JP4103376B2 - 画像露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光する画像データの画素に対応する光出射エレメントを主走査方向に配列して構成される露光ヘッドと、前記光出射エレメントの光出射光量を測定する測定手段と、その測定結果に基づいて各光出射エレメントの露光駆動条件を修正する処理を実行する動作条件調整手段とが設けられ、前記測定手段は、光出射方向と交差する面内における前記露光ヘッドの光量分布を測定するように構成された画像露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる画像露光装置は、光を出射する最小の単位であり露光画像の画素に対応する光出射エレメントを主走査方向に並べて露光ヘッドを構成し、露光形成する画像データに基づいて各光出射エレメントを個別に光出射駆動して、感光材料上に露光画像を形成するものである。
露光ヘッドの各光出射エレメントは同一の駆動入力に対して同一の光量の光を出射するのが理想的であるが、現実には、製造ばらつき等により各光出射エレメントに同一の駆動入力を付与しても出射する光量がばらつく。
このため、光出射方向と交差する面内における露光ヘッドの光量分布(一般的には前記主走査方向における光量分布)を測定し、その測定結果に基づいて各光出射エレメントの露光駆動条件を修正することが行われている。
従来、露光ヘッドの光量分布の測定結果は、露光駆動条件の修正と、その修正後の光量分布が適正か否かの判断のみに利用され、作業者が知り得る情報としては、露光駆動条件を修正した後の前記光量分布の測定データが異常であるときに、その旨が表示出力される程度であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、露光駆動条件を修正した後の露光ヘッドの光量分布を測定して適正なデータが得られず、エラー表示がなされても一体どのようなエラーが発生したのかを具体的に把握することができなかった。
又、露光駆動条件を修正し、その処理が正常に終了したときでも、実際にプリントを作製してみると適正なプリント画像が得られないという場合もある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、光出射エレメントの露光駆動条件の修正処理に関する有用な情報を的確に提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記請求項1記載の構成を備えることにより、露光する画像データの画素に対応する光出射エレメントを主走査方向に配列して構成される露光ヘッドと、前記光出射エレメントの光出射光量を測定する測定手段と、その測定結果に基づいて各光出射エレメントの露光駆動条件を修正する処理を実行する動作条件調整手段とが設けられ、前記測定手段は、光出射方向と交差する面内における前記露光ヘッドの光量分布を測定するように構成された画像露光装置において、前記測定手段にて測定された光量分布を、前記光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力させる測定データ管理手段が設けられ、前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正後において前記測定手段により測定された前記光量分布が、設定許容範囲を超える異常データであったときに、異常となった根拠を示す情報を、前記光量分布と共に、前記設定許容範囲を超えた箇所を指し示すように、前記データ表示手段に表示出力させるように構成されている。
【0005】
すなわち、露光ヘッドの光量分布の測定データが、光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力されるので、主走査方向に並べて配置されている光出射エレメントのうちのどの部分の光出射エレメントについてデータが異常であるかを的確に把握することが可能となる。
もって、光出射エレメントの露光駆動条件の修正処理に関する有用な情報を的確に提供できるに至った。
このような情報を提供することによって、客先に納入された画像露光装置の定期的な装置調整の一部として光出射エレメントの露光駆動条件の修正処理が実行された場合において、何らかの異常により露光駆動条件の修正処理が正常に終了しなかったときや、前記修正処理が正常に終了したにも拘わらず作製したプリントに濃度ムラや色ムラが発生するときに、客先の装置管理者と装置納入者側のメンテナンスサービス担当者との間で、どのような状況になっているかを詳細に特定した状態で情報交換することが可能となり、その後の復旧作業を迅速に行うことができる。
更に、前記露光駆動条件の修正処理時において、露光駆動条件修正後の露光ヘッドの光量分布の測定データが異常データとなったとき、その異常データとなった光量分布が各光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力されると共に、異常となった根拠を示す情報も併せてデータ表示手段に表示出力されるので、その時点のトラブル発生状況をより的確に把握することができ、装置納入者側のメンテナンスサービス担当者に対応を依頼するときでも、どのような状況になっているかをより一層的確に伝えることができて、その後の復旧作業を一層迅速に行うことができる。
【0006】
又、上記請求項2記載の構成を備えることにより、前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正前後において前記測定手段にて測定された前記光量分布を前記データ表示手段に同時に表示出力させるように構成されている。
すなわち、単に光出射エレメントの露光駆動条件修正後の光量分布の測定データをデータ表示手段に表示出力させるだけでも有用な情報を装置管理者に提供するものであるが、更に、前記露光駆動条件の修正前後における光量分布の測定データを同時にデータ表示手段に表示出力することで、露光駆動条件の修正処理によるわずかな光量分布の変化まで的確に把握することが可能となり、前記修正処理の影響をより正確に把握できる情報を提供できるものとなる。
【0007】
又、上記請求項3記載の構成を備えることにより、前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正前後において前記測定手段にて測定された前記光量分布をデータ保存手段に記録保存し、入力された表示指令に基づいて前記データ保存手段に記録保存された前記光量分布を前記データ表示手段に表示出力させるように構成されている。
すなわち、画像露光装置が納入された客先で光出射エレメントの露光駆動条件の修正処理が実行された場合において、何らかの異常により露光駆動条件の修正処理が正常に終了しなかったときや、前記修正処理が正常に終了したにも拘わらず作製したプリントに濃度ムラや色ムラが発生したとき、客先からの要請で装置納入者側のメンテナンスサービス担当者が前記露光駆動条件の修正処理を再度実行しても、先に発生したトラブルが再現されない場合もある。
このような場合であっても、先のトラブル発生時の光量分布のデータをデータ表示手段に表示出力させて確認することで、どのようなトラブルが発生していたのかを把握することができ、その後の復旧作業を迅速に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像露光装置を写真プリントシステムに適用した場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態で例示する写真プリントシステムDPは、いわゆるデジタルミニラボ機として知られているものであり、図4に外観を示すように、現像処理済みの写真フィルム1(以下、単に「フィルム1」と略称する)やメモリーカード,MOあるいはCD−R等から写真プリントを作製するための画像データを入力する画像入力装置IRと、画像入力装置IRにて入力した画像データを写真感光材料である印画紙2に露光処理する露光・現像装置EPとから構成されている。
【0010】
〔画像入力装置IRの概略構成〕
画像入力装置IRには、図3に概略的に示すように、フィルム1の駒画像を読み取るフィルムスキャナ3と、メモリーリーダ,MOドライブ及びCD−Rドライブ等を備えた外部入出力装置4と、汎用小型コンピュータシステムにて構成されてフィルムスキャナ3や外部入出力装置4の制御のほか写真プリントシステムDP全体の管理を実行する主制御装置6とが備えられ、更に、主制御装置6には、仕上がりプリント画像をシミュレートしたシミュレート画像や各種の制御用の情報を表示出力してデータ表示手段DDとして機能するモニタ6aと、露光条件の手動設定等や制御情報の入力操作をするための操作卓6bと、主制御装置6が実行するプログラムや各種のデータを記録保存するデータ保存手段DSとしてのハードディスク装置5が接続されている。
【0011】
フィルムスキャナ3は、ハロゲンランプ10と、ハロゲンランプ10から出射した光の色バランスを調整するための調光フィルタ11と、調光フィルタ11を通過した光を均等に混色するミラートンネル12と、搬送機構13aや図示を省略するフィルムマスク等が備えられてフィルム1を所定の読取り位置に位置させるフィルムマスクユニット13と、フィルム1の駒画像を光電変換するためのCCDラインセンサユニット14と、フィルム1の画像をCCDラインセンサユニット14上に結像させるためのレンズ15と、光路を90度屈曲させるためのミラー16と、CCDラインセンサユニット14の出力信号を増幅及びA/D変換等する処理回路17と、フィルムスキャナ3全体の制御を行う読取制御装置18とが設けられている。
読取制御装置18は、主制御装置6からの読取指令に基づいて、フィルムマスクユニット13にセットされたフィルム1の搬送移動を開始させると共に、処理回路17から出力されるそのフィルム1の駒画像の画像データを主制御装置6へ出力する。
【0012】
〔露光・現像装置EPの概略構成〕
露光・現像装置EPは、筐体内部に、画像露光装置EXと、画像露光装置EXにて露光された印画紙2を現像処理する現像処理部22と、筐体上面に配置された印画紙マガジン8から引き出された印画紙2を多数の搬送ローラ25等にて現像処理部22へ搬送する印画紙搬送系PTとが設けられている。
露光・現像装置EPの筐体外部には、現像処理部22にて現像処理及び乾燥処理された印画紙2をオーダ毎に分類するためのソータ26と、排出口22aから排出された印画紙2をソータ26へ搬送するコンベア27とが設けられている。更に、印画紙搬送系PTの搬送経路の途中には、印画紙マガジン8から引き出された長尺の印画紙2を設定プリントサイズに切断するカッタ28が備えられている。
【0013】
〔画像露光装置EXの構成〕
画像露光装置EXは、PLZT光シャッタ方式を採用した露光ユニット20と、露光ユニット20を制御する露光制御装置21とを主要部として構成されている。
露光ユニット20は、図2に示すように、光源30と、光源から出射された光から赤外線成分をカットする赤外線吸収フィルタ31と、赤外線吸収フィルタ31の通過光を所望の色バランスに調整する調光フィルタ32と、集光レンズ33と、赤色,緑色,青色の各カラーフィルタを周方向に配列して図示しないモータにて回転駆動される回転フィルタ34と、集光レンズ33にて集光された光を伝える光ファイバー束35と、光ファイバー束35の先端に接続された露光ヘッドEHとしてのPLZTプリントヘッド36と、シャッタ制御回路37とが備えられている。
【0014】
PLZTプリントヘッド36には、図1に概略的に示すように、数百個程度のPLZT素子をライン状に並べて1チップに集積したPLZTチップ41を10個程度配列し、数千個のPLZT素子からなる露光ラインが備えられている。
このように配置された各PLZT素子の光路の両側には偏光板が配置され、更に、各PLZT素子の透過光を印画紙2上に結像するための微少レンズ群が備えられている。
各PLZT素子の夫々とこれら偏光板及び微少レンズ群等によって構成される光シャッタを備えて光出射エレメントLEが構成され、PLZTプリントヘッド36は、露光する画像データの画素に対応する光出射エレメントLEをPLZT素子の並び方向である主走査方向に配列して構成されている。
【0015】
各PLZT素子夫々を駆動するシャッタ制御回路37は、各PLZT素子の夫々に電源電圧を印加するか否かを切り替える半導体スイッチを開閉駆動することで、各PLZT素子にパルス電圧を印加する。このパルス電圧の印加時にPLZT素子を通過した光が出射されて光出射状態となり、電圧が印加されない状態では光の通過を遮断して光出射停止状態となる。
シャッタ制御回路37は、露光制御装置21から各画素のデジタル濃度データとしてプリントする画像の画像データを受け取ると、各画素のデータに応じたパルス幅のパルス電圧が、その画素に対応するPLZT素子に印加されるように駆動する。
シャッタ制御回路37では、受け取った各画素のデジタル画像データをPLZT素子に印加するパルス電圧のパルス幅に変換するときの変換比率を微調整可能であり、この変換比率を光出射エレメントLEの露光駆動条件として管理している。この変換比率は、主制御装置6からの指令により設定変更される。
【0016】
露光制御装置21には、図1に概略的に示すように、主制御装置6から受け取った画像データを露光・現像装置EPの画像再現特性に適合させた画像データに変換させる変換処理や画像拡大処理等の各種の画像処理を実行する画像処理回路21aと、画像処理回路21aにて処理済みの画像データをPLZTプリントヘッド36の露光タイミングに合わせて送出するデータ出力回路21bとが備えられている。
〔画像露光装置EXの調整〕
次に、上記構成の画像露光装置EXの調整について説明する。
ここで説明する画像露光装置EXの調整は、個々の光出射エレメントLEの光出射光量のばらつきを補正するためのものであり、原則として日々のプリント作業の稼働開始前にセットアップ作業として実行されると共に、操作卓6bからの指示入力により随時実行できる。
この日々のセットアップ作業の前提として、写真プリントシステムDPの工場出荷時あるいは写真プリントシステムDPの設置作業時に精密な調整作業が行われており、高精度に各光出射エレメントLEの光量ばらつきが抑制され、尚かつその精密調整の完了時にPLZTプリントヘッド36の主走査方向の光量分布が測定されて基準光量分布データとして主制御装置6に記憶されている。
【0017】
この調整のために、画像露光装置EXには、光出射エレメントLEの光出射光量を測定する測定手段LMとして図1に示す測光装置50と測光制御装置51とが備えられている。
測光装置50は、光出射エレメントLEの光出射光量を測定するための測光ヘッド60と、その測光ヘッド60を光出射エレメントLEの配列方向(主走査方向)に移動させるための移動手段としてボールネジ式の一軸駆動装置61とを主要部として構成され、画像露光装置EXの調整時にPLZTプリントヘッド36に対向する位置に図示を省略する機構によってセットされる。尚、一軸駆動装置61を印画紙2の搬送経路と干渉しない位置に配置して、測光装置50を固定設置しておくようにしても良い。
測光ヘッド60に備えられた光センサ60aの受光面上には光の入射範囲を規制するためのスリットが取り付けられており、調整時にはこのスリットがPLZTプリントヘッド36の微少レンズ群の結像位置(印画紙2の通過位置)に位置するように配置される。
一軸駆動装置61は、モータ61aがネジ軸61bを回転駆動することで、移動ステージ61cに取り付けられた測光ヘッド60を前記主走査方向に移動させる。
【0018】
測光制御装置51には、図1に概略的に示すように、光センサ60aの出力信号を増幅及びA/D変換等する信号処理回路51aと、信号処理回路51aの出力データを一時的に保持するバッファ回路51bと、モータ61aを駆動するモータ駆動回路51cと、モータ駆動回路51cを制御して測光装置50の測光作動を制御すると共に、バッファ回路51bから出力される光出射エレメントLEの光出射光量データからPLZTプリントヘッド36の光量分布を求める処理を実行する制御回路51dとが備えられている。制御回路51dは、機器組み込み型のコンピュータで構成されている。
【0019】
次に、日々のプリント作業の稼働開始前にセットアップ作業として実行される調整について、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。図5に示す処理は主制御装置6にて実行され、図6に示す処理は測光制御装置51の制御回路51dにて実行される。
先ず、図示しない駆動手段によって測光装置50を光出射エレメントLEの光出射光量を測定するための位置にセットし(ステップ#1)、全ての光出射エレメントLEを光出射状態とするべく全ての画素データが同一値を有する画像データを露光制御装置21へ送ってPLZTプリントヘッド36を露光作動させ(ステップ#2)、測光制御装置51に対して測光動作の開始を指示する(ステップ#3)。
【0020】
測光制御装置51は、この測光動作の開始の指示を受けて図6の処理を開始する。
すなわち、測光ヘッド60を一端側の初期位置に位置させた後に他端側への移動を開始させ(ステップ#21)、測光ヘッド60が主走査方向に沿って多数設定された測定位置に到達すると(ステップ#22)、モータ61aの駆動操作量によって求める測光ヘッド60の位置情報と共に測光ヘッド60の出力を取り込む(ステップ#23)。測光ヘッド60が終端に達するまで所定の測定位置での測光を上述のようにして繰り返し(ステップ#24)、終端に達すると、光出射方向と交差する面内におけるPLZTプリントヘッド36の光量分布を演算により求める(ステップ#25)。
【0021】
各光出射エレメントLEは上述のように1画素の画像データに応じたパルス幅の光パルスを出射するので、制御回路51dでは、光パルスを時間積分するのと等価な状態でデータ処理することで各測定位置での光量を求め、光出射方向と交差する面内におけるPLZTプリントヘッド36の光量分布として主走査方向の光量分布を求める。
PLZTプリントヘッド36の光量分布を求めると、そのデータを主制御装置6へ出力する(ステップ#26)。
【0022】
主制御装置6は、このデータを受け取ると(図5のステップ#4)、PLZTプリントヘッド36の露光作動を停止させ(ステップ#5)、測光制御装置51から受け取った光量分布のデータと、写真プリントシステムDPの工場出荷時あるいは写真プリントシステムDPの設置作業時に行われた精密な調整作業において得られた前記基準光量分布データとの偏差に基づいて、光出射エレメントLEの主走査方向の光量分布が前記基準光量分布データとなるように光出射エレメントLE毎に前記露光駆動条件を修正する(ステップ#6)。
すなわち、最も単純な取り扱いとしては、各光出射エレメントLEの中心位置における前記基準光量分布データでの光量値と測光制御装置51から受け取った光量分布での光量値とに基づいて、測定した光出射光量が前記基準光量分布データの光出射光量より大きい光出射エレメントLEについては両者の偏差に応じて露光駆動条件である画像データからパルス幅への変換比率を小さくし、測定した光出射光量が前記基準光量分布データの光出射光量より小さい光出射エレメントLEについては両者の偏差に応じてこの変換比率を大きくする。
【0023】
このようにして露光駆動条件を修正した後、再び全ての光出射エレメントLEを光出射状態とするべく全ての画素データが同一値を有する画像データを露光制御装置21へ送ってPLZTプリントヘッド36を露光作動させ(ステップ#7)、測光制御装置51に対して測光動作の開始を指示する(ステップ#8)。
図6に示す処理により測光制御装置51がPLZTプリントヘッド36の光量分布を測定して出力すると(ステップ#9)、PLZTプリントヘッド36の露光作動を停止させる(ステップ#10)。
【0024】
この後、測光制御装置51から受け取った露光駆動条件修正後のPLZTプリントヘッド36の光量分布データが適正な光量分布となっているか否かを確認する(ステップ#11)。露光駆動条件修正後のPLZTプリントヘッド36の光量分布が適正な光量分布か否かは、光量分布のばらつきが設定許容範囲内か否か、あるいは、測定した光量分布と前記基準光量分布データとの偏差が設定許容範囲内か否か等の種々の判断基準で判断される。
適正な光量分布であれば、図7に例示するような、前記露光駆動条件の修正前後の光量分布の測定データを「実行前」,「実行後」としてモニタ6aに表示する(ステップ#12)。
図7に示す光量分布データの表示は、縦軸に光量をとり横軸に測光装置50の測定位置をとっており、この横軸が光出射エレメントLEの並び状態と対応している。
【0025】
図7のモニタ表示では、光量分布のデータと共にこれらの光量分布のデータすなわち露光駆動条件の修正前後における光量分布のデータをハードディスク装置5に保存するか否かの指示入力を要求する案内も表示され、画面上のコマンドボタン70を図示を省略するマウス式入力装置にて操作することで、装置管理者が光量分布のデータの保存を指示すると(ステップ#13)、前記露光駆動条件修正前後の光量分布のデータがハードディスク装置5に記録保存される(ステップ#15)。
一方、ステップ#11において、修正後の露光駆動条件で測定したPLZTプリントヘッド36の光量分布が上述したような設定許容範囲を超える異常データであると判断した場合は、図8に例示するように、異常となった根拠を示す情報と共に測定した光量分布をモニタ6aに表示出力させ、「キャリブレーションエラーが発生しました。」との文言の表示によって露光駆動条件の修正処理を異常終了したことを表示出力する。
図8では、光量分布のばらつきが設定許容範囲を示すしきい値を超えた場合を例示しており、異常となった根拠を示す情報として、1点鎖線Aで示すしきい値と、しきい値を超えた箇所を指し示すように、しきい値を超えた旨を記載したコメント表示欄71を表示している。
【0026】
露光駆動条件の修正処理が異常終了したときは、装置管理者の指示に依らずに前記露光駆動条件修正前後の光量分布のデータがハードディスク装置5に記録保存される(ステップ#15)。
状況に応じた光量分布データの記録保存が完了すると、PLZTプリントヘッド36の露光位置を印画紙2が通過可能となるように、図示しない駆動手段にて測光装置50を待避させて(ステップ#16)、調整作業を終了する。
上記にようにしてハードディスク装置5に保存された光量分布のデータは、操作卓6bから入力される表示指令に基づいてハードディスク装置5から読み出され、図7に示す表示態様と同様の態様で、あるいは、部分的に拡大する等の態様でモニタ6aに表示出力され、装置の復旧作業に利用することができる。
以上のように、図5に示す処理を実行する主制御装置6は、各光出射エレメントLEの露光駆動条件を修正する動作条件調整手段CCとして機能すると共に、測定手段LMにて測定されたPLZTプリントヘッド36の光量分布をモニタ6aに表示させる測定データ管理手段MDとして機能する。
【0027】
〔写真プリントの作製動作〕
次に、上記構成の写真プリントシステムDPによる写真プリントの作製動作を概略的に説明する。
操作者がフィルム1の駒画像について写真プリントの作製を指示入力したときは、主制御装置6は、フィルムスキャナ3に対してフィルム1の読み取りを指令し、読取制御装置18からそのフィルム1の画像データを順次受取って、内蔵されているメモリに記録する。
一方、操作者がメモリーカード,MOあるいはCD−R等の記録媒体に記録された画像データについて写真プリントの作製を指示入力したときは、主制御装置6は、外部入出力装置4の該当するドライブに画像データの読み取りを指令し、そのドライブから画像データを順次受取って、メモリに記録する。
【0028】
主制御装置6は、上記のようにして入力された画像データに基づいて、その画像データによってプリントを作製した場合に得られるであろうシミュレート画像を図示を省略する画像処理回路にて演算して求め、それをモニタ6aに表示する。
操作者は、このモニタ6a上のシミュレート画像を観察して、適正な画像が得られていなければ、操作卓6bから露光条件の修正入力操作を行う。
主制御装置6の画像処理回路は、入力された画像データとその修正入力とに従って予め設定された演算条件で赤色、緑色、青色毎の露光用画像データを生成する。
【0029】
この露光用画像データは、露光制御装置21に送られ、露光制御装置21に備えられているメモリに記憶される。
露光制御装置21は、印画紙搬送系PTから得られる印画紙2の搬送情報に基づいて、印画紙2の前端が所定の露光開始位置まで搬送されて来たことを検知すると、露光ユニット20の露光処理スピードに対応した速度で露光用画像データを露光ユニット20へ順次送信する。
露光ユニット20は、受け取った露光用画像データに基づいてPLZTプリントヘッド36の各光シャッタを作動させて印画紙2にプリント画像の潜像を形成する。
露光ユニット20にて露光処理された印画紙2は、印画紙搬送系PTにて現像処理部22へ搬送されて、各現像処理タンクを順次通過することにより現像され、現像処理された印画紙2は、更に乾燥処理された後に排出口22aからコンベア27上に排出され、ソータ26にてオーダー毎にまとめられる。
【0030】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、測定手段LMは、各光出射エレメントLEの光出射光量を、主走査方向の光量分布として測定しているが、光出射方向と交差する面内において2次元の光量分布として求める等、具体的な測定手法は種々変更可能である。
(2)上記実施の形態では、測光ヘッド60に光センサ60aを備える場合を例示しているが、例えば、測光ヘッド60に光ファイバの光入射端を固定し、その光ファイバの光出射端を測光制御装置51に固定して、光センサ60aを測光制御装置51内に配置する等、測光ヘッド60の具体構成は種々変更可能である。
【0031】
(3)上記実施の形態では、PLZT光シャッタ方式の露光ヘッドEHを例示しているが、液晶シャッタ方式や、あるいは、各種の発光素子にて光出射エレメントLEを構成する等、露光ヘッドEHの具体構成は種々変更可能である。
(4)上記実施の形態では、受け取った各画素のデジタル画像データをPLZT素子40に印加するパルス電圧のパルス幅に変換するときの変換比率を光出射エレメントLEの露光駆動条件として取り扱っているために、光出射エレメントLEの光出射光量の測定にあたっては、受けた光強度の積分として光出射光量を検出しているが、前記露光駆動条件が光出射エレメントLEの出射光の光強度を直接的に変化させるものであれば、受けた光の光強度そのものを光出射光量として検出できる。
【0032】
(5)上記実施の形態では、光量分布を表示出力させるデータ表示手段DDとしてモニタ6aを例示しているが、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等のプリンタをデータ表示手段DDとして用いて、図7や図8の例示図と同様の内容をプリントアウトするようにしても良い。
(6)上記実施の形態では、光量分布のデータを記録保存するデータ保存手段DSとしてハードディスク装置5を例示しているが、例えば光ディスクやメモリーカード等の種々の形式のデータ保存手段DSを用いることができる。
【0033】
【発明の効果】
上記請求項1記載の構成によれば、露光ヘッドの光量分布の測定データが、光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力されるので、主走査方向に並べて配置されている光出射エレメントのうちのどの部分の光出射エレメントについてデータが異常であるかを的確に把握することが可能となる。
もって、光出射エレメントの露光駆動条件の修正処理に関する有用な情報を的確に提供できるに至った。
更に、前記露光駆動条件の修正処理時において、露光駆動条件修正後の露光ヘッドの光量分布の測定データが異常データとなったとき、その異常データとなった光量分布が各光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力されると共に、異常となった根拠を示す情報も併せてデータ表示手段に表示出力されるので、その時点のトラブル発生状況をより的確に把握することができ、装置納入者側のメンテナンスサービス担当者に対応を依頼するときでも、どのような状況になっているかをより一層的確に伝えることができて、その後の復旧作業を一層迅速に行うことができる。
【0034】
又、上記請求項2記載の構成によれば、単に光出射エレメントの露光駆動条件修正後の光量分布の測定データをデータ表示手段に表示出力させるだけでも有用な情報を装置管理者に提供するものであるが、更に、前記露光駆動条件の修正前後における光量分布の測定データを同時にデータ表示手段に表示出力することで、露光駆動条件の修正処理によるわずかな光量分布の変化まで的確に把握することが可能となり、前記修正処理の影響をより正確に把握できる情報を提供できるものとなる。
【0035】
又、上記請求項3記載の構成によれば、前記露光駆動条件の修正処理でトラブルが発生し、装置納入者側のメンテナンスサービス担当者がそのトラブルの再現を試みたときに、先に発生したトラブルが再現されない場合もあるが、このような場合であっても、先のトラブル発生時の光量分布のデータをデータ表示手段に表示出力させて確認することで、どのようなトラブルが発生していたのかを把握することができ、その後の復旧作業を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光量分布の測定手段を示す概略構成図
【図2】本発明の実施の形態にかかる露光ユニットの概略構成図
【図3】本発明の実施の形態にかかる写真プリントシステムのブロック構成図
【図4】本発明の実施の形態にかかる写真プリントシステムの外観斜視図
【図5】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【図6】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【図7】本発明の実施の形態にかかるモニタの画面表示例
【図8】本発明の実施の形態にかかるモニタの画面表示例
【符号の説明】
CC 動作条件調整手段
DD データ表示手段
DS データ保存手段
EH 露光ヘッド
LE 光出射エレメント
LM 測定手段
MD 測定データ管理手段
Claims (3)
- 露光する画像データの画素に対応する光出射エレメントを主走査方向に配列して構成される露光ヘッドと、前記光出射エレメントの光出射光量を測定する測定手段と、その測定結果に基づいて各光出射エレメントの露光駆動条件を修正する処理を実行する動作条件調整手段とが設けられ、
前記測定手段は、光出射方向と交差する面内における前記露光ヘッドの光量分布を測定するように構成された画像露光装置であって、
前記測定手段にて測定された光量分布を、前記光出射エレメントの並び状態と対応付けてデータ表示手段に表示出力させる測定データ管理手段が設けられ、
前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正後において前記測定手段により測定された前記光量分布が、設定許容範囲を超える異常データであったときに、異常となった根拠を示す情報を、前記光量分布と共に、前記設定許容範囲を超えた箇所を指し示すように、前記データ表示手段に表示出力させるように構成されている画像露光装置。 - 前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正前後において前記測定手段にて測定された前記光量分布を前記データ表示手段に同時に表示出力させるように構成されている請求項1記載の画像露光装置。
- 前記測定データ管理手段は、前記動作条件調整手段による前記露光駆動条件の修正前後において前記測定手段にて測定された前記光量分布をデータ保存手段に記録保存し、
入力された表示指令に基づいて前記データ保存手段に記録保存された前記光量分布を前記データ表示手段に表示出力させるように構成されている請求項1又は2記載の画像露光装置。
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-
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- 2001-11-16 JP JP2001350960A patent/JP4103376B2/ja not_active Expired - Lifetime
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