JP2005286236A - リニアソレノイドバルブ - Google Patents

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秀樹 古田
Shigeto Ryuen
繁人 竜円
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秀俊 渡邊
Satoru Noda
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Abstract

【課題】可動コアに対する吸引力をより一層向上させることが可能なリニアソレノイドバルブを提供することにある。
【解決手段】ハウジング14の外表面には、突部19の裾部に連続する平坦なハウジング端面23が形成され、前記突部19側の可動コア26の端面26aと前記ハウジング端面23とが略面一となるように設定し、あるいは、前記可動コア26の端面26aがハウジング端面23よりも突部19側に突出するような位置関係に配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力を発生させ、前記電磁力によって弁体を変位させることが可能なリニアソレノイドバルブに関する。
従来から、ソレノイドコイルの励磁作用下に発生する電磁力によって可動鉄心を固定鉄心に吸引することにより、弁体を変位させる電磁弁が使用されている。
この種の電磁弁として、本件出願人は、例えば、特許文献1に示されるように、可動コアの磁力に対する正確な応答性を得ることが可能な電磁装置を提案している。
登録実用新案第2530268号公報
本発明は、前記提案に関連してなされたものであり、可動コアの側面とハウジングの内部壁面とが部分的に重なり合う位置関係を設定することにより、可動コアに対する吸引力をより一層向上させることが可能なリニアソレノイドバルブを提供することを目的とする。
この項では、理解の容易化のために添付図面中の符号にかっこを付けて説明する。但し、この項に記載した内容がその符号を付けたものに限定して解釈されるものではない。
本発明は、ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
圧力流体が流通するインレットポート(56)及びアウトレットポート(58)を有する弁ボデイ(18)とハウジング(14)とを含むバルブ本体部と、
前記ハウジングに設けられ、コイルボビン(30)に巻回されたコイル(32)と、前記コイルに対する通電作用下に固定コア(24)に吸引される可動コア(26)とを有するソレノイド部(12)と、
前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体(66)を有する弁機構部(16)と、
を備え、
前記ハウジング(14)と対向する可動コア(26)の端面(26a)は、ハウジングの外表面に形成されたハウジング端面(23)と略面一となるように設定され、又は、前記可動コア(26)の端面(26a)が前記ハウジング端面(23)よりも外方向に向かって突出するように設定されることを特徴とする。
本発明によれば、可動コアの端面とハウジング端面とが略面一又は前記可動コアの端面がハウジング端面よりも外方に突出するように設定されている。換言すると、コイルに対する非通電時において、可動コアの側周面の一部と、ハウジングの底部及び該底部に連接するヨークの側周面とが、それぞれ部分的に重なり合う位置関係となるように設定されている。
この場合、コイルに対する通電作用下に発生する磁束の流れは、ハウジングの底部を経由して円筒状のヨークの内周面から可動コアの側周面に向かって流通する磁束の流れのみならず、さらに、前記ハウジングの底部を経由して前記底部に対応する部位の内周面からも可動コアの側周面に向かって流通する磁束の流れが発生する。
従って、ハウジングの底部を経由して可動コア側に向かって磁束を流通させる際、例えば、ハウジングの底部を経由して円筒状のヨークに磁束が流入した後、前記ヨークから可動コア側に向かって流通する磁束のみによって構成される従来技術に係る電磁弁の磁気回路と比較して、本発明では、ハウジングの底部に対応する部位の内周面からも可動コア側に向かって磁束が流れることにより、極めて円滑に磁束を流通させることが可能となると共に、磁気回路全体の磁束の流通量、すなわち、磁束量を増大させることができる。この結果、可動コアに対する吸引力を大幅に向上させることができる。
また、本発明によれば、ハウジングの内壁に、底部側からヨーク側に向かって徐々に縮径するテーパ部又は断面円弧状のR部を形成することにより、ハウジングの底部を経由して可動コア側に向かって磁束を流通させる際、より一層円滑に磁束を流すことが可能となり、流通する磁束量を増大させることができる。
さらに、本発明によれば、固定コアに形成された環状鍔部がコイル積層体の軸線方向に沿った略中央部(略L/2)に配置されることにより、コイル積層体の略中央部における磁界強度が最も強いことと相まって、コイル積層体を中心として周回状に発生する磁束の流れの中で、磁束のベクトルが前記環状鍔部側に向かって同一方向に整流されるためであると推測される。この結果、コイル積層体の軸線方向に沿った略中央部に固定コアの環状鍔部を配置することにより、可動コアに対する吸引力(電磁力)をより一層向上させることができる。
さらにまた、本発明によれば、可動コアと一体的に変位するシャフトを前記可動コアに固定し、前記シャフトの一方の端部をハウジングの孔部に設けられた第1軸受と、前記シャフトの他方の端部を固定コアに設けられた第2軸受とによってそれぞれ摺動自在に支持する両端支持構造とすることにより、可動コアの安定した直進性が確保される。
またさらに、本発明によれば、コイルボビンに巻回されるコイルの断面形状を正方形又は長方形とすることにより、積層されたコイル間に生じる間隙を極めて小さくすることができる。従って、コイルボビンに巻回されたコイルの巻回スペースを狭小とすることができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、可動コアの端面とハウジング端面とが略面一又は前記可動コアの端面がハウジング端面よりも外方に突出するように設定され、前記ハウジング端面が形成されたハウジングの底部を経由して前記底部に対応する部位の内周面から可動コアの側周面に向かって流通する磁束の流れが発生することにより、可動コアに対する吸引力を大幅に向上させることができる。
本発明に係るリニアソレノイドバルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る油圧制御弁を示す。
この油圧制御弁10は、例えば、SUM(JIS規格)等の磁性材料によって有底円筒状に形成され、内部にソレノイド部(リニアソレノイド部)12が設けられたハウジング14と、前記ハウジング14に一体的に結合され、内部に弁機構部16が設けられた弁ボデイ18とを含む。なお、前記ハウジング14及び弁ボデイ18は、バルブ本体部として機能するものである。
前記ハウジング14は、外周側の円筒部15と、前記円筒部15の内周側に所定間隔離間して形成され該円筒部15と略平行に配置された円筒状のヨーク22と、前記円筒部15よりも厚肉に形成され前記円筒部15と前記ヨーク22とを結合させる底部17と、前記底部17に連続し該ハウジング14の軸線方向に沿った外方に向かって所定長だけ突出する断面略山形状の突部19とから構成され、前記円筒部15、ヨーク22、底部17及び突部19が一体的に形成される。なお、円筒状のヨーク22は、例えばハウジング14と別体で構成された略円筒体のヨークを、ハウジング14の底部17の内周面に形成した圧入嵌合面に、圧入嵌合するものとしてもよい。
外周側の円筒部15と内周側のヨーク22とが対向するハウジング14の内壁には、断面において底部17側からヨーク22側に向かって所定角度傾斜する傾斜面を有し、底部17側からヨーク22側に向かって徐々に縮径するテーパ部21が設けられる。なお、前記テーパ部21に代替して、図4に示されるように、所定の曲率半径からなる円弧部によって形成されたR部21aに構成してもよい。
前記突部19の内部中央部には、後述するシャフト46の一端部が臨む孔部52が形成される。また、ハウジング14の外表面には、突部19の裾部に連続する平坦なハウジング端面23が形成され、図3に示されるように、前記突部19側の可動コア26の端面26aと前記ハウジング端面23とが略面一となるように設けられる。
前記ソレノイド部12は、ハウジング14内に収容されるコイル組立体20と、前記ハウジング14の閉塞端側に該ハウジング14と一体的に形成され前記コイル組立体20の内部に配置される円筒状のヨーク22と、前記ハウジング14の開口端部に結合されると共に、コイル組立体20の内側で軸線方向に沿ってヨーク22と所定のクリアランスを介して配置される固定コア24と、前記ヨーク22及び固定コア24に対して摺動可能に嵌挿された可動コア26とを有する。
前記コイル組立体20は、合成樹脂製材料によって形成され軸線方向に沿った両端部にフランジ28a、28bを有するコイルボビン30と、前記コイルボビン30に対して複数回巻回され、図3〜図5に示されるように、断面正方形に形成された真四角導線からなるコイル32とから構成される。
なお、コイル32がコイルボビン30に対して積層された断面略長方形状のコイル全体をコイル積層体33として以下に説明する。
前記コイル32を断面正方形に形成することにより、コイルボビン30に巻回されたコイル32同士の接触が面接触となるため、コイル32が所定の位置に安定且つ整列して配置される。これにより、図6に示されるように、コイルボビン30の一方のフランジ28a(28b)を不要とすることができる。前記一方のフランジ28a(28b)を不要とすることにより、ソレノイド部12全体における軸方向の寸法が短縮されて小型化を図ることができる。
また、図14に示されるように断面円形状に形成された従来技術に係るコイルをコイルボビンに巻回した場合、コイルを巻き付ける際のテンションによってフランジ側に向かって崩れる力が作用するのに対し、断面正方形のコイル32では、前記コイル32間の面接触によってフランジ28a(28b)側に向かって崩れる力が働かないため、一方のフランジ28a(28b)を不要とすることが可能となる。
なお、図7及び図8に示されるように、断面長方形に形成された平角導線からなる他のコイル32aを用いてもよい。この場合、断面正方形状に形成されたコイル32は、断面長方形状に形成されたコイル32aよりも、より一層巻回スペースを小さく設定することができる。さらに、断面正方形状のコイル32では、断面長方形状のコイル32aと比較してその断面の周囲寸法を小さくすることができるため、コイル32への絶縁被膜断面積を小さく設定することができる。
所定間隔離間する前記ヨーク22と固定コア24とが対向する部位には、円筒状のヨーク22の一端面に形成された環状の垂直面部34と、固定コア24の凹部36の外周面に形成された円錐面部38とが設けられる。なお、前記垂直面部34に隣接するヨーク22の一端面には、漏れ磁束を減少させるためのテーパ部35が周方向に面取りして形成される。
前記ヨーク22及び固定コア24には、可動コア26の形状に対応する円筒状部分及び凹部36が形成され、前記円筒状のヨーク22と固定コア24の凹部36との間で可動コア26を摺動させるリニアソレノイド構造とすることができる。
前記可動コア26に対向する固定コア24の端部には、外周側の円錐面部38と内周側の凹部36とによって断面略三角形状に形成された環状鍔部39が設けられる。この場合、固定コア24の端部に一体的に形成された環状鍔部39の中央基準線Cは、コイル積層体33の軸線方向に沿った寸法Lを略二等分する位置(略L/2)に設定される(図3参照)。
ハウジング14とコイル32の間には、該コイル32の外周面及びコイルボビン30の一部をモールドする樹脂封止体40が設けられ、前記樹脂封止体40は、前記コイル32に通電するカプラ部42に連続して樹脂製材料によって一体成形される。なお、前記カプラ部42には、前記コイル32に電気的に接続されたターミナル44の端子部44aが露呈するように設けられる。
前記コイル32の外周面を樹脂封止体40によって被覆することにより、コイル32を安定して保護することができる。また、コイルボビン30の一方の端部に形成されたフランジ28a(28b)を不要とした場合、前記不要としたフランジ28a(28b)部分をも前記樹脂封止体40で覆うことにより、より一層コイル32が安定して保護される。
前記可動コア26には、その中心部を貫通するシャフト46が固着され、前記シャフト46の一端部は、ハウジング14の突部19の孔部52に装着された第1平軸受(第1軸受)48aを介して軸方向に摺動可能に軸支され、該シャフト46の他端部は、固定コア24の中心部を貫通する貫通孔50内に装着された第2平軸受(第2軸受)48bを介して軸方向に摺動可能に軸支される。
前記シャフト46が装着される可動コア26の軸方向に沿った一端部及び他端部をそれぞれ加締めて半径内方向に変形させることにより前記可動コア26とシャフト46とが一体的に結合される。なお、前記可動コア26とシャフト46とを別体で構成することがなく、前記シャフト46を含んで可動コア26を一体成形してもよい。
このように貫通するシャフト46の両端部をそれぞれ軸支する第1及び第2平軸受48a、48bを介して可動コア26を両端支持構造とすることができる。前記シャフト46を両端支持構造とすることにより、可動コア26の安定した直進性を確保することができる。
前記第1平軸受48aは、ハウジング14の突部19の孔部52に圧入して固着され、前記第1平軸受48aの外周面には、その両端面間を連通する軸方向の第1連通溝54aが形成される。また、第2平軸受48bは、貫通孔50の内周面に圧入して固着され、前記第2平軸受48bの外周面には、その両端面間を連通する軸方向の第2連通溝54bが形成される。
固定コア24に対向する可動コア26の端面には、非磁性材料によって形成され、ソレノイド部12における残留磁気を防止するためのスペーサとして機能するリング体55がシャフト46を介して設けられる。
すなわち、ソレノイド部12に対する通電遮断時に固定コア24又は可動コア26に残留磁気が発生し、前記残留磁気の作用下に可動コア26が固定コア24から離間しない場合があり、可動コア26の端面にシャフト46を介してリング体55を設けることにより固定コア24との間で所定のクリアランスが形成されて残留磁気の発生を抑制することができる。
なお、前記可動コア26は、例えば、SUS410L、SUS405(JIS規格)等のフェライト系ステンレス、S10C(JIS規格)等の一般鋼、又はSUM(JIS規格)等の快削鋼製材料を使用するとよい。
前記弁機構部16は、側部にインレットポート56、アウトレットポート58、ドレンポート60、及び、図示しないオイルタンクに連通するブリーザポート62が形成された弁ボデイ18と、前記弁ボデイ18内部の空間部64に軸線方向に沿って変位可能に配置されたスプール弁(弁体)66とを有する。
前記スプール弁66は、ソレノイド部12側から順に、第1ランド部66a、第2ランド部66b及び第3ランド部66cが形成され、前記第1ランド部66aと第2ランド部66bとがそれぞれ同一径からなり、第3ランド部66cが前記第1及び第2ランド部66a、66bよりも僅かに縮径して形成される。
前記弁ボデイ18の空間部64は、エンドブロック68によって閉塞され、前記エンドブロック68とスプール弁66との間には、前記スプール弁66を、常時、ソレノイド部12側に向かって押圧するリターンスプリング70が配設される。なお、前記リターンスプリング70は、コイルスプリングに限定されるものでなく、例えば、図示しない板ばね等を含む弾性体によって構成されるとよい。
ソレノイド部12に近接するスプール弁66の端面は、シャフト46の端面と当接するように設けられ、前記リターンスプリング70のばね力がスプール弁66及びシャフト46を介して可動コア26に付与されることにより、前記可動コア26は、図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にある。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
ソレノイド部12の非通電時(オフ状態)には、図1に示されるように、スプール弁66は、リターンスプリング70のばね力(押圧力)によって図1中の矢印X1方向に向かって押圧された状態にあり、インレットポート56とアウトレットポート58との連通が遮断された状態にある。
そこで、図示しない電源を付勢してコイル32に通電することによりソレノイド部12が励磁されてオン状態となり、図10に示されるような磁気回路82によって電磁力(吸引力)が発生する。この場合、前記コイル32に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力が可動コア26に付与される。従って、前記電磁力の作用下に前記スプール弁66が、リターンスプリング70の押圧力に抗して矢印X2方向に変位することにより、ドレンポート60及びアウトレットポート58間の連通が遮断されると共に、インレットポート56とアウトレットポート58とが連通する(図2参照)。
従って、図示しない油圧源から供給された圧油が図示しない通路を介してインレットポート56及びアウトレットポート58を通じて図示しない油圧作動機器に供給される。なお、前記ソレノイド部12に対する通電を停止することによりオフ状態となり図1に示す初期位置に復帰する。
本実施の形態では、固定コア24の環状鍔部39の中央基準線Cが、コイル積層体33の軸線方向に沿った寸法Lを略二等分する位置(略L/2)に設定されることにより、図10に示されるように、磁気回路82中における磁束の流れる量(磁束量)を増大させることができる。
すなわち、コイル積層体33の略中央部における磁界強度が最も強いことと相まって、図10に示されるように、断面長方形状のコイル積層体33を中心として周回状に発生する磁束の流れの中で、コーナー部分を除いた直線状部分の略中央に吸引部として機能する環状鍔部39を配置することにより、磁束のベクトルが前記環状鍔部39側に向かって同一方向に整流されるためであると推測される。
この結果、コイル積層体33の軸線方向に沿った略中央部に固定コア24の環状鍔部39を配置することにより、可動コア26に対する吸引力(電磁力)をより一層向上させることができると共に、同等の吸引力とした場合には、油圧制御弁10の全体構成を小型化することができる。
また、本実施の形態では、コイル32に対する非通電時において、図1に示されるように、可動コア26の側周面の一部と、ハウジング14の底部17及び該底部17に連接するヨーク22の側周面とが、それぞれ部分的に重なり合う位置、すなわち、可動コア26の端面26aとハウジング端面23とが略面一となるように設定されている。
この場合、コイル32に対する通電作用下に発生する磁束の流れは、図10に示されるように、ハウジング14の底部17を経由して円筒状のヨーク22の内周面から可動コア26の側周面に向かって流通する磁束の流れ(図10中の磁束A参照)のみならず、前記ハウジング14の底部17を経由して前記底部17に対応する部位の内周面からも可動コア26の側周面に向かって流通する磁束の流れ(図10中の磁束B参照)が形成される。
従って、ハウジング14の底部17を経由して可動コア26側に向かって磁束を流通させる際、例えば、ハウジング14の底部17を経由して円筒状のヨーク22に磁束が流入した後、前記ヨーク22から可動コア26側に向かって流通する磁束Aのみによって構成される従来技術に係る電磁弁の磁気回路(図示せず)と比較して、本実施の形態では、ハウジング14の底部17に対応する部位の内周面からも可動コア26側に向かって磁束Bが流れることにより、極めて円滑に磁束を流通させることが可能となると共に、磁気回路82全体の磁束の流通量、すなわち、磁束量(磁束A+磁束B)を増大させることができる。
この結果、可動コア26に対する吸引力を大幅に向上させることができると共に、同等の吸引力の場合には、油圧制御弁10の全体構造を小型化することができる。
なお、可動コア26の端面26aとハウジング端面23とが略面一の位置だけに限定されるものではなく、図9に示されるように、可動コア26の端面26aがハウジング端面23からΔTだけ外方(突部19側)に向かって突出するように設けることにより、より一層、ハウジング14の底部17に対応する部位の内周面から可動コア26側に向かって流通する磁束量が増大して好適である。
さらに、本実施の形態では、外周側の円筒部15と内周側のヨーク22とが対向するハウジング14の内壁に、底部17側からヨーク22側に向かって徐々に縮径するテーパ部21又は断面円弧状のR部21aを形成することにより、ハウジング14の底部17を経由して可動コア26側に向かって磁束を流通させる際、より一層円滑に磁束を流すことが可能となり、流通する磁束量を増大させることができる。
すなわち、円筒状のヨーク22とハウジング14の底部17との交差部(連結部位の内面)が、可動コア26側に向かってテーパ状又はR状となっていることから、断面長方形状のコイル積層体33によって発生する周回状の磁束の流れが、より理想形状に近づくためであると推測される。
例えば、ヨーク22とハウジング14の底部17との交差部内面に直角部が形成された比較例では、図12に示されるように、突部19側に向かって磁束が流れて磁束を円滑に流通させることができないのに対し、本実施の形態では、図11に示されるように、ハウジング14の底部17側が流れ出た磁束がテーパ部21(R部21a)を経由してヨーク22側に向かって円滑に流れるようになる。
前記テーパ部21又はR部21aの近傍においては、磁束のベクトルが磁束の受け渡し側である可動コア26側に向かって同一方向に整流されるようになっているため、より円滑に可動コア26側に磁束を流通させることが可能となると共に、流通する磁束量を増大させることが可能となる。
さらに、テーパ部21又はR部21aを設けることにより、可動コア26の側周面に対応する底部17の内周面の面積が大きくなることから、磁路形成面積を増大させてより一層磁束量を増大させることが可能となる。
この結果、可動コア26に対する吸引力を向上させることができると共に、同一の吸引力であった場合には、油圧制御弁10の全体構造を小型化することができる。例えば、可動コア26のストロークと推力との関係を表した図13に示されるように、テーパ部21が形成されていない場合の特性曲線M(破線参照)と比較してテーパ部21が形成された場合の特性曲線N(実線参照)の推力が増大していることが諒解される。
さらにまた、本実施の形態では、ソレノイド部12を構成するコイルボビン30に巻回されるコイル32の断面形状を正方形又は長方形とすることにより、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができる。従って、例えば、断面円形状のソレノイドコイルで同数の巻数からなる従来技術と比較した場合、コイル32の総断面積(コイルボビン30に巻回されたコイル32の全体スペース)を小さく設定することができる。
このことは、逆説的にいえば、コイル32の巻回スペースに締める導体断面積の割合、すなわち、導体占有率を断面円形状と比較して大きく設定することができる。従って、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるため、コイルボビン30の形状を小さくし、終局的にはソレノイド部12全体の小型化を図ることができる。
また、例えば、断面円形状のソレノイドコイルと同一の巻回スペースとした場合、断面正方形からなるコイル32を用いた本実施の形態では、コイルボビン30に対する巻回数を多くすることができるので、ソレノイド部12で発生する吸引力(電磁力)を増大させることができる。
さらに、コイル32の巻回スペースを小さくすることができるので、コイル32の連続した総寸法(全長)を小さくすることができる。従って、コイル32の抵抗値を小さくすることができ、コイル32に対して通電時に消費される消費電力を抑制することができる。
例えば、断面円形状のコイルと同一の抵抗値となるように断面円形状のコイル32を形成した場合、本実施の形態では、コイルボビン30に対する巻回数を多く設定することができるため、吸引力(電磁力)を向上させることができる。
さらにまた、積層されたコイル32間の接触面を面接触とするようにしたため、巻回スペースにおける一線占有率を、断面円形状のコイルと比較して大きく設定することができる。
従って、積層されたコイル32間に生じる隙間を極めて小さくすることができ、巻回スペースの単位体積当たりにおける各コイル32の占有密度を向上させることができる。これにより、巻回スペースにおける伝熱性(放熱性)を向上させることができる。例えば、雰囲気温度がコイル発熱温度よりも低い環境で使用する電磁弁に適用した場合、放熱性が向上するため、上述したようにコイル32の抵抗値を小さく設定することができることと相まって、さらに通電発熱時のコイル32における発熱を小とすることができ、従って、抵抗値をさらに小さくすることができる。
またさらに、断面正方形状に形成されたコイル32を含むソレノイド部12を、車載用電磁弁として好適に適用することができる。車載用部品は、一般的に、バッテリ電圧による最低印加電圧(例えば、8V)が限定されている。そして、車載用電磁弁としては、最低の起磁力(電流値)を確保することが要求されるので、例えば、同じ磁気回路を用いた場合、必然的に最大抵抗値が決まってしまう。ここで、一般的にコイル32の抵抗値は、コイル32の温度が上昇すると抵抗値も上昇するので、上記最大抵抗値は、この上昇抵抗値をも考慮した値となってなければいけない。例えば、この上昇抵抗値を考慮せずに最大抵抗値を設定すると、必要な電流値を得ることができず、最低起磁力を得ることができなくなるおそれがある。すなわち、車載用電磁弁として使用した場合、ソレノイド部12に通電してコイル32の温度が上昇したコイル32の抵抗値であっても、起磁力(電流値)を確保することが必要である。
従って、コイル32の抵抗値及び通電発熱時におけるコイル32の抵抗値が低ければオームの法則により高い電流値を確保することができるので、極めて有益である。すなわち、コイル32の断面形状を正方形状とすることにより、例えば同じ起磁力を得ることができるソレノイド部12においては、コイル32の抵抗値を小さくして消費電力が小さくなり、この低消費電力によって通電時のコイル32の発熱量が小さくなり、通電発熱時の抵抗値を小さくすることができる。
この結果、通電発熱時におけるコイル32の抵抗値を小さくして電流値を高く確保することができるため、最低印加電圧が制限されている車載用電磁弁として好適に使用することができる。また、例えば、断面円形状のコイルによって構成された最低起磁力が同じ他のソレノイド部と比較して、断面正方形状のコイル32を有するソレノイド部12では、電流値を高くすることができる分だけコイルボビン30に対する巻数を小さくすることができるので、より一層小型化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る油圧制御弁の軸線方向に沿った縦断面図である。 図1に示す油圧制御弁のソレノイド部を励磁することにより、スプール弁が変位した状態を示す縦断面図である。 前記油圧制御弁を構成するコイル組付体の部分拡大縦断面図である。 ハウジングの底部とヨークとが連接する部位に形成された断面円弧状のR部の部分拡大縦断面図である。 断面正方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 コイルボビンに形成されたフランジが除去された状態を示す部分拡大縦断面図である。 図3に示すコイル組付体の変形例に係る部分拡大縦断面図である。 断面長方形のコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。 可動コアの端面がハウジング端面よりもΔTだけ外方に突出した状態を示す部分拡大縦断面図である。 ソレノイド部に形成された磁気回路を示す一部省略拡大説明図である。 ハウジングの底部とヨークとが連接する部位に形成されたテーパ部を流通する磁束を示す一部省略拡大説明図である。 比較例に係る直角部を流通する磁束を示す一部省略拡大説明図である。 可動コアの推力とストロークとの関係を示す特性図である。 従来技術に係るコイルがコイルボビンに巻回された部分拡大縦断面図である。
符号の説明
10…油圧制御弁 12…ソレノイド部
14…ハウジング 16…弁機構部
17…底部 18…弁ボデイ
19…突部 20…コイル組立体
21…テーパ部 21a…R部
22…ヨーク 23…ハウジング端面
24…固定コア 26…可動コア
28a、28b…フランジ 30…コイルボビン
32、32a…コイル 33…コイル積層体
34…垂直面部 36…凹部
38…円錐面部 39…環状鍔部
40…樹脂封止体 46…シャフト
48a、48b…平軸受 50…貫通孔
54a、54b…連通溝 56…インレットポート
58…アウトレットポート 64…空間部
66…スプール弁 70…リターンスプリング
82…磁気回路

Claims (6)

  1. ソレノイド部に対する通電量に比例した電磁力が発生し、前記電磁力によって弁体を変位させるリニアソレノイドバルブにおいて、
    圧力流体が流通するインレットポート及びアウトレットポートを有する弁ボデイとハウジングとを含むバルブ本体部と、
    前記ハウジングに設けられ、コイルボビンに巻回されたコイルと、前記コイルに対する通電作用下に固定コアに吸引される可動コアと、前記可動コアの外周面を囲繞する円筒状のヨークとを有するソレノイド部と、
    前記弁ボデイに設けられ、前記可動コアの変位が伝達されることによりインレットポート及びアウトレットポートの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体を有する弁機構部と、
    を備え、
    前記ハウジングと対向する可動コアの端面は、ハウジングの外表面に形成されたハウジング端面と略面一となるように設定され、又は、前記可動コアの端面が前記ハウジング端面よりも外方向に向かって突出するように設定されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  2. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記ハウジングは、前記ハウジング端面を有する底部を含み、前記底部とヨークとが連接する内壁部位には、前記底部から前記ヨーク側に向かって徐々に縮径するテーパ部、又は断面円弧状のR部が形成されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  3. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記可動コアと対向する前記固定コアの端部には、外周側の円錐面部と内周側の凹部とによって環状鍔部が形成され、前記環状鍔部は、コイルボビンに対してコイルが積層されたコイル積層体の軸線方向に沿った略中央部に配置されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  4. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記可動コアには、その軸線方向に沿って貫通し該可動コアと一体的に変位するシャフトが固定され、前記シャフトの一方の端部はハウジングに設けられた第1軸受によって摺動自在に支持され、前記シャフトの他方の端部は固定コアに設けられた第2軸受によって摺動自在に支持されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  5. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記コイルは、断面正方形に形成されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。
  6. 請求項1記載のバルブにおいて、
    前記コイルは、断面長方形に形成されることを特徴とするリニアソレノイドバルブ。

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JPWO2017056919A1 (ja) * 2015-09-30 2018-05-31 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 リニアソレノイドバルブ及びリニアソレノイドバルブの製造方法

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