JP4104430B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機の室外ユニットに係わり、特に駆動モータが取付けられる送風機支持体の取付構造を改良した空気調和機の室外ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和機の室外ユニットの筐体をなすユニット本体は、少なくとも底板と前パネル及び後板との組み合わせで構成されている。このユニット本体の内部には、熱交換器、送風機、圧縮機、冷媒配管及び電気部品などが収容配置される。熱交換器及び圧縮機は底板上に直接配置固定されるが、上記送風機は駆動モータとファンから構成されるため、底板上に直接取付け固定することはできない。すなわち、底板上に送風機支持体が立設固定され、この支持体に直接、あるいは送風機支持体に別個のサブ固定板を取付けて駆動モータが取付けられている。ファンはパネルベルマウス部に対し適正な配置となるよう、駆動モータは送風機支持体の前後方向で決まった位置(高さ)を持って、また、上下方向はほぼ中央に取付けられ、熱交換器に対する均一かつ効率的な送風を行うようになっている。そして、上記送風機支持体は下端部を底板に取付け、上端部を後板上端部に係合して固定される。あるいは、送風機支持体の上端部は前パネルに固定される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、近年の空気調和機の省エネルギ化、低温性能の向上等を図るためには、送風機の高効率化が不可欠であり、駆動モータも高回転化の使用が要求されている。送風機支持体は、金属板をプレス加工などによって折り曲げ形成し、剛性を得るようフレーム構造が採用されているが、送風機支持体に一体に形成される駆動モータ取付部は、限られた材料展開形状の中で形成する必要があるため、従来の送風機支持体では駆動モータ取付部の高さは確保しているが、図5に示すように、フレーム部12に多段曲部13を設けた送風機支持体11か、図6に示し、特許文献1の図1に示されるように、フレーム部22はストレート形状で剛性は高いが、幅の狭い長方形状の金属板を用いて一体に駆動モータ取付部23を形成するため、この駆動モータ取付部23の取付高さhが確保されていない送風機支持体21の2種類の送風機支持体しかなかった。
【0004】
図5に示す前者の送風機支持体11は、駆動モータを高速回転で使用するとフレーム部12の強度が弱いため、回転による振動が増加し、使用が困難になる問題があった。また、図6に示す後者の送風支持体21は、駆動モータを高速回転で使用しても、フレーム部22の強度が強いため振動が増すことはないが、駆動モータの取付高さh0を確保するために別ピースのサブ固定板23をネジ24で固定するためコストアップし、採用が困難になる問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−128665号公報(段落番号[0009]、[0010]、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、駆動モータを高速回転で使用しても振動が増すことなく、駆動モータ取付部の取付高さが十分にとれ、部品点数の削減ができ、コストダウンが図れる空気調和機の室外ユニットが要望されていた。
【0007】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、駆動モータを高速回転で使用しても振動が増すことなく、駆動モータ取付部の取付高さが十分にとれ、部品点数の削減ができ、コストダウンが図れる空気調和機の室外ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、少なくとも、底板と前面パネルおよび後板との組み合わせからなるユニット本体と、このユニット本体内に配置され、駆動モータとファンから構成される送風機と、金属板を折り曲げ成形したフレーム構造で構成し、材料展開形状の中で打ち抜き立上げることで外方に突出形成するモータ取付部により前記送風機を支持する送風機支持体とを具備した空気調和機の室外ユニットにおいて、前記駆動モータは、90°の等角度を有して円周上に4個の取付脚部が設けられ、前記送風機支持体は、中央部に、垂直中心線と水平中心線の交点に対して点対称に形成され、打ち抜き立上げることで外方に突出させ先端部に前記駆動モータの取付脚部を固定するモータ取付面を備えた4個のモータ取付部と、このモータ取付部の内側にモータが挿入される透孔とを備え、外方に突出させた前記4個のモータ取付部は、90°の等角度を有し、且つ前記駆動モータの4個の取付脚部が前記交点Pを軸に垂直中心線に対して20°回転して取り付けられる位置に各々設けられたことを特徴とする空気調和機の室外ユニットが提供される。これにより、駆動モータを高速回転で使用しても振動が増すことなく、駆動モータ取付部の取付高さが十分にとれ、部品点数の削減ができ、コストダウンが図れる空気調和機の室外ユニットが実現される。
【0009】
好適な一例では、上記モータ取付部は、その取付面に夫々駆動モータ脱落防止用の一対の爪部を有する。これにより、取付脚部と爪部を係合させるので、組立ラインでのネジ固定前に駆動モータが脱落するのを防止でき、モータ不良の発生の抑制が実現される。
【0010】
また、他の好適な一例では、上記モータ取付部の取付面は、そのモータが挿入される内側に対向する側の先端縁が斜めカットされる。これにより、取付け作業時に取付脚部を爪部間に容易に挿入できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる空気調和機の室外ユニットの実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明に係わる空気調和機の室外ユニットの分解図である。
【0013】
図1に示すように、本発明に係わる空気調和機の室外ユニット1は、底板2と前面パネル3及び後板4との組み合わせからなるユニット本体5と、このユニット本体5内に配置され、駆動モータ6とファン7から構成される送風機8と、この送風機8を支持する送風機支持体9とを有している。
【0014】
図2及び図3に示すように、駆動モータ6には、4個の取付脚部6aが90°の等角度で円周上に配置されるように設けられており、取付脚部6aには取付用脚部孔6bが設けられ、さらに、取付脚部6a間の中央には、電源線口出部6cが設けられている。
【0015】
また、図2及び図3に示すように、送風機支持体9には、大きな3個の透孔9a、9bが設けられ、中央の透孔9aには、駆動モータ6を取付けるための4個の外方に突出するモータ取付部9cが、90°の等角度を有して配置されるように設けられている。さらに、このモータ取付部9cは、各々垂直線Lvに対して、所定角度、例えば20°回転した位置に設けられている。
【0016】
さらに、図3に示すように、モータ取付部9cの取付面9cには、取付用ネジ孔9c及び駆動モータ脱落防止用の一対の爪部9cが設けられており、さらに、その内側に対向する側の先端縁9cが斜めカットされている。一対の爪部9cを形成することにより、駆動モータ6を取付ける作業時に駆動モータ6の脱落が防止され、先端縁9cが斜めカットされることにより、取付け作業時に取付脚部6aを爪部9c間に容易に挿入できる。
【0017】
また、駆動モータ6は、取付用脚部孔6bを貫通し取付用ネジ孔9cに螺合するネジ(図示せず)によって、モータ取付部9cを介して送風機支持体9に取付けられている。従って、駆動モータ6の取付脚部6aも垂直線に対して所定角度回転して取付けられている。
【0018】
次に送風機支持体の製造方法について説明する。
【0019】
図4に示すように、長方形状の鉄板を用意し、プレスにより、打抜成形工程を行う。この打抜成形工程により、大きな3個の透孔9a、9bが打抜かれ、さらに、鉄板の長手方向の中心線(垂直線)Lvとこれに直交する水平線Lhとの交点Pに対して点対称に、図4中点線で示す4個のモータ取付部9cが形成され、この4個のモータ取付部9cは、90°の等角度を有して配置され、各々垂直線Lvに対して、所定角度、例えば20°回転した位置に設けられる。このように、90°の等角度を有し、所定角度回転した位置に4個のモータ取付部9cを形成し、立上げることにより、図3に示す取付高さ(モータ取付部9cの長さ)hを高くすることが可能となる。また、成形工程により、モータ取付部9cに一体に取付面9cを形成することができ、さらに、この取付面9cに取付用ネジ孔9c、爪部9cを形成でき、先端縁9cの斜めカットも行うことができる。これにより、製造工程の簡素化、部品点数の削減ができ、コストダウンが図れる。
【0020】
また、送風機支持体に送風機を取付ける方法について説明する。
【0021】
図3に示すように、90°の等角度を有し、垂直線Lvに対して20°回転した位置に4個のモータ取付部9cが設けられた送風機支持体9を用意し、等角度を有して円周上に4個の取付脚部6aが設けられた駆動モータ6を対向させ、さらに、取付脚部6aが取付面9c1に対向するように駆動モータ6を20°回転させる。取付脚部6aを取付面9c1に当接させて、取付脚部6aと爪部9c3を係合させ、取付用脚部孔6bを貫通し取付用ネジ孔9c2に螺合するネジ(図示せず)によって、駆動モータ6を送風機支持体9に取付ける。さらに、ファン7に駆動モータ6を取付けて送風機8の送風機支持体9への取付けは完了する。この送風機の取付工程において、取付脚部6aと爪部9c3を係合させるので、組立ラインでのネジ固定前に駆動モータ6が脱落するのを防止でき、モータ不良の発生を抑制することができ、さらに、先端縁9c4は斜めカットがなされているので、取付け作業時に取付脚部6aを爪部9c3間に容易に挿入できる。また、駆動モータ6は、90°の等角度を有して4個設けられたモータ取付部9cによって、強固に取付けられているので、駆動モータ6を高速回転で使用しても振動が増すことがない。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係わる空気調和機の室外ユニットによれば、駆動モータを高速回転で使用しても振動が増すことなく、駆動モータ取付部の取付高さが十分にとれ、部品点数の削減ができ、コストダウンが図れる空気調和機の室外ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる空気調和機の室外ユニットの分解図。
【図2】本発明に係わる空気調和機の室外ユニットに用いられる送風機の取付け状態を示す平面図。
【図3】本発明に係わる空気調和機の室外ユニットに用いられる送風機の取付け状態を示す分解図。
【図4】本発明に係わる空気調和機の室外ユニットに用いられる送風機支持体の製造状態を示す平面図。
【図5】従来の送風機支持体の斜視図。
【図6】従来の送風機支持体の斜視図。
【符号の説明】
1 空気調和機の室外ユニット
2 底板
3 前面パネル
4 後板
5 ユニット本体
6 駆動モータ
6a 取付脚部
6b 取付用脚部孔
6c 電源線口出部
7 ファン
8 送風機
9 送風機支持体
9a、9b 透孔
9c モータ取付部
9c 取付面
9c 取付用ネジ孔
9c 爪部
9c 先端縁

Claims (3)

  1. 少なくとも、底板と前面パネルおよび後板との組み合わせからなるユニット本体と、このユニット本体内に配置され、駆動モータとファンから構成される送風機と、金属板を折り曲げ成形したフレーム構造で構成し、材料展開形状の中で打ち抜き立上げることで外方に突出形成するモータ取付部により前記送風機を支持する送風機支持体とを具備した空気調和機の室外ユニットにおいて、
    前記駆動モータは、90°の等角度を有して円周上に4個の取付脚部が設けられ、
    前記送風機支持体は、中央部に、垂直中心線と水平中心線の交点に対して点対称に形成され、打ち抜き立上げることで外方に突出させ先端部に前記駆動モータの取付脚部を固定するモータ取付面を備えた4個のモータ取付部と、このモータ取付部の内側にモータが挿入される透孔とを備え、
    外方に突出させた前記4個のモータ取付部は、90°の等角度を有し、且つ前記駆動モータの4個の取付脚部が前記交点Pを軸に垂直中心線に対して20°回転して取り付けられる位置に各々設けられたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  2. 請求項1に記載の空気調和機の室外ユニットにおいて、
    上記モータ取付部は、その各モータ取付面に夫々駆動モータ脱落防止用の一対の爪部を有することを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の空気調和機の室外ユニットにおいて、
    上記モータ取付部のモータ取付面は、そのモータが挿入される内側に対向する側の先端縁が斜めカットされることを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
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