ナトリウム;モルホリンおよび低級アルキルアミン、例えば2−メチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルモルホリンおよびエチレンジアミンを加えることによって上げることができる。揮発性塩基、例えばアンモニアまたは揮発性塩基の混合物、および不揮発性塩基、例えば水酸化ナトリウムが好ましい。特に、アンモニアが最も好ましい。多官能性アミンの中のアミノ官能基の脱プロトン化の結果、アミノ官能基の本質的に全てに電荷がなく、すなわち中和されており、それ故ラテックスバインダーのコロイド的安定を保つ。
【0053】
多官能性アミンは、多官能性アミンの全固形分重量に基づいた重量%で、以下に記載するアミン含有モノマーの少なくとも1種またはそれ以上のクラスの20〜100重量%、好ましくは、50〜100重量%から重合される。
【0054】
クラス1:
アミノアルキルビニルエーテル、ただしアルキル基は、2〜3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖であり、そして窒素原子は、第一級、第二級、または第三級の窒素原子である。そのような方法は、米国特許第2,879,178号に記載されている。第三級窒素原子を含有するモノマーが利用されるときは、残りの水素原子の1個は、アルキル成分が1〜4個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有しているアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルコキシアルキル基によって置換されてもよい。具体的な例には、ベータ−アミノエチルビニルエーテル;ベータ−アミノエチルビニルサルファイド;N−モノメチル−ベーターアミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;N−モノエチル−ベーターアミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;N−モノブチル−ベーターアミノエチルビニルエーテルまたはサルファイド;およびN−モノメチル−3−アミノプロピルビニルエーテルまたはサルファイドが包含される。
【0055】
クラス2:
アクリルアミドまたはアクリルエステル、例えば次の式(II)を含有する前記化合物:
【0056】
【化10】
Figure 0004107691
【0057】
〔式中、Rは、HまたはCH3であり、nは0または1であり、Xは、OまたはN(H)である。
nが0であるときには、AはO(CH2)x(式中、xは2〜3である)または(O−アルキレン)y であり〔(O−アルキレン)y は88〜348の範囲のGPC数平均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、同じかまたは異なっており、エチレンまたはプロピレンであるポリ(オキシアルキレン)基である〕;および
nが1であるときには、Aは、2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、R*は、H、メチル、またはエチルであり;そして
0は、H、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、シクロヘキシル、または (C1−C6)アルキルである。〕
【0058】
式(II)の化合物の好ましい例としては、ジメチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリレート;ベーターアミノエチルアクリレートまたはメタクリレート;N−ベーターアミノエチルアクリルアミドまたはメタクリルアミド;N−(モノメチルアミノエチル)−アクリルアミドまたはメタクリルアミド;N−(モノ−n−ブチル)−4−アミノブチルアクリレートまたはメタクリレート;メタクリロキシエトキシエチルアミン;およびアクリロキシプロポキシプロポキシプロピルアミンが含有される。
【0059】
クラス3:
N−アクリロキシアルキル−オキサゾリジンおよびN−アクリロキシアルキルテトラヒドロ−1,3−オキサジン、および相応する成分(ただし、“アルキル”連結基は、アルコキシアルキルおよびポリ(アルコキシ−アルキル)によって置換されている)。これらの全ては式(III)に包含されている。
【0060】
【化11】
Figure 0004107691
【0061】
〔式中、
Rは、HまたはCH3であり;
mは、2〜3の値を有する整数であり;
R’は、R2に直接結合していないときは、水素、フェニル、ベンジル、および(C1−C12)アルキル基から成る群から選ばれ;
2は、R’に直接結合していないときは、水素および(C1−C4)アルキル基から成る群から選ばれ;
R’およびR2は、互いに直接に結合しているときは、式の中の環のそれらが結合されている炭素原子と共に5〜6員の炭素環を形成しており、すなわち、R’およびR2は、互いに結合しているときは、ペンタメチレンおよびテトラメチレンから成る群から選ばれ;そして
A’は、O(Cm2m)−または(O−アルキレン)nであり〔(O−アルキレン)nは88〜348の範囲のGPC数平均分子量を有し、かつ個々のアルキレン基は、同じかまたは異なっており、エチレンまたはプロピレンのいずれかであるポリ(オキシアルキレン)基である〕。
【0062】
式(III)の化合物は、種々な条件のもとで、第二級アミンに加水分解できる。この加水分解より、次の式(IV)を有する生成物が造られる:
【0063】
【化12】
Figure 0004107691
【0064】
式(III)の化合物は、米国特許第3,037,006号に記載されている。
式(III)の化合物の好ましい例としては、オキサゾリジニルエチルメタクリレート;オキサゾリジニルエチルアクリレート;3−(ガンマ−メタクリル−オキシプロピル)−テトラヒドロ−1,3−オキサジン;3−(ベーターメタクリルオキシエチル)−2,2−ペンタ−メチレン−オキサゾリジン;3−(ベーターメタクリルオキシエチル−2−メチル−2−プロピルオキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジン;N−2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;N−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;3−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2,2−ペンタ−メチレン−オキサゾリジン;3−〔2−(2−メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2,2−ジメチルオキサゾリジン;3−〔2−(メタクリロキシエトキシ)エチル〕−2−フェニル−オキサゾリジン;2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが包含される。
【0065】
クラス4:
加水分解によってアミンを容易に生成するモノマーのポリマーは、また、多官能性アミンの製造に有用である。そのようなモノマーの例には、アクリロキシ−ケチミンおよびアクリロキシ−アルジミンがあり、例えば次の式(V)および(VI)によって示される:
【0066】
【化13】
Figure 0004107691
【0067】
〔式中、
Rは、HまたはCH3であり;
Qは、
【0068】
【化14】
Figure 0004107691
【0069】
から成る群から選ばれ、
6は、Hまたは1個のCHR6単位においてはメチルであることができる;
5は、(C1−C12)−アルキルおよびシクロヘキシル基から成る群から選ばれ;
4は、(C1−C12)−アルキルおよびシクロヘキシル基から成る群から選ばれ;
3は、フェニル、ハロフェニル、(C1−C12)−アルキル、シクロヘキシル、および(C1−C4)アルコキシフェニル基から成る群から選ばれ;
A”は、アルキレン基(C1−C12)であり;
A°、BおよびDは、式−OCH(R7)−CH(R7)−(式中、R7は、H、CH3、またはC25である)を有する同じかまたは異なったオキシアルキレン基であり;
xは、4〜5の値を有する整数であり;
n°は、1〜200の値を有する整数であり;
n’は、1〜200の値を有する整数であり;
n”は、1〜200の値を有する整数であり;そして
n°−1、n’−1およびn”−1の合計は、2〜200の値を有する整数である〕。
【0070】
式(V)および(VI)の化合物の好ましい例のある種のものには、
2−〔4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;
3−〔2−(4−メチルペンチリジン)−アミノ〕−プロピルメタクリレート;
ベーター(ベンジリデンアミノ)−エチルメタクリレート;
3−〔2−(4−メチルペンチリデン)−アミノ〕−エチルメタクリレート;
2−〔4−(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ〕−エチルアクリレート;
12−(シクロペンチリデン−アミノ)−ドデシルメタクリレート;
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−メタクリロキシエトキシ)−エチルアミン;
N−(ベンジリデン)−メタクリロキシエトキシエチルアミン;
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)−エチルアミン;および
N−(ベンジリデン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチルアミン、
が包含される。
【0071】
式(V)および式(VI)の化合物は、酸性、中性、またはアルカリ性の水性媒質中において加水分解し、対応する第一級アミンまたはそれらの塩を生成する、そのときは、式の基−N=Qは、−NH2およびO=Qとなる。式(V)および式(VI)の化合物は、米国特許第3,037,969号および同第3,497,485号に記載されており、そしてそれらの中に記載されたすべてのモノマー化合物は、本発明の組成物の水溶性ポリマー部分に用いられるコポリマーの製造に使用することができる。
【0072】
クラス5:
少なくとも2個の第一級または第二級のアミノ基を有する任意の、非ポリマー性の多官能性アミンを使用することができる。そのようなアミンには、それぞれ、2〜10個の第一級または第二級のアミノ基および2〜100個の炭素原子を有する、脂肪族アミンおよび脂環式アミンが包含される。好ましい非ポリマー性の多官能性アミンには、2〜4個の第一級アミノ基および2〜20個の炭素原子が包まれる。これに関して更に、適当な非ポリマー性の多官能性アミンには、ヘキサメチレンジアミン;2−メチルペンタメチレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;1,3−ジアミノペンタン;ドデカンジアミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン;1,4−ジアミノシクロヘキサン;パラ−フェニレンジアミン;3−メチルピペリジン;ピペラジン;N−アミノエチルピペラジン;イソホロンジアミン;ビス−ヘキサメチレントリアミン;ジエチレントリアミン;エチレンジアミン;ジエチルアミントリアミン;トリエチレンテトラミン;トリス(2−アミノエチル)アミン;エチレンオキサイド−アミン;ポリオキシアルキレンアミン、例えばヒューストン、テキサスのテキサコ ケミカル カンパニー(Texaco Chemical Company)によって供給されているジェファーミン〔jeffamine(登録商標)〕D、EDおよびTシリースのポリオキシプロピレンアミン;米国特許第4,120,839号に記載されているアミン官能性アクリル樹脂;トリメチルヘキサメチレンジアミン;およびテトラエチレンペンタミンが包含されるが、これらには限定されない。また、これら非ポリマー性の多官能性アミンの混合物も使用することができる。最も好ましい非ポリマー性の多官能性アミンは、次式を有するポリオキシプロピレンアミンである:
【0073】
【化15】
Figure 0004107691
【0074】
この化合物は、テキサコ ケミカル カンパニーにより、商標名ジェファーミンD−230として供給されているポリオキシプロピレンアミンである。
一般的に、多官能性アミンは、当業界において一般的に知られているように、例えば米国特許第4,119,600号に教示されているように、求められる具体的なポリマーに応じて、中性、アルカリ性、または酸性のいずれかの水性媒質における溶液重合によって得ることができる。多官能性アミンには、1種以上のモノエチレン性不飽和モノマー、例えばメチルアクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、の80重量%までを有するコポリマーが包含される。また、比較的不溶性のコモノマーの少量を使用して、水溶性の多官能性アミンを得ることもできる。不溶性ポリマーには、これらのコモノマーのより多量を含有させてもよい。そのようなモノマーには、例えば、アクリル酸とC1〜C18アルコールとのエステルおよびメタクリル酸と1〜18個の炭素原子を有するアルコール特にC1〜C4アルカノールとのエステル;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、置換スチレン、ブタジエン、置換ブタジエン、エチレン;およびアクリル酸またはメタクリル酸のニトリルおよびアミドが包含される。多官能性アミンを造るのに使用される具体的なコモノマーは、コポリマーを造るのに使用されるアミン含有モノマーの割合に依存する。
【0075】
別法として、ラテックスバインダーの同じポリマーの主鎖の中に酸官能性部位およびアミン官能性部位の両方を存在させることも可能である。これは、2段重合法、すなわち、1段においては酸官能性部位を含み、そして他の段においてはアミン官能性部位を含む重合法によって達成することができる。そのようなバインダーの製造方法は、米国特許第4,760,110号に記載されている。
ラテックスバインダーは、ラテックスバインダーがポリマー粒子の分散液であるときは、水性の蒸発可能なキャリヤー中に30〜70%、好ましくは35〜65%のブレンドを含有しており、またラテックスポリマーが溶解されたポリマーであるときは、水性の蒸発可能なキャリヤー中に25〜50%、好ましくは30〜40%のブレンドを含有している。ただし前記の全ての%は、ラテックスバインダーの全重量に基づいた重量%である。
【0076】
所望により、そしてトラフィックペイント組成物の意図する用途により、追加の成分を組成物に加えてもよい。これらの追加の成分には、増粘剤;レオロジー改良剤;染料;金属イオン封鎖剤;殺生物剤;分散剤;顔料、例えば二酸化チタン、有機顔料、カーボンブラック;エキステンダー、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカおよびシリケート;フィラー、例えばガラスまたはポリマーの微小球、石英および砂;凍結防止剤;可塑剤;接着促進剤;造膜助剤;湿潤剤;ワックス;界面活性剤;スリップ用添加剤;架橋剤;消泡剤;着色剤;防腐剤;凍結/融解保護剤;腐食防止剤;アルカリ可溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーが包含されるが、これらに限定されない。
【0077】
所望であれば、本発明の方法において、本発明のトラフィックペイント組成物の層の上に、層が乾燥する前にガラスビーズを落とし、道路表面に塗布された層とガラスビーズの接着を確実にすることができる。トラフィックマーキングの上に露出したガラスビーズは光反射材として作用する。ガラスビーズを使用しない場合には、トラフィックマーキングは夜間および雨のような天気では見えにくくなる。そのため、ほとんどすべてのトラフィックマーキングにはビーズが加えられる。夜間および雨のような天気における視認性を得るため、塗料1リットル当たり0.72から2.9kgまたはそれ以上のガラスビーズが塗料表面にまき散らされ、固定される。本発明のトラフィックペイント組成物の層上に位置する貯蔵容器から所望の割合でガラスビーズをまき散らしたり、空気ジェットによりガラスビーズを同伴、運搬してスプレーして層上に落としたりする公知の方法によりガラスビーズを落とすことができる。ガラスビーズは、層がまだ湿潤している間に層上に施される。すなわち、層が乾燥してトラフィックペイントマーキングを形成する前に施される。層の上に落とされるガラスビーズの量は、大きさ、反射率、およびガラスビーズの表面処理により変化する。トラフィックマーキング用の典型的なガラスビーズは、ワシントンD.C.American Association of State Highway and Transportation Officials により開発された、AASHTO Designation M 247-81(1993) に記載されている。任意に、ガラスビーズは道路表面に塗布する前にトラフィックペイント組成物とあらかじめ混合することができる。本発明方法に使用されるトラフィックペイント組成物は、アルキッドベースのトラフィックペイントに比較して優れた耐摩耗性を与え、さらに改良されたビーズ保持率を与える。ビーズ保持率は、トラフィックペイントバインダーと表面に露出したガラスビーズの比率により与えられる、保持率である。
【0078】
所望であれば、本発明のトラフィックペイント組成物の層のノーピックアップ時間は、該層を、たとえば酢酸水溶液やクエン酸水溶液のような弱酸を10から30%の強度、好ましくは20%の強度で含む凝集剤と接触させることによりさらに改良することができる。別法として、塩酸や硫酸のような強い酸を5から15%の強度、好ましくは10%の強度に希釈したものを使用することもできる。クエン酸が好ましい。凝集剤は公知の任意の手段で施すことができ、たとえば、凝集剤を層の上にスプレーすることができる。凝集剤が層と接触すると、層内に存在するラテックスバインダーを凝集させ、層の乾燥速度を改善すると考えられている。層の上にスプレーされる凝集剤の量は、層内に存在するラテックスバインダーの量、及びトラフィックペイント組成物に使用されているラテックスバインダーのタイプにより変化する。被覆組成物の層の上にスプレーされる凝集剤の重量%は、酸の種類、酸の強さ、および凝集工程を行うために使用されるスプレー装置の種類により変化する。20%のクエン酸のような凝集剤が、層として塗布された被覆組成物の総重量に基づいて、0.6から2%、好ましくは1%の量で適用されることが好ましい。
【0079】
本発明の他の好ましい実施態様においては、1,000から1,000,000の範囲、好ましくは30,000よりも大きく700,000までの範囲(高GPC数平均分子量のポリマー)、最も好ましくは100,000から250,000の範囲のGPC数平均分子量を有するラテックスバインダーを含むトラフィックペイント組成物が使用される。前述の方法に従って調製されたラテックスバインダーはエナミン官能性ペンダント部位を有し、さらに前述の方法によりアミノシランにより変性される。
【0080】
所望であれば、前述の方法により、さらに酸官能性ペンダント部位を有するこの実施態様の方法に好適なラテックスバインダーを得ることができる。さらに、前述のように、多官能性アミンをブレンドし、ラテックスバインダーの水性の蒸発可能なキャリアのpHを上げることにより、脱プロトン化した状態に保持することができ、所望であれば、本発明のトラフィックペイント組成物の層のノーピックアップ時間を、前述の方法により層を凝集剤と接触させることによりさらに改良することができる。本実施態様の方法に好適なトラフィックペイント組成物を調製するために、GPC数平均分子量を除き、前記と同一の成分を、同一の比率で使用することができる。
【0081】
試験方法
以下の実施例で示されたデータは、以下の試験方法により測定された。
1.耐摩耗性試験
本発明の方法により調製されたトラフィックペイントマーキングの耐摩耗性は、トラフィックペイントの耐摩耗性の標準試験方法との標題であるASTM D913−88により測定された。テストトラックとしても知られるトラフィックマーキングが、ASTM D713−90にしたがって調製され、塗布された。試験マーキング上に使用されたガラスビーズは、ワシントンD.C.American Association of State Highway and Transportation Officials により開発されたAASHTO Designation M247-81 (1993) に適合するものであった。
厚さ380ミクロンの、以下に記載された実施例の白色トラフィックペイント組成物の層を、交通の流れを横切る方向に、Linear Dynamics Inc.、ニュージャージー州、パーシッパニー製の後進自走式ストリッピングマシンにより、ポルトランドセメントの道路上にスプレー塗布した。試験トラックを交通の流れを横切る方向に塗布したのは、試験トラックの上を通過する乗り物の数を多くして試験トラックの劣化を促進するためである。特に、乗り物のタイヤが最も頻繁に通る箇所はホイールトラックエリアと呼ばれる。ニュージャージー州、カールスタッドの、Potters Industries,Inc. 製の Highway Safety Spheres with Adherence Coating AC-07(商標名)として販売されるガラスビーズを、白色トラフィックペイント組成物層の上に落とした。道路表面の試験トラックの耐摩耗性は、それらを道路表面に塗布した後106日後に観察された。
【0082】
2.ノーピックアップ時間試験
以下に記載された、顔料を加えた被覆組成物のポットミックスの厚さ500ミクロンの層を、以下に述べる方法で10センチ×30センチのガラス試験板に塗布した。層の厚さは乾燥後に得られたトラフィックマーキングが200から275ミクロンの範囲の厚さを有するように調節された。層のノーピックアップ時間は、ASTM D711に従って測定され、湿潤層の上をトラフィックペイント乾燥時間測定用の車輪を転がすことにより測定された。ノーピックアップ時間の終点は、試験用車輪のゴムの輪にペイントが接着しなくなる時間として定義される。
【0083】
3.ドライ−スルー時間
顔料を加えたトラフィックペイント組成物を、10センチ×30センチのガラス試験板に塗布し、トラフィックペイント組成物の層を形成した。層の厚さは乾燥後に得られたトラフィックマーキングが175から200ミクロンの範囲の厚さを有するように調節された。試験板は迅速に、ペンシルバニア州、ハットボロの Victor Associates,Inc. 製の試験室内におかれ、相対湿度90%+/−3%に保持された。試験室には、検定済みの湿度計と温度計が、試験室の後方の壁の中心部に固定され、平衡状態での測定が保証された。試験室の底部のパンに2センチの水を満たし、すべての箇所とドアを閉じ、試験室を1晩平衡にすることにより、試験室内に試験板をおく前に相対湿度が90%+/−3%にされた。1晩の平衡の後、試験室内の相対湿度は100%に達した。種々の場所を注意深く開け閉めする事により、室内の相対湿度は90%+/−3%にされた。
試験室のドアは約15分間隔で短時間だけあけられ、トラフィックペイント組成物の層のドライ−スルー時間を測定した。ドライ−スルー時間は、板へ層を塗布した後、層の上に圧力を加えることなく、親指を90度回転させたときにゆがまなくなるまで乾燥するまでの時間として定義される。
【0084】
実施例1
被覆組成物のポリマーバインダー成分のラテックスポリマーを、以下のようにして調製した。
窒素雰囲気下、脱イオン水(以下、場合により「DI水」と称する)825gに、92℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 866
メチルメタアクリレート 1207
メタアクリル酸 27
n−ドデシルメルカプタン 26
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.7とした。得られた低分子量ラテックスバインダーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量20,000であり、Tgは18℃であった。
【0085】
実施例2
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、91℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
DI水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 858
メチルメタアクリレート 1110
アセトアセトキシエチル 105
メタアクリレート
メタアクリル酸 27
n−ドデシルメルカプタン 26
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.6とした。得られたアセトアセチル官能性ペンダント部位を有する低分子量ラテックスバインダーは、固形分52%、平均粒子直径 199nm、GPC数平均分子量20,100であり、Tgは15℃であった。
【0086】
実施例3
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、92℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 866
メチルメタアクリレート 1207
メタアクリル酸 27
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.7とした。得られた高分子量ラテックスバインダーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量180,000であり、Tgは18℃であった。
【0087】
実施例4
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、91℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
DI水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 858
メチルメタアクリレート 1110
アセトアセトキシエチル 105
メタアクリレート
メタアクリル酸 27
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.6とした。得られたアセトアセチル官能性ペンダント部位を有する高分子量ラテックスバインダーは、固形分52%、平均粒子直径 199nm、GPC数平均分子量180,000であり、Tgは15℃であった。
【0088】
実施例5
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、91℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
DI水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 858
メチルメタアクリレート 1110
アセトアセトキシエチル 105
メタアクリレート
メタアクリル酸 27
n−ドデシルメルカプタン 26
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.6とし、室温で一定の攪拌下に、21gの界面活性剤(ユニオンカーバイド社製の、トライトンX−405、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、固形分70重量%)、および151.2gのメタノールに溶解した54.6gのアミノシラン(ダウ コーティング社から販売される、Z−6020、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、固形分99.0重量%)を加えた。得られたアミノシラン変性アセトアセチル官能性ペンダント部位を有する低分子量ラテックスバインダーは、固形分52%、平均粒子直径 199nm、GPC数平均分子量16,200であり、Tgは15℃であった。
【0089】
実施例6
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、91℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
DI水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 858
メチルメタアクリレート 1110
アセトアセトキシエチル 105
メタアクリレート
メタアクリル酸 27
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.6とし、室温で一定の攪拌下に、21gの界面活性剤(ユニオンカーバイド社製の、トライトンX−405、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、固形分70重量%)、および151.2gのメタノールに溶解した54.6gのアミノシラン(ダウ コーティング社から販売される、Z−6020、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、固形分99.0重量%)を加えた。得られたアミノシラン変性アセトアセチル官能性ペンダント部位を有する高分子量ラテックスバインダーは、固形分52%、平均粒子直径199nm、GPC数平均分子量180,000であり、Tgは15℃であった。
【0090】
実施例7
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、91℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
DI水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 858
メチルメタアクリレート 1110
メタアクリル酸 27
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.6とし、室温で一定の攪拌下に、20gの界面活性剤(ユニオンカーバイド社製の、トライトンX−405、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、固形分70重量%)、および143.6gのメタノールに溶解した51.9gのアミノシラン(ダウ コーティング社から販売される、Z−6020、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、固形分99.0重量%)を加えた。得られたアミノシラン変性高分子量ラテックスバインダーは、固形分52%、平均粒子直径 199nm、GPC数平均分子量180,000であり、Tgは18℃であった。
【0091】
実施例8
窒素雰囲気下、脱イオン水825gに、92℃で、50gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム7.3g、50gの水に溶解した過硫酸アンモニウム5.3g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)160gを加え、次いで30gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、104gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム2.1gとともに3時間にわたり加え、次いで50gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
水 635
ラウリル硫酸ナトリウム 9.1
ブチルアクリレート 866
メチルメタアクリレート 1207
メタアクリル酸 27
n−ドデシルメルカプタン 26
重合終了時に、8.7gのDI水中の0.01gのFeSO4、DI水8.3g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩0.44g、20gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド1.2g、および40gのDI水中のイソアスコルビン酸0.6gを60℃で、反応生成物に加えた。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.7とし、室温で一定の攪拌下に、21gの界面活性剤(ユニオンカーバイド社製の、トライトンX−405、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、固形分70重量%)、および151.2gのメタノールに溶解した54.6gのアミノシラン(ダウ コーティング社から販売される、Z−6020、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、固形分99.0重量%)を加えた。得られたアミノシラン変性低分子量ラテックスバインダーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量16,200であり、Tgは18℃であった。
【0092】
実施例9
以下の手順で調製されたポリアミン133.9gを実施例1に加え、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量16,200、Tg18℃のポリアミン変性低分子量ラテックスバインダーを調製した。
ポリアミンの調製
5リットルの反応容器中で、1500gの脱イオン脱酸素水を窒素雰囲気下に60℃に加熱した。攪拌下、0.15%のFeSO4・7H2O水溶液を7g、エチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩の1%水溶液を2.0g、反応器に加えた。次いで、以下のフィードNo.1とNo.2を同時に3時間にわたり反応器に加えた。
フィードNo.1:
500.0gの2−(3−オキサゾリジニル)エチル メタアクリレート(OXEMA)
500gの脱イオン水
5.0gのt−ブチルハイドロパーオキサイド70%水溶液(TBHP)
フィードNo.2:
14.4ミリリットルの脱イオン水で希釈された
5.0gのソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート・H2O(SFS)
フィードNo.1とNo.2を添加して1時間後、70%TBHP0.65gと、5.0gの脱イオン水中のSFS0.15gを反応器に加えた。1時間後、反応器内容物を室温に冷却し、10.0gの29%水酸化アンモニウム水溶液を加え、透明な琥珀色の溶液を得た。固形分は19.6%、pHは8.3、No.1スピンドルを使用し、60rpmで測定したブルックフィールド粘度は21cpsであった。
【0093】
実施例10
ラテックスバインダーを実施例1のものから実施例3のものに換えた他は実施例9と同様の操作を行い、実施例10の組成物を得た。得られたポリアミン変性高分子量ラテックスポリマーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量180,000、Tg18℃であった。
【0094】
実施例11
窒素雰囲気下、脱イオン水3713gに、92℃で、180gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム32.8g、180gの水に溶解した過硫酸アンモニウム23.8g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)720gを加え、次いで135gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、468gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム9.5gとともに3時間にわたり加え、次いで225gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
水 2858
ラウリル硫酸ナトリウム 33.5
ブチルアクリレート 3825
メチルメタアクリレート 4558
アセトアセトキシエチル 945
メタアクリレート
メタアクリル酸 122
n−ドデシルメルカプタン 118.4
モノマー混合物を添加した後、39.3gのDI水中の0.06gのFeSO、DI水31.6g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩1.97g、90gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド7.8g、および180gのDI水中のイソアスコルビン酸2.8gを60℃で、モノマー混合物を重合した。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.7とた。得られたアセトアセチル官能性ペンダント部位を有する低分子量ラテックスバインダーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量16,200であり、Tgは14℃であった。
【0095】
実施例12
窒素雰囲気下、脱イオン水3713gに、92℃で、180gの水に溶解した炭酸水素アンモニウム32.8g、180gの水に溶解した過硫酸アンモニウム23.8g、およびポリマーシードラテックス(固形分42%、平均粒子径60nm)720gを加え、次いで135gのDI水を加えて反応混合物を調製した。これに、以下のモノマー混合物を81℃で、468gのDI水に溶解した過硫酸アンモニウム9.5gとともに3時間にわたり加え、次いで225gのDI水を加えた。
モノマー混合物 グラム
水 2858
ラウリル硫酸ナトリウム 33.5
ブチルアクリレート 3825
メチルメタアクリレート 4558
アセトアセトキシエチル 945
メタアクリレート
メタアクリル酸 122
n−ドデシルメルカプタン 118.4
モノマー混合物を添加した後、39.3gのDI水中の0.06gのFeSO4、DI水31.6g中のエチレンジアミン−四酢酸四ナトリウム塩1.97g、90gのDI水中のt−ブチルヒドロパーオキサイド7.8g、および180gのDI水中のイソアスコルビン酸2.8gを60℃で、モノマー混合物を重合した。次いで、水酸化アンモニウムを加え、最終pHを9.7とした。室温で一定の攪拌下に、94.5gの界面活性剤(ユニオンカーバイド社製の、トライトンX−405、オクチルフェノキシ ポリエトキシエタノール、固形分70重量%)、および680.4gのメタノールに溶解した491.4gのアミノシラン(ダウ コーティング社から販売される、Z−6020、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、固形分99.0重量%)を加えた。得られたアミノシラン変性アセトアセチル官能性ペンダント部位を有する低分子量ラテックスバインダーは、固形分53%、平均粒子直径 194nm、GPC数平均分子量16,200であり、Tgは14℃であった。
【0096】
実施例1から12の生成物に、以下の成分を示した順番で加え、それぞれ、顔料を有するトラフィックペイント組成物を調製した。
【0097】
Figure 0004107691
【0098】
特記のない限り、以下の市販の製品が使用された。
1:タモール901分散剤、高分子電解質のアンモニウム塩、固形分30%、
ローム アンド ハース カンパニー製、
2:サーフィノール(Surfynol)CT−136界面活性剤、
アセチレン系界面活性剤、エアープロダクツ社製
3:Drew L−493消泡剤、Drewケミカル社製
4:Ti Pure R−900、二酸化チタン、デュポン社製
5:Omyacarb 5、天然炭酸カルシウム、ASTM D−1199ではタイプGC、グレードIIと評価された。数平均粒子径は5.5ミクロン、最大吸油No.10、Omya Inc.製
【0099】
各成分を10分間、または均質な混合物が得られるまで混合した。粉砕の細かさは、ASTM D1210により評価され、3Hヘグマン単位未満にされた。
【0100】
実施例1、2、3、4、9、10および11について、以下の成分を示された順番で引き続き混合した。
【0101】
Figure 0004107691
【0102】
特記のない限り、以下の市販の製品が使用された。
6:テキサノール、エステルアルコール、イーストマンケミカル社製
7:QR−708、レオロジー改良剤、固形分35重量%、
ローム アンド ハース カンパニー製
【0103】
実施例5、6、7、8および12について、以下の成分を示された順番で引き続き混合した。
【0104】
Figure 0004107691
【0105】
耐摩耗性の評価
実施例1、3、9および10について、本発明の方法において使用されるトラフィックペイント組成物のラテックスバインダーのGPC数平均分子量の、トラフィックペイント組成物の耐摩耗性に与える効果を評価した。さらに、トラフィックペイント組成物中のポリアミンの存在および不存在による効果も評価した。結果を以下の表に示す。
【0106】
【表1】
Figure 0004107691
【0107】
表1から、実施例1の低分子量トラフィックペイント組成物が、実施例3の高分子量トラフィックペイント組成物および実施例10のポリアミン変性高分子量トラフィックペイント組成物よりも優れた耐摩耗性を示すことがわかる。さらに、実施例9のポリアミン変性低分子量トラフィックペイント組成物が、実施例1の低分子量トラフィックペイント組成物よりも優れた耐摩耗性を示すことがわかる。
【0108】
実施例1から8の顔料を含むトラフィックペイント組成物を、前述した塗布方法により道路表面に塗布し、トラフィックペイント組成物中の分子量、アミノシランおよびアセトアセチル官能性ペンダント部位の存在および不存在による、トラフィックマーキングの耐摩耗性に関する効果を評価した。結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
Figure 0004107691
【0110】
表2から、トラフィックペイント組成物の耐摩耗性が、アミノシランの導入により改良され、特にアセトアセチル官能性ペンダント部位を有するトラフィックペイント組成物において改良されることがわかる。
【0111】
層の凝集による評価
実施例1、2、5、6、7、8、9及び10の顔料を含むトラフィックペイント組成物を、10センチ×30センチのガラステストパネル上に塗布し、トラフィックペイント組成物の層を形成した。層の厚さは、得られるトラフィックマーキングが、乾燥後に175から200ミクロンのフィルム厚さを有するように調節された。トラフィックペイント組成物のそれぞれの層に、凝集剤として、強度30%のクエン酸をスプレーし、トラフィックペイント組成物の層を凝集された時の、得られたトラフィックマーキングのノーピックアップ時間についての効果を評価した。対照として、凝集剤でスプレーされた層のノーピックアップ時間が、凝集剤に暴露されなかった層のノーピックアップ時間と比較された。結果を表3に示す。なお、測定は相対湿度60から65%で行われた。
【0112】
【表3】
Figure 0004107691
【0113】
表3から、本発明の方法において凝集工程を追加することにより、すべてのサンプルにおいてノーピックアップ時間が改良されることがわかる。
【0114】
ドライスルー時間
実施例5、6、8、9、10、11、および12の顔料を含むトラフィックペイント組成物について、ドライスルー時間を測定したる結果を表4に示す。
【0115】
【表4】
Figure 0004107691
【0116】
表4から、低GPC数平均分子量および高GPC数平均分子量のどちらのトラフィックペイント組成物においても、アミノシランまたはポリアミンの存在が、ドライスルー時間を顕著に改良することがわかる。

Claims (8)

  1. 道路表面に耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する方法であって、
    酸価が0.1から390の範囲であるバインダーを提供するように、バインダー固形分の0.5から100重量%の酸官能性モノマーのモノマー混合物から重合され、アセトアセチル官能性ペンダント部位を有するラテックスポリマーを提供し、
    エナミン官能性ペンダント部位を前記ラテックスバインダーに提供するために塩基を加え、前記エナミン官能性ペンダント部位が前記ラテックスポリマーのアセトアセチル官能性ペンダント部位と前記塩基との反応によりもたらされ、
    水性の蒸発可能なキャリアにアミノシランを加え、
    前記道路表面上に、前記水性の蒸発可能なキャリア中に、0℃から60℃の範囲のガラス転移温度を有し、かつ1,000から30,000未満の範囲のGPC数平均分子量を有する前記ラテックスバインダーを含むトラフィックペイント組成物の層を施し、
    前記層から前記水性の蒸発可能なキャリアを蒸発させ、前記道路表面上に前記耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する、前記方法。
  2. 前記ラテックスバインダーが、バインダー固形分の0.5から100重量%の、以下の構造式、
    Figure 0004107691
    式中、Aは
    Figure 0004107691
    (式中、RはH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、またはフェニル基であり、RはH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、ハロ基、COCH、またはCNであり、RはH、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、またはハロ基であり、Rは1から10個の炭素原子を有するアルキレン基、またはフェニレン基であり、Rは1から10個の炭素原子を有するアルキレン基、またはフェニレン基であり、a、m、nおよびqは、0または1であり、XとYのそれぞれは−NH−、または−O−である)であり、
    BはA1から10個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、または複素環基である、
    を有するアセトアセチル官能性モノマーから重合される、請求項記載の方法。
  3. 前記アミノシランが、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ポリマー性アミノアルキルシリコーン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピル−トリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、オリゴマー性アミノアルキルシラン、およびこれらの種々の混合物から成る群から選択される請求項に記載の方法。
  4. 前記酸官能性モノマーが、ホスホエチルメタアクリレート、アクリル酸、フマル酸−モノエチルエステル、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、メタクリル酸、フマル酸−モノメチルエステル、メチルヒドロゲンマレエート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項記載の方法。
  5. 前記トラフィックペイント組成物が、さらに
    (a)前記ラテックスバインダーと、バインダー固形分の総重量に基づいて0から20重量%の多官能性アミンのブレンド、または
    (b)アミン変性ラテックスバインダー、または
    (c)前記ブレンドと前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物、を含み、
    前記ラテックスバインダーと前記アミン変性ラテックスバインダーはアニオン的に安定化され、
    そして前記水性の蒸発可能なキャリアは、前記水性の蒸発可能なキャリアのpHを、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物の本質的に全部が、脱プロトン化された状態にある点に上げるのに充分な量の前記揮発性塩基を含有している、請求項記載の方法。
  6. 請求項記載の方法により道路表面に調製されたトラフィックマーキング。
  7. 道路表面に耐摩耗性トラフィックマーキングを形成する方法であって、
    7.5から11.0の範囲に保持されたpHを有し、酸官能性ペンダント部位とエナミン官能性ペンダント部位を有するラテックスバインダー粒子がその中に分散され、アミノシランが加えられた水性の蒸発可能なキャリア、ここで前記エナミン官能性ペンダント部位は該ラテックスバインダーのアセトアセチル官能性ペンダント部位とアンモニアまたはアミンとの反応により得られたものであり、前記バインダーは0℃から60℃の範囲のガラス転移温度を有し、1,000から1,000,000の範囲のGPC数平均分子量、および0.1から390の範囲の酸価を有する、を含むトラフィックペイント組成物の層を該道路表面上に施し、
    前記層から前記水性の蒸発可能なキャリアを蒸発させて、改良された耐摩耗性を有するトラフィックマーキングを形成ることを含む方法。
  8. 前記トラフィックペイント組成物が、さらに
    (a)前記ラテックスバインダーと、バインダー固形分の総重量に基づいて0から20重量%の多官能性アミンのブレンド、
    (b)アミン変性ラテックスバインダー、または
    (c)前記ブレンドと前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物、を含み、
    前記ラテックスバインダーと前記アミン変性ラテックスバインダーはアニオン的に安定化され、
    そして前記水性の蒸発可能なキャリアは、前記水性の蒸発可能なキャリアのpHを、前記ブレンドの中の前記多官能性アミンの本質的に全部、または前記アミン変性ラテックスバインダーの本質的に全部、または前記ブレンドおよび前記アミン変性ラテックスバインダーの混合物の本質的に全部が、脱プロトン化された状態にある点に上げるのに充分な量の前記揮発性塩基を含有している、請求項記載の方法。
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