JP4097215B2 - リニアソレノイドバルブ - Google Patents

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本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力を発生させ、前記電磁力によって弁体を変位させることが可能なリニアソレノイドバルブに関する。
従来から、ソレノイドコイルの励磁作用下に発生する電磁力によって可動鉄心を固定鉄心に吸引することにより、弁体を変位させる電磁弁が使用されている。
例えば、特許文献1には、コイルボビンに対して前記ソレノイドコイルが複数回巻回されて構成されるソレノイド弁組立体が開示されている。この場合、前記ソレノイドコイルは、断面円形状からなるコイルが多層にわたって巻回されている。
特開昭60−125478号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されたソレノイド弁組立体では、ソレノイドコイルが断面円形状となっているため、図12に示されるように、コイルボビンに積層されたコイル間に隙間が発生する。このため、コイルボビンに対して断面円形状のソレノイドコイルを複数回巻回することにより、前記コイルボビンの軸方向及び半径外方向に沿って多数の隙間が形成される。
従って、断面円形状のソレノイドコイルがコイルボビンに対して複数回巻回された場合には、積層された円形状のソレノイドコイル断面の間に発生する多数の隙間が集積されることによって余分な空間部が形成され、前記コイルボビンに巻き付けられて完成したソレノイドコイル全体の形状が大型化するという問題がある。この結果、前記ソレノイドコイルを含むソレノイド部全体も必然的に大型化せざるを得ないという問題がある。
さらに、磁束量を増大させて固定コア側への可動コアの吸引力を向上させたいという産業界の要請がある。
本発明は、前記の問題等を考慮してなされたものであり、コイルボビンに積層されたコイル間の隙間を減少させることにより、余分な空間を排除してソレノイド部の小型化を達成すると共に、可動コアに対する吸引力をより一層向上させつつ、小型化することが可能なリニアソレノイドバルブを提供することを目的とする。
この項では、理解の容易化のために添付図面中の符号にかっこを付けて説明する。但し、この項に記載した内容がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではない。
本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
圧力流体が流通するインレットポート(56)及びアウトレットポート(58)を有する弁ボデイ(18)とハウジング(14)とを含むバルブ本体部と、
前記ハウジングに設けられ、コイルボビン(30)に巻回されたコイル(32)と、前記コイルに対する通電作用下に固定コア(24)に吸引される可動コア(26)と、前記可動コア(26)を囲繞する円筒状のヨーク(22)とを有するソレノイド部(12)と、
前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体(66)を有する弁機構部(16)と、
を備え、
前記ハウジングの底部(17)には、可動コア側に向かって所定長だけ突出する突出支持部(19)が形成され、一方、前記可動コアには、前記ハウジング側に向かって所定長だけ突出する環状突起部(47)が形成され、
前記環状突起部(47)は、前記ハウジング(14)の底部(17)の内壁面、該内壁面に対向するハウジング(14)の突出支持部(19)の外壁面との間に形成された環状空間部(49)に設けられ、
前記コイル(32)は、断面正方形又は断面長方形に形成されると好適である。
本発明によれば、環状突起部を、ハウジングの底部とハウジングの突出支持部との間に形成された環状空間部に設けることにより、ハウジングの底部から可動コア側への磁束の受け渡しが円滑となり、磁束量を増大させて可動コアの吸引力が向上すると共に、小型化することが可能となる。
さらに、本発明によれば、コイルボビンに巻回されるコイルの断面形状を正方形又は長方形とすることにより、積層されたコイル間に生じる間隙を極めて小さくすることができる。従って、コイルボビンに巻回されたコイルの巻回スペースを狭小とすることができる。
この場合、コイルの通電時における抵抗値を小さくして高い電流値を確保することができるため、最低印加電圧が限定された車載用電磁弁として好適に使用することができる。
また、コイルボビンの軸線方向に沿った一端部又は他端部のいずれか一方にのみ半径外方向に突出した環状のフランジを形成し、前記環状のフランジが形成されない一端部又は他端部を樹脂製材料によって形成された封止体によって被覆するとよい。フランジの厚さ寸法分だけコイルボビンの軸線方向の長さ寸法が短縮されてソレノイド部の小型化に寄与することができる。また、非導電性材料からなる封止体によって、フランジが形成されていない部分のコイルを被覆することにより、前記コイルが安定して保護される。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、コイルボビンに巻回されるコイルの断面形状を正方形又は長方形とすることにより、コイルボビンに積層されたコイル間の隙間を減少させて余分な空間が排除されることにより、ソレノイド部の小型化を図ることができる。
さらに、環状突起部を、ハウジングの底部とハウジングの突出支持部との間に形成された環状空間部に設けることにより、ハウジングの底部から可動コア側への磁束の受け渡しが円滑となり、磁束量を増大させて可動コアの吸引力をより一層向上させつつ、小型化することができる。
本発明に係るリニアソレノイドバルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る油圧制御弁を示す。
この油圧制御弁10は、例えば、SUM(JIS規格)等の磁性材料によって有底円筒状に形成され、内部にソレノイド部(リニアソレノイド部)12が設けられたハウジング14と、前記ハウジング14に一体的に結合され、内部に弁機構部16が設けられた弁ボデイ18とを含む。なお、前記ハウジング14及び弁ボデイ18は、バルブ本体部として機能するものである。
前記ハウジング14は、円筒部15と、前記円筒部15の内周側に所定間隔離間して形成され該円筒部15と略平行に配置された円筒状のヨーク22と、前記円筒部15よりも厚肉に形成された底部17とから構成され、前記円筒部15、ヨーク22及び底部17が一体化されて形成される。
なお、前記円筒状のヨーク22は、例えば、ハウジング14と別体で構成された略円筒体のヨークを、ハウジング14の底部17の内周面に形成した圧入嵌合面に圧入嵌合するものとしてもよい。
前記底部17の内壁には、円筒状のヨーク22と略平行に延在する環状凸部からなり、後述する可動コアを支持する突出支持部19が設けられる。前記突出支持部19の内部中央部には、後述するシャフト46の一端部が臨む孔部52が形成される。
前記ソレノイド部12は、ハウジング14内に収容されるコイル組立体20と、前記ハウジング14の閉塞端側に該ハウジング14と一体的に形成され前記コイル組立体20の内部に配置される円筒状のヨーク22と、前記ハウジング14の開口端部に結合されると共に、コイル組立体20の内側で軸線方向に沿ってヨーク22と所定のクリアランスを介して配置される固定コア24と、前記ヨーク22及び固定コア24に対して摺動可能に嵌挿された可動コア26とを有する。
前記コイル組立体20は、合成樹脂製材料によって形成され軸線方向に沿った両端部にフランジ28a、28bを有するコイルボビン30と、前記コイルボビン30に対して複数回巻回され、図3及び図4に示されるように、断面正方形に形成された真四角導線からなるコイル32とから構成される。
前記コイル32を断面正方形に形成することにより、コイルボビン30に巻回されたコイル32同士の接触が面接触となるため、コイル32が所定の位置に安定且つ整列して配置される。これにより、図5に示されるように、コイルボビン30の一方のフランジ28a(28b)を不要とすることができる。前記一方のフランジ28a(28b)を不要とすることにより、ソレノイド部12全体における軸方向の寸法が短縮されて小型化を図ることができる。
また、図12に示されるように断面円形状に形成された従来技術に係るコイルをコイルボビンに巻回した場合、コイルを巻き付ける際のテンションによってフランジ側に向かって崩れる力が作用するのに対し、断面正方形のコイル32では、前記コイル32間の面接触によってフランジ28a(28b)側に向かって崩れる力が働かないため、一方のフランジ28a(28b)を不要とすることが可能となる。
なお、図6及び図7に示されるように、断面長方形に形成された平角導線からなる他のコイル32aを用いてもよい。この場合、断面正方形状に形成されたコイル32は、断面長方形状に形成されたコイル32aよりも、より一層巻回スペースを小さく設定することができる。さらに、断面正方形状のコイル32では、断面長方形状のコイル32aと比較してその断面の周囲寸法を小さくすることができるため、コイル32への絶縁被膜断面積を小さく設定することができる。
所定間隔離間する前記ヨーク22と固定コア24とが対向する部位には、円筒状のヨーク22の一端面に形成された環状の垂直面部34と、固定コア24の凹部36の外周面に形成された円錐面部38とが設けられる。なお、前記垂直面部34に隣接するヨーク22の一端面には、漏れ磁束を減少させるためのテーパ部35が周方向に面取りして形成される。
前記ヨーク22及び固定コア24には、可動コア26の形状に対応する円筒状部分及び凹部36を形成し、前記円筒状のヨーク22と固定コア24の凹部36との間で可動コア26を往復動作させるリニアソレノイド構造とすることができる。
ハウジング14とコイル32の間には、該コイル32の外周面及びコイルボビン30の一部をモールドする樹脂封止体40が設けられ、前記樹脂封止体40は、前記コイル32に通電するカプラ部42に連続して樹脂製材料によって一体成形される。なお、前記カプラ部42には、前記コイル32に電気的に接続されたターミナル44の端子部44aが露呈するように設けられる。
前記コイル32の外周面を樹脂封止体40によって被覆することにより、コイル32を安定して保護することができる。また、コイルボビン30の一方の端部に形成されたフランジ28a(28b)を不要とした場合、前記不要としたフランジ28a(28b)部分をも前記樹脂封止体40で覆うことにより、より一層コイル32が安定して保護される。
前記可動コア26は、図3に示されるように、円柱体からなる可動コア本体45と、前記可動コア本体45の一端面に一体的に形成され、ハウジング14の底部17側に向かって所定長だけ突出する環状突起部47とを有する。前記環状突起部47は、円筒状のヨーク22及びハウジング14の底部17の内壁面とハウジング14の突出支持部19との間に形成された環状空間部49に臨むように設けられる。
この場合、前記環状突起部47の内周面と突出支持部19の外周面との間には、周方向に沿って所定且つ均一のクリアランスが形成され、図3において、該環状突起部47の内周断面47aと突出支持部19の外周断面19aとがそれぞれ略平行に形成される。
また、前記可動コア本体45と環状突起部47との境界部分には、シャフト46の軸線と直交する方向(可動コア本体45の直径方向)に貫通する圧油流通孔(圧力流体流通孔)51が形成され、前記圧油流通孔51は、可動コア26の環状突起部47が環状空間部49内に進入したときの圧油の呼吸孔として機能するものである。なお、前記圧油流通孔は、単数、あるいは、十字状に直交するように形成されるとよい。
前記可動コア26には、その中心部を貫通するシャフト46が固着され、前記シャフト46の一端部は、ハウジング14の突出支持部の孔部52に装着された第1平軸受(第1軸受)48aを介して軸方向に摺動可能に軸支され、該シャフト46の他端部は、固定コア24の中心部を貫通する貫通孔50内に装着された第2平軸受(第2軸受)48bを介して軸方向に摺動可能に軸支される。
前記シャフト46が装着される可動コア26の軸方向に沿った一端部及び他端部をそれぞれ加締めて半径内方向に変形させることにより前記可動コア26とシャフト46とが一体的に結合される。なお、前記可動コア26とシャフト46とを別体で構成することがなく、前記シャフト46を含んで可動コア26を一体形成してもよい。
このように貫通するシャフト46の両端部をそれぞれ軸支する第1及び第2平軸受48a、48bを介して可動コア26を両端支持構造とすることができる。前記シャフト46を両端支持構造とすることにより、可動コア26の安定した直進性を確保することができる。
前記第1平軸受48aは、ハウジング14の突出支持部の孔部52に圧入して固着され、前記第1平軸受48aの外周面には、その両端面間を連通する軸方向の第1連通溝54aが形成される。また、第2平軸受48bは、貫通孔50の内周面に圧入して固着され、前記第2平軸受48bの外周面には、その両端面間を連通する軸方向の第2連通溝54bが形成される。さらに、可動コア26の外周面には、その両端面間を連通する軸方向の第3連通溝54cが形成される。
固定コア24に対向する可動コア26の端面には、非磁性材料によって形成され、ソレノイド部12における残留磁気を防止するためのスペーサとして機能するリング体55がシャフト46を介して設けられる。
すなわち、ソレノイド部12に対する通電遮断時に固定コア24又は可動コア26に残留磁気が発生し、前記残留磁気の作用下に可動コア26が固定コア24から離間しない場合があり、可動コア26の端面にシャフト46を介してリング体55を設けることにより固定コア24との間で所定のクリアランスが形成されて残留磁気の発生を抑制することができる。
なお、前記可動コア26は、例えば、SUS410L、SUS405(JIS規格)等のフェライト系ステンレス、S10C(JIS規格)等の一般鋼、又はSUM(JIS規格)等の快削鋼製材料を使用するとよい。
前記可動コア26を形成する磁性材料には、Crが12重量%以下に含有されているものを使用することにより、耐久性を向上させることができる。
前記弁機構部16は、側部にインレットポート56、アウトレットポート58、ドレンポート60、及び、図示しないオイルタンクに連通するブリーザポート62が形成された弁ボデイ18と、前記弁ボデイ18内部の空間部64に軸線方向に沿って変位可能に配置されたスプール弁(弁体)66とを有する。
前記スプール弁66は、ソレノイド部12側から順に、第1ランド部66a、第2ランド部66b及び第3ランド部66cが形成され、前記第1ランド部66aと第2ランド部66bとがそれぞれ同一径からなり、第3ランド部66cが前記第1及び第2ランド部66a、66bよりも僅かに縮径して形成される。
前記弁ボデイ18の空間部64は、エンドブロック68によって閉塞され、前記エンドブロック68とスプール弁66との間には、前記スプール弁66を、常時、ソレノイド部12側に向かって押圧するリターンスプリング70が配設される。なお、前記リターンスプリング70は、コイルスプリングに限定されるものでなく、例えば、図示しない板ばね等を含む弾性体によって構成されるとよい。
ソレノイド部12に近接するスプール弁66の端面は、シャフト46の端面と当接するように設けられ、前記リターンスプリング70のばね力がスプール弁66及びシャフト46を介して可動コア26に付与されることにより、前記可動コア26は、図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にある。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
ソレノイド部12の非通電時(オフ状態)には、図1に示されるように、スプール弁66は、リターンスプリング70のばね力(押圧力)によって図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にあり、インレットポート56とアウトレットポート58との連通が遮断された状態にある。
そこで、図示しない電源を付勢してコイル32に通電することによりソレノイド部12が励磁されてオン状態となり、図8に示されるような磁気回路82によって電磁力が発生する。この場合、前記コイル32に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力が可動コア26に付与される。従って、前記電磁力の作用下に前記スプール弁66が、リターンスプリング70の押圧力に抗して矢印X2方向に変位することにより、ドレンポート60及びアウトレットポート58間の連通が遮断されると共に、インレットポート56とアウトレットポート58とが連通する(図2参照)。
従って、図示しない油圧源から供給された圧油が図示しない通路を介してインレットポート56及びアウトレットポート58を通じて図示しない油圧作動機器に供給される。なお、前記ソレノイド部12に対する通電を停止することによりオフ状態となり図1に示す初期位置に復帰する。
本実施の形態では、ハウジング14の底部17に環状凸部からなる突出支持部19を形成し、前記ハウジング14の底部17に対向する可動コア26の端面に、ヨーク22及び底部17と突出支持部19との間に形成された環状空間部49に臨む環状突起部47を設けることにより、ハウジング14の底部17から可動コア26側への磁束の受け渡しが、前記底部17の内壁面と可動コア26の環状突起部47の外周面においてもなされるので、ハウジング14の底部17と可動コア26の環状突起部47との間で円滑な磁束の受け渡しが行われ、磁束量を増大させることができる。
すなわち、コイル32に対する通電作用下に発生する磁束の流れは、図8に示されるように、ハウジング14の底部17を経由して円筒状のヨーク22の内周面から可動コア26の側周面に向かって流通する磁束の流れ(図8中の磁束A参照)のみならず、前記ハウジング14の底部17を経由して前記底部17に対応する部位の内周面からも可動コア26の環状突起部47に向かって流通する磁束の流れ(図8中の磁束B参照)が形成される。
従って、ハウジング14の底部17を経由して可動コア26側に向かって磁束を流通させる際、例えば、ハウジング14の底部17を経由して円筒状のヨーク22に磁束が流入した後、前記ヨーク22から可動コア26側に向かって流通する磁束Aのみによって構成される従来技術に係る電磁弁の磁気回路(図示せず)と比較して、本実施の形態では、ハウジング14の底部17に対応する部位の内周面からも可動コア26側(環状突起部47)に向かって磁束Bが流れることにより、極めて円滑に磁束を流通させることが可能となると共に、磁気回路82全体の磁束の流通量、すなわち、磁束量(磁束A+磁束B)を増大させることができる。
この結果、可動コア26に対する吸引力を大幅に向上させることができると共に、同等の吸引力の場合には、油圧制御弁10の全体構造を小型化することができる。
また、環状突起部47を環状空間部49に設けることにより、可動コア26の環状突起部47内には、突出支持部19が配置されることになる。これにより、ハウジング14の底面側における可動コア26の端部内周空間を有効利用することが可能となるので、例えば、突出支持部がハウジングの外底面から外方突出するものと比較して、ハウジングの外底面を平坦化して小型化を図ることができる。しかして、環状突起部47を環状空間部49に設けることにより、可動コア26に対する吸引力をより一層向上させつつ、小型化することが可能となる。
さらに、図3に示されるように、前記環状突起部47の内周断面47aと突出支持部19の外周断面19aとをそれぞれ平行に形成することにより、前記内周断面47aと前記外周断面19aとのクリアランスを極力小とすることが可能となる。これにより、例えば、環状空間部49内に環状突起部47を周方向に厚肉化してスペースを有効利用して配置することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、ソレノイド部12を構成するコイルボビン30に巻回されるコイル32の断面形状を正方形とすることにより、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができる。従って、例えば、断面円形状のソレノイドコイルで同数の巻数からなる従来技術と比較した場合、コイル32の総断面積(コイルボビン30に巻回されたコイル32の全体スペース)を小さく設定することができる。
このことは、逆説的にいえば、コイル32の巻回スペースに締める導体断面積の割合、すなわち、導体占有率を断面円形状と比較して大きく設定することができる。
従って、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるため、コイルボビン30の形状を小さくし、終局的にはソレノイド部12全体の小型化を図ることができる。
また、例えば、断面円形状のソレノイドコイルと同一の巻回スペースとした場合、断面正方形からなるコイル32を用いた本実施の形態では、コイルボビン30に対する巻回数を多くすることができるので、ソレノイド部12で発生する吸引力(電磁力)を増大させることができる。
さらに、本実施の形態では、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるので、コイル32の連続した総寸法(全長)を小さくすることができる。従って、コイル32の抵抗値を小さくすることができ、コイル32に対して通電時に消費される消費電力を抑制することができる。
例えば、断面円形状のコイルと同一の抵抗値となるように断面円形状のコイル32を形成した場合、本実施の形態では、コイルボビン30に対する巻回数を多く設定することができるため、吸引力(電磁力)を向上させることができる。
さらにまた、本実施の形態では、積層されたコイル32間の接触面を面接触とするようにしたため、巻回スペースにおける一線占有率を、断面円形状のコイルと比較して大きく設定することができる。
従って、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができ、巻回スペースの単位体積当たりにおける各コイル32の占有密度を向上させることができる。これにより、巻回スペースにおける伝熱性(放熱性)を向上させることができる。例えば、雰囲気温度がコイル発熱温度よりも低い環境で使用する電磁弁に適用した場合、放熱性が向上するため、上述したようにコイル32の抵抗値を小さく設定することができることと相まって、さらに通電発熱時のコイル32における発熱を小とすることができ、従って、抵抗値をさらに小さくすることができる。
またさらに、断面正方形状に形成されたコイル32を含むソレノイド部12を、車載用電磁弁として好適に適用することができる。車載用部品は、一般的に、バッテリ電圧による最低印加電圧(例えば、8V)が限定されている。そして、車載用電磁弁としては、最低の起磁力(電流値)を確保することが要求されるので、例えば、同じ磁気回路を用いた場合、必然的に最大抵抗値が決まってしまう。ここで、一般的にコイル32の抵抗値は、コイル32の温度が上昇すると抵抗値も上昇するので、上記最大抵抗値は、この上昇抵抗値をも考慮した値となってなければいけない。例えば、この上昇抵抗値を考慮せずに最大抵抗値を設定すると、必要な電流値を得ることができず、最低起磁力を得ることができなくなるおそれがある。すなわち、車載用電磁弁として使用した場合、ソレノイド部12に通電してコイル32の温度が上昇したコイル32の抵抗値であっても、起磁力(電流値)を確保することが必要である。
従って、コイル32の抵抗値及び通電発熱時におけるコイル32の抵抗値が低ければオームの法則により高い電流値を確保することができるので、極めて有益である。すなわち、コイル32の断面形状を正方形状とすることにより、例えば同じ起磁力を得ることができるソレノイド部12においては、コイル32の抵抗値を小さくして消費電力が小さくなり、この低消費電力によって通電時のコイル32の発熱量が小さくなり、通電発熱時の抵抗値を小さくすることができる。
この結果、通電発熱時におけるコイル32の抵抗値を小さくして電流値を高く確保することができるため、最低印加電圧が制限されている車載用電磁弁として好適に使用することができる。また、例えば、断面円形状のコイルによって構成された最低起磁力が同じ他のソレノイド部と比較して、断面正方形状のコイル32を有するソレノイド部12では、電流値を高くすることができる分だけコイルボビン30に対する巻数を小さくすることができるので、より一層小型化を図ることができる。
次に、本発明の他の実施の形態に係る油圧制御弁100を図9〜図11に示す。なお、図1及び図2に示す前記実施の形態と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
この他の実施の形態に係る油圧制御弁100では、ハウジング14の底部17に形成された突出支持部102の外周面が可動コア26側に向かって徐々に縮径するテーパ面104に形成され、所定のクリアランスを介して前記突出支持部102のテーパ面104に対向する可動コア26の環状突起部106の内周面が前記テーパ面104に対応する逆テーパ面108に形成されている点で前記実施の形態に係る油圧制御弁10と相違している(図11参照)。
すなわち、前記実施の形態の形態に係る油圧制御弁10では、環状突起部47の内周断面と突出支持部19の外周断面とをそれぞれ平行に形成しているのに対し、他の実施の形態に係る油圧制御弁100では、環状突起部106の内周断面及び突出支持部102の外周断面がシャフト46の軸線と交差するように所定角度だけ傾斜したテーパ面104及び逆テーパ面108に形成されている点で相違している。
この場合、突出支持部102の外周面が可動コア26側に向かって縮径するテーパ面104とし、可動コア26の環状突起部106の内周面が前記テーパ面104に対応する逆テーパ面108に形成されることにより、可動コア26の作動時における該可動コア26が油から受ける力を良好なものとすることができる。
すなわち、可動コア26が固定コア24側へと向かうオン状態時には、テーパ面104と逆テーパ面108との間隔は離間する方向に大となるので、オイルせん断力が低減する方向に作用する。従って、吸引時における可動コア26の作動を良好とすることが可能となる。
なお、突出支持部102の外周面と環状突起部106の内周面との関係は、それぞれ平行とし、あるいはテーパ面又は逆テーパ面としたが、これに限定されるものではなく、例えば、突出支持部102の外周面を平行とし、環状突起部106の内周面をテーパ面としてもよい。また、突出支持部102の外周面をテーパ面とし、環状突起部106の内周面を平行としてもよい。さらに、突出支持部102のテーパ面104と環状突起部106の逆テーパ面108とに所定の角度差を設けて交差状としてもよい。
また、ハウジング14の突出支持部102は、可動コア26側に向かって縮径するテーパ面104、すなわち、その基部に向かって径が徐々に大径化するようになっているので、突出支持部102の強度を増大させることが可能となる。さらに、突出支持部102は、ハウジング14の開放側に向けて抜き勾配となっているので、ハウジング14を鍛造成形によって容易に製造することができる。
なお、その他の構成及び作用効果は、前記実施の形態と同一であり、その詳細な説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁の軸線方向に沿った縦断面図である。 図1に示す油圧制御弁のソレノイド部を励磁することにより、スプール弁が変位した状態を示す縦断面図である。 前記油圧制御弁を構成するコイル組付体の部分拡大縦断面図である。 断面正方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 コイルボビンに形成されたフランジが除去された状態を示す部分拡大縦断面図である。 図3に示すコイル組付体の変形例に係る部分拡大縦断面図である。 断面長方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 ソレノイド部に形成された磁気回路を示す一部省略拡大説明図である。 本発明の他の実施の形態に係る油圧制御弁の軸線方向に沿った縦断面図である。 図9に示す油圧制御弁のソレノイド部を励磁することにより、スプール弁が変位した状態を示す縦断面図である。 ソレノイド部に形成された磁気回路を示す一部省略拡大説明図である。 従来技術に係るコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。
符号の説明
10、100…油圧制御弁 12…ソレノイド部
14…ハウジング 16…弁機構部
17…底部 18…弁ボデイ
19、102…突出支持部 20…コイル組立体
22…ヨーク 24…固定コア
26…可動コア 28a、28b…フランジ
30…コイルボビン 32、32a…コイル
34…垂直面部 36…凹部
38…円錐面部 40…樹脂封止体
45…可動コア本体 46…シャフト
47…環状突起部 48a、48b…平軸受
49…環状空間部 50…貫通孔
51…圧油流通孔 54a〜54c…連通溝
55…リング体 56…インレットポート
58…アウトレットポート 64…空間部
66…スプール弁 82…磁気回路

Claims (5)

  1. ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
    圧力流体が流通するインレットポート及びアウトレットポートを有する弁ボデイとハウジングとを含むバルブ本体部と、
    前記ハウジングに設けられ、コイルボビンに巻回されたコイルと、前記コイルに対する通電作用下に固定コアに吸引される可動コアと、前記可動コアを囲繞する円筒状のヨークとを有するソレノイド部と、
    前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体を有する弁機構部と、
    を備え、
    前記コイルは、断面正方形又は断面長方形に形成され、
    前記ハウジングの底部には、可動コア側に向かって所定長だけ突出する突出支持部が形成され、一方、前記可動コアには、前記ハウジング側に向かって所定長だけ突出する環状突起部が形成され、
    前記環状突起部は、前記ハウジングの底部の内壁面、該内壁面に対向するハウジングの突出支持部の外壁面との間に形成された環状空間部に設けられることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  2. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記可動コアには、前記環状突起部の内側で前記ハウジング側に向かって所定長だけ突出するシャフトが設けられ、一方、前記突出支持部には、前記シャフトが臨む孔部が形成され、
    前記シャフトは、前記孔部で支持された軸受により支承されていることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  3. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記バルブは、車両に搭載される車載用からなることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  4. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記コイルボビンには、該コイルボビンの軸線方向に沿った一端部又は他端部のいずれか一方にのみ半径外方向に突出した環状のフランジが形成されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  5. 請求項記載のバルブにおいて、
    前記環状のフランジが形成されないコイルボビンの軸線方向に沿った一端部又は他端部は、樹脂製材料によって形成された封止体によって被覆されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
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