JP4104068B2 - 高強度ポリピロールフィルムの製造方法及び被覆層形成方法 - Google Patents

高強度ポリピロールフィルムの製造方法及び被覆層形成方法 Download PDF

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機械的強度の優れたポリピロールフィルムの製造方法及びポリピロールフィルムに関する。また、基材の金属表面上へのそのポリピロールフィルムを層として形成するポリピロール層の形成方法及びポリピロール層が形成された基材に関する。
導電性高分子フィルムは、導電性を有する金属化合物等の無機導電体に比べて、軽量であり、導電性の均一化も容易であることから、通電、帯電防止や除電などの効果を得るために導電性が要求される用途への適用について検討がなされている。ドープ状態の導電性高分子は、部分的に正に荷電した高分子鎖とドーパントアニオンによって構成され、この状態の時に高導電性を発現する。導電性高分子の一般的な製造に用いられる電解重合方法としては、通常、ドーパントアニオンを構成要素とする塩を含む電解液中にピロール等のモノマー成分を加え、この電解液中に作用電極及び対向電極を設置して、両電極に電圧を印加することで導電性高分子を作用電極上に膜(フィルム)として形成させる方法が行われる(例えば、非特許文献1参照)。
緒方直哉編 「導電性高分子」、第8版、株式会社サイエンティフィク、1990年2月10日、(第70頁〜第73頁)。
導電性高分子は、ポリピロールやポリアセチレンなどの種々の樹脂系があるが、空気中などの酸素存在下でドープ状態の導電性高分子が安定なものが少ないので、導電性を持続できる実用的な導電性高分子は少ない。酸素存在下においてドープ状態が安定な導電性高分子フィルム、つまり導電性を持続できる実用的な導電性高分子フィルムとしては、ピロール及び/又はピロール誘導体をモノマーに用いたポリピロールフィルム、並びにアニリン及び/またはアニリン誘導体をモノマーに用いたポリアニリンフィルムがある。
ポリアニリンフィルムは、安定な導電性を有するが、導電性が10S/cm程度であるのが通常であり、導電性が通常で10S/cmであるポリピロールフィルムに比べて導電性が低い。したがって、導電性高分子フィルムとしては、ポリピロールフィルムが実用上好適である。
しかし、ポリピロールフィルムは、汎用エンジニアリングプラスチックフィルムと比べて一般には機械的強度が十分ではなく、高い機械的強度が要求されないパッケージ内の電極等の用途には好適であるが、高い機械的強度が要求される外装フィルムやフレキシブル電極等の用途には好適に用いることができなかった。
本発明の目的は、酸素の存在下で導電性が安定して持続することができる機械的強度の優れたポリピロールフィルムを得るポリピロールフィルムの製造方法、及び酸素の存在下で導電性が安定して持続することができる機械的強度の優れたポリピロールフィルム並びに保護層であるポリピロール層を提供することである。
本発明は、ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとして用いる電解重合法によってポリピロール層を作用電極上に形成し、前記ポリピロール層を剥離することによりポリピロールフィルムを得るポリピロールフィルムの製造方法であって、前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含み、前記作用電極が金属電極であるポリピロールフィルムの製造方法である。前記製造方法を用いることにより、優れた機械的強度を有し、酸素の存在下でも導電性が安定して持続することができるポリピロールフィルムを得ることができる。
一般的な汎用エンジニアリングプラスチックの引張強度が60MPa程度であるのに対し、本発明の製造方法により得られたポリピロールフィルムは60MPa以上の引張強度という汎用エンジニアリングプラスチック以上の機械的強度(引張強度)を得ることができる。
本発明により得られたポリピロールフィルムは、汎用エンジニアリングプラスチックが有する引張強度よりも同等またはそれ以上である引張強度を有するので機械的強度が必要な用途として好適である。前記ポリピロールフィルムは、膜を形成する樹脂成分が導電性を有するので、導電性フィラーを添加する必要がなく、金属粉末、導電性金属酸化物、炭素等の導電性フィラーを含む導電性樹脂フィルムに比べて、軽量で薄膜でも機械的強度の大きなフィルムを容易に得ることができる。
また、本発明は、ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとして用いる電解重合法によってポリピロール層を基材の金属表面上に形成する被覆層形成方法であって、前記基材が前記電解重合法における作用電極として用いられ、前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む被覆層形成方法でもある。
本発明の被覆層形成方法を用いることにより、作用電極上に得られたポリピロール層を剥離してポリピロールフィルムを得る工程を行うことなしに、金属基材の金属表面に直接ポリピロール層を形成することができるので、作業工程上容易に被覆層であるポリピロール膜を形成することができる。
本発明は、ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとして用いる電解重合法によってポリピロール層を作用電極上に形成し、前記ポリピロール層を剥離することによりポリピロールフィルムを得るポリピロールフィルムの製造方法であって、前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含み、前記作用電極が金属電極であることを特徴とするポリピロールフィルムの製造方法である。上記製造方法により得られたポリピロールフィルムは、優れた機械的強度を有する。その理由は定かではないが、重合度の大きなポリピロール分子鎖がからみ合い、緻密な膜を形成しているために、前記ポリピロールフィルムは優れた引張強度を有するものと考えられる。
(ドーパント)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法において、電解重合法に用いられる電解液には、電解重合される有機化合物(ピロール及び/またはピロール誘導体)およびトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む。この電解液を用いて電解重合を行うことにより、良好な導電性と優れた機械的強度を有するポリピロールフィルムを得ることができる。上記電解重合により、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンがドーパントとしてポリピロールフィルムに取り込まれることになる。
前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、電解液中に0.1〜30重量%含まれるのが好ましく、1〜15重量%含まれるのがより好ましい。
トリフルオロメタンスルホン酸イオンは、化学式CFSO で表される化合物である。また、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素等の中心原子に複数のフッ素原子が結合をした構造を有している。中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとしては、特に限定されるものではないが、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )、及びヘキサフルオロヒ酸イオン(AsF )を例示することができる。なかでも、CFSO 、BF 及びPF が人体等に対する安全性を考慮すると好ましく、CFSO 及びBF がより好ましい。また、CFSO に代表されるように、ドーパントが中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンであって、フルオロ基よりも大きい官能基が1以上中心原子と結合しているアニオンであることが好ましい。ドーパントが中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンであって、フルオロ基よりも大きい官能基が1以上中心原子と結合しているアニオンを用いることにより、本発明の製造方法により得られるポリピロールフィルムは、引張強度が優れ、しかも引張破断伸び率が良好であるので、膜面と水平に伸張させる方向に働く力に対して強く、ワレにくくなる。前記の中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、1種類のアニオンを用いても良く、複数種のアニオンを同時に用いても良く、さらには、トリフルオロメタンスルホン酸イオンと複数種の中心原子に対しフッ素原子を複数含むアニオンとを同時に用いても良い。
(電解液の溶媒)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法において、電解重合法の電解液に含まれる溶媒は、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を電解液の溶媒として含み、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなる。これらの溶媒を2種以上併用することもできる。電解重合時の電解液を用いて電解重合を行うことにより、上記ドーパントとの相乗効果により、良好な導電性と優れた機械的強度を有するポリピロールフィルムを得ることができる。また、前記有機化合物が有する結合若しくは官能基はエステル結合及び/またはヒドロキシル基官能基であることが、膜質が良好で、特に機械的強度の大きな膜を得ることができるために好ましい。
前記有機化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)を例示することができる。なお、ヒドロキシル基を含む有機化合物は、特に限定されるものではないが、多価アルコール及び炭素数4以上の1価アルコールであることが、特に機械的強度が大きな膜を得ることができるために好ましい。なお、前記有機化合物は、前記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち、2つ以上の結合あるいは官能基を任意の組合わせで含む有機化合物であってもよい。それらは、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−フェノキシエタノールなどである。
また、本発明のポリピロールフィルムの製造方法において電解液に溶媒として含まれるハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の水素が少なくとも1つ以上ハロゲン原子に置換されたもので、電解重合条件で液体として安定に存在することができるものであれば、特に限定されるものではない。前記ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンを挙げることができる。前記ハロゲン化炭化水素は、1種類のみを前記電解液中の溶媒として用いることもできるが、2種以上併用することもできる。また、前記ハロゲン化炭化水素は、上記の有機化合物との混合溶媒を前記電解液中の溶媒として用いることもできる。
(金属電極)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法は、電解重合時に導電性高分子の重合が行われる作用電極として金属電極を用いる。電解重合において金属電極を用いることにより、ITOガラス電極やネサガラス電極等の非金属製の材料を主とする電極を用いた場合に比べて、得られた導電性高分子の機械的強度が向上する。前記金属電極は、金属を主とする電極であれば特に限定されるものではなく、Pt、Ti、Ni、Ta、W、Au等の元素について、これらの金属単体の電極や合金の電極を用いることができる。生成したポリピロールフィルムの機械的強度が良好であり、且つ電極を容易に入手できることから、前記金属電極の金属がNi、Tiであることが特に好ましい。また、前記金属電極は、得られたポリピロールフィルムの引張破断伸び率が高いので、衝撃に強いフィルムを得ることができるために好ましい。
(電解重合条件)
本発明の導電性高分子の製造方法において用いられる電解重合法は、導電性高分子単量体の電解重合として、公知の電解重合方法を用いることが可能であり、定電位法、定電流法及び電気掃引法のいずれをも用いることができる。例えば、前記電解重合法は、電流密度0.01〜20mA/cm2、反応温度−70〜80℃で行うことができ、良好な膜質の導電性高分子を得るために、電流密度0.1〜2mA/cm、反応温度−40〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が−30〜30℃の条件であることがより好ましい。
(導電性高分子モノマー)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法において、電解重合法に用いられる電解液に含まれるポリピロールのモノマーとしては、ピロール及び/またはピロール誘導体であって、電解重合による酸化により高分子化して導電性を示す化合物であれば特に限定されるものではない。前記ピロール誘導体としては、1−メチルピロール、3−メチルピロール、または1−フェニルピロールを用いることができる。また、前記モノマーは、電解重合が容易で、良好な膜質の高分子が得られることから、ピロールであることが好ましい。また、前記モノマーは2種以上併用することができる。
(その他の添加剤)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法においては、電解重合法に用いられる電解液に上記の所定の溶媒を含み、前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む電解液中に導電性高分子のモノマーを含むものであり、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
(ポリピロールフィルム)
本発明のポリピロールフィルムの製造方法において、ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとして電解重合法によりポリピロール層を重合することで、作用電極上にポリピロールが形成される。この作用電極上に形成された膜状のポリピロールを作用電極から剥離することにより、ポリピロールフィルムを得ることができる。得られたポリピロールフィルムは、酸素の存在下でも導電性が安定して持続することができ、機械的強度の優れた導電性の樹脂フィルムとして用いることができる。
電解重合法により作用電極上に形成された膜状のポリピロールを作用電極から剥離する方法としては、公知の方法により剥離することができ、例えば有機溶媒または水に浸漬し、必要に応じてピンセットなどを用いることにより剥離することができる。前記ポリピロールフィルムは、薄膜状であれば、その形状が特に限定されるものではない。前記ポリピロールフィルムを公知の方法を用いて、管状、筒状、角柱及び繊維状等の形状に形成してもよい。前記ポリピロールフィルムは、導電層として用いることができ、基材表面上に積層させて基材の被覆層とすることもできる。
前記ポリピロールフィルムは、膜厚が特に限定されるものではないが、1〜200μmのフィルムとして好適に用いることができる。前記膜厚が0.5μm未満である場合には、作用電極上に形成されたポリピロール層を剥離することが難しい。また、前記膜厚が200μm以上の膜を電解重合で得ることは長時間を要し、効率が悪いだけでなく、膜質も低下する。
(ポリピロール層の被覆層形成方法)
また、本発明は、ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとする電解重合法によりポリピロール層を基材の金属表面上に形成する被覆層形成方法であって、前記基材が前記電解重合法における作用電極として用いられ、前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含むことを特徴とする被覆層形成方法でもある。前記被膜形成方法は、上記のポリピロールフィルムの製造方法において、作用電極が金属表面を備えた基材である場合である。



金属表面を備えた基材上に、酸素の存在下でも導電性が安定して持続することができる機械的強度の優れたポリピロールを形成する場合には、本発明の被覆層形成方法を用いることにより、作用電極上に得られたポリピロール層を剥離してポリピロールフィルムを得る工程を行うことなしに、基材の金属表面に直接ポリピロール層を形成することができるので、前記のポリピロールフィルムの製造方法により得られたフィルムを基材上に積層させるよりも、容易にポリピロール被膜を形成することができる。
本発明の被膜形成方法において、電解重合時の電解液に含まれる溶媒であるエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素については、上記のポリピロールフィルムの製造方法において電解重合時の電解液に含まれる溶媒と同様である。また、本発明の被膜形成方法において、前記電解液に含まれるトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンにつても、上記のポリピロールフィルムの製造方法において電解重合時の電解液に含まれる前記電解液に含まれるトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンと同様である。
前記基材は、作用電極として用いることができ、金属表面を備えていれば特に限定されるものではなく、ポリピロール層が形成される部分以外が塗装されていても良い。ポリピロール層が形成される金属表面は、ピロールを重合することができる金属であれば特に限定されるものではなく、Pt、Ti、Ni、Ta、W、Au等の元素について、これらの金属単体や合金を用いることができる。生成したポリピロール層の機械的強度が良好であり、且つ電極を容易に入手できることから、前記金属電極の金属がNi、Tiであることが特に好ましい。
本発明の被覆層形成方法により形成されるポリピロール層は、膜厚が特に限定されるものではないが、0.1〜200μmのフィルムとして好適に用いることができる。前記膜厚が0.1μm未満である場合には、均一な膜厚とする調整が難しく、前記膜厚が200μmより大きい場合には、基材の表面上に形成されたポリピロール層が有する電気抵抗によりポリピロール層表面での重合が難しくなるからである。
(用途)
本発明の製造方法により得られたポリピロールフィルム並びに本発明の被覆層形成方法により得られたポリピロール層は、導電性と優れた機械的強度とを有しているので、OA用、家庭用、事務用、若しくは自動車及び航空機用の機器・器具またはその部品、建材、医療用器具類等に形成される導電層若しくはフィルムとして好適に用いることができる。また、包装用フィルム若しくはその導電層、及びその他導電性が求められる機器・器具または部品等のフィルム若しくは導電層として好適に用いることができる。前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、帯電防止のための用途、電磁波遮蔽のための用途、通電させるための用途に好適に用いることができる。
前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、帯電防止のための用途として、クリ−ンル−ム用・食品衛生ル−ム用・病院測定ル−ム用の床材、自動車用マット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入口に敷設される床面用マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、玄関マット、或はフロアカーペット、などの導電性床材や導電性壁材などの床材またはマットに用いる導電性フィルム若しくは導電層に好適に用いることができる。前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、電子機器やその部品、並びに複写機やファクシミリの静電気対策部材の導電性フィルム若しくは導電層にも好適に用いることができる。また、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、クリーンルーム用製品、例えば作業服、靴、カーペット、椅子、机等に使われる素材の導電性フィルム若しくは導電層に好適に用いることもできる。前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、帯電防止を目的とした食品用、医薬品用、繊維製品用、IC部品用、粉末食品包装用、医薬品包装用、並びに繊維製品包装用の導電性フィルム若しくは導電層としても好適に用いることができる。
前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、帯電防止のための用途として、上記の他に、ブラウン管を固定させる役割を果たすだけでなくブラウン管の外周面に集積される静電気及び電子波を通電させて除去させる導電性粘着テープ、並びに電気・電子機器のハウジング材や電子素子のケーシング材、あるいは帯電防止材の導電性フィルム若しくは導電層として好適に用いることができる。また、IC、コンデンサ、トランジスタ、LSIなどの電子部品を容器に封入されて保管および輸送などするためのキャリアテープ、TABテープ、搬送用トレイ、収納容器、又はトレイ若しくは容器の底材として、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層を好適に用いることができる。
前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、電磁波遮蔽のための用途として、電子装置や素子を静電気や電磁波から保護するためのハウジング材やケーシング材、及び電磁シールド用筐体として好適に用いることができる。また、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、OA機器、情報処理装置、コンピュータ制御機器などの電子機器、通信機器から放射される電磁波漏洩の防止、あるいは外来の電磁波の侵入を防止するため建物の床面、天井面若しくは壁面の電磁波遮蔽材に好適に用いることができ、磁気カード、ICカード等のカード類の帯電防止用の導電性膜として好適に用いることができる。さらに、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、上記以外に、電磁波遮蔽のための用途として、電磁波シ−ルドを目的とした電子機器貼付用若しくはガラス窓貼付用のフィルムなど、電磁干渉抑制シートまたは電磁波遮蔽フィルム、並びに電磁波シールドガスケット材料にも好適に用いることができる。
前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、通電させるための用途として、各種電気部品としての基盤類などの表面に導電パターンなどの導電性層を設ける目的で使用する導電性フィルムやプリント基板の導電層に好適に用いることができる。前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、IC、LSI等の半導体素子をリードフレーム、セラミック配線板、ガラスエポキシ配線板等の基板に接着する接点や、コンタクトラバー等の電気、電子部品の電気接点材料等の各種接点、回路板同士を接着固定すると共に、両者の電極同士を電気的に接続する接続部材、電子機器への配線、ケーブル、或はコネクター機能を付与した複合部品、並びにCVケーブル用プレハブ型接続箱に好適に用いることができる。
さらに、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、防爆テープ、一次・二次電池用電極、キャパシタ用電極、ダイオード、電界効果トランジスタ、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、ECディスプレイ、各種センサ(湿度、温度、光、イオン、ガス、味覚、圧力など)、熱電交換素子、太陽電池、発熱体、セラミック離型フィルム、磁気記録材料用フィルム、写真用フィルム、電材用ドライフィルム、トレーシングフィルム、感光材料用フィルム、電卓用等のキーボード用などのスイッチ、並びに回転電機の固定子コイルに使用する低抵抗テープに好適に用いることもできる。また、前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、モーター用軸受け、摺動部品材料、フレキシブルプリント板の補強板等にも好適に用いることができる。
前記ポリピロールフィルム及び前記ポリピロール層は、上記の用途に好適に用いることができるが、特に、高い機械的強度が必要であって、なお且つ可撓性が要求されるキャパシタ用電極、二次電池用電極、エレクトロルミネッセンス素子、ECディスプレイ、電磁波シールド材、または帯電防止材に、より好適に用いることができ、更には高い機械的強度が必要であって、なお且つ可撓性が要求される、フレキシブル性を持たせた上述の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ピロールと表1に記載されたドーパントイオンを構成要素とする塩(支持電解質)とを表1に記載の溶媒に公知の撹拌方法により溶解し、モノマーであるピロールの濃度を0.25mol/lとして、かつ支持電解質を0.5mol/l含む電解液を調製した。この電解液に板状の作用電極として表1に記載の金属種である金属電極を用い、対向電極としてPt電極を用いて、重合電流密度0.2(mA/cm)の定電流法により電解重合を行い、作用電極上にポリピロール層を形成した。前記ポリピロール層を、アセトンに浸してピンセットを用いて作用電極から剥離し、表1に記載された膜厚のポリピロールフィルムを得た。
(実施例2〜11)
表1〜3に記載された溶媒と支持電解質とを用いて電解液を調製したことと、作用電極として表1〜3の金属電極を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、表1〜3に記載された膜厚の各実施例のポリピロールフィルムを得た。
(比較例1〜3)
表3に記載された溶媒と支持電解質とを用いて電解液を調製したことと、作用電極として表3の非金属電極または金属電極を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、各実施例のポリピロールフィルムを得た。
なお、表1〜3の支持電解質の標記は、下記の通りである。
TBABF:テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム
TBACFSO:トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
TBAPF:ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム。
Figure 0004104068

Figure 0004104068

Figure 0004104068

(評価)
実施例1〜11及び比較例1〜3で得られたポリピロールフィルムについて、下記の測定方法を用いて引張強度及び引張破断伸び率を測定した。結果を表1〜3に示す。なお、引張強度については、下記の評価基準により評価した。
(測定方法)
実施例1〜11及び比較例1〜3で得られたポリピロールフィルムをそれぞれ長さ20mmの短冊状に裁断した後に、タブ間隔が約4mmとなるようにアルミタブ加工を施して5mm幅短冊である試験片をそれぞれ作成した。各試験片を用いて、JIS K7127のフィルム引張試験(強さ)に準拠して、試験速度0.5mm/minで引張強度及び引張破断伸び率を公知の装置を用いて測定した。なお、引張強度及び引張破断伸び率の測定には、試験機「INSTRON5582型」を用いて測定した。
(評価基準)
◎:引張強度が従来の汎用エンジニアリングプラスチックの引張強度より高く、引張強度が極めて優れていた。
○:引張り強度が従来の汎用エンジニアリングプラスチックと同等であり、引張強度が優れ、高強度が要求される用途に好適である。
×:引張り強度が従来のポリピロールフィルムと同程度であり、高強度が要求される用途に好適ではない。
(結果)
実施例1のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含み、Ni金属電極を用いて電解重合を行ったので、引張強度が75.0MPaであり、通常の汎用エンジニアリングプラスチックと同程度の引張強度を示した。一方、比較例1のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含むが、非金属電極であるITOガラス電極を用いているために、引張強度が39.4MPaであり、通常の汎用エンジニアリングプラスチックの引張強度より低かった。比較例3は、電解重合時における電解液の溶媒に水を用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてドデシルベンゼンスルホン酸イオンを含み、Pt金属電極を用いて電解重合を行ったので、引張強度が29.0MPaであり、通常の汎用エンジニアリングプラスチックの引張強度より更に低かった。
実施例2のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含むが、金属電極に実施例1と異なりTi電極を用いたので、通常の汎用エンジニアリングプラスチックと同程度の引張強度を示した。しかも、実施例2のポリピロールフィルムは、実施例1に比べて、約2倍の引張破断伸び率を示し、衝撃に対して破断し難く、保護層として良好なフィルムであった。
実施例3のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に1−オクタノールを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含み、Ni金属電極を用いて電解重合を行ったので、引張強度が96.8MPaであった。電解液の溶媒に実施例3のポリピロールフィルムは、通常の汎用エンジニアリングプラスチックよりも特に優れた引張強度を示した。
実施例4のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に1,2−ジメトキシエタンを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含み、Ni金属電極を用いて電解重合を行ったので、引張強度が84.9MPaであり、通常の汎用エンジニアリングプラスチックと同等以上の引張強度を示した。一方、比較例2のポリピロールフィルムは、実施例4のポリピロールフィルムと異なり非金属電極であるITO電極を用いて電解重合を行ったので、引張強度が16.7MPaであり、通常の汎用エンジニアリングプラスチックの引張強度より低かった。実施例4のポリピロールフィルムは、比較例2のポリピロールフィルムに比べて、引張強度が高く、引張破断伸び率が約2倍であった。
実施例5及び6のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に1,2−ジメトキシエタンを用い、前記電解液中にドーパントアニオンとしてBF を含み、金属電極を用いて電解重合を行った。実施例5及び6のポリピロールフィルムは、いずれも引張強度が高かったが、作用電極としてPt金属電極を用いた実施例6のポリピロールフィルムの方が、作用電極としてTi金属電極を用いた実施例5のポリピロールフィルムに比べて、引張破断伸び率が2倍以上高かった。
実施例7では、実施例2と同様に、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、作用電極としてTi金属電極を用いて得られた。しかし、実施例7では、実施例2と異なり、ドーパントアニオンとして、CFSO を用いているので、引張破断伸び率が大きく、柔軟で衝撃に対して破断しにくいフィルムを得ることができた。
実施例8〜10のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、作用電極としてチタン製の金属電極またはニッケル製金属電極を用いて、電解重合により得られた。実施例8〜10は87MPa以上の優れた引張強度を示し、通常の汎用エンジニアリングプラスチックよりも特に優れた引張強度を示した。特に、実施例9のポリピロールフィルムは、極めて優れた引張り破断伸び率を示した。
実施例11のポリピロールフィルムは、電解重合時における電解液の溶媒に安息香酸メチルを用い、作用電極としてチタン製の金属電極またはニッケル製金属電極を用いて、電解重合により得られた。実施例11のポリピロールフィルムは、引張り強度が従来の汎用エンジニアリングプラスチックと同等であり、導電性と高機械的強度との両方を備えていた。
実施例1〜11のポリピロールフィルムは、作用電極からポリピロール層を剥離して、単独膜として得た。しかし、ポリピロール層の被覆が施される金属表面を備えた基材を作用電極に用いた場合には、基材からポリピロール層を剥離せずに、ポリピロール層をそのまま保護層とすることができる。前記ポリピロール層は、機械的強度が優れているために、前記基材の最外層として、物理的保護に加えて静電気等に対する保護も可能である。更に、金属表面を形成する金属がTi金属電極またはPt金属電極である場合には、ポリピロールフィルムと同様に、Ni金属電極である場合に比べて、引張破断伸び率が大きく、柔軟で衝撃に対して破断しにくい保護層とすることができる。
本発明の製造方法を用いることにより、引張強度が高いポリピロールフィルムを得ることができる。また、本発明の被覆層形成方法により、引張強度が高いポリピロール層を金属基材の金属面上に得ることができる。前記ポリピロールフィルム及び前記金属基材は、導電性と優れた機械的強度とを有しているので、一次・二次電池用電極、キャパシタ用電極、ダイオード、電界効果トランジスタ、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、各種センサ(湿度、温度、光、イオン、ガス、味覚、圧力など)、熱電交換素子、電磁はシールド材、帯電防止材、太陽電池、自動車外装部品、自動車内層の機能部品、燃料関連部品、航空機部品等に好適に用いることができ、OA用、家庭用、事務用、若しくは自動車用の機器・器具またはその部品、建材、医療用器具類等に形成される電極層若しくはフィルム、並びに包装用フィルム及びその他の導電性が求められる機械・器具または部品等のフィルム若しくは電極層として好適に用いることができる。本発明のポリピロールフィルム及び本発明の金属表面上にポリピロール層が形成された金属素材は、前記ポリピロールフィルム又は前記ポリピロール層を用いたキャパシタ用電極、二次電池用電極、エレクトロルミネッセンス素子、ECディスプレイ、電磁波シールド材、または帯電防止材に特に好適に用いることができ、フレキシブル性を有するキャパシタ用電極、フレキシブル性を有する二次電池用電極、フレキシブル性を有するエレクトロルミネッセンス素子、フレキシブル性を有するECディスプレイ、フレキシブル性を有する電磁波シールド材、またはフレキシブル性を有する帯電防止材に更に好適に用いることができる。



Claims (6)

  1. ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとする電解重合法によりポリピロール層を作用電極上に形成し、前記ポリピロール層を剥離することによりポリピロールフィルムを得るポリピロールフィルムの製造方法であって、
    前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、
    前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、
    前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含み、前記作用電極が金属電極であることを特徴とするポリピロールフィルムの製造方法。
  2. 前記有機化合物が有する結合若しくは官能基はエステル結合及び/またはヒドロキシル基官能基であることを特徴とする請求項1に記載のポリピロールフィルムの製造方法。
  3. 請求項1の製造方法により得られた導電性高分子を樹脂成分として含むポリピロールフィルム。
  4. 引張強度が60MPa以上である請求項3に記載のポリピロールフィルム。
  5. ピロール及び/またはピロール誘導体をモノマーとする電解重合法によりポリピロール層を金属基材の金属表面上に形成する被覆層形成方法であって、
    前記金属基材が前記電解重合法における作用電極として用いられ、
    前記電解重合法がエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合若しくは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、
    前記電解液の溶媒が有機化合物のみからなり、
    前記電解液がトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含むことを特徴とする被覆層形成方法。
  6. 請求項5の被覆層形成方法により金属基材の金属表面上にポリピロール層が形成された金属基材。
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