JP4105128B2 - 光メモリ素子および光再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録情報に応じた複数の情報ユニットの形成された光メモリ素子に関するものである。
従来、DVDやCDなどの光ディスクでは、ディスク面にピット(位相ピット)を形成することで、情報を記録するようになっている。
また、従来、複数のピットを用いて1つの情報ユニット(情報単位)を記録する技術が開発されている(特許文献1)。図12(0)〜(F)は、この技術を示す説明図である。
この図に示すように、この技術では、情報ユニット100を、0〜4個のピット101により記録するようになっている。
また、ピット101は、情報ユニット100内で、記録トラック102上に中心を有する正方形Tの頂点に位置している。
そして、この技術では、ピット101の数・位置の組み合わせ(ピット配列)により、情報ユニット100の情報(記録内容)を決定するように設計されている。従って、情報の種類は、図12(0)〜(F)に示すような16通りとなる。
ここで、図12(0)〜(F)に示した情報ユニット100の再生について説明する。再生では、情報ユニット100に照射された光ビームの各ピットからの反射光を、受光面を8分割して形成される、図13に示す8つの部分受光面D1〜D8を有する光検出器103で受ける。そして、部分受光面D1〜D8の受光状態に基づいてピット配列を判別し、その情報を読み取ることとなる。
特開平7−21568号公報 (公開日;1995年1月24日) 特開平5−28649号公報 (公開日;1993年2月5日)
しかしながら、上記した従来技術では、ピット101が、情報ユニット100内の正方形Tの頂点に配置される。従って、一つの情報ユニット100に記録可能な情報は、16種類に限られることになる。
また、従来技術では、情報ユニット100からの反射光を得るために、受光面を8つに分割した8分割光検出素子を用いている。このため、8つの部分受光面D1〜D8からの信号を処理するための、回路規模の大きい、複雑な信号処理回路が必要となる。
従って、再生装置の低コスト化が困難となるとともに、信号処理時間の増大による、再生速度(情報転送速度)の低下を招来してしまう。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、複雑な再生回路を必要とすることなく安定的に再生可能で、かつ、記録密度の高い光ディスク(光メモリ素子)を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の光メモリ素子(本メモリ素子)は、
情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えていることを特徴としている。
本メモリ素子は、DVD(Digital Versatile Disc)・CD(compact disk)などの光ディスクや光カードなど、光照射によって読み取られる情報を記録するタイプの記録媒体である。
また、本メモリ素子に対する情報の記録は、情報トラックに沿って、位相ピットからなる情報ユニットを形成することによってなされる。
位相ピットとは、本メモリ素子の基板上に形成された窪み(あるいは突起)のことであり、基板の平らな部分(位相ピットの形成されていない部分)と光の反射率の異なるものである。
また、情報ユニットは、本メモリ素子における記録の単位であり、位相ピットの群から形成されるものである。
すなわち、本メモリ素子では、1つの情報ユニットに属する位相ピットの数・位置の組み合わせ(ピット配列)により、情報ユニットの表す情報を決定するようになっている。
また、本メモリ素子に対する情報の再生については、情報ユニットに光を照射して得られる反射光に基づいて、情報ユニットをなすピット配列を特定することによってなされる。
そして、特に、本メモリ素子では、情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなっている。
従って、本メモリ素子では、周囲位相ピットのみによってピット配列を構成する場合に比して、記録密度を格段に高めることが可能となっている。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットの中心に位相ピットを配している。従って、位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
また、本メモリ素子では、情報の再生に必要な再生用光検出器の受光面の分割数(部分受光面数)を、周囲位相ピットの数と同数とできるようになっている。
すなわち、例えば、情報ユニットのピット配列が、4つの周囲位相ピットのみから構成される場合、情報ユニットからの反射強度分布は、四角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、四角形となる)。
このため、情報の再生に使用される再生用光検出器は、4つの周囲位相ピットに対応するようにその受光面を4分割されることとなり、4つの部分受光面を有する4分割光検出器となる。
また、通常、4つの部分受光面は、再生用光検出器の中央を通る2本の分割線によって分割されているため、再生用光検出器の中央から放射状に伸びる扇形形状を有している。
そして、再生用光検出器では、4つの部分受光面のそれぞれに入射する光強度に応じて、情報ユニットにおける4つの周囲位相ピットの有無(どの周囲位相ピットを有しているか)を判別し、判別結果に基づいてピット配列を求めることとなる。
また、4つの周囲位相ピットの中央に中央位相ピットを配した本メモリ素子のピット配列に関しても、上記と同様の、4つの部分受光面を有する4分割光検出器を使用できる。
すなわち、中央位相ピットからの反射光の強度分布は、再生用光検出器の中心からの距離に依存する強度分布となる(再生用光検出器の中心から等距離位置に入射する光強度が等しくなる)。従って、再生用光検出器における4つの部分受光面のそれぞれには、中央位相ピットから、等しい強度の反射光が入射することになる。
従って、4分割光検出器を用いて本メモリ素子を再生する場合、中央位相ピットの有無については、受光面全体での受光量の合計(情報ユニット(ピット配列)全体からの総反射光量;トータル反射光量)の強度から判別できることとなる。
一方、上記したように、周囲位相ピットの有無については、4つの部分受光面のそれぞれに入射する光強度によって判別できる。
このように、本メモリ素子では、中央位相ピットを有しているため、n(整数)個の位相ピットを用いて情報ユニットを構成するけれども、受光面をn−1に分割した光検出器を用いて情報を再生することが可能である。
従って、本メモリ素子は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光メモリ素子となっている。
さらに、本メモリ素子は、情報トラックの両側にそれぞれ配された1対のサーボユニットを備えている。
ここで、一対のサーボユニットとは、情報トラック2に垂直な方向に互いにずれた状態で、情報トラックを挟むように配されているパターン対である。
なお、パターン対のずれは、2つのサーボユニットが、情報トラックを軸として線対称となるような値となっていることが好ましい。
また、パターンとは、位相ピットのような、基板上に形成された窪み(あるいは突起)のことである。
ここで、サーボユニットのない光メモリ素子を再生する場合、情報ユニットからの反射光に基づいて、プッシュプル法等によりトラッキングを制御することとなる。
このとき、ピット配列が径方向に非対称である場合、情報トラックの両側からの反射光強度が非対称となる。このため、プッシュプル信号が乱され、正確なトラッキング制御を行えない(トラッキングが不安定となる)可能性がある。そして、トラッキングが不安定となると、各情報ユニットからの正確なトータル反射光量の測定が困難となるため、情報ユニットのピット配列を正確に識別できなくなってしまう。
一方、本メモリ素子のようなサーボユニットを備えている場合、サーボユニットからの反射光を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを制御できる。従って、本メモリ素子を用いれば、安定したトラッキングを実現できるので、高精度に情報を再生することが可能である。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットを、中央位相ピットから等距離に配することが好ましい。
この構成では、再生のために情報ユニットに照射される光スポット内に、全位相ピットを効率よく(高密度)に配置することが可能となる。従って、再生に使用する光スポットを小さくできる。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットを、中央位相ピットを中心とする四角形の頂角位置に配置することも好ましい。
この構成では、情報ユニットが、5つの位相ピット、すなわち、情報トラック上に配される1つの中央位相ピットと、その周囲に位置する4つの周囲位相ピットとの組み合わせからなっている。
この構成では、1つの情報ユニットに関し、32(2)種類の情報(5ビットのデータ)を多重記録することが可能となっている。このため、4つの周囲位相ピットのみによってピット配列を構成する場合に比して、記録密度を格段に高めることが可能となっている。
なお、5ビットのデータを多重記録するために、五角形の5つの頂角に位相ピットを配する場合、情報ユニットからの反射強度分布は、五角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、五角形となる)。このため、それぞれの位相ピットに応じて部分受光面を設け、各部分受光面への入射光強度に基づいて、各位相ピットの有無を判定する必要がある。
従って、再生用光検出器の部分受光面数(分割数)を、5つとする必要が生じる。このため、各部分受光面への入射光強度を処理するための回路が複雑となり、コスト高となる。
また、光検出器の部分受光面を5つとすることにより、隣接する受光面間の角度差が小さくなり、位相ピットの位置決定の精度が低下して再生エラーを増加させてしまうという欠点もある。
また、この場合、周囲位相ピットを、対角線の一方が情報トラックに重なる四角形の頂角位置に配することが好ましい。
これにより、ピット配列を、情報トラックを軸とした線対称に設定しやすくなる。ピット配列をこのような線対称に設定すると、上記のようなプッシュプル信号の乱れを確実に防止できる。従って、プッシュプル法によっても、本メモリ素子のトラッキング制御を安定的に実現できる。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットを、中央位相ピットを中心とする六角形の頂角位置に配置することも好ましい。
この構成では、1つの情報ユニットに関し、128(2)種類の情報(7ビットのデータ)を多重記録することが可能となっている。記録密度を格段に高めることが可能となっている。
また、六角形の頂角位置と中心(重心)位置とに位相ピットを配しているため、位相ピットの密度を最も高められる(最密充填できる)ようになっている。
従って、本メモリ素子に、多数の情報ユニットを形成できるため、本メモリ素子の記録密度をより向上させられる。さらに、再生に使用する光スポットを非常に小さくできる。
なお、7ビットのデータを多重記録するために、七角形の7つの角に位相ピットを配する場合(7つの周囲位相ピットを用いる場合)、情報ユニットからの反射強度分布は、七角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、七角形となる)。このため、それぞれの位相ピットに応じて部分受光面を設け、各部分受光面への入射光強度に基づいて、各位相ピットの有無を判定する必要がある。
従って、再生用光検出器の部分受光面数(分割数)を、7つとする必要が生じる。このため、各部分受光面への入射光強度を処理するための回路が複雑となり、コスト高となる。
また、光検出器の部分受光面を7つとすることにより、隣接する受光面間の角度差が小さくなり、位相ピットの位置決定の精度が低下して再生エラーを増加させてしまうという欠点もある。
また、周囲位相ピットを六角形の頂角位置に配する構成では、六角形の中心を通る対角線の1つを、情報トラックと重ねることが好ましい。
これにより、ピット配列を、情報トラックを軸とした線対称に設定しやすくなる。ピット配列をこのような線対称に設定すると、上記のようなプッシュプル信号の乱れを確実に防止できる。従って、プッシュプル法によっても、本メモリ素子のトラッキング制御を安定的に実現できる。
また、本メモリ素子におけるサーボユニットについては、情報ユニットを構成する位相ピットよりも大きなパターンによって形成することが好ましい。
これにより、サーボユニットによる反射光の強度変化量を大きくできるので、サンプルサーボ法によるトラッキング制御を容易に行えることとなる。
また、本メモリ素子におけるサーボユニットについては、サイズの大きな1つのパターンを用いてもよいし、小サイズの複数のパターンの集合から構成してもよい。
また、サーボユニットを複数のパターンから構成する場合、そのパターンとして、情報ユニットと同様の位相ピットを用いることが好ましい。
この構成では、情報ユニットを構成する位相ピット(パターン)と、サーボユニットを構成するパターンとが同一の大きさとなるため、サーボユニットを形成しやすいという利点がある。
また、サーボユニットのパターンとして情報ユニットの位相ピットを用いる場合、サーボユニットのパターンを、全ての周囲位相ピットと中央位相ピットとから構成することが好ましい。
これにより、サーボユニットによる反射光の強度変化量を大きくできるので、サンプルサーボ法によるトラッキング制御を容易に行えることとなる。
なお、本メモリ素子としては、上記したように、光ディスクや光カードとして形成することが可能である。
ここで、光ディスクとは、情報トラックがスパイラル状(渦状)あるいは同心円状に形成されたものである。また、光カードとは、直線状の情報トラックを有するものである。
また、本発明の光再生装置(本再生装置)は、本メモリ素子の情報ユニットに光を照射し、その反射光に基づいて情報を再生する光再生装置において、
情報ユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する再生用光検出器と、
再生用光検出器から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニットのピット配列を特定するピット配列特定回路とを備えている構成である。
本再生装置は、本メモリ素子を再生するための装置であり、本メモリ素子の情報ユニットに光を照射して、その反射光に基づいて、情報ユニットのピット配列を特定して再生を行うものである。
すなわち、本再生装置では、再生用光検出器が、情報ユニットからの反射光を受光し、受光量に応じた受光信号を出力する。そして、この受光信号に基づいて、ピット配列特定回路が、再生にかかる情報ユニット(光を照射された情報ユニット)のピット配列を特定するように設計されている。
また、本再生装置に、制御用光検出器を備えてもよい。この制御用光検出器は、サーボユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を光制御回路に出力するものである。
ここで、光制御回路とは、制御用光検出器から出力される受光信号に基づいて、光メモリ素子に照射する光のトラッキング制御を行うためのものである。
なお、この光制御回路は、サーボユニットからの反射光に基づいて、光メモリ素子に照射する光のフォーカシング制御(フォーカス制御)を行うように設定されていてもよい。
また、上記の制御用光検出器については、再生用光検出器とは別体とすることが好ましい。
通常、制御用光検出器に照射される反射光は、シリンドリカルレンズによってフォーカスされるため、波面の乱れたものとなる。従って、制御用光検出器と再生用光検出器とを1つの光検出器で兼用すると、再生用光検出器に対しても、波面の乱れた反射光が照射されてしまう。
このため、受光面での光強度分布に乱れが生じ、情報ユニットのピット配列を正確に特定することが困難となる。
従って、制御用光検出器を再生用光検出器と別体に設けることにより、再生用光検出器に波面の乱れた反射光を照射してしまうことを回避することが可能となる。これにより、正確な光の制御と情報再生とを両立させられる。
以上のように、本発明の光メモリ素子(本メモリ素子)は、
情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えている構成である。
本メモリ素子では、情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなっている。
従って、本メモリ素子では、周囲位相ピットのみによってピット配列を構成する場合に比して、記録密度を格段に高めることが可能となっている。
また、本メモリ素子では、周囲位相ピットの中心に位相ピットを配している。従って、位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
また、本メモリ素子では、情報の再生に必要な再生用光検出器の受光面の分割数(部分受光面数)を、周囲位相ピットの数と同数とできるようになっている。
すなわち、本メモリ素子では、中央位相ピットを有しているため、n(整数)個の位相ピットを用いて情報ユニットを構成するけれども、受光面をn−1に分割した光検出器を用いて情報を再生することが可能である。
従って、本メモリ素子は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光メモリ素子となっている。
さらに、本メモリ素子は、情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えている。
従って、本メモリ素子を再生する場合、サーボユニットからの反射光を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを制御できる。このため、本メモリ素子を用いれば、安定したトラッキングを実現できるので、高精度に情報を再生することが可能である。
本発明の一実施形態について説明する。
本実施の形態にかかる光ディスク装置(本ディスク装置;光再生装置)は、光ディスクに記録された情報を再生するための再生装置である。
図2は、本ディスク装置の構成を示す説明図である。
この図に示すように、本ディスク装置は、スピンドル10,光ピックアップ11,回路基板12を備えている。
スピンドル10は、再生する光ディスク1を固定した状態で回転するものである。
なお、光ディスク1の構成については、後に詳細に説明する。
光ピックアップ11は、回転中の光ディスク1に対し、その半径方向に移動しながらレーザー光(光ビーム)Lを照射するものである。本ディスク装置では、このレーザー光Lの照射により、光ディスク1の情報を再生するようになっている。
回路基板12は、スピンドル10および光ピックアップ11を駆動するための複数の回路群を有する基板である。
図2に示すように、光ピックアップ11は、半導体レーザー光源21,コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23,集光レンズ24,アクチュエータ25,ビームスプリッタ26,集光レンズ27,シリンドリカルレンズ28,制御用光検出器29,集光レンズ30,光検出器(再生用光検出器)31を備えている。
半導体レーザー光源21は、レーザー光Lを生成する光源である。
コリメータレンズ22は、半導体レーザー光源21から出射されたレーザー光Lの光束を平行とするものである。
ビームスプリッタ23は、コリメータレンズ22を透過したレーザー光Lを透過する一方、光ディスク1側(集光レンズ24側)から入射するレーザー光Lを反射し、その進路を直角に曲げるものである。
集光レンズ24は、ビームスプリッタ23を透過したレーザー光Lを集光し、光ディスク1の記録面上に集光照射するものである。また、集光レンズ24は、光ディスク1によって反射された反射レーザー光Laを集光する機能も有している。
アクチュエータ25は、フォーカシング調整およびトラッキング調整を行うため、集光レンズ24の位置を調整する(集光レンズ24を駆動する)ものである。
なお、光ディスク1によって反射レーザー光Laは、入射時の光路を戻り、ビームスプリッタ23により反射され、ビームスプリッタ26に導かれる。
ビームスプリッタ26は、反射レーザー光Laの一部を透過し、一部を集光レンズ30側に反射するものである。
集光レンズ27,シリンドリカルレンズ28は、ビームスプリッタ26を透過した反射レーザー光Laを制御用光検出器29に集光するものである。
制御用光検出器29は、反射レーザー光Laに基づいて、後述する受光信号R5〜R8を出力するものである。
また、集光レンズ30は、ビームスプリッタ26によって反射された反射レーザー光Laを光検出器31に集光するものである。
光検出器31は、反射レーザー光Laを受光して電気信号(受光信号)を生成するものである。
なお、この光検出器31の構成については後述する。
また、図2に示すように、回路基板12は、スピンドル制御回路41,レーザー制御回路42,トータル光量比較回路43,部分光量比較回路44,復調回路45,エラー訂正回路46,フォーカシング/トラッキング回路47を備えている。
スピンドル制御回路41は、スピンドル10に固定された光ディスク1を、スピンドル10とともに回転駆動するものである。
レーザー制御回路42は、半導体レーザー光源21を制御(駆動)して、レーザー光Lを照射させるものである。
フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29の生成する受光信号R5〜R8に基づいて、非点収差法によりフォーカシング信号を生成するとともに、サンプルサーボ法によりトラッキング信号を生成するものである。そして、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいてアクチュエータ25を駆動し、フォーカシングとトラッキングとを行うものである。
なお、フォーカシング/トラッキング回路47および制御用光検出器29の動作については後述する。
回路43〜46は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、再生信号を生成する回路群である。
なお、これら回路43〜46についても、後に詳細に説明する。
また、本ディスク装置には、回路基板12の回路を制御することによって、本ディスク装置の全動作を制御するための制御部(図示せず)が備えられている。
ここで、光ディスク1の構成について説明する。
図3は、光ディスク(光メモリ素子)1の構成を示す平面図である。光ディスク1は、直径120mmの円盤形状を有しており、図3に示すように、その記録面(表面)に、情報を記録するための情報トラック2をスパイラル(渦巻き)状に備えたものである。
また、図4は、光ディスク1の断面図である。
この図に示すように、光ディスク1は、透明基板7、金属反射膜8,保護膜9をこの順に積層した構成を有している。
透明基板7は、ポリカーボネート樹脂等の透明材料からなるものである。
金属反射膜8は、透明基板7の表面を覆う金属膜であり、その材料としては、例えば、アルミニウムを用いることが可能である。
保護膜9は、金属反射膜8を覆う保護膜である。
また、透明基板7における金属反射膜8との界面には、凸状の位相ピット3・4が形成されている。これら位相ピット3・4は、情報の記録単位(記録情報単位)である情報ユニット5をなすものであり、上記の情報トラック2に沿って形成されている。
また、図1は、情報トラック2を詳細に示す説明図である。この図に示すように、情報トラック2には、自身の伸びる方向に沿って、サーボ領域SAと記録領域KAとを含むセクタが、連続的かつ周期的に形成されている。
サーボ領域SAは、セクタの先頭位置配されている領域であり、一対のサーボユニット(サーボ情報単位)61・62を備えている。
また、サーボ領域SAに続いて形成される記録領域KAは、複数の情報ユニット5を有している。
サーボユニット61・62は、制御用光検出器29,フォーカシング/トラッキング回路47によって行われるフォーカシング制御およびトラッキング制御に利用されるものである。
なお、このサーボユニット61・62については後述する。
情報ユニット5は、情報の記録単位(情報単位)である。
この情報ユニット5は、最大で4つの位相ピット3と、最大で1つの位相ピット4とからなる情報単位であり、情報トラック2上に、規則的に(等間隔で)配列されている。
位相ピット(周囲位相ピット)3は、対角線の一方が情報トラック2と重なる正方形(正四角形)の頂角位置(正方形の中心から等距離の位置)に配置される位相ピットである。また、位相ピット(中央位相ピット)4は、この正方形の中心位置(重心位置)に配置される位相ピットである。
そして、光ディスク1では、位相ピット3・4の数・位置の組み合わせ(位相ピットの配列状態;ピット配列)により、情報ユニット5の情報(記録内容)を決定するように設計されている。
図5は、情報ユニット5のピット配列の種類(情報の種類)を示す説明図である。この図に示すように、光ディスク1では、情報ユニット5が、32通りのピット配列1ax〜32jxをとるように設計されている。
すなわち、情報ユニット5は、ピット配列1ax〜32jxに応じた、32通りの情報を有するように設計されている。
ここで、ピット配列1axは、位相ピットのない状態である。
また、ピット配列2by,3by,4by,5by,6cxは、1個の位相ピットを有する配列状態である。
さらに、ピット配列7dx,8dx,9dy,10dy,11dy,12dy,13ey,14ey,15ey,16eyは、2個の位相ピットからなる配列状態である。
また、ピット配列17fy,18fy,19fy,20fy,21gy,22gy,23gy,24gy,25gx,26gxは、3個の位相ピットによって形成される配列状態である。
また、ピット配列27hx,28iy,29iy,30iy,31iyは、4個の位相ピットからなる配列状態である。
最後に、ピット配列32jxは、5個の位相ピットで構成される配列状態である。
なお、ピット配列1ax〜32jxの符号は、各ピット配列の「通し番号,光量識別子,対称性識別子」を組み合わせたものである。
すなわち、通し番号は、ピット配列の全32種類に1つづつ付される番号(1〜32)である。
また、上記の光量識別子は、そのピット配列を有する情報ユニット5から後述する光検出器31に入射する、反射レーザー光Laの総光量(トータル反射光量)に応じたものである。
すなわち、本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザー制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザー光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。
このとき、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置(情報トラック2)に重なるように照射される。
これにより、情報トラック2上の情報ユニット5によってレーザー光Lが反射され、反射レーザー光Laが生成される。
また、この反射レーザー光Laの光量は、情報ユニット5のピット配列に応じて変化する。
すなわち、光量識別子は、各情報ユニット5におけるピット配列に応じた反射レーザー光Laの光量を示す値である。そして、光ディスク1では、各ピット配列のトータル反射光量を、10種類の光量識別子a〜jによって分類するようになっている。
なお、同じ光量識別子a〜jを有するピット配列では、トータル反射光量はほぼ等しくなる。また、a〜jの順で、トータル反射光量は小さくなる。
ここで、位相ピット3・4の数・位置と、トータル反射光量との関係について説明する。
位相ピット3・4の存在する場合、これらが存在しない場合よりも反射光量は小さくなる。
また、レーザー光Lにおけるビームスポット6の強度分布は、ガウシアン分布となっており、従って、ビームスポット6では、その中心の光強度が周囲よりも強くなっている。さらに、上記したように、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置に重なるように照射される。
このため、頂角位置に位相ピット3のある場合よりも、中心位置に位相ピット4のある場合の方が、反射光量が小さくなる傾向にある。
ピット配列2by〜5byは、いずれも、ビームスポット6の外周位置に対応する1つの位相ピット3が存在し、トータル反射光量が等しくなる。
また、ピット配列6cxでは、ビームスポット6の中心位置に対応する位相ピット4が1つ存在するため、ピット配列2by〜5byに比べて、トータル反射光量が小さくなる。
次に、位相ピット3が2個になる7dx〜12dyでは、位相ピット数の増加により、トータル反射光量がピット配列6cxよりも小さくなる。
また、ピット配列13gy〜16eyでは、位相ピット4と位相ピット3とを1つずつ有しているため、ピット配列7dx〜12dyよりもトータル反射光量が小さくなる。以降、同様にして、位相ピット数の増加に伴い、トータル反射光量が減少する。
また、ピット配列の対称性識別子は、情報トラック2の伸びる方向(周方向)および光ディスク1の径方向(情報トラック2に垂直で、ピット配列の中心を通る方向(半径方向))に対する、ピット配列の対称性を示す識別子(xあるいはy)である。
すなわち、ピット配列が、周方向に線対称である場合(半径方向に沿った軸に対して線対称である場合)であって、かつ、径方向にも線対称である場合(情報トラック2に対して線対称である場合)、対称性識別子はxとなる。
一方、いずれかの方向に対して線対称となっていない場合、対称性識別子はyとなる。
次に、光検出器31の構成について説明する。
図6は、光検出器31の構成を示す説明図である。この図に示すように、光検出器31は、受光面を4分割してなる、4つの部分受光面(光検出素子)D1〜D4を備えている。
部分受光面D1〜D4は、光検出器31における円形の受光面を、受光面の中心を通り、互いに直交する2本の分割線A・Bで分割して形成されるものであり、光検出器31の受光面の中心から放射状に伸びる扇形形状を有している。
そして、この部分受光面D1〜D4は、自身の受光した反射光量に応じた電圧値を有する電圧信号(受光信号)R1〜R4を、それぞれ出力するものである。
また、光検出器31では、部分受光面D1〜D4を分割する分割線A・Bが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線(光検出器31の受光面上での、情報トラックに対応する直線)X−X’と45°の角度を成すように配置されている。
ここで、各位相ピット3・4と部分受光面D1〜D4との関係について説明する。
個々の位相ピットからの反射光は、回折光となって部分受光面D1〜D4の全面に入射する。また、複数の位相ピットの存在する場合、それぞれの位相ピットからの回折光が干渉して、部分受光面D1〜D4に入射することになる。すなわち、各位相ピットからの反射光は、部分受光面D1〜D4の1つではなく、全てに入射される。
しかしながら、1つの位相ピット3からの反射光は、その位相ピット3に対応する位置にある、いずれかの部分受光面D1〜D4に入射する強度が相対的に大きくなる(その位相ピット3から遠い位置にある素子に入射する光の強度が、相対的に小さくなる)。
例えば、ピット配列2byでは、部分受光面D2に入射する光の強度が相対的に大きくなり、部分受光面D4に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
また、四角形の中心に位置する位相ピット4からの反射光は、全ての部分受光面D1〜D4の中心付近に均等に入射する。
従って、1つの位相ピット4のみを有するピット配列6cxでは、全ての部分受光面D1〜D4の中心付近に入射する光の強度が相対的に大きくなり、周辺領域に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
次に、図2に示した、回路基板12の回路43〜46について説明する。
これらの回路43〜46は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニット5のピット配列を識別し、識別結果に応じた再生信号を生成する回路群である。
トータル光量比較回路43は、光検出器31の全ての部分受光面D1〜D4から出力される受光信号R1〜R4を加算して、トータル反射光量を求める。そして、その値から、再生にかかる情報ユニット5のピット配列における、光量識別子a〜jを導出する機能を有している。
なお、ピット配列1ax,6cx,27hx,32jxには、同じトータル反射光量となる他のピット配列が存在しない。このため、再生にかかる情報ユニット5が上記のピット配列である場合には、トータル光量比較回路43だけで、ピット配列の識別が完了する。
部分光量比較回路44は、トータル光量比較回路43の導出した光量識別子a〜jに基づいて、再生にかかる情報ユニット5のピット配列を識別するものである。
表1に、部分光量比較回路44による識別条件を示す。
Figure 0004105128
この表に示すように、部分光量比較回路44は、光量識別子a〜jに応じて、受光信号R1〜R4の大小関係を算出する。
すなわち、部分光量比較回路44は、まず、R2とR4との大小関係の算出(比較)を行う(識別条件I)。次に、部分光量比較回路44は、R1とR3との大小関係を算出し(識別条件II)、最後に,R1とR2との大小関係を算出する(識別条件III)。
これにより,全ての情報ユニット5を識別することが可能となる。
このように、部分光量比較回路44は、光量識別子に基づいて受光信号R1〜R4の強度を比較することにより、32種類の全てのピット配列を識別することが可能となっている。
復調回路45は、部分光量比較回路44によるピット配列の識別結果に基づいて、復調信号(復調データ)を生成するものである。
なお、表1に、各ピット配列に応じた復調信号を示している。
図5に示したように、本ディスク装置では、情報ユニット5のピット配列が32種類存在する。従って、1つの情報ユニット5を用いて32種類の情報を多重記録することが可能であり、このため、1つの情報ユニットから5ビットの復調信号を得られることになる。
エラー訂正回路46は、復調回路45によって生成された復調信号に対し、エラー訂正を施し、再生信号を生成するものである。
そして、本ディスク装置では、図示しない変換回路によって、再生信号を映像信号(映像情報)や音声信号(音声情報)に変換する。そして、これらの信号を、表示画面やスピーカーなどの表示装置(図示せず)によって表示するようになっている。
以上のように、光ディスク1では、情報ユニット5のピット配列が、5つの位相ピット、すなわち、情報トラック上に配される1つの位相ピット4と、その周囲に位置する4つの位相ピット3との組み合わせからなっている。
ここで、位相ピット3は、一方の対角線が情報トラック2と重なる四角形の頂角位置に配される位相ピットである。
また、位相ピット4は、この四角形の中心位置に配される位相ピットである。
このように、光ディスク1では、4つの位相ピット3、および、その中央の1つの位相ピット4によって、情報ユニット5のピット配列が形成されるように設計されている。
従って、光ディスク1では、1つの情報ユニット5に関し、32(2)種類の情報(5ビットのデータ)を多重記録することが可能となっている。このため、4つの位相ピット3のみによってピット配列を構成する場合に比して、記録密度の格段に高い、大容量の光ディスクを構成することが可能となっている。
また、光ディスク1では、情報の再生に必要な光検出器31の受光面の分割数(部分受光面数)を、4つとできるようになっている。
すなわち、情報ユニット5のピット配列が、4つの位相ピット3のみから構成される場合、情報ユニット5からの反射強度分布は、四角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、四角形となる)。
このため、情報の再生に使用される光検出器31は、4つの位相ピット3に対応するようにその受光面を4分割されることとなり、4つの部分受光面D1〜D4を有する4分割光検出器となる。
そして、光検出器31では、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する反射光強度に応じて、情報ユニット5における4つの位相ピット3の有無(どの位相ピット3を有しているか)を判別し、判別結果に基づいてピット配列を求めることとなる。
また、4つの位相ピット3の中央に位相ピット4を配した光ディスク1のピット配列に関しても、上記と同様の、4つの部分受光面D1〜D4を有する光検出器31を使用できる。
すなわち、位相ピット4からの反射光の強度分布は、光検出器31の中心からの距離に依存する強度分布となる(光検出器の中心から等距離位置に入射する光強度が等しくなる)。従って、光検出器31における4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれには、位相ピット4から、等しい強度の反射光が入射することになる。
従って、4分割光検出器である光検出器31を用いて光ディスク1を再生する場合、位相ピット4の有無については、受光面全体での受光量の合計(情報ユニット5(ピット配列)全体からの総反射光量;トータル反射光量)の強度から判別できることとなる。
一方、上記したように、位相ピット3の有無については、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する光強度によって判別できる。
このように、光ディスク1では、5つの位相ピット3・4を用いて情報ユニット5を構成するけれども、光検出器31のような4分割光検出器を用いて情報を再生することが可能である。
従って、光ディスク1は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光ディスクとなっている。
なお、五角形の5つの角に位相ピットを配する場合、情報ユニット5からの反射強度分布は、五角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、五角形となる)。このため、それぞれの位相ピットに応じて部分受光面を設け、各部分受光面への入射光強度に基づいて、各位相ピットの有無を判定する必要がある。
従って、光検出器の部分受光面数(分割数)を、5つとする必要が生じる。このため、各部分受光面への入射光強度を処理するための回路が複雑となり、コスト高となる(特に、部分光量比較回路44が複雑化する)。
また、光ディスク1では、四角形の頂角と中心とに位相ピット3・4を配している。従って、光ディスク1内での位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
また、本ディスク装置では、反射レーザー光Laに応じて再生にかかる情報ユニット5のピット配列を特定するために、トータル光量比較回路43および部分光量比較回路44を備えている。
そして、トータル光量比較回路43によってトータル反射光量を特定し、情報ユニット5のピット配列を大まかに判別(光量識別子毎に判別)している。
その後、特定されたトータル反射光量に応じて、部分光量比較回路44が、各部分受光面D1〜D4に入射した光の大きさを比較(部分比較)し、情報ユニット5のピット配列を特定するようになっている。
このように、この構成では、部分光量比較回路による部分比較を行う前に、トータル光量比較回路によって、ピット配列を大まかに判別している。
従って、部分光量比較回路によるピット配列の特定に必要な部分比較の種類・回数を、少なくすることが可能となっている。
また、本ディスク装置では、光検出器31における部分受光面D1〜D4を分割する分割線A・Bが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度を成している。
ここで、分割線A・Bの一方が情報トラック2に対応する直線X−X’と重なるように(平行となるように)、光検出器31を配置してもよい。この構成でも、同様の識別プロセスにより、情報ユニット5のピット配列を識別できる。
しかしながら、この場合、光強度変化の最も大きくなる位置(各位相ピット3に対応する位置)に、分割線が存在することになる。このため、部分受光面D1〜D4による光強度分布の検出精度が低下する。
従って、検出精度を向上させるためには、分割線A・Bを、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度となるように配置することが好ましいといえる。
この場合には、部分受光面D1〜D4の中心を、各位相ピット3に対応する位置(各位相ピット3からの反射光が最大となる位置)に配置できる。従って、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに対し、位相ピット3を1対1で対応させられる。このため、4つの部分受光面D1〜D4によって、4種類の位相ピット3の有無を明確に判定できる。
このように、分割線A・Bを直線X−X’と45°の角度に交叉させることで有効な効果を得られるが、これは、4つの位相ピット3のなす四角形の一方の対角線が、情報トラック2と重なっているからである。
すなわち、上記のような効果は、分割線A・Bを、この四角形の一方の対角線に応じた受光面上の直線に対して、45度の角度で交叉させることで得られるものである。このような構成であれば、分割線A・Bが直線X−X’と45°の角度で交叉していない場合でも、同様の効果を得られる。
なお、本ディスク装置のように、四角形の一方の対角線が情報トラック2に重なっている場合、情報ユニット5のピット配列を、情報トラック2を軸とした線対称にしやすい、という効果を得られる。
また、本ディスク装置では、光検出器31の分割線A・Bが、互いに直交している。これにより、各部分受光面D1〜D4のサイズを等しくできるので、部分光量比較回路44による受光信号R1〜R4の比較処理を容易に行える。
また、本ディスク装置では、光検出器31とは別体の、制御用光検出器29を備えている。制御用光検出器29に照射される反射光は、シリンドリカルレンズ28によってフォーカシングされるため、波面の乱れたものとなる。従って、制御用光検出器29と光検出器31とを1つの光検出器で兼用すると、光検出器31に波面の乱れた反射光が照射されてしまう。このため、部分受光面D1〜D4での光強度分布に乱れが生じ、情報ユニット5のピット配列を正確に特定することが困難となる。
そこで、本ディスク装置成では、両光検出器を別体に設けることにより、光検出器31に波面の乱れた反射光を照射してしまうことを回避するようになっている。これにより、正確な光の制御と情報再生とを両立させられる。
なお、本実施の形態では、図2に示したように、トータル光量比較回路43が部分光量比較回路44の前段に位置するとしている。そして、トータル光量比較回路43によって光量識別子の判定を行った後、部分光量比較回路44が、この光量識別子および受光信号R1〜R4に基づいて、情報ユニット5のピット配列を識別するとしている。
しかしながら、これに限らず、部分光量比較回路44を、トータル光量比較回路43の前段に配置するようにしてもよい。
表2に、この構成におけるピット配列の識別方法を示す。
Figure 0004105128
この表2に示すように、この構成では、部分光量比較回路44が、受光信号R1〜R4に基づいて、情報ユニット5のピット配列の対称性判別I〜IIIを行うこととなる。
なお、表2において、T1,T2は、それぞれ、(R1+R3),(R2+R4)である。また、S1〜S4は、それぞれ、(R1+R2),(R2+R3),(R3+R4),(R4+R1)である。
すなわち、この場合、部分光量比較回路44は、対称性判別Iにおいて、T1とT2との大小関係を算出する。そして、対称性判別IIにおいて、S1とS3との大小関係を算出する。
さらに、部分光量比較回路44は、対称性判別IIIにおいて、S2とS4との大小関係を算出する。
このような演算(比較)により、部分光量比較回路44は、「情報ユニット5のピット配列が、対称性判別I〜IIIによって分類される15種類の小グループのいずれに属するのか」、を判断する。
その後、トータル光量比較回路43が、ピット配列の属する小グループの種類と、ピット配列のトータル反射光量とに基づいて、ピット配列を特定する。
この構成では、トータル光量比較回路43は、トータル反射光量に加えて、ピット配列の属する小グループの情報を利用できる。このため、識別すべきトータル反射光量の種類が、2種類あるいは4種類となる。
従って、a〜jまでの10種類のトータル反射光量を識別する必要のある表1の場合に比して、トータル光量比較回路43によるトータル反射光量の識別精度を高められる。また、トータル光量比較回路43を簡略な回路(相対的に簡略な比較回路)から構成できる。
すなわち、トータル光量比較回路43によって識別すべきトータル反射光量の種類の多い場合、レーザー光Lのわずかな変化により、トータル反射光量が変化し、情報ユニット5におけるピット配列が困難になることもある。
従って、この場合には、レーザー制御回路42の制御精度や、フォーカシング/トラッキング回路47の制御精度(トラッキング,フォーカシングの精度)を高めることが好ましいといえる。
一方、表2を用いる構成のように、トータル光量比較回路43によるトータル反射光量の識別種類を少なくすると、トータル光量比較回路43によって識別すべき光量間の差を、比較的に大きくできる。
このため、レーザー制御回路42やフォーカシング/トラッキング回路47の制御精度を高めることなく、再生にかかるピット配列に対し、光量識別子を正確に特定することが可能となっている。
ここで、本ディスク装置におけるフォーカシング制御およびトラッキング制御について説明する。
図1に示すように、光ディスク1には、情報ユニット5の形成された記録領域KAに先行するように、サーボ領域SAが設けられている。そして、サーボ領域SAには、一対のサーボユニット61・62が形成されている。
この図に示すように、サーボユニット61・62は、情報トラック2の両側に、情報トラック2に垂直な方向(径方向)および平行な方向(周方向)に、互いにずれた状態で配されている。
なお、径方向へのずれは、サーボユニット61・62が、情報トラック2を軸として線対称となるような値となっている(各サーボユニット61・62の中心が、情報トラック2から径方向に等距離だけ離れている)。
なお、サーボユニット61・62は、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4よりも面積の大きな、位相ピット3・4と同様の深さを有するパターンである。
また、このようなサーボユニット61・62を有するサーボ領域SAは、情報トラック2の一周あたり、10〜20箇所に設けられている。
そして、本ディスク装置では、このようなサーボ領域SAにおけるサーボユニット61・62を利用して、制御用光検出器29およびフォーカシング/トラッキング回路47が、フォーカシング制御およびトラッキング制御を行うように設計されている。
図7は、制御用光検出器29の構成を示す説明図である。
この図に示すように、制御用光検出器29は、受光面を4分割してなる、4つの部分受光面(光検出素子)D5〜D8を備えた4分割検出素子である。
部分受光面D5〜D8は、制御用光検出器29における円形の受光面を、受光面の中心を通り、互いに直交する2本の分割線C・Dで分割して形成されるものであり、制御用光検出器29の受光面の中心から放射状に伸びる扇形形状を有している。
そして、この部分受光面D5〜D8は、自身の受光した反射光量に応じた電圧値を有する電圧信号(受光信号)R5〜R8を、それぞれ出力するものである。
また、制御用光検出器29では、部分受光面D5〜D8を分割する分割線Dが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線(制御用光検出器29の受光面上での、情報トラックに対応する直線)X−X’と重なる(一致する)ように配置されている。
また、フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29の生成する受光信号R5〜R8に基づいて、非点収差法によりフォーカシング信号を生成するとともに、サンプルサーボ法によりトラッキング信号を生成するものである。
そして、フォーカシング/トラッキング回路47は、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいてアクチュエータ25を駆動し、フォーカシング制御とトラッキング制御とを行う機能を有している。
以下に、本ディスク装置におけるフォーカシング制御およびトラッキング制御の動作について説明する。
本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザー制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザー光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。このとき、レーザー光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報トラック2に重なるように照射される。
そして、ビームスポット6がサーボ領域SA上にある場合には、サーボユニット61・62によってレーザー光Lが反射され、反射レーザー光Laが生成され、制御用光検出器29に照射される。これにより、制御用光検出器29の部分受光面D5〜D8は、自身の受光した反射光量に応じた電圧値を有する受光信号R5〜R8を、フォーカシング/トラッキング回路47に対してそれぞれ出力する。
受光信号R5〜R8を入力したフォーカシング/トラッキング回路47は、制御部の指示により、フォーカシング制御とトラッキング制御とを実行する。
すなわち、フォーカシング/トラッキング回路47は、まず、光ディスク1の記録面にレーザー光Lの焦点を合わせる(フォーカシング制御する)ために、シリンドリカルレンズ28を用いた非点収差法を用いてフォーカシング信号を生成する。
このとき、フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29からの受光信号R5〜R8を入力し、(R5+R7)−(R6+R8)を算出する。
そして、算出した値が零(0)となるように、集光レンズ24のフォーカス方向(光ディスク1の面に垂直な方向)の位置を制御するためのフォーカシング信号を生成する。そして、集光レンズ24の位置を制御するアクチュエータ25に出力する。
これにより、レーザー光Lの焦点を、光ディスク1の記録面に合わせることが可能となる。
また、フォーカシング/トラッキング回路47は、レーザー光Lの中心を情報トラック2に沿わせる(トラッキング制御する)ために、一対のサーボユニット61・62を用いたサンプルサーボ法を用いてトラッキング信号を生成する。
すなわち、フォーカシング/トラッキング回路47は、「サーボユニット61からの反射光量とサーボユニット62からの反射光量とが、互いに等しくなるように」、集光レンズ24のトラッキング方向(光ディスク1の径方向)の位置を制御するためのトラッキング信号を生成し、アクチュエータ25に出力する。
図8は、情報トラック2上を光ビームスポット6が走査(移動)した際の、制御用光検出器29から出力される全受光信号の和(R5+R6+R7+R8;総信号量)を示すグラフである。
ここで、RT1は、サーボユニット61を通過したときに得られる総信号量であり、RT2は、サーボユニット62を通過したときに得られる総信号量である。
ここで、光ビームスポット6の中心が情報トラック2上を移動する場合、RT1とRT2とが等しくなる。
これは、サーボユニット61・62が、情報トラック2の両側に、情報トラック2から等距離に形成されているからである。
一方、光ビームスポット6の中心が情報トラック2から外れている場合、RT1とRT2とが等しくなくなる。
これは、サーボユニット61・62の一方が光ビームスポット6の中心に近接し、他方が離れてしまうためである。
従って、フォーカシング/トラッキング回路47は、「RT1−RT2=0」となるようなトラッキング信号を生成し、アクチュエータ25に出力するようになっている。
以上のように、光ディスク1は、情報トラック2を挟むように配された1対のサーボユニット61・62を備えている。
そして、本ディスク装置では、光ディスク1を再生する場合、サーボユニット61・62からの反射光を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを制御できるようになっている。このため、光ディスク1を用いれば、安定したトラッキングを実現できるので、高精度に情報を再生することが可能である。
なお、トラッキングの方法としては、サンプルサーボ法の他に、プッシュプル法を用いることも可能である。光ディスク1に対してプッシュプル法を適用する場合、情報ユニット5から得られるプッシュプル信号を用いてトラッキングを行うことになる。
しかし、光ディスク1には、情報ユニット5として、図5に示すピット配列9dy,13eyのように、情報トラック2に対して非対称なものが存在する。このため、このような非対称の情報ユニット5から得られるプッシュプル信号が、正確なトラッキングを妨げることになる。従って、光ディスク1に対しては、サーボユニット61・62を用いたサンプルサーボ法でトラッキングを行うことが望ましいといえる。
また、本実施の形態では、位相ピット3の数を4つであるとしている。しかしながら、位相ピット3の数はこれに限らない。
例えば、図9に示すように、位相ピット3を、中心が情報トラック2と重なる正六角形の頂角位置に配置される位相ピットとしてもよい(各位相ピット3は、正六角形の中心から等距離の位置にある)。
なお、この図に示す構成におけるサーボユニット61は、図1に示したものと同様である。
また、上記の正六角形は、自身を2分する対角線の1つが、情報トラック2と重なるように設計されていることが好ましい。
図9に示す光ディスク1においても、図1に示す光ディスク1と同様に、一対のサーボユニット61・62を用いて、サンプルサーボ法によりトラッキングを行うことが可能である。また、トータル光量比較回路43によるトータル反射光量の比較、および、部分光量比較回路44による識別あるいは対称性判別を行うことにより、情報ユニット5のピット配列を特定して記録情報の再生を行うことができる。
ここで、図9に示す構成においては、図1の構成に比して、情報ユニット5の位相ピット3の対称軸が増える。このため、光検出器31として、6分割光検出素子を用いることが望ましい。
また、本実施の形態では、サーボユニット61・62は、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4よりも面積が大きく、位相ピット3・4と同様の深さを有するとしている。しかしながら、これに限らず、サーボユニット61・62の面積・深さについては、ユーザーの所望の値とすることが可能である。
また、図10・図11に示すように、サーボユニット61・62のパターンを、情報ユニット5のものと同様の位相ピットから構成することも可能である。
すなわち、図10・図11に示す光ディスク1におけるサーボ領域SAでは、
情報ユニット5と同様の構成を有するサーボユニット61・62が、情報トラック2を挟むようにに、情報トラック2に垂直な方向(径方向)および平行な方向(周方向)に、互いにずれた状態で配されている。
なお、径方向へのずれは、サーボユニット61・62が、情報トラック2を軸として線対称となるような値となっている(各サーボユニット61・62は、情報トラック2から径方向に等距離だけ離れている)。
このようなサーボユニット61・62を用いた場合においても、フォーカシング制御およびトラッキング制御を行うことが可能である。すなわち、「光ビームスポット6内のどの位置にサーボユニット61・62が存在するのか」により、サーボユニット61・62からのトータル反射光量(総信号量)が変化する。従って、サンプルサーボ法によるトラッキングを行うことが可能である。
この場合、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4と、サーボユニット61・62を構成する位相ピット(パターン)が同一の大きさとなるため、サーボユニット61・62を形成しやすいという利点がある。
すなわち、電子ビーム露光装置を用いて図1に示す情報ユニット5,サーボユニット61・62を形成する場合、情報ユニット5の位相ピット3・4を形成できるような大きさに電子ビームを絞り込み、情報ユニット5の位相ピット3・4の露光を行う。
一方、位相ピット3・4より大きいサーボユニット61・62を露光するためには、同様に絞り込まれた電子ビームを連続照射して、情報トラック2に垂直な方向に高速移動させることにより、相対的に大きな位相ピットを形成する。
従って、情報ユニット5の位相ピット3・4とサーボユニット61・62の形成方法が異なるため、それぞれを最適に形成できるように、電子ビームを制御することが必要となる。
これに対し、図10・図11に示すように、情報ユニット5の位相ピット3・4と同じ位相ピットからなるサーボユニット61・62については、電子ビームを情報トラック2に対して垂直な方向に偏向させるだけで形成できる。
従って、サーボユニット61・62を、情報ユニット5と全く同じ条件で形成できる。このため、光ディスク1用の原盤形成時の制御条件を減少できるので、より簡単に(より安定して)原盤および光ディスク1を製造することが可能となる。
また、図10・図11に示したサーボユニット61・62は、全ての位相ピット3および位相ピット4を備えたピット配列からなっている。
しかしながら、サーボユニット61・62としては、どのようなピット配列であってもよい。
なお、トラッキング制御の精度を上げるためには、両サーボユニット61・62を構成する全てのパターンが、情報トラック2を軸として線対称となっていることが好ましい。
また、サーボユニット61・62によるトータル反射光量変化が大きいほど、トラッキング制御およびフォーカシング制御の安定化を図れる。従って、図10,図11に示したように、全位相ピット3および位相ピット4を備えたピット配列を用いることが好ましいといえる。
また、本実施の形態では、サーボ領域SAに一対のサーボユニット61・62が設けられているとしている。しかしながら、これに限らず、1つのサーボ領域SAに、2対以上のサーボユニット61・62を設けるようにしてもよい。また、情報トラック2におけるサーボ領域SAの数は、1周あたり、10〜20箇所である必要はなく、ユーザーの望む数に設定することが可能である。
また、本実施の形態では、位相ピット3を、正方形あるいは正六角形の頂角位置に配置するとしている。しかしながら、位相ピット3の配置位置はこれらに限らない。
例えば、位相ピット3を、例えば、位相ピット3を、周方向および径方向に対称な他の四角形(正四角形を周方向あるいは径方向に圧縮した菱形)の頂角に配置してもよい。この構成でも、上記と同様に、本ディスク装置によって情報ユニット5のピット配列を識別すること、および、情報トラック2に対するトラッキングを行うことが可能である。
また、位相ピット3を、周方向および径方向に対称な他の六角形(正六角形を周方向あるいは径方向に圧縮した形)の頂角に配置してもよい。この構成でも、上記と同様に、本ディスク装置によって情報ユニット5のピット配列を識別すること、および、情報トラック2に対するトラッキングを行うことが可能である。
また、位相ピット3を、他の多角形(五角形,八角形)の頂角位置に配するようにしてもよい。この場合でも、部分光量比較回路44による処理(識別条件)を適切に設定することで、ピット配列の特定を行える。
また、光ディスク1の位相ピット3については、位相ピット4から等距離に配することが好ましい。これにより、レーザー光Lにおけるほぼ円形状のビームスポット6内に、全ての位相ピット3・4を効率よく(高密度に)配置することが可能となる。従って、光ディスク1の記録密度をさらに向上できるとともに、ビームスポット6を小さくできる。
また、本実施の形態では、コリメータレンズ22が、半導体レーザー光源21から出射されたレーザー光Lの光束を平行とするとしている。ここで、半導体レーザー光源21からのレーザー光放射が楕円形状である場合には、コリメータレンズ22(あるいは他のビーム整形部材)によって、適宜、ビーム形状の整形を行ってもよい。
また、本実施の形態では、光ディスク1は、直径120mmの円盤形状であるとしている。しかしながら、本ディスク装置では、光ピックアップ11(アクチュエータ25)の可動範囲を変えることで、他のサイズを有する光ディスク1を再生することも可能である。
また、本実施の形態では、光ディスク1が、スパイラル状の情報トラック2を有するとしている。しかしながら、これに限らず、光ディスク1に、複数の情報トラック2を同心円状に設けてもよい。
また、本実施の形態では、本ディスク装置によって再生する媒体(光メモリ素子)として、光ディスク1を示している。
しかしながら、これに限らず、本ディスク装置を、情報トラックを直線状に配列した光カードを再生するように設計してもよい。この場合、光カードの情報トラックには、図5あるいは図9に示すようなピット配列からなる情報ユニット5を形成することが好ましい。
また、本ディスク装置では、保護膜9として透明材料を用いる場合には、保護膜9側からレーザー光を照射して、金属反射膜8上にビームスポット6を形成し、再生を実行することが可能である。
また、光ディスク1の透明基板7側からレーザー光Lを照射して再生を行うことも可能である。
また、本実施の形態では、トータル光量比較回路43の求める光量を、情報ユニット5から反射された光の総量(トータル反射光量)としている。しかしながら、厳密には、トータル光量比較回路43の求める光量は、光検出器31(部分受光面D1〜D4)に対する入射光の総量(トータル入射光量)である。
トータル入射光量は、ビームスプリッタ26によって制御用光検出器29側に向かう光(制御用光)をトータル反射光量から差し引いたものであり、トータル反射光量に比例するものである。
また、図6に示した構成では、光検出器31の分割線A・Bが、互いに90度づつずれて配されているとしている。しかしながら、これに限らず、分割線A・Bの交叉角度を90度からずらしてもよい。この場合には、各部分受光面D1〜D4のサイズが互いに異なるため、部分光量比較回路44による受光信号R1〜R4の比較処理を変更することが好ましい。
また、本実施の形態では、光検出器31の受光面の形状を円形であるとしている。しかしながら、これに限らず、反射レーザー光Laの全体を受け止められる形状であれば、光検出器31の受光面の形状は、どのような形状でもかまわない。また、同様に、制御用光検出器29の受光面も、円形である必要はない。
また、図6に示した構成では、光検出器31の受光面の分割数を4としている。しかしながら、光検出器31の受光面の分割数は、これに限らず、倍の8分割としてもよい(8分割光検出器)。そして、この光検出器31を使用して、8個の部分受光面からの受光信号に基づいて、情報ユニット5の識別を行うことも可能である。ただし、上記のような4分割光検出器を用いることにより、情報ユニット5の識別を行う際の計算プロセスを簡略化できる。従って、トータル光量比較回路43,部分光量比較回路44をより簡単な回路から構成できるので、本ディスク装置を低コスト化できる。
また、本実施の形態では、サーボユニット61・62からの反射光によって、フォーカシング制御およびトラッキング制御を行うとしている。
しかしながら、これに限らず、フォーカシング制御については、常時的に行うことが好ましい。
この場合、フォーカシング/トラッキング回路47によって生成されるフォーカシング信号(フォーカスサーボ信号)に、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4からの反射光に基づく信号が混入すると、フォーカシング(フォーカスサーボ)が乱されることになる。
このため、ローパスフィルターを通して、フォーカシング信号から位相ピット3・4に対応する高周波信号成分を取り除くことが好ましい。これにより、安定したフォーカシングを行うことが可能となる。
また、サーボユニット61・62からの反射光によって、フォーカシング制御を行わず、トラッキング制御のみを行うように設計してもよい。
また、トラッキング制御については、サーボ領域SAのサーボユニット61・62からの反射光のみを用いて行うことが一般的である。この場合、ビームスポット6が記録領域KAを走査しているときには、集光レンズ24における径方向の位置を固定しておくことが好ましい。
また、本ディスク装置を、「制御用光検出器29から得た受光信号D5〜D8がサーボユニット61・62に応じたものであるか否か(ビームスポット6がサーボユニットを走査しているか否か)」を制御部がフォーカシング/トラッキング回路47に対して伝達する(あるいは、フォーカシング/トラッキング回路47がその旨を自ら検知する)ように設計してもよい。
この場合、光ディスク1におけるサーボ領域SAの前段に、情報ユニット5(あるいはサーボユニット61・62)として存在しない特殊パターン(特殊な反射光を生成するパターン)を形成しておくことが好ましい。
これにより、制御部あるいはフォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29からの反射光に基づいて特殊パターンを検知することで、サーボ領域SAの走査タイミングを取得することが可能となる。
なお、上記のパターンとしては、例えば、情報ユニット5としては存在しないように設定された、情報ユニット5の3個分の空白領域(ピットの存在しない領域)を挙げられる。
また、本実施の形態では、制御用光検出器29と光検出器31とを別体に構成している。しかしながら、これに限らず、制御用光検出器29に、光検出器31の機能をもたせるようにしてもよい。この場合、回路43〜46は、制御用光検出器29から出力される受光信号D5〜D8に基づいて、情報ユニット5のピット配列を特定し、情報の再生を行うこととなる。
また、本実施の形態では、制御用光検出器29における部分受光面D5〜D8を分割する分割線Dが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線X−X’と重なるとしている。しかしながら、これに限らず、制御用光検出器29における分割線Cを、直線X−X’と重ねる構成としてもよい。
ここで、光ディスク1の製造および再生に関する具体例を、実施例1〜3として説明する。
〔実施例1〕
光ディスク1におけるスパイラル状に形成された情報トラック2の記録領域KA上に、図5(図1)に示したピット配列を有する情報ユニット5を350nmピッチで規則的に配列した。
また、情報トラック2上に配置した位相ピット4と、位相ピット4を中心とした正方形の頂角位置に配置した位相ピット3とについては、ポリカーボネート製の透明基板7の記録面に対し、射出成形法により、深さ40nmの窪み状に形成した。
また、位相ピット3・4の直径を60nmとし、位相ピット3・4の形成ピッチを100nmとした。
また、情報トラック2のサーボ領域SA上に、図1に示したサーボユニット61・62を形成した。サーボユニット61・62については、それぞれ、幅(径方向の長さ)160nm、長さ(周方向の長さ)350nm、深さ40nmの長円形ピットとし、その中心位置を、情報トラック2から相対する方向に80nmづつ離した(変移した)位置とした。
また、これら一対のサーボユニット61・62については、12800個の情報ユニット5の前に設けた。
このような情報ユニット5(位相ピット3・4)およびサーボユニット61・62を有する透明基板7を形成するための原盤のパターニングについては、電子ビーム露光装置を用いて行った。
ここで、サーボユニット61・62を形成するときには、集光電子ビームを情報トラック2に垂直な方向(径方向)に往復移動させることにより、相対的に大きな位相ピットを形成した。
一方、情報ユニット5の形成時では、位相ピット3・4を形成すべき位置に、露光可能な集光電子ビームを照射することにより、相対的に小さな位相ピットを形成した。
そして、この原盤から光ディスク用スタンパーを形成し、このスタンパーを用いて射出成形を行うことにより透明基板7を形成した。
次に、このような情報ユニット5およびサーボユニット61・62の形成された透明基板7上に、スパッタリングにより、アルミニウムからなる金属反射膜8を50nmの厚さで形成した。
さらに、この金属反射膜8上に、保護膜9として、0.1mm厚のポリカーボネートシートを、紫外線硬化樹脂により貼り合わせた。
このような光ディスク1を図2に示した本ディスク装置に装着し、再生を行った。
ここで、半導体レーザー光源21として、波長405nmの半導体レーザー素子を使用した。また、レーザー光Lを光ディスク1に集光する集光レンズ24として、開口数(NA)0.85のレンズを使用した。
また、レーザー光Lについては、光ディスク1の保護膜9側から入射した。
再生では、制御部,制御用光検出器29およびフォーカシング/トラッキング回路47によって、サーボユニット61・62から得られる受光信号R5〜R8に従って、レーザー光Lを金属反射膜8上に集光するように、非点収差法によるフォーカシングを行った。また、サンプルサーボ法により、情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
また、トータル光量比較回路43および部分光量比較回路44によって、光検出器31の部分受光面D1〜D4の各受光信号R1〜R4を、表1に示すような識別条件に従って処理した。その結果、情報ユニット5における32種類(5ビット)のピット配列の識別を行うことができ、5ビットのデータを復調できた。
また、表2に示す識別方法に従っても、同様に、情報ユニット5におけるピット配列の識別が可能であった。
この場合、トータル光量比較回路43による最終的な識別段階では、最大でも4種類のトータル反射光量の識別を行うだけであった。このため、情報ユニット5の識別が容易となり、表1に示す識別方法に比して、情報再生を安定的に実現できた。
〔実施例2〕
また、実施例1に示した光ディスク1の構成において、図9に示すピット配列からなる情報ユニット5を有する光ディスク1を形成した。
この構成では、位相ピット3を、位相ピット4を中心とする正六角形の頂角位置に配置し、かつ、その六角形を2分する対角線の一つを、情報トラック2と重なるように配置した。
また、実施例1と同様に、位相ピット3・4の直径を60nm,形成ピッチを100nm,深さを40nmとした。
このような光ディスク1を、実施例1と同様に本ディスク装置に装着して再生を行った。その結果、非点収差法によるフォーカス制御、および、サンプルサーボ法によるトラッキング制御を実現できることを確認した。
また、光検出器31として6分割光検出素子を用いることにより、実施例1と同様な手順に従って、各情報ユニット5におけるピット配列を識別でき、7ビットのデータを復調できた。
〔実施例3〕
また、実施例1および実施例2に示した光ディスク1の構成において、図10および図11に示すサーボユニット61・62を有する光ディスク1を形成した。
これらの光ディスク1においては、サーボユニット61・62として、情報ユニット5と同一構成のピット配列(全ての位相ピット3および位相ピット4を備えたもの)を形成した。
また、サーボユニット61・62の中心位置が、情報トラック2から相対する方向に100nm離れるように設計した。
これらの光ディスク1を、実施例1・2と同様にして再生した結果、サーボユニット61・62からの反射光に基づいて、制御用光検出器29から、フォーカシング用およびトラッキング用(サンプルサーボ用)の受光信号を抽出でき、安定したトラッキングを行えた。また、実施例1・2と同様に、各情報ユニット5におけるピット配列を識別できた。
また、本発明の光メモリ素子を、情報トラック上に、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを含む記録領域と、サンプルサーボに用いるサーボ領域とを配した光メモリ素子において、記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなり、サーボ領域に、情報トラックの両側に1つづつ配された1対のサーボユニットを備えている構成である、と表現することもできる。
また、本発明は、情報が位相ピットにより記録されている光メモリ素子、および、光ビームにより少なくとも該情報の再生を行うことができる光メモリ素子再生装置に関するものであるともいえる。
また、従来の光ディスクにおいては、情報トラックを挟んで、光ディスクの径方向に非対称な記録単位(情報ユニット)が存在することになる。この場合、トラッキングのためのプッシュプル信号に乱れが生じるため、非対称な記録単位を通過する度にトラッキングが乱され、再生エラーの増加の原因となるといえる。
また、従来、さらに高密度な光ディスクを実現するためには、情報単位内の位相ピットの配列方法が、情報が記録された情報単位から、安定して情報を再生するために、重要な課題となる。
また、図1について、以下のように述べることもできる。すなわち、この図に示す例においては、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピット3が、上記中心位置を重心とする正四角形位置に配置され、かつ、該正四角形の対角線の一つが情報トラックと重なるように配置されている構成について示している。さらに、該情報トラック2の情報ユニット5が形成された記録領域に先行する位置の情報トラック2上に、該情報トラック2に対して、相対する方向に偏移して、一対のサーボユニット61・62が設けられている。図1においては、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4よりも大きな位相ピットで構成されたサーボユニット61・62を例示したものである。ここで、一対の上記サーボユニット61・62は、情報トラック2の1周当たり、10箇所から20箇所の位置に設けられることが望ましい。また、本ディスク装置では、光検出器31により、情報ユニット5からの反射光を受け、各光検出素子(部分受光面)D1〜D4上での反射光強度分布を検出し、各光検出素子からの出力信号(受光信号)R1〜R4の信号強度を用いて情報ユニット5の識別が行なわれるともいえる。
また、図1に示した構成の光ディスク1は、その対角線の一方が情報トラック2上に存在する正四角形の頂角位置に配置された複数の位相ピット3と、正四角形の中心位置に配置された位相ピット4とで構成された情報ユニット5を、スパイラル状に成された情報トラック2上に規則的に配列することにより、1個の情報ユニット5に32種類の情報(5ビットのデータ)を多重記録することが可能となり、大容量光ディスクを実現することが可能であるといえる。また、本ディスク装置は、上記光ディスク1の情報ユニット5にレーザー光を照射する光照射手段と、該情報ユニット5からの反射光が、その分割線が、情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度を成すように配置された4分割光検出素子からなる再生用光検出器(光検出器31)に入射するように構成された光学系と、該4分割光検出素子の光検出信号に基づき、情報ユニット5の識別を行い、記録情報を再生する手段とを備えているといえる。本ディスク装置においては、上記のように4分割光検出素子を配置することにより、簡単な比較回路を用いて、各検出素子の光検出信号を比較することにより、容易に情報ユニット5の識別を行うことができる。
また、表2に関し、以下のように述べることもできる。すなわち、部分光量比較回路44は、対称性判別Iと対称性判別IIと対称性判別IIIとを実施する回路であり、対称性判別Iにおいて、T1とT2の大小関係を比較し、対称性判別IIにおいて、S1とS3の大小関係を比較し、対称性判別IIIにおいてS2とS4の大小関係が比較される。上記比較により、小グループに分類された情報ユニット5について、トータル光量比較回路43によりトータル反射光量の識別が行われ、個々の情報ユニット5の識別が完了する。この場合、各小グループにおいて識別されるべきトータル反射光量が、2種類もしくは4種類となる。表1に示す識別方法においては、最初にa〜jまでの10種類のトータル反射光量を識別することが必要となり、精度の高い比較回路が必要となる。また、わずかなレーザー光量変化により、トータル反射光量が変化し、情報ユニット5の識別が困難になるが、表2に示す識別方法によれば、比較すべきトータル反射光量の種類が減少することにより、相対的に簡略な比較回路により情報ユニット5の識別が可能となり、再生装置の低コスト化が図れるとともに、レーザー光量変化が発生した場合においても、正確な情報ユニット5の識別が可能な再生装置を提供することが可能となる。
また、本ディスク装置におけるトラッキングについて、以下のように述べることも可能である。すなわち、情報トラック2へのトラッキングは、一対のサーボユニット61・62を用いたサンプルサーボ法を用いて行われる。一対のサーボユニット61・62は、情報トラック2に対して、相対する方向に偏移して配置されており、光ビームスポット6が、一対のサーボユニット61・62を通過する際の反射光の状態を制御用光検出器29で検出することにより、トラッキングが行われる。図8は、情報トラック2上を光ビームスポット6が移動した際に、(R5+R6+R7+R8)の信号変化を示している。ここで、RT1は、サーボユニット61を通過する時の信号変化量であり、RT2は、サーボユニット62を通過する時の信号変化量である。ここで、光ビームスポット6の中心が、情報トラック2上を移動する場合、サーボユニット61・62が、情報トラック2に対して、相対する方向に偏移して配置されているため、RT1がRT2と等しくなる。また、光ビームスポット6の中心が、情報トラック2を外れて移動する場合、サーボユニット61・62の一方が光ビームスポット6の中心に近接し、他方が離れるため、RT1とRT2の大きさが等しくなくなる。従って、RT1−RT2=0となるように、集光レンズ13を光ディスク1の半径方向に駆動することによりトラッキングが実現する。また、図10・図11に示したサーボユニット61・62は、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成されているといえる。
また、通常、サーボユニット61・62は、ディスク内の特定の領域に設けられている。特許文献2にも記載されているように、スパイラル状に設けられた情報トラックの一周をさらに細かく分割して、記録情報単位列を有するセクタを設け、各セクタの先頭位置にサーボ情報単位が設けられる。このサーボ情報単位位置で、トラッキング情報を得てトラッキングが行われる。
また、一般に、フォーカシングは常時行なわれている。この際、記録情報単位を構成する位相ピットからのフォーカスサーボ信号への信号混入により、フォーカスサーボが乱されることになるが、ローパスフィルターを通して、位相ピットに対応する高周波信号成分を取り除くことにより、安定したフォーカシングを行える。トラッキングについては、サーボ情報単位の位置のみで、トラッキング信号を得て、記録情報単位の位置では、集光レンズ位置を固定して、情報の再生が行われる。
また、サーボ情報単位(サーボユニット)からの反射光と位相ピットからの反射光とを区別するためには、記録情報単位列として存在しないパターンをサーボ情報単位の前に配置することにより、サーボ情報単位を認識することが可能となる。例えば、記録情報単位列としては存在しないように設定された記録情報単位3個分の空白領域(ピットの存在しない領域)を設けることにより、この空白領域に続いて、サーボ情報単位が存在することを確定できる。
また、本発明を、以下の第1〜第8光メモリ素子、および、第1・2メモリ素子再生装置として表現することもできる。
すなわち、第1光メモリ素子は、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成された記録情報単位が、情報トラックに沿って等間隔に配置された光メモリ素子において、該情報トラックに対して、相対する方向に偏移して、一対のサーボ情報単位が設けられた構成である。これにより、上記情報トラックに対して、相対する方向に偏移して配置された一対のサーボ情報単位からの反射光によりトラッキングを行う所謂サンプルサーボ方式によるトラッキングが可能である。従って、情報トラックに対して非対称な記録情報単位が存在するような場合においても、安定したトラッキングが実現し、記録情報単位の識別を正確に行うことができる。

第2光メモリ素子は、第1光メモリ素子において、上記記録情報単位が、該情報単位の中心位置に配置される位相ピットと、該中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットとで構成された構成である。これにより、安定した上記トラッキングを実現することができることに加えて、情報単位を構成する位相ピットが、情報単位の中心位置と、該中心位置から等距離位置とに配置されることにより、再生のために集光照射される概ね円形状の光ビームスポット内に、複数の位相ピットを効率良く配置することが可能となり、記録情報単位の安定した再生と大容量化とを、共に実現することができる。
第3光メモリ素子は、第2光メモリ素子において、上記記録情報単位において、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする四角形位置に配置され、かつ、該四角形の対角線の一方が情報トラックと重なるように配置されている構成である。これにより、安定した上記トラッキングを実現することができることに加えて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする四角形位置に配置されることにより、再生のために照射される光ビームスポット内に、複数の位相ピットが配置されることになり、一つの情報単位が有する情報の多重度が最大となり、光メモリ素子の大容量化が実現する。
第4光メモリ素子は、第2光メモリ素子において、上記記録情報単位において、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする六角形位置に配置され、かつ、該六角形を2分する対角線の一つが情報トラックと重なるように配置されている構成である。これにより、安定した上記トラッキングを実現することができることに加えて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする六角形位置に配置されることにより、再生のために照射される光ビームスポット内に、最密状態で複数の位相ピットが配置されることになり、一つの情報単位が有する情報の多重度が最大となり、光メモリ素子の大容量化が実現する。
第5光メモリ素子再生装置は、第1光メモリ素子において、上記サーボ情報単位が、記録情報単位を構成する位相ピットよりも大きな一対のサーボ位相ピットである構成である。これにより、上記サーボ情報単位が、記録情報単位を構成する位相ピットよりも大きな一対のサーボ位相ピットで構成されることにより、サーボ情報単位からの反射光の状態変化が大きくなり、より安定したトラッキングを実現することが可能となる。
第6光メモリ素子は、第1光メモリ素子において、上記サーボ情報単位が、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成された構成である。これにより、上記サーボ情報単位が、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成されることにより、サーボ情報単位を構成する位相ピットと、記録情報単位を構成する位相ピットとを、同一の形状の位相ピットを用いることが可能となる。この場合、光メモリ素子用原盤を形成する際に、両者を同一条件で形成することが可能となり、光メモリ素子用原盤形成時の制御条件を減少させることができる。従って、より安定して光メモリ素子用原盤、および、光メモリ素子を形成することが可能となる。
第7光メモリ素子は、第6光メモリ素子において、上記サーボ情報単位を構成する位相ピットが、上記記録情報単位を構成する位相ピットと同じ位置に配置された同一構成のサーボ情報単位である構成である。これにより、上記サーボ情報単位を構成する位相ピットが、上記記録情報単位を構成する位相ピットと同じ位置に配置されており、光メモリ素子用原盤を形成する際に、両者を同一条件で形成することが可能となり、光メモリ素子用原盤形成時の制御条件を減少させることができる。従って、より安定して光メモリ素子用原盤、および、光メモリ素子を形成することが可能となる。
第8光メモリ素子は、第7光メモリ素子において、上記の課題を解決するために、上記サーボ情報単位が、上記記録情報単位の位相ピット配置位置の全てに位相ピットが配置されている構成である。これにより、上記の効果に加えて、上記サーボ情報単位が、上記記録情報単位の位相ピット配置位置の全てに位相ピットが配置されていることにより、上記サーボ情報単位からの反射光の状態変化を大きくなり、より安定したトラッキングを実現することが可能となる。
第1光メモリ素子再生装置は、第1〜8光メモリ素子のいずれかから記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、上記光メモリ素子から記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、再生光を前記光メモリ素子の記録情報単位に照射する光照射手段と、該記録情報単位からの反射光を再生用光検出器へと導く光学系とを有する光メモリ素子再生装置において、上記再生用検出器が複数の領域に分割された光検出素子で構成され、該光検出素子の個々の光検出信号に基づき、上記記録情報単位を識別し、情報を再生する手段を備えた構成である。これにより、複数の領域に分割された光検出素子に入射する反射光の状態により、個々の記録情報単位が識別され、本発明の光メモリ素子から記録情報を安定して再生することができる本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
第2光メモリ素子再生装置は、上記光メモリ素子から記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、上記サーボ用情報単位からの反射光に基づき、トラッキングが行なわれる構成である。これにより、上記サーボ用情報単位からの反射光に基づき、安定したトラッキングが行うことができる本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
本発明は、DVDやCDなどの光ディスク、および、光ディスクを再生する光ディスク装置に対し、好適に使用できるものである。
本発明の一実施形態にかかる光ディスクに形成される、情報ユニットおよびサーボユニットを示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置の構成を示す説明図である。 上記した光ディスクの平面図である。 図3に示した光ディスクの断面図である 図3に示した光ディスクに形成される、情報ユニットのピット配列の種類(情報の種類)を示す説明図である。 図2に示した光ディスク装置に備えられた、光検出器の構成を示す説明図である。 図2に示した光ディスク装置に備えられた、制御用光検出器29の構成を示す説明図である。 図1に示した情報トラック上を光ビームスポットが走査(移動)した際の、制御用光検出器から出力される全受光信号の和(総信号量)を示すグラフである。 図3に示した光ディスクに形成される、情報ユニットにおける他のピット配列の種類(情報の種類)を示す説明図である。 図3に示した光ディスクに形成される、サーボユニットの他の構成を示す説明図である。 図3に示した光ディスクに形成される、サーボユニットの他の構成を示す説明図である。 従来の光ディスクに形成される情報ユニットのピット配列を示す説明図である。 従来の光ディスク装置に備えられる光検出器の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 光ディスク(光メモリ素子)
2 情報トラック
3 位相ピット(周囲位相ピット)
4 位相ピット(中央ピット)
5 情報ユニット
6 ビームスポット
7 透明基板
8 金属反射膜
9 保護膜
10 スピンドル
11 光ピックアップ
12 回路基板
13 集光レンズ
21 半導体レーザー光源
22 コリメータレンズ
23 ビームスプリッタ
24 集光レンズ
25 アクチュエータ
26 ビームスプリッタ
27 集光レンズ
28 シリンドリカルレンズ
29 制御用光検出器
30 集光レンズ
31 光検出器
41 スピンドル制御回路
42 レーザー制御回路
43 トータル光量比較回路
44 部分光量比較回路
45 復調回路
46 エラー訂正回路
47 フォーカシング/トラッキング回路
61 サーボユニット
62 サーボユニット
A〜D 分割線
D1〜D8 部分受光面
KA 記録領域
L レーザー光
La 反射レーザー光
R1〜R8 受光信号
SA サーボ領域
X−X’ 直線
a〜j 光量識別子

Claims (13)

  1. 情報トラックに沿って、ピット配列に応じた情報を有する複数の情報ユニットを配した光メモリ素子において、
    記録領域における情報ユニットのピット配列が、情報トラック上に配される中央位相ピットと、この中央位相ピットの周囲に形成される周囲位相ピットとの組み合わせからなるとともに、
    情報トラックを挟むように配された1対のサーボユニットを備えていることを特徴とする光メモリ素子。
  2. 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットから等距離に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
  3. 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットを中心とする四角形の頂角位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光メモリ素子。
  4. 上記の四角形における一方の対角線が、情報トラックと重なっていることを特徴とする、請求項3に記載の光メモリ素子。
  5. 上記周囲位相ピットが、中央位相ピットを中心とする六角形の頂角位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光メモリ素子。
  6. 上記の六角形における中心を通る対角線の1つが、情報トラックと重なっていることを特徴とする、請求項5に記載の光メモリ素子。
  7. 上記サーボユニットが、情報ユニットを構成する位相ピットよりも大きなパターンからなることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
  8. 上記サーボユニットが、複数のパターンの集合からなることを特徴とする請求項1に記載の光メモリ素子。
  9. 上記サーボユニットのパターンが、情報ユニットと同様の位相ピットであることを特徴とする請求項8に記載の光メモリ素子。
  10. 上記サーボユニットが、全ての周囲位相ピットと中央位相ピットとからなることを特徴とする請求項9に記載の光メモリ素子。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光メモリ素子に光を照射し、その反射光に基づいて情報を再生する光再生装置において、
    情報ユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する再生用光検出器と、
    再生用光検出器から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニットのピット配列を特定するピット配列特定回路とを備えていることを特徴とする光再生装置。
  12. 上記の光メモリ素子におけるサーボユニットからの反射光を受光して、受光量に応じた受光信号を出力する制御用光検出器と、
    制御用光検出器から出力される受光信号に基づいて、光メモリ素子に照射する光のトラッキング制御を行う光制御回路とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の光再生装置。
  13. 上記の制御用光検出器を、再生用光検出器と別体に設けていることを特徴とする請求項12に記載の光再生装置。
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