JP4105117B2 - リニアソレノイドバルブ - Google Patents

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本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力を発生させ、前記電磁力によって弁体を変位させることが可能なリニアソレノイドバルブに関する。
従来から、ソレノイドコイルの励磁作用下に発生する電磁力によって可動鉄心を固定鉄心に吸引することにより、弁体を変位させる電磁弁が使用されている。
例えば、特許文献1には、コイルボビンに対して前記ソレノイドコイルが複数回巻回されて構成されるソレノイド弁組立体が開示されている。この場合、前記ソレノイドコイルは、断面円形状からなるコイルが多層にわたって巻回されている。
特開昭60−125478号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されたソレノイド弁組立体では、ソレノイドコイルが断面円形状となっているため、図10に示されるように、コイルボビンに積層されたコイル間に隙間が発生する。このため、コイルボビンに対して断面円形状のソレノイドコイルを複数回巻回することにより、前記コイルボビンの軸方向及び半径外方向に沿って多数の隙間が形成される。
従って、断面円形状のソレノイドコイルがコイルボビンに対して複数回巻回された場合には、積層された円形状のソレノイドコイル断面の間に発生する多数の隙間が集積されることによって余分な空間部が形成され、前記コイルボビンに巻き付けられて完成したソレノイドコイル全体の形状が大型化するという問題がある。この結果、前記ソレノイドコイルを含むソレノイド部全体も必然的に大型化せざるを得ないという問題がある。
さらに、ヨークと固定コアとの同軸性を向上させて、可動コアの往復動作時における良好なヒステリシス特性を得たいという要請がある。
本発明は、前記の問題等を考慮してなされたものであり、積層されたコイル間の隙間を減少させることにより、余分な空間を排除してソレノイド部の小型化を達成すると共に、ヨークと固定コアとの同軸度を確保することが可能なリニアソレノイドバルブを提供することを目的とする。
この項では、理解の容易化のために添付図面中の符号にかっこを付けて説明する。但し、この項に記載した内容がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではない。
本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
圧力流体が流通するインレットポート(56)及びアウトレットポート(58)を有する弁ボデイ(18)とハウジング(14)とを含むバルブ本体部と、
前記ハウジングに設けられ、非磁性の金属製材料により一体的に形成された円筒状のパイプ部材(30)に対し絶縁被膜(31)を介して巻回されたコイル(32)と、前記コイルに対する通電作用下に固定コア(24)に吸引される可動コア(26)と、前記可動コアを囲繞する円筒状のヨーク(22)とを有するソレノイド部(12)と、
前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体(66)を有する弁機構部(16)と、
を備え、
前記コイル(32)は、断面正方形又は断面長方形に形成され、
前記ヨーク(22)には、前記可動コア(26)の外側面の形状に対応する円筒状部分が形成されると共に、前記固定コア(24)には、前記可動コア(26)の移動方向での一端面の形状に対応する凹部(36)が形成され、前記可動コア(26)が前記円筒状部分で直接摺動可能とされ、
前記ヨーク(22)及び前記固定コア(24)は、前記パイプ部材(30)の内壁面側に形成された孔部(33)内に圧入嵌合されて同軸に保持されることを特徴とする。
本発明によれば、非磁性の金属製材料によって形成された円筒状のパイプ部材の孔部内にヨークと固定コアとがそれぞれ圧入嵌合されて組み付けられることにより、ヨークと固定コアとの高精度な同軸性が確保され、しかも組み付け性を向上させることができる。
この場合、前記ヨークと固定コアとの高精度な同軸度を確保することにより、可動コアがヨーク又は固定コアに沿って円滑に往復動作することが可能になると共に、前記可動コアに作用するサイドフォースが抑制されて該可動コアを円滑に往復動作させることが可能となる。従って、可動コアの往復動作時におけるヒステリシス特性を良好とすることが可能となる。
また、本発明によれば、絶縁被膜を介してパイプ部材に巻回されるコイルの断面形状を正方形又は長方形とすることにより、積層されたコイル間に生じる間隙を極めて小さくすることができる。従って、パイプ部材に巻回されたコイルの巻回スペースを狭小とすることができる。
この場合、コイルの通電時における抵抗値を小さくして高い電流値を確保することができるため、最低印加電圧が限定された車載用電磁弁として好適に使用することができる。
また、パイプ部材に巻回されたコイルを樹脂製材料によって形成された封止体によって被覆するとよい。この場合、フランジの厚さ寸法分だけパイプ部材の軸線方向の長さ寸法が短縮されてソレノイド部の小型化に寄与することができる。また、非導電性材料からなる封止体によって、フランジが形成されていない部分のコイルを被覆することにより、前記コイルが安定して保護される。
さらに、可動コアの外面全体に、例えば、表面改質処理によって非磁性層が形成されているため、コイルに通電することにより発生する磁気回路中で磁気ギャップとして機能させることができる。
さらにまた、可動コアの外面全体には非磁性層が形成されているため、可動コアのみの外径寸法を管理することにより、容易に所定寸法に形成することができる。従って、ヨークと可動コアとの間のクリアランスからなる磁気ギャップを精度よく管理することができ、極めて良好な磁気特性を得ることができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、絶縁被膜を介してパイプ部材に巻回されるコイルの断面形状を正方形又は長方形とすることにより、前記パイプ部材に積層されたコイル間の隙間を減少させて余分な空間が排除されることにより、ソレノイド部の小型化を図ることができる。
さらに、孔部内にヨークと固定コアとが圧入嵌合されて組み付けられた非磁性の金属製材料からなる円筒状のパイプ部材を設けることにより、前記ヨークと固定コアとの同軸性が確保され、しかも、組み付け性を向上させることができる。
本発明に係るリニアソレノイドバルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る油圧制御弁を示す。
この油圧制御弁10は、例えば、SUM(JIS規格)等の磁性材料によって有底円筒状に形成され、内部にソレノイド部(リニアソレノイド部)12が設けられたハウジング14と、前記ハウジング14に一体的に結合され、内部に弁機構部16が設けられた弁ボデイ18とを含む。なお、前記ハウジング14及び弁ボデイ18は、バルブ本体部として機能するものである。
前記ハウジング14は、円筒部15と、前記円筒部15の内周側に所定間隔離間して形成され該円筒部15と略平行に配置された円筒状のヨーク22と、前記円筒部15よりも厚肉に形成された底部17とから構成され、前記円筒部15、ヨーク22及び底部17が一体化されて形成される。前記底部17の内壁には、略U字状の凹部が切り欠いて形成された薄肉部19が設けられる。
この場合、後述する可動コア26の端面に対向する部位におけるハウジング14の底部17を薄肉部19に設定することにより、前記薄肉部19を磁気抵抗として機能させ、前記ハウジング14の薄肉部19に対して磁束を極力流れにくくさせることができる。
前記ソレノイド部12は、ハウジング14内に収容されるコイル組立体20と、前記ハウジング14の閉塞端側に該ハウジング14と一体的に形成され前記コイル組立体20の内部に配置される円筒状のヨーク22と、前記ハウジング14の開口端部に結合されると共に、コイル組立体20の内側で軸線方向に沿ってヨーク22と所定のクリアランスを介して配置される固定コア24と、前記ヨーク22及び固定コア24に対して摺動可能に嵌挿された可動コア26とを有する。
前記コイル組立体20は、例えば、ステンレス鋼等の非磁性の金属製材料によって形成され、軸線方向に沿って均一の直径(内径及び外径)を有する長尺な円筒体からなるパイプ部材30と、前記パイプ部材30に対して複数回巻回され、図5及び図6に示されるように、断面正方形に形成された真四角導線からなるコイル32とから構成される。
なお、前記コイル32が巻回される前記パイプ部材30の外表面には、絶縁被膜31が形成される。また、コイル32をパイプ部材30に巻回することにより、従来から用いられていた樹脂製材料からなるコイルボビンが不要となる。
前記コイル32を断面正方形に形成することにより、パイプ部材30に巻回されたコイル32同士の接触が面接触となるため、コイル32が所定の位置に安定且つ整列して配置される。これにより、図6に示されるように、パイプ部材30の軸線方向に沿った端部に形成される一方のフランジを不要とすることができる。前記一方のフランジを不要とすることにより、ソレノイド部12全体における軸方向の寸法が短縮されて小型化を図ることができる。
また、図10に示されるように断面円形状に形成された従来技術に係るコイルをコイルボビンに巻回した場合、コイルを巻き付ける際のテンションによってフランジ側に向かって崩れる力が作用するのに対し、断面正方形のコイル32では、前記コイル32間の面接触によってパイプ部材30の端部側に向かって崩れる力が働かないため、一方のフランジを不要とすることが可能となる。
なお、図7及び図8に示されるように、断面長方形に形成された平角導線からなる他のコイル32aを用いてもよい。この場合、断面正方形状に形成されたコイル32は、断面長方形状に形成されたコイル32aよりも、より一層巻回スペースを小さく設定することができる。さらに、断面正方形状のコイル32では、断面長方形状のコイル32aと比較してその断面の周囲寸法を小さくすることができるため、コイル32への絶縁被膜断面積を小さく設定することができる。
所定間隔離間する前記ヨーク22と固定コア24とが対向する部位には、円筒状のヨーク22の一端面に形成された環状の垂直面部34と、固定コア24の凹部36の外周面に形成された円錐面部38とが設けられる。なお、前記垂直面部34に隣接するヨーク22の一端面には、漏れ磁束を減少させるためのテーパ部35が面取りして形成される。
前記ヨーク22及び固定コア24には、可動コア26の形状に対応する円筒状部分及び凹部36を形成し、前記円筒状のヨーク22と固定コア24の凹部36との間で可動コア26を摺動させるリニアソレノイド構造とすることができる。
この場合、図1に示されるように、前記ヨーク22と前記固定コア24とは、非磁性の金属製材料によって一体的に形成されたパイプ部材30の孔部33内にそれぞれ圧入嵌合されることにより、同軸状に所定距離だけ離間した状態に組み付けられる。
すなわち、前記ヨーク22の外周面及び固定コア24の外周面をそれぞれ囲繞して保持するパイプ部材30を設けることにより、ヨーク22と固定コア24との高精度な同軸性が確保され、しかも組み付け性を向上させることができる。
前記ヨーク22と固定コア24との高精度な同軸度を確保することにより、可動コア26がヨーク22又は固定コア24に沿って円滑に往復動作することが可能になると共に、前記可動コア26に作用するサイドフォースが抑制されて該可動コア26を円滑に往復動作させることが可能となる。従って、可動コア26の往復動作時におけるヒステリシス特性を良好とすることが可能となる。
ハウジング14とコイル32の間には、該コイル32の外周面、パイプ部材30の一部及び円板状部材39をそれぞれモールドする樹脂封止体40が設けられ、前記樹脂封止体40は、前記コイル32に通電するカプラ部42に連続して樹脂製材料によって一体成形される。なお、前記カプラ部42には、前記コイル32に電気的に接続されたターミナル44の端子部44aが露呈するように設けられる。また、前記円板状部材39は、樹脂製材料によって形成され、固定コア24の外周面に形成された環状溝に嵌合される。
前記コイル32の外周面を樹脂封止体40によって被覆することにより、コイル32を安定して保護することができる。また、パイプ部材30に巻回されたコイル32の一方の端部を前記樹脂封止体40によって形成されたフランジで覆うことにより、より一層コイル32が安定して保護される。
前記可動コア26は、円柱体からなる可動コア本体45と、前記可動コア本体45の一端面の中心部に形成され、固定コア24側に向かって僅かに突出する凸部47と、前記可動コア本体45の他端面の中心部に形成され、薄肉部19に向かって所定長だけ突出する突起部53とを有する。
前記凸部47の外周には、非磁性材料によって形成され、ソレノイド部12における残留磁気を防止するためのスペーサとして機能するリング体52が装着される。
すなわち、ソレノイド部12に対する通電遮断時に固定コア24又は可動コア26に残留磁気が発生し、前記残留磁気の作用下に可動コア26が固定コア24から離間しない場合があり、可動コア26の端面に凸部47を介してリング体52を設けることにより固定コア24との間で所定のクリアランスが形成されて残留磁気の発生を抑制することができる。
前記可動コア本体45の他端面の中心部には、ハウジング14の底部17の薄肉部19に当接可能なストッパとして機能する突起部53が該可動コア本体45と一体的に膨出形成される。前記突起部53は、後述する非磁性層65からなり、前記リング体52と同様に、ソレノイド部12における残留磁気を防止するためのスペーサとして機能するものである。前記可動コア本体45の外周面には、その両端面間を連通する軸方向の連通溝54が形成される。
前記可動コア26の外表面全体には、所定の深さ(厚さ)からなる非磁性層65が形成される(図3及び図4参照)。
前記可動コア26の非磁性層65は、例えば、浸炭処理及び/又は窒化処理等の表面改質処理を施すことによって形成される。この浸炭処理及び窒化処理は、比較的低温度の表面処理によって透磁率の改質が行われるため、可動コア26の寸法変化を抑制して後処理を不要とすることができる利点がある。
前記浸炭処理としては、例えば、固体浸炭、液体浸炭(浸炭窒化法)、ガス浸炭、プラズマ浸炭等が含まれ、前記窒化処理としては、ガス窒化、液体窒化(塩浴窒化)、軟窒化、イオン窒化等が含まれる。
また、前記可動コア26の外表面に非磁性層65を形成するには、例えば、高周波焼き入れ処理を施すとよい。高周波焼き入れ処理を施して非磁性層65を形成した場合、高速加熱処理が可能となり、製造工程の短縮化を図ることができる。前記可動コア26の外表面に非磁性層65を形成する方法としては、前記浸炭処理、窒化処理、高周波焼き入れ処理等の表面改質処理に限定されるものではなく、例えば、レーザビームを照射する等の他の表面改質処理を用いることも可能である。
なお、前記可動コア26は、例えば、SUS410L、SUS405(JIS規格)等のフェライト系ステンレス、S10C(JIS規格)等の一般鋼、又はSUM(JIS規格)等の快削鋼製材料を使用するとよい。
図3に示されるように、前記可動コア26の外表面に形成された非磁性層65の厚さを薄肉とした場合、前記非磁性層65の厚さを10μm〜30μmの範囲で、好適には厚さT1が20μmに設定されるとよい。その際、可動コア26とヨーク22との間に発生する磁気ギャップを極めて小さくすることができるため、磁気力を向上させることができ、従って、大きな吸引力を得ることができる。このため、本実施の形態では、同等の吸引力を発生するものと比較して小型化を図ることができる。
また、図4に示されるように、前記可動コア26の外表面に形成された非磁性層65の厚さを厚肉とした場合、前記非磁性層65の厚さを50μm〜100μmの範囲で、好適には厚さT2が75μmに設定されるとよい。その際、可動コア26とヨーク22との間に発生する磁気ギャップを大きくすることができるため、前記可動コア26とヨーク22との間に作用するサイドフォースを抑制することができる。この場合、例えば、前記サイドフォースによってヒステリシスが増大するタイプのリニアソレノイドに適用することにより、低ヒステリシス特性を有するリニアソレノイドを得ることができる。
前記可動コア26を形成する磁性材料には、Crが12重量%以下に含有されているものを使用することにより、耐久性を向上させることができる。
なお、凸部47及び突起部53は、図3及び図4に示されるように、可動コア本体45と一体的に形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、可動コア本体45の軸線に沿って形成された貫通孔(図示せず)に該可動コア本体45と別体で形成された図示しないシャフトを嵌合させ、前記シャフトの一端部を可動コア本体45の一端面から所定長だけ突出させて凸部47を構成すると共に、該シャフトの他端部を可動コア本体45の他端面から所定長だけ突出させて突起部53を構成するようにしてもよい。
固定コア24の中心部には、後述するスプール弁66のシャフト部46が挿通する貫通孔50が軸線方向に沿って形成される。
前記弁機構部16は、側部にインレットポート56、アウトレットポート58、ドレンポート60、及び、図示しないオイルタンクに連通するブリーザポート62が形成された弁ボデイ18と、前記弁ボデイ18内部の空間部64に軸線方向に沿って変位可能に配置されたスプール弁(弁体)66とを有する。
前記スプール弁66は、ソレノイド部12側から順に、第1ランド部66a、第2ランド部66b及び第3ランド部66cが形成され、前記第1ランド部66aと第2ランド部66bとがそれぞれ同一径からなり、第3ランド部66cが前記第1及び第2ランド部66a、66bよりも僅かに縮径して形成される。
前記弁ボデイ18の空間部64は、エンドブロック68によって閉塞され、前記エンドブロック68とスプール弁66との間には、前記スプール弁66を、常時、ソレノイド部12側に向かって押圧するリターンスプリング70が配設される。なお、前記リターンスプリング70は、コイルスプリングに限定されるものでなく、例えば、図示しない板ばね等を含む弾性体によって構成されるとよい。
ソレノイド部12に近接するスプール弁66の端部側には、可動コア26の凸部47の端面と当接するシャフト部46が一体的に形成され、前記リターンスプリング70のばね力がスプール弁66及びシャフト部46を介して可動コア26に付与されることにより、前記可動コア26は、図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にある。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
ソレノイド部12の非通電時(オフ状態)には、図1に示されるように、スプール弁66は、リターンスプリング70のばね力(押圧力)によって図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にあり、インレットポート56とアウトレットポート58との連通が遮断された状態にある。
そこで、図示しない電源を付勢してコイル32に通電することによりソレノイド部12が励磁されてオン状態となり、図9に示されるような磁気回路82によって電磁力が発生する。この場合、前記コイル32に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力が可動コア26に付与される。従って、前記電磁力の作用下に前記スプール弁66が、リターンスプリング70の押圧力に抗して矢印X2方向に変位することにより、ドレンポート60及びアウトレットポート58間の連通が遮断されると共に、インレットポート56とアウトレットポート58とが連通する(図2参照)。
従って、図示しない油圧源から供給された圧油が図示しない通路を介してインレットポート56及びアウトレットポート58を通じて図示しない油圧作動機器に供給される。なお、前記ソレノイド部12に対する通電を停止することによりオフ状態となり図1に示す初期位置に復帰する。
本実施の形態では、可動コア26の外表面全体に表面改質処理によって非磁性層65が形成されているため、コイル32に通電することにより発生する磁気回路82中で磁気ギャップとして機能させることができる。
また、可動コア26の外表面全体は、非磁性層65が形成されているため、可動コア26のみの外径寸法を管理することにより、容易に所定寸法に形成することができる。従って、ヨーク22と可動コア26との間のクリアランスからなる磁気ギャップを精度よく管理することができ、極めて良好な磁気特性を得ることができる。
さらに、可動コア26の外面全体に非磁性層65が形成されることにより、前記可動コア26がヨーク22の内壁面に貼り付くことが防止されると共に、従来技術において使用される非磁性薄膜あるいは非磁性部材(例えば、非磁性パイプ)等が不要となる。
従って、非磁性薄膜が不要となることにより、可動コア26の外径寸法に影響を与える非磁性薄膜の膜厚寸法の管理をすることがなく、しかも、剥がれ、膨れ、ムラ、ピンホール等が発生するおそれがないため、耐久性を向上させ、良好な品質を有する製品を得ることができる。
さらにまた、可動コア26の外面全体に形成される非磁性層65の厚さを薄肉又は厚肉とすることにより、磁気ギャップの大きさ(可動コア26の外周面とヨーク22の内壁面とのクリアランス)を調整することができる。この結果、前記磁気ギャップの大きさに対応する所望の吸引力を得ることができる。なお、摺動性に悪影響を及ぼさない程度で前記磁気ギャップを極力小さく設定した場合、固定コア24側に向かって変位する可動コア26の傾きを抑制し、安定した磁気特性を得ることができる。
また、本実施の形態では、非磁性の金属製材料からなる単一のパイプ部材30の孔部33内に前記ヨーク22及び前記固定コア24が圧入嵌合された状態に組み付けられる(図1参照)。前記パイプ部材30を設けることにより、ヨーク22と固定コア24との高精度な同軸性が確保され、しかも組み付け性を向上させることができる。
すなわち、ヨーク22及び固定コア24をそれぞれ非磁性の金属製材料からなるパイプ部材30の孔部33の内周面によって保持することにより、前記ヨーク22と固定コア24との高精度な同軸度を得ることができる。前記ヨーク22と固定コア24との高精度な同軸度を確保することにより、可動コア26がヨーク22又は固定コア24に沿って円滑に往復動作することが可能になると共に、前記可動コア26に作用するサイドフォースが抑制されて該可動コア26を円滑に往復動作させることが可能となる。従って、可動コア26の往復動作時におけるヒステリシス特性を良好とすることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、パイプ部材30に巻回されるコイル32の断面形状を正方形とすることにより、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができる。従って、例えば、断面円形状のソレノイドコイルで同数の巻数からなる従来技術と比較した場合、コイル32の総断面積(パイプ部材30に巻回されたコイル32の全体スペース)を小さく設定することができる。
このことは、逆説的にいえば、コイル32の巻回スペースに締める導体断面積の割合、すなわち、導体占有率を断面円形状と比較して大きく設定することができる。
従って、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるため、パイプ部材30の形状を小さくし、終局的にはソレノイド部12全体の小型化を図ることができる。
また、例えば、断面円形状のソレノイドコイルと同一の巻回スペースとした場合、断面正方形からなるコイル32を用いた本実施の形態では、パイプ部材30に対する巻回数を多くすることができるので、ソレノイド部12で発生する吸引力(電磁力)を増大させることができる。
さらに、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるので、コイル32の連続した総寸法(全長)を小さくすることができる。従って、コイル32の抵抗値を小さくすることができ、コイル32に対して通電時に消費される消費電力を抑制することができる。
例えば、断面円形状のコイルと同一の抵抗値となるように断面円形状のコイル32を形成した場合、本実施の形態では、パイプ部材30に対する巻回数を多く設定することができるため、吸引力(電磁力)を向上させることができる。
さらにまた、本実施の形態では、積層されたコイル32間の接触面を面接触とするようにしたため、巻回スペースにおける一線占有率を、断面円形状のコイルと比較して大きく設定することができる。
従って、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができ、巻回スペースの単位体積当たりにおける各コイル32の占有密度を向上させることができる。これにより、巻回スペースにおける伝熱性(放熱性)を向上させることができる。例えば、雰囲気温度がコイル発熱温度よりも低い環境で使用する電磁弁に適用した場合、放熱性が向上するため、上述したようにコイル32の抵抗値を小さく設定することができることと相まって、さらに通電発熱時のコイル32における発熱を小とすることができ、従って、抵抗値をさらに小さくすることができる。
またさらに、断面正方形状に形成されたコイル32を含むソレノイド部12を、車載用電磁弁として好適に適用することができる。車載用部品は、一般的に、バッテリ電圧による最低印加電圧(例えば、8V)が限定されている。そして、車載用電磁弁としては、最低の起磁力(電流値)を確保することが要求されるので、例えば、同じ磁気回路を用いた場合、必然的に最大抵抗値が決まってしまう。ここで、一般的にコイル32の抵抗値は、コイル32の温度が上昇すると抵抗値も上昇するので、上記最大抵抗値は、この上昇抵抗値をも考慮した値となってなければいけない。例えば、この上昇抵抗値を考慮せずに最大抵抗値を設定すると、必要な電流値を得ることができず、最低起磁力を得ることができなくなるおそれがある。すなわち、車載用電磁弁として使用した場合、ソレノイド部12に通電してコイル32の温度が上昇したコイル32の抵抗値であっても、起磁力(電流値)を確保することが必要である。
従って、コイル32の抵抗値及び通電発熱時におけるコイル32の抵抗値が低ければオームの法則により高い電流値を確保することができるので、極めて有益である。すなわち、コイル32の断面形状を正方形状とすることにより、例えば同じ起磁力を得ることができるソレノイド部12においては、コイル32の抵抗値を小さくして消費電力が小さくなり、この低消費電力によって通電時のコイル32の発熱量が小さくなり、通電発熱時の抵抗値を小さくすることができる。
この結果、通電発熱時におけるコイル32の抵抗値を小さくして電流値を高く確保することができるため、最低印加電圧が制限されている車載用電磁弁として好適に使用することができる。また、例えば、断面円形状のコイルによって構成された最低起磁力が同じ他のソレノイド部と比較して、断面正方形状のコイル32を有するソレノイド部12では、電流値を高くすることができる分だけパイプ部材30に対する巻数を小さくすることができるので、より一層小型化を図ることができる。
さらにまた、本実施の形態では、ハウジング14の薄肉部19に対向する可動コア26の端面にストッパとして機能する突起部53を設け、前記突起部53をソレノイド部12における残留磁気を防止するためのスペーサ(いわゆる、マグネットキラー)として機能させることができる。
すなわち、ハウジング14の薄肉部19に対して磁束が流れにくくなっており、前記薄肉部19の中央部ではさらに磁束が流れにくい状態にある。従って、前記薄肉部19の中央部に対応する可動コア26の中央部に突起部53を設けることにより、前記突起部53に対して磁束が流れることを極力防止することができる。
また、可動コア26の端面に突起部53を設けることにより、前記突起部53が当接するハウジング14の底部17の凹部内壁にR部72(図5参照)を形成することができ、ハウジング14の製造が容易となる。
さらに、突起部53を有する可動コア26の端面は、突起部53を間にして薄肉部19の壁面と対面しているため、前記可動コア26の端面に対してハウジング14の薄肉部19側から磁束が流入することを阻止することができる。
さらに、本実施の形態では、ハウジング14の底部17と円筒状のヨーク22との間には、ハウジング14の底部17の内壁面に対応する位置に、可動コア26の端部の外周面が対応するように配置されている(図5のA部参照)。このため、ハウジング14の底部17から可動コア26側への磁束の受け渡しが、前記底部17の内壁面と可動コア26の外周面においてもなされる(図9参照)。従って、ハウジング14の底部17と可動コア26の端部との間で円滑な磁束の受け渡しが行われ、磁束量を増大させることができる。
この結果、ソレノイド部12における吸引力を向上させることができると共に、同等の吸引力とした場合には、本実施の形態に係る油圧制御弁10の全体構成を小型化することができる。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁の軸線方向に沿った縦断面図である。 図1に示す油圧制御弁のソレノイド部を励磁することにより、スプール弁が変位した状態を示す縦断面図である。 図1に示す可動コアの外表面全体に形成された非磁性層を薄肉とした場合の拡大縦断面図である。 図1に示す可動コアの外表面全体に形成された非磁性層を厚肉とした場合の拡大縦断面図である。 前記油圧制御弁を構成するコイル組付体の部分拡大縦断面図である。 断面正方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 図5に示すコイル組付体の変形例に係る部分拡大縦断面図である。 断面長方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 ソレノイド部に形成された磁気回路を示す一部省略拡大説明図である。 従来技術に係るコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。
符号の説明
10…油圧制御弁 12…ソレノイド部
14…ハウジング 16…弁機構部
17…底部 18…弁ボデイ
19…薄肉部 20…コイル組立体
22…ヨーク 24…固定コア
26…可動コア 30…パイプ部材
31…絶縁被膜 32、32a…コイル
33…孔部 36…凹部
38…円錐面部 40…樹脂封止体
46…シャフト部 56…インレットポート
58…アウトレットポート 64…空間部
65…非磁性層 66…スプール弁
70…リターンスプリング

Claims (4)

  1. ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
    圧力流体が流通するインレットポート及びアウトレットポートを有する弁ボデイとハウジングとを含むバルブ本体部と、
    前記ハウジングに設けられ、非磁性の金属製材料により一体的に形成された円筒状のパイプ部材に対し絶縁被膜を介して巻回されたコイルと、前記コイルに対する通電作用下に固定コアに吸引される可動コアと、前記可動コアを囲繞する円筒状のヨークとを有するソレノイド部と、
    前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体を有する弁機構部と、
    を備え、
    前記コイルは、断面正方形又は断面長方形に形成され、
    前記ヨークには、前記可動コアの外側面の形状に対応する円筒状部分が形成されると共に、前記固定コアには、前記可動コアの移動方向での一端面の形状に対応する凹部が形成され、前記可動コアが前記円筒状部分で直接摺動可能とされ、
    前記ヨーク及び前記固定コアは、前記パイプ部材の内壁面側に形成された孔部内に圧入嵌合されて同軸に保持されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  2. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記バルブは、車両に搭載される車載用からなることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  3. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記パイプ部材に巻回されたコイルは、樹脂製材料によって形成された封止体によって被覆されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  4. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記可動コアの外表面には、所定の厚さからなる非磁性層が形成されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
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