JP4104422B2 - Rtm成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック(以下、FRPと言う。)製の構造体を成形する Resin Transfer Molding(以下、RTMと言う。)成形方法の改良に関し、とくに、厚物の成形が可能であり、かつ、表面性状について品質の向上が可能なRTM成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、FRPは種々の分野に使用されているが、FRP構造体の製造方法としては、プリプレグによって予め成形すべき構造体の形状を有するプリフォームを形成した後に、これを所定の温度、圧力条件に設定されたオートクレーブ内で硬化させる、いわゆるプリプレグ/オートクレーブ成形方法が一般的であった。しかし、近年製造コスト低減のためにRTM成形方法が注目され、徐々にこの成形法が広まりつつある。
【0003】
代表的なRTM成形方法として、特許文献1に記載の成形方法が知られている。特許文献1に記載のRTM成形方法では、強化繊維材の積層体からなる強化繊維基材の両面に、ピールプライ/樹脂分散メディアを配置し、これらを成形型(ツール)面上に配置して、全体をバッグ材で覆うとともに、バッグ材によりシールされた内部に対し樹脂注入ゲートと減圧のための吸引ゲートを設ける。この状態において、常温または加熱雰囲気下で、吸引ゲートを通してバッグ内を吸引することにより減圧しながら樹脂注入ゲートより樹脂を注入して、基本的に、樹脂を強化繊維基材の上面側から下面側へまたは下面側から上面側へ流動させ、樹脂を強化繊維基材に含浸させる。そして、含浸が終了した後は、常温または加熱雰囲気下で樹脂を硬化させ、硬化後に、バッグ材を剥がして成形体を脱型する。
【0004】
しかしながら、この成形方法においては、以下のような問題がある。
まず、強化繊維基材の両面に樹脂分散メディアが配置されるものの、強化繊維基材に対しては基本的に片面側からの樹脂含浸が行われるため、基材の厚み方向に含浸可能な距離に限界があり、強化繊維基材が厚くなりすぎると、所定の含浸が不可能になる。
【0005】
厚い強化繊維基材に樹脂を含浸させるために、強化繊維基材の両面に配置された樹脂分散メディアの両方から強化繊維基材内に樹脂を含浸させることも考えられるが、上記成形方法では、両面側に実質的に同じ形状、特性の樹脂分散メディアが配置されるため、単に両面側から樹脂を含浸させると、樹脂が同時に同じように基材の厚み方向に含浸されていき、ボイドが側方等に押し出されにくくなって、基材内にボイドが閉じ込められやすくなる。ボイドが閉じ込められてしまうと、目標とする成形品の性能が得られなくなる。このようなボイドの閉じ込めを回避するために、基本的に片面側からの樹脂含浸が行われている。
【0006】
また、上記成形方法における別の問題として、成形品の意匠面について良好な平滑性を得にくいという問題がある。すなわち、上記樹脂分散メディアは、樹脂の分散性能を高めるために、通気抵抗の低い比較的凹凸の度合いの大きな部材に構成されるが、このような比較的大きな凹凸を有する樹脂分散メディアが強化繊維基材の両面に配置されて成形されるので、成形品の一方の面である意匠面にも樹脂分散メディアの比較的大きな凹凸が反映されてしまう。その結果、意匠性が損なわれるとともに、成形品の表面に凹凸が形成されてしまうため、空気力学特性等が低下するという問題が生じることもある。
【0007】
このような問題に対処するために、樹脂分散メディアとして凹凸の度合いの小さいものを使用することが考えられるが、そうすると通気抵抗が大きくなりすぎて、目標とする樹脂の分散性能が得られない。また、吸引の際の強化繊維基材内からの通気も悪くなるため、真空度が上がらず、とくに厚い基材に対してその厚み方向に完全に含浸させることが困難になる。
【0008】
このように、樹脂分散メディアの凹凸の大きさが樹脂拡散、通気性能を左右することになるが、樹脂拡散、通気性能を改善するための樹脂分散メディアの凹凸(比較的大きな凹凸)と、成形品の表面性状を改善するための樹脂分散メディアの凹凸(比較的小さな凹凸)とは、相反する関係にある。したがって、強化繊維基材の両面に、実質的に同じ樹脂分散メディアを配置する上記従来方法では、樹脂の含浸性向上と成形品の表面性状向上との両方をともに達成することは困難であり、厚い強化繊維基材を使用する成形では、とくに困難となる。
【0009】
ここで、樹脂の強化繊維基材への含浸性(パーミアビリティ)については、一般に以下の式で表されることが知られている。
I=(ε/(1−ε))√(αP/2)×∫〔dt/√(μ(t)t)〕
I:パーミアビリティ、ε:基材の抵抗、α:定数、P:基材内の真空圧
μ(t):粘度、t:経過時間
ここで、パーミアビリティは樹脂が基材に含浸する距離(厚み)に相当する。
【0010】
成形品の表面性状に関する品質を向上させるために、ツール面側に通気材料を配設しないことも考えられるが、その場合、基材内の通気が悪くなり、真空度が上がらないため、特に厚物(厚板)を成形する場合に、完全に含浸させることが困難となる。したがって、厚物を成形するためには、ツール面側に通気のためのメディアを配置することが必要となるが、そうすると前述の如く、反対面側の樹脂拡散性能を維持しつつ、ツール面側の表面性状を向上することが困難となる。
【0011】
また、強化繊維基材への樹脂含浸に関し、基材と樹脂の種類により上記式における各値や定数、粘度は異なるものの、時間が経過するに伴い含浸距離は収束し、さらに、樹脂の粘度上昇が生じる上、やがて樹脂がゲル化するため、樹脂が含浸できる距離には限界が生じ、強化繊維基材がある厚み以上になると、もはや上記の従来方法では、完全に含浸させることが不可能となっていた。
【0012】
【特許文献1】
米国特許5,052,906号明細書(請求項1、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術における上記のような問題点を解決し、成形品の意匠面の品質を向上させるとともに、厚物構造体を良好な樹脂含浸性をもって成形できるRTM成形方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るRTM成形方法は、成形型内に強化繊維基材を配置するとともに、該強化繊維基材の両面上に樹脂流動抵抗が前記強化繊維基材よりも低い樹脂拡散媒体を配置し、前記成形型内を吸引により減圧した後、該成形型内に前記樹脂拡散媒体を介して樹脂を注入し、注入した樹脂を前記強化繊維基材中に含浸させるRTM成形方法において、前記強化繊維基材の第1の面上に配置される第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を、第2の面上に配置される第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗よりも低く設定し、前記第1の樹脂拡散媒体に樹脂を注入しつつ前記第2の樹脂拡散媒体を介して吸引することにより、前記強化繊維基材中に樹脂を含浸させることを特徴とする方法からなる。
【0015】
すなわち、本発明に係るRTM成形方法においては、強化繊維基材の両面に配置される樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗に意図的に大小関係を持たせる。樹脂流動抵抗は、現実的には、通気抵抗を測定し、測定された通気抵抗に対応する値として把握できる。
【0016】
本発明において、強化繊維基材は単層のものでもよく、複数の強化繊維材の積層体からなるものでもよいが、本発明に係るRTM成形方法は特に厚物の成形、つまり、厚い強化繊維基材に樹脂を含浸させる成形に好適なものであることから、本発明は、主として、複数の強化繊維材の積層体からなる強化繊維基材を使用する場合を対象としている。
【0017】
この本発明に係るRTM成形方法においては、上記第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を上記強化繊維基材の樹脂流動抵抗の1/3以下とすることが好ましい。これによって、第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗(通気抵抗)は第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗(通気抵抗)よりは高いものの、強化繊維基材の樹脂流動抵抗(通気抵抗)に比べると十分に低く抑えられるので、強化繊維基材からの通気が悪くなって基材内の真空度が下がることが抑えられ、厚い強化繊維基材に対しても樹脂含浸性が損なわれることが回避される。
【0018】
また、上記第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を上記強化繊維基材の樹脂流動抵抗の1/10以下とすることが好ましい。これによって、第1の樹脂拡散媒体に注入された樹脂の、強化繊維基材の面方向への拡散性が十分に高く確保され、第1の樹脂拡散媒体に注入された樹脂は、該面に沿う方向に迅速に拡散されつつ、強化繊維基材の厚み方向に迅速に含浸されていくことになる。このような第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗、第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗が満足された上で、第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗と第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗に大小関係が持たせられる。
【0019】
また、本発明に係るRTM成形方法においては、とくに、樹脂が上記第2の面に到達する前に、上記第2の樹脂拡散媒体からも樹脂の注入を開始することが好ましい。つまり、この時点から、実質的に両面からの樹脂含浸が開始される。
【0020】
また、本発明に係るRTM成形方法においては、少なくとも一方の樹脂拡散媒体と強化繊維基材との間に、成形後に樹脂拡散媒体と一体的に剥離可能な、成形体からの離型の機能を有する織物からなるピールプライを介装することが好ましい。これによって樹脂拡散媒体を容易に剥離させることができる。ただし、成形品を脱型後、少なくとも一方の樹脂拡散媒体を、成形品から剥離せずに残存させることもできる。この場合には、樹脂拡散媒体を残存させる側に対してピールプライは不要である。
【0021】
また、本発明に係るRTM成形方法においては、少なくとも一方の樹脂拡散媒体と強化繊維基材との間に、最終製品に要求される表面粗度と同等以上の平滑性を有し、樹脂の通過が可能な多孔性シートを介装することもできる。この多孔性シートは、上記ピールプライとは異なる機能を有し、樹脂拡散媒体の樹脂拡散機能を保ちつつ樹脂拡散媒体の凹凸の強化繊維基材側への転写を抑制するためのシートである。したがって、成形品の意匠面側への配置が好ましいものである。
【0022】
さらに、本発明に係るRTM成形方法においては、少なくとも一方の樹脂拡散媒体を、成形型の内面に樹脂流路としての溝を設けることにより構成することもできる。この場合、別途樹脂拡散媒体を作成しなくても、成形型の内面自体を樹脂拡散媒体として用いることが可能となる。
【0027】
さらに、上記第2の方法において、とくの面積の広い成形品を成形する場合には、上記気体透過膜と成形型間に形成された脱気空間からの吸引経路に加えて、成形型内に少なくとも1つの別の吸引経路を設けることが好ましい。
【0028】
上記のような本発明に係るRTM成形方法においては、より低い樹脂流動抵抗を有する第1の樹脂拡散媒体に樹脂が注入され、注入された樹脂が、強化繊維基材の第1の面に沿う方向に迅速にかつ十分に広く拡散されつつ、強化繊維基材内の厚み方向に迅速に含浸されていく。そして、基本的に、より高い樹脂流動抵抗を有する第2の樹脂拡散媒体を介しての吸引により成形型内が減圧され、上記注入樹脂が吸引・減圧状態の強化繊維基材内に含浸されていく。このとき、第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗(通気抵抗)は第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗(通気抵抗)よりは高いものの、強化繊維基材の樹脂流動抵抗(通気抵抗)に比べると十分に低く抑えられているので、強化繊維基材からの通気が悪くなって基材内の真空度が下がることが抑えられ、樹脂の迅速な含浸性が確保される。したがって、厚い強化繊維基材に対しても十分に良好な樹脂含浸性が確保される。第2の樹脂拡散媒体は、その樹脂流動抵抗(通気抵抗)が第1の樹脂拡散媒体のそれよりも高く設定されるので、第2の樹脂拡散媒体は、第1の樹脂拡散媒体に比べ、凹凸の小さな媒体に形成でき、この第2の樹脂拡散媒体の表面形態の成形品表面への転写が生じたとしても、その転写による成形品表面の凹凸の度合いは小さく抑えられる。したがって、この表面側を意匠面側とすることにより、凹凸の小さな望ましい成形品の意匠面が得られることになる。
【0029】
そして、さらに厚い強化繊維基材への樹脂含浸が要求される成形においては、とくに、上記のように第1の樹脂拡散媒体側からの強化繊維基材への樹脂含浸だけでは、強化繊維基材の第2の樹脂拡散媒体側表面まで十分に樹脂を含浸させることが困難な場合(従来の樹脂含浸限界を越える場合)には、第1の樹脂拡散媒体側からの強化繊維基材内に含浸されてきた樹脂が強化繊維基材の第2の面に到達する前に、第2の樹脂拡散媒体からも樹脂の注入を開始することができる。この第2の樹脂拡散媒体側からの樹脂注入により、強化繊維基材内の樹脂が十分に含浸されにくかった部分、つまり、第2の面側の部分に対しても、樹脂含浸が補われるようになり、強化繊維基材の厚み方向の全体にわたって、十分に樹脂を含浸させることが可能になる。すなわち、このプロセスにおいては、強化繊維基材の厚み方向への樹脂含浸は、主に第1の樹脂拡散媒体側からの含浸によることになり、含浸不足分が第2の樹脂拡散媒体側からの含浸により補われることになる。また、第1の樹脂拡散媒体と第2の樹脂拡散媒体に通気抵抗(樹脂流動抵抗)に大小関係を持たせてあるので、第1の樹脂拡散媒体側からは樹脂の迅速な含浸が行われつつ、第2の樹脂拡散媒体側においては、樹脂含浸が補われるとともに、第1の樹脂拡散媒体側から含浸される樹脂により押し出されてきたボイドが、第2の樹脂拡散媒体側から含浸されてくる樹脂によって強化繊維基材内に閉じ込められるのではなく、側方へと、つまり、強化繊維基材の第2の面に沿う方向へと、比較的遅い速度で押し出されることになる。その結果、両面側からの樹脂含浸であるにもかかわらず、ボイドが強化繊維基材内に閉じ込められることが回避され、しかも、第2の面側での樹脂含浸が補われることになり、ボイド封入の問題を伴うことなく良好に厚物を成形することが可能になる。しかもこのとき、上述したように第2の樹脂拡散媒体側を成形品の意匠面とすることにより、凹凸の小さな優れた意匠面も同時に得られることになる。つまり、厚物成形と表面品質の向上が同時に達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施態様に係るRTM成形方法に用いられる成形装置の概略縦断面図である。ベースとなる成形型1は、たとえば、ステンレスから作製され、平板状のものに構成される。
【0034】
本実施態様においては、成形型1上に第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー2が配置される。ここでブリーザーとは、前述した従来の樹脂拡散メディア程には樹脂の流動抵抗が低くないが、樹脂が強化繊維基材を流れる流動抵抗よりも遙かに低い樹脂流動抵抗を有するものである。定量的には、ブリーザー2の樹脂流動抵抗は、強化繊維基材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることが好ましい。さらに、ブリーザー2の表面の凹凸(表面粗さ)は、強化繊維基材の表面凹凸(表面粗さ)の1.3倍以下であることが好ましい。ブリーザー2としては、具体的には、強化繊維であるガラス繊維や炭素繊維からなる低目付(100g/m2 以下)のサーフェスマットや平織物、メッシュ織物、または合成繊維からなる太デニール(200デニール以上)の織物や編物が好ましい。
【0035】
ブリーザー2の上には、ピールプライ3aが配置される。ピールプライ3aは、成形体からメディア等を容易に除去するために敷布され、ピールプライ3aとしては、たとえば、ナイロン製タフタのように離型の機能をなす織物が使用される。
【0036】
ピールプライ3aの上には、強化繊維基材4が配置される。本実施態様では、強化繊維基材4は、複数の強化繊維材、とくに複数の強化繊維織物を積層したものに形成されている。本発明は、とくにこのような複数の強化繊維材が積層された厚い強化繊維基材4を用いた成形に好適なものである。ただし、1枚の強化繊維材からなる強化繊維基材を使用する場合にも、もちろん、本発明の適用は可能であり、その場合にも、本発明はとくに厚い強化繊維基材を使用する成形に好適なものである。
【0037】
強化繊維基材4の上には、ピールプライ3bを介して第1の樹脂拡散媒体5が配置される。第1の樹脂拡散媒体5は、表面に凹凸を有し、樹脂の流動抵抗が強化繊維基材4(強化繊維材の積層体)の樹脂流動抵抗の1/10以下の媒体である。第1の樹脂拡散媒体5と第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー2には、樹脂流動抵抗に大小関係が付与されており、ブリーザー2の樹脂流動抵抗の方が第1の樹脂拡散媒体5の樹脂流動抵抗よりも高く設定されている。第1の樹脂拡散媒体5としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂製のメッシュ織物で、目開きが#400以下のものが好ましい。この配置の結果、強化繊維基材4の第1の面に対しては、第1の樹脂拡散媒体5が配置され、反対側の第2の面に対しては、第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー2が配置されることになる。
【0038】
このように成形型1上に配置されたものの全体がバッグ材8で覆われる。バッグ材8は、減圧キャビティを形成するための気密材料であるが、バッグ材8には、耐熱性等を考慮して、たとえばナイロン製のフィルムを用いることが好ましい。バッグ材8で覆われた内部に、第1の樹脂拡散媒体5に対して樹脂注入ゲート6cが設けられ、第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー2に対して吸引により内部を減圧する吸引ゲート6a、6bが設けられる。これらゲート6a、6b、6cは、たとえば、アルミニウム製のCチャンネル材等を使用して構成され、これらチャンネル材は、プラスチック製のチューブを介して外部部材と接続される。バッグ材8の縁部と成形型1との間には、粘着性の高い合成ゴム製のシーラント7が介装され、この間がシールされて、バッグ材8内を減圧状態に保つために外部からの空気の流入が防止される。プラスチック製のポット12内には含浸すべきFRPマトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂10が貯留されており、適切なタイミングでバルブ9を開けることにより、樹脂注入ゲート6cを介して樹脂が注入される。真空ポンプ11により、吸引ゲート6a、6bを介してバッグ材8で覆われたキャビティ内が減圧状態に保持される。なお、バッグ材8として、第1のバッグ材をさらに第2のバッグ材で覆い二重バッグとすることで、空気漏れを防ぐことができ、その結果、強化繊維の体積含有率(Vf)を向上させることができる。
【0039】
また、バッグ材8が一重バッグであっても、その外周縁にシーラント7を二重に並列配置することでも空気漏れを防ぐことができ、二重バッグと同様な効果を上げることができる。この場合は、二重バッグとすることよりも副資材の使用量と取付時間を低減でき、より低コストに成形できるメリットがある。
【0040】
なお、図1に示した成形装置においては、強化繊維基材4の上面には、従来通り、ピールプライ3b/樹脂分散媒体5を配置し、強化繊維基材4の下面側にはピールプライ3a/ブリーザー2を配置したが、ピールプライ3aを配置せずに、成形後、ブリーザー2を成形体にそのまま残すようにしてもよい。
【0041】
本実施態様における成形は次のように行われる。
常温または加熱雰囲気下で、図1に示した構成の積層体を成形型1(ツール)面上に配置し、上側に配置した樹脂注入ゲート6cと下側に配置した吸引ゲート6a、6bを含めてバッグ材で覆う。この状態において、バッグ材8内を吸引ゲート6a、6bを通しての吸引により減圧しながら、樹脂注入ゲート6cより樹脂を注入すると、マトリックス樹脂10は第1の樹脂拡散媒体5内を強化繊維基材4の上面に沿う方向に迅速に拡散しつつ強化繊維基材4の上面から下面に向けて流動し強化繊維基材4内に含浸していく。含浸が終了した後、常温または加熱雰囲気下で樹脂を硬化させた後、バッグ材8を剥がして成形体を脱型する。その後ピールプライ3a、3b、樹脂分散媒体5とブリーザー2は剥脱して製品から取り除く。ただし、一形態としてブリーザー2は成型品にそのまま残してもよい。
【0042】
この成形においては、第1の樹脂拡散媒体5の樹脂流動抵抗は低く設定されているので、第1の樹脂拡散媒体5に注入された樹脂は、強化繊維基材4の第1の面に沿う方向に迅速にかつ十分に広く拡散されつつ、強化繊維基材4内にその厚み方向に迅速に含浸されていく。このときバッグ材8内部を減圧するために、第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー2を介してバッグ材8内部から吸引されるが、ブリーザー2の樹脂流動抵抗(通気抵抗)は第1の樹脂拡散媒体5の樹脂流動抵抗(通気抵抗)よりは高いものの、強化繊維基材4の樹脂流動抵抗(通気抵抗)に比べると十分に低く抑えられているので、強化繊維基材からの通気が悪くなって基材内の真空度が下がることが抑えられ、樹脂の迅速な含浸性が確保される。したがって、厚い強化繊維基材4に対しても第1の樹脂拡散媒体5側からの十分に良好な樹脂含浸性が確保される。そして、ブリーザー2の樹脂流動抵抗(通気抵抗)が第1の樹脂拡散媒体5のそれよりも高く設定されているので、ブリーザー2は、第1の樹脂拡散媒体5に比べ、凹凸の小さな媒体に形成できる。したがって、たとえこのようなブリーザー2の表面形態が成形品の表面に転写したとしても、その転写による成形品表面の凹凸の度合いは小さく抑えられる。つまり、良好な樹脂含浸性を確保しつつ、第2の樹脂拡散媒体側における成形品表面の凹凸が小さく抑えられることになる。この凹凸の小さな成形品表面側を意匠面側とすることにより、望ましい表面性状の成形品が得られることになる。すなわち、従来方法において樹脂の硬化により成形品のツール面側に生じていたメディアの痕跡を、無くすることが可能になる。
【0043】
図2は、本発明の第2実施態様に係る成形装置の概略縦断面図で、ブリーザーの代わりに、強化繊維基材の片面に第2の樹脂拡散媒体5aと多孔シート20を配置したものを示している。図3は、本発明の第3実施態様に係る成形装置の概略縦断面図で、図2における成形型面上に配置した樹脂拡散媒体の代わりに、成形型に溝を加工することにより成形型面自体を樹脂注入側の樹脂拡散媒体として構成したものを示している。以下、図1の装置に比べて異なる点のみを説明する。
【0044】
20は多孔シートを示しており、多孔シート20の材料としては、金属薄板材(アルミニウムやステンレス材)、スチールのパンチングメタルで厚さが0.1mm以上、あるいは、樹脂フィルム(ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド)で厚さが0.2mm以上、FRPシートで厚さが0.2mm以上のシート材を用いることが好ましい。孔は、加工上は丸型が好ましいが、特に形状は限定しない。多孔シート20を成形体から剥脱した後に成形体の表面にその痕跡が殆ど残らないようにするためには、孔径は3mm以下が望ましく、さらに好ましくは1.5mm以下が望ましい。孔の配置はランダムでも規則的でもよい。好ましい孔ピッチは、使用する強化繊維基材の仕様によって異なるが、15mm以下,望ましくは10mm以下がよい。多孔シート20への要求機能としては、平滑性が最終製品に要求される表面粗度と同等以上であり、剛性は樹脂分散媒体の凹凸の影響を反映させないだけの剛性であり、上記所要の剛性を保持しつつ、樹脂の通過が可能なように孔が多数開いているものである。30は成形型に加工した溝で、溝30は、幅が0.5mm〜5mm、深さが1mm〜6mm、ピッチは2mm〜25mm、断面形状は矩形や逆台形や三角形をなすことが好ましい。さらに好ましくは、幅が約1mm、深さが約3mmの断面矩形で、ピッチが約8mmの溝が望ましい。
【0045】
図2の成形装置において、強化繊維基材4の下面に、強化繊維基材4に接する側から、ピールプライ3a/多孔シート20/第2の樹脂分散媒体5aを配置する。ただし、多孔シート20とピールプライ3aの配置は逆でもよい。また、実施の一態様として図2の成形装置において、樹脂分散媒体5aを使わずに、図3のごとくツール面(成形面)に樹脂注入用(図示例)あるいは減圧吸引用の溝を設ける。この場合は、上記樹脂分散媒体を用いる場合よりも、樹脂注入或いは減圧吸引が全面に渡ってより均一にすることが可能になるため、よりボイドや欠肉の発生を少なくし安定して良品が得られやすくなる。そして、強化繊維基材4の上面には、従来通りのピールプライ3b/樹脂分散媒体5(強化繊維基材4側にピールプライを配置)或いは該強化繊維基材4の下面側と同様のものを配置して、後は、図1と同様の方法で成形を実施する。
【0046】
図4は本発明の第4実施態様に係る成形装置の概略縦断面図で、図3の強化繊維基材の上部に減圧のための2つの吸引ゲート6d、6eを設置して、途中で一方のゲート6dを樹脂の注入口に切り換えて、強化繊維基材の両面側から樹脂の注入を行うようにしたものを示している。以下に、図1〜図3の装置に比べて異なる点のみを説明する。
【0047】
吸引ゲート6dについては、成形途中に樹脂の注入口に切り換える。吸引ゲートとして使用する場合には、バルブ42を閉じてからバルブ41を開き、樹脂注入ゲートに切り換える場合には、バルブ41を閉じてバルブ42を開く。
【0048】
図4の成形装置において、常温または加熱雰囲気下で、溝30を加工した成形型(ツール)面上に多孔シート20、ピールプライ3aを介して強化繊維基材4を配置し、上面側に複数個配置した減圧のための吸引ゲート6d、6eと下面側に配置した樹脂注入ゲート(溝30)を含めてバッグ材で覆う。この状態において、バルブ41を開、バルブ42およびバルブ9を閉としてバッグ材8内を吸引ゲートより吸引して減圧しながら、バルブ9を開けて樹脂注入ゲートとしての溝30に樹脂を注入すると、マトリックス樹脂10は強化繊維基材4の下面から上面へ流動し含浸していく。ただし、強化繊維基材4の板厚が10mm以上の場合、樹脂と強化繊維基材の組み合わせによっては、樹脂が上面まで完全に含浸することが困難となる場合がある。したがって、上面まで良好に含浸できない場合は、樹脂が強化繊維基材4の上面に到達する前に、上面側の吸引ゲートの少なくとも一つ(図4では6d)を、バルブ41を閉、バルブ42を開として樹脂注入ゲートに切り換えることができる。樹脂注入ゲートに切り換えた場合、上面側からも樹脂が注入されることになり、上記樹脂含浸不足が補われる。同時に、ゲート6d側から吸引ゲート6e側へと樹脂が流動されるので、この樹脂の流動に伴って吸引ゲート6e方向にボイドが押し出される。つまり、第1の樹脂拡散媒体としての成形型の溝30側から迅速な樹脂含浸が行われつつ、厚い強化繊維基材4の上面側に対して樹脂含浸不足が補われ、同時にボイドが側方に押し出されて強化繊維基材4内に閉じ込められることが防止される。その結果、従来方法では含浸限界厚さの存在により十分に含浸させることができなかった厚い強化繊維基材4を使用した場合にも成形が可能になり、同時にその成形の際にボイドが閉じ込められることを回避して、成形品の良好な品質を確保することが可能となる。
【0049】
含浸が終了した後、常温または加熱雰囲気下で樹脂を硬化させるが、媒体自体の凹凸形状や硬化の際に生じる媒体に溜まった樹脂の硬化ヒケの影響を、適度な剛性を有する多孔シート20が遮断する。そのため、脱型後多孔シート20/ピールプライ3a、3b/樹脂分散媒体5を剥がして取り出した成形品のツール面側の表面性状としては、殆どツール面の平滑性を反映したものが得られる。
【0057】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1
図1のRTM用成形装置において、成形型1の成形面にブリーザー2(ガラス繊維のサーフェースマット、80g/m2 目付)を配置し、両端部に吸引ゲート6a、6bを配設して、真空ポンプ11に接続した。ブリーザー2上にピールプライ3aを配置し、その上に炭素繊維織物(東レ(株)製、T300の炭素繊維を使用した平織物CO6343、目付;200g/m2 )を120プライ積層した強化繊維基材4を配置した。このとき、ブリーザー2と強化繊維基材4の間のピールプライ3aは省略する場合があるが、これはブリーザーを成形後の製品に残すことが前提であり、そのときのブリーザーとしては炭素繊維のメッシュ織物が望ましい。
【0058】
強化繊維基材4の上にピールプライ3bを配置し、その上にポリプロピレン製メッシュ材である樹脂拡散媒体5((株)東京ポリマー製、”ネトロン”TSX−400P)を配置して、その上には樹脂注入ゲート6cを配置してバルブ9を介して樹脂ポット12と接続した。これら全体にバッグ材8(バッグシート)を被せて周囲をシーラント7でシールした(なお、この図では省略しているが、二重バッグとした)。バルブ9を閉じ、バッグ材8で覆ったキャビティ内を真空ポンプ11で吸引、減圧するとともに全体をオーブン内で70℃に加熱して1時間保持した。熱硬化性エポキシマトリックス樹脂10(70℃(注入温度)における樹脂粘度が130mPa・s、70℃で1時間経過後の樹脂粘度が320mPa・sのエポキシ樹脂)を樹脂ポット12内に収容してバルブ9を開放すると、マトリックス樹脂10が樹脂注入ラインより媒体5内に拡散しつつ、強化繊維基材4の厚み方向に上から下へ含浸され、約25mm厚の基材が未含浸部なく完全に樹脂含浸された。樹脂含浸後、約50分後にバルブ9を閉じて樹脂の供給を止め、約2℃/分で全体を130℃に昇温して2時間保持し、マトリックス樹脂を硬化させた。その後、室温まで約2℃/分で降温し、全体を成形型から取り外してバッグ材8を取り除いた。硬化物からピールプライを引き剥がすことにより、成形品の表面の硬化樹脂及び媒体とブリーザーを取り除いた。媒体の接していた面には凹凸がみられるのに対して、ブリーザーの接していた面は表面平滑性の良い面が得られた。
【0059】
実施例2
図2のRTM用成形装置において、その成形型1の成形面にポリプロピレン製メッシュ材である媒体5a((株)東京ポリマー製、”ネトロン”TSX−400P)を配置し、その周辺部には吸引ゲート6a、6bを置き、それらを真空ポンプ11に接続した。媒体5a上に多孔シート20(0.2mm厚みのポリエステルフィルムで直径1mmの穴が10mmピッチで配設されたもの)を配置し、その上にピールプライ3aを、その上に炭素繊維織物(東レ(株)製、T300の炭素繊維を使用した平織物CO6343、目付;200g/m2 )を120プライ積層した強化繊維基材4を配置した。
【0060】
強化繊維基材4の上にはピールプライ3bを配置し、その上に媒体5bを配置してその上には樹脂注入口6cを置き、これを樹脂注入ゲートとしてバルブ9を介して樹脂ポット12と接続した。このときピールプライ3bの代わりに多孔シートを配置してもよい。これら全体にバッグ材8を二重に被せて周囲をシーラント7でシールした。バルブ9を閉じ、バッグ材8で覆ったキャビティ内を真空ポンプ11で減圧するとともに全体をオーブン内で70℃に加熱して1時間保持した。熱硬化性エポキシマトリックス樹脂10(70℃(注入温度)における樹脂粘度が130mPa・s、70℃で1時間経過後の樹脂粘度が320mPa・sのエポキシ樹脂)を樹脂ポット12内に収容してバルブ9を開放すると、マトリックス樹脂10が樹脂注入ラインより上側の媒体5bに拡散しつつ、炭素繊維織物積層体4の厚み方向に上から下へ含浸され、約25mm厚の強化繊維基材4が未含浸部なく完全に樹脂含浸された。樹脂含浸の後、バルブ9を閉じて樹脂の供給を止め、約2℃/分で全体を130℃に昇温して2時間保持してマトリックス樹脂を硬化させ、そのあと室温まで約2℃/分で降温し、全体を成形型から取り外してバッグ材8を取り除いた。硬化物からピールプライを除去して、硬化樹脂及び媒体と多孔シートを取り除いた結果、媒体の接していた面には凹凸がみられるのに対して、多孔シートの接していた面は表面平滑性の良い面が得られた。
【0061】
実施例3
図3のRTM用成形装置において、その樹脂拡散用の井型の溝30(幅1mm、深さ3mmの断面矩形の溝でピッチが8mm)を加工した成形型を用いて、該溝にバルブ9を介して樹脂ポット12を接続した。成形面上に多孔シート20(0.2mm厚みのポリエステルフィルムで直径1mmの穴が10mmピッチで配設されたもの)を配置し、その上にピールプライ3aを、その上に炭素繊維織物(東レ(株)製、T300の炭素繊維を使用した平織物CO6343、目付;200g/m2 )を120プライ積層した強化繊維基材4を配置した。強化繊維基材4の上にはピールプライ3bを配置し、その上にポリプロピレン製メッシュ材である媒体5((株)東京ポリマー製、”ネトロン”TSX−400p)を配置し、その上には吸引ゲート6を置き、真空ポンプ11に接続した。全体にバッグ材8を二重に被せて周囲をシーラント7でシールした。バルブ9を閉じ、バッグ材8で覆ったキャビティ内を真空ポンプ11で減圧するとともに全体をオーブン内で70℃に加熱して1時間保持した。熱硬化性エポキシマトリックス樹脂10(70℃(注入温度)における樹脂粘度が130mPa・s、70℃で1時間経過後の樹脂粘度が320mPa・sのエポキシ樹脂)を樹脂ポット12内に収容してバルブ9を開放すると、マトリックス樹脂10が樹脂注入ラインより溝付き成形面に拡散しつつ、炭素繊維織物積層体4の厚み方向に下から上へ含浸され、25mm厚の積層体が未含浸部なく完全に樹脂含浸された。樹脂含浸の後、バルブ9を閉じて樹脂の供給を止め、約2℃/分で全体を130℃に昇温して2時間保持してマトリックス樹脂を硬化させ、そのあと室温まで約2℃/分で降温し、全体を成形型から取り外してバッグ材8を取り除いた。硬化物からピールプライを引き剥がすことにより、成型品の表面についていた硬化樹脂及び媒体と多孔シートが取り去られて成型品の表面が現れたが、媒体の接していた面には媒体の跡である凹凸が見られるのに対して、多孔シートの接していた面は表面平滑性の良い面が得られた。
【0062】
実施例4
図4のRTM用成形装置において、その樹脂拡散用の井形の溝30(幅1mm深さ3mmの断面矩形の溝でピッチが8mm)を加工した成形型を用いて、溝30にバルブ9を介して樹脂ポット12を接続した。成形面上に多孔シート20(0.2mm厚みのステンレス製パンチングメタルで直径1mmの穴が15mmピッチに加工されているもの)を配置し、その上にピールプライ3aを、その上に炭素繊維織物(東レ(株)製、T800Sの炭素繊維を使用した一方向織物、目付;285g/m2 )を120プライ積層した強化繊維基材4を配置した。強化繊維基材4の上にはピールプライ3bを配置し、その上にポリプロピレン製メッシュ材である媒体5((株)東京ポリマー製、”ネトロン”TSX−400p)を配置し、その上には吸引ゲート6d、6eを置き、真空ポンプ11に接続した。全体にバッグ材8を二重に被せて周囲をシーラント7でシールした。バルブ9を閉じ、バッグ材8で覆ったキャビティ内を真空ポンプ11で減圧するとともに全体をオーブン内で70℃に加熱して1時間保持した。熱硬化性エポキシマトリックス樹脂10(70℃(注入温度)における樹脂粘度が130mPa・s、70℃で1時間経過後の樹脂粘度が320mPa・sのエポキシ樹脂)を樹脂ポット12内に収容してバルブ9を開放すると、マトリックス樹脂10が樹脂注入ラインより溝付き成形面に拡散しつつ、炭素繊維織物積層体4の厚み方向に下から上へ含浸された。しかし、該状態を保持した場合、強化繊維基材4の厚さの約2/3まで含浸した時点で、樹脂の含浸が収束してしまう。
【0063】
そこで、樹脂が強化繊維基材4の厚さの1/2以上に含浸した時、バルブ41を閉じ、バルブ42を開放して、吸引ゲート6dを樹脂注入ゲートに切り換えた。ゲート6dより注入された樹脂は、拡散媒体5内を吸引ゲート6eの方向に拡散するとともに、媒体5内を介して樹脂が下方向に基材内へと含浸した。やがて、基材内全てに樹脂が含浸した。そして、バルブ9、42を閉じて樹脂の供給を中止した。
【0064】
約2℃/分で全体を130℃に昇温して2時間保持してマトリックス樹脂を硬化させ、そのあと室温まで約2℃/分で降温し、全体を成形型から取り外してバッグ材8を取り除いた。硬化物からピールプライを引き剥がすことにより、成型品の表面についていた硬化樹脂及び媒体と多孔シートが取り去られて成型品の表面が現れたが、媒体の接していた面には媒体の跡である凹凸が見られるのに対して、多孔シートの接していた面は表面平滑性の良い面が得られた。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のRTM成形方法によれば、樹脂含浸の際に要求される通気性を十分に確保しつつ、強化繊維基材内に十分に良好に樹脂を含浸させることができ、成形品の意匠面に形成される凹凸を小さく抑えて、優れた表面性状の成形品を得ることができる。また、とくに厚物成形において、従来方法では不具合を生じることなく基材の厚み方向全体にわたって樹脂を含浸させることが不可能であった場合に対しても、ボイド等を発生させることなく、目標とする成形を行うことが可能となる。
【0075】
したがって、本発明は、とくに厚物成形品のRTM成形に適しており、本発明を適用すれば、10mm厚以上が要求されるような構造体(たとえば、航空機部材の翼部材等)の成形を、問題を生じさせることなく容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係るRTM成型方法に用いられる成形装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係るRTM成型方法に用いられる成形装置の概略縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係るRTM成型方法に用いられる成形装置の概略縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施態様に係るRTM成型方法に用いられる成形装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 成形型
2 第2の樹脂拡散媒体としてのブリーザー
3a、3b ピールプライ
4 強化繊維基材
5、5a、5b 樹脂拡散媒体
6、6a、6b、6d、6e 吸引ゲート
6c 樹脂注入ゲート
7 シーラント
8 バッグ材
9、41、42 バルブ
10 マトリックス樹脂
11 真空ポンプ
12 樹脂ポット
20 多孔シート
30 樹脂拡散用型溝
Claims (9)
- 成形型内に強化繊維基材を配置するとともに、該強化繊維基材の両面上に樹脂流動抵抗が前記強化繊維基材よりも低い樹脂拡散媒体を配置し、前記成形型内を吸引により減圧した後、該成形型内に前記樹脂拡散媒体を介して樹脂を注入し、注入した樹脂を前記強化繊維基材中に含浸させるRTM成形方法において、前記強化繊維基材の第1の面上に配置される第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を、第2の面上に配置される第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗よりも低く設定し、前記第1の樹脂拡散媒体に樹脂を注入しつつ前記第2の樹脂拡散媒体を介して吸引することにより、前記強化繊維基材中に樹脂を含浸させることを特徴とするRTM成形方法。
- 前記強化繊維基材が強化繊維材の積層体からなる、請求項1に記載のRTM成形方法。
- 前記第2の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を前記強化繊維基材の樹脂流動抵抗の1/3以下とする、請求項1または2に記載のRTM成形方法。
- 前記第1の樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗を前記強化繊維基材の樹脂流動抵抗の1/10以下とする、請求項1〜3のいずれかに記載のRTM成形方法。
- 樹脂が前記第2の面に到達する前に、前記第2の樹脂拡散媒体からも樹脂の注入を開始する、請求項1〜4のいずれかに記載のRTM成形方法。
- 少なくとも一方の樹脂拡散媒体と前記強化繊維基材との間に、成形後に樹脂拡散媒体と一体的に剥離可能な、成形体からの離型の機能を有する織物からなるピールプライを介装する、請求項1〜5のいずれかに記載のRTM成形方法。
- 少なくとも一方の樹脂拡散媒体と前記強化繊維基材との間に、最終製品に要求される表面粗度と同等以上の平滑性を有し、樹脂の通過が可能な多孔性シートを介装する、請求項1〜6のいずれかに記載のRTM成形方法。
- 少なくとも一方の樹脂拡散媒体を、成形型の内面に樹脂流路としての溝を設けることにより構成する、請求項1〜7のいずれかに記載のRTM成形方法。
- 成形品を脱型後、少なくとも一方の樹脂拡散媒体を、成形品から剥離せずに残存させる、請求項1〜8のいずれかに記載のRTM成形方法。
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