JP4105504B2 - 圧力容器用樹脂材料および圧力容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力容器用樹脂材料および圧力容器に関する。
【0002】
【背景技術】
トイレの水や温水等を貯蔵するために用いられる圧力容器が知られている。圧力容器は、開口部を有する容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋とを備えて構成されている。この圧力容器は、通常、使用時に1kg/cm2以上の内圧が容器内にかかるため、上記した内圧に耐える強度が要求されている。
従来、この種の圧力容器の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂であるナイロンに、ガラス繊維が含有されている組成物等が挙げられる(1)。この(1)の組成物を用いた圧力容器によれば、強度の面で要求される基準を満たすこともできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した(1)の組成物を用いた圧力容器では、ナイロンの原料費が高いため、製造コストが増大するという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、要求される成形後の強度を満たしつつ、製造コストを低減できる圧力容器用樹脂材料および圧力容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために、本発明の圧力容器用樹脂材料は、ペレットの長手方向と略平行に繊維が配列している繊維強化ポリプロピレンペレットと、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンとを含む圧力容器用樹脂材料であって、前記繊維含有量が、10〜50重量%であり、
銅害防止剤が、0.05〜1重量%配合され、前記繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、前記希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンであることを特徴とする。
【0006】
ここで、繊維強化ポリプロピレンペレットの繊維としては、セラミック繊維、無機繊維、金属繊維および有機繊維等が挙げられる。
セラミック繊維としては、例えば、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チッ化ケイ素繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、例えば、銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。
【0007】
ここで、繊維として、例えば、ガラス繊維を用いる場合には、E−ガラス、S−ガラスなどのガラス繊維であって、その平均繊維径が25μm以下のもの、好ましくは3〜20μmの範囲のものが好ましく採用できる。
ガラス繊維の平均繊維径が3μm未満であると、繊維強化ポリプロピレンペレット製造時にガラス繊維がポリプロピレンになじまず、ポリプロピレンに含浸するのが困難となる。
ガラス繊維の平均繊維径が20μmを超えると、外観が低下するとともに、リブなどの細部に繊維が流れ難くなるとともに、溶融混練時に切断、欠損が起こりやすくなる。
【0008】
繊維含有量は、圧力容器用樹脂材料中の10〜50重量%である。繊維含有量が10重量%未満であると、繊維の分散性が悪くなる場合がある。また、繊維含有量が50重量%を超えると、繊維の破断が起こりやすくなる場合がある。
従って、繊維含有量が、圧力容器用樹脂材料中の10〜50重量%であると、例えば、射出装置のスクリューで可塑化、溶融、混練を行っても、繊維の破断が起こりにくく、また分散性も良好となる。なお、射出成形機の可塑化スクリューとしては、圧縮比の比較的低いタイプの使用が、繊維の破断を抑制する点で好ましい。
【0009】
繊維強化ポリプロピレンペレットのポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン挙げられる。
以上のポリプロピレンおよびガラス繊維等の繊維を用い、引き抜き成形法等で繊維強化ポリプロピレンペレットを製造するにあたり、ガラス繊維は、カップリング剤で表面処理した後に、収束剤により、100〜10000本、好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくことが望ましい。
【0010】
カップリング剤としては、いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来からあるものの中から適宜選択することができる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用するのが好ましい。
【0011】
収束剤としては、例えば、ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ系等が採用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレフィ系が好ましく採用できる。これらのうち、ウレタン系収束剤は、通常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付加反応により得られるポリイソシアネートを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油変性型、湿気硬化型およびブロック型等の一液タイプ、および、触媒硬化型およびポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが採用できる。一方、オレフィン系収束剤としては、不飽和カルボン酸、または、その誘導体で変性された変性ポリオレフィン系樹脂が採用できる。
【0012】
上述のような収束剤で収束したガラス繊維等の繊維にポリプロピレンを付着・含浸させることにより、ガラス繊維等の繊維を含有する繊維強化ポリプロピレンペレットが製造される。
ガラス繊維にポリプロピレンを付着・含浸させる方法としては、例えば、溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸させる方法、コーティング用ダイに繊維束を通して含浸させる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着した溶融樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が採用できる。
ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませる、すなわち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が設けられたダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通して引き抜くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた後、さらに、この繊維束を加圧ローラでプレスする工程が組み込まれた引抜成形法も採用できる。
【0013】
なお、ガラス繊維と溶融樹脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものであれば、溶融樹脂がガラス繊維に容易に含浸され、ペレットの製造が容易となるので、前述の収束剤で繊維を収束する工程は、省略できる場合がある。
ここで、互いによくなじませる方法としては、樹脂に極性を付与したり、ガラス繊維の表面にカップリング剤と反応する官能基をグラフトしたりする方法が有効である。
【0014】
以上のような方法で、ポリプロピレンが含浸された長尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長手方向に沿って切断していけば、ペレットの全長と同じ長さの長繊維を含んだ繊維強化ポリプロピレンペレットを得ることができる。
この際、繊維強化ポリプロピレンペレットとしては、繊維束がストランドにされ、その断面形状が略円形となった樹脂含有長尺繊維束を切断したものに限らず、繊維を平たく配列することにより、シート状、テープ状またはバンド状になった樹脂含有長尺繊維束を所定の長さに切断したものでもよい。
【0015】
一方、希釈用ポリプロピレンは、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%であるものである。
エチレン含有量は、より好ましくは、0〜7重量%である。エチレン含有量が、10重量%を越えると、耐水圧性、強度、剛性が低下する場合がある。
希釈用ポリプロピレンのエチレンとしては、ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
また、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンである。
ホモポリプロピレンは、プロピレンのみで重合しているから、結晶性が高いので、硬度が高い。従って、共にホモポリプロピレンであると、成形後の硬度の高い圧力容器用樹脂材料とすることができる。
【0016】
また、銅害防止剤が、上記した圧力容器用樹脂材料全体に対して、0.05〜1重量%配合される。
配合される銅害防止剤が、0.05重量%未満であると、要求される銅害防止の効果が得られない場合がある。
配合される銅害防止剤が、1重量%を超えると、要求される銅害防止の効果に対して、原料コストが相対的に高くなりすぎる場合がある。
【0017】
銅害防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えばシュウ酸誘導体,サリチル酸誘導体,ヒドラジン誘導体などが用いられる。
具体的には、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)、N-ホルミル-N'-サリシロイルヒドラジン、2,2-オキザミドビス-[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]、オキザリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジドなどが挙げられる。この銅害防止剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
なお、この銅害防止剤の他に、各種の特性付与のために、核剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を配合してもよい。
核剤としては、結晶化速度を速める造核効果のある有機系物質及び無機系物質を任意に使用できる。
有機系核剤の具体例は、例えば、ジベンジリデンソルビトール系化合物、フォスフェート系化合物である。
ジベンジリデンソルビトール系化合物には、ジベンジリデンソルビトール(DBSと略す)、パラ・メチル・DBS、パラ・エチル・DBS、パラ・クロル・DBS、等が含まれる。このDBS系化合物は、透明性の改善に特に有効である。
【0019】
フォスフェート系化合物には、リン酸ビス(4-t-ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム等が含まれる。前記以外の核剤としては、ジ安息香酸アルミニウム、塩基性ジ・パラ・ターシャリ・ブチル安息香酸アルミニウム、ベータ-ナフトエン酸ソーダ、カプロン酸ソーダ、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジターシャリ・ブチルフェニル)ソーダ、フタロシアニン、キナクリドン、高融点ポリマー、等も使用できる。
また、無機系核剤の具体例は、例えば、ミョウバン、チタン、タルクである。
【0020】
滑剤としては、特に制限はなく、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸化合物、パラフィンおよび炭化水素樹脂、シリコーン系化合物、シリコーン系重合体、フッ素系化合物、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体などのフッ素系重合体など、あるいはこれらの混合物が挙げられる。中でも脂肪酸アミド化合物が好ましく用いられる。
【0021】
脂肪酸アミド化合物としては、脂肪酸モノアミド化合物、脂肪酸ジアミド化合物、飽和脂肪酸モノアミド化合物、不飽和脂肪酸ジアミド化合物が挙げられる。具体的には、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、モンタン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ラウリン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ミリスチン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−パルミチン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ベヘン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−エルカ酸アミド、N,N'−エチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N'−エチレン−ビス−エルカ酸アミドなどが挙げられ、これらは複数組み合わせて用いることもできる。
【0022】
帯電防止剤としては、界面活性剤系(アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系)、無機塩系、多価アルコール系、金属化合物系、カーボン等任意の帯電防止剤を採用できる。この中でも、スルホン酸ナトリウム系等のアニオン系界面活性剤が好ましい。
【0023】
酸化防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系のもの等を使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0024】
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等が挙げられる。
【0025】
さらに、硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、グリセリントリブチルチオプロピオネート、グリセリントリオクチルチオプロピオネート、グリセリントリラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリブチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリオクチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリラウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリステアリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプロピオネート等が挙げられる。
以上のような酸化防止剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
このような本発明によれば、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンを含んでいることにより、要求される成形後の強度を満たすことができる。
また、ナイロンと比較して、安価なポリプロピレンを主な組成物としているので、製造コストを低減できる。
本発明の圧力容器用樹脂材料は、ペレットの長手方向と略平行に繊維が配列している繊維強化ポリプロピレンペレットと、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンとを含む圧力容器用樹脂材料であって、前記繊維含有量が、10〜50重量%であり、銅害防止剤が、0.05〜1重量%配合され、前記繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンが、ブロックポリプロピレンであり、前記希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンが、ホモポリプロピレンであることを特徴とする。
ここで、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンの種類以外は前述と同様である。
本発明では、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンが、ブロックポリプロピレンであり、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンが、ホモポリプロピレンである。
ホモポリプロピレンは、プロピレンのみで重合しているから、結晶性が高いので、硬度が高い。また、ブロックポリプロピレンは、ホモポリプロピレン重合時にエチレン−プロピレン−ラバー(EPR)も同時に重合して製造される。従って、ブロックポリプロピレンは、結晶部(ホモポリプロピレン)と非結晶部(EPR)の混合物との混合物であり、この非結晶部(EPR)があることにより、耐衝撃性も兼ね備えている。したがって、成形後の高硬度の他にも、耐衝撃性をも兼ね備えることができる。
【0027】
本発明の圧力容器用樹脂材料では、前記繊維の全長が2〜50mmであることが好ましい。
繊維の全長が2mm未満であると、成形時に繊維が短くなりすぎて、強度が低下する場合がある。繊維の全長が50mmを超えると、繊維強化ポリプロピレンペレットの製造が困難となり、製造性の向上が図れなくなる場合がある。
【0030】
本発明の圧力容器は、前述の圧力容器用樹脂材料によって成形された圧力容器であって、含有する繊維の重量平均繊維長が0.5〜5.0mmであり、開口部を有する容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋とを備えて構成され、前記容器本体と前記蓋とは、必要に応じてパッキンを介し、タッピングネジにより接合されることを特徴とする。
この含有する繊維の重量平均繊維長が、0.5mm未満であると、圧力容器の強度が不十分となる場合がある。
繊維の重量平均繊維長が、5.0mmを超えると、原料となる圧力容器用樹脂材料の繊維強化ポリプロピレンペレットの製造が困難となり、製造性の向上が図れなくなる場合がある。
【0031】
これによれば、前述の圧力容器用樹脂材料によって成形されたことにより、要求される成形後の強度を満たすことができ、かつ製造コストを低減できる。
また、開口部を有する容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋とを備えて構成され、容器本体と蓋とは、タッピングネジにより接合されることにより、タッピングネジによる接合強度が高いため圧力容器内の高い内圧に耐えることができる。
【0032】
本発明の圧力容器では、前記タッピングネジのよび径と、前記容器本体および前記蓋のうち、前記タッピングネジが螺合される側に形成される下孔の直径との比が、1.15より大きく、特に1.20より大きく、前記下孔とタッピングネジとの嵌め合い長さが、3〜20mmであることが好ましい。
【0033】
タッピングネジのよび径と、下孔の直径との比が、1.15より小さい場合には、タッピングネジの螺合が不十分となり、容器本体と蓋との接合の強度が不十分となる場合がある。
下孔とタッピングネジとの嵌め合い長さが、3mm未満であると、タッピングネジの螺合が不十分となり、容器本体と蓋との接合の強度が不十分となる場合がある。
下孔とタッピングネジとの嵌め合い長さが、20mmを超えると、タッピングネジをネジ込む時間が長くなり、組み立て時間が長くなる場合がある。
【0034】
本発明の圧力容器では、前記容器本体は、底壁部と、この底壁部の周囲に一体成形され底壁部とは反対側端に開口部を有する側壁部とを備え、前記側壁部の外表面には、側壁部外表面を一周する複数本の環状リブと、この直線状リブと交差する複数本の直線状リブとがそれぞれ形成されていることが好ましい。
これによれば、環状リブと直線状リブとがそれぞれ形成されていることにより、容器本体に内圧が印加された際に発生する応力集中を分散させることができるので、容器本体の強度を向上させることができる。
【0035】
本発明の圧力容器では、前記環状リブのうち、前記開口部側および底壁部側に配置された環状リブの間隔に対して、これらの間の中間部側に配置された環状リブの間隔が粗に形成されていることが好ましい。
この場合、中間部に対して開口部側および底壁部側に環状リブが密に形成されていることから、容器本体に内圧が印加された際に、圧力容器の接合部への応力集中をより効果的に分散させることができ、圧力容器の耐久性を向上させることができる。
【0036】
本発明の圧力容器では、前記環状リブのうち、前記開口部側の環状リブの間で、かつ、前記直線状リブの間には、前記環状リブに跨る補助リブが設けられていることが好ましい。
これによれば、補助リブが設けられていることにより、圧力容器の内部および外部からの応力を分散させる部分がさらに増える。従って、タッピングネジにより蓋と締め付けられ、高い強度を要求される容器本体の開口部側の強度をさらに向上させることができる。
【0037】
本発明の圧力容器では、前記タッピングネジの本数は、8〜16本であることが好ましい。
タッピングネジの本数は、8本未満であると、容器本体と蓋との接合面における隣接するタッピングネジ同士の間隔が広すぎて、圧力印加時に、隙間が生じたりするので、圧力容器の密閉性に問題が生ずる。
タッピングネジの本数は、16本を超えると、容器本体と蓋との接合面における隣接するタッピングネジ同士の間隔が狭すぎて、圧力容器が壊れやすくなる場合がある。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る圧力容器1を正面側Fからみた斜視図が示されている。
圧力容器1は、腰掛式便器などに装備されている温水洗浄装置において、一定温度に加温した水道水を貯留するために用いられ、容器本体10と、蓋20とを備えて構成され、これらは、タッピングネジ30により接合されている。
【0039】
容器本体10は、丸みを帯びた矩形状の底壁部11と、この底壁部11から立ち上げて一体形成されている側壁部12と、側壁部12の底壁部11とは反対側の開口部側端に形成されたフランジ部13とを備えて構成されている。
【0040】
底壁部11は、図2に示されるように、周縁が丸みを帯びた形状で、周縁には、外側方向に延出するリング状の突出部111を一体的に有している。
突出部111より内側の底壁部11には、バイメタル穴112、フロートスイッチ穴113、水抜き穴114、およびバキュームブレーカ穴117が形成されているとともに、周囲に、T型リブ115および周縁リブ116が形成されている。
【0041】
バイメタル穴112は、円形状であり、湯温制御機能に故障が生じたときに作動するバイメタル式の過熱防止器を組み込むためのものである。
フロートスイッチ穴113は、円形状であり、容器本体10内の水の有無を検出するフロートスイッチを組み込むためのものである。
水抜き穴114は、円形状であり、容器本体10内に貯蔵された洗浄水を排出するためのものである。
バキュームブレーカ穴117は、圧力容器1内へ水が過剰に供給されたときに水を圧力容器1外へ排出するバキュームブレーカを組み込むためのものである。
【0042】
T型リブ115は、底壁部11の図示左右部分に1つづつ形成され、突出部111の容器本体10の正面側Fから背面側Rにかけて形成されている横断部115Aと、横断部115Aと交差する交差部115Bとから構成されている。
周縁リブ116は、突出部111とフロートスイッチ穴113との間に、2つ形成され、突出部111の容器本体10の背面側Rに4つ形成されている。
【0043】
側壁部12は、図1、詳しくは図3に示されるように、フランジ部13側の周辺の上部121と、底壁部11側の周辺の下部122と、これら上部121および下部122の間の中間部123とに区画され、側壁部12の外表面には、側壁部12外表面を一周する複数本の環状リブ124と、この環状リブ124と交差する複数本の直線状リブ125とがそれぞれ形成されている。
【0044】
環状リブ124のうち、フランジ部13側および底壁部11側すなわち上部121および下部122に配置された環状リブ124の間隔L2に対して、これらの間の中間部123側に配置された環状リブ124の間隔L1が粗に形成されている。
具体的には、上部121に、環状リブ124が、間隔L2で、等間隔に4本、下部122に、環状リブ124が、間隔L2で、等間隔に2本、中間部123に、環状リブ124が、間隔L1で、等間隔に2箇所それぞれ形成されている。ここで、間隔L2は、間隔L1の略2分の1である。
環状リブ124の太さは、t1であり、直線状リブ125の太さと同様である。環状リブ124の側壁部12からの高さは、側壁部12の厚みと略同様である。
【0045】
直線状リブ125は、側壁部12の正面側Fに、間隔L1で等間隔に6本、背面側Rに6本、側面側に各1本ずつ形成されている。
直線状リブ125の側壁部12からの高さは、側壁部12の厚みと略同様である。
【0046】
さらに、フランジ部13側すなわち上部121の環状リブ124の間で、かつ、直線状リブ125の間には、環状リブ124に跨る補助リブ126が設けられている。
補助リブ126は、互いに隣接する直線状リブ125の中間部分(すなわち直線状リブ125との間隔L2の部分)に1本づつ、計5本形成されている。
補助リブ126の太さは、t1であり、直線状リブ125の太さと同様である。補助リブ126の側壁部12からの高さは、側壁部12の厚みと略同様である。
【0047】
フランジ部13には、図1に戻って、フランジ部13の周方向に沿って、蓋20との接合面に、厚肉のボス132が形成されている。
【0048】
ボス132には、周方向にシール部材取付溝135が形成されているとともに、周方向に対して略等間隔位置に、計14箇所の下穴133Aが、周方向の対角線上の位置に計2箇所の位置決め穴134がそれぞれ形成されている。
各下穴133Aに対応して、フランジ部13の裏面側(図1では下側)に、ボス部133が一体形成されている。ボス部133は、フランジ部13からフランジ部13より数えて1本目の環状リブ124まで達するものである。
【0049】
位置決め穴134の一方は、容器本体10の正面側Fの図示左側に形成され、位置決め穴134のもう一方は、容器本体10の背面側Rの図示右側に形成されている。位置決め穴134の深さは、ボス132の厚さと略同じである。シール部材取付溝135は、図示は略すがパッキン等が取付けられるものである。
【0050】
蓋20は、丸みを帯びた矩形状の底壁部21と、この底壁部21から立ち上げて一体形成されている側壁部22と、側壁部22の底壁部21とは反対側の開口部の周縁に一体形成されたフランジ部23とを備えて構成されている。
【0051】
フランジ部23には、フランジ部23の周方向に沿って、容器本体10との接合面に、厚肉の図示しないボスが形成されている。
また、フランジ部23には、フランジ部13の下穴133Aと対応する位置(計14箇所)に、ネジ挿通孔233Aが貫通形成されているとともに、フランジ部13の位置決め穴134と対応する位置(計2箇所)に、位置決めピン234が突設形成されている。ネジ挿通孔233Aの内径は、下穴133Aの内径よりも大きい。位置決めピン234の太さは、位置決め穴134の内径と略対応している。
【0052】
タッピングネジ30は、ネジ本体31と、ネジ本体31の基端に設けられ、略円板形状のネジ頭32とを備えて構成されている。
図4(A)、(B)に示されるように、タッピングネジ30のネジ本体31のよび径dと、タッピングネジ30が螺合される側である容器本体10に形成される下穴133Aの直径Dとの比が、1.15より大きい。
また、下穴133Aとタッピングネジ30との嵌め合い長さL3が、3〜20mm程度である。
【0053】
タッピングネジ30のよび径dと、下穴133Aの直径Dとの比が、1.15以下である場合には、タッピングネジ30の螺合が不十分となり、容器本体10と蓋20との接合の強度が不十分となる場合がある。
下穴133Aとタッピングネジ30との嵌め合い長さL3が、3mm未満であると、タッピングネジ30の螺合が不十分となり、容器本体10と蓋20との接合の強度が不十分となる場合がある。
下穴133Aとタッピングネジ30との嵌め合い長さL3が、20mmを超えると、タッピングネジ30をネジ込む時間が長くなり、組み立て時間が長くなる場合がある。
【0054】
容器本体10と蓋20との接合に用いられるタッピングネジ30の本数は、8〜16本である。
タッピングネジ30の本数は、8本未満であると、容器本体10と蓋20との接合面における隣接するタッピングネジ30同士の間隔が広すぎて、圧力印加時に隙間が生じたりするので、圧力容器1の密閉性に問題が生ずる。
タッピングネジ30の本数は、16本を超えると、容器本体10と蓋20との接合面における隣接するタッピングネジ30同士の間隔が狭すぎて、圧力容器1が壊れやすくなる場合がある。
【0055】
以上のような圧力容器1を製造するには、加熱溶融させた材料を、シリンダなどによってノズルを通して閉鎖された金型中に射出し,金型中で冷却固化させて所定の成形品とする公知の射出成形機を用いて行う。本実施形態では、シリンダ中を材料を通過させる方法として、スクリュ式等を採用している。
【0056】
本実施形態の圧力容器1は、後述する繊維を含有する圧力容器用樹脂材料を射出成形して得られるものであり、含有する繊維の重量平均繊維長が0.5〜5.0mmである。
この含有する繊維の重量平均繊維長が、0.5mm未満であると、圧力容器1の強度が不十分となる場合がある。繊維の重量平均繊維長が、5.0mmを超えると、原料となる圧力容器用樹脂材料の繊維強化ポリプロピレンペレットの製造が困難となり、製造性の向上が図れなくなる場合がある。
この重量平均繊維長の測定方法としては、圧力容器1を灰化した後、灰化した成分を丁寧にほぐして、画像処理機にかけて二値化し、求める方法を使用している。
【0057】
圧力容器1を製造する際に用いる圧力容器用樹脂材料は、ペレットの長手方向と略平行に繊維が配列している繊維強化ポリプロピレンペレットと、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンとを含む圧力容器用樹脂材料であって、繊維含有量が、10〜50重量%であり、銅害防止剤が、0.05〜1重量%配合されるものである。
【0058】
ここで、繊維強化ポリプロピレンペレットの繊維としては、無機繊維であるガラス繊維を使用している。ガラス繊維としては、E−ガラス、S−ガラスなどのガラス繊維であって、その平均繊維径が25μm以下のもの、好ましくは3〜20μmの範囲のものが好ましく採用できる。
ガラス繊維の平均繊維径が3μm未満であると、繊維強化ポリプロピレンペレット製造時にガラス繊維がポリプロピレンになじまず、ポリプロピレンに含浸するのが困難となる。ガラス繊維の平均繊維径が20μmを超えると、外観が低下するとともに、リブなどの細部に繊維が流れ難くなるとともに、溶融混練時に切断、欠損が起こりやすくなる。
【0059】
繊維含有量は、この圧力容器用樹脂材料中の10〜50重量%である。繊維含有量が10重量%未満であると、繊維の分散性が悪くなる場合がある。また、繊維含有量が50重量%を超えると、繊維の破断が起こりやすくなる場合がある。従って、繊維含有量が、圧力容器用樹脂材料中の10〜50重量%であると、例えば、射出装置のスクリューで可塑化、溶融、混練を行っても、繊維の破断が起こりにくく、また分散性も良好となる。なお、射出成形機の可塑化スクリューとしては、圧縮比の比較的低いタイプの使用が、繊維の破断を抑制する点で好ましい。
【0060】
繊維強化ポリプロピレンペレットのポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンを使用している。
以上のポリプロピレンおよびガラス繊維を用い、引き抜き成形法等で繊維強化ポリプロピレンペレットを製造するにあたり、ガラス繊維は、カップリング剤で表面処理した後に、収束剤により、100〜10000本、好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくことが望ましい。
【0061】
カップリング剤としては、いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来からあるものの中から適宜選択することができる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用するのが好ましい。
【0062】
収束剤としては、例えば、ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ系等が採用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレフィ系が好ましく採用できる。これらのうち、ウレタン系収束剤は、通常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付加反応により得られるポリイソシアネートを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油変性型、湿気硬化型およびブロック型等の一液タイプ、および、触媒硬化型およびポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが採用できる。一方、オレフィン系収束剤としては、不飽和カルボン酸、または、その誘導体で変性された変性ポリオレフィン系樹脂が採用できる。
【0063】
上述のような収束剤で収束したガラス繊維にポリプロピレンを付着・含浸させることにより、ガラス繊維を含有する繊維強化ポリプロピレンペレットが製造される。
ガラス繊維にポリプロピレンを付着・含浸させる方法としては、例えば、溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸させる方法、コーティング用ダイに繊維束を通して含浸させる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着した溶融樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が採用できる。
ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませる、すなわち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が設けられたダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通して引き抜くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた後、さらに、この繊維束を加圧ローラでプレスする工程が組み込まれた引抜成形法も採用できる。
【0064】
なお、ガラス繊維と溶融樹脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものであれば、溶融樹脂がガラス繊維に容易に含浸され、ペレットの製造が容易となるので、前述の収束剤で繊維を収束する工程は、省略できる場合がある。
ここで、互いによくなじませる方法としては、樹脂に極性を付与したり、ガラス繊維の表面にカップリング剤と反応する官能基をグラフトしたりする方法が有効である。
【0065】
以上のような方法で、ポリプロピレンが含浸された長尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長手方向に沿って切断していけば、ペレットの全長と同じ長さの長繊維を含んだ繊維強化ポリプロピレンペレットを得ることができる。
この際、繊維強化ポリプロピレンペレットとしては、繊維束がストランドにされ、その断面形状が略円形となった樹脂含有長尺繊維束を切断したものに限らず、繊維を平たく配列することにより、シート状、テープ状またはバンド状になった樹脂含有長尺繊維束を所定の長さに切断したものでもよい。
【0066】
一方、希釈用ポリプロピレンは、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%であるものである。
エチレン含有量は、より好ましくは、0〜7重量%である。エチレン含有量が、10重量%を越えると、耐水圧性、強度、剛性が低下する場合がある。
希釈用ポリプロピレンのエチレンとしては、ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
希釈用ポリプロピレンのポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンを使用している。
すなわち、本実施形態では、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンである。
【0067】
また、銅害防止剤が、上記した圧力容器用樹脂材料全体に対して、0.05〜1重量%配合される。
配合される銅害防止剤が、0.05重量%未満であると、要求される銅害防止の効果が得られない場合がある。
配合される銅害防止剤が、1重量%を超えると、要求される銅害防止の効果に対して、原料コストが相対的に高くなりすぎる場合がある。
【0068】
銅害防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えばシュウ酸誘導体,サリチル酸誘導体,ヒドラジン誘導体などが用いられる。
具体的には、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニルヒドラジド)、N-ホルミル-N'-サリシロイルヒドラジン、2,2-オキザミドビス-[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]、オキザリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジドなどが挙げられる。この銅害防止剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
この圧力容器用樹脂材料では、繊維の全長が2〜50mm程度である。繊維の全長が2mm未満であると、成形時に繊維が短くなりすぎて、強度が低下する場合がある。繊維の全長が50mmを超えると、繊維強化ポリプロピレンペレットの製造が困難となり、製造性の向上が図れなくなる場合がある。
【0070】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)圧力容器用樹脂材料は、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンを含んでいることにより、要求される成形後の強度を満たすことができる。また、ナイロンと比較して、安価なポリプロピレンを主な組成物としているので、製造コストを低減できる。
【0071】
(2)繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンであることにより、ホモポリプロピレンは、結晶性が高いので、成形後の硬度の高い圧力容器用樹脂材料とすることができる。
【0072】
(3)容器本体10と蓋20とは、タッピングネジ30により接合されることにより、タッピングネジ30による接合強度が高いため圧力容器1内の高い内圧に耐えることができる。
【0073】
(4)環状リブ124と直線状リブ125とがそれぞれ形成されていることにより、圧力容器1内部からの圧力印加に対して、応力を分散させることができるので、圧力容器1の耐久性を向上させることができる。
【0074】
(5)中間部123(間隔L1)に対して開口部側すなわち上部121および底壁部11側すなわち下部122に、環状リブ124が密に形成されている(間隔L2)から、容器本体10の内圧による応力をより効率よく分散させることができる。その結果、フランジ部13に発生する応力集中が回避されるので、容器本体10と蓋20の接合部の信頼性が向上し、長期間使用しても圧力容器1の水漏れが発生せず、耐久性に優れたものとなる。
【0075】
(6)補助リブ126が設けられていることにより、圧力容器1の内部および外部からの応力を分散させる部分がさらに増える。従って、タッピングネジ30により蓋20と締め付けられ、高い強度を要求される容器本体10の開口部側すなわち上部121の強度をさらに向上させることができる。
【0076】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、繊維強化ポリプロピレンペレットの繊維としては、前記実施形態では、無機繊維であるガラス繊維を使用していたが、これに限られず、セラミック繊維、無機繊維、金属繊維および有機繊維等を使用してもよい。
【0077】
ここで、セラミック繊維としては、例えば、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チッ化ケイ素繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、例えば、炭素繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、例えば、銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。
【0078】
前記実施形態では、繊維強化ポリプロピレンペレットのポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンを用いていたが、これに限られず、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等を使用してもよい。
前記実施形態では、希釈用ポリプロピレンのポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンを使用していたが、これに限られず、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等を使用してもよい。
【0079】
前記実施形態では、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンであったが、これに限られず、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンは、ブロックポリプロピレンであり、希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンは、ホモポリプロピレンであってもよい。
これによれば、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンがブロックポリプロピレンであると、成形後の高硬度の他にも、耐衝撃性をも兼ね備えることができる。
【0080】
前記実施形態では、銅害防止剤を配合していたが、銅害防止剤に加えて、各種の特性付与のために、核剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を配合してもよい。
核剤としては、結晶化速度を速める造核効果のある有機系物質及び無機系物質を任意に使用できる。
有機系核剤の具体例は、例えば、ジベンジリデンソルビトール系化合物、フォスフェート系化合物である。
ジベンジリデンソルビトール系化合物には、ジベンジリデンソルビトール(DBSと略す)、パラ・メチル・DBS、パラ・エチル・DBS、パラ・クロル・DBS、等が含まれる。このDBS系化合物は、透明性の改善に特に有効である。
【0081】
フォスフェート系化合物には、リン酸ビス(4-t-ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム等が含まれる。前記以外の核剤としては、ジ安息香酸アルミニウム、塩基性ジ・パラ・ターシャリ・ブチル安息香酸アルミニウム、ベータ-ナフトエン酸ソーダ、カプロン酸ソーダ、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジターシャリ・ブチルフェニル)ソーダ、フタロシアニン、キナクリドン、高融点ポリマー、等も使用できる。
また、無機系核剤の具体例は、例えば、ミョウバン、チタン、タルクである。
【0082】
滑剤としては、特に制限はなく、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸化合物、パラフィンおよび炭化水素樹脂、シリコーン系化合物、シリコーン系重合体、フッ素系化合物、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体などのフッ素系重合体など、あるいはこれらの混合物が挙げられる。中でも脂肪酸アミド化合物が好ましく用いられる。
【0083】
脂肪酸アミド化合物としては、脂肪酸モノアミド化合物、脂肪酸ジアミド化合物、飽和脂肪酸モノアミド化合物、不飽和脂肪酸ジアミド化合物が挙げられる。具体的には、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、モンタン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ラウリン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ミリスチン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−パルミチン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−ベヘン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N'−メチレン−ビス−エルカ酸アミド、N,N'−エチレン−ビス−オレイン酸アミド、N,N'−エチレン−ビス−エルカ酸アミドなどが挙げられ、これらは複数組み合わせて用いることもできる。
【0084】
帯電防止剤としては、界面活性剤系(アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系)、無機塩系、多価アルコール系、金属化合物系、カーボン等任意の帯電防止剤を採用できる。この中でも、スルホン酸ナトリウム系等のアニオン系界面活性剤が好ましい。
【0085】
酸化防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系のもの等を使用できる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0086】
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等が挙げられる。
【0087】
さらに、硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、グリセリントリブチルチオプロピオネート、グリセリントリオクチルチオプロピオネート、グリセリントリラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリブチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリオクチルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリラウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリステアリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプロピオネート等が挙げられる。
以上のような酸化防止剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0088】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例]
圧力容器用樹脂材料として、モストロンL(L−3043P 銅害防止剤 1000ppm含有)を使用した。
具体的には、繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンは、ブロックポリプロピレンであり、圧力容器用樹脂材料中の30重量%を占めている。
繊維強化ポリプロピレンペレット中の繊維は、ガラス繊維(6mm長)であり、圧力容器用樹脂材料中の繊維含有量は,30重量%である。
希釈用ポリプロピレンは、そのポリプロピレンが、ホモポリプロピレンであり、圧力容器用樹脂材料中の40重量%を占めている。
繊維強化ポリプロピレンペレットの製造方法は、前記実施形態に示した通りである。銅害防止剤が、1000ppm配合されている。
【0089】
圧力容器の成形条件
(1)材料樹脂の温度 210℃
(2)金型温度 25℃
(3)射出保圧時間 15秒 (一次充填時間 2秒)
(4)材料樹脂の背圧 9MPa
(5)冷却時間 35秒
【0090】
圧力容器の組み立て手順として、容器本体と蓋を前記実施形態のようにタッピングネジにより接合した。タッピングネジのよび径は、4mmであり、嵌めあい長さは、11mmであった。
【0091】
[比較例]
圧力容器用樹脂材料として、モストロンL(L−3040P 銅害防止剤なし)を使用した。
具体的には、実施例とは、銅害防止剤を含有していない点が異なる。圧力容器の組み立て手順は、実施例と同様に行った。
【0092】
[圧力容器の破壊試験]
上記実施例および比較例で得られた圧力容器に40℃の温水を入れ、この温水を圧力容器1内の全面に、一定のサイクルで加圧等して、圧力容器1が破壊されるサイクル数を測定した。この1サイクルは、30秒間、1.5MPa加圧,次の30秒間,加圧解除を行っている。
実施例では、30万回で破壊された。これに対して、比較例では、20万回で破壊された。従って、実施例の方が、比較例よりも強度が大きいことがわかる。
【0093】
[タッピングネジによる破壊試験および接合強度試験]
上記実施例で用いた樹脂材料を、上記実施例と同じ成形条件で、下記のボスを成形し、このボスとタッピングネジとの接合強度および破壊トルクを測定した。測定条件は以下の通りである。
ボスは、内径3.4mm、ボス外周の肉厚2mm、深さ15mmであった。
タッピングネジは、JIS2種のタッピングネジ(M4)を使用し、そのよび径dは、4mmであった。
(1)自動タッピング試験機(柴山科学(株)製)を用いて、前記ボスにタッピングネジを押圧2MPa、回転数80rpm、嵌め合い長さ10mmで挿入、完全にねじ込んだ後、さらにこのタッピングネジに回転力を加えてボスの穴が破壊するまで必要なトルクを測定した。この実施例では、破壊のトルク値が1.6N・mであった。
(2)上記(1)と同様な操作で、タッピングネジをねじ込んだ後、トルク1.2N・mで締め付けて接合した。接合したボスとタッピングネジを、引張試験機にかけ、両者を50mm/分で引き離して、接合強度(引抜強度)を測定した。この実施例では、2256Nであった。
従って、上記(1)、(2)の破壊トルク値や接合強度を有し、実用的であることが確認できた。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンを含んでいることにより、要求される成形後の強度を満たすことができる。また、ナイロンと比較して、安価なポリプロピレンを主な組成物としているので、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の圧力容器を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の容器本体の底壁部を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の容器本体の側壁部を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態の下穴とタッピングネジのねじ込み前(A)、ねじ込み後(B)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
10 容器本体
11 底壁部
12 側壁部
13 フランジ部
20 蓋
21 底壁部
22 側壁部
23 フランジ部
30 タッピングネジ
121 上部
122 下部
123 中間部
124 環状リブ
125 直線状リブ
126 補助リブ
133A 下穴

Claims (8)

  1. ペレットの長手方向と略平行に繊維が配列している繊維強化ポリプロピレンペレットと、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンとを含む圧力容器用樹脂材料であって、
    前記繊維含有量が、10〜50重量%であり、
    銅害防止剤が、0.05〜1重量%配合され、
    前記繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンと、前記希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンとが、共にホモポリプロピレンであることを特徴とする圧力容器用樹脂材料。
  2. ペレットの長手方向と略平行に繊維が配列している繊維強化ポリプロピレンペレットと、エチレン含有量が0〜10重量%であり、ポリプロピレン含有量が100〜90重量%である希釈用ポリプロピレンとを含む圧力容器用樹脂材料であって、
    前記繊維含有量が、10〜50重量%であり、
    銅害防止剤が、0.05〜1重量%配合され、
    前記繊維強化ポリプロピレンペレット中のポリプロピレンが、ブロックポリプロピレンであり、
    前記希釈用ポリプロピレン中のポリプロピレンが、ホモポリプロピレンであることを特徴とする圧力容器用樹脂材料。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧力容器用樹脂材料において、
    前記繊維の全長が2〜50mmであることを特徴とする圧力容器用樹脂材料。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧力容器用樹脂材料によって成形された圧力容器であって、
    含有する繊維の重量平均繊維長が0.5〜5.0mmであり、
    開口部を有する容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋とを備えて構成され、
    前記容器本体と前記蓋とは、タッピングネジにより接合されることを特徴とする圧力容器。
  5. 請求項4に記載の圧力容器において、
    前記タッピングネジのよび径と、前記容器本体および前記蓋のうち、前記タッピングネジが螺合される側に形成される下孔の直径との比が、1.15より大きく、
    前記下孔とタッピングネジとの嵌め合い長さが、3〜20mmであることを特徴とする圧力容器。
  6. 請求項4または請求項5に記載の圧力容器において、
    前記容器本体は、底壁部と、この底壁部の周囲に一体成形され底壁部とは反対側端に開口部を有する側壁部とを備え、
    前記側壁部の外表面には、側壁部外表面を一周する複数本の環状リブと、
    この直線状リブと交差する複数本の直線状リブとがそれぞれ形成されていることを特徴とする圧力容器。
  7. 請求項6に記載の圧力容器において、
    前記環状リブのうち、前記開口部側および底壁部側に配置された環状リブの間隔に対して、これらの間の中間部側に配置された環状リブの間隔が粗に形成されていることを特徴とする圧力容器。
  8. 請求項4から請求項7のいずれかに記載の圧力容器において、
    前記タッピングネジの本数は、8〜16本であることを特徴とする圧力容器。
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