JP4105692B2 - 振動情報送信装置および振動監視解析システム - Google Patents

振動情報送信装置および振動監視解析システム Download PDF

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Description

本発明は振動情報送信装置および振動監視解析システムに関し、詳しくは、発電機、モータ、タービン、ファン、ポンプ等の回転機械の振動を解析するシステムでのフィールド(現場)の配線作業を低減するものである。
図6に示すように、従来提供されている回転機械の振動監視解析システム1は、回転機械の軸受部などに設置された複数の振動センサー2−1〜nと、各振動センサー2−1〜nからの振動情報であるセンサー出力信号を振動値に比例するアナログ電気信号へと変換するトランスデューサ3−1〜nと、各トランスデューサ3−1〜nからのアナログ電気信号を表示すると共に異常振動の監視・警報を行う振動モニター4と、該振動モニター4からのアナログ電気信号より振動の解析診断を行い、かつ、A/D変換回路を有する解析診断装置5と、解析診断装置5の解析診断結果を表示するパーソナルコンピュータ6とを備えている。
上記各機器の配線方法は、振動センサー2−1〜nとトランスデューサ3−1〜nとの間は複数本のアナログ電線AW1を用いてそれぞれ個別に接続し、トランスデューサ3−1〜nと振動モニター4との間も複数本のアナログ電線AW2を用いてそれぞれ個別に接続し、振動モニター4と解析診断装置5との間も複数本のアナログ電線AW3を用いてそれぞれ個別に接続していると共に、解析診断装置5とパーソナルコンピュータ6との間はデジタルネットワークDNを介して接続されている。
そして、上記した振動監視解析システム1により振動解析診断を行う際には、回転機械のロータが1回転する間に振動センサー2−1〜nより得られる振動情報を解析診断装置5によりトランジェント解析やFFT解析を行って振動発生原因を解析・診断している。
しかしながら、上記振動監視解析システム1によれば、振動センサー2−1〜nとトランスデューサ3−1〜nの間と、トランスデューサ3−1〜nと振動モニター4の間と、振動モニター4と解析診断装置5の間とをアナログ式の信号伝送を行っているため、個別のアナログ電線AW1、AW2、AW3で結線する必要があり、振動測定を行う測定点(n個)が多い場合には、各電線AW1、AW2、AW3が測定点と同数必要であるため、電線本数および配線作業が増大してしまう問題があった。
また、電線本数が増大することで、フィールド(現場)でのワイヤリングが煩雑となると共に、メンテナンスコストが増大する問題もある。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、回転機械の振動監視解析システムのフィールドワイヤリングを効率化することを課題としている。
本発明は、被測定物の振動を検出する振動センサーからの振動情報をデジタルネットワークへ出力する装置としてトランスミッタを設け、
上記トランスミッタは、上記振動センサーからの振動情報をアナログ電気信号へと変換するトランスデューサ回路と、該トランスデューサ回路からのアナログ電気信号をデジタル信号へ変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路と並列で設けられ、上記トランスデューサ回路からのアナログ電気信号の振幅値を読み取って異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路と、上記A/D変換回路からのデジタル信号および上記オーバーオール振動検波回路からの振幅値を上記デジタルネットワークへと出力するためのネットワークインターフェースとを同一筐体内に備えていることを特徴とする振動情報送信装置を提供している。
上記構成とすると、トランスデューサ機能とA/D変換機能とを回路化して上記ネットワークインターフェースと共に同一筐体内に一体収容した上記トランスミッタを設けているので、トランスデューサやA/D変換器などを独立した機器で組み合わせた場合に比べてワイヤリングが低減され、ワイヤリングコストの低減および配線作業性を向上することができる。
また、トランスデューサ回路とA/D変換回路とネットワークインターフェースとを上記トランスミッタとして一体化しているので、システムを小型化することができ、フィールド(現場)での省スペース化を図ることができる。
上記トランスミッタは、上記トランスデューサ回路からのアナログ電気信号の振幅値を読み取って異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路を上記A/D変換回路と並列で設け、上記ネットワークインターフェースに出力している。
上記構成とすると、従来の振動モニターで行っていた振幅値の読取による異常振動の検出をトランスミッタで行うことができ、システムの簡素化が促進される。
また、本発明は、上記記載の振動情報送信装置から送信される振動データを上記デジタルネットワークを介して解析診断手段あるいは/および異常振動の監視・警報を行う振動監視手段に送信している振動監視解析システムを提供している。
上記のように、上記解析診断手段をデジタルネットワーク上に接続する構成とすることで、解析診断手段への配線を1本化することができると共に、解析診断手段の配置自由度も高めることができる。なお、上記振動発生原因の解析・診断は、上記トランスミッタより送信される時系列のサンプリングデータをFFT解析により周波数分析して行っている。
また、上記振動監視手段をデジタルネットワーク上に接続する構成とすることで、振動監視手段への配線を1本化とすることができると共に、振動監視手段の配置自由度も高めることができる。
複数の上記振動センサーに対して複数の上記トランスミッタを1対1で独立して接続し、振動センサー→トランスデューサ回路→A/D変換回路→ネットワークインターフェースと繋がる回路をそれぞれ独立させることで、各振動センサーごとに時間的な同期のとれた計測を行うことができる。
つまり、例えば、複数の振動センサーからの信号をそれぞれ独立した回路で処理せずに、マルチプレクサを用いて多重化した状態で1つのA/D変換やネットワークインターフェースに接続すると、上記マルチプレクサで各振動センサーの信号をスイッチして多重化するので、各振動センサーの信号の計測スタートの同期をとることができないが、本発明では、各トランスミッタが各振動センサーに対して独立しているので、トランスミッタ間で同期のとれた計測を行うことができる。
なお、同期計測のトリガー信号は、上記トランスミッタに接続されたデジタルネットワークを介して行うことができる。
上記被測定物となる回転機械の回転位相の基準位置で発せられる同期トリガー信号発生手段を備え、上記トランスミッタには該同期トリガー信号発生手段からの同期トリガー信号の入力部を備えている。
このように、同期計測のトリガー信号を、回転機械の回転位相の基準位置と一致させて送信することで、回転機械の回転にも同期した計測が可能となり、振動の位相解析を行うことができる。
第1図は、本発明の実施形態にかかる振動監視解析システムの全体構成図である。第2図は、トランスミッタの構成図である。第3図は、回転機械へのセンサーの配置状態を示す概略図である。第4図は、同期計測の概念図である。第5図は、比較例を示し(A)は構成図、(B)は計測タイミングの概念図である。第6図は、従来の振動監視解析システムの構成図である。
以下、本発明の実施形態にかかるを図面を参照して説明する。
実施形態の振動監視解析システム10は、図1に示すように、診断対象である回転機械に設置されたn個の振動センサー2−1〜nと、振動センサー2−1〜nに対して1対1で個別に接続されたn個のトランスミッタ11−1〜nと、n個のトランスミッタ11−1〜nを夫々接続したデジタルネットワーク(フィールドバス)DNと、デジタルネットワークDNに接続された解析診断手段14と、デジタルネットワークDNに接続された振動監視手段17とを備えている。
回転機械30は、図3に示すように、回転軸32にロータ31を間隔をあけて備えており、ロータ31の軸受部分に振動センサー2−1〜nを設置していると共に、同期トリガー信号発生手段となるセンサー40をロータ31の表面に設置している。
なお、振動センサー2−1〜nおよびセンサー40は渦電流式の非接触変位センサーを用いており、同様に速度センサー、加速度センサーを用いることも可能である。ロータ31の円周表面の一部にはロータ31の回転位相の0°位置となるマーカー31aを設け、ロータ31の回転によりマーカー31aがセンサー40直下を通過するごとに同期トリガー信号を発生するようにしている。
トランスミッタ11−1〜nは、図2に示すように、同一筐体内に、振動センサー2−1〜nからの振動情報であるセンサー出力信号を振動値と比例するアナログ電気信号へと変換するトランスデューサ回路18と、トランスデューサ回路18からのアナログ電気信号をデジタル信号へ変換するA/D変換回路19と、A/D変換回路19からのデジタル信号をデジタルネットワークDNへと出力するためのネットワークインターフェース20と、A/D変換回路19と並列に設けた異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路21とを備えており、また、A/D変換回路19にはセンサー40からの同期トリガー信号の入力部22を設けている。
解析診断手段14は、中央制御ルーム等に配置され、デジタルネットワークDNに接続された解析診断装置12と、該解析診断装置12の出力側に接続されたパーソナルコンピュータ13とで構成されている。
解析診断装置12は、必要に応じて時系列のサンプリングデータをトランスミッタ11−1〜nに要求してFFT解析による周波数分析を行い、その結果をパーソナルコンピュータ13に出力し、該パーソナルコンピュータ13に予めインストールされたビューソフトウェアで、上記周波数分析結果から抽出される回転機械の回転数成分(fn)や、特徴的な周波数成分(高周波、低周波、2fn、fn/2、危険速度fc等)により異常原因を解析診断している。
振動監視手段17は、フィールド(現場)に配置され、コントロール装置15とパーソナルコンピュータ16とをそれぞれ個別にデジタルネットワークDNに接続して構成されている。
コントロール装置15は、トランスミッタ11−1〜nのオーバーオール振動検波回路21でP−P値(Peak−to−Peak Value)の読取により検出した振動値(オーバーオール振幅値)をリアルタイムでデータ受信し、異常振動に対する警報アラームと回転機械を緊急停止させる警報信号とを出力する。
パーソナルコンピュータ16は、トランスミッタ11−1〜nからの振動データを受信し、予めインストールされたモニタリングソフトウェアで、従来の振動モニターと同様の指示計と表示を行う。
上記構成とすると、トランスミッタ11−1〜nは、トランスデューサ回路18とA/D変換回路19とネットワークインターフェース20とを同一筐体内に一体収容しているので、ワイヤリングコストの低減および配線作業性を向上することができると共に、小型化が図られフィールド(現場)での省スペース化も図ることができる。
また、解析診断装置12、コントロール装置15、パーソナルコンピュータ16をデジタルネットワーク(フィールドバス)DNを介して接続する構成としているので、夫々の装置12、15、16は個別にデジタルネットワークDN上の任意の位置に接続可能となり、配置自由度を高めることができると共に、夫々の装置12、15、16への配線も1本とすることができる。
さらに、図2に示すように、n個の振動センサー2−1〜nに対してn個のトランスミッタ11−1〜nを1対1で個別に接続し、振動センサー2−1〜n→トランスデューサ回路18→A/D変換回路19→ネットワークインターフェース20と繋がる回路をそれぞれ独立させているので、図4に示すように、各振動センサー2−1〜nごとに独立状態で連続した信号処理が可能で、センサー40からの同期トリガー信号をサンプリング・スタートとして時間的に同期のとれた計測(サンプリング)を行うことができる。
詳しくは、システムのデジタル化を図る際に、図5(A)の比較例の図面に示すように、複数の振動センサー2−1〜nおよびトランスデューサ3−1〜nからのアナログ信号をマルチプレクサ7で多重化して1つのA/D変換器8およびネットワークインタフェース9に送信する構成としてしまった場合には、図5(B)に示すように、各振動センサー2−1〜nからの信号をマルチプレクサ7でスイッチして多重化することより、各振動センサー2−1〜nの信号の計測(サンプリング)のタイミングに時間Δtのズレが生じ、それぞれの計測スタートの同期をとることができない。
しかし、本発明では、上述したように、各トランスミッタ11−1〜nが各振動センサー2−1〜nに対して独立して接続しているので、各トランスミッタ11−1〜n間で同期のとれた計測を行うことができる。
そして、センサー40が回転機械30のロータ31のマーカー31aと一致した際に発せられる同期トリガー信号は、ロータ31の回転位相の0°位置と対応しているので、ロータ31の回転位相の0°位置をサンプリング・スタートとした同期計測ができ、回転機械30の振動位相計測が可能となる。
なお、同期計測のトリガー信号は、トランスミッタ11−1〜nに接続されたデジタルネットワークDNを介して送信してもよく、その場合には、同期用信号線も不要とすることができる。
また、トランスミッタ11−1〜n内部にトランスデューサ回路18からのアナログ電気信号のピーク値を読み取って異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路21を設けることで、従来は振動モニターで行っていた振幅値の読み取りによる異常振動の検出機能をトランスミッタ11−1〜nに吸収することができ、システムの簡素化を図ることができる。
上記した説明より明らかなように、本発明によれば、トランスデューサ回路とA/D変換回路とネットワークインターフェースを同一筐体内に一体収容した上記トランスミッタを設けているので、ワイヤリングコストの低減および配線作業性を向上することができると共に、小型化が図られフィールド(現場)での省スペース化を図ることができる。
また、上記解析診断手段および上記振動監視手段をデジタルネットワーク上に接続する構成とすることで、解析診断手段および振動監視手段への配線を1本化することができると共に、解析診断手段および振動監視手段の配置自由度も高めることができる。
さらに、複数の上記振動センサーに対して複数の上記トランスミッタを1対1で個別に接続し、振動センサー→トランスデューサ回路→A/D変換回路→ネットワークインターフェースと繋がる回路をそれぞれ独立させることで、各振動センサーごとに時間的な同期のとれた計測を行うことができる。
また、上記トランスミッタ内部に上記トランスデューサ回路からのアナログ電気信号の振幅値を読み取って異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路を設けることで、従来は振動モニターで行っていた振幅値の読取による異常振動の検出機能をトランスミッタに吸収することができ、システムの簡素化が促進される。

Claims (4)

  1. 被測定物の振動を検出する振動センサーからの振動情報をデジタルネットワークへ出力する装置としてトランスミッタを設け、
    上記トランスミッタは、上記振動センサーからの振動情報をアナログ電気信号へと変換するトランスデューサ回路と、該トランスデューサ回路からのアナログ電気信号をデジタル信号へ変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路と並列で設けられ、上記トランスデューサ回路からのアナログ電気信号の振幅値を読み取って異常振動を検出するオーバーオール振動検波回路と、上記A/D変換回路からのデジタル信号および上記オーバーオール振動検波回路からの振幅値を上記デジタルネットワークへと出力するためのネットワークインターフェースとを同一筐体内に備えていることを特徴とする振動情報送信装置。
  2. 請求項1に記載の振動情報送信装置から送信される振動データを上記デジタルネットワークを介して解析診断手段あるいは/および異常振動の監視・警報を行う振動監視手段に送信している振動監視解析システム。
  3. 複数の上記振動センサーに対して複数の上記トランスミッタを1対1で独立して接続している請求項2に記載の振動監視解析システム。
  4. 上記被測定物となる回転機械の回転位相の基準位置で発せられる同期トリガー信号発生手段を備え、上記トランスミッタには該同期トリガー信号発生手段からの同期トリガー信号の入力部を備えている請求項2または請求項3に記載の振動監視解析システム。
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