JP4105128B2 - 光メモリ素子および光再生装置 - Google Patents
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Description
また、従来、複数のピットを用いて1つの情報ユニット(情報単位)を記録する技術が開発されている(特許文献1)。図12(0)〜(F)は、この技術を示す説明図である。
また、ピット101は、情報ユニット100内で、記録トラック102上に中心を有する正方形Tの頂点に位置している。
従って、再生装置の低コスト化が困難となるとともに、信号処理時間の増大による、再生速度(情報転送速度)の低下を招来してしまう。
情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えていることを特徴としている。
また、本メモリ素子に対する情報の記録は、情報トラックに沿って、位相ピットからなる情報ユニットを形成することによってなされる。
すなわち、本メモリ素子では、1つの情報ユニットに属する位相ピットの数・位置の組み合わせ(ピット配列)により、情報ユニットの表す情報を決定するようになっている。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットの中心に位相ピットを配している。従って、位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
このため、情報の再生に使用される再生用光検出器は、4つの周囲位相ピットに対応するようにその受光面を4分割されることとなり、4つの部分受光面を有する4分割光検出器となる。
そして、再生用光検出器では、4つの部分受光面のそれぞれに入射する光強度に応じて、情報ユニットにおける4つの周囲位相ピットの有無(どの周囲位相ピットを有しているか)を判別し、判別結果に基づいてピット配列を求めることとなる。
一方、上記したように、周囲位相ピットの有無については、4つの部分受光面のそれぞれに入射する光強度によって判別できる。
従って、本メモリ素子は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光メモリ素子となっている。
ここで、一対のサーボユニットとは、情報トラック2に垂直な方向に互いにずれた状態で、情報トラックを挟むように配されているパターン対である。
なお、パターン対のずれは、2つのサーボユニットが、情報トラックを軸として線対称となるような値となっていることが好ましい。
また、パターンとは、位相ピットのような、基板上に形成された窪み(あるいは突起)のことである。
このとき、ピット配列が径方向に非対称である場合、情報トラックの両側からの反射光強度が非対称となる。このため、プッシュプル信号が乱され、正確なトラッキング制御を行えない(トラッキングが不安定となる)可能性がある。そして、トラッキングが不安定となると、各情報ユニットからの正確なトータル反射光量の測定が困難となるため、情報ユニットのピット配列を正確に識別できなくなってしまう。
この構成では、再生のために情報ユニットに照射される光スポット内に、全位相ピットを効率よく(高密度)に配置することが可能となる。従って、再生に使用する光スポットを小さくできる。
この構成では、情報ユニットが、5つの位相ピット、すなわち、情報トラック上に配される1つの中央位相ピットと、その周囲に位置する4つの周囲位相ピットとの組み合わせからなっている。
また、光検出器の部分受光面を5つとすることにより、隣接する受光面間の角度差が小さくなり、位相ピットの位置決定の精度が低下して再生エラーを増加させてしまうという欠点もある。
これにより、ピット配列を、情報トラックを軸とした線対称に設定しやすくなる。ピット配列をこのような線対称に設定すると、上記のようなプッシュプル信号の乱れを確実に防止できる。従って、プッシュプル法によっても、本メモリ素子のトラッキング制御を安定的に実現できる。
この構成では、1つの情報ユニットに関し、128(27)種類の情報(7ビットのデータ)を多重記録することが可能となっている。記録密度を格段に高めることが可能となっている。
従って、本メモリ素子に、多数の情報ユニットを形成できるため、本メモリ素子の記録密度をより向上させられる。さらに、再生に使用する光スポットを非常に小さくできる。
また、光検出器の部分受光面を7つとすることにより、隣接する受光面間の角度差が小さくなり、位相ピットの位置決定の精度が低下して再生エラーを増加させてしまうという欠点もある。
これにより、ピット配列を、情報トラックを軸とした線対称に設定しやすくなる。ピット配列をこのような線対称に設定すると、上記のようなプッシュプル信号の乱れを確実に防止できる。従って、プッシュプル法によっても、本メモリ素子のトラッキング制御を安定的に実現できる。
これにより、サーボユニットによる反射光の強度変化量を大きくできるので、サンプルサーボ法によるトラッキング制御を容易に行えることとなる。
また、サーボユニットを複数のパターンから構成する場合、そのパターンとして、情報ユニットと同様の位相ピットを用いることが好ましい。
この構成では、情報ユニットを構成する位相ピット(パターン)と、サーボユニットを構成するパターンとが同一の大きさとなるため、サーボユニットを形成しやすいという利点がある。
これにより、サーボユニットによる反射光の強度変化量を大きくできるので、サンプルサーボ法によるトラッキング制御を容易に行えることとなる。
ここで、光ディスクとは、情報トラックがスパイラル状(渦状)あるいは同心円状に形成されたものである。また、光カードとは、直線状の情報トラックを有するものである。
情報ユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する再生用光検出器と、
再生用光検出器から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニットのピット配列を特定するピット配列特定回路とを備えている構成である。
すなわち、本再生装置では、再生用光検出器が、情報ユニットからの反射光を受光し、受光量に応じた受光信号を出力する。そして、この受光信号に基づいて、ピット配列特定回路が、再生にかかる情報ユニット(光を照射された情報ユニット)のピット配列を特定するように設計されている。
ここで、光制御回路とは、制御用光検出器から出力される受光信号に基づいて、光メモリ素子に照射する光のトラッキング制御を行うためのものである。
通常、制御用光検出器に照射される反射光は、シリンドリカルレンズによってフォーカスされるため、波面の乱れたものとなる。従って、制御用光検出器と再生用光検出器とを1つの光検出器で兼用すると、再生用光検出器に対しても、波面の乱れた反射光が照射されてしまう。
このため、受光面での光強度分布に乱れが生じ、情報ユニットのピット配列を正確に特定することが困難となる。
情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えている構成である。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットの中心に位相ピットを配している。従って、位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
すなわち、本メモリ素子では、中央位相ピットを有しているため、n(整数)個の位相ピットを用いて情報ユニットを構成するけれども、受光面をn−1に分割した光検出器を用いて情報を再生することが可能である。
従って、本メモリ素子は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光メモリ素子となっている。
従って、本メモリ素子を再生する場合、サーボユニットからの反射光を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを制御できる。このため、本メモリ素子を用いれば、安定したトラッキングを実現できるので、高精度に情報を再生することが可能である。
本実施の形態にかかる光ディスク装置(本ディスク装置;光再生装置)は、光ディスクに記録された情報を再生するための再生装置である。
この図に示すように、本ディスク装置は、スピンドル10,光ピックアップ11,回路基板12を備えている。
なお、光ディスク1の構成については、後に詳細に説明する。
回路基板12は、スピンドル10および光ピックアップ11を駆動するための複数の回路群を有する基板である。
コリメータレンズ22は、半導体レーザー光源21から出射されたレーザー光Lの光束を平行とするものである。
ビームスプリッタ23は、コリメータレンズ22を透過したレーザー光Lを透過する一方、光ディスク1側(集光レンズ24側)から入射するレーザー光Lを反射し、その進路を直角に曲げるものである。
アクチュエータ25は、フォーカシング調整およびトラッキング調整を行うため、集光レンズ24の位置を調整する(集光レンズ24を駆動する)ものである。
ビームスプリッタ26は、反射レーザー光Laの一部を透過し、一部を集光レンズ30側に反射するものである。
制御用光検出器29は、反射レーザー光Laに基づいて、後述する受光信号R5〜R8を出力するものである。
光検出器31は、反射レーザー光Laを受光して電気信号(受光信号)を生成するものである。
なお、この光検出器31の構成については後述する。
レーザー制御回路42は、半導体レーザー光源21を制御(駆動)して、レーザー光Lを照射させるものである。
なお、フォーカシング/トラッキング回路47および制御用光検出器29の動作については後述する。
なお、これら回路43〜46についても、後に詳細に説明する。
図3は、光ディスク(光メモリ素子)1の構成を示す平面図である。光ディスク1は、直径120mmの円盤形状を有しており、図3に示すように、その記録面(表面)に、情報を記録するための情報トラック2をスパイラル(渦巻き)状に備えたものである。
この図に示すように、光ディスク1は、透明基板7、金属反射膜8,保護膜9をこの順に積層した構成を有している。
金属反射膜8は、透明基板7の表面を覆う金属膜であり、その材料としては、例えば、アルミニウムを用いることが可能である。
保護膜9は、金属反射膜8を覆う保護膜である。
また、サーボ領域SAに続いて形成される記録領域KAは、複数の情報ユニット5を有している。
なお、このサーボユニット61・62については後述する。
この情報ユニット5は、最大で4つの位相ピット3と、最大で1つの位相ピット4とからなる情報単位であり、情報トラック2上に、規則的に(等間隔で)配列されている。
そして、光ディスク1では、位相ピット3・4の数・位置の組み合わせ(位相ピットの配列状態;ピット配列)により、情報ユニット5の情報(記録内容)を決定するように設計されている。
すなわち、情報ユニット5は、ピット配列1ax〜32jxに応じた、32通りの情報を有するように設計されている。
また、ピット配列2by,3by,4by,5by,6cxは、1個の位相ピットを有する配列状態である。
さらに、ピット配列7dx,8dx,9dy,10dy,11dy,12dy,13ey,14ey,15ey,16eyは、2個の位相ピットからなる配列状態である。
また、ピット配列27hx,28iy,29iy,30iy,31iyは、4個の位相ピットからなる配列状態である。
最後に、ピット配列32jxは、5個の位相ピットで構成される配列状態である。
すなわち、通し番号は、ピット配列の全32種類に1つづつ付される番号(1〜32)である。
すなわち、本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザー制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザー光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。
このとき、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置(情報トラック2)に重なるように照射される。
これにより、情報トラック2上の情報ユニット5によってレーザー光Lが反射され、反射レーザー光Laが生成される。
すなわち、光量識別子は、各情報ユニット5におけるピット配列に応じた反射レーザー光Laの光量を示す値である。そして、光ディスク1では、各ピット配列のトータル反射光量を、10種類の光量識別子a〜jによって分類するようになっている。
なお、同じ光量識別子a〜jを有するピット配列では、トータル反射光量はほぼ等しくなる。また、a〜jの順で、トータル反射光量は小さくなる。
位相ピット3・4の存在する場合、これらが存在しない場合よりも反射光量は小さくなる。
また、レーザー光Lにおけるビームスポット6の強度分布は、ガウシアン分布となっており、従って、ビームスポット6では、その中心の光強度が周囲よりも強くなっている。さらに、上記したように、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置に重なるように照射される。
また、ピット配列6cxでは、ビームスポット6の中心位置に対応する位相ピット4が1つ存在するため、ピット配列2by〜5byに比べて、トータル反射光量が小さくなる。
また、ピット配列13gy〜16eyでは、位相ピット4と位相ピット3とを1つずつ有しているため、ピット配列7dx〜12dyよりもトータル反射光量が小さくなる。以降、同様にして、位相ピット数の増加に伴い、トータル反射光量が減少する。
すなわち、ピット配列が、周方向に線対称である場合(半径方向に沿った軸に対して線対称である場合)であって、かつ、径方向にも線対称である場合(情報トラック2に対して線対称である場合)、対称性識別子はxとなる。
一方、いずれかの方向に対して線対称となっていない場合、対称性識別子はyとなる。
図6は、光検出器31の構成を示す説明図である。この図に示すように、光検出器31は、受光面を4分割してなる、4つの部分受光面(光検出素子)D1〜D4を備えている。
また、光検出器31では、部分受光面D1〜D4を分割する分割線A・Bが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線(光検出器31の受光面上での、情報トラックに対応する直線)X−X’と45°の角度を成すように配置されている。
個々の位相ピットからの反射光は、回折光となって部分受光面D1〜D4の全面に入射する。また、複数の位相ピットの存在する場合、それぞれの位相ピットからの回折光が干渉して、部分受光面D1〜D4に入射することになる。すなわち、各位相ピットからの反射光は、部分受光面D1〜D4の1つではなく、全てに入射される。
例えば、ピット配列2byでは、部分受光面D2に入射する光の強度が相対的に大きくなり、部分受光面D4に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
従って、1つの位相ピット4のみを有するピット配列6cxでは、全ての部分受光面D1〜D4の中心付近に入射する光の強度が相対的に大きくなり、周辺領域に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
これらの回路43〜46は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニット5のピット配列を識別し、識別結果に応じた再生信号を生成する回路群である。
表1に、部分光量比較回路44による識別条件を示す。
すなわち、部分光量比較回路44は、まず、R2とR4との大小関係の算出(比較)を行う(識別条件I)。次に、部分光量比較回路44は、R1とR3との大小関係を算出し(識別条件II)、最後に,R1とR2との大小関係を算出する(識別条件III)。
これにより,全ての情報ユニット5を識別することが可能となる。
なお、表1に、各ピット配列に応じた復調信号を示している。
図5に示したように、本ディスク装置では、情報ユニット5のピット配列が32種類存在する。従って、1つの情報ユニット5を用いて32種類の情報を多重記録することが可能であり、このため、1つの情報ユニットから5ビットの復調信号を得られることになる。
そして、本ディスク装置では、図示しない変換回路によって、再生信号を映像信号(映像情報)や音声信号(音声情報)に変換する。そして、これらの信号を、表示画面やスピーカーなどの表示装置(図示せず)によって表示するようになっている。
ここで、位相ピット3は、一方の対角線が情報トラック2と重なる四角形の頂角位置に配される位相ピットである。
また、位相ピット4は、この四角形の中心位置に配される位相ピットである。
このため、情報の再生に使用される光検出器31は、4つの位相ピット3に対応するようにその受光面を4分割されることとなり、4つの部分受光面D1〜D4を有する4分割光検出器となる。
そして、光検出器31では、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する反射光強度に応じて、情報ユニット5における4つの位相ピット3の有無(どの位相ピット3を有しているか)を判別し、判別結果に基づいてピット配列を求めることとなる。
一方、上記したように、位相ピット3の有無については、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する光強度によって判別できる。
従って、光ディスク1は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光ディスクとなっている。
従って、光検出器の部分受光面数(分割数)を、5つとする必要が生じる。このため、各部分受光面への入射光強度を処理するための回路が複雑となり、コスト高となる(特に、部分光量比較回路44が複雑化する)。
そして、トータル光量比較回路43によってトータル反射光量を特定し、情報ユニット5のピット配列を大まかに判別(光量識別子毎に判別)している。
その後、特定されたトータル反射光量に応じて、部分光量比較回路44が、各部分受光面D1〜D4に入射した光の大きさを比較(部分比較)し、情報ユニット5のピット配列を特定するようになっている。
従って、部分光量比較回路によるピット配列の特定に必要な部分比較の種類・回数を、少なくすることが可能となっている。
しかしながら、この場合、光強度変化の最も大きくなる位置(各位相ピット3に対応する位置)に、分割線が存在することになる。このため、部分受光面D1〜D4による光強度分布の検出精度が低下する。
この場合には、部分受光面D1〜D4の中心を、各位相ピット3に対応する位置(各位相ピット3からの反射光が最大となる位置)に配置できる。従って、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに対し、位相ピット3を1対1で対応させられる。このため、4つの部分受光面D1〜D4によって、4種類の位相ピット3の有無を明確に判定できる。
すなわち、上記のような効果は、分割線A・Bを、この四角形の一方の対角線に応じた受光面上の直線に対して、45度の角度で交叉させることで得られるものである。このような構成であれば、分割線A・Bが直線X−X’と45°の角度で交叉していない場合でも、同様の効果を得られる。
表2に、この構成におけるピット配列の識別方法を示す。
なお、表2において、T1,T2は、それぞれ、(R1+R3),(R2+R4)である。また、S1〜S4は、それぞれ、(R1+R2),(R2+R3),(R3+R4),(R4+R1)である。
さらに、部分光量比較回路44は、対称性判別IIIにおいて、S2とS4との大小関係を算出する。
その後、トータル光量比較回路43が、ピット配列の属する小グループの種類と、ピット配列のトータル反射光量とに基づいて、ピット配列を特定する。
従って、a〜jまでの10種類のトータル反射光量を識別する必要のある表1の場合に比して、トータル光量比較回路43によるトータル反射光量の識別精度を高められる。また、トータル光量比較回路43を簡略な回路(相対的に簡略な比較回路)から構成できる。
従って、この場合には、レーザー制御回路42の制御精度や、フォーカシング/トラッキング回路47の制御精度(トラッキング,フォーカシングの精度)を高めることが好ましいといえる。
図1に示すように、光ディスク1には、情報ユニット5の形成された記録領域KAに先行するように、サーボ領域SAが設けられている。そして、サーボ領域SAには、一対のサーボユニット61・62が形成されている。
なお、径方向へのずれは、サーボユニット61・62が、情報トラック2を軸として線対称となるような値となっている(各サーボユニット61・62の中心が、情報トラック2から径方向に等距離だけ離れている)。
また、このようなサーボユニット61・62を有するサーボ領域SAは、情報トラック2の一周あたり、10〜20箇所に設けられている。
この図に示すように、制御用光検出器29は、受光面を4分割してなる、4つの部分受光面(光検出素子)D5〜D8を備えた4分割検出素子である。
また、制御用光検出器29では、部分受光面D5〜D8を分割する分割線Dが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線(制御用光検出器29の受光面上での、情報トラックに対応する直線)X−X’と重なる(一致する)ように配置されている。
そして、フォーカシング/トラッキング回路47は、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいてアクチュエータ25を駆動し、フォーカシング制御とトラッキング制御とを行う機能を有している。
本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザー制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザー光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。このとき、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報トラック2に重なるように照射される。
すなわち、フォーカシング/トラッキング回路47は、まず、光ディスク1の記録面にレーザー光Lの焦点を合わせる(フォーカシング制御する)ために、シリンドリカルレンズ28を用いた非点収差法を用いてフォーカシング信号を生成する。
そして、算出した値が零(0)となるように、集光レンズ24のフォーカス方向(光ディスク1の面に垂直な方向)の位置を制御するためのフォーカシング信号を生成する。そして、集光レンズ24の位置を制御するアクチュエータ25に出力する。
これにより、レーザー光Lの焦点を、光ディスク1の記録面に合わせることが可能となる。
ここで、RT1は、サーボユニット61を通過したときに得られる総信号量であり、RT2は、サーボユニット62を通過したときに得られる総信号量である。
これは、サーボユニット61・62が、情報トラック2の両側に、情報トラック2から等距離に形成されているからである。
これは、サーボユニット61・62の一方が光ビームスポット6の中心に近接し、他方が離れてしまうためである。
そして、本ディスク装置では、光ディスク1を再生する場合、サーボユニット61・62からの反射光を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを制御できるようになっている。このため、光ディスク1を用いれば、安定したトラッキングを実現できるので、高精度に情報を再生することが可能である。
例えば、図9に示すように、位相ピット3を、中心が情報トラック2と重なる正六角形の頂角位置に配置される位相ピットとしてもよい(各位相ピット3は、正六角形の中心から等距離の位置にある)。
なお、この図に示す構成におけるサーボユニット61は、図1に示したものと同様である。
また、上記の正六角形は、自身を2分する対角線の1つが、情報トラック2と重なるように設計されていることが好ましい。
情報ユニット5と同様の構成を有するサーボユニット61・62が、情報トラック2を挟むようにに、情報トラック2に垂直な方向(径方向)および平行な方向(周方向)に、互いにずれた状態で配されている。
なお、径方向へのずれは、サーボユニット61・62が、情報トラック2を軸として線対称となるような値となっている(各サーボユニット61・62は、情報トラック2から径方向に等距離だけ離れている)。
従って、情報ユニット5の位相ピット3・4とサーボユニット61・62の形成方法が異なるため、それぞれを最適に形成できるように、電子ビームを制御することが必要となる。
従って、サーボユニット61・62を、情報ユニット5と全く同じ条件で形成できる。このため、光ディスク1用の原盤形成時の制御条件を減少できるので、より簡単に(より安定して)原盤および光ディスク1を製造することが可能となる。
しかしながら、サーボユニット61・62としては、どのようなピット配列であってもよい。
また、サーボユニット61・62によるトータル反射光量変化が大きいほど、トラッキング制御およびフォーカシング制御の安定化を図れる。従って、図10,図11に示したように、全位相ピット3および位相ピット4を備えたピット配列を用いることが好ましいといえる。
例えば、位相ピット3を、例えば、位相ピット3を、周方向および径方向に対称な他の四角形(正四角形を周方向あるいは径方向に圧縮した菱形)の頂角に配置してもよい。この構成でも、上記と同様に、本ディスク装置によって情報ユニット5のピット配列を識別すること、および、情報トラック2に対するトラッキングを行うことが可能である。
しかしながら、これに限らず、本ディスク装置を、情報トラックを直線状に配列した光カードを再生するように設計してもよい。この場合、光カードの情報トラックには、図5あるいは図9に示すようなピット配列からなる情報ユニット5を形成することが好ましい。
また、光ディスク1の透明基板7側からレーザー光Lを照射して再生を行うことも可能である。
トータル入射光量は、ビームスプリッタ26によって制御用光検出器29側に向かう光(制御用光)をトータル反射光量から差し引いたものであり、トータル反射光量に比例するものである。
しかしながら、これに限らず、フォーカシング制御については、常時的に行うことが好ましい。
このため、ローパスフィルターを通して、フォーカシング信号から位相ピット3・4に対応する高周波信号成分を取り除くことが好ましい。これにより、安定したフォーカシングを行うことが可能となる。
また、トラッキング制御については、サーボ領域SAのサーボユニット61・62からの反射光のみを用いて行うことが一般的である。この場合、ビームスポット6が記録領域KAを走査しているときには、集光レンズ24における径方向の位置を固定しておくことが好ましい。
これにより、制御部あるいはフォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29からの反射光に基づいて特殊パターンを検知することで、サーボ領域SAの走査タイミングを取得することが可能となる。
光ディスク1におけるスパイラル状に形成された情報トラック2の記録領域KA上に、図5(図1)に示したピット配列を有する情報ユニット5を350nmピッチで規則的に配列した。
また、位相ピット3・4の直径を60nmとし、位相ピット3・4の形成ピッチを100nmとした。
また、これら一対のサーボユニット61・62については、12800個の情報ユニット5の前に設けた。
一方、情報ユニット5の形成時では、位相ピット3・4を形成すべき位置に、露光可能な集光電子ビームを照射することにより、相対的に小さな位相ピットを形成した。
そして、この原盤から光ディスク用スタンパーを形成し、このスタンパーを用いて射出成形を行うことにより透明基板7を形成した。
さらに、この金属反射膜8上に、保護膜9として、0.1mm厚のポリカーボネートシートを、紫外線硬化樹脂により貼り合わせた。
ここで、半導体レーザー光源21として、波長405nmの半導体レーザー素子を使用した。また、レーザー光Lを光ディスク1に集光する集光レンズ24として、開口数(NA)0.85のレンズを使用した。
また、レーザー光Lについては、光ディスク1の保護膜9側から入射した。
この場合、トータル光量比較回路43による最終的な識別段階では、最大でも4種類のトータル反射光量の識別を行うだけであった。このため、情報ユニット5の識別が容易となり、表1に示す識別方法に比して、情報再生を安定的に実現できた。
また、実施例1に示した光ディスク1の構成において、図9に示すピット配列からなる情報ユニット5を有する光ディスク1を形成した。
この構成では、位相ピット3を、位相ピット4を中心とする正六角形の頂角位置に配置し、かつ、その六角形を2分する対角線の一つを、情報トラック2と重なるように配置した。
また、実施例1と同様に、位相ピット3・4の直径を60nm,形成ピッチを100nm,深さを40nmとした。
また、光検出器31として6分割光検出素子を用いることにより、実施例1と同様な手順に従って、各情報ユニット5におけるピット配列を識別でき、7ビットのデータを復調できた。
また、実施例1および実施例2に示した光ディスク1の構成において、図10および図11に示すサーボユニット61・62を有する光ディスク1を形成した。
これらの光ディスク1においては、サーボユニット61・62として、情報ユニット5と同一構成のピット配列(全ての位相ピット3および位相ピット4を備えたもの)を形成した。
また、サーボユニット61・62の中心位置が、情報トラック2から相対する方向に100nm離れるように設計した。
また、従来、さらに高密度な光ディスクを実現するためには、情報単位内の位相ピットの配列方法が、情報が記録された情報単位から、安定して情報を再生するために、重要な課題となる。
また、一般に、フォーカシングは常時行なわれている。この際、記録情報単位を構成する位相ピットからのフォーカスサーボ信号への信号混入により、フォーカスサーボが乱されることになるが、ローパスフィルターを通して、位相ピットに対応する高周波信号成分を取り除くことにより、安定したフォーカシングを行える。トラッキングについては、サーボ情報単位の位置のみで、トラッキング信号を得て、記録情報単位の位置では、集光レンズ位置を固定して、情報の再生が行われる。
すなわち、第1光メモリ素子は、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成された記録情報単位が、情報トラックに沿って等間隔に配置された光メモリ素子において、該情報トラックに対して、相対する方向に偏移して、一対のサーボ情報単位が設けられた構成である。これにより、上記情報トラックに対して、相対する方向に偏移して配置された一対のサーボ情報単位からの反射光によりトラッキングを行う所謂サンプルサーボ方式によるトラッキングが可能である。従って、情報トラックに対して非対称な記録情報単位が存在するような場合においても、安定したトラッキングが実現し、記録情報単位の識別を正確に行うことができる。
2 情報トラック
3 位相ピット(周囲位相ピット)
4 位相ピット(中央ピット)
5 情報ユニット
6 ビームスポット
7 透明基板
8 金属反射膜
9 保護膜
10 スピンドル
11 光ピックアップ
12 回路基板
13 集光レンズ
21 半導体レーザー光源
22 コリメータレンズ
23 ビームスプリッタ
24 集光レンズ
25 アクチュエータ
26 ビームスプリッタ
27 集光レンズ
28 シリンドリカルレンズ
29 制御用光検出器
30 集光レンズ
31 光検出器
41 スピンドル制御回路
42 レーザー制御回路
43 トータル光量比較回路
44 部分光量比較回路
45 復調回路
46 エラー訂正回路
47 フォーカシング/トラッキング回路
61 サーボユニット
62 サーボユニット
A〜D 分割線
D1〜D8 部分受光面
KA 記録領域
L レーザー光
La 反射レーザー光
R1〜R8 受光信号
SA サーボ領域
X−X’ 直線
a〜j 光量識別子
Claims (13)
- 情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えていることを特徴とする光メモリ素子。 - 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットから等距離に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
- 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットを中心とする四角形の頂角位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光メモリ素子。
- 上記の四角形における一方の対角線が、情報トラックと重なっていることを特徴とする、請求項3に記載の光メモリ素子。
- 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットを中心とする六角形の頂角位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光メモリ素子。
- 上記の六角形における中心を通る対角線の1つが、情報トラックと重なっていることを特徴とする、請求項5に記載の光メモリ素子。
- 上記サーボユニットが、情報ユニットを構成する位相ピットよりも大きなパターンからなることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
- 上記サーボユニットが、複数のパターンの集合からなることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
- 上記サーボユニットのパターンが、情報ユニットと同様の位相ピットであることを特徴とする請求項8に記載の光メモリ素子。
- 上記サーボユニットが、全ての周囲位相ピットと中央位相ピットとからなることを特徴とする請求項9に記載の光メモリ素子。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の光メモリ素子に光を照射し、その反射光に基づいて情報を再生する光再生装置において、
情報ユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する再生用光検出器と、
再生用光検出器から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニットのピット配列を特定するピット配列特定回路とを備えていることを特徴とする光再生装置。 - 上記の光メモリ素子におけるサーボユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する制御用光検出器と、
制御用光検出器から出力される受光信号に基づいて、光メモリ素子に照射する光のトラッキング制御を行う光制御回路とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の光再生装置。 - 上記の制御用光検出器を、再生用光検出器と別体に設けていることを特徴とする請求項12に記載の光再生装置。
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