JP4105445B2 - 生コンプラントにおける骨材の水分測定方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、骨材(砂、砂利)、セメント、水、混和剤などを混練して生コンクリートを製造する生コンプラントにおける骨材の水分測定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生コンプラントでは、骨材(砂、砂利)、セメント、水、混和剤などの生コンクリート材料を所定の配合に計量し、それらをミキサーで混練して生コンクリートを製造している。
生コンクリートの製造においては各種材料の配合設計が重要であり、特に水の投入量はコンクリート強度などの物性に大きな影響を与えるため、骨材の表面に含まれる水分(以下、表面水率という)も正確に測定して、水の投入時には測定した表面水率から算出した水量を差し引く補正を行い、水量の調整を行っている。
【0003】
そのため、生コンプラントでは骨材の貯蔵槽内部に水分センサーを設置し、貯蔵槽内における骨材の表面水率を静止状態、つまり計量ゲートが閉じていて貯蔵槽内の骨材が流出していない状態において決められたタイミング、例えば骨材の計量開始前や計量終了後に測定を行う静的測定をしている。また、より測定精度を上げるために水分センサーを複数基設け、その平均値を算出して補正水量を決定する方法もある。
しかし、生コンプラントに貯蔵されている骨材は、角錐状の通称ビンと呼ばれる部分に静止状態で貯蔵される場合が多く、時間の経過と共に貯蔵槽内の骨材の表面水が次第に下方へ移動する。そのため、貯蔵槽内の下部になるにしたがって骨材の表面水率が高くなり、測定する場所又は測定する日時によって表面水率が大幅に変化することになる。
【0004】
また、貯蔵槽内の骨材の払出し時において骨材は、骨材の質(粒度・粘度)、表面水率の大小、貯蔵槽形状による槽側面の傾斜角度などの違いにより流出具合が大幅に変化する。即ち、水分センサーを設け骨材の表面水率を測定した部分全体の骨材が流出すればよいが、実状は壁面部分の骨材は流出しにくく、中央部分から流れ出ることが多い。
そのため、骨材が貯蔵槽内における静止状態での静的測定は、水分センサーの周囲のみの一時的な表面水率しか測定できず、たとえ水分センサーを復数基設けても骨材の流出の変動により表面水率の変化が不規則になるので、測定し平均化した表面水率と実際に流出した骨材全体の表面水率とは差が生じ、正確な表面水率の把握が困難な状態にある。
【0005】
そこで、これらを解消するために骨材の流出する部分に水分センサーを設け流出する骨材の表面水率を連続的に測定する動的測定が行なわれている。
連続的に測定することとは、1回の測定工程中に表面水率の測定を1回だけでなく断続して複数回行うことで、これにより測定工程中の表面水率測定値の変位を捉えることができる。
静的測定の限られた場所の骨材を定点測定するのとちがい、動的測定は実際に流出する骨材を連続的に測定しつづけるため混練に使用するすべての骨材の変位値を測定でき、実際の表面水率の把握を正確に行うことができる。
この動的測定における骨材の表面水率の測定は、計量器へ流出する骨材を確実に測定するために水分センサーの測定面が骨材の流出する部分に位置するように貯蔵槽へ設け、測定面での骨材の流れを促すため測定面を傾斜させて骨材の流れ面とし、そこを流れている骨材の表面水率を連続的に測定している。
【0006】
しかしながら、水分センサーの測定面が水平の状態では測定面に骨材が滞留・付着し常に同じ骨材を測定することになり真の動的測定にならないのである。
このために本出願人は水分センサーの測定面を傾斜させて骨材の流れを測定面上に生じさせ、流出する骨材を連続的に測定する方法を特願2000−358293号、特願2001−105206号で開示している。
ところが更に詳しく調べると、水分センサーは貯蔵槽の内部に設けられていることから、貯蔵槽内部という閉鎖的空間であること、しかも貯蔵槽の下部という位置であることから骨材の自重による圧力を受け測定面上の骨材の流れが妨げられて、測定面上に骨材が滞留してしまい、同じ骨材の表面水率を測定することになり兼ねない。
【0007】
即ち、骨材の貯蔵槽は大量の骨材を蓄える必要があり、それを開口面積の小さい計量ゲートで流出するため、貯蔵槽の下部形状は計量ゲート付近になるに従って絞り込んだ逆角錐形状となっていること、さらに、四方を貯蔵槽の傾斜した側面で囲まれる閉塞された貯蔵槽内に設けられた水分センサーでは、水分センサーの周囲の骨材の流れは貯蔵槽の側面に拘束されて計量ゲート方向に集束する流れをつくる。
図7で示すように、計量ゲート方向に集束する貯蔵槽内の骨材の流れは、水分センサーの測定面上の骨材の流れを妨げる方向に作用して、測定面上の骨材の入れ替わりをスムーズに行なうことができないのである。そのために、測定面上に骨材が滞留してしまい、真の連続的な測定を行なうことが困難となり、骨材の正確な表面水率の測定ができないことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点に鑑み、真の連続した骨材の水分測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生コンクリート用の骨材を貯蔵し且つ該骨材を最下部に流出するための計量ゲートを備える貯蔵部と、計量した骨材を混練する混練部との間に設置される水分センサーを用いて骨材の表面水率を連続して測定する水分測定方法において、
前記水分センサーを計量ゲートの直下の開放された自由空間に設けて、
前記水分センサーが回動自在になされて通常は測定面が水平面より60°〜80°の傾きに回動されて水分センサーの測定面上の骨材を取り除くようになし、
測定時には測定面が水平面より10°〜30°の傾きに回動されて連続して骨材の水分を測定すること
を特徴とする生コンプラントにおける骨材の水分測定方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、水分センサーを開放された自由空間に設けることにより、骨材の水分測定時に水分センサー測定面上の骨材の流れを妨げる骨材の流れの影響を受けることがなくなり、測定面上の骨材の流れが確保されて測定面上での骨材の滞留が解消され、測定面上の骨材の入れ替えを完全に行なう方法である。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の実施例の側面を示す断面図、図2は図1中における本発明の水分測定部の側面を示す断面図である。
図1において、生コンプラントの貯蔵槽4は下方に計量ゲート5を備えており、該計量ゲート5直下に設置された骨材計量器3は計量ゲート5の開閉によって骨材が投入され所定量の骨材を計量する。前記貯蔵槽4と骨材計量器3の間に水分センサー1を備えて該水分センサー1を計量ゲート5直下に設けるセンサー取付部材2を配設する。水分センサー1は図3で示すように直径7.5cm、長さ10cmの円筒形をしており、円形端面に測定面6を備え、該測定面6の上にある骨材の表面水率を測定する。図2に示すように、水分センサー1は測定面6が水平面よりα1=10°〜30°の角度で傾斜して固定されている。
【0012】
本発明の工程について説明する。
骨材の計量が始まると、計量ゲート5が開き骨材計量器3に骨材が投入される。計量ゲート5の直下に設けられた水分センサー1は、計量ゲート5から流出する骨材を受けて水分センサー1の上端面に備えられた測定面6に落下して流出する骨材の表面水率を測定する。前記測定面6が水平面よりα1=10°〜30°の角度で傾いていることにより、計量ゲート5から落下して流出する骨材は測定面6の上を急激に流れることなく安定した密度で骨材の表面水率の測定が行なわれる。
【0013】
このとき水分センサー7は開放された自由空間である計量ゲート5の直下に設けられており、水分センサー7の測定面6の上を流れる骨材は水分センサー1の周囲の骨材の流れに妨げられることが無くなり、測定面6の上に骨材が滞留・付着せずに連続して骨材が落下するので測定面6の上の骨材の入れ替わりが確実に行なわれ、これにより正確な骨材の表面水率の測定ができる。即ち、従来の測定が骨材の流出の中において行なわれていたのに対し、落下しかも自由落下に近い状態で測定する点に大きな差異がある。骨材の計量が終了し計量ゲート5が閉じて骨材の落下が止まると、骨材の表面水率の測定も終了する。
【0014】
次に測定手順を詳しく説明する。図4には図1のB−B矢視図である水分センサー1の回動部を示す。この水分センサー1の回動部は水分センサー1を回動自在になされるようにシリンダ7にカム8を介して連結し、シリンダ7の伸縮により水分センサー1を回動させる。図5(a)のように通常の状態では水分センサー1は測定面6が水平面より60°〜80°の角度(α2=60〜80°)で固定されているが、骨材の計量が始まると回動駆動源であるシリンダ7が伸びて図5(b)のように水分センサー1を測定傾斜角度α1=10°〜30°の位置へ回動させる。水分センサー1が測定傾斜角度α1=10°〜30°で傾いていることにより、測定面6上を骨材が急激な流れにならず安定した密度で測定でき正確な測定値が得られる。
【0015】
骨材の表面水率の測定が終了するとシリンダ7が縮んで再び図5(a)のように水分センサー1が回動して入替傾斜角度α2=60°〜80°の位置へ固定される。その後測定面6上を落下する骨材の流圧によって測定面6上に滞留・付着した微小量の骨材を押し流して取り除くことにより測定面6上の骨材の入れ替えを行う。
以上の工程を1回の計量中に行うことにより測定面6上の骨材の入れ替えを確実に行わせることができる。したがって、骨材の表面水率の正確な測定が可能となり、より実際の骨材の表面水率に合った補正水量を算出できる。
【0016】
この実施例では前記のような工程を1回の計量中に複数回行っているが、さらに他の測定例として1回の計量時間が短い場合でも本発明の工程を計量中に1回行い、これを毎バッチの計量の度に繰り返し行うことによって前記実施例と同様に正確な測定が可能となる。
【0017】
水分センサー1の傾斜角度は、前記実施例では測定時での測定傾斜角度α1=10°〜30°としているが、これは使用する骨材の質(粒度・粘度)、表面水率の大小、貯蔵槽4の形状の違いによる槽側面の傾斜角度によって骨材の流出具合が変化するためである。この内、測定面6の測定傾斜角度の最適角度はα1=15°である。この測定傾斜角度の最適角度α1=15°の時の測定値のグラフを図6に示す。図6に示すλの幅が表面水率の測定値のバラツキであるがここでは0.5%程度であり、安定した数値を示している。
同様の理由で骨材の入れ替えを行なう骨材入れ替え傾斜角度α2も60°〜80°としているが、この内、骨材入れ替え角度の最適角度はα2=75°である。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば生コンプラントの骨材の水分測定において、水分センサーの測定面上の骨材の確実な入れ替えを行うことにより、連続的に測定する動的測定による安定した正確な骨材の表面水率の測定が可能となる。
また、水分センサーを計量ゲート直下に設けることにより、本測定方法は水分センサーの周囲の骨材が自由落下に近い状態で流れており、落下する骨材の表面水率を測定するものである。そのため、測定面上の骨材の密度が大きく変動することなく、密度変動による測定値の誤差が少なくなり、より正確な測定値が得られる。
さらに、水分センサーのメンテナンススペースが十分確保でき、整備点検や部品交換などの作業を容易に効率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の側面を示す断面図。
【図2】本発明の水分測定装置の側面を示す断面図(図1のA−A矢視図)。
【図3】水分センサーの斜視図。
【図4】水分センサーの回動部の側面図(図1のB−B矢視図)。
【図5】水分センサーの回動状態を示す側面図。
【図6】測定面傾斜角度15°における表面水率の測定値を示すグラフ。
【図7】従来の水分測定状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 水分センサー
2 センサー取付部材
4 貯蔵槽
5 計量ゲート
6 測定面
Claims (3)
- 生コンクリート用の骨材を貯蔵し且つ該骨材を最下部に流出するための計量ゲートを備える貯蔵部と、計量した骨材を混練する混練部との間に設置される水分センサーを用いて骨材の表面水率を連続して測定する水分測定方法において、
前記水分センサーを計量ゲートの直下の開放された自由空間に設けて、
前記水分センサーが回動自在になされて通常は測定面が水平面より60°〜80°の傾きに回動されて水分センサーの測定面上の骨材を取り除くようになし、
測定時には測定面が水平面より10°〜30°の傾きに回動されて連続して骨材の水分を測定すること
を特徴とする生コンプラントにおける骨材の水分測定方法。 - 前記水分センサーが回動自在になされて通常は測定面が水平面より75°の傾きに回動されており、
測定時には測定面が水平面より15°の傾きに回動されること
を特徴とする請求項1記載の生コンプラントにおける骨材の水分測定方法。 - 生コンクリート用の骨材を貯蔵し且つ該骨材を最下部に流出するための計量ゲートを備える貯蔵部と、計量した骨材を混練する混練部との間に設置される水分センサーを備え骨材の表面水率を連続して測定する水分測定装置において、
前記水分センサーが計量ゲートの直下の開放された自由空間に設けられ、
前記水分センサーを回動自在になす回動部を有し、
該回動部が水分センサーの測定面の傾斜角度を水分測定時よりも大きな傾斜角度に変更させて測定面上の骨材の取り除くこと
を特徴とする骨材の水分測定装置。
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JP2002038874A JP4105445B2 (ja) | 2002-02-15 | 2002-02-15 | 生コンプラントにおける骨材の水分測定方法 |
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2002
- 2002-02-15 JP JP2002038874A patent/JP4105445B2/ja not_active Expired - Lifetime
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