JP4106778B2 - 耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼およびステンレス鋼部品の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた精密切削仕上げ加工性および耐食性が必要とされ、かつまた、使用中においてH2Sガスなどの有害なガス放出を抑制する必要性のある機器ないしは部品の素材として利用するのに適した耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼に関し、さらにまた、前記快削フェライト系ステンレス鋼よりなる部品の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハードディスクデバイス)部品をはじめとするコンピュータ部品,プリント基板近接部品などの各種電子機器では、一般に、AgやCuの接点などからなる部材をも含めたプリント基板が用いられる。
【0003】
一方、Ag,Cuなどの金属は硫化しやすく、使用されている部品からH2Sガスが発生すると硫化されることによって支障が起きる。
【0004】
他方、フェライト系ステンレス鋼の被削性を向上させるために従来よりSを含有させたものが多く用いられてきたが、このようなSを含むフェライト系ステンレス鋼ではH2Sガスが発生することから、上述した硫化防止の点から使用を抑制することが望まれている。
【0005】
そこで、解決手段として、ステンレス鋼中のMn/S比を下げることにより硫化物の耐溶出性を高めて、H2Sガスの発生を抑制することも提案されているが、Mn含有量を少なくするのに伴って製造性が低下し、コスト高になる傾向があるという問題があった。
【0006】
そして、Mn/S比を下げることによる効果はかなり大きいものの、Sを含有する限りはH2Sガスの発生の懸念は皆無ではないという課題があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされたものであって、H2Sガス等の有害なガスの放出を抑制することが可能で耐アウトガス性の信頼性が極めて高く、しかも被削性および耐食性にも優れたフェライト系ステンレス鋼およびこれを素材とする部品を提供することをを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼は、請求項1に記載しているように、質量%で、C:0.08%以下、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.00%、P:0.04%以下、S:0.10%以下、Cu:0.02〜1.50%、Ni:0.02〜1.50%、Cr:15.0〜25.0%、N:0.035%以下、Se:0.30〜0.80%、O:0.0080〜0.0250%、残部Feおよび不純物からなる成分組成を有するものとしたことを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の実施態様においては、請求項2に記載しているように、Mo:0.50〜3.00%,W:0.25〜1.50%のうちの1種または2種を含むものとしたことを特徴としている。
【0010】
同じく、本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の実施態様においては、請求項3に記載しているように、Pb:0.03〜0.25%,Bi:0.03〜0.25%,Te:0.01〜0.15%のうちの1種または2種以上を含むものとしたことを特徴としている。
【0011】
同じく、本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の実施態様においては、請求項4に記載しているように、B,Ca,Mg,REMのうちの1種または2種以上:0.0005〜0.0100%を含むものとしたことを特徴としている。
【0012】
同じく、本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の実施態様においては、請求項5に記載しているように、Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taのうちの1種または2種以上:0.03〜0.50%を含むものとしたことを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係わるステンレス鋼部品の加工方法は、請求項6に記載しているように、請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼を素材として所定形状に加工し、その後例えば常温〜350℃の酸化性雰囲気に曝す不動態化処理を行うようにしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の作用】
本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼は、上記した化学成分組成を有するものであって、従来被削性向上のために含有させていたSを使用中におけるH2Sガスの放出抑制のために規制し、Sの規制による被削性の低下は同じような被削性向上の効果を有するSeの含有により補う。
【0015】
そして、このSeの添加による被削性向上の効果はSに比べておよそ半分程度であるので、2倍程度に多く含有させることが必要であるが、これによって熱間加工性が低下する傾向となる。
【0016】
そこで、Mn含有量を多くすることによって熱間加工性の低下を補うようにしている。
【0017】
そして場合によっては、耐食性をより一層向上させるためにMoやWを含有させることも可能である。
【0018】
同じく場合によっては、被削性をより一層向上させるために使用目的上において問題のない限りPb,Bi,Teの1種以上を含有させることも可能である。
【0019】
同じく場合によっては、熱間加工性をより一層向上させるためにB,Ca,Mg,REMの1種以上を含有させることも可能である。
【0020】
同じく場合によっては、結晶粒をより一微細化して靭性をさらに向上させるために、Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taの1種以上を含有させることも可能である。
【0021】
本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れたステンレス鋼部品の加工方法では、耐食性をより一層改善するため、前記成分組成の快削フェライト系ステンレス鋼を素材として所定形状に加工した後例えば常温〜350℃程度の温度の酸化性雰囲気に曝す不動態化処理を行うようになすことも可能である。
【0022】
この不動態化処理では、一般的に行われている硝酸等の酸化性酸中への浸漬のほか、雰囲気を制御した熱処理により不動態化するようにしてもよい。
【0023】
以下、本発明に係わる耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の成分組成(質量%)の限定理由についてさらに詳細に説明する。
【0024】
C:0.08%以下
CはCrを含む炭化物を析出して耐食性等の特性を劣化させると共に、固溶強化元素として働くことにより母相の硬さを高めて被削性を低下させるために規制する必要があるが、極端な低減はコストの上昇をもたらすことから、0.08%以下、望ましくは0.03%以下とするのが良い。
【0025】
Si:0.10〜1.00%
Siは鋼溶製時の脱酸剤として有効であるので、0.10%以上、望ましくは0.15%以上とするのが良いが、多量のSi含有は金属間化合物の析出を増長するほか、母相強度を増加して被削性を低下させるので、1.00%以下、望ましくは0.70%以下、さらに望ましくは0.50%以下とするのが良い。
【0026】
Mn:1.00〜3.00%
Mnは鋼溶製時の脱酸剤および脱硫剤として有効であると共に、Seの多量添加による熱間加工性の低下を補うことによって良好なる熱間加工性の確保に有効であるので、1.00%以上、望ましくは1.50%以上含有させる。
【0027】
しかしながら、Mnの多量含有は耐食性を劣化させることとなるので、3.00%以下、望ましくは2.50%以下とするのが良い。
【0028】
P:0.04%以下
Pは粒界に偏析して耐食性や強度等の特性を劣化させるので、できるだけ少ないことが望ましく、製造コストとの兼ね合いで0.04%以下、望ましくは0.03%以下とするのが良い。
【0029】
S:0.10%以下
Sは耐食性および耐アウトガス性の面、とくにH2Sガスの放出抑制の面からは低ければ低いほど望ましいが、製造コストとの兼ね合いから0.10%以下、望ましくは0.05%以下、さらに望ましくは0.01%以下とするのが良い。Cu:0.02〜1.50%
Cuは耐食性、とくに還元性酸環境中での耐食性を向上するのに有効であるので、0.02%以上、望ましくは0.05%以上とするのが良いが、必要以上の添加は相安定性を低下させると共に焼鈍時の硬さの上昇を招くこととなるので、1.50%以下、望ましくは1.00%以下とするのが良い。
【0030】
Ni:0.02〜1.50%
Niは耐食性、とくに還元性酸環境中での耐食性を向上するのに有効であるので、0.02%以上、望ましくは0.10%以上とするのが良いが、必要以上の添加は相安定性を低下させると共に焼鈍時の硬さの上昇を招くこととなるので、1.50%以下、望ましくは1.00%以下とするのが良い。
【0031】
Cr:15.0〜25.0%
Crはフェライト系ステンレス鋼の基本成分であって、良好な耐食性を確保するための必須の元素であり、15.0%以上、望ましくは19.0%以上含有させる。しかし、多量の含有は相安定性を低下させると共に熱間加工性を劣化させることとなるため25.0%以下、望ましくは24.0%以下とするのが良い。
【0032】
N:0.035%以下
Nは固溶強化元素として母相の硬さを高め、被削性を劣化させることから上限規制する必要があり、製造コストをも考慮して0.035%以下、望ましくは0.030%以下とするのが良い。
【0033】
Se:0.30〜0.80%
SeはSの代替成分として被削性を向上させるために有効な元素であり、添加量が多いほど被削性は向上するので、0.30%以上、望ましくは0.35%以上、さらに望ましくは0.40%以上とするが、過剰の添加は熱間加工性を劣化させると共にコストの上昇を招くことから0.80%以下、望ましくは0.60%以下とするのが良い。
【0034】
O:0.0080〜0.0250%
Oはフェライト系ステンレス鋼の被削性を確保するため一定以上の添加、望ましくは0.0080%以上、さらに望ましくは0.0100%以上とするのが良いが、過剰に含有すると多量の酸化物を生成して逆に被削性を低下させることから0.0250%以下、望ましくは0.0220%以下とするのが良い。
【0035】
Mo:0.50〜3.00%,W:0.25〜1.50%のうちの1種または2種
Mo,Wはフェライト系ステンレス鋼の耐食性をより一層向上させるのに有効な成分であるので、必要に応じMoについては0.50%以上、Wについては0.25%以上含有するものとなすのも良いが、多量に含有すると熱間加工性を低下させると共にコストの上昇を招くことから、Moについては3.00%以下、Wについては1.50%以下とするのが良い。
【0036】
Pb:0.03〜0.25%,Bi:0.03〜0.25%,Te:0.01〜0.15%のうちの1種または2種以上
Pb,Bi,Teはフェライト系ステンレス鋼の被削性をさらに向上させるのに有効な成分であるので、必要に応じPbについては0.03%以上、Biについても0.03%以上、Teについては0.01%以上含有するものとなすのも良いが、多量に含有すると熱間加工性を低下させる傾向となるため、Pbについては0.25%以下、Biについても0.25%以下、Teについては0.15%以下とするのが良い。
【0037】
B,Ca,Mg,REMのうちの1種または2種以上:0.0005〜0.0100%
B,Ca,Mg,REM(ミッシュメタル(Mm)を含む希土類元素の1種または2種以上)はフェライト系ステンレス鋼の熱間加工性および被削性の向上に有効な成分であるので、必要に応じこれらの1種または2種以上の合計で0.0005%以上含有するものとなすのも良いが、多量に含有すると鋼の清浄度を低下させることとなるため、含有するとしてもこれらの合計で0.0100%以下とするのが良い。
【0038】
Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taのうちの1種または2種以上:0.03〜0.50%
Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taは結晶粒を微細化し、固溶強化等により靭性をさらに向上するのに有効な成分であるので、必要に応じこれらの1種または2種以上の合計で0.03%以上含有するものとなすのも良いが、多量に含有すると炭窒化物を形成し、鋼の清浄度を低下させて被削性を劣化させることとなるので、含有するとしてもこれらの合計で0.50%以下とするのが良い。
【0039】
【実施例】
大気誘導炉溶解によって表1に示す成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼の鋼塊(重量50kg)を製造し、熱間鍛造を行って直径60mmφおよび直径20mmφの丸棒材を得たのち、各丸棒材に対して750〜820℃での焼鈍を行った。
【0040】
なお、表1において、供試材No.1〜11が本発明鋼、供試材No.12がS含有量の多いSUS430F鋼、供試材No.13がSe含有量の不十分な鋼、供試材No.14がSeを適量含有しているもののS含有量の多すぎる鋼、供試材No.15がO含有量の多すぎる鋼、供試材No.16がMn含有量及びCr含有量の少なすぎる鋼である。
【0041】
【表1】
【0042】
次に、上記直径60mmφの焼鈍材について、下記条件による旋削試験およびドリル試験を行った。
【0043】
◎旋削試験
・工具 :サーメット
・切削速度:120m/min
・送り :0.05mm/rev
・切込み量:0.1mm
・切削油 :水溶性
・摩耗量 :60min切削後のクランク摩耗量(μm)
◎ドリル試験
・工具 :SKH9 5mmφ
・送り :0.07mm/rev
・穴深さ :15mm
・切削油 :なし(乾式)
・工具寿命:(穿孔不可能)5000mmとなる切削速度(m/min)
これらの結果を表2の旋削試験およびドリル試験の欄に示す。
【0044】
次に、上記直径20mmφの焼鈍材について、焼入れ(1000℃×0.5h油冷)および焼戻し(180℃×1h空冷)を施したのち、硬さの測定を行った。そして、5点の平均値を求めたところ、表2の硬さの欄に示す結果であった。
【0045】
次いで、上記直径20mmφの焼入れ焼戻し材を15mm×3mm×25mmの寸法に加工したのち、全面を#400で研磨仕上げし、続いて、温度:50℃,酸化性雰囲気:30%硝酸+2%重クロム酸カリウム,時間:1hの条件による不動態化処理を行ってアウトガス試験片とすることによりアウトガス試験(n=2)を実施した。
【0046】
このアウトガス試験では、密閉容器中に、上記アウトガス試験片と、5mm×10mmのAg箔と、0.5ccの純水を入れ、85℃で20時間保持した後のAg箔の色の変化(すなわち、Ag2Sの生成度合い)を調べた。
【0047】
そして、この際の評価として、変色のないものをクラスAとし、変色大のもの(アウトガス発生量が大のもの)をクラスFとする6段階評価(すなわち、A>B>C>D>E>F)にて行った。この結果を同じく表2のアウトガス試験の欄に示す。
【0048】
次に、上記直径20mmφの焼入れ焼戻し材を直径10mmφ×50mmの寸法に加工したのち、全面を#320で研磨仕上げし、続いて上記と同様の条件による不動態化処理を行って湿潤試験片とすることにより湿潤試験(n=3)を実施した。
【0049】
この湿潤試験では、温度:50℃,湿度:98%、時間:96h保持した後の錆発生の有無を調べた。
【0050】
そして、この際の評価として、錆発生のないものをクラスAとし、全面に錆発生したものをクラスFとする6段階評価(すなわち、A>B>C>D>E>F)にて行った。この結果を同じく表2の湿潤試験の欄に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
表1および表2に示す結果より明らかなように、S含有量の多いSUS430F鋼である供試材No.12ではH2Sガスを発生するためアウトガス試験における変色が大であり、Se含有量が不十分である供試材No.13では被削性が劣り、Seを適量含有しているもののS含有量が多い供試材No.14においてもH2Sガスを発生するものとなっており、O含有量の多すぎる供試材No.15においては被削性が劣り、Cr含有量の少ない供試材No.16においては耐食性に劣るものとなっていた。
【0053】
これに対して、本発明鋼であるNo.1〜No.11の供試材では、いずれも、耐アウトガス性および耐食性に優れ、被削性にも優れたものであることが認められた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によるフェライト系ステンレス鋼では、請求項1に記載しているように、質量%で、C:0.08%以下、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.00%、P:0.04%以下、S:0.10%以下、Cu:0.02〜1.50%、Ni:0.02〜1.50%、Cr:15.0〜25.0%、N:0.035%以下、Se:0.30〜0.80%、O:0.0080〜0.0250%、残部Feおよび不純物からなる成分組成を有するものとしたから、使用中においてH2Sガスなどの有害ガスを放出することがなく、耐アウトガス性に優れていると共に耐食性にも優れたものであり、さらにまた被削性にも優れた快削フェライト系ステンレス鋼であるという著大なる効果がもたらされる。
【0055】
そして、請求項2に記載しているように、Mo:0.50〜3.00%,W:0.25〜1.50%のうちの1種または2種を含むものとすることによって、耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の耐食性をより一層高めることが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0056】
さらにまた、請求項3に記載しているように、Bi:0.03〜0.25%,Te:0.01〜0.15%のうちの1種または2種以上を含むものとすることによって、耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の被削性をより一層高めることが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0057】
さらにまた、請求項4に記載しているように、B,Ca,Mgのうちの1種または2種以上:0.0005〜0.0100%を含むものとすることによって、耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の熱間加工性をより一層高めることが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0058】
さらにまた、請求項5に記載しているように、Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taのうちの1種または2種以上:0.03〜0.50%を含むものとすることによって、結晶粒を微細化し、耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼の靭性をより一層高めることが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0059】
本発明によるステンレス鋼部品の加工方法によれば、請求項6に記載しているように、請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼を素材として所定形状に加工し、その後例えば常温〜350℃の酸化性雰囲気に曝す不動態化処理を行うようにしたから、耐アウトガス性および耐食性に優れたステンレス鋼部品の製造を行うことが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.08%以下、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.00%、P:0.04%以下、S:0.10%以下、Cu:0.02〜1.50%、Ni:0.02〜1.50%、Cr:15.0〜25.0%、N:0.035%以下、Se:0.30〜0.80%、O:0.0080〜0.0250%、残部Feおよび不純物からなることを特徴とする耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼。
- Mo:0.50〜3.00%,W:0.25〜1.50%のうちの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼。
- Bi:0.03〜0.25%,Te:0.01〜0.15%のうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼。
- B,Ca,Mgのうちの1種または2種以上:0.0005〜0.0100%を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼。
- Nb,V,Ti,Zr,Hf,Taのうちの1種または2種以上:0.03〜0.50%を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の耐アウトガス性および耐食性に優れた快削フェライト系ステンレス鋼。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼を素材として所定形状に加工し、その後酸化性雰囲気に曝す不動態化処理を行うことを特徴とする耐アウトガス性および耐食性に優れたステンレス鋼部品の加工方法。
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